JP2010107599A - 照明装置及び投写型映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 重畳成分光及び第4色成分光が入射する特定の光変調素子の劣化を抑制することを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 照明ユニット120は、緑成分光に重畳される黄成分光の重畳量を制御する制御部200を備える。黄成分光は、緑成分光に対応する光変調素子である緑光変調素子50Gに入射する。緑光変調素子50Gは、複数の画素によって構成される。複数の画素のそれぞれには、複数の画素のそれぞれの位置に応じて、重付係数fWが定められる。制御部200は、緑成分光に対応する緑用入力信号Ginと、重付係数fWとに基づいて、黄成分光の重畳量を制御する。
【選択図】 図5
【解決手段】 照明ユニット120は、緑成分光に重畳される黄成分光の重畳量を制御する制御部200を備える。黄成分光は、緑成分光に対応する光変調素子である緑光変調素子50Gに入射する。緑光変調素子50Gは、複数の画素によって構成される。複数の画素のそれぞれには、複数の画素のそれぞれの位置に応じて、重付係数fWが定められる。制御部200は、緑成分光に対応する緑用入力信号Ginと、重付係数fWとに基づいて、黄成分光の重畳量を制御する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、第4色成分光を利用する照明装置及び投写型映像表示装置に関する。
従来、3色の光に対応する3つの光変調素子と、3つの光変調素子から出射される光を合成するクロスダイクロイックキューブを備える色分離合成光学系と、クロスダイクロイックキューブで合成された光を投写する投写手段とを有する投写型映像表示装置が知られている。
また、色再現性や輝度の向上を目的として、4色以上の光を利用する投写型映像表示装置が提案されている。例えば、投写型映像表示装置は、赤、緑及び青の3色に加えて、第4色成分光(オレンジ、黄又はシアン)を利用することによって、色再現性や輝度の向上を図っている(例えば、特許文献1)。
特開2002−287247号公報(請求項1、請求項4、図1など)
ところで、3色の光(赤成分光、緑成分光及び青成分光)に加えて、第4色成分光を利用する投写型映像表示装置では、3つの光変調素子のいずれかに第4色成分光を入射させることが考えられる。具体的には、第4色成分光は、3色の光のいずれかである重畳成分光に重畳される。また、第4色成分光は、3つの光変調素子のうち、重畳成分光に対応する特定の光変調素子に入射する。
このようなケースでは、特定の光変調素子には、重畳成分光に加えて第4色成分光が入射するため、特定の光変調素子の熱負荷が大きくなる。これによって、特定の光変調素子の劣化が進む懸念がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、重畳成分光及び第4色成分光が入射する特定の光変調素子の劣化を抑制することを可能とする照明装置及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
一の特徴では、照明装置(照明ユニット120)は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び第4色成分光を少なくとも含む光を発する光源(光源10)と、赤用入力信号に応じて前記赤成分光を変調する赤光変調素子(赤光変調素子50R)と、緑用入力信号に応じて前記緑成分光を変調する緑光変調素子(緑光変調素子50G)と、青用入力信号に応じて前記青成分光を変調する青光変調素子(青光変調素子50B)とを備える。照明装置は、前記赤成分光、前記緑成分光及び前記青成分光のうち、いずれかの色成分光である重畳成分光に第4色成分光を重畳する。照明装置は、前記重畳成分光に重畳される前記第4色成分光の重畳量を制御する制御部(制御部200)を備える。前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記赤光変調素子、前記緑光変調素子及び前記青光変調素子のうち、前記重畳成分光に対応する光変調素子である特定の光変調素子に入射する。前記特定の光変調素子は、複数の画素によって構成される。前記複数の画素のそれぞれには、前記複数の画素のそれぞれの位置に応じて、重付係数(重付係数fW)が定められる。前記制御部は、前記赤用入力信号、前記緑用入力信号及び前記青用入力信号のうち、前記重畳成分光に対応する特定の入力信号と、前記重付係数とに基づいて、前記第4色成分光の重畳量を制御する。
上述した特徴において、前記特定の光変調素子は、前記重畳成分光を変調する光変調パネル(液晶パネル51)と、前記光変調パネルの光入射側に設けられた入射側偏光板(入射側偏光板52)と、前記光変調パネルの光出射側に設けられた出射側偏光板(出射側偏光板53)とを有する。前記出射側偏光板には、前記出射側偏光板で遮光を許容する光量である許容遮光光量(許容遮光光量PG)が定められている。前記制御部は、前記出射側偏光板で遮光される前記重畳成分光の光量と前記出射側偏光板で遮光される前記第4色成分光の光量との合計量が前記許容遮光光量を超えないように、前記第4色成分光の重畳量を制御する。
上述した特徴において、前記制御部は、前記出射側偏光板で遮光される前記重畳成分光の光量が大きい場合に、前記出射側偏光板に到達する前記第4色成分光の光量を小さくするように、前記第4色成分光の重畳量を制御する。
上述した特徴において、照明装置は、前記第4色成分光の偏光状態を調整する偏光状態調整素子(偏光状態調整素子50Ye)をさらに備える。前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記偏光状態調整素子に入射する。前記偏光状態調整素子から出射された前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記特定の光変調素子に入射する。前記制御部は、前記出射側偏光板で遮光される前記重畳成分光の光量が大きい場合に、前記第4色成分光が前記入射側偏光板で遮光されるように、前記第4色成分光の偏光状態の調整量を制御する。
上述した特徴において、前記重付係数は、前記複数の画素に照射される光量の分布に応じて定められる。
上述した特徴において、重付係数は、前記複数の画素を冷却する冷却力の分布に応じて定められる。
一の特徴では、投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)は、照明ユニット(照明ユニット120)と、投写ユニット(投写レンズユニット110)とを備える。照明ユニットは、赤成分光、緑成分光、青成分光及び第4色成分光を少なくとも含む光を発する光源(光源10)と、赤用入力信号に応じて前記赤成分光を変調する赤光変調素子(赤光変調素子50R)と、緑用入力信号に応じて前記緑成分光を変調する緑光変調素子(緑光変調素子50G)と、青用入力信号に応じて前記青成分光を変調する青光変調素子(青光変調素子50B)とを備えており、前記赤成分光、前記緑成分光及び前記青成分光のうち、いずれかの色成分光である重畳成分光に第4色成分光を重畳する。投写ユニットは、前記照明ユニットから出射される光を投写する。投写型映像表示装置は、前記重畳成分光に重畳される前記第4色成分光の重畳量を制御する制御部(制御部200)を備える。前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記赤光変調素子、前記緑光変調素子及び前記青光変調素子のうち、前記重畳成分光に対応する光変調素子である特定の光変調素子に入射する。前記特定の光変調素子は、複数の画素によって構成される。前記複数の画素のそれぞれには、前記複数の画素のそれぞれの位置に応じて、重付係数(重付係数fW)が定められる。前記制御部は、前記赤用入力信号、前記緑用入力信号及び前記青用入力信号のうち、前記重畳成分光に対応する特定の入力信号と、前記重付係数とに基づいて、前記第4色成分光の重畳量を制御する。
本発明によれば、重畳成分光及び第4色成分光が入射する特定の光変調素子の劣化を抑制することを可能とする照明装置及び投写型映像表示装置を提供することができる。
次に、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、黄成分光を第4色成分光として利用する照明ユニットを有する。黄成分光は、緑成分光とともに、偏光状態調整素子に入射する。偏光状態調整素子から出射された緑成分光及び黄成分光は、緑光変調素子に入射する。
実施形態に係る投写型映像表示装置は、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、黄成分光を第4色成分光として利用する照明ユニットを有する。黄成分光は、緑成分光とともに、偏光状態調整素子に入射する。偏光状態調整素子から出射された緑成分光及び黄成分光は、緑光変調素子に入射する。
偏光状態調整素子は、緑成分光の偏光状態を調整せずに緑成分光を透過する。一方で、偏光状態調整素子は、制御部から入力される黄成分光制御信号に応じて、黄成分光の偏光状態を調整して黄成分光を透過する。黄成分光制御信号は、偏光状態調整素子における黄成分光の偏光状態の調整量を制御する信号である。
