JP2010102083A - ズームレンズ及びそれを用いた撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ系全体がコンパクトで、全ズーム範囲及び物体距離全般にわたり高い光学性能が得られるズームレンズを得ること。
【解決手段】物体側より像側へ順に負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折率の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3を有し、該第1レンズ群L1は負の第11レンズG11と正の第12レンズG12から成り、該第11レンズG11の物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR11、R12、該第12レンズG12の物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR21、R22とするとき、−5.6<(R12+R21)/(R12−R21)<−4.7、1.5<(R11+R22)/(R11−R22)<2.3なる条件式を満足すること。
【選択図】図1

Description

本発明はズームレンズに関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、フィルム用カメラ、TVカメラ等の撮像装置に好適なものである。
最近、固体撮像素子を用いたビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置(カメラ)は、高機能化及び小型化されている。そして撮像装置の高機能化及び小型化にともない、それに用いる光学系には高い光学性能を有した小型のズームレンズであることが求められている。
また、この種のカメラには、レンズ最後部と撮像素子との間に、ローパスフィルターや色補正フィルターなどの各種の光学部材が配置される。この為、それに用いるズームレンズには、比較的バックフォーカスの長いことが要求される。
さらに、カラー画像用の撮像素子を用いたカラーカメラの場合には、色シェーディングを避けるため、像側のテレセントリック特性の良いことが望まれている。
全系が小型でバックフォーカスが長く、しかも像側のテレセントリック特性の良いズームレンズとして、負の屈折力のレンズ群が先行する(最も物体側に位置する)ネガティブリード型のズームレンズが知られている。
ネガティブリード型のズームレンズとして、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、および正の屈折力の第3レンズ群より成る3群ズームレンズが知られている(特許文献1〜3)。
このタイプの3群ズームレンズにおいて、ズーミングに際し全てのレンズ群が移動し、高ズーム比化を図った、小型の3群ズームレンズが知られている(特許文献4、5)。
一方、近年撮像装置においてはズームレンズの諸収差のうち歪曲収差の補正を光学的に行わずに電気的に画像処理で補正することが行われている。
これによって、広画角化を図ったときに多く生ずる歪曲収差を軽減し、良好なる画像を得ている。
特開2003−131132号公報 特開2008−046529号公報 特開2006−171421号公報 特開2004−061675号公報 特開2005−331641号公報
近年、ビデオカメラやデジタルカメラ等に用いるズームレンズには、撮像装置の小型化及び高性能化に伴って小型でかつ高い光学性能を有することが強く要望されている。
また広範囲の被写体が容易に得られるよう広画角で高ズーム比であることが要望されている。
前述したネガティブリード型の3群ズームレンズにおいて全系の小型化及び高ズーム比化を図るにはズームレンズを構成する各レンズ群のレンズ枚数を少なくし、かつ各レンズ群の屈折力を強めるのが有効である。
しかしながら、例えば、高ズーム比化を図るため、各レンズ群の屈折力を単に強めると、ズーミングに伴う収差変動が増大し、全ズーム範囲において高い光学性能を得るのが困難になってくる。
