JP2010105250A - 書類の真贋判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に書類の真贋を判定可能な方法を提供することを目的とする。
【解決手段】用紙1上にレーザプリンタを用いて情報を印刷する。これとともに、蛍光性物質と、情報の印刷において使用されたレーザプリンタのトナーに含まれているのと同一の樹脂製分とを含む蛍光層2を用紙1上に形成しておく。このようにして作成された書類Pは、紫外線を照射して蛍光層2の剥がれの有無を確認することにより検査される。ここで、情報の印刷において使用されたレーザプリンタのトナーに含まれているのと同一の樹脂製分が蛍光層に含まれているから、このトナーを用紙の表面から脱落させようとすると、蛍光層もともに脱落してしまい、書き換えられた情報の周囲には蛍光層が存在しないこととなる。したがって、紫外線照射によって蛍光層の脱落の有無を確認することで、書類の真贋を容易に確認することができるのである。
【選択図】図4
【解決手段】用紙1上にレーザプリンタを用いて情報を印刷する。これとともに、蛍光性物質と、情報の印刷において使用されたレーザプリンタのトナーに含まれているのと同一の樹脂製分とを含む蛍光層2を用紙1上に形成しておく。このようにして作成された書類Pは、紫外線を照射して蛍光層2の剥がれの有無を確認することにより検査される。ここで、情報の印刷において使用されたレーザプリンタのトナーに含まれているのと同一の樹脂製分が蛍光層に含まれているから、このトナーを用紙の表面から脱落させようとすると、蛍光層もともに脱落してしまい、書き換えられた情報の周囲には蛍光層が存在しないこととなる。したがって、紫外線照射によって蛍光層の脱落の有無を確認することで、書類の真贋を容易に確認することができるのである。
【選択図】図4
Description
本発明は、書類の真贋判定方法に関する。
レーザプリンタは、一般企業はもとより官公庁等においても広く普及してきており、身分証明書等の公的な証明書類への印字にも使用されている。しかし、印字に使用されるトナーは用紙基材に熱により定着しているだけであり、印刷インク等と比較して接着力が弱い。このため、用紙基材に定着しているトナーを削り取ってその後に別の文字等を印刷するという手法での書類の贋造が後を絶たない。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1に記載の偽造防止技術が提案されている。この技術は、印字される文字に反応して発色する感熱発色剤層を用紙に形成しておくことで、印字された文字を削ってその後に別の文字等を印刷することを難しくするものである。
特開平7−225488公報
しかし、上記のような方法では、感熱発色剤層を設けた特殊な用紙を使用しなければならず、書類作成のコストがかさむという問題がある。特に、贋造の多発に悩む発展途上国で使用するには現実的でない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、簡便に書類の真贋を判定可能な方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、本発明の書類の真贋判定方法は、用紙上にレーザプリンタを用いて情報を印刷する情報印刷工程と、可視光下では目視できず紫外線照射により目視可能となる蛍光性物質を含むものであって前記情報印刷工程において前記用紙上に定着したレーザプリンタのトナーが剥離された場合に共に剥離される蛍光層を前記用紙において少なくとも前記情報の印刷が行われる情報記載領域に形成する蛍光層形成工程とを含む書類作成工程と、前記書類作成工程により作成された書類に紫外線を照射して前記蛍光層の剥がれの有無を確認する検査工程と、を含むものである。
本発明によれば、書類作成工程において、用紙上にレーザプリンタを用いて情報を印刷する。これとともに、蛍光性物質を含むとともに情報印刷工程において用紙上に定着したレーザプリンタのトナーが剥離された場合に共に剥離される蛍光層を用紙において少なくとも情報が記載される情報記載領域に形成しておく。このようにして作成された書類は、紫外線を照射して蛍光層の剥がれの有無を確認することにより検査される。