照明ユニットに設けられる制御部は、緑用入力信号と重付係数とに基づいて、緑成分光に重畳される黄成分光の重畳量を制御する。具体的には、制御部は、緑用入力信号に対応する画素の位置に応じて定められる重付係数を用いて、緑光変調素子に含まれる出射側偏光板に到達する黄成分光の光量を制御する。重付係数は、画素の位置が出射側偏光板の熱負荷の高い部分に対応する場合には、小さく設定される。制御部は、出射側偏光板のうち熱負荷が高い部分が広く、熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合、すなわち、重付係数が小さく設定された画素の数が大きい場合には、偏光状態調整素子における黄成分光の偏光状態の調整量を大きくすることにより、出射側偏光板に到達する黄成分光の光量を小さくする。
また、制御部は、黄成分光制御係数に基づいて、緑成分光に重畳される黄成分光の重畳量を制御する。具体的には、制御部は、緑入力信号の値に応じて定められる黄成分光制御係数を用いて緑光変調素子に含まれる出射側偏光板に到達する黄成分光の光量を制御する。出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量と出射側偏光板53Gで遮光される黄成分光の光量との合計量が出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGを超えないようにするために、黄成分光制御係数は、緑入力信号の値が小さい場合(すなわち、出射側偏光板で遮光される緑成分光の光量が大きい場合)には、小さく設定される。制御部は、黄成分光制御係数が小さく設定された画素の数が大きい場合には、偏光状態調整素子における黄成分光の偏光状態の調整量を大きくすることにより、出射側偏光板に到達する黄成分光の光量を小さくする。
以上の構成によれば、黄成分光の全光量のうち、従来では出射側偏光板で遮光されていた光量の一部を入射側偏光板で遮光することできる。よって、黄成分光の全光量のうち遮光される光量が入射側偏光板と出射側偏光板とに分散されるため、出射側偏光板の熱負荷を軽減することができる。その結果、緑光変調素子の劣化を抑制することができる。
なお、実施形態では、第4色成分光として黄成分光を例示するが、第4色成分光は、これに限定されるものではない。第4色成分光は、マゼンタ成分光またはシアン成分光であってもよい。また、実施形態では、重畳成分光として緑成分光を例示するが、重畳成分光は、これに限定されるものではない。重畳成分光は、赤成分光または青成分光であってもよい。
[第1実施形態]
以下において、本発明の第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)投写型映像表示装置の構成、(2)偏光状態調整素子の機能、(3)投写型映像表示装置の機能、(4)作用・効果について説明する。
以下において、本発明の第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)投写型映像表示装置の構成、(2)偏光状態調整素子の機能、(3)投写型映像表示装置の機能、(4)作用・効果について説明する。
(1)投写型映像表示装置の構成
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、投写レンズユニット110と、照明ユニット120とを有する。投写型映像表示装置100は、後述するように、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、黄成分光を第4色成分光として利用する。
投写レンズユニット110は、照明ユニット120から出射された映像光を拡大して、スクリーン(不図示)上に映像光を投写する。
照明ユニット120は、光源10と、UV/IRカットフィルタ20と、フライアイレンズユニット30と、PBSアレイ40と、複数の光変調素子50(赤光変調素子50R、緑光変調素子50Gおよび青光変調素子50B)と、偏光状態調整素子50Yeと、クロスダイクロイックキューブ60と、複数のミラー群(ミラー71〜ミラー76)と、複数のレンズ群(レンズ81〜レンズ85)とを備える。
光源10は、白色光を発するUHPランプなどである。すなわち、光源10が発する光は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光を少なくとも含む。
UV/IRカットフィルタ20は、可視光成分(赤成分光、緑成分光及び青成分光)を透過する。UV/IRカットフィルタ20は、赤外光成分や紫外光成分を遮光する。
フライアイレンズユニット30は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット30は、フライアイレンズ30a及びフライアイレンズ30bによって構成される。フライアイレンズ30a及びフライアイレンズ30bは、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル50の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光をS偏光(又はP偏光)に揃える。
赤光変調素子50Rは、液晶パネル51Rと、入射側偏光板52Rと、出射側偏光板53Rとを有する。液晶パネル51Rは、後述する赤用出力信号Routに従って赤成分光の偏光状態を調整することによって赤成分光を変調する。入射側偏光板52Rは、液晶パネル51Rに光が入射する側に設けられ、一の偏光方向を有する光(例えば、P偏光)を透過して、他の偏光方向を有する光(例えば、S偏光)を遮光する。出射側偏光板53Rは、液晶パネル51Rから光が出射する側に設けられ、他の偏光方向を有する光(例えば、S偏光)を透過して、一の偏光方向を有する光(例えば、P偏光)を遮光する。液晶パネル51Rは、複数の画素によって構成される。
同様に、緑光変調素子50Gは、液晶パネル51Gと、入射側偏光板52Gと、出射側偏光板53Gとを有する。液晶パネル51Gは、後述する緑用出力信号Gout(図4参照)に従って緑成分光及び黄成分光の偏光状態を調整することによって緑成分光及び黄成分光を変調する。入射側偏光板52Gは、液晶パネル51Gに光が入射する側に設けられ、一の偏光方向を有する光を透過して、他の偏光方向を有する光を遮光する。出射側偏光板53Gは、液晶パネル51Gから光が出射する側に設けられ、他の偏光方向を有する光を透過して、一の偏光方向を有する光を遮光する。液晶パネル51Gは、複数の画素によって構成される。複数の画素のそれぞれには、複数の画素のそれぞれの位置に応じて、重付係数fWが定められる。重付係数fWは、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を制御するために用いられる係数の一つである。重付係数fWについては後に詳述する(図5,6参照)。
出射側偏光板53Gには、出射側偏光板53Gで遮光を許容する光量である許容遮光光量PGが定められている。許容遮光光量PGは、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する緑成分光の光量の最大値よりも大きく設定される。
青光変調素子50Bは、液晶パネル51Bと、入射側偏光板52Bと、出射側偏光板53Bとを有する。液晶パネル50Bは、後述する青用出力信号Boutに従って青成分光の偏光状態を調整することによって青成分光を変調する。入射側偏光板52Bは、液晶パネル50Bに光が入射する側に設けられ、一の偏光方向を有する光を透過して、他の偏光方向を有する光を遮光する。出射側偏光板53Bは、液晶パネル50Bから光が出射する側に設けられ、他の偏光方向を有する光を透過して、一の偏光方向を有する光を遮光する。液晶パネル51Bは、複数の画素によって構成される。
ここで、各光変調素子50には、コントラスト比や透過率を向上させる補償板が設けられていてもよい。また、各入射側偏光板52(入射側偏光板52R、入射側偏光板52Gおよび入射側偏光板52B)および各出射側偏光板(出射側偏光板53R、出射側偏光板53Gおよび出射側偏光板53B)は、偏光板に入射する光の光量や熱負担を軽減させるプリ偏光板を有していてもよい。
偏光状態調整素子50Yeは、黄成分光の偏光状態を調整することによって黄成分光を変調する。一方で、偏光状態調整素子50Yeは、緑成分光の偏光状態を調整せずに緑成分光を透過する。
具体的には、偏光状態調整素子50Yeは、自素子に入射した直線偏光の偏光状態を調整可能な素子である。偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光状態の調整量は、黄成分光制御信号(以下、Ye制御信号)YeCによって制御される。Ye制御信号YeCは、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光状態の調整量を指示する信号であり、例えば8ビットの値が用いられる。Ye制御信号YeCについては、後に詳述する(図4参照)。
ここで、偏光状態調整素子50Yeから出射された黄成分光及び緑成分光は、偏光状態調整素子50Yeの光出射側に設けられた入射側偏光板52Gに照射される。上述したように、入射側偏光板52Gは、一の偏光方向を有する光(例えば、S偏光)を透過して、他の偏光方向を有する光(例えば、P偏光)を遮光する。そのため、偏光状態調整素子50Yeによる黄成分光の偏光状態の調整によって、入射側偏光板52Gを透過する黄成分光の光量が制御される。従って、偏光状態調整素子50Yeが黄成分光の偏光方向を調整するか否かによって、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が制御される。