このため、ネガティブリード型の3群ズームレンズにおいて、全系の小型化、広画角化かつ高ズーム比化を達成するためには、各レンズ群のレンズ構成や各レンズ群の屈折力配置を適切に設定することが重要になってくる。更にズーミングの際の各レンズ群の移動軌跡等を適切に設定することが重要となってくる。
例えば、第1レンズ群のレンズ構成や屈折力等を適切に設定しないと全系の小型化および広画角化を図りつつ、高い光学性能を得るのが困難になってくる。
この他、ズーミング及びフォーカシングに際して第3レンズ群が移動するリアーフォーカス式を採用した3群ズームレンズでは第3レンズ群の屈折力やレンズ構成等を適切に設定することが重要になってくる。
これらの各レンズ群のレンズ構成を適切に設定しないと、ズーミング及びフォーカシングに伴う諸収差の変動が大きくなり、全ズーム範囲及び物体距離全般にわたり高い光学性能を得るのが大変困難になってくる。
本発明は、レンズ系全体がコンパクトで、全ズーム範囲及び物体距離全般にわたり高い光学性能が得られるズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折率の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群を有し、
該第1レンズ群は負の第11レンズと正の第12レンズから成り、
該第11レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR11、R12、該第12レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR21、R22とするとき、
−5.6<(R12+R21)/(R12−R21)<−4.7
1.5<(R11+R22)/(R11−R22)<2.3
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、レンズ系全体がコンパクトで、全ズーム範囲及び物体距離全般にわたり高い光学性能が得られるズームレンズが得られる。
本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群を有している。
ズーミングに際して各レンズ群が独立に移動する。
また、フォーカシングは第3レンズ群を移動させて行っている。
本発明のズームレンズでは、前述した3群ズームレンズの他に第1レンズ群の物体側又は第3レンズ群の像側の少なくとも一方に屈折力のあるレンズ群が配置されていても良い。
図1は本発明の実施例1の広角端(短焦点距離端)におけるレンズ断面図である。図2、図3、図4は本発明の実施例1の広角端、中間のズーム位置、望遠端(長焦点距離端)における収差図である。実施例1はズーム比2.86、開口比3.28〜5.97程度のズームレンズである。
図5は本発明の実施例2の広角端におけるレンズ断面図である。図6、図7、図8は本発明の実施例2の広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。実施例2はズーム比2.86、開口比3.28〜5.97程度のズームレンズである。
図9は本発明の実施例3の広角端におけるレンズ断面図である。図10、図11、図12は本発明の実施例3の広角端、中間、望遠端における収差図である。実施例3はズーム比2.86、開口比3.28〜5.98程度のズームレンズである。
図13は本発明の実施例4の広角端におけるレンズ断面図である。図14、図15、図16は本発明の実施例4の広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。実施例4はズーム比2.86、開口比3.28〜5.95程度のズームレンズである。
図17は本発明の実施例5の広角端におけるレンズ断面図である。図18、図19、図20は本発明の実施例5の広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。実施例5はズーム比3.92、開口比2.81〜5.98程度のズームレンズである。
図21は本発明のズームレンズを備えるデジタルスチルカメラの要部概略図である。

