JP2010106295A - ドラム缶用冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.0015〜0.060%、Si:0.0015〜0.060%、Mn:0.15〜0.60%、P:0.0015〜0.060%、S:0.0015〜0.060%、Al:0.015〜0.060%、N:0.0015%以上〜0.0050%未満を含有し、残部がFeおよび不可否的不純物からなり、かつ、前記C,Nのうち、固溶NとCの合計で、0.0005〜0.0020%であることを特徴とするドラム缶用冷延鋼板およびその製造方法。
【選択図】図1
Description
(1)質量%で、C:0.0015〜0.060%、Si:0.0015〜0.060%、Mn:0.15〜0.60%、P:0.0015〜0.060%、S:0.0015〜0.060%、Al:0.015〜0.060%、N:0.0015%以上〜0.0050%未満を含有し、残部がFeおよび不可否的不純物からなり、かつ、前記C,Nのうち、固溶NとCの合計で、0.0005〜0.0020%であることを特徴とするドラム缶用冷延鋼板。
(2)質量%で、C:0.0015〜0.060%、Si:0.0015〜0.060%、
Mn:0.15〜0.60%、P:0.0015〜0.060%、S:0.0015〜0.060%、Al:0.015〜0.060%、N:0.0015%以上〜0.0050%未満を含有し、残部がFeおよび不可否的不純物からなる鋼素材を、1000〜1200℃の温度に加熱し、820〜920℃の温度で熱間圧延し、600〜700℃の温度で捲取り後、酸洗デスケーリングし、40〜85%の圧下率で冷延間圧延を行い、660〜720℃の温度で30〜300秒間再結晶処理した後、5℃/秒以上の冷却速度で300〜450℃まで冷却し、300〜450℃の温度範囲で10〜300秒保持した過時効処理を行い、1〜5%の圧下率で調質圧延を施すことにより、固溶NとCの合計が0.0005〜0.0020%の鋼板を製造することを特徴とするドラム缶用冷延鋼板の製造方法。
「C:0.0015〜0.060%」
Cは延性を低下させ加工性を悪化させる有害な元素であるが、その量を制限すればドラム缶再生に極めて有効な元素となり、本発明にとって最も重要な化学成分となる。特に上限については0.060%を超えると有害な側面が顕著になるので0.060%以下、好ましくは0.040%以下とする。ただし効果的なBH強化を得るためには0.0015%以上含有させることが望ましく、必要なBH効果に応じて増やすものとする。また鋼中の固溶C量は5ppm以上10ppm未満の範囲であることが望ましい。この固溶C量は内部摩擦法により分析されたものとする。この値が5ppm未満だと充分なBH効果が期待できず、一方、10ppm以上になると常温保管においてもBH効果が現われてドラム缶の曲げ加工時に缶強度に必要な真円が得られなくなる。従って調質圧延ままの鋼板においては必ずこの固溶C範囲を確保する必要がある。
「Si:0.0015〜0.060%」
Siは、強化元素として有用であるが、多量に含有すると冷間圧延性、表面処理性、耐食性が劣化する。このため、Si含有量は0.0015〜0.060%が好ましい。
「Mn:0.15〜0.60%」
Mnは結晶粒を微細化する作用を有しており、Mnの添加は材質上、0.15%以上が好ましい。しかし、多量に添加すると、耐食性が劣化する傾向となるうえ、鋼板を硬質化させ冷間圧延性を劣化させるため、Mn:0.15〜0.60が好ましい範囲である。
「P:0.0015〜0.060%」
Pは、鋼を著しく硬質化させ、ドラム缶製造時のフランジ加工性やネック加工性を劣化させるとともに、耐食性を著しく劣化させる。また、Pは鋼中で偏析する傾向が強く、溶接部の脆化をもたらす。このようなことからP含有量は0.0015〜0.060%が好ましい。
「S:0.0015〜0.060%」
Sは、鋼中では主として介在物として存在するため、鋼板の伸びを減少させ、さらに耐食性を低下させるため、できるだけ低減するのが好ましく、また、熱間延性を劣化させ、鋳造や熱間圧延の阻害要因となるので0.060%以下とする。
「Al:0.015〜0.060%」
Alは、脱酸元素として添加され鋼の清浄度を向上させる有用な元素であり、さらに組織を微細化させる作用も有しており、積極的に添加する。しかし、Al含有量が多いと鋼板表面性状が劣化し、固溶N量が顕著に低減する。このため、Al含有量は0.060%以下が好ましい。また、AlNの析出により結晶粒成長を抑えるピン止め効果を有するため、0.015〜0.060%%の範囲が好ましい。
「N:0.0015%以上〜0.0050%未満」
Nは固溶NとしてBH効果を増加させる元素であるが、C以上に常温保管においてBH効果が現われやすくドラム缶の曲げ加工時の真円確保が得難くなる。従って極力少なく使用することが望ましいが、鋼製造が大気中で行われており不可避的に混入する元素であるからAl添加によりNをAlNとして固定する。ここでN量が0.0050%を超えるとAlによる安定したN固定が困難となるのでN量は0.0050%以下、好ましくは0.0025%以下とする。本発明においてはBH効果をNによらずCのみで得ることを目指しているが、5ppm未満の微量NであればBH効果への補助的強化作用が期待できるので下限を0.0015%とする。
「前記C,N含有量のうち、固溶NとCの合計で、0.0005〜0.0020%」
製缶後の缶強度を安定して高強度にするためには、前記C,N含有量のうち、固溶NとCの合計で、0.0005〜0.0020%の範囲とするのが好ましい。固溶N量の調整は、鋼素材の全N量およびC量と熱延(冷延)焼鈍条件の組合せで行うことができる。
「1000〜1200℃の範囲に加熱」
