JP2010111122A - オフセット印刷で使用する湿し水にナノバブルを含ませる印刷方法 - Google Patents

オフセット印刷で使用する湿し水にナノバブルを含ませる印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オフセット印刷にある、インキ汚れの問題、湿し水の渦剰な使用の問題、エッチ液、IPA、IPAの代替の使用量の問題、印刷物の印面品質の問題、バクテリアの問題、廃水の問題、不良紙が発生することによる資材コストの問題、オフセット印刷機などの電力コストの問題、安全性、作業性、環境の問題を解決できるオフセット印刷の印刷方法を提供する。
【解決手段】オフセット印刷で使用する湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷で使用する湿し水にナノバブルを含ませる印刷方法に関するものである。
従来のオフセット印刷は、版面の画線部にのみ選択的にインキを着けるため、非画線部に水膜を作り、インキを転移させないようにしている。これは水と油の化学的に反発する性質を利用したものである。この水は湿し水と呼ばれる。湿し水の目的は、版面の画線部に余分にインキが付着する網点太りを防ぐこと、非画線部へのインキ付着を防ぐこと。版面を油分、傷から保護すること。インキが乳化を起こし飛散して非画線部に付着したものを弱い洗浄力でいち早く洗い取ること。印刷中のインキローラー、版面の上昇した温度を冷却すること。湿し水に求められる性質は以下の点がある。できるだけ少量の水で良好な印刷が可能なように、適度に表面張力が低く、インキを乳化させにくいこと。ただし、表面張力が低すぎるとインキの転移性を低下させる。非画線部の親水性と版面保護に優れ、版面洗浄力があること。画線部を劣化させず、化学的性質が安定であること。湿し水は真水を使用する場合もあるが、ぬれを良くする、整面効果を高めるなどの目的でエッチ液(湿し水に添加される濃縮液)を混ぜる場合が多い。エッチ液の種類にはアルカリ性、中性、酸性、アルコール、ノンアルコールがある。また動的表面張力の調整剤としてIPA(イソプロピルアルコールは、湿し水のpH値に対し、ほとんど影響を与えないで湿し水の表面張力を下げる役割がある。表面張力が下がることにより、湿し水(エッチ液のみ)の被膜がさらに薄く均一となり、湿し水を減少させることができる。水の粘度が上げられるため、少ない水の量で版面上により薄い膜厚で濡らすことができる。また、殺菌効果もある。)がある。また、IPAの代替として、各種界面活性剤、アルコール誘導体、ノンアルコール誘導体がある。これらは湿し水にエッチ液だけを混合する場合とIPA、もしくはIPAの代替だけを混合する場合とエッチ液、IPA、もしくはIPAの代替、両方を併用する場合がある。また、エッチ液自体に始めからIPA,もしくはIPAの代替を混合させてある場合など目的によりエッチ液、IPA,IPAの代替の組み合わせパターンは数多く存在する。(例えば、非特許文献1参照。)
上記のオフセット印刷で使用する湿し水は、エッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度管理、温度管理、バクテリア対策が必要である。(例えば、非特許文献1参照。)
湿し水は、湿し水中のエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の効果を十分に発揮させるために濃度を適正な値に保つ必要がある。湿し水の濃度管理には、導電率による濃度管理が普及している。導電率と濃度は、湿し水としての使用濃度範囲内では、ほぼ直線的な関係で変化すので管理しやすく安定性も高い。このほか機械的に一定割合で混合する定量希釈方式。濃度をpH(ペーハー)値により混合管理するpH混合方式を採用しているものもある。(例えば、非特許文献1参照。)
オフセット印刷で使用するインキは一般的に25度で使用するように設計されており、それ以上の温度では、網点が太り、インキは乳化しやすい。そこでインキを版面で25度近くに冷やすことが望ましい。このため湿し水供給装置には冷却装置を付けるのが一般的であり、15度から20度に温度管理した湿し水を供給している。(例えば、非特許文献1参照。)
オフセット印刷は、高温多湿の環境で印刷するため、湿し水供給装置、水舟、パイプ、フィルターなどにバクテリアが発生してヘドロ状となり湿し水供給に障害を起こすことがある。バクテリア対策としては湿し水に防腐剤などを入れる方法がある。(例えば、非特許文献1参照。)
