JP5859419B2 - 給湯機 - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯タンクを備えた給湯機に関する。
従来、湯水を貯える貯湯タンクを備えた貯湯式給湯機が知られている。貯湯式給湯機は、貯湯タンクの下部に貯留される低温の湯水を熱源ユニットで加熱し、高温の湯水にして貯湯タンクの上部に戻すことで貯湯タンク内の湯水を沸き上げるようになっている。
ところで、湯水は、加熱によって温度が上昇すると(例えば、15℃から90℃になると)、膨張する性質を有している。したがって、熱源ユニットにおける加熱で貯湯タンク内に貯留される湯水の温度が上昇すると、これに伴って当該湯水が膨張し、貯湯タンクの内圧が上昇する。
前記したように、貯湯タンクの上部には高温の湯水が貯留される。したがって、貯湯タンクの内圧が上昇すると、貯湯タンク内の上部に貯留されていた高温の湯が、逃がし弁を介して系外に排出される。その結果、沸き上げ運転時に高温の湯を排出する分、熱ロスが生じていた。このような熱ロスを低減する技術として、例えば、以下に示すものが開示されている。
すなわち、特許文献1には、沸き上げ運転中は逃がし弁に至る経路をタンク下部からの経路に切り替える方法が提案されている。また、この給湯機では、タンクから逃がし弁に至る流路上に3つのポートを有する調整弁(具体的には、混合弁)が複数配置されている。
特開2012−17906号公報
ところで、上記従来の給湯機では、膨張水の排出経路を切り替える際に、タンクから逃がし弁に至る流路上に複数配置された3つのポートを有する調整弁をどのような順序で制御するかについては検討がなされていない。しかしながら、このような複数の調整弁の制御順序によっては給湯端末や浴槽端末へ向かって意図せず高温の湯水が流出するおそれがある。
そこで、本発明は、膨張水の排出による熱ロスを低減しつつも、高温水の排出に対する安全性を高めた給湯機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、熱源によって加熱される湯水を貯留するタンクと、一端が前記タンクの上部に接続され、当該上部から少なくとも空気を流出させる上部流路と、一端が前記タンクの下部に接続され、当該下部から湯水を流出させる下部流路と、一端が前記タンクの上部と下部との中間部に接続され、当該中間部から湯水を流出させる中間部流路と、前記上部流路の他端に接続され、前記タンクの内圧が上昇した際に圧力を逃がす逃がし弁と、前記タンクから前記逃がし弁に至る流路を切り替える流路切替手段と、を備え、前記流路切替手段は、一方の入口ポートが前記中間部流路の他端に接続され、他方の入口ポートが配管を介して前記上部流路に接続される第1混合弁と、一方の入口ポートが前記第1混合弁の出口ポートに接続され、他方の入口ポートが前記下部流路の他端に接続され、出口ポートが給湯端末又は浴槽端末に接続される第2混合弁と、を有し、前記流路切替手段は、前記下部流路から前記第2混合弁及び前記第1混合弁を経由して前記逃がし弁に至る経路で前記タンク内の圧を抜く第1圧抜き処理と、前記上部流路から前記逃がし弁に至る経路又は前記中間部流路から前記第1混合弁を経由して前記逃がし弁に至る経路で前記タンク内の圧を抜く第2圧抜き処理と、を実行可能に構成され、前記第1圧抜き処理から前記第2圧抜き処理に移行する際、前記第2混合弁を前記一方の入口ポートと前記他方の入口ポートとが連通する状態から前記一方の入口ポートが閉じる状態に切り替えた後、前記第1混合弁を前記他方の入口ポートが閉じる状態又は前記一方の入口ポートと前記他方の入口ポートとが連通する状態に切り替えることを特徴とする。
本発明のその他の態様については、後記する実施の形態において説明する。
本発明によれば、膨張水の排出による熱ロスを低減しつつも、高温水の排出に対する安全性を高めた給湯機を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る給湯機の構成図である。 加熱運転において第1圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。 加熱運転において第2圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る給湯機の構成図である。 加熱運転において第1圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。 加熱運転において第2圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。
本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
<給湯機の構成>
図1は、第1実施形態に係る給湯機の構成図である。給湯機S1は、リモコン操作端末4を介した操作に応じて給湯端末51や浴槽端末52に給湯するものである。
図1に示すように、給湯機S1は、熱源ユニット1と、貯湯タンクユニット2と、本体コントローラ3と、リモコン操作端末4と、を備えている。
(熱源ユニット)
熱源ユニット1(熱源)は、周知のヒートポンプユニットを備え、貯湯タンク21から流入する低温の湯水を加熱する、つまり、沸き上げ運転又は沸き増し運転を行う際に用いられる。
ここで、「沸き上げ運転」とは、熱源ユニット1を稼動させて貯湯タンク21内の湯水を加熱する運転を意味している。なお、沸き上げ運転は、安価な夜間電力を用いて行うことが好ましい。また、「沸き増し運転」とは、貯湯タンク内21の残湯が少ない場合に熱源ユニット1を稼働させ、貯湯タンク21内の湯水を加熱する運転を意味している。
以下では、両者のいずれにも該当する場合、単に「加熱運転」と記すことがあるものとする。
熱源ユニット1の流入口(図示せず)は、配管a1を介して貯湯タンク21の下部に接続されている。一方、熱源ユニット1の流出口(図示せず)は、配管a2を介して貯湯タンク21の上部に接続されている。配管a1には、貯湯タンク21の下部から熱源ユニット1に向かう湯水の温度を検出する温度センサT5(温度検出手段)が設置されている。