ここで、書類を贋作しようとする者は、印刷された文字、すなわち用紙上に定着しているトナーを削り取ってその後に別の文字を印刷することで記載された情報の改ざんを行う。このとき、蛍光層は用紙上のトナーが剥離された場合に共に剥離されるように構成されているから、このトナーを用紙の表面から脱落させようとすると、蛍光層もトナーと共に容易に脱落してしまい、書き換えられた情報の周囲には蛍光層が存在しないこととなる。したがって、紫外線照射によって蛍光層の脱落の有無を確認することで、書類の真贋を容易に確認することができるのである。
以下、本発明の書類の真贋判定方法を具体化した第1実施形態について、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。
図1には、真贋判定の対象となる書類P(本実施形態では一例として運転免許証を示す)を示す。本実施形態では、矩形状の用紙1の表側面に黒枠で囲まれた個人情報記載領域Aが設けられている。この領域Aの内部はいくつかの区分に区分けされて、それぞれに氏名、生年月日、住所等の個人情報が記載され、あるいは写真が貼付されるようになっている。なお、本実施形態の適用対象となる書類Pにおいては、これらの個人情報はレーザプリンタによって印刷されている。
書類Pの表側面には、個人情報の印刷の上に重ねて、全面に渡って蛍光層2が形成されている。この蛍光層2は、蛍光トナーにより構成され、レーザプリンタを用いた印刷により形成される。蛍光トナーは、個人情報の印刷に使用されたトナー(以下、「情報印刷用トナー」と記載する)に含まれる樹脂材料と同一の樹脂材料、および蛍光性物質を含む。蛍光性物質は、書類Pを通常に使用する状態での個人情報の視認を妨げないよう、可視光下では目視できず、紫外線照射下において目視可能となるものであればよい。蛍光層2は、本実施形態においては小さな文字および絵柄によって構成されているが、網点、メッシュ、塗りつぶし等、どのような形態であっても構わない。特に、模造を防止するという観点から、印刷にある程度の技術を用し、模倣されにくい微細文字によって構成されることが好ましい。
次に、上記のような書類Pの作成方法(書類作成工程)について説明する。まず、用紙1の表側面における個人情報記載領域A内に、レーザプリンタを用いて個人情報を印刷し、必要な場合は写真の貼付等を行う(情報印刷工程)。レーザプリンタとしては市販されている通常のものを使用することができる。
次に、この個人情報の印刷に重ねて、蛍光トナーを用いて印刷を行うことにより、蛍光層2を形成する。印刷は、例えば通常のレーザプリンタに蛍光トナーをセットして行うことができ(蛍光層形成工程)、あるいは、通常のモノクロおよびカラートナーに加えて蛍光トナーをセット可能なように構成されたレーザプリンタを用いて行うこともできる。
続いて、このようにして作成された書類Pが改ざんされていないかどうかを確認する検査工程について説明する。図2に示すように、書類Pに、例えばブラックライトLを用いて紫外線を照射する。書類Pが、改ざんされていない真正のものであれば、蛍光層2が形成された表側面の全面に渡って蛍光色の文字および絵柄が浮かび上がるのが確認される。
一方、改ざんされた書類P’(本実施形態では氏名・住所が書き換えられ、写真が貼り替えられている;図3参照)に紫外線を照射すると、改ざんされた情報の周辺部においては蛍光色の文字および図柄が消えていることが確認される。このような場合、書類P’が贋造されたものであると判定される。
このように本実施形態においては、書類Pを改ざんしようとして、用紙1上に定着している文字、すなわち情報印刷用トナーの一部を削り取ると、その周辺の蛍光層2も共に削り取られる。この理由は、以下のようである。本実施形態においては、蛍光層2の形成に使用される蛍光トナーに、情報印刷用トナーに含まれる樹脂材料と同一の樹脂材料が含まれるようにしている。このため、情報印刷用トナーと蛍光トナーとの親和性は高い。したがって、情報印刷用トナーを用紙1の表面から脱落させようとすると、蛍光トナーも共に脱落してしまう。そして、この上に別の情報を印刷しても、書き換えられた情報の周囲には蛍光層2が存在しないこととなる。したがって、紫外線照射によって蛍光層2の脱落の有無を確認することで、書類Pの真贋を容易に確認することができるのである。
加えて、本実施形態においては、個人情報が先に印刷され、蛍光層がその上に重ねて印刷される。このようにすれば、情報印刷用トナーの上に蛍光トナーが重ねられた状態となるため、情報印刷用トナーを削り取る際に、蛍光トナーが確実に脱落する。これにより、真贋の判定をより確実なものとすることができる。
