JP2010101914A - 画像表示装置、及び画像表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動画ぼやけを低減しつつコストアップを抑制できる画像表示装置を提供する。
【解決手段】映像信号と1フレーム分遅延した映像信号とからフレーム間に内挿する為の内挿映像信号を生成する。また、映像信号を1/2フレーム遅延させた遅延映像信号を生成する。そして画像表示部の水平方向に配列されている各画素に対応したソース電極に、遅延映像信号と内挿映像信号とを1ライン毎に交互に水平周期の半分の周期で印加するとともに、印加した遅延映像信号と内挿映像信号とが所定の垂直位置のラインに表示するためのゲートパルスを生成して、画像表示部の垂直方向に配列されている各画素に対応したゲート電極に印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホールド型の画像表示装置、及び画像表示方法に関する。
画像表示装置には、陰極線管(CRT)を用いた表示装置のように画像の書き込みの瞬間に強く発光するインパルス型表示装置と、各画素毎にメモリ機能を持ったアクティブマトリクス型表示装置のように画像が書き込まれてから次のフレームの画像が書き込まれるまで表示を保持しているホールド型表示装置とがある。アクティブマトリクス型表示装置としては、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた液晶表示装置や有機EL表示装置等がある。このようなアクティブマトリクス型表示装置では、画素毎に配置されたTFTとコンデンサとによって画素に書き込まれた画像を一定時間保持する。
アクティブマトリクス型表示装置は、動画を表示したときに残像や動画ぼやけを生じるという問題点があり、これを解決するための様々な方法が提案されている。
例えば、残像を軽減する方法として、隣接フレーム間の相関を利用し、映像信号を時間軸方向に強調する方法が提案されている(特許文献1)。
また、残像を軽減しても残る、動画ぼやけの発生を押さえる方法として、表示フレームの間に黒フレームを挿入してインパルス表示に近づける方法やフレーム数を増加して表示する方法などが提案されている(非特許文献1)。
このうち、黒を挿入する方法は、比較的簡単な処理で実現できるが、輝度の減少やフリッカ妨害など、動画ぼやけとは別の問題が発生する。一方、フレーム数を増加して表示する方法は、輝度の減少やフリッカ妨害のなどが発生しないが、フレーム数を増やすために、本来存在しないフレームである内挿フレームを実際のフレーム間に挿入する必要がある。そして、この内挿フレームを生成するためには、専用のフレームメモリが必要になる。
また、上記した残像を軽減するための映像信号を時間軸方向に強調する方法も、隣接フレーム間での相関を利用するので専用のフレームメモリが必要となる。
発明者は、先に、上記した方法のうち、映像信号を時間軸方向に強調する方法とフレーム数を増加して表示する方法と組み合わせ、かつ、各々の方法ごとに必要であったフレームメモリを1つのフレームメモリで共用することで、残像と動画ぼやけの両方を改善しながら、低コスト化とを図ることが可能な方法を示した(特許文献2)。
図12は、この従来例の代表的な構成図である。以下に、この図12を用いて従来例の内容を簡単に説明する。
図12において、入力映像信号F0は画像メモリ10に供給され、この画像メモリ10で1フレーム分遅延された映像信号F2が生成される。この入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とはそれぞれ動きベクトル検出回路20及び内挿映像信号生成回路21に供給される。
動きベクトル検出回路20は、供給された入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とを基に、フレーム間の動きベクトルを例えばマッチング法などを用いて検出し、内挿映像信号生成回路21に供給する。
内挿映像信号生成回路21は供給される動きベクトルに基づいて、入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とから内挿映像信号F1を生成する。そして、入力映像信号F0と内挿映像信号F1は時間軸強調回路30に供給され、内挿映像信号F1と1フレーム分遅延された映像信号F2は時間軸強調回路31に供給される。