なお、温度センサT5を配管a1に配置する代わりに、例えば、熱源ユニット1に搭載された水冷媒熱交換器(図示せず)の上流側に温度センサを配置してもよい。
加熱運転の際、本体コントローラ3からの指令信号に従ってポンプ(図示せず)が駆動すると、貯湯タンク21の下部に貯留されている低温の湯水は、配管a1を介して熱源ユニット1に圧送される。当該湯水は熱源ユニット1において加熱され、配管a2を介して貯湯タンク21の上部に戻される。
このように貯湯タンク21と熱源ユニット1との間で湯水が循環し、更には高温の湯水ほど密度が小さく浮上しやすいため、貯湯タンク21に貯留される湯水は上方に向かうにつれて高温になる。以下では、貯湯タンク21の上部に貯留される高温の湯水を「高温水」と記し、貯湯タンク21の下部に貯留される低温の湯水を「低温水」と記す。また、鉛直方向において、前記した高温水と低温水との間に位置する中温の湯水を「中温水」と記す。なお、通常使用時において、貯湯タンク21内の湯水は満水の状態になっている。
(貯湯タンクユニット)
貯湯タンクユニット2は主として、貯湯タンク21と、減圧装置22と、第1混合弁23aと、第2混合弁23bと、第1逆止弁25aと、第2逆止弁25bと、逃がし弁26と、熱交換器27と、を備えている。
貯湯タンク21(タンク)は、外形が円柱状のタンクであり、軸線が鉛直方向に沿うように設置されている。前記したように、貯湯タンク21は、熱源ユニット1によって加熱される湯水を貯留するものである。
貯湯タンク21の外側面には、鉛直方向(高さ方向)に沿って所定の間隔を空けて複数の温度センサT1〜T4(温度検出手段)が設置されている。当該温度センサT1〜T4によって検出される温度(つまり、温度センサT1〜T4それぞれの設置高さに対応する湯水の温度)は、本体コントローラ3に入力される。
減圧装置22は、配管b1を介して給水源から供給される水を所定圧力に減圧する装置である。つまり、減圧装置22の上流側は、減圧装置22の下流側(貯湯タンク21の内部も含む)よりも高圧となっている。
また、給水源に接続される配管b1から配管b2が分岐している。配管b2は、熱交換器27の2次側伝熱管(図示せず)及び配管b3を介して給湯端末51(蛇口、シャワーなど)に接続されている。なお、配管b3には流量センサQ1が設けられ、ユーザによって給湯端末51が開操作されると、配管b3内の湯水の流れを検知し、本体コントローラ3に出力するようになっている。
減圧装置22の下流側には配管b4が接続されている。そして、配管b4から分岐する配管b5は、貯湯タンク21の下部に接続されている。貯湯タンク21の下部に供給された水は、加熱運転時に熱源ユニット1に圧送されて加熱される。
ちなみに、本実施形態では、貯湯タンク21内の湯水が浴槽端末52を介して浴槽53に流出しなければ、配管b1,b5を介して貯湯タンク21に水が流入することはない。また、配管b5を介して貯湯タンク21に流入する水は温度が低く密度が大きいので、上部に貯留される高温水とはほとんど混合しない。
また、図1に示すように、一端が貯湯タンク21の上部と下部との中間部に接続され、当該中間部から湯水を流出させる配管b12(中間部流路)が設置されている。また、配管b12の他端は第1混合弁23aの一方の入口ポート(図示せず)に接続されている。
なお、浴槽53への給湯時において本体コントローラ3は、配管b12を介して貯湯タンク21から中温水が流出するように第1混合弁23a及び第2混合弁23bの開度を調整する。
第1混合弁23a(流路切替手段)は、給湯運転時において、配管b11を介して流入する高温水と、配管b12を介して流入する中温水とを所定の流量比で混合し、配管b13を介して第2混合弁23bの一方の入口ポートに向けて供給する混合弁である。図1に示すように、第1混合弁23aの2つの入口ポートのうち一方は配管b12に接続され、他方は配管b11を介して第1逆止弁25aよりも下流側の上部流路に接続されている。
ここで、前記した「上部流路」は、配管b9,b10を含んで構成され、一端が貯湯タンク21の上部に接続され、他端が逃がし弁26に接続されている。
また、第1混合弁23aの出口ポート(図示せず)は、配管b13を介して第2混合弁23bの一方の入口ポートに接続されている。
ここで、前記した「入口ポート」及び「出口ポート」の名称は、浴槽端末52への給湯動作を行う際の湯水の流れを基準としており、例えば、後記する第1圧抜き処理において「出口ポート」に湯水が流入する場合もある。
第2混合弁23b(流路切替手段)は、給湯運転時において、配管b13を介して流入する比較的高温の湯水と、給水源から配管b1,b4を介して流入する水とを所定の流量比で混合し、配管b7,b8を介して浴槽端末52に供給する混合弁である。図1に示すように、第2混合弁23bの2つの入口ポート(図示せず)のうち一方は配管b13を介して第1混合弁23aの出口ポートに接続され、他方は下部流路に接続されている。
ここで、前記した「下部流路」は、配管b5,b4を含んで構成され、一端が貯湯タンク21の下部に接続され、他端が第2混合弁23bの前記他方の入口ポートに接続されている。
また、第2混合弁23bの出口ポート(図示せず)は、配管b7、開閉弁24、及び配管b8を介して浴槽端末52に接続されている。ちなみに、浴槽53に湯はりする場合を除いて、開閉弁24は閉弁状態となっている。
第1逆止弁25aは、貯湯タンク21から逃がし弁26に向かう湯水の流れを許容し、逆向きの流れ(つまり、逃がし弁26から貯湯タンク21に向かう流れ)を禁止する弁であり、前記した上部流路(配管b9,b10)に設けられている。
また、第1逆止弁25a(及び、後記する第2逆止弁25b、第3逆止弁25c)は、自然対流に起因する差圧では開弁しないようになっている。ここで、自然対流に起因する差圧とは、高温水と低温水との密度差によって発生する差圧である。ちなみに、0℃の水と90℃の湯との密度差は最大3.6%であり、貯湯タンク21の高さを2mとした場合、約72mmの水頭圧(つまり、0.72kPa)が発生する。
