JP2010106883A - 逆止弁及びこれを用いた風呂装置 - Google Patents

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誠 濱田
Ryoji Ouchi
亮二 大内
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繁男 杉江
Masaya Yoshimura
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Abstract

【課題】 機械作動式の流路切換弁として閉弁維持性能と開弁変換性能との双方を高め得る逆止弁を提供する。
【解決手段】 浴槽8の浴槽水の追い焚き循環用の戻り配管35aから分岐排水路36を分岐させ、流入口361を開閉する排水弁体75を有する逆止弁7を設置する。弁軸74により中径ダイヤフラム弁体76と大径ダイヤフラム弁体77を連結する。隔室72を大気開放にし、弁体と中径ダイヤフラム弁体との互いに受圧面積を等しくして正圧作用時に互いに打ち消し合うようにする。大径ダイヤフラム弁体に対し導圧路79から導圧した戻り配管の正圧を開弁方向に作用させ、それがバネ78の閉弁付勢力よりも大きくなるようにする。大径ダイヤフラム弁体の受圧面積を大きくして、開弁方向の正圧を増幅させ得る。
【選択図】 図3

Description

本発明は、流路切換のために用いられ、特に閉弁維持性能と開弁変換性能との両者を共に高めることができ、かつ、両立させることができる逆止弁に関する。
従来、逆止弁としてダイヤフラム弁体を用いたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。このものでは、逆止弁の本体をなす弁体に対し弁軸により互いに連結したダイヤフラム弁体を付設し、このダイヤフラム弁体に閉弁付勢力を付与するバネを作用させて弁体の閉弁状態を維持させるようにしている。
特開平8−21546号公報
ところで、近年、燃焼排ガスから潜熱を回収することにより熱効率の向上を図るようにした高効率タイプの風呂装置が開発されている。この場合、潜熱回収により発生するドレン水を処理した上で排水する必要がある。この処理後のドレン水の排水のために、不使用時における風呂の追い焚き循環回路の配管を利用することが考えられている。その際に、処理後とはいえドレン水を浴槽内に流入させないようにするために、追い焚き循環回路の浴槽側近傍位置に電動式の流路切換弁を設け、ドレン水の排水時にはその流路切換弁により流路を切換えてドレン水を浴槽排水設備に対し直接に排水させるようにすることが検討されている。
しかしながら、流路切換のために電動式の流路切換弁を用いると、流路切換のための電力が必要になり、この結果、高効率タイプのものを採用して省エネルギー化を図るという目的に反することにもなりかねない。又、電気配線の接続等が必要となり、施工作業が非常に煩雑なものとなる。
そこで、切換作動のために電力が不要な機械作動式の切換弁、例えば逆止弁の採用が検討されるに至ったが、その際に必要条件として、ドレン水の非排水時である追い焚き循環を行う通常状態のときには確実にシールして浴槽水の漏水を確実に回避し得る強い閉弁維持性能と、ドレン水の排水時にはドレン水の供給圧により確実に開弁変換してドレン水の浴槽側への流入を阻止し得る確実な開弁変換性能とが要求されることになる。
しかるに、従来の機械作動式の逆止弁においては閉弁維持性能と開弁変換性能とは互いにトレードオフの関係にあり、一方の性能を高めようとすると他方の性能が低くなるというように双方の性能を同時に高めることは不能又は困難な状況にある。例えば、閉弁維持性能を高めるために閉弁付勢するためのバネを強めると開弁変換性能が劣ることになり、逆に開弁変換性能を高めるために上記バネを弱めると閉弁維持性能が劣ることになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動式ではなくて機械作動式の流路切換弁として閉弁維持性能と開弁変換性能との双方を高め得る逆止弁を提供することにあり、加えて、かかる逆止弁を用いて高い省エネルギー性及び省施工性を実現し得る高効率タイプの風呂装置を提供することも目的とする。