時間軸強調回路30は、供給される入力映像信号F0と内挿映像信号F1とを用いて、時間軸強調された強調映像信号Dfs(特許文献2ではF0’)を生成し、時系列変換メモリ40に供給する。
時間軸強調回路31は、供給される内挿映像信号F1と1フレーム分遅延された映像信号F2とを用いて、時間軸強調された強調映像信号Dfp(特許文献2ではF1’)を生成し、時系列変換メモリ40に供給する。
時系列変換メモリ40は、供給される強調映像信号Dfs及びDfpを一旦記憶し、強調映像信号Dfp、Dfsの順に入力時のフレーム周波数の2倍のフレーム周波数で出力する。
なお、各部の詳細内容に関しては特許文献2を参照されたい。
特開平10−0398378号公報 特開2006−337448号公報 石黒秀一、栗田泰市郎:"8倍速CRTによるホールド発光型ディスプレイの動画質に関する検討",信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEICE.EID96-4(1996-06)
しかしながら、本発明者が示した特許文献2の方法においても、未だ解決されない以下の課題がある。
(1)フレームを増加させた後に施される時系列変換処理においては、増加させるフレームの数に応じた数のフレームメモリ(時系列変換メモリ40)が必要になり、依然としてコストアップ要因が存在する。また、この時系列変換メモリの読み出し(出力)側のデータ転送速度も、増加させるフレーム数に応じて高速性が要求されるので、高速読み出しが可能なメモリが必要となり、これもコストアップの要因となる。
(2)各画素に対応するTFTへ与えるソース信号の電圧(映像信号に基づいて生成される電圧)は、帯電を防ぐために、フレーム毎に極性を反転させる必要があるが、フレーム周波数がN(Nは2以上の整数)倍になることで、極性反転回数もN倍になり、この極性反転による充放電で消費される電力が増大する。
(3)フレーム周波数をN倍にすると、必然的に走査周波数もN倍になり、TFTへのゲートパルス印加時間は1/Nに短くなる。このゲートパルス印加時間が短いと、各画素が、対応するTFTへ与えられたソース信号の電圧に応じた輝度に到達する前に、その画素に対応したTFTがOFFになってしまうので、映像信号の電圧レベルに応じた輝度が得られず、輝度の低下が生じるという課題がある。この課題に関して図13、図14を用いて詳細に説明する。
図13、図14は、ある一つの画素に対応するTFTを駆動する際に各電極に印加する電圧と、これら印加電圧によって生成される画素電圧の様子を示した図である。図13はフレーム周波数が従来の60Hzの場合であり、図14はフレーム周波数が従来の2倍の120Hzの場合の例である。
TFTのゲート電極(ゲートドライバ電極とも呼ぶ)へは、表示対象の画素の存在する行(ライン)をオンするためのゲートパルスが供給される。また、TFTのソース電極(ソースドライバ電極とも呼ぶ)へは、ソース信号に応じた電圧(目標電圧)が印加される。この目標電圧は、帯電を防ぐために、TFTの共通電極Vcomを基準電位として、フレーム毎に極性が反転するように制御して供給しなければならない。例えば、あるフレーム時にVsmなる電圧を目標電圧として与えたならば、次のフレーム時には、Vcomを基準に極性を反転させたVspなる電圧を与える。そして、それぞれ(Vcom−Vsm)、(Vsp−Vcom)で得られる目標電圧に対応した電圧をTFTが画素電圧として生成し、対象の画素に印加することで、たとえば液晶表示装置の場合は、液晶の偏光方向(傾き)を制御する。この偏光の傾きの度合いによってバックライトからの透過光量が変化し、その画素の輝度が決定される。VA(垂直配向型)液晶のようにノーマリブラック型の液晶の場合、白(高輝度)表示するには、ゲートパルスによってTFTがオンとなった時に生成される画素電圧が、低い電圧Vsmから、高い電圧Vspに変化しなければならない。
図13のようにフレーム周波数が60Hzの場合は、十分なデートパルス印加時間が確保され、TFTは目標電圧であるVspと等しい電圧を画素電圧として生成することができる。しかし、フレーム周波数が2倍になり、図14のようにゲートパルス印加時間が短くなると、TFTのオン期間が不十分になり、画素電圧が目標電圧であるVspに到達する前にオフとなってしまう。よって得られる輝度も不十分となり輝度低下が生じてしまう。さらには、各TFTのオン抵抗、各画素電極の容量には偏差(ばらつき)がある。従って、このTFTで生成され、各画素に印加される画素電圧もばらついてしまい、輝度ムラや色ムラが生じる原因となる。尚、ソース信号の電圧は共通電圧Vcomに対して対称な電圧を精度良く与えることは困難であり、フリッカ発生を防ぐために極性反転は毎フレーム毎に行われなければならない。
