JP2010110718A - 有機性排水の処理方法および処理装置 - Google Patents

有機性排水の処理方法および処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】BOD容積負荷を高め、効率的に有機性排水中のBODを除去し、汚泥発生量を低減できる有機性排水の処理方法および処理装置を提供する。
【解決手段】有機性排水を、細菌の存在下、好気性処理する第1処理工程と、第1処理工程からの流出水を、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理工程とを有し、第1処理工程は、酸素利用速度を通気により80mg−O2/L/時〜600mg−O2/L/時とし、水理学的滞留時間(HRT)を5〜24時間とする有機性排水の処理方法。有機性排水を、細菌の存在下、好気性処理する第1処理槽と、第1処理槽からの流出水を、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理槽とを有し、第1処理槽には、水深6m以上に通気する通気手段が設けられている有機性排水の処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性排水の処理方法および処理装置に関する。
有機性排水の処理方法として、従来、活性汚泥法が広く用いられている。しかし、例えば、標準活性汚泥法においては、BOD容積負荷が0.3kg/m3/日〜0.8kg/m3/日程度であり、設備の建設に当たっては広い敷地が必要となる。また、処理に伴い発生する大量の汚泥の処理についても、問題となっている。
上記問題に対し、特許文献1には、有機性排水を第1処理槽で細菌により処理し、有機性排水中の有機物を酸化分解するとともに細菌の菌体に変換した後、第1処理槽からの流出水を第2処理槽で原生動物により処理し、細菌を原生動物により捕食除去する方法が開示されている。特許文献1に開示された方法によれば、高BOD負荷での処理が可能となり、汚泥発生量も低減できる。また、特許文献2には、前記特許文献1に開示された方法を改良して、原水BOD濃度の変動を緩和するために、前記第1処理槽の前段に調整槽を設ける方法が開示されている。
特公昭56−48235号公報 特開2000−210692号公報
上記のように、有機性排水を第1処理槽で細菌により処理し、第1処理槽からの流出水を第2処理槽で原生動物により処理する技術は既に知られている。しかし、有機性排水中のBODを、さらに効率的に除去することができれば、高BOD濃度の原水に対しても処理が可能となり適用範囲が増えるとともに、設備の省スペース化にも資することができる。また、汚泥発生量をより低減することができれば、汚泥処分費低減の点でさらに好ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、BOD容積負荷を高め、効率的に有機性排水中のBODを除去し、汚泥発生量を低減できる有機性排水の処理方法および処理装置を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の有機性排水の処理方法とは、有機性排水を第1処理槽に導入し、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODを細菌の菌体に変換する第1処理工程と、前記第1処理工程からの流出水を第2処理槽に導入し、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理工程とを有し、前記第1処理工程において、酸素利用速度を通気により80mg−O2/L/時〜600mg−O2/L/時とし、水理学的滞留時間(HRT)を5時間〜24時間とするところに特徴を有する。前記構成により、第1処理工程で効率的にBODを除去することができるようになり、第2処理工程での汚泥発生量を低減できるようになる。
第1処理工程においては、通気は、水深6m以上で行うことが好ましく、第1処理槽の槽内水の一部を循環流路に導入し、循環流路にて槽内水に空気を混入し、空気が混入した槽内水を第1処理槽の水深6m以上に供給することにより行うことがより好ましい。前記のように通気することにより、酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とすることが容易となる。
第2処理工程おいては、第2処理槽に浸漬した膜ろ材により槽内水を固液分離して、膜ろ過水を得るようにすることが好ましい。前記構成により、第2処理槽内の汚泥濃度(原生動物濃度)を高く保つことが容易となり、BODを効率的に除去しやすくなる。また、第2処理工程の汚泥滞留時間(SRT)を長くすることが容易となり、その結果、汚泥の好気性消化および原生動物による捕食が促進され、汚泥発生量をさらに低減しやすくなる。