鋼素材を、加熱し熱間圧延を施す。スラブ加熱温度は析出したAlNの再固溶を防止し、熱延前段階で固溶N量を抑える温度域とするため1200℃以下の範囲とするのが好適である。また、1000℃未満では、変形抵抗が高くなり圧延荷重が増加して熱間圧延が困難となる。
「820〜920℃範囲で熱間圧延」
A3変態点以上の温度域で熱延することにより均一な組織が得られ、最終製品の材質も均質となるうえ、熱延板段階で固溶Nを安定して確保でき、最終製品での機械的特性も安定するため熱間圧延温度は820℃以上とする。一方、熱間圧延温度が920℃を超えると熱延ワークロールに肌荒れが進展し表面品位が著しく劣化する。
「600〜700℃の範囲で捲取り」
加熱段階のAlN溶解で固溶したNをAlNとして再析出させる捲取り温度範囲とするため600℃以上で捲き取り、700℃超で捲き取ると材質バラツキが大きい。
「40〜85%の範囲で冷延間圧延」
熱延にて得られた均一組織を細粒化し、かつ焼鈍時の鋼板形状を平坦に維持して最終製品形状を良好に保つため、冷間圧延の圧下率は40〜85%の範囲とするのが好ましい。
「焼鈍温度660〜720℃で30〜300秒間の範囲で再結晶処理」
冷延板は再結晶温度以上の温度660〜720℃の範囲で30〜300秒間焼鈍する。ここでは、再結晶温度は再結晶終了温度を意味する。焼鈍を再結晶終了温度未満で実施すると、組織が未再結晶組織となる。未再結晶組織は、強度は高いが延性が低く、また、高温に晒された場合に急激に軟化する傾向を示すため、高温に晒される用途、例えば、溶接組立を行うドラム缶等の用途には不適となる。さらに、鋼板の幅方向、長手方向で材質のバラツキが大きくなる。
「5℃/秒以上の冷却速度」
再結晶温度から過時効温度域までを5℃/秒以上で冷却することにより結晶粒内炭化物の析出を誘起させる。
「過時効温度300〜450℃で10〜300秒間保持する過時効処理」
粒内、粒界の炭化物析出サイトに過剰な固溶Cが析出できる温度と時間の範囲とするため、 300〜450℃の範囲で10〜300秒間保持して過時効処理を行う。過時効処理は低温になると固溶C析出に長時間を要すので下限を300℃とする。一方、平衡的に固溶されるCが多くなる高温域の上限は450℃とする。この温度域で平衡的に固溶したC量は10ppm以下である。保定時間が長いほど固溶C析出は進むが10〜300秒で効果が徐々に弱まり、上限時間以上の保定は生産性を阻害する。
(1)調質圧延まま鋼板と1〜15回焼却処理された鋼板のYP、TS値は同等にある。
(2)15回焼却した鋼板の固溶(C+N)量は25ppm%であり、素材鋼板9ppmより増加しておりショットブラストによるBH効果が強化される。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.0015〜0.060%、
Si:0.0015〜0.060%、
Mn:0.15〜0.60%、
P:0.0015〜0.060%、
S:0.0015〜0.060%、
Al:0.015〜0.060%、
N:0.0015%以上〜0.0050%未満を含有し、
残部がFeおよび不可否的不純物からなり、
かつ、前記C,Nのうち、固溶NとCの合計で、0.0005〜0.0020%であることを特徴とするドラム缶用冷延鋼板。 - 質量%で、
C:0.0015〜0.060%、
Si:0.0015〜0.060%、
Mn:0.15〜0.60%、
P:0.0015〜0.060%、
S:0.0015〜0.060%、
Al:0.015〜0.060%、
N:0.0015%以上〜0.0050%未満を含有し、
残部がFeおよび不可否的不純物からなる鋼素材を、1000〜1200℃の温度に加熱し、820〜920℃の温度で熱間圧延し、600〜700℃の温度で捲取り後、酸洗デスケーリングし、40〜85%の圧下率で冷延間圧延を行い、660〜720℃の温度で30〜300秒間再結晶処理した後、5℃/秒以上の冷却速度で300〜450℃まで冷却し、300〜450℃の温度範囲で10〜300秒保持した過時効処理を行い、1〜5%の圧下率で調質圧延を施すことにより、固溶NとCの合計が0.0005〜0.0020%の鋼板を製造することを特徴とするドラム缶用冷延鋼板の製造方法。
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CN114635093A (zh) * | 2022-03-25 | 2022-06-17 | 包头钢铁(集团)有限责任公司 | 一种家电用冷轧低碳钢的制造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1180886A (ja) * | 1997-09-04 | 1999-03-26 | Kawasaki Steel Corp | ドラム缶用冷延鋼板およびその製造方法ならびに鋼製高強度ドラム缶 |
JPH11302782A (ja) * | 1998-04-21 | 1999-11-02 | Kawasaki Steel Corp | ドラム缶用高強度鋼板およびその製造方法ならびに鋼製ドラム缶 |
JP2007197742A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Nippon Steel Corp | 溶接缶用冷延鋼板およびその製造方法 |
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- 2008-10-29 JP JP2008277543A patent/JP5315928B2/ja active Active
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