偏光状態調整素子50Yeとしては、ノッチフィルタタイプの素子とエッジフィルタタイプの素子とが考えられる。
ノッチフィルタタイプの素子は、特定波長帯域を有する光の偏光状態のみを調整することが可能である。例えば、ノッチフィルタタイプの素子は、緑よりも長波長帯域、すなわち、黄色の波長帯域を有する光の偏光状態のみを調整する。ノッチフィルタタイプの素子を用いることによって、不要光(例えば、黄成分光)を削減することが可能である。
エッジフィルタタイプの素子は、特定波長帯域を有する光の偏光状態を調整せずに、他の波長帯域を有する光の偏光状態を調整することが可能である。例えば、エッジフィルタタイプの素子は、緑の波長帯域を有する光の偏光状態を調整せずに、緑よりも長波長帯域及び短波長帯域を有する光の偏光状態を調整する。エッジフィルタタイプの素子を用いることによって、特定波長帯域を有する光(例えば、緑成分光)の色純度を高めることが可能である。
なお、偏光状態調整素子50Yeの機能については、後に詳述する(図2,3等参照)。
クロスダイクロイックキューブ60は、赤光変調素子50R、緑光変調素子50Gおよび青光変調素子50Bから出射される光を合成する。すなわち、クロスダイクロイックキューブ60は、赤光変調素子50Rから出射される赤成分光、緑光変調素子50Gから出射される緑成分光及び黄成分光、及び、青光変調素子50Bから出射される青成分光を合成する。また、クロスダイクロイックキューブ60は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光を含む合成光(映像光)を投写レンズユニット110側に出射する。
ミラー71は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光を反射するミラーである。ミラー72は、赤成分光、緑成分光及び黄成分光を反射して、青成分光を透過するダイクロイックミラーである。ミラー73は、緑成分光及び黄成分光を反射して、赤成分光を透過するダイクロイックミラーである。ミラー74は、青成分光を反射して青光変調素子50B側に青成分光を導くミラーである。ミラー75及びミラー76は、赤成分光を反射して赤光変調素子50R側に赤成分光を導くミラーである。
レンズ81は、PBSアレイ40から出射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ82は、ミラー71で反射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ83Rは、赤光変調素子50Rに赤成分光が照射されるように、赤成分光を略平行光化する。レンズ83Gは、緑光変調素子50Gに緑成分光が照射されるように、緑成分光を略平行光化する。レンズ83Bは、青光変調素子50Bに青成分光が照射されるように、青成分光を略平行光化する。リレーレンズ84及びリレーレンズ85は、赤成分光の拡大を抑制しながら、赤光変調素子50R上に赤成分光を略結像する。
(2)偏光状態調整素子の機能
以下において、第1実施形態に係る偏光状態調整素子の機能について、図面を参照しながら説明する。図2および図3は、第1実施形態に係る偏光状態調整素子(偏光状態調整素子50Ye)近傍の拡大図である。
以下において、第1実施形態に係る偏光状態調整素子の機能について、図面を参照しながら説明する。図2および図3は、第1実施形態に係る偏光状態調整素子(偏光状態調整素子50Ye)近傍の拡大図である。
図2および図3では、PBSアレイ40によって色成分光がS偏光に揃えられているケースについて例示する。また、図2および図3では、入射側偏光板52Gが、S偏光を有する光を透過してP偏光を有する光を遮光するケースについて例示する。
図2は、偏光状態調整素子50Yeが、黄成分光の偏光状態を調整しない場合について示す図である。この場合、図2に示すように、偏光状態調整素子50Yeから出射される黄成分光は、S偏光を有している。従って、偏光状態調整素子50Yeから出射される黄成分光は、入射側偏光板52Gを透過する。
図3は、偏光状態調整素子50Yeが、黄成分光の偏光状態を調整する場合について示す図である。なお、図3では、偏光状態調整素子50Yeが、黄成分光の偏光状態を90°回転させる場合について例示する。この場合、図3に示すように、偏光状態調整素子50Yeから出射される黄成分光は、P偏光を有している。従って、偏光状態調整素子50Yeから出射される黄成分光は、入射側偏光板52Gで遮光される。
偏光状態調整素子50Yeは、入力されるYe制御信号YeCの値が大きい場合に、黄成分光の偏光方向の調整量を小さくすることにより、入射側偏光板52Gで遮光される黄成分光の光量を小さくし、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を大きくする。一方、偏光状態調整素子50Yeは、入力されるYe制御信号YeCの値が小さい場合に、黄成分光の偏光方向の調整量を大きくすることにより、入射側偏光板52Gで遮光される黄成分光の光量を大きくし、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を小さくする。
なお、上記の例では、PBSアレイ40によって色成分光がS偏光に揃えられているケースにおいて、入射側偏光板52Gが、S偏光を有する光を透過してP偏光を有する光を遮光するケースについて説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、PBSアレイ40によって色成分光がP偏光に揃えられてもよい。この場合には、入射側偏光板52Gとして、P偏光を有する光を透過してS偏光を有する光を遮光する偏光板を用いることが好ましい。
(3)投写型映像表示装置の機能
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。
(3.1)制御部の概略構成
図4は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の機能を示すブロック図である。図4に示すように、投写型映像表示装置100の照明ユニット120は、信号受付部210と、基準信号生成部220と、係数特定部230と、補正信号生成部240と、制御信号生成部250と、調整信号生成部260と、出力部270とを含む制御部200を備える。制御部200は、緑成分光に重畳される黄成分光の重畳量を制御する。
図4は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の機能を示すブロック図である。図4に示すように、投写型映像表示装置100の照明ユニット120は、信号受付部210と、基準信号生成部220と、係数特定部230と、補正信号生成部240と、制御信号生成部250と、調整信号生成部260と、出力部270とを含む制御部200を備える。制御部200は、緑成分光に重畳される黄成分光の重畳量を制御する。
信号受付部210は、映像入力信号を受付ける。例えば、信号受付部210は、映像入力信号から色信号を分離する色分離ブロックから各色信号(赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Bin)を取得する。信号受付部210は、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binを調整信号生成部260に入力する。信号受付部210は、緑用入力信号Ginを係数特定部230に入力する。なお、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binには、信号受付部210に入力される前に逆γ補正が加えられている。
信号受付部210は、モード選択信号Mを受付ける。モード選択信号Mは、輝度を優先するケースにおいて選択される輝度優先モード、あるいは、色再現性を優先するケースにおいて選択される色再現優先モードのいずれかを示す。信号受付部210は、モード選択信号Mを基準信号生成部220に入力する。
基準信号生成部220は、黄成分光基準信号(以下、Ye基準信号)Ye1を生成する。Ye基準信号Ye1は、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光状態の調整量を指示するYe制御信号YeCを生成するために用いられる信号である。Ye制御信号YeCの値は、Ye基準信号Ye1の値と所定の係数とを用いて算出される。Ye制御信号YeCの値の算出方法については後に詳述する。
第1実施形態では、基準信号生成部220は、モード選択信号Mに基づいて、Ye基準信号Ye1の値を決定する。基準信号生成部220は、モード選択信号Mが輝度優先モードを示す場合、Ye基準信号Ye1の値を、Ye基準信号Ye1の値が取り得る最大値に決定する。また、基準信号生成部220は、モード選択信号Mが色再現優先モードを示す場合、Ye基準信号Ye1の値を、Ye基準信号Ye1の値が取り得る最小値に決定する。
例えば、Ye基準信号Ye1として8ビットの値が用いられる場合には、基準信号生成部220は、次のようにYe基準信号Ye1の値を決定する。すなわち、基準信号生成部220は、モード選択信号Mが輝度優先モードを示す場合、Ye基準信号Ye1の値を255とする。また、基準信号生成部220は、モード選択信号Mが色再現優先モードを示す場合、Ye基準信号Ye1の値を0とする。
基準信号生成部220は、Ye基準信号Ye1を複数の画素のそれぞれについて生成する。基準信号生成部220は、生成されたYe基準信号Ye1を制御信号生成部250に入力する。