なお、本実施形態の書類Pにおいては、ホログラム、DNAインク等の偽造防止手段を併せて採用することもできる。これにより、書類Pに偽造抑止効果を併せ持たせることが可能となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本発明の適用対象となる書類は、上記実施形態に例示したものに限るものではなく、例えば出生証明書、パスポート、戸籍謄本、住民票等の公的な書類はもちろん、契約書や企業の秘密情報が記載された書類など、改ざんの対象となりうる書類であればいかなるものであってもよい。
(2)上記実施形態では、情報印刷工程の後に蛍光層形成工程を行ったが、蛍光層の形成は情報を印刷する前であっても構わない。
(3)蛍光層の形成領域は用紙全面でなくてもよく、少なくとも改ざんの対象となる情報が記載される領域に形成されていればよい。また、用紙の表裏両面に情報が記載される場合には、蛍光層も表裏両面に施されていることが好ましい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本発明の適用対象となる書類は、上記実施形態に例示したものに限るものではなく、例えば出生証明書、パスポート、戸籍謄本、住民票等の公的な書類はもちろん、契約書や企業の秘密情報が記載された書類など、改ざんの対象となりうる書類であればいかなるものであってもよい。
(2)上記実施形態では、情報印刷工程の後に蛍光層形成工程を行ったが、蛍光層の形成は情報を印刷する前であっても構わない。
(3)蛍光層の形成領域は用紙全面でなくてもよく、少なくとも改ざんの対象となる情報が記載される領域に形成されていればよい。また、用紙の表裏両面に情報が記載される場合には、蛍光層も表裏両面に施されていることが好ましい。
1…用紙
2…蛍光層
P、P’…書類
2…蛍光層
P、P’…書類
Claims (4)
- 用紙上にレーザプリンタを用いて情報を印刷する情報印刷工程と、可視光下では目視できず紫外線照射により目視可能となる蛍光性物質を含むものであって前記情報印刷工程において前記用紙上に定着したレーザプリンタのトナーが剥離された場合に共に剥離される蛍光層を前記用紙において少なくとも前記情報の印刷が行われる情報記載領域に形成する蛍光層形成工程とを含む書類作成工程と、
前記書類作成工程により作成された書類に紫外線を照射して前記蛍光層の剥がれの有無を確認する検査工程と、を含む書類の真贋判定方法。 - 前記書類作成工程において前記蛍光層形成工程が前記情報印刷工程の前に行われる、請求項1に記載の書類の真贋判定方法。
- 前記書類作成工程において前記蛍光層形成工程が前記情報印刷工程の後に行われる、請求項1に記載の書類の真贋判定方法。
- 前記蛍光層形成工程において、前記蛍光層が前記トナーに含まれている樹脂製分と同一の樹脂製分を含むものである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の書類の真贋判定方法。
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JP2008278640A JP2010105250A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 書類の真贋判定方法 |
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JPH0422774U (ja) * | 1990-06-15 | 1992-02-25 | ||
JPH06227190A (ja) * | 1993-01-29 | 1994-08-16 | Toppan Moore Co Ltd | 改竄防止用印字シート |
JPH10849A (ja) * | 1996-06-14 | 1998-01-06 | Toppan Moore Co Ltd | 偽造防止用記録シート |
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2008
- 2008-10-29 JP JP2008278640A patent/JP2010105250A/ja active Pending
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