本発明の有機性排水の処理装置とは、有機性排水を、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODを細菌の菌体に変換する第1処理槽と、前記第1処理槽からの流出水を、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理槽とを有し、前記第1処理槽には、水深6m以上に通気する通気手段が設けられているところに特徴を有する。前記構成により、第1処理槽内の酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とすることが容易となり、第1処理槽で効率的にBODを除去することができるようになる。また、第2処理工程での汚泥発生量を低減できるようになる。
前記第1処理槽に設けられる通気手段は、第1処理槽に一端が連通し、他端が第1処理槽内の水深6m以上に開口し、空気供給手段を有する循環流路であることが好ましい。前記構成により、第1処理槽内の酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とすることがさらに容易となる。
前記第2処理槽には、第2処理槽の槽内水を固液分離して膜ろ過水を得る膜ろ材が浸漬して設けられていることが好ましい。第2処理槽に膜ろ材が浸漬して設けられることにより、第2処理槽でのBOD除去が効率的に行われやすくなり、また第2処理槽内での好気性消化および原生動物による捕食が促進される結果、汚泥発生量をさらに低減しやすくなる。
本発明の有機性排水の処理方法および処理装置によれば、BOD容積負荷を高くすることができ、効率的に有機性排水中のBODを除去することができる。また、汚泥発生量を低減することができる。
本発明の有機性排水の処理方法は、有機性排水を第1処理槽に導入し、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODを細菌の菌体に変換する第1処理工程と、前記第1処理工程からの細菌を含む流出水を第2処理槽に導入し、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理工程とを有している。
本発明の処理方法において、処理対象となる有機性排水(以下、「原水」と称することがある)は、生物分解可能な有機物を含む排水であれば特に限定されず、生物分解可能な有機物としては、生物学的酸素要求量(BOD)として計測される有機物が好ましい。
本発明の処理方法の対象となる有機性排水としては、下水、し尿、下水処理やし尿処理に伴い発生するプロセス排水、食品工場や紙パルプ工場、化学工場等から発生する工場排水、家畜糞尿等の畜産廃棄物の処理により発生する排水等が挙げられる。
本発明の処理方法は、BOD濃度が比較的高い排水を対象とすることが好ましく、原水のBOD濃度としては500mg/L以上が好ましく、1,000mg/L以上がより好ましく、1,500mg/L以上がさらに好ましい。原水のBOD濃度の上限は特に制限されないが、15,000mg/L以下が好ましく、10,000mg/L以下がより好ましく、7,500mg/L以下がさらに好ましい。BOD濃度が15,000mg/Lを超える排水は、適宜希釈して所望の濃度に調整し、第1処理工程に導入する原水とすればよい。なお、BOD濃度が15,000mg/L以下の排水であっても、適宜希釈して所望の濃度に調整し、第1処理工程に導入する原水としてもよい。
第1処理工程では、有機性排水が第1処理槽に導入され、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODが細菌の菌体に変換(資化)され、BODが除去される。前記細菌としては、好気性の細菌であれば特に限定されないが、後段の第2処理工程で細菌が原生動物により捕食されやすくするためには、非凝集性細菌が好ましい。第1処理工程では、非凝集性細菌が優先的に繁殖し、原生動物の繁殖が抑えられることが好ましく、この場合、第1処理工程の第1処理槽からの流出水は、活性汚泥状ではなく、細菌が分散した状態のものとなる。
第1処理工程で用いられる細菌としては、アルカリゲネス属菌、シュウドモナス属菌、バチルス属菌、アエロバクター属菌、フラボバクテリウム属菌等が挙げられ、さらに酵母やカビ等の真菌等も含まれる。これらの細菌は、通常、有機性排水中に存在するため、外部から添加することは必須としない。しかし、本発明においては、例えば、処理開始直後に処理性能が定常状態に速く達するようにするために、あるいは一時的に処理性能が低下して処理性能を速く回復するために、適宜外部から細菌を添加してもよい。
第1処理工程のBOD容積負荷は、5.0kg/m3/日以上が好ましく、7.5kg/m3/日以上がより好ましく、また25kg/m3/日以下が好ましく、20kg/m3/日以下がより好ましい。BOD容積負荷が5.0kg/m3/日〜25kg/m3/日であれば、十分な汚泥削減効果が得やすくなる。