係数特定部230は、Ye制御信号YeCの値を算出するために用いられる係数を特定する。係数特定部230は、重付係数特定部231と、重畳量制御係数特定部232とを有する。
重付係数特定部231は、Ye制御信号YeCの値を算出するために用いられる第1の係数である重付係数fWを特定する。重付係数fWは、出射側偏光板53Gの熱負荷の分布を、黄成分光の重畳量に反映させるための係数である。重付係数fWは、複数の画素のそれぞれについて、複数の画素のそれぞれの位置に応じて予め設定される。重付係数fWの特定方法については後に詳述する。重付係数特定部231は、特定された重付係数fWを補正信号生成部240に入力する。
重畳量制御係数特定部232は、Ye制御信号YeCの値を算出するために用いられる第2の係数であるYe重畳量制御係数fCを、緑用入力信号Ginの値に基づいて特定する。Ye重畳量制御係数fCは、輝度優先モードにおいて、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量と出射側偏光板53Gで遮光される黄成分光の光量との合計量が、出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGを超えないように、黄成分光の重畳量を制御するための係数である。Ye重畳量制御係数fCは、0<fC≦1の範囲で、フレーム(映像表示面)単位で設定される。Ye重畳量制御係数fCは、緑用入力信号Ginの値が小さい場合、すなわち出射側偏光板53Gの熱負荷が大きい場合には小さく設定され、緑用入力信号Ginの値が大きい場合、すなわち出射側偏光板53Gの熱負荷が小さい場合には大きく設定される。重畳量制御係数特定部232は、特定されたYe重畳量制御係数fCを制御信号生成部250に入力する。
補正信号生成部240は、重付係数特定部231により特定された重付係数fWを用いて、Ye基準信号Ye1を補正する。
具体的には、以下の式に示すように、Ye基準信号Ye1の値に重付係数fWを乗算することにより、Ye基準信号Ye1の値からYe補正信号Ye2の値を生成する。なお、Ye補正信号Ye2は、画素単位で生成される。
Ye2=Ye1×fW
補正信号生成部240は、画素ごとに生成されたYe補正信号Ye2の値を、制御信号生成部250に入力する。
制御信号生成部250は、補正信号生成部240によって画素ごとに生成されたYe補正信号Ye2の値と、重畳量制御係数特定部232により特定されたYe重畳量制御係数fCとに基づいて、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光状態の調整量を指示するYe制御信号YeCを生成する。具体的には、制御信号生成部250は、画素ごとのYe補正信号Ye2の値の平均値に、Ye重畳量制御係数fCを乗算することにより算出される値を、Ye制御信号YeCの値として算出する。
詳述すると、まず、制御信号生成部250は、複数の画素のそれぞれについて算出されたYe補正信号Ye2の値の合計値を、複数の画素の総数で除することにより、Ye補正信号Ye2の値の平均値であるYe補正信号平均値Ye2aveを算出する。次に、制御信号生成部250は、算出されたYe補正信号平均値Ye2aveに、Ye重畳量制御係数fCを乗算することにより、Ye制御信号YeCの値を算出する。つまり、Ye制御信号YeCの値は、以下の式により算出される。
YeC=(ΣYe2/N)×fC=Ye2ave×fC
上記の式において、ΣYe2は、複数の画素のそれぞれについて算出されたYe補正信号Ye2の値を合計することを示す。また、Nは、複数の画素の総数を示す。
Ye制御信号YeCの値が大きい場合には、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が小さくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が大きくなる。一方、Ye制御信号YeCの値が小さい場合には、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が大きくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が小さくなる。
制御信号生成部250は、生成されたYe制御信号YeCを調整信号生成部260および出力部270に入力する。
調整信号生成部260は、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Gin、青用入力信号BinおよびYe制御信号YeCに基づいてRG減算処理やB加算処理などを行うことにより、赤調整信号Radj、緑調整信号Gadjおよび青調整信号Badjを生成する。調整信号生成部260は、赤調整信号Radj、緑調整信号Gadjおよび青調整信号Badjを出力部に入力する。
出力部270は、赤用出力信号Rout、緑用出力信号Gout、および青用出力信号Boutを各光変調素子50に出力する。具体的には、出力部270は、赤調整信号Radjを赤用出力信号Routとして赤光変調素子50Rに出力する。同様に、出力部270は、緑調整信号Gadjを緑用出力信号Goutとして緑光変調素子50Gに出力する。同様に、出力部270は、青調整信号Badjを青用出力信号Boutとして青光変調素子50Bに出力する。また、出力部270は、Ye制御信号YeCを偏光状態調整素子50Yeに出力する。
なお、赤用出力信号Rout、緑用出力信号Gout、青用出力信号Boutには、各光変調素子に入力される前にγ補正が加えられてもよい。同様に、Ye制御信号YeCには、偏光状態調整素子50Yeに入力される前にγ補正が加えられてもよい。
(3.2)重付係数fWの特定方法
重付係数fWは、輝度優先モードにおいて、出射側偏光板53Gの熱負荷の分布を、黄成分光の重畳量に反映させるための係数である。具体的には、重付係数fWは、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合には、出射側偏光板53Gで遮光される光量(すなわち、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量と出射側偏光板53Gで遮光される黄成分光の光量との合計量)を小さくし、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分において遮光される光量が小さい場合には、出射側偏光板53G全体で遮光される光量を大きくするための係数である。
重付係数fWは、輝度優先モードにおいて、出射側偏光板53Gの熱負荷の分布を、黄成分光の重畳量に反映させるための係数である。具体的には、重付係数fWは、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合には、出射側偏光板53Gで遮光される光量(すなわち、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量と出射側偏光板53Gで遮光される黄成分光の光量との合計量)を小さくし、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分において遮光される光量が小さい場合には、出射側偏光板53G全体で遮光される光量を大きくするための係数である。
重付係数fWは、複数の画素のそれぞれについて、複数の画素のそれぞれの位置に応じて予め設定される。具体的には、画素の位置が、出射側偏光板53Gの熱負荷が高い部分に対応する場合には、重付係数fWは小さく設定される。一方、画素の位置が、出射側偏光板53Gの熱負荷が低い部分に対応する場合には、重付係数fWは大きく設定される。
従って、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分が広く、熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合には、重付係数fWが小さく設定される画素の数が大きくなるため、Ye制御信号YeCの値が小さくなる。これにより、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が大きくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が小さくなる。一方、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分が狭く、熱負荷が高い部分において遮光される光量が小さい場合には、重付係数fWが大きく設定される画素の数が大きくなるため、Ye制御信号YeCの値が大きくなる。これにより、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が小さくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が大きくなる。
以下において、図5および図6を参照して、複数の画素のそれぞれに重付係数fWを設定する方法について説明する。図5および図6は、重付係数特定部231が重付係数fWを特定するために参照する図である。
まず、図5を参照して、出射側偏光板53Gの熱負荷の分布が、複数の画素に照射される光量の分布に応じて定められる場合について説明する。
図5は、出射側偏光板53Gにおける各画素の位置と、各画素に設定される重付係数fWとの関係を示す図である。図5に示すように、出射側偏光板53Gは、複数の画素に照射される光量の分布に応じて複数の領域A〜Eに分割される。