湿し水の供給方式を大別するとAD(アーチ内ダンプニング)方式とITD(InkTrainDampening)方式に分けられる。AD方式は専用の水着けローラーがあり、版面に直接水を与える方式である。ITD方式はインキ装置の一部分に湿し水を供給する方式である。湿し水供給装置の種類には、スパイラルブラシ方式(水舟に湿し水を湿し水供給装置で供給して、一定レベルに保たれ、ブラシで湿し水を飛ばして、ローラーの回転に伴って湿し水が運ばれオフセット印刷される。構造が簡単で比較的安価な方式であるが、水を飛ばすブラシの管理が重要であり、ブラシ、水舟は汚れやすく清掃保守が重要である。)、スプレー方式(ポンプで加圧した湿し水をスプレーノズルで霧化し、噴射する方式である。ノズルが詰まれば瞬時に湿し水が停止するので、ノズルチップの洗浄、異物を送り込まないような装置、配管系を清浄に保つことが重要である。)、ローター方式(高速回転するすり鉢状のローター上に湿し水を落として、その遠心力によって湿し水を霧状に飛散させる。湿し水は連続供給で、均一性、安定性に優れている。水量プログラムもかなり細かく自由に設定ができるため、スプレー方式同様に、操作性に優れる。)がある。なお、オフセット印刷における「湿し水供給装置」は、1970年代から連続供給装置へと移行をはじめ、立ち上がりの速さ、供給量の安定性などで印刷品質の向上と高速化を実現し、現在に至っている。(例えば、非特許文献2参照。)
特開平07−304151号公報(例えば、特許文献1参照。)には平版印刷用湿し水又はインキロール循環水をオゾン殺菌装置でオゾンガスを利用したことを特徴とする平版印刷用湿し水又はインキロール循環水をオゾン殺菌装置が開示されている。この技術は従来困難であった循環水の腐敗を、オゾンガスを利用して殺菌することで平版印刷用湿し水又はインキロール循環水の腐敗を防止することで長期安定を可能にすることができる。
実願平01−152004号(実開平03−090940号)のマイクロフィルム(例えば、特許文献2参照。)には貯水槽を含む湿し水の供給系路又は復帰系路途中に殺菌手段を配置したことを特徴とする印刷機用湿し水装置が開示されている。
従来から様々なナノバブルの各種装置、ナノバブルの利用方法が知られている。特開2004−121962号公報(例えば、特許文献3参照。)には、ナノバブルの装置及び利用方法が開示されている。ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用および殺菌作用などの特性を活用したものである。より具体的には、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能が発揮される。そしてこれらの機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄することができ、汚濁水の浄化することができることが開示されている。なお、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製している。
ナノバブル発生方法、ナノバブル発生装置には、いくつかあり例えば以下のような開示がされている。
特開2008−030002号公報(例えば、特許文献4参照。)には、簡単な構造で超微細気泡を処理されるべき流体で発生させることができる超微細気泡発生方法及び発生装置並びに該発生装置を用いた処理装置が開示されている。超微細気泡発生方法は、処理される原流体に高圧流体を噴射して超微細気泡を発生させるが、前記高圧流体の噴射により形成される複数の噴射線が、前記原流体の所定の小領域内を通過するように、それぞれの噴射線の方向を異ならせることを特徴とする。
特開2005−245817号公報(例えば、特許文献5参照。)には、液体中に含まれる微小気泡に物理的刺激を加えることにより、前記微小気泡を急激に縮小させることを特徴とするナノバブルの製造方法が開示されている。液体中に含まれる微小気泡に物理的刺激を加えることにより、前記微小気泡を急激に縮小させることを特徴とする。
特開2006−289367号公報(例えば、特許文献6参照。)には、簡便安価な構成で発生気泡の微細化を実現することが出来る気泡発生装置が開示されている。この発明に係る気泡発生装置は、吸入口が液体源に接続されたポンプと、このポンプの吸入側に接続され所定流量の気体を導入する気体導入部と、ポンプの吐出口に接続された攪拌室と、この攪拌室内に設けられて回転駆動され、ポンプの吐出圧力下で、攪拌室内上方の未溶解状態の気泡を攪拌室内下方の液体中に押し下げることで攪拌動作を行うスクリュー形状の回転羽根と、ポンプの吐出圧力下、攪拌室との連通部で気泡を分離して気泡溶解液を導入し気泡溶解液を取り出す取出口を備えた気泡分離室と、この気泡分離室の取出口に接続され気泡溶解液を減圧して放出する減圧装置を備えたものである。
新聞印刷ハンドブック 改訂版 p.88 p.89 p.90 p.91 新聞印刷ハンドブック 改訂版 p.91 p.92 p.93 p.94 p.95 特開平07−304151号公報 実願平01−152004号(実開平03−090940号)のマイクロフィルム 特開2004−121962号公報 特開2008−030002号公報 特開2005−245817号公報 特開2006−289367号公報
