JP2010111829A - スクリーン印刷用熱伝導性塗料およびそれを用いた電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品を冷却するための放熱板を不要として、電子機器の大型化を抑制してその電子部品を高効率に冷却するために、高い熱伝導性を持ち、スクリーン印刷に適した熱伝導性塗料を提供すること、ならびにそれを用いた放熱性電子部品を提供すること
【解決手段】膨張黒鉛50〜95質量%、熱硬化性樹脂のエマルション粒子5〜50質量%、および増粘剤0〜30質量%を合わせて100質量%とした組成物と水性媒体とからなり、25℃における粘度が40ポイズ〜1,000ポイズであることを特徴とするスクリーン印刷用熱伝導性塗料。前記熱伝導性塗料を塗布・乾燥してなる放熱層を設けた電子部品。
【選択図】なし

Description

本発明は、スクリーン印刷に好適な熱伝導性塗料及びそれを用いた電子部品に関するものである。
トランジスタやIC等の電子部品は通電によって高熱を発するため、電子機器の分野においては、これら電子部品の発熱に対する冷却方法が重要な技術の一つとなっている。電子部品の冷却方法としては、通常、熱伝導性に優れる材料からなる放熱板(ヒートシンク)を電子部品の発熱面に取り付ける方法が一般的である(特許文献1)。他に、放熱フィンを冷却ファンにて空冷する方法もある。
しかしながら、近年では電子機器の小型・軽量化を達成するべく、その薄形化および高密度実装化が急速に進められており、そのため、放熱板を実装するための十分なスペースを確保することができないという問題点があった。即ち、電子部品を適切に冷却するためには、放熱板を大きくする必要があり、その分、電子機器全体としての大型化を招く。その一方、放熱板を小さく構成したのでは、放熱効率が低下して、電子部品を効率的に冷却することができない。
特許文献2では、電子部品の小型化を目的として、絶縁材部の内層に高い熱伝導性を有するカーボンシートが積層状に設けられた電子部品が示されている。カーボンシートの高い熱拡散を利用して基板自体に冷却性能を付与する方法であり、非常に有効であると考えられる。しかしながら、特許文献2の方法ではカーボンシート自体が高価であることに加え、シートを複雑な形状に加工する工程が必要になるため、この方法によって製造された電子部品の価格が高くなってしまうという問題があった。また、カーボンの粉落ちによる絶縁不良などの問題もあった。
一方、特許文献3では熱伝導性材料をペースト化することが示されている。シート形状とは異なり、ペースト化すれば複雑な形状であっても例えばスクリーン印刷などの方法で容易に塗布できる。しかしながら、スクリーン印刷を可能とするためにはペースト粘度を低く抑える必要がある。このためにはバインダの比率を高める必要があり、これが熱伝導の妨げとなる。熱放射のように表面効果によって冷却する場合や特許文献3のように放熱板を併用する場合は必ずしも高い熱伝導性を必要としないので、このような方法でも有効であるが、熱拡散による高い冷却性能を付与する目的においては問題となる。高い冷却性能を付与するためには例えば膨張黒鉛のような高い熱伝導率をもつフィラーを高い比率で配合する必要があるが、相対的にバインダの比率が低下するため高粘度となり、このような材料をスクリーン印刷に供することは困難である。仮に分散媒を用いてスクリーン印刷可能な粘度に調整することができても、乾燥後はバインダ不足によって結着性が低くなるため強度が低く、工程間ハンドリングでの破壊や熱伝導性材料の脱落を誘発し、電子部品の性能に甚大な影響を及ぼすという問題があった。
従って、スクリーン印刷で塗布することを目的とする放熱部材に高い冷却性能を付与するためには、熱伝導フィラーの配合比率を高くすると同時に、少量のバインダで熱伝導フィラーの粒子を強固に結着させる必要があった。
特許文献4では、熱伝導フィラーとバインダの結着性を高めるためにエマルションゴム中に膨張黒鉛を均一に分散させた黒鉛落ちのない熱伝導シートが示されている。エマルションゴムを使用することによって熱伝導性の高いフィラーを高比率で添加することができるが、高粘度であることからスクリーン印刷による塗布は困難であり、耐熱性も低いという問題があった。
特開平7−235781号公報 特開2007−073654号公報 特開2008−069238号公報 特開2006−137860号公報
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、高い熱伝導性を持ち、スクリーン印刷に適した熱伝導性塗料の提供および、それを用いた放熱性電子部品を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定炭素材と結着材および水系媒体からなる熱伝導性塗料を用いると上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)膨張黒鉛50〜95質量%、熱硬化性樹脂のエマルション粒子5〜50質量%、および増粘剤0〜30質量%を合わせて100質量%とした組成物と水性媒体とからなり、25℃における粘度が40ポイズ〜1,000ポイズであることを特徴とするスクリーン印刷用熱伝導性塗料。
