JP2010111542A - 水素ガス生成送給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の水素ガス分離ユニットの一部に破損が生じた場合であっても、他の水素ガス分離ユニットを独立して作動させることによって、起動を停止することなく、装置全体を延命させられる水素ガス生成送給システムを提供する。
【解決手段】燃料ガスを改質する改質部を外部又は内部に有し、改質部で改質した水素含有ガスから水素ガスを分離抽出する水素分離体と、水素分離体で分離抽出した水素ガスが流通する透過部とを備えた複数の水素ガス分離ユニットB1〜B4を有し、それら各水素ガス分離ユニットで分離した水素ガスをパワーソースに送給する水素ガス生成送給システムAであって、各水素ガス分離ユニットの作動状態を検出する作動状態検出手段Cと、各水素ガス分離ユニットにおける破損の有無を判定する破損判定手段Dと、各水素ガス分離ユニットを独立して作動させる水素ガス分離ユニット作動制御手段Eを設けたことを特徴としている。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料等の水素含有ガスから水素ガスを生成し、この水素ガスを例えばエンジンや燃料電池等に送給する水素ガス生成送給システムに関し、より詳しくは車載用として好適に用いることができる水素ガス生成送給システムに関する。
従来、水素分離体(水素透過膜)は、水素ガスのみを選択的に取り出す際に使用されている。水素分離体としては、水素の吸着、解離、拡散、結合能力を有するものが求められる。
代表的な水素透過膜はPd系合金膜からなるものである。Pdは、高価な貴金属であるため、それに代わるものとして他の金属、例えばV系やNb系の水素透過膜の研究も盛んに行われている。
その他に、分子篩機能を利用した水素分離体の開発も行われている。この水素分離体は、ゼオライトをはじめとし、シリカ等の材料で細孔径を制御し、水素ガスを選択的に透過させようというものである。
ところで、近年、地球環境問題への関心の高まりから燃料電池の利用が検討されているが、燃料電池に水素を供給する際、液体燃料を改質し、得られた改質ガスから水素ガスのみを選択的に得るために、水素透過膜を備えた水素分離体が必要となる。
また、燃料電池に限らず、水素を必要とする部位に水素を供給するために、各種の水素分離体の開発が求められている。
燃料電池は、水素ガスを燃料とし、また、酸素あるいは酸素を含む空気を酸化剤として電気化学的反応で発電するものである。燃料電池の車両等への用途を考えた場合、燃料電池システム全体の容積ができる限り小さいことが重要である。
従って、燃料源は水素ガスよりも液体であることが望ましく、液体燃料から水素ガスを取り出すことができる水素生成装置が必要になる。
また、自動車の内燃機関において、水素ガスをエンジンや排気ガス処理に使用することで、燃費や排気を向上させる方法が考えられている。いずれにしても車両への適用を考えた場合、システム全体の容積ができる限り小さいことが望まれる。
液体燃料から高濃度の水素ガスを得るためには、改質部、シフト反応部、CO除去部等からなる改質システムが必要になるが、当該システムは複雑であり、小型化するのも容易ではない。
一方、水素透過膜を利用すると、シフト反応部、CO除去部が不要となり、小型化が可能であると共に、改質反応場から水素ガスを引き抜く場合には、水素生成反応の平衡を生成側にシフトさせて水素生成量を平衡反応に較べて大幅に増やすことができる。
さらに、反応温度を低下させることや、生成物の選択性を換えることも期待される。
下記の特許文献1には、水素透過膜を備えた水素生成装置が記載されている。この水素生成装置は、金属製薄板部材を多層に積層した後、部材間を接合して一体構造とし、部材の積層によって形成される一連の流路に燃料ガスを流通させ、内部で生成分離される水素ガスを一連の流路を経て外部取り出し口から取り出す構造になっている。
特開2003−34506号公報
しかし、システム全体の容積をできる限り小さくするために、部材間を接合して、一体として水素生成装置を構成することは、車載の場合、以下のような問題点を有している。
即ち、車載された水素生成装置から取り出した水素ガスは、同じく車載されたパワーソースで車両の作動源ガスとして用いられる。そのため、車両の始動とほぼ同時に水素ガスの供給を開始することが必要になる。
しかし、パワーソースで必要とされる水素ガス量は、例えば車両の始動時と暖機後等の車両の運転条件や環境条件によって大きく異なる。
水素生成装置が、部材間を接合した一体化した構造を有するものであると、車両の始動時に必ず水素生成装置全体を稼働温度まで上昇させる必要があり、時間を要する。起動時に時間を要すると、車両の始動時間が長くなるという運転者にとって重大な問題となる。更に起動時に時間を要するということは、水素を利用することが出来ない運転状態が継続することになり、水素を排気処理に用いている場合は、排気処理システムの大型化や燃費の悪化を招くことになる。
また、水素生成装置が、部材間を接合した一体化した構造を有するものであると、一連の流路に燃料ガスが流通し、内部で生成分離された水素ガスを、一連の流路を経て外部取出口から取り出す構造となる。そのため、水素透過膜の一部にピンホールや破損による漏れが発生した場合に、水素生成装置から取り出される水素ガスの純度が大幅に低下するという深刻な問題を生じる。
特に、水素透過性能が非常に高い、貴金属系の水素透過膜を使用した水素生成装置は、起動が停止すると、水素透過膜の劣化が生じやすい。このような水素生成装置を車両に搭載すると、車載システムの特徴として頻繁に起動停止が行われることから、一体化した水素生成装置の場合は、水素生成装置全体の寿命が短くなるという問題がある。
そこで本発明は、複数の水素ガス分離ユニットの一部に破損が生じた場合であっても、他の水素ガス分離ユニットを独立して作動させることによって、起動を停止することなく、装置全体を延命させられる水素ガス生成送給システムを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、水素ガス生成送給システムを、複数の水素ガス分離ユニットで構成し、各水素ガス分離ユニットの作動状態を検出する手段、破損の有無を判定する手段、各水素ガス分離ユニットを独立して作動させる手段を設けたことによって、上記目的を達成し得ることを見出した。