本発明は、上記で示したような、フレーム数を増加して表示する方法を用いた画像表示装置で得られる動画ぼやけの改善効果を維持しつつ、上記(1)〜(3)の各課題を解決する画像表示装置、及び画像表示方法を提供することを目的とする。
そこで上記課題を解決するために本発明は、下記の装置、及び方法を提供するものである。
(1)TFT(薄膜トランジスタ)を有する画素が、行と列とのマトリクス状に配列されているとともに、前記TFTのゲート電極は、前記行として並ぶ前記画素同士で互いに接続され、前記TFTのソース電極は前記列として並ぶ前記画素同士で互いに接続されているアクティブマトリクス型表示パネルを有する画像表示装置において、
入力信号である、ライン総数がM本(但し、Mは自然数)で所定のライン周期と所定のフレーム周期とを有する第1の映像信号を、1フレーム分遅延させた第2の映像信号を生成するフレーム遅延手段と、
前記フレーム周期の1周期の期間をn(但し、nは3以上の自然数)の小期間に分割したときに、この分割された小期間のうちの時間的に前方から第1〜第n−1の各期間にそれぞれ挿入すべき第1〜第n−1の内挿映像信号を、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いてそれぞれ生成する第1〜第n−1の内挿映像信号生成手段と、
前記第2〜第n−1の内挿映像信号をそれぞれ、(M+l)/n×jライン(但し、lは−M/4から+M/4までの範囲の整数であり、jは1〜n−2までの整数)ライン分それぞれ遅延させた第1〜第n−2の遅延映像信号を生成する第1〜第n−2のライン遅延手段と、
前記第1の映像信号を(M+l)/n×(n−1)ライン分遅延させた第n−1の遅延映像信号を生成する第n−1のライン遅延手段と、
前記第1の内挿映像信号のiライン(但し、iはM以下の自然数)を選択し、前記所定のライン周期の期間の1/n以下の期間で、選択した前記iラインを出力した後、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ(i+(M+l)/n×j)%Mライン(但し、%は剰余演算を示す)を選択し、前記所定のライン周期の1周期の期間の1/n以下の期間で、
選択した前記(i+(M+l)/n×j)%Mラインを順次出力する処理を、前記iが1からMに達するまでインクリメントしながら繰り返し行なうライン選択手段と、
前記ライン選択手段から前記所定のライン周期の期間内で供給される前記第1の内挿映像信号に応じて第1のソース信号を生成し、前記第1〜第n−1の遅延映像信号に応じてそれぞれ第2〜第nのソース信号を生成するとともに、この生成した第1〜第nのソース信号を、第1、第2、...、第nの順に前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記列の一方の端部に水平方向に位置する各画素のTFTのソース電極へ供給する処理を繰り返し行うソース信号供給手段と、
前記ライン選択手段で選択される前記第1の内挿映像信号のiラインと前記第1〜第n−1の遅延映像信号の(i+(M+l)/n×j)%Mラインとのn本のラインを、前記アクティブマトリクス型表示パネル上に前記所定のライン周期の期間内で表示するための信号である第1〜第nのゲートパルスを生成し、この生成した第1のゲートパルスを、前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記行の一方の端部の垂直方向に位置する各画素のうち、前記第1の内挿映像信号のiラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へ供給した後、前記第2〜第nのゲートパルスを、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ((i+M/n×j)%M)ラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へそれぞれ供給する処理を、前記ソース信号供給手段で実行される前記第1〜第nのソース信号の供給タイミングと同期して繰り返し行うゲートパルス供給手段と、