(2)25℃における粘度から求めたチクソ比が1.0〜4.0であることを特徴とする(1)に記載のスクリーン印刷用熱伝導性塗料。
(3)(1)または(2)に記載のスクリーン印刷用熱伝導性塗料を塗布・乾燥して得られる放熱層。
(4)(3)記載の放熱層であって、厚みが10〜300μmであることを特徴とする放熱層。
(5)(3)または(4)に記載の放熱層を電気絶縁部内部に設けた電子部品。
(6)プリント基板、可変抵抗器、スイッチ、エンコーダ、センサおよびコネクタから選ばれたものである(5)に記載の電子部品。
(7)20メッシュ〜150メッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷によって(1)または(2)に記載の熱伝導性塗料を塗布する工程を含むことを特徴とする放熱層の製造方法。
本発明の熱伝導性塗料によれば、スクリーン印刷により高熱伝導性材料を電子部品の冷却を要する部位にのみ塗布して放熱層を形成できる。このため、従来電子部品を冷却するために用いられていた放熱板を不要として、電子機器の大型化を抑制しながら、容易かつ高効率に電子部品を冷却することができ、安価で効率的に熱を放出する電子部品を提供することができる。また、カーボンシート加工が不要なため、カーボン脱落のない放熱層を形成することができ、製品歩留まりも向上する。
結着材として熱硬化性樹脂エマルションを用いているので耐熱性が向上し、電子部品を実装する際のハンダの熱にも耐えることができる。
分散媒として水性媒体を用いることで、環境面や安全性に配慮したものとすることができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明のスクリーン印刷用熱伝導性塗料(以下、熱伝導性塗料と略す。)には、炭素材の主成分として膨張黒鉛を用いる。膨張黒鉛は、黒鉛を硝酸、硫酸等の化学薬品で処理し、これを1,000℃以上の高温で熱処理することで得られ、黒鉛の結晶格子の層間が膨張してフレーク状の粒子になったものである。平均粒子径が0.5〜200μmのものが好ましく、より好ましくは1〜100μmである。
本発明の効果を損なわない範囲において、膨張黒鉛以外の炭素材として、カーボンブラックや炭素繊維などを添加してもよい。
カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ケッチェンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ガスブラック、サーマルブラック、プラズマブラックなどが挙げられ、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ケッチェンブラックが挙げられる。
炭素繊維には、ピッチ系炭素繊維やPAN系炭素繊維が挙げられ、いわゆるカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーも含まれる。カーボンナノチューブとしては、炭素のチューブ構造が単一チューブであるシングル型、チューブ構造が二重のチューブであるダブル型、およびチューブ構造が三重以上となっているマルチ型構造を含み、さらに、チューブの一方の端が閉じて他方の端が開いているナノホーン型、一方の端の開口が他方の端の開口よりも大きいカップ型等の形態も含んでいる。
本発明の熱伝導性塗料には、結着材として熱硬化性樹脂を用いる必要がある。熱硬化性樹脂を用いた場合、耐熱性が向上し電子部品をハンダで実装する際の熱に耐えることができる。
熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アリルエステル樹脂、フラン樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂およびこれらの共重合変性体からなる群より選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせを用いることができる。なかでも、結着性と耐熱性の点から、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂が好ましく、エポキシ樹脂とウレタン樹脂がより好ましい。熱硬化性樹脂は、熱伝導性塗料として基材に塗布後に硬化させて使用することが好ましい。
熱伝導性塗料中の結着材は、エマルション粒子とする必要がある。エマルション粒子を用いるとフィラーを点結着することが可能になるため、同量の溶剤可溶型結着材を用いた場合に比べて結着力が強くなる傾向があり、より少量の結着材で炭素材料を結着することができる。したがって、結着材による熱伝達の阻害を抑制し、かつ得られる放熱層における炭素材の割合も高くできるため、より放熱効率が高まる。