従来のオフセット印刷で使用する湿し水(例えば、非特許文献1参照。)では、オフセット印刷機の運転開始時には、版面の画線部、非画線部の不要なインキを洗浄するのが遅いため印刷物が製品になるまでインキ汚れによる不良紙が発生する。印刷中は印刷物にインキ汚れが発生しないように湿し水の使用量を状況により増やしながら印刷する必要がある。増減速中はインキと湿し水のバランスが悪くなるので印刷物にインキ汚れが発生しやすくなる。そのため印刷中より、更に湿し水の使用量を一時的に増やす必要がある。運転停止直前は印刷物にインキ汚れが特に発生しやすく印刷中、増減速中よりも、更に湿し水の使用量を一時的に増やす必要がある。それでも印刷物にインキ汚れが発生してしまい不良紙が発生する場合がある。そのため従来のオフセット印刷で使用する湿し水では印刷物のインキ汚れ発生を防ぐため湿し水の使用量を過剰に増やしながらオフセット印刷をする。または湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を上げる。または、両方のインキ汚れ対策が必要である。
湿し水の使用量を過剰に増やしながら印刷するインキ汚れ対策では、オフセット印刷の基本である湿し水をできるだけ少量で印刷することができないことにより、インキが薄まり印刷物のインキの濃度と転移性が安定しなくなる。そのため、インキの濃度と転移性を安定させるためインキの使用量を増やす必要がある。インキの使用量を増やしたことにより余分なインキが非画線部に付着することがあり印刷物にインキ汚れが発生する。印刷物にインキ汚れが発生するので湿し水の量を増やす必要がある。以上の悪循環を印刷中に繰り返すため刷り込むほど(印刷時間が長くなる。)湿し水の使用量、インキの使用量、インキ汚れなどによる不良紙の量が多くなる。より具体的には、インキの過剰な乳化が発生する(オフセット印刷では、インキは絶えず水と接触しているためインキの乳化は避けられず、油中水滴型エマルジョンの乳化現象が起こる。インキは過剰に乳化すると流動性が悪くタックが下がるなど性質が変化し、転移不良、濃度不足を引き起こし酷い場合にはインキ汚れ、ローラーストリッピングなど印刷不能な状態になる。)。紙にインキの転移性が悪くなるためセットオフが発生する(印面の未乾燥のインキが対向面に再転移する)。不十分なインキ濃度で印刷するのでドライダウンが発生する(印刷直後の平滑なインキ膜面では色調も鮮やかで濃度値が高くなるが乾燥が進むにつれてインキは紙に浸透しインキ膜は次第に粗面になる。このため光がさまざまな方向に乱反射されるようになり、濃度値が低下し鮮やかさを失うことになる)。ウォーターマークが発生する(印面に発生する雨だれ状の斑点)。ゴーストが発生する(絵柄の一部に他の絵柄の影が現れる)。スラーが発生する(網点の印刷方向にひげ状のインキ汚れが発生する)。水上がりが発生する(印刷中、湿し水がインキ元ローラーとドクターブレード間にたまり、インキ供給が異常になる)。紙が過剰に伸びてしまい印刷テンションが安定しない。印刷テンションが安定しないので印刷物の見当も安定しない。以上の問題が生じる。
また、刷り込んでくると版面、ブランケット、ダイヤ目ローラー、水付けローラー、インキ付けローラーに紙粉、インキカスが堆積するので印刷物にパイリング(印面が白くかすれ写真面はウロコ状になる)、ヒッキーが発生する(印面上に白いドーナッツ状の抜けができる)。パイリング、ヒッキーの発生により印刷物の印面品質が低下する問題が生じる。
湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を上げるインキ汚れ対策は、湿し水のエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を適正以上に上げることにより、湿し水のpH値が小さすぎる(酸性が強い)場合は、非画線部の金属が溶かされて逆にインキ汚れの原因となる。また、インキ乾燥が遅くなったり、刷版の耐刷力がなくなったりして版持ちが悪くなる。湿し水のpH値が高すぎる(アルカリ性が強すぎる)場合は、非画線部の親水被膜が壊れやすくなる、インキと水が混じりやすくなることで、インキ汚れの原因になる問題が生じる。
従来の湿し水で特に大きな問題として、印刷物のインキ汚れの発生を防ぐため湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を上げること。湿し水の使用量を過剰に増やしながらオフセット印刷をする必要があることで、エッチ液、IPA、もしくはIPAの代替の使用量と給水量が増加する。例えば、アルカリ性エッチ液のアルカリ成分は、主にケイ酸塩が使用されているなどエッチ液、IPA、IPAの代替には有害な薬品が使用されている場合がほとんどである。特にIPAは危険物第4類アルコール類に相当し、また有機溶剤中毒予防規則の第2種有機溶剤でもある。またIPAは湿し水の添加剤として優れた性質があるが、その反面、ゴムローラーを劣化させる原因にもなる。近年印刷業界ではIPAの削減が叫ばれている。その理由として、IPAが引火性の強い液体(引火点11.7度)のVOC(揮発性有機化合物)成分100%の溶剤であり、使用中には90%以上が揮発してしまう環境負荷物質である事が挙げられる。IPAを使用する問題を解決するために、IPAを代替しうるオフセット印刷用の湿し水が考案されているが、これらのIPAの代替湿し水には各種界面活性剤、アルコール誘導体、ノンアルコール誘導体を使用している。