を有することを特徴とする画像表示装置。
(2)前記ソース信号供給手段は、前記アクティブマトリクス型表示パネルの前記列の端部に水平方向に位置する各画素のTFTのソース電極へ供給するソース信号の電圧の極性を、少なくとも2フレーム以上同じ極性とし、かつ、1/50秒以内の周期毎にその極性を反転させることを特徴とする上記(1)に記載の画像表示装置。
(3)前記ソース信号供給手段は、前記ソース信号の極性を反転させた場合、その反転させた直後のソース信号の電圧を、極性が反転しない場合のソース信号の電圧より高くなるようにすることを特徴とする上記(2)に記載の画像表示装置
(4)前記ゲートパルス供給手段は、前記ソース信号供給手段が供給するソース信号の極性が反転した場合、その反転した直後のソース信号の各ラインを選択するためのゲートパルスのパルス幅を、極性が反転しない場合のソース信号の各ラインを選択するためのゲートパルスのパルス幅よりも長くすることを特徴とする上記(2)に記載の画像表示装置
(5)TFT(薄膜トランジスタ)を有する画素が、行と列とのマトリクス状に配列されているとともに、前記TFTのゲート電極は、前記行として並ぶ前記画素同士で互いに接続され、前記TFTのソース電極は前記列として並ぶ前記画素同士で互いに接続されているアクティブマトリクス型表示パネルを有する画像表示装置における画像表示方法において、
前記画像表示装置が、
入力信号である、ライン総数がM本(但し、Mは自然数)で所定のライン周期と所定のフレーム周期とを有する第1の映像信号を、1フレーム分遅延させた第2の映像信号を生成するフレーム遅延ステップと、
前記フレーム周期の1周期の期間をn(但し、nは3以上の自然数)の小期間に分割したときに、この分割された小期間のうちの時間的に前方から第1〜第n−1の各期間にそれぞれ挿入すべき第1〜第n−1の内挿映像信号を、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いてそれぞれ生成する第1〜第n−1の内挿映像信号生成ステップと、
前記第2〜第n−1の内挿映像信号をそれぞれ、(M+l)/n×jライン(但し、lは−M/4から+M/4までの範囲の整数であり、jは1〜n−2までの整数)ライン分それぞれ遅延させた第1〜第n−2の遅延映像信号を生成する第1〜第n−2のライン遅延ステップと、
前記第1の映像信号を(M+l)/n×(n−1)ライン分遅延させた第n−1の遅延映像信号を生成する第n−1のライン遅延ステップと、
前記第1の内挿映像信号のiライン(但し、iはM以下の自然数)を選択し、前記所定のライン周期の期間の1/n以下の期間で、選択した前記iラインを出力した後、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ(i+(M+l)/n×j)%Mライン(但し、%は剰余演算を示す)を選択し、前記所定のライン周期の1周期の期間の1/n以下の期間で、
選択した前記(i+(M+l)/n×j)%Mラインを順次出力する処理を、前記iが1からMに達するまでインクリメントしながら繰り返し行なうライン選択ステップと、
前記ライン選択ステップから前記所定のライン周期の期間内で供給される前記第1の内挿映像信号に応じて第1のソース信号を生成し、前記第1〜第n−1の遅延映像信号に応じてそれぞれ第2〜第nのソース信号を生成するとともに、この生成した第1〜第nのソース信号を、第1、第2、...、第nの順に前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記列の一方の端部に水平方向に位置する各画素のTFTのソース電極へ供給する処理を繰り返し行うソース信号供給ステップと、
