JP2010105827A - 石英材の製造方法および石英材 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伝導率に異方性を持たせることで半導体プロセス等において必要な温度分布を得ることができる石英材の製造方法および石英材を提供する。
【解決手段】石英材からなるコア部材2と、石英材からなる外管部材3と、コア部材2と外管部材3との間に形成された気泡を含む層からなる断熱層4と、を備える石英材の製造方法および石英材。
【選択図】図1
【解決手段】石英材からなるコア部材2と、石英材からなる外管部材3と、コア部材2と外管部材3との間に形成された気泡を含む層からなる断熱層4と、を備える石英材の製造方法および石英材。
【選択図】図1
Description
本発明は、石英材であるコア部材の外側に石英材からなる外管部材を成形した石英材の製造方法および石英材に関し、特に熱伝導特性の改良に関する。
一般的に石英材は、耐熱性や高純度等の特性に優れているため、半導体プロセス等の設備用材料として使用されている。このような石英材の用途の一例として、図4に示すような、化合物半導体単結晶の製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された製造装置は、下部に種子結晶103と、上部に封止剤104と結晶ブロック105を配置し、外壁に補強台座102を有するルツボ101が、不図示のヒータによって加熱される。このヒータからの熱の遮蔽を行うために、補強台座102に接する突起106を有する石英ガラス製の石英材107がルツボ101を覆うように配置されている。
これにより、化合物半導体融液の重量荷重を支持してルツボ101の破損を防止しながら、ルツボ101上部の側面部分の熱伝導を石英材107によって抑制して、ルツボ101内の設定温度を降下させないようにしている。
ところが、上記特許文献1に開示された石英材107では、熱伝導が等方向であるため、側面からも熱が逃げて、均熱面が曲面状(外側ほど熱が低い)になるため、必要な設定温度が得られない場合があり得る。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱伝導率に異方性を持たせることで半導体プロセス等において必要な温度分布を得ることができる石英材の製造方法および石英材を提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明に係る石英材の製造方法は、石英材からなるコア部材の表面に石英材からなる外管部材を成形する際に、該コア部材と該外管部材との間に気泡を含む層からなる断熱層を形成することを特徴としている。
このように構成された石英材の製造方法によれば、コア部材の表面に外管部材を成形する際に、コア部材と外管部材との間に気泡を含む層からなる断熱層を簡単に形成することができる。
また、本発明に係る石英材の製造方法は、前記外管部材がコラプス法により前記コア部材と一体化されることが好ましい。
このように構成された石英材の製造方法によれば、コア部材の表面に外管部材を配置して、外管部材内の減圧を保ちながら、外管部材の外側を加熱処理する。これにより、外管部材がコア部材側に収縮して一体化される。このとき、コア部材と外管部材との間に気泡を含む層からなる断熱層を簡単に形成することができる。
また、本発明に係る石英材の製造方法は、前記外管部材が前記コア部材の表面にすす付けを行ってガラス微粒子を堆積させ、該ガラス微粒子を焼結させることで形成されることが好ましい。
このように構成された石英材の製造方法によれば、コア部材の表面にすす付けによりガラス微粒子を堆積させてから、ガラス微粒子を焼結させて外管部材を成形する。これにより、コア部材と外管部材との間に気泡を含む層からなる断熱層を簡単に形成することができる。
また、本発明に係る石英材の製造方法は、前記コア部材の表面に粗面が形成されていることが好ましい。
このように構成された石英材の製造方法によれば、コア部材の表面に粗面が形成されることで、低めの加熱温度で処理する際に、粗面が良好に保存される。このため、コア部材と外管部材との間に断熱層を良好に形成することができる。
また、上記課題を解決することができる本発明に係る石英材は、石英材からなるコア部材と、石英材からなる外管部材と、前記コア部材と前記外管部材との間に形成された気泡を含む層からなる断熱層と、を備えることを特徴としている。
このように構成された石英材によれば、コア部材と外管部材との間に気泡を含む層からなる断熱層を備えている。これにより、熱伝導率が軸方向に高く、径方向に低くなるので、熱伝導率に異方性を持たせることができる。このように熱伝導率に異方性を持たせることにより、従来のような等方向に熱伝導率を有するものと比べて、半導体プロセス等において必要な温度分布を持たせることができる。
また、別部材を組み付ける等の複雑な工程を行うことなく、既存の製造装置を用いて、断熱層を簡単に形成することができる。
また、別部材を組み付ける等の複雑な工程を行うことなく、既存の製造装置を用いて、断熱層を簡単に形成することができる。
本発明に係る石英材の製造方法および石英材によれば、熱伝導率の異方性を持たせることで半導体プロセス等において必要な温度分布を得ることができる石英材の製造方法および石英材を提供できる。
以下、図を参照して本発明の複数の好適な実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る石英材の外観斜視図、図2は本発明に係る第1実施形態の石英材の製造方法の手順を示し、(A)は石英材の製造方法の第1段階を説明する断面図、(B)は石英材の製造方法の第2段階を説明する断面図である。
図1は本発明に係る石英材の外観斜視図、図2は本発明に係る第1実施形態の石英材の製造方法の手順を示し、(A)は石英材の製造方法の第1段階を説明する断面図、(B)は石英材の製造方法の第2段階を説明する断面図である。
図1に示すように、本実施形態である石英材の製造方法を用いて得られた石英材1は、コア部材2と、外管部材3と、断熱層4と、から構成されている。
図2(A)に示すように、この石英材1の製造方法は、コア部材2に外管部材3を被せてから外管部材3をバーナ10で加熱して、コア部材2と一体化させて形成することができる(コラプス法)。具体的なコラプス条件は、石英材の特性(融点など)に応じて設定される。また、製造設備は、通常使用されるコラプス装置を使用することができる。