第1処理工程では、水理学的滞留時間(HRT)を5時間〜24時間とする。HRTが5時間未満であれば、細菌によるBOD除去が不十分となり、十分な汚泥削減効果が得られにくくなる。HRTが24時間を超える場合は、それ以上HRTを増やしても、BOD除去効果は向上しにくくなり、かえって第1処理槽内に原生動物や凝集性の細菌が繁殖しやすくなり、それらが活性汚泥状となる結果、十分な汚泥削減効果が得られにくくなる。すなわち、HRTを5〜24時間とすれば、非凝集性細菌が優先的に繁殖しやすくなるとともに、非凝集性細菌によるBOD除去が十分行われやすくなる。HRTは、より好ましくは、6時間〜16時間である。なお、第1処理工程の水理学的滞留時間(HRT)は、(第1処理槽の有効容積)/(時間当たりの第1処理槽への流入水量)により求められる。
第1処理工程では、第1処理槽の酸素利用速度を80mg−O2/L/時〜600mg−O2/L/時とする。なお、第1処理槽の酸素利用速度とは、第1処理槽内の槽内水が単位時間当たりに利用(消費)する酸素量を意味する。酸素利用速度は、下水試験方法に従い算出され、具体的には、第1処理槽の槽内水を容器の9割程度まで入れ、撹拌しながら曝気して、溶存酸素濃度(DO濃度)を5mg/L程度まで上げた後、曝気を停止し、この状態で溶存酸素濃度の経時変化を測定し、その減少速度を槽内水1L当たりの値に換算することで、算出される。
第1処理槽の酸素利用速度は、前記のように、80mg−O2/L/時以上とするが、好ましくは100mg−O2/L/時以上であり、より好ましくは150mg−O2/L/時以上である。酸素利用速度が80mg−O2/L/時以上であれば、第1処理工程の細菌によるBOD除去が効率的に行われ、第1処理槽のBOD除去量を高くすることができる。従って、高BOD濃度の原水に対しても、処理が十分行われ、処理水BOD濃度を所望の濃度まで低くすることが容易となる。あるいは、第1処理槽をコンパクトにすることが容易となる。
第1処理槽の酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とするためには、第1処理槽中の細菌濃度を高く維持することが好ましい。しかし、一般の有機性排水中には、酸素利用速度が80mg−O2/L/時以上となるような高濃度に、細菌が存在することはほとんどない。また、外部から細菌を供給したとしても、第1処理槽が細菌濃度を高く維持できる条件が整っていなければ、外部から供給した細菌は、HRT上、長くても24時間で第1処理槽から流出してしまう。従って、酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とするためには、常時細菌を外部から添加し続けることが必要となり、そのために別途細菌を培養し、あるいは用意をしておくことは、費用的にも労力的にも難しい。
そこで、本発明では、通気(曝気)により、第1処理槽の酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上となるようにする。すなわち、通気により多くの酸素を第1処理槽に供給することで細菌の増殖速度を高め、HRTが5〜24時間と比較的短い時間であっても、第1処理槽に高濃度に細菌が存在できるようにする。
通気により酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とするためには、水深6m以上で通気(曝気)を行うことが好ましい。より好ましくは、通気は、水深8m以上で行い、さらに好ましくは水深10m以上で行う。なお、通気の水深の上限は特に限定されないが、水深が深すぎる場合は第1処理槽の製造が困難となったり、製造費用がかさむ場合があるため、通気は水深15m以下で行うことが好ましい。
なお、活性汚泥法における散気方法としては、水深3m〜5m程度で、旋回流式、全面曝気式、または水中撹拌式により行うのが一般的であるが、前記方法によれば、酸素溶解効率や総括酸素移動容量係数(単位時間に気相から液相へ酸素を移動させる能力を示す係数を意味する)はそれほど高くない。その結果、水深5mで旋回流式で通気する場合は、対応できる酸素利用速度は、高くても25mg−O2/L/時程度にとどまり、水深5mで全面曝気式または水中撹拌式で通気する場合は、対応できる酸素利用速度は、高くても75mg−O2/L/時程度にとどまる。そこで、本発明では、水深6m以上で通気することにより、酸素溶解効率や総括酸素移動容量係数を上げ、酸素利用速度80mg−O2/L/時以上を実現している。
水深6m以上で通気する方法としては、例えば、散気装置を第1処理槽の水深6m以上に設置し、当該散気装置から空気を供給する方法や、空気が混入した水を第1処理槽の水深6m以上に供給する方法等が示される。
本発明の処理方法においては、前記例示したいずれの方法によっても、酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とすることができるが、後者の方法によれば、気液混相流により第1処理槽での細菌の凝集を抑制しやすくなる点でより好ましい。空気が混入した水を第1処理槽の水深6m以上に供給する方法としては、例えば、第1処理槽の槽内水の一部を循環流路に導入し、循環流路にて槽内水に空気を混入し、空気が混入した槽内水を第1処理槽の水深6m以上に供給する方法が示される。第1処理槽から抜き出した槽内水に空気を混入する空気供給手段としては特に限定されず、例えば、前記循環流路に空気供給管を挿入等して空気供給口を設け、槽内水が循環流路を流れている状態で、空気供給口から空気が供給されるようにすればよい。