即ち、本発明は、燃料ガスを改質する改質部を外部又は内部に有し、改質部で改質した水素含有ガスから水素ガスを分離抽出する水素分離体と、水素分離体で分離抽出した水素ガスが流通する透過部とを備えた複数の水素ガス分離ユニットを有し、それら各水素ガス分離ユニットで分離した水素ガスをパワーソースに送給する水素ガス生成送給システムであって、各水素ガス分離ユニットの作動状態を検出する作動状態検出手段と、各水素ガス分離ユニットにおける破損の有無を判定する破損判定手段と、各水素ガス分離ユニットを独立して作動させる水素ガス分離ユニット作動制御手段を設けたことを特徴としている。
本発明によれば、複数の水素ガス分離ユニットの一部に破損が生じた場合であっても、他の水素ガス分離ユニットを独立して作動させるようにしているので、システムの稼働を停止することなく、システム全体を延命させられる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照にして説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る水素ガス生成送給システムの概略構成を示すブロック図、図2は、水素ガス分離ユニットの構成を概略的に示す斜視図、図3は、水素ガス分離ユニットの内部構成を示す断面図である。
本発明の第一の実施形態に係る水素ガス生成送給システムAは、パワーソースPに対し、これに必要な水素ガスを生成して送給するものである。水素ガス生成送給システムAは、複数の水素ガス分離ユニットを有する水素分離装置B、各水素ガス分離ユニットの作動状態を検出する手段として作動状態検出装置(以下、「状態検出装置」と略記する)Cと、各水素ガス分離ユニットの水素分離体の破損の有無を判定する手段として破損判定装置(以下、「破損判定装置」と略記する)Dと、各水素ガス分離ユニットを独立して作動させる手段として作動制御装置Eを有して構成されている。
パワーソースPは、内燃機関、排気装置、燃料電池等を含むものであり、詳細を後述する作動制御装置Eに対して要求水素ガス情報を送出するようになっている。
「要求水素ガス情報」には、パワーソースPで必要な水素ガス量の他、そのパワーソースPの起動信号等を含んでいる。
水素分離装置Bは、図2に示すように、複数の水素ガス分離ユニット(以下、「分離ユニット」と略記する。)B1〜B6を交換可能に、換言すると、着脱可能となるように並列配置された構成を有している。なお、水素分離装置Bを構成する分離ユニットの数は、限定されるものではなく、パワーソースPで必要な水素ガス量等によって増減することが可能である。
図3は、水素分離装置Bを構成する一部の分離ユニットB1の内部構成を概略的に示す断面図である。なお、水素分離装置Bに用いる複数の分離ユニットは、互いに同形同大の長方形体の外観に形成され、ほぼ同一の構造を有しているので、分離ユニットB1以外の構成は省略する。
図3に示すように、分離ユニットB1は、ユニットの中心軸線O1を挟んで、その上下両側に、中心軸性O1側から改質触媒加熱部11,11と、改質触媒部12,12と、改質ガス通路α1,α1と、改質ガスから水素ガスを分離抽出する水素分離体10,10と、水素ガスが流通する透過部α2,α2とが配設されている。
改質部は、改質触媒加熱部11と、改質触媒部12と、改質ガス通路α1とから構成されている。図3には、分離ユニットB1の内部に改質部を有する例を示したが、本例に限らず、分離ユニットB1は、内部に水素分離体10を有し、改質部は、分離ユニットB1の外部に設けられているものでもよい。
改質触媒部12は、導入された燃料ガス(水素含有ガス)を改質するものであり、改質に必要な熱エネルギーが改質触媒加熱部11から伝達される。
なお、改質に必要な熱エネルギーは、改質ガス通路α1を流通するガスから伝達されるようにしてもよい。また、図示を省略したが加熱触媒部を設けて、加熱触媒の反応温度を改質触媒部に伝達するようにしてもよい。
水素分離体10は、改質ガス通路α1を流通する水素含有ガスに含まれる水素ガスを分離する機能を有するものであり、これにより分離された水素ガスは、透過部α2を通じて、外部に導出された後、パワーソースPに送給されるようになっている。
水素分離体は、水素透過膜と支持体とを各種の方法で一体化したものであり、この他に貴金属系の水素透過膜を用いたもの、セラミック系の分子篩タイプのもの、膜の厚みの異なるもの等を適宜採用することができる。水素分離体は、パワーソースPの種類や、その運転条件で要求される水素純度や水素ガス量等により、当該使用に応じたものを適宜選択して採用すればよい。
図4は、水素分離装置と作動制御装置とを一体構造にした一例に係る複合装置を示すものであり、(A)は、一部を分解した正面図、(B)は、平面図である。
なお、図2に示すものとは異なり、図4には、四つの分離ユニットB1〜B4により水素分離装置Bを構成したものを示している。
図4(A)及び(B)に示すように、本例の水素分離装置Bは、分離ユニットB1〜B4の両側部に補助加熱装置20a〜20eを設けている。図4(A)に示すように、補助加熱装置20a〜20eは、分離ユニットB1〜B4の側面全体に設けるのではなく、補助加熱装置20fのように、分離ユニットB1〜B4の上下面に設けてもよい。また、補助加熱装置20a〜20fの代わりに保温材を設けてもよい。
本例の水素分離装置Bは、分離ユニットB1〜B4及び補助加熱装置20a〜20fの周囲は保温材21によって囲繞されている。
また、本例の水素分離装置Bの側部には、作動制御装置Eの一部をなし、分離ユニットB1〜B4に燃料ガスやパージガスを供給するガス供給系30と、分離ユニットB1〜B4で分離された水素ガスを外部に導出する水素ガス導出系40とを備えている。
図4において、組込み部Gは、作動制御装置E、燃料ガス供給系30及び水素ガス導出系40を組み込んだ部分を示している。
図4に示すように、作動制御装置E、燃料ガス供給系30及び水素ガス導出系40からなる組込み部Gと、分離ユニットB1〜B4とを保温材21で囲繞することによって、所定の作動温度を容易に維持できるようにしている。
図5は、水素ガス生成送給システムAの燃料ガス及び水素ガスの流通系統を模式的に示す説明図である。
図5に示すように、分離ユニットB1〜B4には、燃料ガスやパージガスを供給するガス供給系30である、ガス導入パイプ31〜34が配設されている。また、ガス導入パイプ31〜34には、燃料ガスやパージガスが流通する流路を切り換えて、分離ユニットB1〜B4のいずれかにガスを供給する開閉弁V1〜V4が配設されている。