これらの湿し水組成物は、その表面張力や粘性、乳化適性の観点からIPAに近似した湿し水物性を付与させているものの,IPA自体の動的表面張力の調整、殺菌作用を代替するには至っていない。従来IPAは湿し水中に数%から十数%使用していたこともあり(2001年8月、日本印刷産業連合会では、IPAを使用した資材類については、IPA含有率5%以下とすることが業界の自主基準値とされている)、その殺菌作用から従来は問題にならなかった湿し水の腐敗がIPAの代替の湿し水では大きな問題となる。このために防腐剤として、安息香酸及びその誘導体などを添加することが提案されている。しかし、これらの防腐剤は、オフセット印刷用の湿し水として十分に使用に耐えられるものではない。上記の要因でエッチ液、IPA,IPAの代替の使用量が増加することでコストだけではなく安全性、作業性、環境に問題が生じる。
また、オフセット印刷機の使用状況、版材、紙、インキ、エッチ液、IPA,IPAの代替の影響により湿し水の目的である、版面の画線部に余分にインキが付着する網点太りを防ぐこと、版面の非画線部へのインキ付着を防ぐこと、インキが乳化を起こし飛散して非画線部に付着したものを弱い洗浄力でいち早く洗い取ること。以上の湿し水の目的が安定して得られないため印刷物にインキ汚れが発生する問題が生じる。
従来の湿し水は、湿し水供給装置を長期間清掃せずに使用する、オフセット印刷機の使用状況、版材、紙、インキ、エッチ液、IPA,IPAの代替、湿し水の循環などの影響より、湿し水が腐敗する場合がある。湿し水が腐敗すると悪臭を放つばかりでなく、バクテリアが発生し、湿し水タンク、印刷機への配管、印刷機の水舟に付着し、場合によっては給水ロールを経て版面、ロールに付着し印刷物にバクテリアの汚れが発生する。また、湿し水の変色、汚濁、pH変化、粘度低下となり湿し水の性質を変化させてしまうことになり、安定した水上がりが損なわれ印刷に問題が生じる。その度に掃除あるいは湿し水の再調製を行わなければならず作業上も問題となる。この湿し水のバクテリアの発生は、もとから水中に存在している各種の菌類が増殖することが原因ではあるが、オフセット印刷用の湿し水組成物には版面の非画線部を保護するために不感脂化剤としてアラビアゴム、カルボキシメチルセルロースに代表される各種水溶性高分子化合物が使用される。これらの含有により湿し水は通常の水に比べ長期の保存や使用で菌類が増殖し腐敗し易い問題がある。
また、オフセット印刷では、湿し水の余り水よる廃水が発生する(オフセット印刷では印刷時に湿し水がすべて使用されることはなく余り水となる場合と湿し水供給装置に循環している場合がある。)。また、湿し水供給装置、水舟、パイプ、フィルターなどに、紙粉、インキカス、バクテリアの汚れが発生する。そのため定期的に清掃をする必要があり清掃時に、廃水が発生する。その廃水には、紙粉、インキ、バクテリアなどが多く混入し、BDO(生物化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質)などが基準値以上の数値を示した場合は、廃水を処理する必要がある。通常は、ろ過や、中和処理することにより基準範囲にできることが多いが、悪臭やBOD値が高くなっている場合は生物処理や化学的酸化法などの処理が必要になる問題がある。
オフセット印刷で使用する従来の湿し水には、以上のような様々な問題がある。
特開平07−304151号公報(例えば、特許文献1参照。)には、平版印刷用湿し水又はインキロール循環水をオゾン殺菌装置でオゾンガスを利用したことを特徴とする平版印刷用湿し水又はインキロール循環水をオゾン殺菌装置が開示されている。この技術は従来困難であった循環水の腐敗を、オゾンガスを利用して殺菌することで平版印刷用湿し水又はインキロール循環水の腐敗を防止することで長期安定を可能にすることができる。しかしながら、湿し水の腐食によるバクテリアによる印刷物の汚れ、湿し水の効果の低下は防止できるが、湿し水の本来の効果が向上するのではない。そのため、湿し水の本来の効果以上に印刷物のインキ汚れを削減、印刷物の印面品質の向上、作業性の向上する効果は得られない。また、オゾンは原水中で酸素分子と酸素イオンに分解し、この酸素イオンが殺菌能力を発揮すると考えられている。しかし、原水中にオゾンを注入するだけのオゾン殺菌装置では、原水中でのオゾンの分解が不十分であるため、その殺菌効果も不十分である。また、オゾン発生器における温度変化でオゾン濃度が変化するため、オゾン発生器の温度を一定制御する必要があり装置のコストアップの要因となる。また使用現場での日常管理も必要となる。さらに、オゾン濃度が一定に制御できない場合には、必要以上の殺菌処理となり、オゾン殺菌対象物である材料にダメージを与えてしまう問題がある。また、オゾンは、大気圧下で10,000ppmのオゾンガスを2気圧にすると、単位容積中のオゾン分圧は2倍となり、大気圧換算で20,000ppm相当になるが、加圧して供給した場合には、処理時間が短くできるものの適正な処理時間を求めることが困難である。また逆に減圧下で供給した場合にも適正な処理時間を求めることが困難である。またオゾン水は、その生成後、水中のオゾン濃度が急速に低下して元の状態に戻ってしまう。そのため、従来ではオゾン水を生成した後、これを直ぐに使用する必要があり長期の保存には適さない。なお、低濃度のオゾンは人体に有益であるが、濃度が高くなると人体にも影響があり、濃度の高いオゾンガスを直接吸い込むと、その量によっては死亡事故に繋がることがある。使用にあたっては、連続的でなく断続的に使用する事など人体に及ぼすオゾンの影響を十分考慮して使用しなければならない問題がある。