したがって、第1逆止弁25aは、自然対流に起因して第1逆止弁25aの上流側と下流側との間に差圧(上流側が高圧)が発生しても開弁せず、貯湯タンク21の内圧の上昇に伴う所定値以上の差圧によって開弁するようになっている。
第2逆止弁25bは、逃がし弁26から貯湯タンク21に向かう流体(湯水、空気)の流れを許容するとともに、逆向きの流れ(つまり、貯湯タンク21から逃がし弁26に向かう流れ)を禁止する弁である。第2逆止弁25bは、前記した第1逆止弁25aと並列に接続されている。
なお、第2逆止弁25bは、例えば排水弁(図示せず)を介して貯湯タンク21内の湯水を排出する際、逃がし弁26を介して空気を取り込むために設けられている。ここで、前記した排水弁は、配管(図示せず)を介して貯湯タンク21の下部に接続されている。
逃がし弁26は、配管b10を介して第1逆止弁25aの下流側に接続されている。逃がし弁26は、貯湯タンク21の内圧が上昇して所定値以上となった場合に開弁し、前記内圧を系外に逃がす(つまり、貯湯タンク21の内圧を下げる)ための弁である。
熱交換器27は、給湯端末51から給湯する際、配管b9,c1を介して1次側伝熱管(図示せず)に流入する高温水と、配管b1,b2を介して2次側伝熱管(図示せず)に流入する水とを熱交換するものである。
熱交換器27が有する1次側伝熱管の一端は、配管c1を介して、逆止弁25aよりも上流側の配管b9に接続されている。また、前記した1次側伝熱管の他端は、配管c2、ポンプ28、配管c3、第3逆止弁25c、及び配管c4を介して貯湯タンク21の下部に接続されている。なお、第3逆止弁25cは、熱交換器27の1次側伝熱管から貯湯タンク21に向かう湯水の流れを許容し、これとは逆向きの流れを禁止する弁である。
(本体コントローラ)
本体コントローラ3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェースなどの電子回路を備えて構成され、その内部に記憶したプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、本体コントローラ3は、リモコン操作端末4から入力される操作信号や、流量センサQ1、温度センサT1〜T5から入力される検出信号に応じて、給湯端末51や浴槽端末52への湯水の供給、浴槽53の追い焚き運転、貯湯タンク21の圧抜きなどの動作を統括制御する。
なお、図1では、追い焚き運転用の回路の図示を省略している。
(リモコン操作端末)
リモコン操作端末4は、風呂リモコン4aと、台所リモコン4bと、を備えている。風呂リモコン4aは浴室の壁面に設置され、台所リモコン4bは台所付近の壁面に設置されている。風呂リモコン4a及び台所リモコン4bは、ユーザの操作に応じた操作信号を本体コントローラ3に出力する。
<給湯機の動作>
(待機状態)
加熱運転、給湯端末51又は浴槽端末52への給湯動作のいずれも行っていない待機状態において、本体コントローラ3は、第1混合弁23aを以下のように制御する。すなわち、本体コントローラ3は、配管b11内の流路と配管b12内の流路とを遮断するように第1混合弁23aの開度位置を制御し、配管b13に高温水が流入しないようにする。これによって、開閉弁24が開故障(つまり、閉弁指令を入力しても開弁したままとなる故障)した場合に浴槽端末52に高温水が流入することを回避し、かつ、配管b9〜b12を介した自然対流を防止できる。
また、この場合において第2混合弁23bの開度位置は任意である。
なお、前記制御に代えて本体コントローラ3は、第1混合弁23a及び第2混合弁23bを以下のように制御してもよい。すなわち、本体コントローラ3は、配管b12を介して中温水が流入しないように第1混合弁23aの開度位置を制御し、かつ、配管b9,b10,b11,b13などを介して高温水が流入しないように第2混合弁23bの開度位置を制御する。この場合でも、前記と同様の効果が奏される。
(加熱運転:第1圧抜き処理)
図2は、加熱運転において第1圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。なお、図2において配管内に示した実線は、貯留タンク21の下部に貯留される低温水が逃がし弁26を介して外部に排出される際の流路を示している(図3についても同様)。
本体コントローラ3は、貯湯タンク21に設置される複数の温度センサT1〜T4によって検出される温度や時刻情報などに基づいて、加熱運転を開始する。すなわち、本体コントローラ3は、所定の指令信号を熱源ユニット1に出力するとともに、ポンプ(図示せず)を駆動する。そうすると、貯湯タンク21の下部に貯留される低温水が、配管a1を介して熱源ユニット1に流入する。さらに、前記低温水は熱源ユニット1で加熱されて高温水となり、配管a2を介して貯湯タンク21の上部に戻される。つまり、密度の大きな低温水が密度の小さな高温水となって貯湯タンク21に戻されるので、貯湯タンク21の湯水の体積が増え、貯湯タンク21の内圧が高まる。
また、加熱運転時において本体コントローラ3は、下部流路(配管b5,b4)から第2混合弁23b及び第1混合弁23aを経由して逃がし弁26に至る経路で貯湯タンク21内の圧を抜く第1圧抜き処理を実行する。
より具体的には、本体コントローラ3は、配管b4内の流路と配管b13内の流路とが共に配管b7に連通する中間位置となるように第2混合弁23bの開度位置を制御する。また、本体コントローラ3は、配管b5,b4,b13などを介して流入する湯水がそのまま配管b11,b10などを介して系外に流出するように(換言すると、配管b12を介して中温水が流入しないように)、第1混合弁23aの開度位置を制御する。