一般的に、画素に照射される光量は、画素の位置が出射側偏光板53Gの中央部分の領域Eから周辺部分の領域Aに近づくにつれて小さくなる。そのため、熱負荷は、画素の位置が出射側偏光板53Gの周辺部分の領域Aから中央部分の領域Eに近づくにつれて高くなる。従って、重付係数fWを、出射側偏光板53Gの周辺部分の領域Aから中央部分の領域Eに近づくにつれて小さくなるように設定する。
次に、図6を参照して、出射側偏光板53Gの熱負荷の分布が、出射側偏光板53Gの冷却力の分布に応じて定められる場合について説明する。
図6は、出射側偏光板53Gにおける各画素の位置と、各画素に設定される重付係数fWとの関係を示す図である。なお、図6では、出射側偏光板53Gを、出射側偏光板53Gの上部から空冷などにより冷却する場合について示している。
図6に示すように、出射側偏光板53Gは、出射側偏光板53Gの冷却力の分布に応じて複数の領域A〜Eに分割される。
出射側偏光板53Gを出射側偏光板53Gの上部から冷却する場合、出射側偏光板53Gの冷却力は、出射側偏光板53Gの中央上部の領域Aから周辺部分の領域Eに近付くにつれて小さくなる。そのため、熱負荷は、画素の位置が出射側偏光板53Gの中央上部の領域Aから周辺部分の領域Eに近づくにつれて高くなる。従って、重付係数fWを、出射側偏光板53Gの中央上部の領域Aから周辺部分の領域Eに近づくにつれて小さくなるように設定する。
重付係数特定部231は、図5あるいは図6を参照して、複数の画素のそれぞれについて、複数の画素のそれぞれの位置に対応する重付係数fWを特定する。
図5あるいは図6に示すように重付係数fWを設定することによって、熱負荷が高い領域(領域D,Eなど)が広い場合には、重付係数fWが小さく設定される画素の数が大きくなるため、Ye制御信号YeCの値が小さくなる。そのため、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合に、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を小さくすることができる。従って、出射側偏光板53Gで遮光される光量を小さくすることができるため、出射側偏光板53Gの熱負荷を軽減することができる。
一方、熱負荷が低い領域(領域A,Bなど)が広い場合には、重付係数fWが大きく設定される画素の数が大きくなるため、Ye制御信号YeCの値が大きくなる。そのため、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分において遮光される光量が小さい場合に、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を大きくすることができる。従って、出射側偏光板53Gの熱負荷が低い場合には、映像の輝度を高めることができる。
(3.3)Ye重畳量制御係数fCの特定方法の変形例
上述した(3.1)では、Ye重畳量制御係数fCが、緑用入力信号Ginの値に基づいて特定される場合について説明したが、これに限るものではない。Ye重畳量制御係数fCは、画素の位置に応じて定められる重付係数fWによって重み付けされた緑用入力信号Ginの値の平均値である緑用入力信号重付平均値(以下、G信号重付平均値)Gwaveに応じて特定されてもよい。以下において、G信号重付平均値Gwaveを用いたYe重畳量制御係数fCの特定方法について説明する。
上述した(3.1)では、Ye重畳量制御係数fCが、緑用入力信号Ginの値に基づいて特定される場合について説明したが、これに限るものではない。Ye重畳量制御係数fCは、画素の位置に応じて定められる重付係数fWによって重み付けされた緑用入力信号Ginの値の平均値である緑用入力信号重付平均値(以下、G信号重付平均値)Gwaveに応じて特定されてもよい。以下において、G信号重付平均値Gwaveを用いたYe重畳量制御係数fCの特定方法について説明する。
まず、G信号重付平均値Gwaveは、次の式により算出される。
Gwave={Σ(Gin×fW)}/N
上記の式において、{Σ(Gin×fW)}は、複数の画素のそれぞれについて、緑用入力信号Ginの値と重付係数fWとの積を算出し、算出された積のそれぞれを合計することを示す。また、Nは、複数の画素の総数を示す。
Ye重畳量制御係数fCは、G信号重付平均値Gwaveが大きい場合には大きく設定され、G信号重付平均値Gwaveが小さい場合には小さく設定される。
ここで、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分が狭い場合や、熱負荷が高い部分において遮光される光量が小さい場合など、出射側偏光板53Gの熱負荷が小さい場合には、緑用入力信号Ginの値や重付係数fWが大きくなるため、G信号重付平均値Gwaveは大きくなる。一方、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分が広い場合や、熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合など、出射側偏光板53Gの熱負荷が大きい場合には、緑用入力信号Ginの値や重付係数fWが小さくなるため、G信号重付平均値Gwaveは小さくなる。従って、Ye重畳量制御係数fCは、出射側偏光板53Gの熱負荷が小さく、G信号重付平均値Gwaveが大きい場合には大きく設定され、出射側偏光板53Gの熱負荷が大きく、G信号重付平均値Gwaveが小さい場合には小さく設定される。
Ye重畳量制御係数fCは、G信号重付平均値Gwaveが小さく、出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGと出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量との差分が小さい場合に、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が当該差分の範囲内に収まるように小さく設定される。以上のように、G信号重付平均値Gwaveを用いることによって、出射側偏光板53Gの熱負荷を考慮してYe重畳量制御係数fCを特定することができる。
以下において、図7を参照して、G信号重付平均値Gwaveを用いたYe重畳量制御係数fCの特定方法の一例について説明する。図7は、G信号重付平均値GwaveとYe重畳量制御係数fCとの関係を示す図である。図7においては、G信号重付平均値Gwaveとして8ビットの値を用いる場合について示している。この場合、G信号重付平均値Gwaveが0に近いほど、出射側偏光板53Gの熱負荷が大きいことを示す。また、G信号重付平均値Gwaveが255に近いほど、出射側偏光板53Gの熱負荷が小さいことを示す。また、図7においては、重付係数fWが、0<fW≦1の範囲内で設定される場合について説明する。
図7に示すように、Ye重畳量制御係数fCは、G信号重付平均値GwaveがB以上、255以下である場合には1である。一方、Ye重畳量制御係数fCは、G信号重付平均値GwaveがB以下である場合には、G信号重付平均値Gwaveの減少に応じて減少する。よって、Ye補正信号Ye2の値は、G信号重付平均値GwaveがB以上、255以下である場合には一定であり、G信号重付平均値GwaveがB以下である場合には、G信号重付平均値Gwaveの減少に応じて減少する。
従って、G信号重付平均値GwaveがB以下である場合、Ye制御信号YeCの値が小さくなる。これにより、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が大きくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が小さくなる。一方、G信号重付平均値GwaveがB以上である場合、Ye制御信号YeCの値が大きくなる。これにより、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が小さくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が大きくなる。
次に、図7におけるA点およびB点の算出方法の一例について説明する。なお、以下において、PGは許容遮光光量、LGmaxは緑成分光の最大光量、LYemaxは黄成分光の最大光量を示す。緑成分光の最大光量LGmaxは、偏光状態調整素子50Yeに入射する緑成分光の光量を示す。また、黄成分光の最大光量LYemaxは、偏光状態調整素子50Yeに入射する黄成分光の光量を示す。
第1に、A点について説明する。A点は、G信号重付平均値Gwaveが0である場合におけるYe重畳量制御係数fCの値を示す。
G信号重付平均値Gwaveが0である場合、緑用入力信号Ginの値は全て0である。従って、G信号重付平均値Gwaveが0である場合、出射側偏光板53Gで遮光される光量の最大値L’は、出射側偏光板53Gに到達する緑成分光の光量LG’と、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量LYe’との合計量に等しい。
出射側偏光板53Gに到達する緑成分光の光量LG’は、緑成分光の最大光量LGmaxに等しい。一方、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量LYe’は、次の式で算出される。
LYe’=LYemax×fC
従って、G信号重付平均値Gwaveが0である場合、出射側偏光板53Gで遮光される光量の最大値L’は、以下の式で算出される。