上記目的を達成するために、逆止弁に係る第1の発明では、通水路に臨んで開口する排水口を開閉する排水弁体と、この排水弁体に対し閉弁付勢力を付与するバネと、上記排水弁体に対し弁軸を介して連結されたダイヤフラム弁体とを備えた逆止弁を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記ダイヤフラム弁体として、中径ダイヤフラム弁体と、大径ダイヤフラム弁体との2種類を備え、上記中径ダイヤフラム弁体を上記排水弁体に相対向するように上記弁軸に連結し、上記大径ダイヤフラム弁体を中径ダイヤフラム弁体を挟んで上記排水弁体とは反対側の位置で上記弁軸に連結する。そして、上記大径ダイヤフラム弁体の一側で上記中径ダイヤフラム弁体との間に隔室を区画形成しかつこの隔室を大気開放とする。加えて、上記大径ダイヤフラム弁体の他側に作動室を区画形成しかつこの作動室を上記通水路の内圧が導圧されて大径ダイヤフラム弁体に対し作動圧力として作用する構成とする(請求項1)。
この第1の発明の場合、中径ダイヤフラム弁体が排水弁体に相対向しかつ中径ダイヤフラム弁体の背後が大気開放された隔室となっているため、通水路から中径ダイヤフラム弁体及び排水弁体のそれぞれに作用する内圧が互いに打ち消し合う方向に作用することになる。加えて、大径ダイヤフラム弁体の一側は大気開放の隔室とされているため、大径ダイヤフラム弁体への作動圧力を削減するような圧力が作用することはない。このため、排水弁体の開閉は、大径ダイヤフラム弁体の作動圧力と、バネの閉弁付勢力との大小関係により主として定まることになる。そして、大径ダイヤフラム弁体への作動圧力の大小は導圧される内圧の受圧面積により定まり、大径ダイヤフラム弁体の有効受圧面積を増大させるほど、開弁作動力を高く増幅することが可能となって開弁変換が容易かつ確実となり、開弁変換性能が高まることになる。一方、開弁作動力が高くなるほど、バネの閉弁付勢力を高くする余地が生まれ、バネの閉弁付勢力を高くすることで閉弁維持性能が高まることになる。以上により、機械作動式のものであっても閉弁維持性能と開弁変換性能との両者を高めることが可能となって、両立させることが可能となる。
上記の第1の発明において、上記通水路の内圧として正圧が導圧されたとき上記大径ダイヤフラム弁体に作用する作動圧力により上記排水弁体が上記バネに抗して開弁する一方、上記通水路の内圧として負圧が導圧されたとき上記大径ダイヤフラム弁体に作用する作動圧力により上記排水弁体が閉弁するように設定することができる(請求項2)。このようにすることにより、通水路に排水のための流体が所定の供給圧により供給されてきたときに、その流体圧の供給圧が導圧されて大径ダイヤフラム弁体に正圧として作用することで、排水弁体が開弁して上記の流体を排水口から排水させることが可能となる。逆に、通水路に吸い込み力が作用して流体が流れるようなときには、その吸い込み力が負圧として導圧されて排水弁体を閉弁させることが可能になる。
又、上記中径ダイヤフラム弁体と、上記排水弁体との相対向する側の有効受圧面積を互いにほぼ等しくなるように設定することができる(請求項3)。このようにすることにより、中径ダイヤフラム弁体と排水弁体にそれぞれ作用する通水路からの内圧が互いにうち消しあって相殺されることになり、排水弁体の開閉は、大径ダイヤフラム弁体の作動圧力と、バネの閉弁付勢力との大小関係のみによって定まることになる。これにより、逆止弁の開弁・閉弁の作動設定を容易に行い得ることになる。
さらに、上記大径ダイヤフラム弁体に作用する作動圧力が上記バネの閉弁付勢力よりも大きくなるように大径ダイヤフラム弁体の有効受圧面積を設定することができる(請求項4)。このようにすることにより、大径ダイヤフラム弁体に正圧が作用したときに排水弁体を開弁変換させることがより一層確実に可能になる。