本体コントローラ3によって第1圧抜き処理が実行されると、第1逆止弁25aの下流側は、配管b10,b11、第1混合弁23a、配管b13、第2混合弁23b、配管b4,b5を介して貯湯タンク21の下部と連通する。一方、第1逆止弁25aの上流側は、配管b9を介して貯湯タンク21の上部と連通している。
したがって、図2に示すように第1混合弁23a及び第2混合弁23bの開度位置が制御されると、第1逆止弁25aの上流側と下流側との間で差圧が生じなくなる。この状態で、温度上昇に伴って貯湯タンク21の内圧が上昇しても、第1逆止弁25aは開弁しない。また、当然のことながら、第2逆止弁25b及び第3逆止弁25cも開弁しない。
さらに、前記状態において、減圧装置22の下流側は、第1逆止弁25aが開弁する際の所定圧力よりも高くなっている。したがって、配管b1,b4を介して給水源から水が流入することはない。
一方、前記した第1圧抜き処理によって貯湯タンク21の下部は、前記した下部流路(配管b5,b4),第2混合弁23b、配管13、第1混合弁23a及び配管b11,b10を介して逃がし弁26と連通する。したがって、加熱運転の進行に伴って貯湯タンク21の内圧が上昇し、逃がし弁26を開弁させる所定圧力に達すると、貯湯タンク21の下部に貯留されていた低温水が下部排出流路及び逃がし弁26を介して系外に排出される。
このように、逃がし弁26を介して膨張分の低温水を排出することによって、貯湯タンク21の内圧を所定値以下に維持できる。また、逃がし弁26を介して排出される湯水は、貯湯タンク21の上部に貯留される高温水ではなく、貯湯タンク21の下部に貯留される低温水である。したがって、給湯機S1において加熱運転を行う際の熱ロスを低減できる。
ちなみに、加熱運転を行っている間に給湯端末51が開かれた場合でも、低温水が第2逆止弁25b、配管c1などを介して熱交換器27の1次側伝熱管(図示せず)に流入する虞はない。
これは、第2逆止弁25bが自然対流に起因する差圧によっては開弁しないようになっている(つまり、図2に示す経路よりも圧損が大きい)ためである。その結果、熱交換器27の1次側伝熱管には、貯湯タンク21の上部から高温水が流入し、熱交換器27の2次側伝熱管(図示せず)に流入する水との間で好適に熱交換が行われる。
本体コントローラ3は、加熱運転を開始した後、例えば温度センサT5によって検出される温度が所定値以上になるまで第1圧抜き処理を継続する。
(加熱運転:第2圧抜き処理)
図3は、加熱運転において第2圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。
加熱運転が進むにつれて貯湯タンク21内の湯水の温度が上昇し、当該湯水の中に溶け込んでいた空気が分離して貯湯タンク21の上部に溜まっていく。したがって、前記した第1圧抜き処理のみでは貯湯タンク21の上部に溜まった空気が系外に放出されず、加熱運転終了後などに浴槽53に湯水を張る際、浴槽端末52から空気混じりの湯水が流出してユーザに不快感を与える可能性がある。
本実施形態において本体コントローラ3は、温度センサT5によって検出される温度が所定値を超えた場合、第1混合弁23a及び第2混合弁23bの開度位置を切り替えて第2圧抜き処理を実行する。(つまり、温度センサT5によって検出される温度に基づいて第2圧抜き処理の可否を判定する)。例えば、貯湯タンク21内の温度を15℃から90℃とするために加熱運転を行う際、温度センサT5によって検出される湯水の温度が30℃以上となった場合、本体コントローラ3は以下の処理を実行する。
すなわち、本体コントローラ3は、上部流路(配管b9,b10)から逃がし弁26に至る経路で貯湯タンク26内の圧を抜く第2圧抜き処理を実行する。
より具体的には、本体コントローラ3は、貯湯タンク21内の湯水が配管b11及び第1混合弁23aを介して配管b13に流入しないように(換言すると、配管b12と配管b13とを連通させるように)、第1混合弁23aの開度位置を制御する。
また、本体コントローラ3は、貯湯タンク21内の湯水が配管b12、第1混合弁23a、配管b13、及び第2混合弁23bを介して配管b7に流入しないように(換言すると、配管b4と配管b7とを連通させるように)、第2混合弁23bの開度位置を制御する。
第2圧抜き処理が実行されると、貯湯タンク21の下部と逃がし弁26とを連通させていた流路が遮断される。その結果、第1逆止弁25aの下流側は圧力上昇が生じなくなる。一方、第1逆止弁25aの上流側は、配管b9を介して貯湯タンク21の上部と連通しているため、貯湯タンク21の内圧と等しい高圧の状態が維持される。
これによって、第1逆止弁25aの上流側と下流側とで差圧が発生し、かつ、当該差圧が第1逆止弁25aの許容する向きに対応するため、第1逆止弁25aが開弁する。なお、第1混合弁23a及び第2混合弁23bが前記した開度位置(図3参照)となるように制御されるため、自然対流が生じることもない。
第1逆止弁25aが開弁すると、貯湯タンク21の上部に溜まっていた空気(又は空気混じりの湯水)は、配管b9、第1逆止弁25a、配管b10、及び逃がし弁26を介して系外に排出される。したがって、貯湯タンク21の内圧が所定値以下に抑えられる。ちなみに、当該制御は加熱運転の終了直前に実行されるため、前記空気とともに高温水が排出された場合でも少量にとどまる。したがって、加熱運転時の熱ロスを低減しつつ、貯湯タンク21の上部に溜まっていた空気を系外に排出できる。
本体コントローラ3は、例えば、温度センサT5によって検出される湯水の温度が所定値以上となった場合、加熱運転を終了する。
なお、第1混合弁23aの開度を変更する期間中、配管b11,b13,b12がそれぞれ連通する状態が生じる。同様に、第2混合弁23bの開度を変更する期間中、配管b11,b12,b7,b4がそれぞれ連通する状態が生じる。
したがって、このとき第2混合弁23bが、配管b4と配管b7とを連通させる状態への切替えが完了していない状態(換言すると、配管b11,b12,b7,b4が連通している状態)で第1混合弁23aの開度を変更すると、配管b11,b12から配管b13を経由して配管b7へ至る経路が連通する状態が発生し得る。