空気が混入した水を第1処理槽の水深6m以上に供給する方法によれば、例えば水深8mの場合では、酸素溶解効率は50%以上に、総括酸素移動容量係数は25以上に高めることが容易となる。この値は、水深5mで通気し、一般的な散気方式である旋回流式の場合で、酸素溶解効率と総括酸素移動容量係数が高くても各々15%程度と3程度であり、全面曝気式または水中撹拌式の場合で、酸素溶解効率と総括酸素移動容量係数が高くても各々30%程度と10程度であるのと比較して、非常に高い値である。
従って、空気が混入した水を第1処理槽の水深6m以上に供給する方法によれば、酸素溶解効率、総括酸素移動容量係数等を容易に高めることができ、その結果、酸素利用速度を容易に80mg−O2/L/時以上にすることができる。
一方、第1処理槽の酸素利用速度の上限は、前記のように、600mg−O2/L/時であるが、第1処理槽の酸素利用速度は好ましくは500mg−O2/L/時以下であり、より好ましくは400mg−O2/L/時以下である。酸素利用速度が600mg−O2/L/時を超える場合は、第1処理槽でBODが除去されにくくなり、その結果、第2処理工程での処理が安定して行われなくなる場合がある。酸素利用速度が600mg−O2/L/時を超える場合は、より深い水深で通気をしたり、あるいはより大きい送風機が必要となり、費用やエネルギーの面から不利となる場合がある。
以上のように、第1処理工程は、通気により酸素利用速度を80mg−O2/L/時〜600mg−O2/L/時とし、HRTを5時間〜24時間とすることで、非凝集性細菌を高濃度に維持することが可能となり、有機性排水中のBODを効率的に除去することが可能となる。その結果、後段の第2処理工程のBOD負荷を低減でき、第2処理工程での汚泥発生量を低減できるようになる。
第1処理工程のBOD除去率は、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましく、また96%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。BOD除去率が40%〜96%の範囲であれば、汚泥削減効果を高めやすくなると同時に、第2処理工程の処理水のBOD濃度を低減しやすくなる。なお、第1処理工程のBOD除去率は、1−(第1処理槽の流出水のBOD濃度)/(第1処理槽の流入水のBOD濃度)により求められる。
第1処理工程からの細菌を含む流出水は、第2処理工程が行われる第2処理槽に導入される。第2処理槽には、原生動物が存在し、当該原生動物は、第1処理工程からの流出水に含まれる細菌を捕食し、酸化分解または資化する。なお、前記原生動物には、ワムシ類や環形動物等の小動物も含まれる。
第2処理工程では、原生動物の存在下、好気性処理することで、第2処理工程の処理水BOD濃度が低減される。本発明の処理方法では、第1処理工程において有機性排水中のBODが細菌により処理されるため、第2処理工程で発生する汚泥量を減らすことが可能となる。
第2処理槽に存在する原生動物とは、活性汚泥法で一般に見られる原生動物や小動物であれば特に限定されず、例えば、繊毛虫類、ワムシ類、ミミズ・線虫等が示される。
第2処理工程における好気性処理としては、公知の方法を採用すればよく、例えば、標準活性汚泥法、長時間エアレーション法、オキシデーションディッチ(OD)法、ステップエアレーション法等の浮遊法;回転円板法等の固定法等が示される。さらに、前記浮遊法には、担体投入活性汚泥法や膜分離活性汚泥法等を組み合わせて用いてもよい。また、前記好気性処理に嫌気性処理を組み合わせてもよい。
第2処理工程の好気性処理としては、膜分離活性汚泥法を採用することが好ましい。膜分離活性汚泥法であれば、第2処理槽の槽内水の活性汚泥濃度(原生動物濃度)を高く保つことが容易となり、BODを効率的に除去しやすくなる。また、第2処理工程の汚泥滞留時間(SRT)を長くすることが容易となり、その結果、汚泥の好気性消化および原生動物による捕食が促進され、汚泥発生量をさらに低減しやすくなる。
第2処理工程の膜分離活性汚泥法とは、第2処理槽にて、原生動物の存在下、好気性処理するとともに、第2処理槽に浸漬した膜ろ材により、第2処理槽の槽内水を固液分離して、膜ろ過水(処理水)を得る方法を意味する。原生動物を含有する第2処理槽の槽内水を固液分離して得られた膜ろ過水は、BOD濃度が低減されていると同時に、浮遊物質濃度(SS濃度)も低減されたものとなる。