前記ライン選択ステップで選択される前記第1の内挿映像信号のiラインと前記第1〜第n−1の遅延映像信号の(i+(M+l)/n×j)%Mラインとのn本のラインを、前記アクティブマトリクス型表示パネル上に前記所定のライン周期の期間内で表示するための信号である第1〜第nのゲートパルスを生成し、この生成した第1のゲートパルスを、前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記行の一方の端部の垂直方向に位置する各画素のうち、前記第1の内挿映像信号のiラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へ供給した後、前記第2〜第nのゲートパルスを、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ((i+M/n×j)%M)ラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へそれぞれ供給する処理を、前記ソース信号供給ステップで実行される前記第1〜第nのソース信号の供給タイミングと同期して繰り返し行うゲートパルス供給ステップと、
を実行することを特徴とする画像表示方法。
本発明によれば、従来例と同等の動画ぼやけの改善効果を維持しつつ、更に、以下に示す効果を得ることができる。
(1)従来必要であった時系列変換メモリを削減できるので、コストダウンが可能となる。
(2)極性反転の周期を1フレーム毎ではなく、所定数のフレーム毎とすることで消費電力の増加を抑制することが可能となる。
(3)極性反転直後のフレームにおいて、ゲートパルス印加時間を長くしたり、TFTに印加するソース信号の電圧レベルのゲインを大きくしたりすることで、TFTへのゲートパルス印加時間が短いことに起因する輝度低下や均一性劣化の問題を改善することが可能となる。
以下、本発明の画像表示装置について、添付図面を参照して説明する。
なお、本実施例は、アクティブマトリクス型表示装置のうち、液晶表示装置を例として説明する。
[実施例1]
<全体構成>
図1は本発明の画像表示装置の第1実施例を示すブロック図である。
図1において、入力映像信号F0は画像メモリ10に供給され、この画像メモリ10で1フレーム分遅延された映像信号F2が生成される。この入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とはそれぞれ動きベクトル検出回路20及び内挿映像信号生成回路21に供給される。
動きベクトル検出回路20は、供給された入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とを基に、フレーム間の動きベクトルを例えばマッチング法などを用いて検出し、内挿映像信号生成回路21に供給する。
内挿映像信号生成回路21は供給される動きベクトルに基づいて、入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とから内挿映像信号F1を生成する。そして、入力映像信号F0と内挿映像信号F1は時間軸強調回路30に供給され、内挿映像信号F1と1フレーム分遅延された映像信号F2は時間軸強調回路31に供給される。
時間軸強調回路30は、供給される入力映像信号F0と内挿映像信号F1とを用いて、時間軸強調された強調映像信号Dfs’を生成し、1/2フレーム遅延メモリ50へ供給する。
1/2フレーム遅延メモリ50は、供給された強調映像信号Dfs’を1/2フレーム遅延させた信号である強調映像信号Dfsを生成し、水平ライン切替回路60に供給する。
なお、1/2フレーム遅延するとは、フレームのライン数がM本であるとすると、M/2ライン遅延させることと等価である。
時間軸強調回路31は、供給される内挿映像信号F1と1フレーム分遅延された映像信号F2とを用いて、時間軸強調された強調映像信号Dfpを生成し、水平ライン切替回路60に供給する。
水平ライン切替回路60は、タイミング制御回路90から供給される、水平ライン切替信号に基づいて、本回路に供給される強調映像信号Dfsと強調映像信号Dfpとを水平ライン毎に交互に切り換えることにより、時系列的に1つの信号として多重化された多重化映像信号Dfspを生成して極性制御回路70へ供給する。
極性制御回路70は、供給された多重化映像信号Dfspが有する電圧の極性を、タイミング制御回路90から供給される極性制御信号に基づいて所定フレーム毎に反転して、ソースドライバ100へ出力する。
同期処理回路80は、入力信号として映像信号とともに入力される水平同期信号及び垂直同期信号に対して、映像信号との時間関係が以降の処理において最適となるようにタイミングを再調整し、タイミング制御回路90へ供給する。