また、分離ユニットB1〜B4には、分離ユニットB1〜B4で分離抽出された水素ガスをパワーソース(図示略)に送給する水素ガス導出系40である、水素ガス導出パイプ41〜44が配設されている。水素ガス導出パイプ41〜44には、各分離ユニットB1〜B4から水素ガスを導出し、一次貯留タンク51〜54に貯留する第一切換弁V5〜V8と、一次貯留タンク51〜54から貯留された水素ガスを導出し、図示を省略したパワーソースPに水素ガスを送給するための第二切換弁V9〜V12が配設されている。
各一次貯留タンク51〜54は、排気パイプ50に連結され、一次貯留タンク51〜54と、排気パイプ50の間には、流通系統内の圧力が上昇した場合にリリーフ弁(図示略)を作動させるリリーフスイッチS1〜S4が配設されている。
水素ガス生成送給システムAの起動時又は稼働中において、各分離ユニットB1〜B4の作動状態が、状態検出装置Cで検出される。この検出結果が、状態検出装置Cから破損判定装置D及び作動制御装置Eに送出される。破損判定装置Dは、状態検出装置Cで検出された結果に基づいて、各分離ユニットB1〜B4の破損の有無を判定する。この判定結果が、作動制御装置Eに送出される。作動制御装置Eは、破損が確認された分離ユニット以外の分離ユニットを作動させるように、開閉駆動信号を各開閉弁V1〜V4に送出する。
また、作動制御装置Eは、破損が確認された分離ユニットで分離抽出された水素ガスをパワーソース(図示略)に送給するのを停止するように、切換駆動信号を各第一切換弁V5〜V8及び/又は第二切換弁V9〜V12に送出する。
また、状態検出装置Cは、水素ガス生成送給システムAからパワーユニットP(図示略)に送給される水素ガス生成量を検出し、作動制御装置Eは、パワーユニットPの要求水素ガス量に応じて、常に一定の水素ガス生成量が維持されるように、分離ユニットB1〜B4を作動させる。
即ち、作動制御装置Eは、パワーユニットPの要求水素ガス量に応じて、開閉駆動信号を開閉弁V1〜V4に送出し、起動させる分離ユニットB1〜B1の選択、起動される分離ユニットの個数、各分離ユニットのガス流量、圧力等を調整して、一定の水素ガス生成量が維持されるように分離ユニットB1〜B4を作動させる。
図5においては、分離ユニットB3が破損している状態を示している。この場合は、作動制御装置Eは、閉駆動信号を開閉弁V3に送出し、開閉弁V3を閉弁して、燃料ガスの供給を停止する。
また、作動制御装置Eは、破損が確認された分離ユニットB3以外の分離ユニットB1,B2,B4の破損を確認するために、破損が確認された分離ユニットB3以外の分離ユニットを起動させ、破損の有無を確認するためのパージガス(不活性ガス;Nガス等)を流通させる信号を送出する。
そして、破損判定装置Dは、各分離ユニットB1,B2,B4の破損の有無を確認する。作動制御装置Eは、状態検出装置Cの検出結果及び破損判定装置Dの判定結果に基づいて、新たな分離ユニットB1,B2,B4を作動させる。
また、状態検出装置Cは、システムの総水素ガス生成量、各分離ユニットB1〜B4の作動履歴等により、一定の水素ガス生成量が維持できなくなるか否かを判断し、一定の水素ガス生成量が維持できないと判断した場合には、表示警告信号を警告装置Fに送出する。
警告装置Fは、状態検出装置Cから送出された表示警告信号により、水素ガス生成量の低下又は機能不良を、運転者に表示警告する。
次に、本発明の第一の実施形態に係る水素ガス生成送給システムの電気的な構成について説明する。図6は、本例の水素ガス生成送給システムの電気的な構成を概略的に示すブロック図である。
図6に示すように、状態検出装置Cは、CPUとインターフェース回路(いずれも図示略)を有する本体70と、この入力側に接続された各分離ユニットB1〜B4の作動状態を検知する各種作動状態検知センサである、複数種のセンサ、例えば流量センサ72、圧力センサ73、温度センサ74、タイマー75、ガスの成分を検出する湿度計76等を有して構成されている。
本体70内には、各分離ユニットB1〜B4の作動履歴を記憶するためのROMやRAM等の記憶部71が配設されている。
また、状態検出装置Cの入力側にはパワーソースシステムPから送出される要求水素ガス量、及びパワーソースPの起動信号、水素ガス生成送給システムの状態量(ユニットの稼働状態、不具合の有無、総水素ガス生成量等)が入力されるようになっている。
一方、状態検出装置Cの出力側には、破損判定装置Dの入力側と、作動制御装置Eの入力側が接続されている。破損判定装置Dには、各分離ユニットB1〜B4の破損の有無を判定する情報(具体的には、分離ユニットの起動の有無、改質部及び/又は透過部の圧力、ガス流量)が状態検出装置Cから送出される。また、作動制御装置Eには、作動制御装置Eに対する各種の制御信号が状態検出装置Cから送出される。
作動状態検知センサ72〜76は、各分離ユニットB1〜B4の作動状態を検知するものであり、作動状態の検知と計測が所要の運転状態時や時間間隔で行われるようになっている。
「作動状態」の具体例としては、作動状態検知センサ72〜76で検知する各分離ユニットB1〜B4の温度、改質触媒の温度、改質ガスの温度、圧力、燃料ガス量の他、分離ユニットで分離抽出された水素ガス量、透過側ガス圧力、分離ユニットB1〜B4の各作動時間、分離ユニットB1〜B4の各起動時使用回数、各分離ユニットB1〜B4の起動回数等である。
ここで、「起動時使用回数」とは、車両が停止状態から始動した時に、水素ガス生成送給システムで、最初に分離ユニットが起動される回数をいう。
また、「起動回数」とは、改質温度まで分離ユニットの温度が上昇した後、通常の運転条件下で分離ユニットが稼働される起動状態をいう。
起動時使用回数と起動回数を分けたのは、次の理由による。
車両の始動時に、パワーユニットの水素ガス要求量が増えると、最初に水素ガス生成送給システムで起動された分離ユニット以外の他の分離ユニットは、未だ水素生成ができない状態である場合がある。
このような条件下において、車両の始動時に最初に水素ガス生成送給システムで起動された分離ユニットは、要求水素ガス量を満たすために、分離ユニットの温度、改質ガスの圧力、供給燃料量をそれぞれ上昇させる等の改質触媒や水素分離体の劣化を伴う操作を一時的に行うことがある。そのため、「起動時使用回数」と「起動回数」とは分けて管理する。
各分離ユニットB1〜B4において、改質部、即ち図2に示す例においては改質ガス通路α1を流通するガス量(燃料ガス、水素含有ガス)と、透過部α2を流通する水素ガス量は、流量センサ72によって計測される。