各実施例のズームレンズは撮像装置に用いられる撮影レンズ系であり、レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。
尚、各実施例のズームレンズをプロジェクター等の光学機器に用いるときは、左方がスクリーン、右方が被投影画像となる。
レンズ断面図において、L1は負の屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)の第1レンズ群、L2は正の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群である。
SPは開放Fナンバー(Fno)光束を決定(制限)する開口絞りの作用をするFナンバー決定部材(以下「開口絞り」ともいう。)である。
SSPはフレアーカット絞りである。
GBは光学フィルター、フェースプレート、水晶ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が置かれる。
収差図のうち、球面収差図においては、d線及びg線を示している。FnoはFナンバーである。非点収差図において、ΔM、ΔSはメリディオナル像面、サジタル像面である。倍率色収差はg線によって表している。ωは半画角である。
尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用レンズ群(第2レンズ群L2)が機構上、光軸上移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。
レンズ断面図において、矢印は広角端から望遠端へのズーミングに際しての各レンズ群の移動軌跡を示している。
各実施例のズームレンズでは、広角端から望遠端のズーム位置へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が像側に凸状の軌跡の一部を描いて略往復移動して、変倍に伴う像面変動を補正している。第2レンズ群L2が物体側に単調に移動して主たる変倍を行っている。第3レンズ群L3は像側に凸状の軌跡の一部を描いて移動している。
このとき広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が小さく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔が大きくなるように各レンズ群が移動している。 また、第3レンズ群L3を光軸上移動させてフォーカシングを行うリアーフォーカス用している。第3レンズ群L3に関する実線の曲線3aと点線の曲線3bは、各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。
又、望遠端において無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には、矢印3cに示すように第3レンズ群L3を前方(物体側)に繰り出すことで行っている。尚、第1レンズ群L1はフォーカスの為には光軸方向に不動であるが、収差補正上必要に応じて移動させてもよい。
各実施例では、第2レンズ群L2全体を光軸に対して垂直方向の成分を持つように動かす事で、ズームレンズに振動が伝わった際の像のブレを補正している。尚、このとき第2レンズ群L2全体だけでなく第2レンズ群L2の一部のレンズ群を変位させて像のブレを補正するようにしても良い。
各実施例のズームレンズにおいて、第1レンズ群L1は負の第11レンズと正の第12レンズから成っている。
第11レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR11、R12とする。第12レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR21、R22とする。
このとき、
−5.6<(R12+R21)/(R12−R21)<−4.7 ・・・(1)
1.5<(R11+R22)/(R11−R22)<2.3 ・・・(2)
なる条件式を満足している。
各実施例では、広画角で全系のコンパクト化を図る為に、物体側より順に負、正、正の屈折力のレンズ群より成る3群ズームレンズを採用している。そして、第1レンズ群L1を構成する第11レンズと第12レンズのレンズ形状を条件式(1)、(2)を満足するように設定している。これによって、特に広画角化を図る際の歪曲収差を適切に補正している。
条件式(1)は、第1レンズ群L1を構成する負の第11レンズと正の第12レンズとの間の空気レンズの形状に関する条件式である。
条件式(1)の下限値を下回ると、歪曲収差を補正するのが有利となるが、望遠端において球面収差がアンダーとなり、これを補正するのが困難となる。
一方、上限値を上回ると、広角端において像面湾曲がオーバーとなり、また、望遠端において球面収差がオーバーになり、これらを補正するのが困難となる。
条件式(2)は、第1レンズ群L1の入射面(第1レンズ面)と射出面(第4レンズ面)のレンズ形状に関する条件式である。条件式(2)の下限値を下回ると、望遠端において球面収差を補正する上で困難となる。