タイミング制御回路90は、同期処理回路80から供給される水平同期信号と垂直同期信号とに基づいて、水平ライン切替信号、極性制御信号、ゲートパルス制御信号をそれぞれ生成し、水平ライン切替信号は水平ライン切替回路60へ供給し、極性制御信号は極性制御回路70へ供給し、ゲートパルス制御信号はゲートドライバ110へ供給する。
ソースドライバ100は、供給される極性反転された多重化映像信号Dfsp’に基づいて生成されるソース各画素に対応したソース信号の電圧を、液晶表示パネル120の水平方向に並んで配置される各TFTのソース電極に印加する。
ゲートドライバ110は、供給されるゲートパルス制御信号に基づいて生成されるゲートパルスを、液晶表示パネル120の垂直方向に並んで配置される各TFTのゲート電極に1ライン毎に切り換えて印加する。
液晶表示パネル120には、各画素に対応したTFTが水平、垂直方向に格子状に配置されている。そして、ゲートドライバ110から印加されるゲートパルスによって水平方向の1つのラインに配置される各TFTがオンとなる。そして、このオンとなった各TFTは、ソースドライバ100から印加されるソース信号の電圧に応じた画素電圧を生成し対応する画素に印加する。各画素は、印加される画素電圧に応じて、液晶の偏光方向(傾き)が変化する。この偏光の傾きの度合いによってバックライトからの透過光量が変化し、その画素の輝度が決定される。
なお、説明の便宜上、入力映像信号F0はフレーム周波数が60Hzの順次走査信号であることを前提とし、インターレースの形式のNTSC信号やHDTV信号においては、前段にて順次走査信号に変換する処理がなされているものとする。また、走査線数も、液晶表示パネルの垂直方向に並んで配置される画素数に対応した走査線数に変換されているものとする。
<内挿映像信号生成回路>
内挿映像信号生成回路21は、供給される入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とから、内挿映像信号F1を生成するものである。内挿映像信号F1とは、もともと映像信号が存在しない入力映像信号F0のフレーム間に挿入すべき映像信号である。この内挿映像信号F1は、上記の入力映像信号F0と、この入力映像信号F0が1フレーム分遅延された映像信号F2とから動きベクトル検出回路20によって例えばマッチング法などを用いて検出される動きベクトルを基に動き補償補間を行なって生成される。
以下に図16を用いて動き補償補間処理を詳細に説明する。
内挿映像信号生成回路21における動き補償補間は、フレーム間において、図16に示すようにベクトル移動を行うものである。図16(A)は内挿映像信号生成回路21への入力映像信号F0を、図16(B)は内挿映像信号生成回路21で生成される内挿映像信号F1を示している。入力映像信号F0のフレーム番号をFR1,FR2,FR3…とし、内挿映像信号F1のフレーム番号をfr12,fr23,…とする。なお図16(B)には、理解しやすいように図16(A)におけるフレームFR1〜FR3を(図16B)の時間軸上において存在する位置に点線で示している。フレームfr12はベクトル移動を行ってフレームFR1,FR2間に挿入され、フレームfr23はベクトル移動を行ってフレームFR2,FR3間に挿入される。
図16(A),(B)の右側には、フレームFR〜FR3,フレームfr12〜f23による物体Oの移動の様子を示している。図11(A)において、物体OはフレームFR1における位置からフレームFR2における位置へと動きベクトルv1にて移動し、フレームFR2における位置からフレームFR3における位置へと動きベクトルv2にて移動する。図16(B)におけるFR1〜FR3での物体Oの位置は図16(A)におけるFR1〜FR3での物体Oの位置とそれぞれ同じである。ここでフレームfr12の画像を生成するには、フレームFR1の画像をV1/2だけ移動させればよく、フレームfr23の画像を生成するには、フレームFR2の画像をV2/2だけ移動させればよい。
図16に示す例では、フレームfr12を生成する際にはフレームFR1の画像データのみを用い、フレームfr23を生成する際にはフレームFR2の画像データのみを用いているが、前後のフレームを混合してもよい。フレームFR1,FR3の画像データを合成してもよい。この場合、フレームfr12は、フレームFR1の画像をV1/2だけ移動したFR1’とフレームFR2の画像を−V1/2だけ移動したFR2’を求め、FR1’とFR2’を1:1の割合で混合することによって得られる。また、フレームfr23は、フレームFR2の画像をV2/2だけ移動したFR2”とフレームFR3の画像を−V2/2だけ移動したFR3’を求め、F2”とF3’を1:1の割合で混合することによって得られる。ここに示す混合比は一例であり、この例に限定されるものではない。