このため、仮に開閉弁24が開の状態で故障した場合には、浴槽53へ高温の湯水が意図せず排出されるおそれがある。
なお、タンク中間部から第1混合弁23aに向かう経路には、タンク上部から第1混合弁23aに向かう経路のように圧力降下部材(第1逆止弁25a)が存在しないために圧力損失が小さく、高温水は配管b11よりも配管b12を通流しがちであると考えられる。
したがって、第2混合弁23bの切替えが完了した後(換言すると、配管b7,b4が連通し、配管b11,b12を介した流路を遮断している状態となった後)に、第1混合弁23aの開度位置を制御することが好ましい。
より具体的には、本体コントローラ3は、第1圧抜き処理から第2圧抜き処理に移行する際に、まず、第2混合弁23bを一方の入口ポート(配管b12に接続される側)と他方の入口ポート(配管b11に接続される側)とが連通する状態から、前記した一方の入口ポートが閉じる状態に切り替える。その後、本体コントローラ3は、第1混合弁23aを配管b11に接続される側の入口ポートが閉じる状態に切り替える。
このようにすれば、仮に開閉弁24が開故障(閉弁指令を入力しても開弁したままとなる故障)した場合であっても安全性を保つことができる。
なお、図3では、第1混合弁23aにおいて配管b12に接続される側の入口ポートと、配管b13に接続される出口ポートとを連通させる状態を示しているが、これに限らない。すなわち、配管b11に接続される側の入口ポートを閉じる状態にしさえすればよく、他のポートの状態は限定されない。
また、図3では、第2混合弁23bにおいて配管b4に接続される側の入口ポートと、配管b7に接続される出口ポートとを連通させる状態を示しているが、これに限らない。すなわち、配管b13に接続される側の入口ポートを閉じる状態にしさえすればよく、他のポートの状態は限定されない。
また、本体コントローラは、第1圧抜き処理から前記第2圧抜き処理に移行する際、第2混合弁23bを一方の入口ポート(配管b12に接続される側)と他方の入口ポート(配管b11に接続される側)とが連通する状態から、前記した一方の入口ポートが閉じる状態に切り替えた後、第1混合弁23aの一方の入口ポート(配管b12に接続される側)と他方の入口ポート(配管b11に接続される側)とが連通する状態に切り替えてもよい。
この場合でも、前記と同様の効果が奏される。
なお、第2混合弁23bの出口ポートが配管を介して蛇口端末に接続されている構造であれば、蛇口を開操作した場合にも同様の問題が存在し得るため、本実施形態の制御は、開閉弁24が開故障した場合に限らず有効である。
(湯はり運転、給湯運転)
加熱運転が終了すると、本体コントローラ3は、設定温度に応じた開度位置となるように混合弁23を制御する。浴槽53に湯を張る湯はり運転を行う際、本体コントローラ3は、第1混合弁23a及び第2混合弁23bの開度位置を、風呂リモコン4aから入力される操作信号に応じた所定位置となるように制御する。
本体コントローラ3によって開閉弁24が開かれると、配管b12を介して第1混合弁23aの一方の入口ポートに中温水が流入するとともに、配管b9〜b11を介して第1混合弁23a他方の入口ポートに高温水が流入する。当該中温水及び高温水は第1混合弁23aにおいて混合され、配管b13を介して第2混合弁23bの一方の入口ポートに流入する。当該湯水は、配管b1,b4などを介して第2混合弁23bの他方の入口ポートに流入する水と混合され、配管b7,b8などを介して浴槽端末52に供給される。
また、ユーザによって給湯端末51が開操作されると、流量センサQ1が湯水の流れを検知し、さらに本体コントローラ3によってポンプ(図示せず)が駆動される。その結果、配管c1を介して熱交換器27の1次側伝熱管(図示せず)に流入する高温水と、配管b2を介して熱交換器27の2次側伝熱管(図示せず)に流入する水とが熱交換し、配管b3を介して適度な温度の湯水が給湯端末51から供給される。一方、配管c1を介して熱交換器27の1次側伝熱管に流入した高温水は、2次側伝熱管を通流する水に放熱して低温水となり、配管c2〜c4などを介して貯湯タンク21の下部に戻される。
このように、本実施形態では、給水源から供給される水を貯湯タンク21内からの湯水によって温め、かつ、貯湯タンク21を経由しないで直接的に給湯端末51に供給する水道直圧給湯を行う。これによって、水道圧にほぼ等しい水圧の湯水を給湯端末51から供給できる。
<効果>
本実施形態に係る給湯機S1によれば、本体コントローラ3は、加熱運転を開始した後、温度センサT1の検出温度が所定値以上となるまでは第1圧抜き処理を実行する。これによって、貯湯タンク21の低温水が逃がし弁26から排出されることで圧抜きされる。つまり、逃がし弁26を介して放出される湯水は、貯湯タンク21上部に貯留される高温水ではなく、貯湯タンク21下部に貯留される低温水であるため、加熱運転時の熱ロスを低減できる。
また、温度センサT5の検出温度が所定値以上になると、本体コントローラ3は、第2圧抜き処理を実行する。これによって、貯湯タンク21の内圧を所定値以下に抑えつつ、貯湯タンク21の上部に溜まった空気を系外に排出できる。
したがって、例えば、浴槽53に湯はりする際に空気混じりの湯水が出てくることでユーザに不快感を与える虞がない。
また、本実施形態では、第1圧抜き処理と第2圧抜き処理とで流路を切り替える「流路切替手段」として、浴槽53に送る湯水の温調機能を有する第1混合弁23a及び第2混合弁23bを用いる。したがって、貯湯タンク21の圧抜きをするための配管及び流路切替手段を別途設ける必要がなく、低コストかつコンパクトな構成とすることができる。
また、貯湯タンク21の上部に溜まった空気を排出することで、貯湯タンク21の上部に貯留された湯水を熱交換器27の1次側伝熱管(図示せず)に送る際、ポンプ28でエア噛みを生じる虞がなく、安定した熱交換が可能となる。