以上の逆止弁を用いた風呂装置に係る発明では、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の逆止弁を風呂回路に設置し、潜熱回収用熱交換器において発生するドレン水を排水させるためのドレン水処理回路を上記風呂回路に接続し、ドレン水処理回路から風呂回路に排水のために流されるドレン水の流れを受けて上記逆止弁が開弁変換する構成とした(請求項5)。
この第2の発明の場合、逆止弁のバネの閉弁付勢力を増大させることにより閉弁維持性能を所望レベルまで高めて風呂回路内の浴槽水の漏水防止の確実性を担保したとしても、大径ダイヤフラム弁体に作用する開弁方向の増幅された正圧によって、バネに抗して排水弁体を容易に開弁させ得るという開弁変換性能をも高めることが可能となる。この結果、ドレン水の排水を風呂回路を利用しかつ浴槽内には流さないようにする場合に、省エネルギー化等の実現のために電動式の流路切換弁に代えて機械作動式の上記逆止弁を用いたとしても、閉弁維持性能と開弁変換性能との両立を高度に実現し得るようになる。しかも、機械作動式の上記逆止弁を用いることにより、電動式のものを用いる場合の電気配線や接続工事等が不要となって省施工性をも実現し得るものとなる。
以上、説明したように、請求項1〜請求項4のいずれかの逆止弁によれば、中径ダイヤフラム弁体を排水弁体に相対向させかつ中径ダイヤフラム弁体の背後を大気開放された隔室にしているため、通水路から中径ダイヤフラム弁体及び排水弁体のそれぞれに作用する内圧を互いに打ち消し合う方向に作用させることができ、又、大径ダイヤフラム弁体の一側を大気開放の隔室としているため、大径ダイヤフラム弁体への作動圧力を削減するような圧力が作用することもない。このため、排水弁体の開閉を、大径ダイヤフラム弁体の作動圧力と、バネの閉弁付勢力との大小関係により主として定めることができるようになる。ここで、大径ダイヤフラム弁体への作動圧力の大小は導圧される内圧の受圧面積により定まるため、大径ダイヤフラム弁体の有効受圧面積を増大させるほど、開弁作動力を高く増幅することができるようになる。これにより、開弁変換が容易かつ確実となり、開弁変換性能を高めることができる。一方、開弁作動力が高くなるほど、バネの閉弁付勢力を高くする余地が生まれるため、バネの閉弁付勢力を高くすることで閉弁維持性能を高めることができるようになる。以上により、機械作動式のものであっても閉弁維持性能と開弁変換性能との両者を高めることができ、両者を両立させることができるようになる。
特に、請求項2によれば、通水路に排水のための流体が所定の供給圧により供給されてきたときに、その流体圧の供給圧が導圧されて大径ダイヤフラム弁体に正圧として作用することで、排水弁体が開弁して上記の流体を排水口から排水させることができるようになる。逆に、通水路に吸い込み力が作用して流体が流れるようなときには、その吸い込み力が負圧として導圧されて排水弁体を閉弁させることができるようになる。
請求項3によれば、中径ダイヤフラム弁体と排水弁体にそれぞれ作用する通水路からの内圧を互いにうち消しあって相殺させることができ、排水弁体の開閉を、大径ダイヤフラム弁体の作動圧力と、バネの閉弁付勢力との大小関係のみによって定めることができるようになる。これにより、逆止弁の開弁・閉弁の作動設定を所望のものに容易に行うことができるようになる。
請求項4によれば、大径ダイヤフラム弁体に正圧が作用したときに排水弁体を開弁変換させることがより一層確実に行うことができるようになる。
請求項5の風呂装置によれば、逆止弁のバネの閉弁付勢力を増大させることにより閉弁維持性能を所望レベルまで高めて風呂回路内の浴槽水の漏水防止の確実性を担保したとしても、大径ダイヤフラム弁体に作用する開弁方向の増幅された正圧によって、バネに抗して排水弁体を容易に開弁させ得るという開弁変換性能を高めることができるようになる。この結果、ドレン水の排水を風呂回路を利用しかつ浴槽内には流さないようにする場合に、電動式に代えて機械作動式の上記逆止弁を用いたとしても、閉弁維持性能と開弁変換性能との両立を高度に実現させることができ、潜熱回収による高効率化と共に高度な省エネルギー化を実現させることができるようなる。