外管部材3は、SiO2製の円筒部材であり、コア部材2は、SiO2製の円柱部材である。この外管部材3の内周部にコア部材2が挿通される。そして、バーナ10による加熱開始時に、外管部材3が回転され、バーナ10の移動に伴って、外管部材3がコア部材2と中実になるように、外管部材3が連続的に収縮されて一体化される。
図2(B)に示すように、外管部材3とコア部材2とが一体化されていく際に、コア部材2の表面に粗面5が形成されているため、コア部材2と外管部材3との界面に気泡が発生し、これが気泡を含む断熱層4となって形成される。
断熱層4は、コア部材2の表面に形成されるため、コア部材2に伝わった熱を軸方向には伝え易く、径方向には伝え難くする。また、断熱層4は、外管部材3の内周面に形成されるため、外管部材3に伝わった熱を軸方向には伝え易く、径方向には伝え難い。すなわち、石英材1の熱伝導率は異方性を有している。
以上説明したように、第1実施形態の石英材の製造方法によれば、コア部材2と外管部材3との間に形成される断熱層4は、コア部材2の熱伝導率がコア部材2の軸方向に高く、径方向に低い異方性を持たせる。また、この断熱層4は、外管部材3の熱伝導率が外管部材3の軸方向に高く、コア部材に向けた径方向に低い異方性を持たせる。これにより、従来のもののような等方向の熱伝導を有するものと比べて、半導体プロセス等における必要な温度分布を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、本発明に係る石英材の製造方法の第2実施形態について説明する。図3(A)は、石英材の製造方法の第1段階を説明する断面図、(B)は石英材の製造方法の第2段階を説明する断面図である。なお、以下の第2実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
次に、図3を参照して、本発明に係る石英材の製造方法の第2実施形態について説明する。図3(A)は、石英材の製造方法の第1段階を説明する断面図、(B)は石英材の製造方法の第2段階を説明する断面図である。なお、以下の第2実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
図3(A)に示すように、本実施形態である石英材の製造方法は、表面に粗面5が形成されているコア部材2の表面にすす付けを行ってガラス微粒子6を堆積させ、ガラス微粒子6を焼結させる。これにより、外管部材3を透明化して成形する際に、コア部材2と外管部材3との間に気泡を含む層からなる断熱層4を形成することができる。
コア部材2の表面に堆積されたガラス微粒子6が焼結されて、コア部材2の外側に外管部材3が一体化されていく際に、コア部材2の表面に粗面5が形成されているため、コア部材2と外管部材3との界面に気泡が発生する。これが気泡を含む断熱層4となって形成される。
断熱層4は、コア部材2の表面に形成されるため、コア部材2に伝わった熱を軸方向には伝え易く、径方向には伝え難くする。また、断熱層4は、外管部材3の内周面に形成されるため、外管部材3に伝わった熱を軸方向には伝え易く、径方向には伝え難くする。これにより、熱伝導率に異方性を有する石英材1を得ることができる。
以上説明したように、第2実施形態の石英材の製造方法によれば、コア部材2の表面にすす付けによりガラス微粒子6を堆積させてから、ガラス微粒子6を焼結させて外管部材3を成形するすす付け法を用いて、コア部材2と外管部材3との間に気泡を含む層からなる断熱層4を簡単に形成することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
1 石英材
2 コア部材
3 外管部材
4 断熱層
5 粗面
6 ガラス微粒子
10 バーナ
2 コア部材
3 外管部材
4 断熱層
5 粗面
6 ガラス微粒子
10 バーナ
Claims (5)
- 石英材からなるコア部材の表面に石英材からなる外管部材を成形する際に、該コア部材と該外管部材との間に気泡を含む層からなる断熱層を形成することを特徴とする石英材の製造方法。
- 前記外管部材は、コラプス法により前記コア部材と一体化されることを特徴とする請求項1記載の石英材の製造方法。
- 前記外管部材は、前記コア部材の表面にすす付けを行ってガラス微粒子を堆積させ、該ガラス微粒子を焼結させることで形成されることを特徴とする請求項1記載の石英材の製造方法。
- 前記コア部材は、その表面に粗面が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の石英材の製造方法。
- 石英材からなるコア部材と、
石英材からなる外管部材と、
前記コア部材と前記外管部材との間に形成された気泡を含む層からなる断熱層と、
を備えることを特徴とする石英材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276443A JP2010105827A (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 石英材の製造方法および石英材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276443A JP2010105827A (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 石英材の製造方法および石英材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010105827A true JP2010105827A (ja) | 2010-05-13 |
Family
ID=42295656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008276443A Pending JP2010105827A (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 石英材の製造方法および石英材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010105827A (ja) |
-
2008
- 2008-10-28 JP JP2008276443A patent/JP2010105827A/ja active Pending
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