実願平01−152004号(実開平03−090940号)のマイクロフィルム(例えば、特許文献2参照。)には、貯水槽を含む湿し水の供給系路又は復帰系路途中に殺菌手段を配置したことを特徴とする印刷機用湿し水装置が開示されている。しかしながら、湿し水供給装置に殺菌手段(フィルター等)の濾過装置を配置して湿し水の汚れを除去する手段では十分に効果があるとはいえない。保守点検が不十分であると濾過に使用するフィルターにバクテリアが滞留してしまい、却って菌類の増殖に好適な環境になることがあり、装置面から湿し水の防腐に対処するには不十分である。
特開2004−121962号公報(例えば、特許文献3参照。)には、ナノバブルの装置及び利用方法が開示されている。しかしながら、ナノバブルを含む水の利用方法は、物体の洗浄、汚濁水の浄化、生体への適用、あるいは化学反応に有効利用することが開示されているが、上記の課題の具体的な解決手段については何ら示唆されていない。使用する水は、超純粋、電解水、アルカリイオン水、酸性水としたものである。また、廃水等の水系の流体の処理についてのみ記載があり、他の種類の流体への適用は全く考えられていない。ナノバブルを湿し水に含ませてオフセット印刷に利用する印刷方法は全く考えられていない。なお、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製しているため発生装置の構造が複雑になること、大量にナノバブルを作製する場合にコストの問題がある。
また、従来のナノバブルの利用方法は、様々に利用されているが、洗浄する分野では、各物体を高機能、低環境負荷で汚れ成分を、いかに効率良く完全に洗浄することを目的として利用されている。そのため従来のナノバブルの利用方法の考えでは、オフセット印刷のように、水とインキそれぞれの表面張力の問題、エッチ液、IPA,IPAの代替の問題、印刷機の問題、紙の問題、印刷物の印面品質の問題などがあり、版面に形成されるミクロン単位の薄膜により水はインキをはじき、インキは水をはじきながら印刷される絶妙なバランスを保つことで成り立つ印刷方式で使用する湿し水のような複雑な作用がある液体には、ナノバブルを利用することは全く考えられていない。
以上のようにオフセット印刷を従来の湿し水を使用して印刷することで、インキ汚れの問題、湿し水の過剰な使用の問題、印刷物の印面品質の問題、エッチ液、IPA、IPAの代替の使用量の問題、バクテリアの問題、廃水の問題、不良紙が発生することによりインキ、紙、水、エッチ液、IPA,IPAの代替、オフセット印刷機、周辺機械の電力などのコストの問題、安全性、作業性、環境の問題が解決できるオフセット印刷方法が求められていた。また、オフセット印刷は、印刷機、版、紙、インキなどの印刷条件は多種多様化な環境にあり、エッチ液、IPA、IPAの代替の使用量の問題、印面品質の問題、作業性の問題、環境問題を解決できるオフセット印刷に適正な湿し水も求められていた。
本発明は、従来の湿し水を使用してオフセット印刷をすることで発生していた上記の問題を解決するためのオフセット印刷方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するためにオフセット印刷に使用する湿し水にナノバブルを含ませることである。
上記の本発明はオフセット印刷機に湿し水を供給している湿し水供給装置の湿し水タンクにナノバブル発生装置を取り付ける。ナノバブル発生装置で薬剤などを使用せず空気を使用してナノバブルを湿し水に含ませる。ナノバブルを含ませた湿し水を湿し水供給装置でオフセット印刷機に連続供給してオフセット印刷をする印刷方法を特徴とする。
本発明のオフセット印刷で使用するナノバブルを含ませた湿し水は洗浄効果、界面活性作用があるナノバブルを湿し水に含ませることで洗浄効果、界面活性作用が従来の湿し水より向上する。特に従来の湿し水は表面張力をエッチ液、IPAもしくはIPAの代替で、いかに適正にするかが課題であったがナノバブルの界面活性作用を利用することでエッチ液、IPAもしくはIPAの代替の使用量を削減できる。オフセット印刷の湿し水の使用量を削減できる。より具体的には、本発明のオフセット印刷で使用するナノバブルを含ませた湿し水を使用することでオフセット印刷機の運転開始時は、版面の画線部、非画線部の不要なインキの洗浄するのが従来よりも早いため印刷物が製品になるのが早くなりインキ汚れによる不良紙を削減できる。印刷中は印刷物にインキ汚れの発生が低減されるので湿し水の使用量を過剰に増やすことなく従来よりも減らしてオフセット印刷をすることができる。