第2処理工程で膜分離活性汚泥法を採用する場合、第1処理工程と組み合わせることで、膜ろ材の透過流速(膜透過流速)を高める効果も得られる。第2処理工程で膜分離活性汚泥法を採用し、さらに第1処理工程を組み合わせる場合、第1処理工程を組み合わせない通常の膜分離活性汚泥法と比較して、同じ膜間差圧を作用させる条件で、膜透過流速を上げることが容易となる。この場合、例えば、膜透過流速は5倍以上に増大する。このような効果が得られる理由は次のように推測される。第1処理工程では非凝集性細菌が優先的に高濃度で繁殖しやすくなるため、第2処理工程には低BOD濃度で非凝集性細菌を含んだ流出水が導入される。そして、第2処理槽内では、低BOD負荷の条件で、非凝集性細菌を捕食する原生動物等が増殖し、その結果、第2処理槽内で、膜透過流速に影響を与えるファウリング物質が減少するものと考えられる。膜透過流速を高めることができれば、膜ろ材の使用量を減らすことができ、第2処理槽の省スペース化が実現できる。
前記膜ろ材としては、0.05μm〜10μmの孔径を有するものが好ましい。膜ろ材の孔径が前記範囲にあれば、適度な膜透過流速を確保しつつ、原生動物を含有する槽内水から原生動物を効率的に分離して、SS濃度の低い膜ろ過水が得やすくなる。膜ろ材の孔径は、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.3μm以上であり、また7μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
前記膜ろ材の種類としては、中空糸膜、管状膜、平板状膜、モノリス膜等、種類は限定されない。膜ろ材の素材としては、酢酸セルロース、ポリスルフォン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル等の有機膜;アルミナやジルコニア等の無機膜等、素材は限定されない。しかし、後述するように、第2処理工程を膜分離活性汚泥法により行う場合、第2処理槽内の活性汚泥浮遊物質濃度(MLSS濃度)は比較的高く維持することが好ましく、そのような高濁度の水を安定して処理しやすい膜ろ材として、平板状膜を採用することが好ましい。また、取り扱いの容易さから、膜ろ材の素材としては有機膜を用いることが好ましい。さらに、ろ過方式としては、高濁度の水を安定して処理しやすい方式として、クロスフロー方式を採用することが好ましい。
第2処理工程を膜分離活性汚泥法により行う場合、第2処理工程のHRTを8時間以上とすることが好ましく、16時間以上がより好ましく、24時間以上がさらに好ましく、また120時間以下が好ましく、96時間以下がより好ましい。前記HRTが8時間以上であれば、十分な汚泥削減効果が得やすくなるとともに、膜ろ過水のBOD濃度を所望の濃度まで低減させやすくなる。一方、前記HRTが120時間を超えても、汚泥削減効果のさらなる改善や膜ろ過水のBOD濃度のさらなる低減効果が得られにくくなり、かえって第2処理槽の容積を大きくする必要が生じたり、エネルギー的に不利になりやすくなる。なお、第2処理工程の水理学的滞留時間(HRT)は、(第2処理槽の有効容積)/(時間当たりの第2処理槽への流入水量)により求められる。
第2処理工程を膜分離活性汚泥法により行う場合、第2処理槽からは原生動物を含有する槽内水を汚泥として適宜排出することが好ましい。第2処理槽から排出される汚泥は、第1処理槽に返送せず、余剰汚泥として全量を系外に排出することが好ましい。
第2処理工程を膜分離活性汚泥法により行う場合、第2処理槽の槽内水の活性汚泥浮遊物質濃度(MLSS濃度)は一定の範囲に制御することが好ましく、前記MLSS濃度は、5,000mg/L〜30,000mg/Lの範囲(好ましくは、8,000mg/L〜20,000mg/Lの範囲)とすることが好ましい。MLSSを5,000mg/L〜30,000mg/Lの範囲に制御することで、第2処理工程の好気性処理および膜ろ材による固液分離が良好に行われやすくなる。
第2処理工程を膜分離活性汚泥法により行う場合、第2処理工程の汚泥滞留時間(SRT)は、20日以上とすることが好ましく、30日以上がより好ましく、また150日以下が好ましく、100日以下がより好ましい。前記SRTが20日以上であれば、第2処理槽内で原生動物を含有する槽内水(汚泥)が好気性消化され、十分な汚泥削減効果が得やすくなる。一方、前記SRTが120日を超えても、汚泥削減効果のさらなる改善は見られにくくなる。なお、第2処理工程の汚泥滞留時間(SRT)は、(第2処理槽の汚泥量)/(第2処理槽からの1日当たりの汚泥排出量)により求められる。
第2処理工程を膜分離活性汚泥法以外の方法で行う場合には、第2処理工程の後段に沈殿槽や沈殿池等の公知の固液分離手段を設け、汚泥と処理水とに分離することが好ましい。汚泥は、全量を系外に排出してもよく、その一部または全量を第2処理槽に返送してもよい。
本発明の有機性排水の処理方法によれば、BOD濃度が十分低減された処理水を容易に得ることができ、十分な汚泥削減効果を得ることができる。
本発明の処理方法により得られる処理水のBOD濃度は、処理条件により異なるが、例えば、10mg/L以下であり、好ましくは5mg/L以下であり、より好ましくは3mg/L以下である。