また、第1混合弁23a及び第2混合弁23bの切り替えを、例えば温度センサT5の検出温度に応じて行うことで、配管b4(第2混合弁23bの水側配管)内の湯水の温度も調整できる。例えば、配管b4内の湯水の温度を、やけどの虞がない30℃や40℃程度とすることで、開閉弁24が開故障した場合でも安全性を保つことができる。
また、本実施形態では、浴槽端末52に給湯する際に貯湯タンク21に貯留されている中温水を用いる。一般に、熱源ユニット1が備えるヒートポンプシステムを用いて湯水を加熱する際、中温水から高温水にするよりも、低温水から高温水とするほうが高い熱効率となる。つまり、貯湯タンク21内に存在する中温水については、熱源ユニット1に流入させることなく直接的に使用することが望ましい。
すなわち、本実施形態に係る給湯機S1によれば、浴槽端末52への給湯時に貯湯タンク21内の中温水を直接的に用いることで、熱源ユニット1が備えるヒートポンプシステムを高効率で稼働させることができ、熱源ユニット1の消費電力を低減できる。
また、貯湯タンク21から逃がし弁26に至る流路を切り替える際、給湯端末51や浴槽端末52へ向かって意図せず高温の湯水が流出することを良好に防止することができるものであり、膨張水の排出による熱ロスを低減しつつも、高温水の排出に対する安全性を高めることができる。
また、本実施形態では、第1圧抜き処理から第2圧抜き処理に移行する際に、第2混合弁23bを2つの入口ポートが連通する状態から一方の入口ポート(配管b12に接続される側)を閉じる状態に切り換えた後、第1混合弁23aを他方の入口ポート(配管b11に接続される側)が閉じる状態に切り替える。したがって、仮に開閉弁24が開故障した場合であっても安全性を保つことができる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態に係る給湯機S2(図4参照)は、第1実施形態(図1参照)と比較して第1逆止弁25a及び第2逆止弁25bに代えて調整弁23eを備えている点が異なるが、その他の点は第1実施形態と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
<給湯機の構成>
図4は、本発明の第2実施形態に係る給湯機の構成図である。図4に示すように、調整弁23e(流路切替手段)の3つの入口ポートのうち、第1ポートが配管b10を介して逃がし弁26に接続され、第2ポートが配管b9を介して貯湯タンク21の上部に接続され、第3ポートが配管b6を介して混合弁23の一方の入口ポートに接続されている。
<給湯機の動作>
(待機状態)
待機状態において本体コントローラ3は、混合弁23及び調整弁23eを以下のように制御する。すなわち、本体コントローラ3は、配管b4内の流路が配管b7内の流路にのみ連通するように(つまり、配管b9,b6を介して高温水が流入しないように)、混合弁23の開度位置を制御する。
なお、本体コントローラ3が、前記制御に代えて、又は前記制御と併せて、配管b6内の流路が配管b10内の流路にのみ連通するように(つまり、配管b9を介して高温水が流入しないように)、調整弁23eの開度位置を制御するようにしてもよい。
これによって、仮に開閉弁24が開故障した場合でも、高温水が貯湯タンク21の上部から浴槽53に流入することを確実に回避できる。
(加熱運転:第1圧抜き処理)
図5は、加熱運転において第1圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。加熱運転時において本体コントローラ3は、下部流路から混合弁23及び調整弁23eを経由して逃がし弁26に至る経路で貯湯タンク21内の圧を抜く第1圧抜き処理を実行する。
ここで、前記した「下部流路」は、配管b5,b4を含んで構成される。
より具体的には、本体コントローラ3は、配管b4内の流路と配管b6内の流路とが連通する中間位置となるように混合弁23を制御するとともに、配管b6内の流路と配管b10内の流路とが連通する(換言すると、配管b9内の流路と配管b10内の流路とを遮断する)開度位置となるように調整弁23eを制御する。
加熱運転によって貯湯タンク21の内圧が上昇すると、貯湯タンク21の下部に貯留されている低温水(膨張水)が、下部流路(つまり、配管b5,b4)及び逃がし弁26を介して系外に放出される。これによって、貯湯タンク21の内圧を所定値以下に維持できる。
(加熱運転:第2圧抜き処理)
図6は、加熱運転において第2圧抜き処理を行う際の湯水の流れを示す説明図である。
本実施形態において本体コントローラ3は、温度センサT5によって検出される温度が所定値を超えた場合、混合弁23及び調整弁23eの開度位置を切り替えて第2圧抜き処理を実行する。(つまり、温度センサT5によって検出される温度に基づいて第2圧抜き処理の可否を判定する)。
すなわち、本体コントローラ3は、上部流路から逃がし弁26に至る経路で貯湯タンク21内の圧を抜く第2圧抜き処理を実行する。ここで、前記した「上部流路」は、配管b9を含んで構成される。すなわち、上部流路の一端は貯湯タンク21の上部に接続され、他端は調整弁23eの前記第2ポートに接続されている。
第2圧抜き処理を実行する際、本体コントローラ3は、配管b9内の流路と配管b10内の流路とを連通させるように(換言すると、配管b9内の流路と配管6内の流路とを遮断するように)、調整弁23eの開度位置を制御する。これによって、貯湯タンク21の上部に溜まっていた空気又は空気混じりの湯水が、内圧によって上部流路(つまり、配管b9)及び逃がし弁26を介して系外に排出される。これによって、貯湯タンク21内の内圧を所定値以下に抑えると共に、貯湯タンク21の上部に溜まっていた空気を系外に排出することができる。
なお、混合弁23の開度を変更する期間中、配管b4,b6,b7がそれぞれ連通する状態が生じる。同様に、調整弁23eの開度を変更する期間中、配管b6,b9,b10がそれぞれ連通する状態が生じる。