増減速中はインキと湿し水のバランスが悪くなるためインキ汚れが発生しやすくなるが印刷中より更に湿し水の使用量を一時的に増やさなくても印刷物のインキ汚れの発生を削減できる。運転停止直前は印刷物にインキ汚れが特に発生しやすいが印刷中、増減速中よりも、更に湿し水の使用量を一時的に増やさなくてもインキ汚れによる不良紙を削減できる。従来の湿し水では印刷物のインキ汚れ発生を防ぐため湿し水の使用量を過剰に増やしながらオフセット印刷をする。または湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を上げる。または、画方のインキ汚れ対策が必要であったが、本発明のオフセット印刷で使用するナノバブルを含ませた湿し水は従来よりもエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を下げることができる。従来よりも湿し水の使用量を減らしてオフセット印刷することができる。
結果、オフセット印刷中のインキが薄まることがなくなりインキの濃度と転移性が安定する。そのため、従来のようにインキの濃度と転移性を安定させるためインキの使用量を増やす必要がなくなる。インキの使用量を増やす必要がなくなるので余分なインキが非画線部に付着しなくなり印刷物にインキ汚れが発生しない。印刷物にインキ汚れが発生しないので再び湿し水の量を増やす必要がない。従来の悪循環を印刷中に繰り返す必要がなくなり刷り込んでも、湿し水の使用量、インキの使用量、インキ汚れによる不良紙の量を削減できる。また、オフセット印刷の基本である湿し水をできるだけ少量で印刷することができることにより、従来の湿し水にあった、インキの過剰な乳化の発生。(転移不良、濃度不足、インキ汚れ、ローラーストリッピングなどの発生)。セットオフの発生。ドライダウンの発生。ウォーターマークの発生。ゴーストの発生。スラーの発生。水上がりの発生。印刷テンションの不安定。印刷物の見当の不安定。以上の問題を解決できる。
また、刷り込んでも、版面、ブランケット、ダイヤ目ローラー、水付けローラー、インキ付けローラーに堆積してくる紙粉、インキカスを印刷中にナノバブルを含んだ湿し水が洗浄するので、紙粉、インキカスの堆積を防止することができる。結果、印刷物のパイリング、及びヒッキーの発生を削減できる。パイリング、ヒッキーが発生しないので画線部に安定してインキを転移することができるため従来よりも印刷物の印面品質が向上することができる。従来よりも刷り込んでも印刷物の印面品質が低下することを削減することができる。
また、湿し水のエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を適正以上に上げることにより湿し水のpH値が小さすぎる場合、pH値が高すぎる場合に発生していたインキ汚れを削減できる。
従来の湿し水で特に大きな問題の、印刷物のインキ汚れの発生を防ぐため湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度を上げること、湿し水の使用量を過剰に増やしながらオフセット印刷をすることで、エッチ液、IPA、もしくはIPAの代替の使用量と給水量が増加する問題を本発明のオフセット印刷にナノバブルを含ませた湿し水を使用することで従来よりもエッチ液、IPA、もしくはIPAの代替の濃度を下げることができる。従来よりも湿し水の使用量を減らしてオフセット印刷することができるためエッチ液、IPA、もしくはIPAの代替の使用量と給水量を削減できる。コスト、安全性、作業性、環境の問題を解決できる。
オフセット印刷機の使用状況、版材、紙、インキ、エッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の影響を受け難くなり湿し水の目的である、版面の画線部に余分にインキが付着する網点太りを防ぐこと、版面の非画線部へのインキ付着を防ぐこと、インキが乳化を起こし飛散して非画線部に付着したものをいち早く洗い取ること。以上の湿し水の目的が安定して得られるため印刷物のインキ汚れ発生を削減できる。
従来の湿し水は、湿し水供給装置を長期間清掃せずに使用するなどで湿し水が腐敗する場合があったが、本発明のオフセット印刷にナノバブルを含ませた湿し水を使用することで湿し水供給装置などをナノバブルが洗浄しながらオフセット印刷をするのでオフセット印刷機の使用状況、版材、エッチ液、IPA,もしくはIPAの代替、湿し水の循環などの影響より湿し水が腐敗するのを防止できる。及び湿し水供給装置などに発生する、紙粉、インキカス、バクテリアの汚れを削減することができる。ただし本発明で使用するナノバブルは空気を使用しているため、ナノバブル単体では湿し水を殺菌する効果はない。
本発明のオフセット印刷にナノバブルを含ませた湿し水を使用することで、湿し水の余り水よる廃水を削減できる。従来よりもエッチ液、IPA、もしくはIPAの代替の濃度を下げることができる。従来よりも湿し水の使用量を減らしてオフセット印刷することができるため、湿し水の余り水に含まれるエッチ液、IPA、もしくはIPAの代替によるBDO、SSなどが削減できる。湿し水供給装置などをナノバブルが洗浄しながらオフセット印刷をするので湿し水供給装置などの清掃回数を削減できる。結果、廃水の処理が削減できる。