一方、上限値を上回ると、広角端において歪曲収差を補正するのが有利となるが、前玉有効径が増大し、全系の小型化を図るのが困難になる。
尚、各実施例において、収差補正上更に好ましくは、条件式(1)、(2)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−5.55<(R12+R21)/(R12−R21)<−4.75・・・(1a)
1.5<(R11+R22)/(R11−R22)<2.2 ・・・(2a)
各実施例では以上のように各レンズ群を構成することによって、レンズ系全体を小型化し、簡易なレンズ構成にもかかわらず、全変倍範囲、又、物体距離全般にわたり高い光学性能を得ている。
尚、各実施例のズームレンズにおいて、更に良好なる光学性能を得るため、又はレンズ系全体の小型化を図るために、次の構成のうちの1つを満足するのが良い。これにより各構成に相当する効果を得ることができる。
第3レンズ群L3は正の第31レンズから成り、第31レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR31、R32とする。
iを物体側からのレンズ群の順序とし、第iレンズ群の焦点距離をfiとする。
広角端における全系の焦点距離をfwとする。
第1レンズ群L1の最も物体側の面頂点と最も像側の面頂点の光軸上の距離をD1とする。
このとき
−0.4<(R31+R32)/(R31−R32)<0.2 ・・・(3)
−0.6<f1/f3<−0.3 ・・・(4)
1.4<f2/fw<2.0 ・・・(5)
−0.45<D1/f1<−0.25 ・・・(6)
なる条件式のうち1以上を満足するのが良い。
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。
条件式(3)は、第3レンズ群L3を構成する正の第31レンズの入射面(物体側の面)と射出面(像側の面)のレンズ形状に関する条件式である。
条件式(3)の下限値を下回ると、物体側の面より像側の面の曲率が緩くなり、広角端において無限遠物体から至近物体へのフォーカス時に像面変動が大きくなり、これを補正するのが困難となる。
一方、上限値を上回ると、物体側の面より像側の面の曲率がきつくなり、望遠端において無限遠物体から至近物体へのフォーカス時に像面変動が大きくなり、これを補正するのが困難となる。
条件式(4)は、第1レンズ群L1と第3レンズ群L3のパワー配分(屈折力配分)に関する条件式である。条件式(4)の下限値を下回ると、第1レンズ群L1のパワーが強まり、広角端において像面湾曲がオーバーとなり、これを補正するのが困難となる。
一方、上限値を上回ると、第3レンズ群L3のパワーが弱まり、無限遠物体から至近物体へのフォーカス時の第3レンズ群L3の移動量が増え、また像面湾曲の変動が大きくなる為、好ましくない。
条件式(5)は、広角端の焦点距離に対する第2レンズ群L2のパワー配分に関する条件式である。条件式(5)の下限値を下回ると、第2レンズ群L2のパワーが強まり、レンズ全長は短縮されるが、ズーミングに際して像面湾曲の変化が大きくなり、これを補正するのが困難となる。
一方、上限値を上回ると、第2レンズ群L2のパワーが弱まり、ズーミングの際の移動量が増えて、全系のコンパクト化が困難になる。
条件式(6)は、第1レンズ群L1の光軸方向の総厚と第1レンズ群L1の焦点距離の比に関する条件式である。条件式(6)の下限値を下回ると、第1レンズ群L1内の第1レンズと第2レンズの空気間隔が広くなり、光軸方向の厚みが増して、沈胴時において全系の厚さが増大してくるので良くない。
一方、上限値を上回ると、第1レンズ群L1のパワーが弱まり、ズーミングに際して移動量が増えて、全系の小型化が困難になる。
尚、各実施例において更に好ましくは条件式(3)〜(6)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−0.35<(R31+R32)/(R31−R32)<0.15 ・・・(3a)
−0.55<f1/f3<−0.35 ・・・(4a)
1.45<f2/fw<1.90 ・・・(5a)
−0.4 <D1/f1<−0.3 ・・・(6a)
以上のように各実施例のズームレンズでは、各レンズ群の構成、特に第1レンズ群の各レンズのレンズ形状、各レンズ群のパワー配置等を適切に設定している。これにより、広画角であり、倍率(ズーム比)3〜4倍程度まで対応し、コンパクトで広角端から望遠端に至る全ズーム範囲にわたり、又無限遠物体から至近物体に至る物体距離全般にわたり高い光学性能を得ている。
尚、各実施例のズームレンズは撮像装置に適用したときは歪曲収差を電子的な手法によって補正処理するのが好ましい。又、例えば監視用カメラなど、歪曲収差をある程度許容することが可能なカメラに用いるときはそのまま使用しても良い。
次に各実施例のズームレンズのレンズ構成の特徴について説明する。
各実施例では負の屈折力のレンズ群が先行するネガティブリード型を選択して、後側主点位置を像側へ位置させて長いバックフォーカスを容易に得ている。