しかも、機械作動式の上記逆止弁を用いることで、電動式のものを用いる場合の電気配線や接続工事等が不要となって省施工性をも実現させることができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の逆止弁を適用した風呂装置を示す。この風呂装置は、風呂の追い焚き機能に加え、給湯機能及び風呂湯張り機能の各機能を併有する複合熱源機型に構成されたものであり、しかも、燃焼ガスの顕熱に加え燃焼排ガスから潜熱をも回収することにより高効率化を図る高効率タイプに構成されたものである。なお、本発明を実施する上では、少なくとも燃焼排ガスから潜熱を回収するための二次熱交換器と、追い焚き循環回路とを併設した風呂装置であれば適用することができる。
同図において、符号2は給湯機能を実現するための給湯回路、3は風呂追い焚き機能を実現するための追い焚き循環回路、4は風呂湯張り機能を実現するための注湯回路、5は潜熱回収用の二次熱交換器24,34で発生するドレン水を中和及び浄化の各処理を行うドレン水処理回路、6は追い焚き循環回路3に介装されて追い焚き循環の流れ方向を規制する第1逆止弁、7は追い焚き循環回路3に付設されてドレン水排水のための流路切換を行う本発明の実施形態に係る第2逆止弁である。上記の追い焚き循環回路3が第2逆止弁7が設置される風呂回路を構成する。
上記給湯回路2は、バーナ20と、このバーナ20の燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水を熱交換加熱する給湯用の一次熱交換器21とを備え、入水路22から水道水等が給湯用一次熱交換器21において主として加熱され、加熱された後の湯が出湯路23に出湯されるようになっている。この際、上記入水路22からの入水は、一次熱交換器21に入水される前に、例えば排気集合筒内に配設された二次熱交換器24に通されるようになっており、この二次熱交換器24において燃焼排ガスからの潜熱回収により予熱された状態で入水接続路25を通して一次熱交換器21に入水されて主加熱されるようになっている。そして、所定温度まで加熱されて上記出湯路23に出湯された湯が、台所や浴室等の給湯栓や上記注湯回路4などの所定の給湯箇所に給湯されるようになっている。上記の二次熱交換器24や追い焚き循環回路3側の後述の二次熱交換器34が潜熱回収用熱交換器を構成する。又、上記入水路22には入水流量センサ26や図示省略の入水温度センサ等が介装され、出湯路23には流量制御弁27や図示省略の給湯温度センサ等が介装されている。
上記追い焚き循環回路3は、バーナ30の燃焼ガスの顕熱により循環温水を熱交換加熱する追い焚き用一次熱交換器31と、浴槽8との間で浴槽水を循環させて追い焚きさせる追い焚き循環路32と、追い焚き用循環ポンプ33と、燃焼排ガスから潜熱を回収する追い焚き用二次熱交換器34とを備えている。追い焚き循環路32は、戻り路32aと往き路32bとを備えており、戻り路32aの上流端接続口321に対し戻り配管35aの下流端が接続され、この戻り配管35aの上流端が浴槽8に設置された循環アダプタ81の吸い込み側に接続されている。又、往き路32bの下流端接続口322に対し往き配管35bの上流端が接続され、この往き配管35bの下流端が上記循環アダプタ81の吐出側に接続されている。追い焚き循環路32は、追い焚き用循環ポンプ33の作動により浴槽からの浴槽水が戻り配管35a及び戻り路32aを通して先に二次熱交換器34に供給されて燃焼排ガスからの潜熱回収により予熱された後に、循環接続路32cを通して一次熱交換器31に供給され、この一次熱交換器31において追い焚きのために主加熱され、追い焚き加熱後の浴槽水が往き路32b及び往き配管35bを通して浴槽8に送られるようになっている。なお、上記のバーナ20,30は元ガス弁やガス比例弁を介装した燃料供給系からの燃料ガスの供給を受けて燃焼作動するようになっている。ここで、上記の戻り路32aと戻り配管35aとが第2逆止弁7の後述の排水弁体75が設置される通水路を構成する。