したがって、このとき混合弁23が、配管b4と配管b7とを連通させる状態への切替えが完了していない状態(換言すると、配管b4,b6,b7が連通している状態)で調整弁23eの開度を変更すると、配管b9,b6から配管b6を経由して配管b7へ至る経路が連通する状態が発生し得る。
このため、仮に開閉弁24が開の状態で故障した場合には、浴槽53へ高温の湯水が意図せず排出されるおそれがある。
したがって、混合弁23の切替えが完了した後(換言すると、配管b4,b7が連通し、配管b6を介した流路を遮断する状態となった後)に、調整弁23eの開度位置を制御することが好ましい。
より具体的には、本体コントローラ3は、第1圧抜き処理から第2圧抜き処理に移行する際に、まず、混合弁23を一方の入口ポート(配管b6に接続される側)と他方の入口ポート(配管b4に接続される側)とが連通する状態から、前記した一方の入口ポートが閉じる状態に切り替える。その後、本体コントローラ3は、調整弁23eを配管b9に接続される第2ポートが閉じる状態に切り替える。
このようにすれば、仮に開閉弁24が開故障した場合であっても安全性を保つことができる。
なお、図6では、混合弁23において配管b4に接続される側の入口ポートと、配管b13に接続される出口ポートとを連通させる状態を示しているが、これに限らない。すなわち、配管b6に接続される側の入口ポートを閉じる状態にしさえすればよく、他のポートの状態は限定されない。
また、図6では、調整弁23eにおいて配管b10に接続される第1ポートと、配管b9に接続される第2ポートとを連通する状態にしさえすればよく、第3ポートの状態は限定されない。
(湯はり運転、給湯運転)
湯はり運転を行う際、本体コントローラ3は、混合弁23を温度設定に応じた所定の開度位置に制御するとともに、配管b9内の流路と配管b6内の流路とを連通させるように調整弁23eの開度位置を制御する。これによって、混合弁23に向かう高温水は、配管b9、調整弁23e、及び配管b6を介して供給される。一方、混合弁23に向かう低温水は、配管b5,b4を介して供給される。
なお、給湯運転については、第1実施形態と同様であるから説明を省略する。
<効果>
本実施形態に係る給湯機S2によれば、第1圧抜き処理を実行することによって、貯湯タンク21の低温水を逃がし弁26から排出して圧抜きすることができる。このとき、貯湯タンク21下部に貯留される低温水が排出されるため、加熱運転時の熱ロスを低減できる。
また、第2圧抜き処理を実行ことによって、貯湯タンク21の内圧を所定値以下に抑えつつ、貯湯タンク21の上部に溜まった空気を系外に排出できる。したがって、例えば、浴槽53に湯はりする際に空気混じりの湯水が出てくることでユーザに不快感を与える虞がない。
また、本実施形態に係る給湯機S2によれば、貯湯タンク21から逃がし弁26に至る流路を切り替える際、給湯端末51や浴槽端末52に向かって意図せず高温の湯水が流出することを良好に防止することができるものであり、膨張水の排出による熱ロスを低減しつつも、高温水の排出に対する安全性を高めることができる。
また、本実施形態では、第1圧抜き処理から第2圧抜き処理に移行する際、混合弁23の2つの入口ポートが連通する状態から一方の入口ポート(配管b6に接続される側)が閉じる状態に切り替えた後、調整弁23eの第2ポートが閉じる状態から第1・第2ポートが連通する状態に切り替える。
これによって、仮に開閉弁24が開故障した場合であっても安全性を保つことができる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る給湯機S1,S2について各実施形態により説明したが、本発明の実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記各実施形態では、加熱運転を行う際、温度センサT5によって検出される温度が所定値に達した場合、本体コントローラ3が第1圧抜き処理から第2圧抜き処理に切り替える場合について説明したが、これに限らない。例えば、貯湯タンク21の外側面に設置されている温度センサT1〜T4(特に、下部に設置されている温度センサT4)の温度に基づいて、前記切り替えを行ってもよい。また、温度センサT1〜T5のうち複数の検出結果に基づいて前記切り替えを行ってもよい。つまり、熱源ユニット1に流入する湯水の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)を備え、当該温度センサの検出値に応じて第1圧抜き処理と第2圧抜き処理の切り替えを行えばよい。
また、温度センサT1〜T5による検出値に代えて、例えば、図1に示す配管b5内の圧力値に基づいて第1圧抜き処理と第2圧抜き処理の切り替えタイミングを決定しもよい。この場合、本体コントローラ3は、加熱運転を開始した後、配管b5に設置される圧力センサ(図示せず)の検出値が所定値に達するまでは第1圧抜き処理を実行し、前記圧力センサの検出値が前記所定値に達した後は第2圧抜き処理を実行する。
また、本体コントローラ3が、給湯端末51や浴槽端末52からの給湯を行わない時間帯を学習するシステムを備え、当該時間帯において第1圧抜き処理及び第2圧抜き処理を行うことが好ましい。これによって、給湯運転時において配管c1(図1参照)に空気が流入することを防止できる。
また、本体コントローラ3が、加熱運転開始時の各温度センサT1〜T5の検出温度や外気温度などに基づいて第1圧抜き処理、第2圧抜き処理それぞれに要する時間を学習し、当該時間に応じて第1圧抜き処理及び第2圧抜き処理の切り替えを行ってもよい。
さらに、第1圧抜き処理及び第2圧抜き処理それぞれに要する時間の学習と、前記した給湯運転を行わない時間帯の学習とを組み合わせてもよい。これによって、最適な時刻に加熱運転を開始することができる。
また、第1実施形態では、第2混合弁23bの出口ポートが配管b7,b8を介して浴槽端末52に接続される構成としたが、これに限らない。すなわち、第2混合弁23bの一方の入口ポートが第1混合弁23aの出口ポートに接続され、他方の入口ポートが下部流路の他端に接続され、出口ポートが給湯端末51に接続されるように配設してもよい。