本発明の処理方法における汚泥削減効果は、第1処理工程および第2処理工程で除去されたBOD質量に対する第2処理工程から排出された汚泥の浮遊物質量(SS質量)の比率(除去BOD当たりの汚泥発生率)で評価する。なお、第1処理工程および第2処理工程で除去されたBOD質量は、(第1処理工程に導入される有機性排水中のBOD質量)−(第2処理工程の処理水中のBOD質量)により算出される。本発明の処理方法によれば、除去BOD当たりの汚泥発生量は、例えば0.20kg/kg−BOD以下であり、好ましくは、0.15kg/kg−BOD以下である。
次に、本発明の有機性排水の処理装置について説明する。なお、上記説明と重複する部分は、説明を省略する。
本発明の処理装置は、有機性排水を、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODを細菌の菌体に変換する第1処理槽と、前記第1処理槽からの流出水を、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理槽とを有している。
第1処理槽では、有機性排水を、細菌の存在下、好気性処理することにより、有機性排水中のBODが細菌の菌体に変換され、BODが除去される。第1処理槽では、非凝集性細菌が優先的に繁殖し、原生動物の繁殖が抑えられることが好ましく、そのために、第1処理槽のHRTは5時間〜24時間となるようにすることが好ましい。従って、第1処理槽の有効容積は、第1処理槽への時間当たりの平均流入水量の5倍〜24倍(より好ましくは6倍〜16倍)とすることが好ましい。
第1処理槽には、水深6m以上に通気する通気手段が設けられている。水深6m以上に通気する通気手段が設けられることにより、第1処理槽内の酸素利用速度を80mg−O2/L/時以上とすることが容易となり、第1処理槽で効率的にBODを除去することができるようになる。本発明の処理装置では、第1処理槽に水深6m以上に通気する通気手段が設けられることにより、第1処理槽の酸素利用速度が80mg−O2/L/時〜600mg−O2/L/時となることが好ましい。
前記通気手段の通気水深は、8m以上が好ましく、10m以上がより好ましい。一方、通気水深の上限は、第1処理槽の製造容易性や費用面から、15mとすることが好ましい。
前記通気する通気手段としては、例えば、水深6m以上に設けられた散気装置や、第1処理槽に一端が連通し、他端が第1処理槽内の水深6m以上に開口し、空気供給手段を有する循環流路等が示される。本発明の処理装置においては、通気手段としては、第1処理槽に一端が連通し、他端が第1処理槽内の水深6m以上に開口し、空気供給手段を有する循環流路であることが、循環流路を通じて供給される気液混相流により第1処理槽での細菌の凝集をより抑制しやすくなる点で好ましい。
循環流路に設けられる空気供給手段は特に限定されず、循環流路に空気供給口を設けたり、循環流路に空気供給管を挿入すればよく、空気供給口や空気供給管の循環流路に接続しない側の端は、大気開放するか、送風機(ブロア)や圧縮機(コンプレッサー)等を接続して強制的に空気を供給すればよい。空気供給口や空気供給管の循環流路に接続しない側の端が大気開放されている場合は、循環流路に水が流れることで、エジェクター効果により大気中の空気が自然吸気され、循環流路の流水中に空気が混入される。
循環流路は、第1処理槽に連通した一端が、第1処理槽内に開口を有する他端よりも水深の浅い位置に設けられることが好ましく、さらに、循環流路にはポンプが設けられることが好ましい。この場合、第1処理槽の槽内水の一部が循環流路に導入され、ポンプにより送り出された後、循環流路にて空気供給手段により空気が混入され、空気が混入された槽内水が第1処理槽の水深6m以上に供給される。
通気手段として、水深6m以上に散気装置を設ける場合、散気装置としては、水処理に一般に用いられる公知の散気装置を用いればよい。前記散気装置としては、例えば、樹脂製メンブレンに設けたスリットから散気を行うメンブレン型散気装置、セラミックや金属製の多孔質体を通じて散気を行うディフューザー型散気装置、樹脂や金属製の管体または板体に設けた孔から散気を行う多孔型散気装置等が示される。前記散気装置の形状は特に限定されず、例えば、チューブ型、パネル型、ディスク型等が示される。
第2処理槽では、第1処理槽からの細菌を含む流出水を、原生動物の存在下、好気性処理することにより、原生動物が細菌を捕食し、BODが除去される。第2処理槽では、いわゆる活性汚泥処理が行われる。
第2処理槽では、膜分離活性汚泥法による処理が行われることが好ましい。この場合、第2処理槽には、第2処理槽の槽内水を固液分離して膜ろ過水を得る膜ろ材が浸漬して設けられ、さらに膜ろ材の下部に散気装置が設けられていることが好ましい。前記散気装置から供給される空気は、原生動物を含有する槽内水を好気性処理するとともに、膜ろ材の膜表面にクロスフローで供給される槽内水と空気との気液混相流を形成して、安定した固液分離を実現する。前記散気装置としては、前記例示した公知の散気装置を適用すればよい。