注湯回路4は、給湯回路2の出湯路23から上流端が分岐して下流端が追い焚き循環路32に合流された注湯路41と、開閉切換により注湯の実行と遮断とを切換える注湯電磁弁や縁切り弁等がユニット化された注湯ユニット42とを備えている。注湯回路4を用いた注湯運転の実行により出湯路23の湯が注湯路41,追い焚き循環路32(往き路32b及び往き配管35b)を経て浴槽8に注湯されて所定量の湯張りが行われるようになっている。
ドレン水処理回路5は、二次熱交換器24,34において燃焼排ガスが潜熱回収のための熱交換により冷やされて凝縮することにより生じたドレン水に対し、中和処理や浄化処理等の改質処理を加えた上で排出するために設置された回路である。すなわち、ドレン水処理回路5は、給湯用二次熱交換器24からドレン水を集水する集水パン51及び追い焚き用二次熱交換器34からドレン水を集水する集水パン52と、集水されたドレン水に対し改質処理を施す改質処理槽53と、ドレンポンプ54の作動により改質処理槽53から改質処理後のドレン水を追い焚き循環路32(戻り路32a)に導出させるドレン水導出路55とを備えている。ドレン水導出路55はその下流端が三方切換弁56を介して追い焚き循環路32に接続されている。三方切換弁56は常時はドレン水導出路55側が遮断され戻り路32aが連通状態とされている。そして、ドレン水排水運転時には三方切換弁56をドレン水導出路55と戻り路32aとが連通するように切換えると共に、ドレンポンプ54を作動させることにより、改質処理後のドレン水を戻り路32aに導出させるようになっている。上記の改質処理とは、例えば、中和剤(炭酸カルシウム)により中和処理、あるいは、中和処理に加えてホルムアルデヒドや雑菌等の除去処理を組み合わせたものが実施される。
第1逆止弁6(図2も併せて参照)は、循環アダプタ81近傍位置の戻り配管35aに介装され、浴槽8内から循環アダプタ81を通して戻り配管35aの下流側(戻り路32aの側)への通水を許容する一方、逆方向の通水(浴槽8に流入する側の通水)を遮断するようになっている。すなわち、常時は閉弁状態が維持される一方、追い焚き循環ポンプ33の作動により浴槽8内からの浴槽水の循環流を受けて開弁し、その循環流の通過を許容するようになっている。第2逆止弁7は、第1逆止弁6よりも下流側位置において戻り配管35aから分岐する分岐排水管36の排水口となる流入口361を開閉可能にするために介装されたものであり、常時は閉弁状態(図2に示す状態)に維持され、上記のドレン水排水運転時にドレン水の供給圧力を受けて開弁変換するようになっている。
浴槽8の排水口82の下位置には浴槽排水設備83が設けられて浴槽水が外部に排水可能となっている。この浴槽排水設備83に対し上記の分岐排水管36の下流端が接続されており、ドレン水排水運転時には、ドレン水処理回路5からのドレン水がドレン水導出路55、連通状態の三方切換弁56、戻り路32a、戻り配管35a、開状態の第2逆止弁7、及び、分岐排水管36を通して浴槽排水設備83まで送られ、この浴槽排水設備83から外部に排水されることになる。
次に、第2逆止弁7について、閉弁状態を示す図2及び開弁状態を示す図3に基づいて詳細に説明する。第2逆止弁7は、三層構造の室と三段構造の弁とを備えたものであり、具体的には弁室71、隔室72及び作動室73と、弁軸74により互いに連結された排水弁体75、中径ダイヤフラム弁体76及び大径ダイヤフラム弁体77とを備えて構成されている。弁室71には流入口361を開閉する排水弁体75と、この排水弁体75を流入口361の側に押し付けて閉弁付勢するバネ78とが配設されている。隔室72は戻り配管35aとの間が中径ダイヤフラム弁体76により仕切られ、作動室73の間が大径ダイヤフラム弁体77により仕切られ、内部は大気連通口721により大気開放されている。又、作動室73は、大径ダイヤフラム弁体77によって密閉状態に仕切られており、導圧路79により戻り配管35aと連通されて戻り配管35aの内圧が導圧路79を通して導入されるようになっている。なお、上記の中径ダイヤフラム弁体76及び大径ダイヤフラム弁体77における「中径」又は「大径」とは、両者の相対的な大小関係を意味するものであって、ダイヤフラム弁体として特定の径であることを意味するものではない。