以上の本発明の効果で、オフセット印刷で使用していた従来の湿し水にあった様々な問題を解決できる。
本発明のナノバブルを含ませた湿し水はナノバブルを含ませる際に薬剤など使用せずナノバブル発生装置で空気を使用するだけなので従来の湿し水と化学的性質の変化がなく安定である。また、薬剤などを使用しないのでランニングコスト、安全性、作業性、環境の問題が生じない。ナノバブルは湿し水内に長期に渡って存在することができるという性質を有しているのでオフセット印刷機を、一定期間使用しないでも湿し水内に存在する。なお、現状のオフセット印刷機の湿し水供給装置にナノバブル発生装置を取り付けるだけなので初期コストを低く抑えることが可能である。
本発明は、オフセット印刷で使用する従来の湿し水にナノバブルを含ませる印刷方法なので、現状で使用している様々なオフセット印刷機、湿し水供給装置、供給方式、濃度管理、温度管理、バクテリア対策、紙、インキ、エッチ液、IPA,IPAの代替に利用することができる。
本発明の実施形態はオフセット印刷機の湿し水供給装置の湿し水タンクにナノバブル発生装置を取り付ける。湿し水供給装置で湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度設定を従来よりも下げる。ナノバブル発生装置で薬剤などを使用せず空気を使用してナノバブルを発生させ湿し水にナノバブルを含ませる。ナノバブルを含ませた湿し水をナノバブル発生装置から湿し水タンクに戻す。この工程を印刷中、繰り返しながら湿し水供給装置からオフセット印刷機にナノバブルを含ませた湿し水を連続供給する。ナノバブルを含ませた湿し水の使用量を従来の湿し水よりも減らしてオフセット印刷をする。
なお、ナノバブルを湿し水に含ませる工程で、ナノバブル発生装置の発生方法により湿し水の水温が上昇してしまう場合がある。その場合は湿し水供給装置の冷却機で温度管理を適正にする。(従来の洗浄に利用する場合は、水温は問題になりにくいが、オフセット印刷では湿し水の温度管理は重要である。)
本発明で使用するナノバブルとは、気泡の直径が1μm以下を言っている。このような微細な気泡は、通常の気泡が液中を急激に上昇し液面で破裂するのに対して、上昇速度が遅く長時間液中に留まり続ける。そして、液中の微細気泡は気相と液相との界面間で生じた界面張力により加圧されより一層小さくなる。更に、微細気泡は負に帯電しており、互いに反発するので、結合することがなく、気泡濃度が低下しない。このため、微細気泡は液中に高密度で分散することができる。(マイクロバブルを用いる湿し水では、バブルのサイズが大きいので、ナノサイズの微細な領域の洗浄、界面活性作用が困難であるという問題点を有している。また、マイクロバブルは存在時間が数時間であって、マイクロバブル発生機を停止すれば、数時間でマイクロバブルが消滅してしまう。)
上記実施形態のオフセット印刷にナノバブルを含ませた湿し水を使用した印刷方法によれば、オフセット印刷機の運転開始時、印刷中、増減速中、運転停止時、オフセット印刷機の使用状況、版材、紙、インキ、エッチ液、IPA,IPAの代替の影響で起こる印刷物のインキ汚れ発生を削減する。オフセット印刷の基本である湿し水をできるだけ少量で印刷することができる。従来よりも印刷物の印面品質が向上する。従来よりも刷り込んでも印刷物の印面品質が低下することを削減する。従来よりも印刷作業性の向上することができる。湿し水供給装置、水舟、パイプ、フィルターなどに発生する、紙粉、インキカス、バクテリアの汚れを洗浄することができる。湿し水の廃水量を削減することができる。インキ、紙、水、エッチ液、IPA,IPAの代替、オフセット印刷機、周辺機械の電力などのコストの削減、安全性、作業性、環境の問題が解決できる。以上の本発明の効果が得られるものである。
以下、この本発明の実施例について図面に基づいて説明する。図1は本発明の構成を示す説明図である。オフセット印刷機3の湿し水供給装置2の湿し水タンクにナノバブル発生装置1を取り付ける。湿し水供給装置2で湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度設定を従来よりも下げる(▲1▼)。ナノバブル発生装置1に湿し水供給装置から湿し水を通す(▲2▼)。ナノバブル発生装置1で空気を使用してナノバブルを発生させて湿し水にナノバブルを含ませる。ナノバブルを含ませた湿し水をナノバブル発生装置1から湿し水供給装置2の湿し水タンクに戻す(▲3▼)。この工程を(▲2▼、▲3▼)印刷中に繰り返しながら湿し水供給装置2からオフセット印刷機3にナノバブルを含ませた湿し水を印刷中連続して供給する(▲4▼)。ナノバブルを含ませた湿し水の使用量を従来よりも減らしてオフセット印刷をする(▲5▼)。