また、改質部、即ち図2に示す例においては改質ガス通路α1の圧力と、透過部α2の圧力は、圧力センサ73によって計測される。
また、各種作動状態検知センサ(温度センサ74,タイマー75等)の検出結果に基づいて、分離ユニットB1〜B4の各作動時間、分離ユニットB1〜B4の各起動時使用回数、各分離ユニットB1〜B4の起動回数等を計測する機能が、状態検出装置Cの本体70に内蔵されている。
また、本実施形態に示す状態検出装置Cは、所要のプログラムを実行することにより、下記の各機能を発揮する。
(1)各種作動状態検知センサ72〜76等により各分離ユニットB1〜B4の作動状態を検出し、この作動情報を破損判定装置Dに送出する機能。これを「作動情報送出手段C1」という。
「作動情報」は、各分離ユニットB1〜B4の起動の有無と、各分離ユニットB1〜B4の改質部(具体的には改質ガス通路α1)と透過部α2の各ガス流量、圧力、ガス成分の少なくとも1つを含む。
(2)各種作動状態検知センサ72〜76等により検知した各分離ユニットB1〜B4の作動状態と、パワーソースPから送出される要求水素ガス量とを含む作動履歴を、記憶部71に順次記憶する機能。これを「作動履歴記憶手段C2」という。
(3)記憶部71に記憶した作動履歴を作動制御装置Eに送出する機能。これを「作動履歴送出手段C3」という。
作動履歴や水素ガス要求量の他、本システムの状態量(パワーソースからのエネルギーの供給量、供給状態、起動している分離ユニット数)を検出し、これらの信号を作動制御装置Eに送出するようにしてもよい。
(4)要求水素ガス量や、作動履歴等に基づいて、パワーソースPが要求する一定の水素ガス生成量を維持できるか否か判断する機能。「水素ガス生成量判断手段C4」という。
(5)一定の水素ガス生成量が維持できなくなった場合には、水素ガス生成量の低下又は機能不良を表示警告する信号を警告装置Fに送出する機能。これを「警告信号送出手段C5」という。
次に、本実施形態に示す破損判定装置Dは、所要のプログラムを実行することにより、下記の機能を発揮する。
(1)起動時、稼働中、水素ガス要求量の変化等に応じて、各分離ユニットB1〜B4が破損しているか否かを判定するための条件を設定するための機能。これを「条件設定手段D1」という。
(2)作動状態検出装置Cから送出された「作動情報」に基づいて、各分離ユニットB1〜B4の破損の有無を確認する機能。これを「破損確認手段D2」という。
次に、条件設定手段D1で設定する具体的な条件(a)〜(f)と、各条件設定下における破損の有無の確認方法について説明する。
表1に起動時の水素ガス生成送給システムの条件設定と破損有無の確認方法について表示し、表2に稼働中の水素ガス生成送給システムの条件設定と破損有無の確認方法について表示する。
Figure 2010111542
まず、表1に示した起動時の水素ガス生成送給システムの条件設定と破損有無の確認方法について説明する。
(a)システム起動時において、条件設定手段D1は、起動させた分離ユニットにパージガス(不活性ガス、例えばNガス)を流通させ、分離ユニットの流出入口を閉じて、分離ユニットの改質部(図2に示す例においては改質ガス通路α1)が加圧され、透過部α2が常圧となるように条件を設定する。
(a−1)上記設定条件(a)において、破損確認手段D2は、改質部の圧力の低下により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記設定条件(a)において、改質部の圧力の低下が認められる場合には、改質部から透過部にガスが流出していることになるので、分離ユニットの水素分離体が破損している。
(a−2)上記設定条件(a)において、破損確認手段D2は、透過部の圧力の増加、ガス流量の増加により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記設定条件(a)において、透過部の圧力の増加、透過部のガス流量の増加が認められる場合は、改質部から透過部にガスが流出していることになるので、分離ユニットの水素分離体が破損している。
(b)システム起動時において、条件設定手段D1は、起動させた分離ユニットにパージガスを流通させ、分離ユニットの改質部の出口を閉じると共に、透過部にはパージガスを流通させて一定の圧力が維持されるように条件を設定する。
(b−1)上記設定条件(b)において、破損確認手段D2は、改質部のガス流量の増加により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記設定条件(b)において、改質部のガス流量の増加が認められる場合には、改質部から透過部にガスが流出していることになるので、分離ユニットの水素分離体が破損している。
(b−2)なお、上記設定条件(b)において、破損確認手段D2は、改質部のガス流量と透過部のガス流量を比較し、両者に差がある場合には、水素分離体以外の部分(例えば溶接部分や配管の継手部分)に破損が有ることを確認することができる。
(c)システム起動時において、条件設定手段D1は、起動させた分離ユニットにパージガスを流通させ、分離ユニットの改質部の出口を閉じると共に、透過部が減圧状態となるように条件を設定する。
(c−1)上記設定条件(c)において、破損確認手段D2は、改質部のガス流量の増加により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記設定条件(c)において、改質部のガス流量の増加が認められる場合には、透過部から改質部にガスが流れ込んでいることになるので、分離ユニットの水素分離体が破損している。
Figure 2010111542
次に、表2に示した稼働中の水素ガス生成送給システムの条件設定と破損有無の確認方法について説明する。
(d)システム稼働中において、条件設定手段D1は、パワーソースPからの要求水素ガス量の変化がない場合には、改質部及び透過部のガス流量及び圧力が常に一定となるように条件を設定する。
(d−1)上記一定条件(d)において、破損確認手段D2は、改質部の圧力の増減により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記一定条件(d)において、改質部の圧力の急激な低下(例えば、改質部の圧力が数MPaから0.1MPa又は0.2MPaまで低下)が認められた場合には、改質部から透過部にガスが流出していることになるので、分離ユニットの水素分離体は破損している。