上記排水弁体75が戻り配管35a側から開弁方向(図2又は図3の下向き方向)への正圧(加圧側の圧力)を受けることになる有効受圧面積と、中径ダイヤフラム弁体76が同じく戻り配管35a側から閉弁方向(同図の上向き方向)への正圧を受けることになる有効受圧面積とは互いにほぼ同じになるように設定されている。つまり、排水弁体75と中径ダイヤフラム弁体76との相対向する側の有効受圧面積がほぼ等しく設定され、戻り配管35aから正・負のいずれの圧力が作用したとしても両者で相殺されるようになっている。又、大径ダイヤフラム弁体77と中径ダイヤフラム弁体76とは隔室72が大気開放されているため隔室72の側からは外圧を受けることはなく、大径ダイヤフラム弁体77が作動室73の側から開弁方向に正圧を受けることになる有効受圧面積はドレンポンプ54(図1参照)の吐出圧に基づき付与される圧力が上記のバネ78の閉弁方向へのバネ荷重(閉弁付勢力)よりも所定量大きくなるように設定されている。なお、上記の中径ダイヤフラム弁体76又は大径ダイヤフラム弁体77における有効受圧面積とは、作動圧力として有効に受圧し得る面積のことであり、ゴム製等の可撓性ダイヤフラムに接合された硬質のダイヤフラムプレートが受圧し得る面積に相当する。
図2に示すように追い焚き循環運転が実行されている状態では、浴槽水は追い焚き用の循環ポンプ33(図1参照)の作動により浴槽8から循環アダプタ81、第1逆止弁6、戻り配管35aを流れて追い焚き循環路32に入り、加熱後に往き配管35b及び循環アダプタ81を通して浴槽8に供給され、これが繰り返されて循環することになる。この追い焚き循環運転においては、戻り配管35a内に循環流が流れるため、作動室73には導圧路79を介して吸い込み側の負圧が作用することになる。このため、排水弁体75は主としてバネ78による閉弁付勢力により閉弁状態に維持されると共に、作動室73内の負圧が大径ダイヤフラム弁体77に閉弁方向に作用して上記排水弁体75をより強く閉弁状態に保持することができるようになる。このため、戻り配管35aに分岐排水路36が分岐されていたとしても第2逆止弁7が確実に閉弁状態に維持されるため、浴槽水の漏水発生等の不具合の発生を確実に回避することができるようになる。
一方、図3に示すようにドレン水排水運転が実行されている状態では、ドレン水処理回路5の側からのドレン水がドレンポンプ54(図1参照)の作動により開状態の三方切換弁56を通して戻り路32a及び戻り配管35aに吐出されることになる。このドレンポンプ54からの吐出圧に基づくドレン水の供給圧が導圧路79を介して作動室73に対し正圧として作用し、この正圧が大径ダイヤフラム弁体77に対し開弁方向に作用することになる。一方、戻り配管35a内の供給圧が排水弁体75に対し開弁方向に、中径ダイヤフラム弁体76に対し閉弁方向にそれぞれ作用することになるが、互いに相殺されて打ち消し合うことになる。この結果、大径ダイヤフラム弁体77に対し開弁方向に作用する正圧がバネ78の閉弁付勢力よりも大きいため、排水弁体75は開弁変換することになる。これにより、ドレン水処理回路5からのドレン水は分岐排水路36を通して浴槽排水設備83に流下し、外部に排水されることになる。
以上の構成の第2逆止弁7の場合、大径ダイヤフラム弁体77に作用する開弁方向の正圧は、ドレンポンプ54の吐出能力を上げることなく、単にその受圧面積を増大させるだけで増大させて増幅させることができることになる。そして、この開弁方向の正圧の増大に伴い、バネ78の閉弁付勢力を増大させることができるようになる。このため、バネ78の閉弁付勢力の増大により閉弁維持性能を所望レベルまで高めて浴槽水の漏水防止の確実性を担保したとしても、上記の大径ダイヤフラム弁体77に作用する開弁方向の増幅された正圧によって、上記バネ78に抗して排水弁体75を容易に開弁させ得るという開弁変換性能をも高めることができるようになる。この結果、ドレン水の排水を追い焚き循環路32を利用しかつ浴槽8内には流さないようにする場合に、省エネルギー化等の実現のために電動式に代えて機械作動式の第2逆止弁7を用いたとしても、閉弁維持性能と開弁変換性能との両立を高度に実現させることができるようになる。しかも、電動式のものを用いる場合の電気配線や電気接続等の作業を不要にして、省施工性の実現をも図ることができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、分岐排水路36を浴槽排水設備83に接続しているが、これに限らず、直接に外部の排水設備に接続させるようにしてもよい。