そして、像側のテレセントリック特性を良くするために、撮像素子(像面)に最も近い第3レンズ群を正の屈折力のレンズ群とし、フィールドレンズの役割を持たせている。
第1レンズ群L1は物体側から像側へ順に、物体側の面が凸でメニスカス形状の負レンズG11、物体側の面が凸でメニスカス形状の正レンズG12より構成している。
第2レンズ群L2は、物体側より像側へ順に、物体側の面が凸形状の正レンズG21と像側の面が凹形状の負レンズG22を接合した接合レンズ、両凸形状の正レンズG23より構成している。
第3レンズ群は両凸形状の単一の正レンズG31より構成している。
Fナンバー決定部材SPは、光軸方向に関して、第2レンズ群L2の最も物体側に配置されたレンズG21の物体側頂点と、レンズG21の物体側の面と外周部(コバ部)との交点の間に配置している。
このように、Fナンバー決定部材SPを第2レンズ群L2中に置き、ズーミングに際して第2レンズ群L2と共に移動させて広角側での入射瞳と第1レンズ群L1との距離を縮めている。
Fナンバー決定部材SPをこのように配置することにより望遠端における第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が詰められるため、ズーミングのための第2レンズ群L2の物体側への移動量を十分確保することができる。これにより高ズーム化としながら望遠端におけるレンズ全長の増大を防いでいる。
フレアーカット絞りSSPはFナンバー決定絞りSPと同様に光軸方向に関して、第3レンズ群L3の第31レンズG31の物体側頂点と第31レンズG31の物体側の面と外周部(コバ部)との交点の間に配置している。
各実施例では以上の様に、各レンズ群を構成する事により、良好な光学性能を保ちつつ、レンズ全系のコンパクト化を達成している。
この他、前述の如く各レンズ群の屈折力およびズーミングの際の各レンズ群の移動軌跡等を適切に設定することで、広画角・高ズーム比で、沈胴式のズームレンズに適した、ズーム比が3〜4程度の優れた光学性能を有するズームレンズを達成している。
また、レンズ群中に効果的に非球面を導入することによって軸外諸収差、特に広角端における像面湾曲および大口径比化した際の球面収差の補正を効果的に行った高い光学性能を有したズームレンズを得ている。
次に、本発明の数値実施例を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順序を示し、riはレンズ面の曲率半径である。diは第i面と第i+1面との間のレンズ肉厚および空気間隔である。ndi、νdiはそれぞれd線に対する屈折率、アッベ数を示す。*は非球面であることを示す。
また、最も像側の4つの面はフェースプレート等のガラス材である。数値実施例では4群として示している。また、k、A4、A6、A8、A10は非球面係数である。非球面形状は光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき
x=(h2/R)/[1+{1−(1+k)(h/R)21/2]+A4・h4+A6・h6+A8・h8+A10・h10
で表される。但しRは近軸曲率半径である。
又、前述の各条件式と各数値実施例との関係を表−1に示す。
各数値実施例においてd5の値が負となっているが、これが物体側から順に、Fナンバー決定部材、第2レンズ群L2の第21レンズG21と数えた為である。具体的な構成としては、Fナンバー決定部材(開口絞り)SPが第2レンズ群L2の物体側の第21レンズG21のレンズ面の物体側頂点よりも絶対値d5だけ像側に位置していることを示している。
フレアーカット絞りSSPに関してd11の値が負になっているが、これはFナンバー決定絞りSPと同様に扱っているためである。
数値実施例1
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 7.278 0.20 1.84862 40.0 1.55
2* 0.731 0.18 1.21
3 1.056 0.26 1.84666 23.8 1.22
4 2.490 (可変) 1.15
5 開口絞り -0.07 0.63
6* 0.649 0.28 1.85960 40.4 0.63
7 2.670 0.08 1.80809 22.8 0.54
8 0.546 0.08 0.49
9 2.042 0.16 1.77250 49.6 0.50
10 -2.902 (可変) 0.55
11 フレアーカット絞り -0.05 1.39
12 4.704 0.19 1.60311 60.6 1.39
13 -6.035 (可変) 1.40
14 ∞ 0.05 1.51633 64.1 3.29
15 ∞ 0.12 3.29
16 ∞ 0.08 1.51633 64.1 3.29
17 ∞ 3.29
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 2.51937e+001 A 4=-9.27061e-003 A 6=-1.55886e-002
A 8= 3.33568e-002 A10=-4.61682e-003