L’=LGmax+LYemax×fC
A点は、G信号重付平均値Gwaveが0である場合において、出射側偏光板53Gで遮光される光量が、出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGに等しくなるように設定される。すなわち、A点は、出射側偏光板53Gに到達する緑成分光の光量LG’と、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量LYe’との合計量が、出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGに等しくなるように設定される。従って、A点は、次の式により算出される。
L’=PG=LGmax+LYemax×fC
⇔PG=LGmax+LYemax×A
⇔A=(PG−LGmax)/LYemax
⇔PG=LGmax+LYemax×A
⇔A=(PG−LGmax)/LYemax
第2に、B点について説明する。B点は、Ye重畳量制御係数fCを1とすることができる場合におけるG信号重付平均値Gwaveの範囲の最小値を示す。
G信号重付平均値GwaveがBである場合における、出射側偏光板53Gで遮光される光量の最大値L’は、以下の式で算出される。このとき、重付係数fWは1であることに留意すべきである。
L’=(LGmax−LGmax×B/255)+(LYemax−LYemax×fC×B/255)
B点は、G信号重付平均値GwaveがBである場合において、出射側偏光板53Gで遮光される光量の最大値L’が、出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGに等しくなるように設定される。従って、B点は、次の式により算出される。
L’=PG=(LGmax−LGmax×B/255)+(LYemax−LYemax×fC×B/255)
⇔B=[(LGmax+LYemax−PG)/(LGmax+LYemax)]×255
⇔B=[(LGmax+LYemax−PG)/(LGmax+LYemax)]×255
以上のようにA点およびB点を設定することにより、出射側偏光板53Gで遮光される光量の最大値L’が出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGを超えないように、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が低減される。
(4)作用・効果
本発明の第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、制御部200は、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量、すなわち黄成分光の重畳量を、緑用入力信号Ginと、複数の画素のそれぞれの位置に応じて定められる重付係数fWとに基づいて制御する。具体的には、制御部200は、出射側偏光板53Gの熱負荷の分布を黄成分光の重畳量に反映させるための重付係数fWを用いて、Ye制御信号YeCの値を算出する。重付係数fWは、画素の位置が出射側偏光板53Gの熱負荷が高い部分に対応する場合には小さく設定される。そのため、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分が広く、熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合には、重付係数fWが小さく設定される画素の数が大きくなるため、Ye制御信号YeCの値が小さくなる。これにより、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が大きくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が小さくなる。
本発明の第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、制御部200は、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量、すなわち黄成分光の重畳量を、緑用入力信号Ginと、複数の画素のそれぞれの位置に応じて定められる重付係数fWとに基づいて制御する。具体的には、制御部200は、出射側偏光板53Gの熱負荷の分布を黄成分光の重畳量に反映させるための重付係数fWを用いて、Ye制御信号YeCの値を算出する。重付係数fWは、画素の位置が出射側偏光板53Gの熱負荷が高い部分に対応する場合には小さく設定される。そのため、出射側偏光板53Gのうち熱負荷が高い部分が広く、熱負荷が高い部分において遮光される光量が大きい場合には、重付係数fWが小さく設定される画素の数が大きくなるため、Ye制御信号YeCの値が小さくなる。これにより、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が大きくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が小さくなる。
また、本発明の第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、制御部200は、出射側偏光板53Gで遮光される光量の最大値L’が許容遮光光量PGを超えないように、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量、すなわち黄成分光の重畳量を制御する。具体的には、制御部200は、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量と出射側偏光板53Gで遮光される黄成分光の光量との合計量が出射側偏光板53Gの許容遮光光量PGを超えないように黄成分光の重畳量を制御するためのYe重畳量制御係数fCを用いて、Ye制御信号YeCの値を算出する。Ye重畳量制御係数fCは、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量が大きい場合には小さく設定されるため、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光状態の調整量を制御するYe制御信号YeCの値が小さくなる。これにより、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光方向の調整量が大きくなるため、入射側偏光板52Gを透過して出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量が小さくなる。
以上の構成によれば、黄成分光の全光量のうち、従来では出射側偏光板53Gで遮光されていた光量の一部を入射側偏光板52Gで遮光することできる。よって、黄成分光の全光量のうち遮光される光量が入射側偏光板52Gと出射側偏光板53Gとに分散されるため、出射側偏光板53Gの熱負荷を軽減することができる。その結果、緑光変調素子50Gの劣化を抑制することができる。
また、本発明の第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、制御部200は、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量が大きい場合に、Ye重畳量制御係数fCを小さく設定することにより、入射側偏光板52Gで遮光される黄成分光の光量を大きくし、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を小さくする。すなわち、制御部200は、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量が大きい場合に、黄成分光が入射側偏光板52Gで遮光されるように黄成分光の偏光状態の調整量を制御する。このような構成によれば、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量が大きい場合に、出射側偏光板53Gで遮光される黄成分光の光量を小さくすることができるため、出射側偏光板53Gの熱負荷を軽減することができる。従って、緑光変調素子50Gの劣化を抑制することができる。
また、本発明の第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、出射側偏光板53Gで遮光される緑成分光の光量が小さい場合に、Ye重畳量制御係数fCを大きく設定することにより、入射側偏光板52Gで遮光される黄成分光の光量を小さくし、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を大きくする。このような構成によれば、緑光変調素子50Gの劣化の抑制と、黄成分光の重畳による輝度の向上との両立を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、上述した第1実施形態では、投写型映像表示装置100は、モード選択信号Mに基づいて、Ye基準信号Ye1の値を決定する。これに対して、第2実施形態では、投写型映像表示装置100は、映像の彩度および輝度に基づいて、Ye基準信号Ye1の値を決定する。
次に、本発明の第2実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、上述した第1実施形態では、投写型映像表示装置100は、モード選択信号Mに基づいて、Ye基準信号Ye1の値を決定する。これに対して、第2実施形態では、投写型映像表示装置100は、映像の彩度および輝度に基づいて、Ye基準信号Ye1の値を決定する。