(d−2)上記一定条件(d)において、破損確認手段D2は、透過部のガス流量の増加、圧力の増加により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記一定条件において、透過部のガス流量の急激な増加、透過部の圧力の急激な増加が認められた場合には、改質部から透過部にガスが流通していることになるので、分離ユニットの水素分離体は破損している。
(d−3)上記一定条件(d)において、破損確認手段D2は、透過部のガス成分の変化により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記一定条件において、透過部のガス成分の急激な変化が認められた場合(例えば透過部のガス中に水(HO)成分等が検出された場合)には、改質部から水素分離体を透過せずにガスが流出していることになるので、分離ユニットの水素分離体が破損している。
また、システム稼働中に、パワーソースPからの要求水素ガス量が変化する場合には、条件設定を変更する場合がある。
(e)要求水素ガス量が増加する場合は、燃料ガスの供給量を増大させる必要があるので、条件設定手段D1は、改質部の圧力を増加した条件に設定する。
(e−1)上記設定条件(e)において、破損確認手段D2は、改質部の圧力の急激な低下により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記一定条件(e)において、改質部の圧力の急激な低下(例えば、改質部の圧力が数MPaから0.1MPa又は0.2MPaまで低下)が認められた場合には、改質部から透過部にガスが流出していることになるので、分離ユニットの水素分離体は破損している。
(e−2)上記一定条件(e)において、破損確認手段D2は、透過部のガス成分の変化により、分離ユニットの破損の有無を確認する。
上記一定条件において、透過部のガス成分の急激な変化が認められた場合(例えば透過部のガス中に水(HO)成分等が検出された場合)には、改質部から水素分離体を透過せずにガスが流出していることになるので、分離ユニットの水素分離体が破損している。
(f)要求水素ガス量を低下する場合は、一定の条件設定する場合と同じである。
次に、本実施形態に示す作動制御装置Eは、所要のプログラムを実行することにより、下記の機能を発揮する。
(1)各分離ユニットB1〜B4の寿命を平均化するように、それらの分離ユニットB1〜B4を互いに独立して作動させる機能。この機能を「水素ガス分離ユニット作動制御手段E1」という。
具体的には、作動制御装置Eは、状態検出装置C及び破損判定装置Dの出力に基づいて、分離ユニットB1〜B4の流路を組み換える操作を行うことにより、各分離ユニットB1〜B4を互いに独立して作動させることができる。
「流路を組み換える操作」とは、起動させる分離ユニットB1〜B4のいずれかに燃料を供給するように、開閉弁V1〜V4に開閉駆動信号を送出する、第一切換弁V5〜V8、第二切換弁V9〜V12を切り換える切換駆動信号を送出することをいう。流路を組み換える操作については、後述する。
更に、作動制御装置Eは、水素ガス分離ユニット作動制御手段E1により、パワーソースPからの総要求水素ガス量を満たした一定の水素ガス生成量が維持されるように、分離ユニットB1〜B4の流路を組み換える操作を行う。即ち、作動制御装置Eは、起動させる分離ユニットB1〜B4の選択、起動される分離ユニットの個数、各分離ユニットの供給ガス量、圧力等を調整して、一定量の水素ガス生成量が維持されるように、分離ユニットB1〜B4の流路の組み換えを行う。
本実施形態においては、各分離ユニットB1〜B4の破損の有無と、各分離ユニットB1〜B4の作動履歴に基づき、それらの分離ユニットB1〜B4を選択的に、かつ、それらの作動条件(温度、燃料ガスの圧力、供給燃料ガス量等)を変更して作動させている。
具体的には、各分離ユニットB1〜B4の互いの作動履歴が均質になるように、それらの分離ユニットB1〜B4を作動させている。
「均質になるように」とは、各分離ユニットB1〜B4の寿命を平均化するように、当該作動履歴を揃えることである。
「作動履歴」は、各分離ユニットB1〜B4の温度、改質触媒の温度、改質ガスの温度、圧力、供給燃料量、水素分離体通過ガス量、各分離ユニットB1〜B4の作動時間、分離ユニットB1〜B4の起動時使用回数、各分離ユニットB1〜B4の起動回数、及びパワーソースPの要求水素ガス量、破損有りと判定された分離ユニットの個数を含むものである。
次に、本実施形態に示す警告装置Fは、下記の機能を発揮する。
警告装置Fは、状態検出装置Cから送出された警告信号により、水素ガス生成量の低下又は機能不良を、運転者に表示警告する機能。この機能を「警告手段」という。
警告装置Fは、具体的には、水素ガス生成量の低下又は機能不良を運転者に表示警告するランプ等である。
この警告装置Fにより、運転者は、水素ガス生成量の低下等の情報を認識することができ、各分離ユニットの交換時期等を的確に知ることができる。
図7は、各分離ユニットの作動履歴の累積態様の一例を示した説明図である。図7には、説明を簡略化するための三つの分離ユニットB1〜B3についての作動履歴を示している。
図示の作動履歴は、項目(パラメータ)90〜97毎に異なる重み付け、すなわち、A〜Hで示す重み係数を付与している。
これらのパラメータに各分離ユニットの劣化度に基づいた重みを加味することで、各分離ユニットの劣化度合いの指標として数値を表すことができ、これにより、複数の分離ユニットの劣化度をほぼ均一に管理することができる。
次に、上記図1〜7と共に、図8及び図9を参照にして、本システムの起動時又は稼働中の動作順序について説明する。なお、水素分離装置Bの実施形態については、図3及び図5に示す例を参照に説明する。
図8は、本システムの起動時の作動状態を示すフローチャートである。
ステップS1(図中「S1」と略記する。以下同様。):状態検出装置Cは、本システムの状態、パワーソースPからの始動信号、各分離ユニットの累積作動履歴等を取り込み、破損判定装置D及び作動制御装置Eへの出力を行う。
車両が停止状態から始動した場合には、水素ガスの生成が必要である。
そこで、状態検出装置Cは、例えば分離ユニットB1〜B4の温度が低く、非作動状態であり、パワーソースPの排出ガス温度も低く、分離ユニットB1〜B4のいずれかの累積作動履歴が、他の分離ユニットよりも少ない分離ユニットB1〜B4の破損を判定する情報(破損判定信号)を破損判定装置Dに送出する。