図2は本発明を新聞用オフセット輪転機で使用する場合の構成を示す説明図である。新聞用オフセット輪転機5の新聞用オフセット輪転機用の湿し水供給装置4の湿し水タンクにナノバブル発生装置1を取り付ける。新聞用オフセット輪転機用の湿し水供給装置4で湿し水に混ぜるエッチ液の濃度設定を従来よりも下げる(▲8▼)。ナノバブル発生装置1に新聞用オフセット輪転機用の湿し水供給装置から湿し水を通す(▲6▼)。ナノバブル発生装置1で空気を使用して湿し水にナノバブルを含ませる。ナノバブルを含ませた湿し水をナノバブル発生装置1から新聞用オフセット輪転機用の湿し水供給装置4の湿し水タンクに戻す(▲2▼)。この工程(▲6▼、▲3▼)を印刷中、繰り返しながら新聞用オフセット輪転機用の湿し水供給装置4から新聞用オフセット輪転機5にナノバブルを含ませた湿し水を連続して供給する(▲7▼)。ナノバブルを含ませた湿し水を従来よりも使用量を減らして新聞用オフセット輪転機5でオフセット印刷をする(▲5▼)。
上記実施例のナノバブルを含ませた湿し水を使用したオフセット印刷方法によれば本発明の効果が得られるものである。
本発明の構成を示す説明図である。 本発明を新聞用オフセット輪転機で使用する場合の構成を示す説明図である。
1 ナノバブル発生装置
2 湿し水供給装置
3 オフセット印刷機
4 新聞用オフセット輪転機用の湿し水供給装置
5 新聞用オフセット輪転機
▲1▼ 湿し水に混ぜるエッチ液、IPA,もしくはIPAの代替の濃度設定を従来よりも下げる。
▲2▼ 湿し水供給装置から湿し水を通す。
▲3▼ ナノバブルを含んだ湿し水を戻す。
▲4▼ オフセット印刷機にナノバブルを含んだ湿し水を連続して供給する。
▲5▼ ナノバブルを含ませた湿し水の使用量を従来の湿し水よりも減らしてオフセット印刷をする。
▲6▼ 新聞用オフセット輪転機用の湿し水供給装置から湿し水を通す。
▲7▼ 新聞用オフセッ輪転機にナノバブルを含んだ湿し水を連続して供給する。
▲8▼ 湿し水に混ぜるエッチ液の濃度設定を従来よりも下げる。

Claims (15)

  1. オフセット印刷で使用する湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  2. オフセット印刷で使用するアルカリ性エッチ液を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  3. オフセット印刷で使用する中性エッチ液を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  4. オフセット印刷で使用する酸性エッチ液を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  5. オフセット印刷で使用するアルコールエッチ液を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  6. オフセット印刷で使用するノンアルコールエッチ液を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  7. オフセット印刷で使用するイソプロピルアルコール(IPA)を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  8. オフセット印刷で使用するイソプロピルアルコール(IPA)の代替の各種界面活性剤を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  9. オフセット印刷で使用するイソプロピルアルコール(IPA)の代替のアルコール誘導体を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  10. オフセット印刷で使用するイソプロピルアルコール(IPA)の代替のノンアルコール誘導体を混合した湿し水にナノバブルを含ませることを特徴とする印刷方法。
  11. イソプロピルアルコール(IPA)を、請求項2、請求項3、請求項4に記載の各ナノバブルを含ませた湿し水に併用することを特徴とする印刷方法。
  12. イソプロピルアルコール(IPA)の代替の各種界面活性剤を、請求項2、請求項3、請求項4に記載の各ナノバブルを含ませた湿し水に併用することを特徴とする印刷方法。
  13. イソプロピルアルコール(IPA)の代替のアルコール誘導体を、請求項2、請求項3、請求項4に記載の各ナノバブルを含ませた湿し水に併用することを特徴とする印刷方法。
  14. イソプロピルアルコール(IPA)の代替のノンアルコール誘導体を、請求項2、請求項3、請求項4に記載の各ナノバブルを含ませた湿し水に併用することを特徴とする印刷方法。
  15. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14記載のナノバブルを含んだ湿し水を使用してオフセット印刷することで湿し水供給装置、水舟、パイプ、フィルターなどを洗浄することを特徴とする印刷方法。
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