第2面
K =-1.98139e-001 A 4=-7.64306e-002 A 6=-1.08012e-001
A 8=-1.71019e-001 A10=-4.31884e-002

第6面
K =-9.98554e-001 A 4= 2.99388e-001 A 6= 3.01704e-001


各種データ
ズーム比 2.86
広角 中間 望遠
焦点距離 1.00 1.92 2.86
Fナンバー 3.28 4.63 5.97
画角 32.5 18.4 12.6
像高 3.88 3.88 3.88
レンズ全長 4.72 4.40 4.82
BF 0.77 0.71 0.72

d 4 1.74 0.58 0.16
d10 0.91 1.80 2.64
d13 0.50 0.45 0.45

入射瞳位置 1.07 0.66 0.42
射出瞳位置 -2.59 -5.05 -10.35
前側主点位置 1.69 1.86 2.49
後側主点位置 -0.94 -1.86 -2.80

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -2.02 0.64 0.05 -0.37
2 5 1.50 0.53 -0.17 -0.48
3 11 4.41 0.14 0.00 -0.07
4 14 ∞ 0.25 0.10 -0.10

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -0.97
2 3 2.00
3 6 0.94
4 7 -0.86
5 9 1.57
6 12 4.41
7 14 ∞
8 16 ∞

数値実施例2
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 8.190 0.20 1.84862 40.0 1.63
2* 0.746 0.18 1.26
3 1.098 0.27 1.84666 23.8 1.28
4 2.728 (可変) 1.21
5 開口絞り -0.07 0.63
6* 0.664 0.29 1.85960 40.4 0.63
7 2.791 0.08 1.80809 22.8 0.55
8 0.559 0.09 0.50
9 2.102 0.16 1.77250 49.6 0.51
10 -2.992 (可変) 0.56
11 フレアーカット絞り -0.05 1.43
12 4.302 0.19 1.60311 60.6 1.44
13 -6.918 (可変) 1.45
14 ∞ 0.05 1.51633 64.1 3.39
15 ∞ 0.12 3.39
16 ∞ 0.08 1.51633 64.1 3.39
17 ∞ 3.39
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 1.92487e+001 A 4=-3.87040e-003 A 6=-1.59642e-002
A 8= 2.47284e-002 A10= 3.15194e-004

第2面
K =-2.24511e-001 A 4=-7.16473e-002 A 6=-9.87688e-002
A 8=-1.61198e-001 A10=-1.72822e-002

第6面
K =-9.95366e-001 A 4= 2.77490e-001 A 6= 2.63544e-001

各種データ
ズーム比 2.86
広角 中間 望遠
焦点距離 1.00 1.92 2.86
Fナンバー 3.28 4.63 5.97
画角 33.3 18.9 13.9
像高 3.88 3.88 4.17
レンズ全長 4.85 4.52 4.94
BF 0.80 0.73 0.74

d 4 1.82 0.62 0.17
d10 0.90 1.83 2.68
d13 0.53 0.46 0.47

入射瞳位置 1.09 0.69 0.44
射出瞳位置 -2.62 -5.19 -10.76
前側主点位置 1.72 1.91 2.55
後側主点位置 -0.94 -1.86 -2.80

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -2.06 0.66 0.04 -0.39
2 5 1.54 0.55 -0.18 -0.50
3 11 4.43 0.14 -0.01 -0.08
4 14 ∞ 0.25 0.10 -0.10

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -0.98
2 3 2.02
3 6 0.95
4 7 -0.88
5 9 1.62
6 12 4.43
7 14 ∞
8 16 ∞

数値実施例3
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 15.369 0.23 1.84862 40.0 1.78
2* 0.782 0.19 1.37
3 1.197 0.31 1.84666 23.8 1.39
4 3.492 (可変) 1.32
5 開口絞り -0.08 0.65
6* 0.705 0.32 1.85960 40.4 0.65
7 3.493 0.09 1.80809 22.8 0.56
8 0.589 0.10 0.51
9 2.234 0.17 1.77250 49.6 0.53
10 -3.180 (可変) 0.59
11 フレアーカット絞り -0.06 1.55
12 5.051 0.23 1.60311 60.6 1.55
13 -4.879 (可変) 1.57
14 ∞ 0.05 1.51633 64.1 3.60
15 ∞ 0.13 3.60
16 ∞ 0.09 1.51633 64.1 3.60
17 ∞ 3.60
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-2.38026e+001 A 4= 4.23524e-003 A 6=-1.59233e-002
A 8= 1.41837e-002 A10= 1.28356e-003

第2面
K =-2.54882e-001 A 4=-7.05539e-002 A 6=-1.04761e-001
A 8=-8.09827e-002 A10=-7.24253e-002

第6面
K =-9.94024e-001 A 4= 2.26043e-001 A 6= 1.79155e-001

各種データ
ズーム比 2.86
広角 中間 望遠
焦点距離 1.00 1.92 2.86
Fナンバー 3.28 4.65 5.98
画角 35.0 20.0 14.7
像高 3.88 3.88 4.17
レンズ全長 5.15 4.85 5.28
BF 0.86 0.74 0.79

d 4 1.92 0.70 0.22
d10 0.87 1.91 2.78
d13 0.57 0.45 0.50

入射瞳位置 1.12 0.74 0.49
射出瞳位置 -2.79 -6.20 -15.31
前側主点位置 1.77 2.07 2.82
後側主点位置 -0.93 -1.85 -2.80