熱伝導性塗料には、必要に応じて増粘剤を添加してもよい。増粘剤としては、カルボシキメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等を挙げることができ、好ましくはカルボシキメチルセルロースやポリビニルアルコールがよい。これらの増粘剤は、炭素材の各材料間の濡れ性を向上させる。
本発明の熱伝導性塗料は、固形分として、膨張黒鉛50〜95質量%、熱硬化性樹脂のエマルション粒子5〜50質量%、および増粘剤0〜30質量%を合わせて100質量%とした組成物を含んでいる。膨張黒鉛と熱硬化性樹脂のエマルション粒子の配合比率は、それぞれ、前記組成物の50〜95質量%と5〜50質量%の範囲とすることが好ましく、60〜95質量%と5〜40質量%がより好ましく、70〜90質量%と10〜30質量%とすることがさらに好ましい。結着材としての熱硬化性樹脂のエマルション粒子の割合が50質量%を超えると、膨張黒鉛の割合が50質量%未満となり、得られる電子部品において十分な放熱性を発揮できず、熱硬化性樹脂のエマルション粒子の割合が5質量%を下回ると、炭素材料と絶縁材部の各材料間の十分な結着性が得られないことがある。増粘剤の配合量は、結着材、炭素材および増粘剤からなる組成物の固形分中0〜30質量%であり、好ましくは5〜10質量%である。増粘剤の混合時期や方法は特に限定されない。
熱伝導性塗料の分散媒は、環境や安全性の点から、水性媒体とすることが必要である。水性媒体とは、水単独、または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である。有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、γ-ブチロラクトン、イソプロパノールが挙げられる。
本発明の熱伝導性塗料は、膨張黒鉛と結着材とともに、必要に応じて増粘剤を配合し、これらを分散媒中で混合、分散して得ることができる。混合、分散の手段は特に限定されず、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリミキサー等の公知の混合装置を用いることができる。膨張黒鉛、結着材および増粘剤の合計固形分比率は、熱伝導性塗料全体の5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。
熱伝導性塗料の粘度は、BH型粘度計のNo.4ローターを用い6.0rpmで測定した25℃における粘度が40ポイズ〜1,000ポイズであることが必要であり、好ましくは100〜600ポイズである。また、BH型粘度計のNo.4ローターを用い0.6rpmおよび6.0rpmで測定した25℃における粘度の比であるチクソ比(=0.6rpmの粘度/6.0rpmの粘度)が1.0〜4.0となることが好ましい。
本発明の熱伝導性塗料は、これを電子部品の電気絶縁部の表面または内部に塗布し、乾燥することにより放熱層を形成させて用いる。
本発明の熱伝導性塗料はスクリーン印刷によってパターンを塗布する塗布方法に適している。
スクリーン印刷時に使用するスクリーンメッシュの目開きは20メッシュ〜150メッシュであることが好ましい。さらに30メッシュ〜70メッシュのスクリーンを使用することがより好ましい。20メッシュより粗いメッシュを使用すると、印刷時メッシュから塗料が垂れ、印刷性が損なわれる。一方150メッシュより精細なメッシュでは、印刷時にフィラーにより目詰まりを起こしたり、塗布厚みが小さくなるなどの問題が生じる。
乾燥方法としては、特に制限はないが、熱風乾燥、減圧乾燥、熱減圧乾燥が挙げられる。電子部品を高温にさらさない理由から、熱減圧乾燥が好ましい。
放熱層の厚みは、10〜300μmが好ましく、50〜200μmの範囲がより好ましい。放熱層が10μmより薄いと放熱性能が発揮できず、300μmより厚いと電子部品の小型化が困難になってしまう上に、放熱層の強度低下を誘発する。
電子部品とは、プリント基板、可変抵抗器、スイッチ、エンコーダ、センサ、コネクタ等が挙げられる
本発明の放熱層は、電子部品の電気絶縁部の表面及び/または内部に適宜設けて使用する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、各種評価は以下の方法によって行った。
〔粘度の測定〕
25℃浴中に熱伝導性塗料の入った容器を30分間浸漬した後、BH型粘度計のNo.4ローターを用いて6.0rpmにおける粘度を測定した(単位:ポイズ(P))。また、0.6rpmの粘度も測定し、この測定結果からチクソ比(=0.6rpmの粘度/6.0rpmの粘度)を算出した。
〔スクリーン印刷性の評価〕
スクリーン印刷を行い、スクリーンメッシュからの塗料のタレや、スクリーンメッシュへの塗料の充填不足など、スクリーン印刷性への影響の有無を確認した。影響がない場合は○、影響がある場合は×とした。
〔放熱層厚み〕