ステップS2:破損判定装置Dは、分離ユニットB1〜B4の起動信号に基づいて、作動制御装置Eに起動時の条件設定信号を送出し、上記(a)〜(c)のいずれかに示す条件を設定して、破損の有無を確認し、破損の有無の信号を作動制御装置Eに送出する。
ステップS3:作動制御装置Eは、分離ユニットB1〜B4の破損の有無以外の条件、例えば累積作動履歴、パワーソースPの要求水素ガス量等に基づいて、破損のない状態が確認された分離ユニットB1〜B4の作動順序、及び作動内容を決定して、ステップS4に進む。
ステップS4:作動制御装置Eは、作動内容に基づいて、燃料ガス、生成する水素ガス、加熱用ガスの流路の切換えや、加熱用燃料の供給の作動を制御する信号を各開閉弁V1〜V4、第一切換弁V5〜V8及び第二切換弁V9〜V12に送出する。
即ち、作動制御装置Eは、状態検出装置Cから受けた情報に基づいて、累積作動履歴が他の分離ユニットよりも少ないと判断され、かつ、破損判定装置Dにより破損がないと確認された分離ユニットを、起動する分離ユニットとして決定し、該分離ユニットの作動を開始する。
起動が決定された分離ユニットB1は、改質触媒加熱部11を作動させて、触媒部12を昇温させる。触媒を昇温させる方法としては、空気と燃料ガスを触媒部12に送給して昇温する方法、電気による補助加熱装置を稼働させて昇温する方法、後述するように他の分離ユニットで昇温された加熱用(改質)ガスを送給して昇温する方法等が挙げられる。
次に、状態検出装置Cから送出された温度情報から、分離ユニットの温度が水素分離体の脆化温度などを基に設定された温度以上に上昇した場合は、開閉弁V1を開弁し、改質する燃料ガスを分離ユニットB1に供給する。
更に、第一切換弁V5を開弁し、分離ユニットB1で生成された水素ガスを一次貯留タンク51に貯留するか、第一切換弁V5と共に、第二切換弁V10を開弁して、生成された水素ガスをパワーソースPに送給する。
ステップS5:各分離ユニットは、作動制御装置Eの制御内容に応じて、水素ガスの生成のための温度変更や圧力変更が行われるが、これらの状態変化は、状態検出装置Cで検出されると共に、作動履歴が順次更新されて記憶部に記憶される。
図9は、本システムの稼働中の作動状態を示すフローチャートである。
ステップS10:状態検出装置Cは、本システム稼働中にも、本システムの状態、パワーソースPからの要求水素ガス量、各分離ユニットB1〜B4の累積作動履歴等を取り込み、破損判定装置D及び作動制御装置Eへの出力を行う。
ステップS11:破損判定装置Dは、システム稼働中に、稼働中の分離ユニットB3の異常を検出した場合には、分離ユニットB3に破損が認められた旨の信号を、作動制御装置Eに送出する。即ち、設定条件(d)に示すように、システム稼働中は、稼働している分離ユニットの改質部及び透過部のガス流量及び圧力は、一定となっている。そのため、破損確認手段D2により、改質部(改質ガス通路)α1の急激な圧力の低下(d−1)、透過部α2のガス流量又は圧力の急激な増加(d−2)、透過部α2のガス成分の急激な変化(d−3)が確認された場合には、分離ユニットが破損していると認められる。
ステップS12:作動制御装置Eは、破損が確認された分離ユニットB3の作動を停止する。即ち、作動制御装置Eは、開閉弁V3を閉駆動させる信号を送出して、分離ユニットB3への燃料ガスの供給をストップする。
ステップS13:作動制御装置Eは、破損が確認された分離ユニットB3以外の分離ユニットB1,B2,B4の内、起動していないユニットの破損を確認するために、破損が確認された分離ユニットB3以外の分離ユニットを起動させ、破損の有無を確認するための不活性ガスを流通させる信号を送出する。
ステップS14:状態検出装置Cは、破損が確認された分離ユニットB3以外の分離ユニットB1,B2,B4の内、起動していないユニットの累積作動履歴を取り込み、累積作動履歴が他の分離ユニットよりも少ないと判断された分離ユニットを、起動する分離ユニットとして決定する。そして、状態検出装置Cは、起動が決定された分離ユニットの破損を判定する情報(破損判定信号)を破損判定装置Dに送出する。
ステップS15〜17:その後、起動時の操作手順(ステップS2〜4)と同一の操作手順により、新たに起動された分離ユニットの作動を開始する。即ち、作業制御装置Eは、起動した分離ユニットの破損の有無を確認し(ステップS15)、破損がないと確認された分離ユニットについて、作動制御装置Eは、作動順序及び内容を決定し(ステップS16)、開閉弁V1〜V4等の駆動を制御して、分離ユニット(ステップS17)の作動を開始する。
ステップS18:新たに起動された分離ユニットB1〜B4は、作動制御装置Eの制御内容に応じて、水素ガスの生成のための温度変更や圧力変更が行われるが、これらの状態変化は、状態検出装置Cで検出されると共に、作動履歴が順次更新されて記憶部71に記憶される。
次に、図10〜図13に基づき、水素分離装置Bの流路を組み換える操作の実施形態について詳細に説明する。なお、流路を組み換える操作の実施形態は、図10〜図13に示す例に限定されるものではない。
図10〜図13は、3つの分離ユニットB1〜B3を備えた水素分離装置Bの流路を模式的に示す説明図である。なお、図10〜図13において、図5に示す部材と同様の部材については、同一の符号を付して説明する。
図10〜図13に示すように、本例の水素分離装置Bは、3つの分離ユニットB1〜B3と、各分離ユニットB1〜B3に燃料ガスやパージガスを供給するガス供給系30であるガス導入パイプ31〜33と、各分離ユニットB1〜B3で生成された水素ガスを、図示を省略したパワーユニットPに送給する水素ガス導出系40である水素ガス導出パイプ41〜43を備えている。更に、本例の水素分離装置Bは、各分離ユニットB1〜B3で加熱され、改質されたガスを、加熱用のガスとして他の分離ユニットB1〜B3に送給するバイパス系であるバイパスパイプ61〜64を備えている。
また、各ガス導入パイプ31〜33には、開閉弁V1〜V3を備え、水素ガス導出パイプ41〜43には、切換弁V5〜V7を備え、バイパスパイプ61〜64には、バイパス切換弁V13〜V18を備えている。これらの開閉弁V1〜V3、切換弁V5〜V7、バイパス切換弁V13〜V18は、図示を省略した作動制御装置Eの制御により、その開閉が制御され、流路に流通させるガス流量を調整する。