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -2.10 0.73 0.02 -0.46
2 5 1.63 0.60 -0.20 -0.55
3 11 4.15 0.17 0.02 -0.07
4 14 ∞ 0.27 0.11 -0.11

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -0.98
2 3 2.03
3 6 0.98
4 7 -0.89
5 9 1.72
6 12 4.15
7 14 ∞
8 16 ∞

数値実施例4
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 17.381 0.26 1.84862 40.0 2.04
2* 0.831 0.22 1.52
3 1.263 0.32 1.80809 22.8 1.54
4 3.575 (可変) 1.47
5 開口絞り -0.08 0.69
6* 0.771 0.37 1.85960 40.4 0.69
7 5.852 0.10 1.80809 22.8 0.58
8 0.643 0.10 0.53
9 2.441 0.18 1.79304 47.3 0.55
10 -3.416 (可変) 0.61
11 フレアーカット絞り -0.06 1.65
12 5.494 0.24 1.60311 60.6 1.65
13 -5.079 (可変) 1.67
14 ∞ 0.06 1.51633 64.1 3.87
15 ∞ 0.14 3.87
16 ∞ 0.10 1.51633 64.1 3.87
17 ∞ 3.87
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 1.76789e+002 A 4= 1.39335e-002 A 6=-1.93593e-002
A 8= 9.32657e-003 A10=-1.98726e-003

第2面
K =-2.96041e-001 A 4=-2.81702e-002 A 6=-6.99281e-002
A 8= 9.31356e-003 A10=-1.21903e-001

第6面
K =-9.86629e-001 A 4= 1.65104e-001 A 6= 1.02791e-001

各種データ
ズーム比 2.86
広角 中間 望遠
焦点距離 1.00 1.93 2.86
Fナンバー 3.28 4.62 5.95
画角 36.9 21.2 15.8
像高 3.88 3.88 4.17
レンズ全長 5.60 5.20 5.70
BF 0.90 0.92 0.94

d 4 2.14 0.76 0.29
d10 0.91 1.86 2.82
d13 0.59 0.62 0.63

入射瞳位置 1.19 0.80 0.57
射出瞳位置 -2.95 -5.94 -14.13
前側主点位置 1.86 2.11 2.85
後側主点位置 -0.94 -1.87 -2.79

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -2.11 0.80 0.04 -0.51
2 5 1.72 0.67 -0.21 -0.59
3 11 4.41 0.18 0.02 -0.07
4 14 ∞ 0.29 0.12 -0.12

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -1.04
2 3 2.27
3 6 1.00
4 7 -0.90
5 9 1.82
6 12 4.41
7 14 ∞
8 16 ∞

数値実施例5
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 8.588 0.26 1.84862 40.0 2.46
2* 0.993 0.30 1.82
3 1.453 0.28 1.92286 20.9 1.83
4 2.530 (可変) 1.76
5 開口絞り -0.11 0.85
6* 0.792 0.36 1.85960 40.4 0.86
7 2.605 0.10 1.80809 22.8 0.75
8 0.661 0.09 0.68
9 2.155 0.18 1.67790 55.3 0.69
10 -3.369 (可変) 0.69
11 フレアーカット絞り -0.06 1.70
12 5.698 0.22 1.60311 60.6 1.70
13 -7.130 (可変) 1.71
14 ∞ 0.06 1.51633 64.1 1.94
15 ∞ 0.14 1.94
16 ∞ 0.10 1.51633 64.1 1.94
17 ∞ 1.94
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 3.61494e+001 A 4= 4.81234e-003 A 6=-1.41923e-002
A 8= 9.85721e-003 A10=-3.40897e-003

第2面
K =-3.02155e-001 A 4= 7.69643e-004 A 6=-1.80808e-002
A 8= 9.15159e-003 A10=-1.29113e-002