厚み0.8mmのガラスクロス−エポキシ板に対して、スキージ印圧40kg、スキージスピード100mm/secで塗料をスクリーン印刷後、100℃で1時間真空乾燥した。得られた板の両面それぞれに対して、厚み0.2mmのガラスクロス−エポキシプリプレグ、厚み0.2mmの銅箔、離型フィルムをこの順に積層し、真空度5torr、プレス圧25kg/cm2、最高到達温度190℃で90分間真空プレスしてコア材を作製した後、その断面をマイクロスコープで観察し放熱層厚みを測定した。
〔放熱性の評価〕
作製したプリント基板に1kΩの抵抗体を実装し、30Vの電圧を印可したときの抵抗体の温度を熱電対を用いて測定した。膨張黒鉛シートを用いて作製したプリント基板の場合、抵抗の温度は58℃であり、これと比べて温度上昇が+10%以内すなわち64℃以下であれば○、+20%以内すなわち70℃以下であれば△、+20%を超えると×とした。
〔結着性の評価〕
コア材作製時の真空プレス後に、ガラスクロス−エポキシ板とプリプレグ間の放熱層で剥離が発生しないかを目視で観察し、真空プレス後にガラスクロス−エポキシ板とプリプレグ間で90°剥離試験を行った。試験はインテスコを用い、剥離スピード50mm/分で実施した。試験片は幅20mmとした。剥離強度が5N以上あったものを○、2N以上5N未満であったものを△、2N未満であったものを×と評価した。
〔ハンダ耐熱性の評価〕
コア材作製時の真空プレス後に、280℃のハンダ層に20秒ディップして、コア材に膨れや剥がれがないかを目視で観察し、観察後にガラスクロス−エポキシ板とプリプレグ間で結着性の評価と同条件で90°剥離試験を行った。剥離強度が5N以上あったものを○、2N以上5N未満であったものを△、2N未満であったものを×と評価した。
〔熱伝導性塗料の製造〕
熱伝導性塗料の原料として下記のものを用いた。
1.炭素材
(ア)膨張黒鉛CMX−20(日本黒鉛社製、平均粒径20μm)
(イ)膨張黒鉛CMX−40(日本黒鉛社製、平均粒径40μm)
(ウ)鱗状黒鉛CPB(日本黒鉛社製、平均粒径20μm)
2.結着材
(ア)エポキシ樹脂水性エマルションEM−0434AN(ADEKA社製、固形分濃度30質量%)
(イ)ウレタン樹脂水性エマルションHUX−522(ADEKA社製、固形分濃度30質量%)
(ウ)酸変性ポリオレフィン水性エマルションTC4010(ユニチカ社製、固形分濃度25質量%)
(エ)共重合ポリエステル水性エマルションKZA−3556(ユニチカ社製、固形分濃度30質量%)
(オ)溶剤溶解エポキシ樹脂EP−4900(ADEKA社製、NMP溶媒、固形分濃度50質量%)
3.増粘剤
(ア)カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬社製、セロゲン)、以下、CMCと略す。
(イ)ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製、ZF−15H)、以下、PVAと略す。
(熱伝導性塗料「A−1」の製造)
炭素材として膨張黒鉛「CMX−20」50g、結着材としてエポキシ樹脂水性エマルション33g、増粘剤として「CMC」4質量%水溶液166gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が18質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−1」を得た。
(熱伝導性塗料「A−2」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として「EM−0434」33g、増粘剤として「PVA」4質量%水溶液166gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が20質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−2」を得た。
(熱伝導性塗料「A−3」の製造)
炭素材として膨張黒鉛「CMX−40」50gを用いた以外は、「A−2」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−3」を得た。
(熱伝導性塗料「A−4」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として「EM−0434」56gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が21質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−4」を得た。
(熱伝導性塗料「A−5」の製造)
結着材として「EM−0434」110gを用いた以外は「A−4」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−5」を得た。
(熱伝導性塗料「A−6」の製造)
結着材としてウレタン樹脂水性エマルション30gを用いた以外は「A−1」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−6」を得た。