(1)投写型映像表示装置の機能
以下において、第2実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係る投写型映像表示装置100の機能を示すブロック図である。
以下において、第2実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係る投写型映像表示装置100の機能を示すブロック図である。
図8に示すように、投写型映像表示装置100は、信号受付部310と、基準信号生成部320と、係数特定部330と、補正信号生成部340と、制御信号生成部350と、調整信号生成部360と、出力部370とを含む制御部300を備える。なお、係数特定部330、補正信号生成部340、制御信号生成部350、調整信号生成部360、および出力部370については、上述した第1実施形態における係数特定部230、補正信号生成部240、制御信号生成部250、調整信号生成部260、および出力部270と同様であるため、説明を省略する。
信号受付部310は、映像入力信号を受付ける。例えば、信号受付部310は、映像入力信号から色信号を分離する色分離ブロックから各色信号(赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Bin)を取得する。信号受付部310は、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binを、基準信号生成部320と、調整信号生成部360とに入力する。信号受付部310は、緑用入力信号Ginを係数特定部330に入力する。
基準信号生成部320は、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binによって再現される映像の彩度および輝度に基づいて、Ye基準信号Ye1を生成する。
基準信号生成部320は、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binによって再現される映像に含まれる画素ごとに、Ye基準信号Ye1を生成する。具体的には、基準信号生成部320は、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binに基づいて、彩度および輝度を画素ごとに算出する。基準信号生成部320は、算出された彩度に対応する色再現係数fSと、算出された輝度に対応する輝度係数fLとを、画素ごとに特定する。色再現係数fSおよび輝度係数fLは、0〜1の範囲で設定される値である。色再現係数fSおよび輝度係数fLは、画素において表現される色相ごとに異なる方法によって特定される。色再現係数fSの特定方法、および輝度係数fLの特定方法については、後に詳述する。
基準信号生成部320は、画素ごとに特定された色再現係数fSの平均値である色再現平均係数fSaveと、画素ごとに特定された輝度係数fLの平均値である輝度平均係数fLaveとを算出する。基準信号生成部320は、以下の式に示すように、Ye基準信号Ye1の取り得る最大値であるYemaxに、色再現平均係数fSaveおよび輝度平均係数fLaveを乗算することにより、Ye基準信号Ye1の値を算出する。なお、Ye基準信号Ye1は、画素単位で生成される。
Ye1=Yemax×fSave×fLave
以下において、色再現係数fSの特定方法、および輝度係数fLの特定方法について説明する。
第1に、画素において表現される色相が[R0.75+G0.25(オレンジ)]である場合について、図9および図10を参照して説明する。
図9は、彩度と色再現係数fSとの関係を示す図である。図9に示すように、彩度が小さい場合には色再現係数fSが大きく設定され、彩度が大きい場合には色再現係数fSが小さく設定される。特に、彩度が所定値以上である場合には、彩度が大きいほど色再現係数fSが小さく設定される。このように色再現係数fSを設定することにより、彩度が小さい場合には黄成分光の重畳量の増大による高輝度化を図ることができ、彩度が大きい場合には黄成分光の重畳量の減少による高色再現性を図ることができる。
図10は、輝度と輝度係数fLとの関係を示す図である。図10に示すように、輝度が小さい場合には輝度係数fLが小さく設定され、輝度が大きい場合には輝度係数fLが大きく設定される。このように輝度係数fLを設定することにより、輝度が高い場合に、更なる高輝度化を図ることができる。
基準信号生成部320は、画素において表現される色相が[R0.75+G0.25(オレンジ)]である場合には、図9を参照して色再現係数fSを特定し、図10を参照して輝度係数fLを特定する。
第2に、画素において表現される色相が[G0.5+B0.5(シアン)]である場合について、図11および図12を参照して説明する。
図11は、彩度と色再現係数fSとの関係を示す図である。図11に示すように、彩度が小さい場合には色再現係数fSが大きく設定され、彩度が大きい場合には色再現係数fSが小さく設定される。特に、彩度が所定値以上である場合には、彩度が大きいほど色再現係数fSが小さく設定される。
図12は、輝度と輝度係数fLとの関係を示す図である。図12に示すように、輝度が小さい場合には輝度係数fLが小さく設定され、輝度が大きい場合には輝度係数fLが大きく設定される。
基準信号生成部320は、画素において表現される色相が[G0.5+B0.5(シアン)]である場合には、図11を参照して色再現係数fSを特定し、図12を参照して輝度係数fLを特定する。
(2)作用・効果
本発明の第2実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、制御部300は、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binによって再現される映像の彩度および輝度に基づいて、Ye基準信号Ye1を生成する。具体的には、制御部300は、彩度に対応する色再現係数fSおよび輝度に対応する輝度係数fLを用いてYe基準信号Ye1を生成する。このような構成によれば、緑光変調素子50Gの劣化の抑制に加え、高輝度化、および高輝度化と高色再現性とのバランスの最適化を図ることができる。
本発明の第2実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、制御部300は、赤用入力信号Rin、緑用入力信号Ginおよび青用入力信号Binによって再現される映像の彩度および輝度に基づいて、Ye基準信号Ye1を生成する。具体的には、制御部300は、彩度に対応する色再現係数fSおよび輝度に対応する輝度係数fLを用いてYe基準信号Ye1を生成する。このような構成によれば、緑光変調素子50Gの劣化の抑制に加え、高輝度化、および高輝度化と高色再現性とのバランスの最適化を図ることができる。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した第1実施形態および第2実施形態では、第4色成分光が黄成分光であるが、これに限定されるものではない。第4色成分光は、シアン成分光、マゼンタ成分光などであってもよい。具体的には、シアン成分光に重畳される重畳成分光は緑成分光又は青成分光であることが好ましい。マゼンタ成分光に重畳される重畳成分光は赤成分光又は青成分光であることが好ましい。
また、上述した第1実施形態では、Ye制御信号YeCを生成するために、Ye補正信号平均値Ye2aveにYe重畳量制御係数fCを乗算する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、Ye補正信号平均値Ye2aveにはYe重畳量制御係数fCを乗算せず、Ye補正信号平均値Ye2aveそのものをYe制御信号YeCの値として用いてもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、図5および図6に示すように、重付係数fWを段階的に変化させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、重付係数fWを連続的に変化させてもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、第4色成分光が単一の色成分光であるが、これに限定されるものではない。第4色成分光は複数の色成分光であってもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、偏光状態調整素子は解像度を有していない偏光状態調整素子50Yeであることを前提としているが、これに限定されるものではない。具体的には、偏光状態調整素子は解像度を有し、自素子に入射した黄成分光の偏光状態を、画素ごとに調整する第4色用液晶パネルであってもよい。この場合には、第4色用液晶パネルの解像度は、電極などによる透過率の低下を防ぐために、液晶パネル51R、液晶パネル51Gおよび液晶パネル51Bの解像度よりも低いことが好ましい。ただし、第4色用液晶パネルの解像度は、液晶パネル51R、液晶パネル51Gおよび液晶パネル51Bの解像度と同等であってもよいことに留意すべきである。偏光状態調整素子として解像度を有する第4色用液晶パネルを用いる場合、複数の画素のそれぞれについて生成されたYe補正信号Ye2の値の平均値であるYe補正信号平均値Ye2aveを算出しなくてもよい。具体的には、複数の画素のそれぞれについて生成されたYe補正信号Ye2のそれぞれに、Ye重畳量制御係数fCを乗算した値をYe制御信号YeCの値として用いることにより、Ye制御信号YeCを複数の画素のそれぞれについて生成してもよい。