第6面
K =-1.00082e+000 A 4= 1.63012e-001 A 6= 1.39060e-001

各種データ
ズーム比 3.92

焦点距離 1.00 2.43 3.92
Fナンバー 2.81 4.34 5.98
画角 36.9 17.2 11.7
像高 3.68 3.88 3.88
レンズ全長 6.35 5.65 6.50
BF 0.99 0.95 0.84

d 4 2.83 0.74 0.20
d10 0.90 2.34 3.85
d13 0.68 0.64 0.53

入射瞳位置 1.46 0.85 0.56
射出瞳位置 -2.82 -6.89 -23.98
前側主点位置 2.12 2.44 3.84
後側主点位置 -0.93 -2.36 -3.85

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -2.40 0.84 0.09 -0.49
2 5 1.87 0.62 -0.27 -0.61
3 11 5.29 0.16 -0.00 -0.08
4 14 ∞ 0.29 0.12 -0.12

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -1.34
2 3 3.28
3 6 1.21
4 7 -1.12
5 9 1.97
6 12 5.29
7 14 ∞
8 16 ∞
次に本発明のズームレンズを撮影光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)(光学機器)の実施例を図21を用いて説明する。
図21において、20はカメラ本体、21は本発明のズームレンズによって構成された撮影光学系である。22はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。23は撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリである。24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するためのファインダーである。
又、広角側において発生しやすい樽型の歪曲収差を、画像処理によって画像を引き伸ばして補正するためには、広角端における有効像円径(イメージサークルの直径)を、望遠端における有効像円径に比べて、小さくすることが好ましい。
このように本発明のズームレンズをデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、小型で高い光学性能を有する撮像装置を実現している。
実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 実施例1のズームレンズの広角端での収差図 実施例1のズームレンズの中間のズーム位置での収差図 実施例1のズームレンズ望遠端での収差図 実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 実施例2のズームレンズの広角端での収差図 実施例2のズームレンズの中間のズーム位置での収差図 実施例2のズームレンズ望遠端での収差図 実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 実施例3のズームレンズの広角端での収差図 実施例3のズームレンズの中間のズーム位置での収差図 実施例3のズームレンズ望遠端での収差図 実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 実施例4のズームレンズの広角端での収差図 実施例4のズームレンズの中間のズーム位置での収差図 実施例4のズームレンズ望遠端での収差図 実施例5のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 実施例5のズームレンズの広角端での収差図 実施例5のズームレンズの中間のズーム位置での収差図 実施例5のズームレンズ望遠端での収差図 本発明の撮像装置の要部概略図
符号の説明
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
SP Fナンバー決定部材(開口絞り)
SSP フレアーカット絞り
IP 像面
G ガラスブロック
d d線
g g線
ΔS サジタル像面
ΔM メリディオナル像面

Claims (8)

  1. 物体側より像側へ順に負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折率の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群を有し、
    該第1レンズ群は負の第11レンズと正の第12レンズから成り、
    該第11レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR11、R12、該第12レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR21、R22とするとき、
    −5.6<(R12+R21)/(R12−R21)<−4.7
    1.5<(R11+R22)/(R11−R22)<2.3
    なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第3レンズ群は正の第31レンズから成り、
    該第31レンズの物体側と像側の面の曲率半径をそれぞれR31、R32とするとき、
    −0.4<(R31+R32)/(R31−R32)<0.2
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. iを物体側からのレンズ群の順序とし、第iレンズ群の焦点距離をfiとするとき、
    −0.6<f1/f3<−0.3
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
  4. 広角端における全系の焦点距離をfw、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
    1.4<f2/fw<2.0
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のズームレンズ。
  5. 前記第1レンズ群の最も物体側の面頂点と最も像側の面頂点の光軸上の距離をD1、該第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき
    −0.45<D1/f1<−0.25
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  6. 前記第2レンズ群の全体または一部を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させて、被写体像を光軸と垂直方向に変位させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズと該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有する事を特徴とする光学機器。
  8. 広角端での有効像円径が望遠端での有効像円径よりも小さい事を特徴とする請求項7に記載の光学機器。
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