(熱伝導性塗料「A−7」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として「EM−0434」133g、増粘剤として「CMC」の4質量%水溶液250gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が22質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−7」を得た。
(熱伝導性塗料「A−8」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として「EM−0434」83g、増粘剤として「CMC」の4質量%水溶液208gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が21質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−8」を得た。
(熱伝導性塗料「A−9」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として「EM−0434」9g、増粘剤として「CMC」の4質量%水溶液70gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が19質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−9」を得た。
(熱伝導性塗料「A−10」の製造)
炭素材として「鱗状黒鉛CPB」を用いた以外は「A−1」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−10」を得た。
(熱伝導性塗料「A−11」の製造)
全固形分の濃度が5質量%となるように水を加えた以外は「A−1」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−11」を得た。
(熱伝導性塗料「A−12」の製造)
全固形分の濃度が30質量%となるように水を加えた以外は「A−1」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−12」を得た。
(熱伝導性塗料「A−13」の製造)
結着材として酸変性ポリオレフィン水性エマルション「TC4010」40gを用いた以外は「A−2」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−13」を得た。
(熱伝導性塗料「A−14」の製造)
結着材として共重合ポリエステル水性エマルション「KZA−3556」33gを用いた以外は「A−2」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−14」を得た。
(熱伝導性塗料「A−15」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として「EM−0434」333g、増粘剤として「CMC」の6質量%水溶液277gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が25質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−15」を得た。
(熱伝導性塗料「A−16」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として「EM−0434」3gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が18質量%となるように水を加えて混合し、熱伝導性塗料「A−16」を得た。
(熱伝導性塗料「A−17」の製造)
結着材として「EM−0434」33g、増粘剤として「CMC」の10質量%水溶液400gを用いた以外は「A−7」の製造と同様にして熱伝導性塗料「A−17」を得た。
(熱伝導性塗料「A−18」の製造)
炭素材として「CMX−20」50g、結着材として溶剤溶解エポキシ樹脂「EP−4900」33g、増粘剤として「CMC」4質量%水溶液166gをホモジナイザー型分散機に仕込み、全固形分の濃度が20質量%となるようにNMPを加えて混合し、熱伝導性塗料「A−18」を得た。
熱伝導性塗料「A−1」〜「A−18」の組成を表1に示す。
(実施例1)
熱伝導性塗料「A−1」をメッシュカウント50のスクリーン版を用いたスクリーン印刷によりガラスクロス−エポキシ板両面に塗布し、熱風乾燥した後、真空乾燥によりエポキシ樹脂を硬化させ、板両面にプリプレグと銅箔、離型フィルムの順に重ねて真空熱プレスしてコア材を作製した。コア材に感光性フィルムとパターンフィルムを重ねて紫外線で露光し、未露光部分の感光性フィルムを溶解させ、エッチングを施し、回路パターンを形成して両面プリント基板を作製した。
(実施例2)