このように、出力映像信号のフレームを生成する際に、1つのフレームだけでなく複数のフレームを用いて内挿を行うと、ノイズを低減することができるという効果を奏する。
<時間軸強調回路>
時間軸強調回路30,31は、映像信号を時間軸方向に強調するフィルタである。構成例を図17に示す。この時間軸強調回路は、入力する二種類の映像信号をfa、fbとして、下記(1)式にて表される出力信号foを得る回路である。
fo=fa+k(fa−fb) …(1)
ここで、kは映像信号を強調する度合いを決定する利得係数であり、液晶の応答特性に応じて設定される。応答が比較的速く残像が少ない場合にはkを小さく設定し、応答が遅く残像が多い場合にはkを大きく設定する。
時間軸強調回路30においてはfaが入力映像信号F0であり、fbが内挿映像信号F1である。また時間軸強調回路31においては、faが内挿映像信号F1であり、fbが1フレーム分遅延された映像信号F2である。
図18は、この時間軸強調回路30、31による効果を説明するための図である。これは液晶画面を黒から白に変化させるための映像信号の電圧とその映像信号の電圧に対する光応答の度合いとを示している。図18の(A)、(B)ともに横軸が経過時間を示し、縦軸が映像信号の電圧と、この電圧によって発光する液晶画面の光応答の変化の様子とを示している。図18(A)が時間軸強調回路を使用しない場合の例であり、図18(B)が本実施例の時間軸強調回路を使用する場合の例である。
図18(A)の場合、表示したい画面を黒から白に変化させるために映像信号の電圧をステップ的にあげても、液晶は応答速度が遅いために光応答は図に示すようになだらかにしか変化することができない。従って残像が発生しやすい。
時間軸強調回路を使用すると、図18(B)に示すように画面を黒から白に変化させるための映像信号の電圧が図に示すように、変化した直後のフレームにおいては、従来例より高い電圧を出力するようになる。従って、光応答も図に示すように図18(A)の場合に比較して急峻に変化させることが可能となる。従って残像の発生を抑制することができる。
以上説明した、内挿映像信号生成回路21、及び時間軸強調回路30,31は特許文献2に記載のものと本質的な動作は同じものである。
本実施例における特許文献2との差分部分に関して以下に詳細に説明する。
本実施例と図12の従来例との構成上の違いは、従来必要であった時系列変換メモリ40の代わりに、1/2フレーム遅延メモリ50、水平ライン切替回路60、極性制御回路70を用いる点にある。併せて、これらを制御するための各制御信号を生成するタイミング制御回路も、その動作が従来例のタイミング制御回路とは異なる。なお、図12においては、同期処理回路80、タイミング制御回路90が図示されていないが、これは、特許文献2の発明内容が、同期処理回路80、タイミング制御回路90とは関連性が希薄であった為に、図示、及び説明を省略したためである。
上記した構成とすることにより、強調映像信号Dfs(以下単にDfsと称する)と強調映像信号Dfp(以下単にDfpと称する)のTV期間(垂直期間)は1/60秒のままでありながら、フレーム数を2倍に増やした従来例と同等の残像の低減効果及び動画ぼやけの抑制効果を得ることが可能である。
<タイミング制御方法>
以下、図2及び図3を用いて本実施例のタイミング制御方法について詳細に説明する。
図2は、タイミング制御回路90で生成するゲートパルス制御信号に基づき、ゲートドライバ110が生成して各ライン毎のTFTのゲート電極へ印加する、ゲートパルスの様子をしたものである。
縦方向は、水平方向に並んで配置されるTFTのラインの関係を示している。上側の3本は、i行(但しiは自然数)、i+1行、i+2行の各ラインを示し、下側の3本は映像信号の1フレーム中の水平ラインの総数をM本としたときの、i+M/2行、i+M/2+1行、i+M/2+2行の各ラインを示している。つまり、上側の各ラインに対して下側の各ラインは、半画面分下側に位置していることを示している。