又、上記実施形態では、追い焚き循環回路3を風呂回路とし、この追い焚き循環回路3に対しドレン水導出路55を接続させているが、これに限らず、例えば注湯回路4を風呂回路とし、注湯路41にドレン水導出路55を接続し、この注湯路41の下流端を戻り路32aに接続して戻り路32a及び戻り配管35aを注湯路41の一部を構成するようにしてもよい。
本発明の風呂装置に係る実施形態を示す模式図である。 本発明の逆止弁に係る実施形態が閉弁状態にある場合を示す断面説明図である。 本発明の逆止弁に係る実施形態が開弁状態にある場合を示す断面説明図である。
符号の説明
3 追い焚き循環回路
5 ドレン水処理回路
7 第2逆止弁(逆止弁)
8 浴槽
24,34 二次熱交換器(潜熱回収用熱交換器)
32 追い焚き循環路(通水路)
35a 戻り配管(通水路)
54 ドレンポンプ
71 弁室
72 隔室
73 作動室
74 弁軸
75 排水弁体
76 中径ダイヤフラム弁体
77 大径ダイヤフラム弁体
78 バネ
79 導圧路
361 流入口(排水口)

Claims (5)

  1. 通水路に臨んで開口する排水口を開閉する排水弁体と、この排水弁体に対し閉弁付勢力を付与するバネと、上記排水弁体に対し弁軸を介して連結されたダイヤフラム弁体とを備えた逆止弁であって、
    上記ダイヤフラム弁体として、中径ダイヤフラム弁体と、大径ダイヤフラム弁体との2種類を備え、上記中径ダイヤフラム弁体が上記排水弁体に相対向するように上記弁軸に連結され、上記大径ダイヤフラム弁体が中径ダイヤフラム弁体を挟んで上記排水弁体とは反対側の位置で上記弁軸に連結され、
    上記大径ダイヤフラム弁体の一側は上記中径ダイヤフラム弁体との間に隔室が区画形成されかつこの隔室が大気開放とされ、
    上記大径ダイヤフラム弁体の他側は作動室が区画形成されかつこの作動室は上記通水路の内圧が導圧されて大径ダイヤフラム弁体に対し作動圧力として作用するように構成されている
    ことを特徴とする逆止弁。
  2. 請求項1に記載の逆止弁であって、
    上記通水路の内圧として正圧が導圧されたとき上記大径ダイヤフラム弁体に作用する作動圧力により上記排水弁体が上記バネに抗して開弁する一方、上記通水路の内圧として負圧が導圧されたとき上記大径ダイヤフラム弁体に作用する作動圧力により上記排水弁体が閉弁するように設定されている、逆止弁。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の逆止弁であって、
    上記中径ダイヤフラム弁体と、上記排水弁体との相対向する側の有効受圧面積が互いにほぼ等しくなるように設定されている、逆止弁。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の逆止弁であって、
    上記大径ダイヤフラム弁体に作用する作動圧力が上記バネの閉弁付勢力よりも大きくなるように大径ダイヤフラム弁体の有効受圧面積が設定されている、逆止弁。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の逆止弁が風呂回路に設置され、潜熱回収用熱交換器において発生するドレン水を排水させるためのドレン水処理回路が上記風呂回路に接続され、ドレン水処理回路から風呂回路に排水のために流されるドレン水の流れを受けて上記逆止弁が開弁変換するように構成されている
    ことを特徴とする風呂装置。
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