メッシュカウント30のスクリーン版を用いた以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作製した。
(実施例3)
メッシュカウント100のスクリーン版を用いた以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作製した。
(実施例4〜11)
熱伝導性塗料「A−2」〜「A−9」を用いた以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作製した。
(比較例1)
ガラスクロス−エポキシ板両面にプリプレグと銅箔、離型フィルムの順に重ねて真空プレスした以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作製した。
(比較例2)
熱伝導性塗料をガラスクロス−エポキシ板に塗布する代わりに、プリプレグ、膨張黒鉛シート(松下電器産業社製PGS 厚さ200μm)、プリプレグ、銅箔、離型フィルムの順に重ねて真空熱プレスしてコア材を作製する以外は実施例1と同様にプリント基板を作製した。
(比較例3〜11)
熱伝導性塗料「A−10」〜「A−18」を用いた以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作製した。
(参考例1)
メッシュカウント180のスクリーン版を用いた以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作製した。
(参考例2)
メッシュカウント15のスクリーン版を用いた以外は実施例1と同様にしてプリント基板を作製した。
実施例1〜11および比較例1〜11および参考例1〜2における評価結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、実施例1〜11では塗料の粘度が好適なスクリーン印刷条件に適合しており、タレや充填不足などの問題が起こることなく、スクリーン印刷による塗工ができた。
これに対して、粘度が本発明で規定する範囲よりも低い比較例4ではスクリーン印刷時にスクリーンメッシュからのタレが発生し、粘度が本発明で規定する範囲よりも高い比較例5ではスクリーンメッシュへの塗料の充填が不足してスクリーン印刷性が悪かった。参考として、スクリーンのメッシュカウントが大きい参考例1ではメッシュの目開きが細かすぎてフィラーが通過し難くなり、印刷できない現象が起こった。また、メッシュカウントが小さい参考例2では目開きが粗すぎてタレが発生した。
放熱性の評価において、実施例1〜11ではプリント基板が発生する熱を拡散および放熱しているため、カーボン層を設けない比較例1に比べて明らかに温度上昇を抑制しており、その放熱性能は従来のカーボンシートを用いた比較例2と同等以上であった。
さらに、放熱性に関して次のことが分かる。炭素材として鱗状黒鉛を用いた比較例3よりも、膨張黒鉛を用いた実施例1〜11の方が放熱性が高かった。膨張黒鉛の比率が低い比較例8よりも膨張黒鉛の比率が高い実施例1〜11の方が放熱性が高かった。放熱層厚みが小さい比較例4、12よりも放熱層厚みが大きい実施例1〜11の方が放熱性が高かった。
結着性および耐熱性の評価においては、熱硬化性樹脂エマルションを用いた実施例1〜11では結着性および耐熱性が優れていた。熱可塑性樹脂エマルションを用いた比較例6,7では耐熱性が劣っており、固形分中の膨張黒鉛の比率が高く、チクソ比が大きい比較例9や増粘剤の比率が高い比較例10では結着性が劣っていた。また、溶剤に溶解したエポキシ樹脂を用いた比較例11では結着性・耐熱性が劣っていた。

Claims (7)

  1. 膨張黒鉛50〜95質量%、熱硬化性樹脂のエマルション粒子5〜50質量%、および増粘剤0〜30質量%を合わせて100質量%とした組成物と水性媒体とからなり、25℃における粘度が40ポイズ〜1,000ポイズであることを特徴とするスクリーン印刷用熱伝導性塗料。
  2. 25℃における粘度から求めたチクソ比が1.0〜4.0であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷用熱伝導性塗料。
  3. 請求項1または2に記載のスクリーン印刷用熱伝導性塗料を塗布・乾燥して得られる放熱層。
  4. 請求項3記載の放熱層であって、厚みが10〜300μmであることを特徴とする放熱層。
  5. 請求項3または4に記載の放熱層を電気絶縁部表面及び/または内部に設けた電子部品。
  6. プリント基板、可変抵抗器、スイッチ、エンコーダ、センサおよびコネクタから選ばれたものである請求項5に記載の電子部品。
  7. 20メッシュ〜150メッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷によって請求項1または2に記載の熱伝導性塗料を塗布する工程を含むことを特徴とする放熱層の製造方法。

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