先ず、図10に基づき、分離ユニットB1を起動させる場合の流路を組み換える操作について説明する。
図10に示すように、分離ユニットB1を起動させる場合は、作動制御装置E(図示略)による開閉弁V1の制御(開駆動)によって、燃料ガスがガス導入パイプ31を通じて、分離ユニットB1に供給される。
燃料ガスは、分離ユニットB1の改質部α1で、加熱、改質されて、改質反応場(改質部α1)から、水素分離体(図示略)を介して水素ガスが透過部α2に引き抜かれる。そして、引き抜かれた水素ガスは、透過部α2から水素ガス導出パイプ41を通じて、パワーソースP(図示略)に送給される。
なお、水素ガスの送出量は、作動制御装置E(図示略)による切換弁V5の開閉制御によって制御される。
また、分離ユニットB1の改質部α1で改質された改質ガスは、加熱用のガスとして、作動制御装置E(図示略)によるバイパス切換弁V14〜V17の開閉制御によって、バイパスパイプ61,62を通じて、他の分離ユニットB2,B3に供給される。
次に、図11に基づき、各分離ユニットB1〜B3を同時に起動させる場合について説明する。
図11に示すように、各分離ユニットB1〜B3を同時に起動させる場合は、作動制御装置E(図示略)による開閉弁V1〜V3とパイパス切換弁V13〜V15の制御(開駆動)によって、燃料ガスが、ガス導入パイプ31〜33を通じて、各分離ユニットB1〜B3に供給される。
各分離ユニットB1〜B3で生成された水素ガスは、各水素ガス導出パイプ41〜43を通じて、作動制御装置E(図示略)による切換弁V5〜V7の制御(開駆動)により、必要量の水素ガスがパワーユニットP(図示略)に送出される。
各分離ユニットB1〜B3が同時に起動される場合は、燃料ガスが、各分離ユニットB1〜B3で同時に加熱される状態(例えば、各分離ユニットB1〜B3の各触媒加熱部(図示略)が稼働している状態)となるので、改質ガスは、バイパス切換弁V16〜V18を通じて、他の分離ユニットに送出されることなく、排出される。
次に、図12に基づき、1つの分離ユニットB1の破損が確認された場合について説明する。
図12に示すように、破損判定装置D(図示略)により、分離ユニットB1の破損が確認された場合は、作動制御装置E(図示略)により開閉弁V1が閉弁され、分離ユニットB1の作動が停止される。
次に、破損が確認された分離ユニットB1以外の分離ユニットB2,B3の破損の有無を確認するために、状態検出装置C,破損判定装置D及び作動制御装置Eが作動する。
例えば分離ユニットB2について、破損が確認されなかった場合には、分離ユニットB2を起動する分離ユニットと決定し、作動制御装置Eにより、バイパス切換弁V14と開閉弁V2が開弁されて、燃料ガスが、ガス導入パイプ32を通じて、分離ユニットB2に供給される。
燃料ガスは、分離ユニットB2の改質部α1で改質され、透過部α2に引き抜かれた水素ガスは、水素ガス導出パイプ42を流通して、パワーソースP(図示略)に送給される。
また、分離ユニットB2の改質部α1で改質された改質ガスは、加熱用のガスとして、作動制御装置E(図示略)によるバイパス切換弁V14の開閉制御によって、バイパスパイプ62とパイパス切換弁V15を流通して、他の分離ユニットB3に供給される。
次に、図13に基づき、破損が確認された分離ユニットB1を、他の分離ユニットに加熱用のガスを送出する加熱用ガス送出ユニットとして作動させる場合について説明する。
図13に示すように、破損が確認された分離ユニットB1を加熱用ガス供給ユニットとして作動させる場合には、作動制御装置E(図示略)による開閉弁V1の制御(開駆動)により、先ず、分離ユニットB1に燃料ガスが供給される。この時、切換弁V5は閉弁されている。
燃料ガスは、分離ユニットB1の改質部α1で、加熱される。なお、分離ユニットB1は破損しているので、分離ユニットB1で水素ガスの生成は行われない。
次に、分離ユニットB1で加熱された燃料ガスは、作動制御装置E(図示略)によるバイパス切換弁V14,V16の開閉制御によって、バイパスパイプ61を通じて、他の分離ユニットB2に供給される。
このように、予め、燃料ガスを分離ユニットB1で加熱してから、他の分離ユニットB2に送出することによって、分離ユニットB1の熱を有効に分離ユニットB2で利用することができ、効率良く燃料ガスの改質、水素ガスの生成を行うことができる。
分離ユニットB1で加熱された燃料ガスは、分離ユニットB2の改質部α1で改質され、透過部α2に引き抜かれた水素ガスは、水素ガス導出パイプ42を流通して、パワーソースP(図示略)に送給される。
また、分離ユニットB2の改質部α1で加熱、改質された改質ガスは、加熱用のガスとして、作動制御装置E(図示略)によるバイパス切換弁V15,V17の開閉制御によって、バイパスパイプ62を通じて、他の分離ユニットB3に供給される。
上述した各実施形態においては、水素分離装置B、状態検出装置C、破損判定装置D及び作動制御装置Eを有する構成のものについて説明したが、状態検出装置Cと、破損判定装置Dと、作動制御装置Eは、それぞれ複数ずつ有する構成にしてもよく、それらを同一の装置として構成してもよい。
本例の水素ガス生成送給システムによれば、複数の水素ガス分離ユニットの一部に破損が生じた場合であっても、他の水素ガス分離ユニットを独立して作動させるようにしているので、システムの稼働を停止することなく、必要水素ガス量をパワーソースに送給することができる。また、本例の水素ガス生成送給システムによれば、水素ガス分離ユニットが破損した場合であっても、交換することが可能である。
このように、本例の水素ガス生成送給システムによれば、システム全体を延命させられる。
本発明の第一の実施形態に係る水素ガス生成送給システムの概略構成を示すブロック図である。 水素ガス分離ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。 水素ガス分離ユニットの内部構成を示す断面図である。 水素分離装置と作動制御装置とを一体構造にした一例に係る複合装置を示すものであり、(A)は正面図、(B)は平面図である。 供給ガス、水素ガスの流通系統を模式的に示す説明図である。 本発明の第一の実施形態に係る水素ガス生成送給システムの電気的な構成を概略的に示すブロック図である。 各分離ユニットの作動履歴の累積態様の一例を示した説明図である。 本発明の水素ガス生成送給システムの起動時の作動状態の一例を示すフローチャートである。 本発明の水素ガス生成送給システムの稼働中の作動状態の一例を示すフローチャートである。 水素分離装置の流路を組み換える操作の第一の実施形態を示す説明図である。 水素分離装置の流路を組み換える操作の第二の実施形態を示す説明図である。 水素分離装置の流路を組み換える操作の第三の実施形態を示す説明図である。 水素分離装置の流路を組み換える操作の第四の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