第2処理槽からは、原生動物を含有する槽内水を膜ろ材により固液分離して膜ろ過水を得るとともに、原生動物を含有する槽内水を汚泥として適宜排出することが好ましい。
第2処理槽で膜分離活性汚泥法による処理を行わない場合には、第2処理槽の後段に沈殿槽や沈殿池等の公知の固液分離手段を設けることが好ましい。
次に、本発明の有機性排水の処理方法および処理装置の一実施態様について、図1を参照して説明する。なお、本発明の範囲は、下記実施態様に限定されるものではない。
有機性排水1は、第1処理槽2に導入され、第1処理槽の槽内水3中、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODが細菌の菌体に変換される。第1処理槽2には、第1処理槽2の側部に一端4aが連通し、他端4bが第1処理槽2内を垂下して、第1処理槽2内の水深10mの位置に開口し、空気供給手段5を有する循環流路4が設けられている。循環流路4には、さらに、ポンプ6が設けられている。第1処理槽2には、水深11mの高さで槽内水3が満たされ、槽内水3の一部は、循環流路4に導入され、ポンプ6により送り出された後、循環流路4にて空気供給手段5により空気7が混入され、空気が混入した槽内水3’が下向流で第1処理槽2の水深10mの位置に供給される。
第1処理槽2からの細菌を含む流出水8は、第2処理槽9に導入され、第2処理槽の槽内水10中、原生動物の存在下、好気性処理される。
第2処理槽9には、槽内水10が水深5mの高さで満たされ、槽内水10を固液分離して膜ろ過水12を得る膜ろ材11が浸漬して設けられている。膜ろ材11の下部には、散気装置15が設けられている。散気装置15には、ブロワ16から空気が供給され、槽内水10が好気性処理される。
膜ろ材11はABS樹脂製枠の両面に有機膜が貼り合わされた平板状の構造を有し、枠の上部には膜ろ過水12を導出する導出管13が連通しており、さらに導出管13は吸引ポンプ14と連通している。膜ろ材11は、複数枚が立てられた状態で並んで配置されている。膜ろ材11は、第2処理槽9内の水頭圧および/または吸引ポンプ14による吸引圧を駆動力として、原生動物を含有する槽内水10を固液分離し、その結果、膜ろ過水12が得られる。散気装置15から散気された空気は、槽内水10との気液混相流を形成し、当該気液混相流は膜ろ材11間に膜ろ材の膜表面とクロスフローで供給される。その結果、膜ろ材11の膜表面が当該クロスフローで洗浄され、膜ろ材11による固液分離が安定して行われやすくなる。
第2処理槽9からは、汚泥引き抜きポンプ17により、原生動物を含有する槽内水10が余剰汚泥18として適宜排出される。
なお、上記実施態様では、循環流路4の他端4bが第1処理槽2の上部より内部に貫通して第1処理槽2内を垂下し、所定水深位置で開口しているが、循環流路4の他端4bは、第1処理槽2の側部より内部に貫通して、所定水深位置に開口してもよい。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(1)実験方法
底部に散気装置が設けられた第1処理槽(容量2L)に、菓子製造工場からの排水1.5Lと同工場の排水処理設備の曝気槽の活性汚泥15mLを入れ、連続的に曝気した。膜ろ材、およびその下部に散気装置が設けられた第2処理槽には、前記菓子製造工場の排水処理設備の曝気槽の活性汚泥6.0Lを入れ、通気量8L/分で連続的に曝気した。前記膜ろ材としては、膜面積0.11m2、公称孔径0.4μmの平板状有機膜(膜材質:ポリオレフィン)を用いた。
前記菓子製造工場からの排水を4L/日〜6L/日の速度で第1処理槽に導入し、第1処理槽の槽内水量を常時1.5Lに維持しながら、第1処理槽の槽内水を引き抜いた。第1処理槽から引き抜いた槽内水は第2処理槽に導入し、第2処理槽内の槽内水量を常時6.0Lに維持しながら、膜ろ材により固液分離して膜ろ過水を得つつ、第2処理槽内のMLSS濃度が概ね12,000mg/L〜18,000mg/Lとなるように適宜汚泥を引き抜いた。この条件で、2週間程度処理を行い、第1処理槽および第2処理槽に各々細菌と原生動物を馴養し、その後、一つの試験条件を約1ヶ月間継続した。処理は、20℃〜25℃で行った。
(2)分析および測定方法
(2−1)pH,SS濃度(MLSS濃度),BOD濃度
pHは、JIS Z 8802に基づき、測定した。SS濃度(MLSS濃度)は、下水試験方法に基づき、測定した。BOD濃度は、JIS K 0120 21および32.3に基づき、測定した。
(2−2)酸素利用速度
第1処理槽の槽内水を容器の9割程度まで入れ、スターラーで撹拌しながら曝気して、溶存酸素濃度(DO濃度)を5mg/L程度まで上げた後、曝気を停止した。この状態で溶存酸素濃度が時間の経過とともに減少するので、溶存酸素濃度が4mg/Lから1mg/Lまで減少する時間を測定し、その減少速度を槽内水1L当たりの値に換算することで、酸素利用速度を算出した。
(2−3)水理学的滞留時間(HRT)