また、第2実施形態の混合弁23についても同様のことがいえる。
また、第1実施形態において、貯湯タンク21の所定位置に接続される配管b12に逆止弁(図示せず)を設けてもよい。なお、当該逆止弁は、貯湯タンク21から第2混合弁23bへ流れる向きを許容し、これとは逆向きの流れを禁止する弁である。これによって、配管b12を介した対流を確実に防止できる。
また、第2実施形態では、給水源から供給される水を貯湯タンク21内からの湯水によって温めて給湯端末51に供給するいわゆる給水加熱給湯方式を採用したが、例えば、給湯端末51に関しても貯湯タンク21内の高温水を直接利用して給湯するいわゆるタンク出湯方式を採用してもよい。
また、前記各実施形態では、第1圧抜き処理から第2圧抜き処理に切り替える際の湯水の温度が一定(例えば、30℃)である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、温度センサT5によって検出される温度が、冬季は10℃である場合に前記切り替えを実行し、夏季は25℃で前記切り替えを実行するなど、季節によって温度閾値を変えてもよい。
また、前記各実施形態では、熱源ユニット1としてヒートポンプシステムを用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、電気ヒータ、ガスエンジンなど他の熱源を用いてもよい。
また、前記各実施形態では減圧方式の給湯機S1,S2について説明したが、これに限らない。すなわち、貯湯タンク21内の湯水を媒体として水道水を間接的に加熱し、浴槽53に供給する直圧方式の給湯システムにも前記各実施形態を適用できる。
S1,S2 給湯機
1 熱源ユニット(熱源)
2 貯湯タンクユニット
21 貯湯タンク(タンク)
23 混合弁(流路切替手段)
23a 第1混合弁(流路切替手段)
23b 第2混合弁(流路切替手段)
23e 調整弁(流路切替手段)
25a 第1逆止弁
26 逃がし弁
27 熱交換器
28 ポンプ
3 本体コントローラ(流路切替手段)
4 リモコン操作端末
51 給湯端末
52 浴槽端末
53 浴槽
T1,T2,T3,T4,T5 温度センサ(温度検出手段)

Claims (3)

  1. 熱源によって加熱される湯水を貯留するタンクと、
    一端が前記タンクの上部に接続され、当該上部から少なくとも空気を流出させる上部流路と、
    一端が前記タンクの下部に接続され、当該下部から湯水を流出させる下部流路と、
    一端が前記タンクの上部と下部との中間部に接続され、当該中間部から湯水を流出させる中間部流路と、
    前記上部流路の他端に接続され、前記タンクの内圧が上昇した際に圧力を逃がす逃がし弁と、
    前記タンクから前記逃がし弁に至る流路を切り替える流路切替手段と、を備え、
    前記流路切替手段は、
    一方の入口ポートが前記中間部流路の他端に接続され、他方の入口ポートが配管を介して前記上部流路に接続される第1混合弁と、
    一方の入口ポートが前記第1混合弁の出口ポートに接続され、他方の入口ポートが前記下部流路の他端に接続され、出口ポートが給湯端末又は浴槽端末に接続される第2混合弁と、を有し、
    前記流路切替手段は、
    前記下部流路から前記第2混合弁及び前記第1混合弁を経由して前記逃がし弁に至る経路で前記タンク内の圧を抜く第1圧抜き処理と、前記上部流路から前記逃がし弁に至る経路又は前記中間部流路から前記第1混合弁を経由して前記逃がし弁に至る経路で前記タンク内の圧を抜く第2圧抜き処理と、を実行可能に構成され、
    前記第1圧抜き処理から前記第2圧抜き処理に移行する際、前記第2混合弁を前記一方の入口ポートと前記他方の入口ポートとが連通する状態から前記一方の入口ポートが閉じる状態に切り替えた後、前記第1混合弁を前記他方の入口ポートが閉じる状態又は前記一方の入口ポートと前記他方の入口ポートとが連通する状態に切り替えること
    を特徴とする給湯機。
  2. 熱源によって加熱される湯水を貯留するタンクと、
    一端が前記タンクの上部に接続され、当該上部から少なくとも空気を流出させる上部流路と、
    一端が前記タンクの下部に接続され、当該下部から湯水を流出させる下部流路と、
    前記タンクの内圧が上昇した際に圧力を逃がす逃がし弁と、
    前記タンクから前記逃がし弁に至る流路を切り替える流路切替手段と、を備え、
    前記流路切替手段は、
    第1ポートが配管を介して前記逃がし弁に接続され、第2ポートが前記上部流路の他端に接続される調整弁と、
    一方の入口ポートが配管を介して前記調整弁の第3ポートに接続され、他方の入口ポートが前記下部流路の他端に接続され、出口ポートが給湯端末又は浴槽端末に接続される混合弁と、を有するとともに、
    前記下部流路から前記混合弁及び前記調整弁を経由して前記逃がし弁に至る経路で前記タンク内の圧を抜く第1圧抜き処理と、前記上部流路から前記逃がし弁に至る経路で前記タンク内の圧を抜く第2圧抜き処理と、を実行可能に構成され、
    前記第1圧抜き処理から前記第2圧抜き処理に移行する際、前記混合弁を前記一方の入口ポートと前記他方の入口ポートとが連通する状態から前記一方の入口ポートが閉じる状態に切り替えた後、前記調整弁を前記第2ポートが閉じる状態から前記第1ポートと前記第2ポートとが連通する状態に切り替えること
    を特徴とする給湯機。
  3. 前記タンクの下部から前記熱源に流入する湯水の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記流路切替手段は、
    前記温度検出手段によって検出される温度に基づいて前記第2圧抜き処理の可否を判定すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯機。
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