A 水素ガス生成送給システム
B 水素分離装置
B1〜B6 分離ユニット
C 作動状態検出装置
C1 作動情報送出手段
C2 作動履歴記憶手段
C3 作動履歴送出手段
C4 水素ガス生成量判断手段
C5 警告信号送出手段
D 破損判定装置
D1 条件設定手段
D2 破損確認手段
E 作動制御装置
E1 水素ガス分離ユニット作動制御手段
F 警告装置
G 組込み部
P パワーソース
V1〜V4 開閉弁
V5〜V12 切換弁
V13〜V18 バイパス切換弁
α1 改質部(改質ガス通路)
α2 透過部
10 水素分離体
11 改質触媒加熱部
12 改質触媒部
20a〜20f 補助加熱装置
21 保温材
30 ガス供給系
31〜34 ガス導入パイプ
40 水素ガス導出系
41〜44 水素ガス導出パイプ
50 排出パイプ
51〜54 一次貯留タンク
61〜64 バイパスパイプ
70 (状態検出装置C)本体
71 記憶部
72 流量センサ
73 圧力センサ
74 温度センサ
75 タイマー
76 湿度計
90〜97 項目(パラメータ)

Claims (10)

  1. 燃料ガスを改質する改質部を外部又は内部に有し、改質部で改質した水素含有ガスから水素ガスを分離抽出する水素分離体と、水素分離体で分離抽出した水素ガスが流通する透過部とを備えた複数の水素ガス分離ユニットを有し、それら各水素ガス分離ユニットで分離した水素ガスをパワーソースに送給する水素ガス生成送給システムであって、
    各水素ガス分離ユニットの作動状態を検出する作動状態検出手段と、
    各水素ガス分離ユニットにおける破損の有無を判定する破損判定手段と、
    各水素ガス分離ユニットを独立して作動させる水素ガス分離ユニット作動制御手段を設けたことを特徴とする水素ガス生成送給システム。
  2. 作動状態検出手段は、各水素ガス分離ユニットの起動の有無と、各水素ガス分離ユニットにおけるガス流量、圧力、ガス成分の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1に記載の水素ガス生成送給システム。
  3. 破損判定手段は、作動状態検出手段で検出した検出結果に基づいて、各水素ガス分離ユニットの破損の有無を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の水素ガス生成送給システム。
  4. 水素ガス生成送給システムの起動時に、作動状態検出手段及び破損判定手段を作動させて、起動させた水素ガス分離ユニットの破損の有無を判定し、
    水素ガス分離ユニット作動制御手段は、作動状態検出手段の検出結果及び破損判定手段の判定に基づいて、破損していない水素ガス分離ユニットを選択的に作動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の水素ガス生成送給システム。
  5. 水素ガス生成送給システムの稼働中に、破損判定手段により、一部の水素ガス分離ユニットの破損が判定された場合には、
    水素ガス分離ユニット作動制御手段は、破損が確認された水素ガス分離ユニットの作動を停止させ、他の水素ガス分離ユニットを起動させ、
    他の水素ガス分離ユニットの起動時に、作動状態検出手段及び破損判定手段を作動させて、起動させた水素ガス分離ユニットの破損の有無を判定し、
    水素ガス分離ユニット作動制御手段は、作動状態検出手段及び破損判定手段の結果に基づいて、破損していない水素ガス分離ユニットを選択的に作動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の水素ガス生成送給システム。
  6. 供給ガスを各水素ガス分離ユニットに供給するガス供給系と、ガス供給系に設けられた複数の開閉弁とを備え、
    水素ガス分離ユニット作動制御手段は、選択的に各開閉弁を開閉することにより、各水素ガス分離ユニットを選択的に独立して作動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の水素ガス生成送給システム。
  7. 一部の水素ガス分離ユニットで加熱されたガスを、他の水素ガス分離ユニットに供給するバイパス系と、バイパス系に設けられた複数のバイパス切換弁とを備え、
    水素ガス分離ユニット作動制御手段は、選択的に各バイパス切換弁を切り換えることにより、破損が確認された水素ガス分離ユニットを、加熱用のガスを他の水素ガス分離ユニットに供給する加熱用ガス供給ユニットとして作動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の水素ガス生成送給システム。
  8. 作動状態検出手段は、水素ガス生成量を検出し、
    水素ガス分離ユニット作動制御手段は、作動状態検出手段で検出された水素ガス生成量に基づいて、一定の水素ガス生成量が維持されるように、各水素ガス分離ユニットを作動させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の水素ガス生成送給システム。
  9. 作動状態検出手段は、一定の水素ガス生成量が維持できるか否かを判断し、
    作動状態検出手段が一定の水素ガス生成量が維持できなくなったと判断した場合に、水素ガス生成量の低下又は機能不良を表示警告する警告手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の水素ガス生成送給システム。
  10. 水素ガス分離ユニット作動制御手段は、破損していない水素ガス分離ユニット相互の作動履歴が均質となるように、それら各水素ガス分離ユニットを作動させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の水素ガス生成送給システム。
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