第1処理槽のHRTは、(第1処理槽内の液量)/(時間当たりの第1処理槽への流入水量)により求めた。第2処理槽のHRTは、(第2処理槽内の液量)/(時間当たりの第2処理槽への流入水量)により求めた。
(2−4)汚泥滞留時間(SRT)
第2処理槽のSRTは(第2処理槽内の汚泥量(MLSS量))/(第2処理槽からの1日当たりの汚泥排出量)により求めた。
(2−5)除去BOD当たりの汚泥発生量
除去BOD当たりの汚泥発生量は、(第2処理槽からの汚泥排出量)/{(第1処理槽に導入される有機性排水中のBOD質量)−(第2処理槽からの膜ろ過水中のBOD質量)}により求めた。
(3)実験結果
図2に、第1処理槽の酸素利用速度とBOD除去量の相関の実験結果を示した。第1処理槽では、槽内水の酸素利用速度が高くなるほど、第1処理槽でのBOD除去量が増加した。第1処理槽の槽内水の酸素利用速度が高くなることにより、第1処理槽内に存在する細菌によるBOD除去が効率的に行われるようになったと判断される。
図3に、第1処理槽のHRTとBOD除去率の相関の実験結果を示した。第1処理槽では、HRTが長くなるほど、第1処理槽でのBOD除去率が増加した。しかし、HRTが12時間〜15時間程度で、BOD除去率は8〜9割程度となり、HRTをそれ以上長くしてもBOD除去率を高める効果は小さいことが分かる。
表1には、様々な性状の原水(有機性排水)を、第1処理槽のHRTおよび酸素利用速度、および第2処理槽のHRTとSRTの各条件を変えて処理した結果を示した。いずれの処理例においても、膜ろ過水のBODは10mg/L以下となり、良好な水質となった。除去BOD当たりの汚泥発生量は、第1処理槽のHRTが4時間の処理例1では、0.21kg/kg−BODとやや高めの値となったが、第1処理槽のHRTが6〜15時間の処理例2〜7では、除去BOD当たりの汚泥発生量は0.14kg/kg−BOD以下となった。酸素利用速度に関しては、第1処理槽のHRTが6時間である処理例2と処理例3を比較すると、酸素利用速度がより高い処理例3の方が汚泥発生量が低減した。表1に示した結果によると、第1処理槽のHRTが5〜24時間で、酸素利用速度が80mg−O2/L/時〜600mg−O2/L/時であれば、除去BOD当たりの汚泥発生量は0.11kg/kg−BOD以下となった。
Figure 2010110718
本発明の有機性排水の処理方法および処理装置の一実施態様の概略図である。 第1処理槽の酸素利用速度とBOD除去量の相関の実験結果を表したグラフである。 第1処理槽のHRTとBOD除去率の相関の実験結果を表したグラフである。
符号の説明
1: 有機性排水
2: 第1処理槽
4: 循環流路
5: 空気供給手段
7: 空気
9: 第2処理槽
11: 膜ろ材
12: 膜ろ過水
18: 余剰汚泥

Claims (7)

  1. 有機性排水を第1処理槽に導入し、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODを細菌の菌体に変換する第1処理工程と、
    前記第1処理工程からの流出水を第2処理槽に導入し、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理工程とを有し、
    前記第1処理工程において、酸素利用速度を通気により80mg−O2/L/時〜600mg−O2/L/時とし、水理学的滞留時間(HRT)を5時間〜24時間とすることを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 前記通気を、水深6m以上で行う請求項1に記載の有機性排水の処理方法。
  3. 前記通気を、第1処理槽の槽内水の一部を循環流路に導入し、循環流路にて槽内水に空気を混入し、空気が混入した槽内水を第1処理槽の水深6m以上に供給することにより行う請求項1に記載の有機性排水の処理方法。
  4. 前記第2処理工程において、第2処理槽に浸漬した膜ろ材により槽内水を固液分離して、膜ろ過水を得る請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機性排水の処理方法。
  5. 有機性排水を、細菌の存在下、好気性処理により有機性排水中のBODを細菌の菌体に変換する第1処理槽と、
    前記第1処理槽からの流出水を、原生動物の存在下、好気性処理する第2処理槽とを有し、
    前記第1処理槽には、水深6m以上に通気する通気手段が設けられていることを特徴とする有機性排水の処理装置。
  6. 前記通気手段は、第1処理槽に一端が連通し、他端が第1処理槽内の水深6m以上に開口し、空気供給手段を有する循環流路である請求項5に記載の有機性排水の処理装置。
  7. 前記第2処理槽には、第2処理槽の槽内水を固液分離して膜ろ過水を得る膜ろ材が浸漬して設けられている請求項5または6に記載の有機性排水の処理装置。
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