上述した第1実施形態および第2実施形態に係る偏光状態調整素子としては、OCB(Optical Compensated Bend)液晶を用いることができる。また、偏光状態調整素子として、VA(Virtical Alignment)液晶やTN(Twisted Nematic)液晶を用いてもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、偏光状態調整素子50Yeにおける黄成分光の偏光状態の調整量を制御することによって、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を制御する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、黄成分光の光源として黄色LEDを設けられる場合には、緑用入力信号Ginの大きさに応じて黄色LEDが発する光の光量を調節することによって、出射側偏光板53Gに到達する黄成分光の光量を制御してもよい。
また、上述した第2実施形態では、Ye基準信号Ye1を生成するために、Ye基準信号Ye1の取り得る最大値に、色再現平均係数fSaveおよび輝度平均係数fLaveを乗算する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、Ye基準信号Ye1の取り得る最大値には、色再現平均係数fSaveまたは輝度平均係数fLaveのいずれか一方のみが乗算されてもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、投写型映像表示装置として液晶パネルを用いた液晶プロジェクタを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたDLPプロジェクタにも適用することができる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…光源、20…UV/IRカットフィルタ、30…フライアイレンズユニット、40…PBSアレイ、50…光変調素子、51…液晶パネル、52…入射側偏光板、53…出射側偏光板、50Ye…偏光状態調整素子、60…クロスダイクロイックキューブ、71〜76…ミラー、81〜85…レンズ、100…投写型映像表示装置、110…投写レンズユニット、120…照明ユニット、200…制御部、210…信号受付部、220…基準信号生成部、230…係数特定部、231…重付係数特定部、232…重畳量制御係数特定部、240…補正信号生成部、250…制御信号生成部、260…調整信号生成部、270…出力部、300…制御部、310…信号受付部、320…基準信号生成部、330…係数特定部、331…重付係数特定部、332…重畳量制御係数特定部、340…補正信号生成部、350…制御信号生成部、360…調整信号生成部、370…出力部.
Claims (7)
- 赤成分光、緑成分光、青成分光及び第4色成分光を少なくとも含む光を発する光源と、赤用入力信号に応じて前記赤成分光を変調する赤光変調素子と、緑用入力信号に応じて前記緑成分光を変調する緑光変調素子と、青用入力信号に応じて前記青成分光を変調する青光変調素子とを備えており、前記赤成分光、前記緑成分光及び前記青成分光のうち、いずれかの色成分光である重畳成分光に第4色成分光を重畳する照明装置であって、
前記重畳成分光に重畳される前記第4色成分光の重畳量を制御する制御部を備え、
前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記赤光変調素子、前記緑光変調素子及び前記青光変調素子のうち、前記重畳成分光に対応する光変調素子である特定の光変調素子に入射し、
前記特定の光変調素子は、複数の画素によって構成されており、
前記複数の画素のそれぞれには、前記複数の画素のそれぞれの位置に応じて、重付係数が定められており、
前記制御部は、前記赤用入力信号、前記緑用入力信号及び前記青用入力信号のうち、前記重畳成分光に対応する特定の入力信号と、前記重付係数とに基づいて、前記第4色成分光の重畳量を制御することを特徴とする照明装置。 - 前記特定の光変調素子は、前記重畳成分光を変調する光変調パネルと、前記光変調パネルの光入射側に設けられた入射側偏光板と、前記光変調パネルの光出射側に設けられた出射側偏光板とを有しており、
前記出射側偏光板には、前記出射側偏光板で遮光を許容する光量である許容遮光光量が定められており、
前記制御部は、前記出射側偏光板で遮光される前記重畳成分光の光量と前記出射側偏光板で遮光される前記第4色成分光の光量との合計量が前記許容遮光光量を超えないように、前記第4色成分光の重畳量を制御することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。 - 前記制御部は、前記出射側偏光板で遮光される前記重畳成分光の光量が大きい場合に、前記出射側偏光板に到達する前記第4色成分光の光量を小さくするように、前記第4色成分光の重畳量を制御することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
- 前記第4色成分光の偏光状態を調整する偏光状態調整素子をさらに備え、
前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記偏光状態調整素子に入射し、
前記偏光状態調整素子から出射された前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記特定の光変調素子に入射し、
前記制御部は、前記出射側偏光板で遮光される前記重畳成分光の光量が大きい場合に、前記第4色成分光が前記入射側偏光板で遮光されるように、前記第4色成分光の偏光状態の調整量を制御することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。 - 前記重付係数は、前記複数の画素に照射される光量の分布に応じて定められることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記重付係数は、前記複数の画素を冷却する冷却力の分布に応じて定められることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 赤成分光、緑成分光、青成分光及び第4色成分光を少なくとも含む光を発する光源と、赤用入力信号に応じて前記赤成分光を変調する赤光変調素子と、緑用入力信号に応じて前記緑成分光を変調する緑光変調素子と、青用入力信号に応じて前記青成分光を変調する青光変調素子とを備えており、前記赤成分光、前記緑成分光及び前記青成分光のうち、いずれかの色成分光である重畳成分光に第4色成分光を重畳する照明ユニットと、
前記照明ユニットから出射される光を投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記重畳成分光に重畳される前記第4色成分光の重畳量を制御する制御部を備え、
前記重畳成分光及び前記第4色成分光は、前記赤光変調素子、前記緑光変調素子及び前記青光変調素子のうち、前記重畳成分光に対応する光変調素子である特定の光変調素子に入射し、
前記特定の光変調素子は、複数の画素によって構成されており、
前記複数の画素のそれぞれには、前記複数の画素のそれぞれの位置に応じて、重付係数が定められており、
前記制御部は、前記赤用入力信号、前記緑用入力信号及び前記青用入力信号のうち、前記重畳成分光に対応する特定の入力信号と、前記重付係数とに基づいて、前記第4色成分光の重畳量を制御することを特徴とする投写型映像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008277490A JP2010107599A (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 照明装置及び投写型映像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008277490A JP2010107599A (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 照明装置及び投写型映像表示装置 |
Publications (1)
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JP2010107599A true JP2010107599A (ja) | 2010-05-13 |
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JP2008277490A Withdrawn JP2010107599A (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 照明装置及び投写型映像表示装置 |
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-
2008
- 2008-10-28 JP JP2008277490A patent/JP2010107599A/ja not_active Withdrawn
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