そして、各ラインの各TFTのゲート電極に印加するゲートパルスの様子を横軸に示している。それぞれにおける縦軸は電圧を示している。高電圧部分がゲートパルスであり、その印加時間は通常の場合(フレーム周波数が60Hzの場合)の印加時間であるTH期間(水平周期)の半分の時間としている。
図2で明らかなように、タイミング制御回路90は、ゲートパルスを、i行へ印加したら、次は、i+M/2行へ印加し、次は、i+1行へ印加するというように、iをインクリメントしながら上側のラインと下側のラインとで交互にゲートパルスを印加するように、ゲートドライバ110を制御している。
なお、ゲートパルスを印加するラインがM行に達した場合は、1行に戻って繰り返されることは言うまでもない。つまり、下側に相当するラインは(i+M/2)%Mの剰余算で計算される行となる。
また、タイミング制御回路90は、このゲートドライバの制御と同期して、i行にゲートパルスを印加する際はDfsをTH期間の半分の時間でソースドライバへ出力し、i+M/2行にゲートパルスを印加する際はDfpをTH期間の半分の時間でソースドライバへ出力するように、水平ライン切替回路60を制御する。つまり、図2においては、上側の3本のラインにゲートパルスを印加しているときは、このゲートパルスによって表示される1ライン毎の映像はDfsであり、下側の3本にゲートパルスを印加しているときは、このゲートパルスによって表示される1ライン毎の映像はDfpとなる。そして、各ゲートパルスの印加時間はTH期間の半分であるので、TH期間には、ゲートパルスが印加されるDfsとDfpの2本のラインの映像が表示されることになる。
図3は、図2の時間軸をフレーム単位に拡大した走査イメージの図である。ゲートパルスが発生している部分を、同図中の左上側から右下側へ斜めに描かれている実線矢印で示している。同図中の点線内が図2で示している領域である。
Dfsは、予め1/2フレーム遅延メモリでTV/2分遅延されているので、この図3のような関係が構築できる。
この図3で明らかなように、本実施例では、各ライン毎に、TV/2周期でDfsとDfpを交互に切替えて表示することになり、実質的に2倍のフレームレートで表示したことと等価の表示形態となる。従って、フレーム数を2倍にする方法による動画ぼやけの改善効果と同等の効果を得ることができる。
図15は、図3と比較するための、フレーム数を2倍に増やした従来の方法(図12)の場合の走査イメージの図である。
本実施例によれば、1/2フレーム遅延メモリ50のみ用いれば良く、従来必要であった2フレーム分の時系列変換メモリ40が不要になる。従って、メモリ容量が約1/4に削減できる。また、1/2フレーム遅延メモリ50は、通常のフレーム周期(60Hz)で動作すれば良いので、時系列変換メモリ40で要求されるデータ出力の高速性(通常の2倍)が要求されず、通常の安価なメモリを用いることができる。
ここで、本実施例によるメモリ間のデータ転送レートとメモリ容量が従来例に比較してどれだけ改善するかを説明する。
本実施例の図1の構成と従来例の図12の構成とを図4のような論理回路と外部メモリで実現する場合を仮定する。本実施例のデータ転送レートを表1、従来例のデータ転送レートを表2、本実施例の必要メモリ容量を表3、従来例の必要メモリ容量を表4にそれぞれ示す。これらの表で示されるデータを比較すると、本実施例は従来例に比べて、データ転送レートとメモリ容量のどちらも改善されていることがわかる。なお、これらの表での数値は、いずれも液晶表示パネルの画素数が1366×768であり、また、RGB各8ビット(計24ビット)で処理する場合の数値である。
Figure 2010101914
Figure 2010101914
Figure 2010101914
Figure 2010101914
上記説明は、時間軸強調回路30、31を用いることで、本来の目的の動画ぼやけを改善する効果に加えて残像を抑制する効果も得る例である。しかし、時間軸強調回路30、31を使用せずに、入力映像信号F0を1/2フレーム遅延させた信号をDfsとし、内挿映像信号F1をDfpとして水平ライン切替回路に供給しても良い。この場合でも、動画ぼやけを改善する効果を得ることができる。
また、時間軸強調回路30、31を用いない上記の方法によれば、入力映像信号F0を1フレーム遅延させる画像メモリ10から1/2フレーム遅延のタイミングでデータを読み出せば1/2フレーム遅延メモリを省略でき、メモリ容量のさらなる削減が可能である。
なお、本説明では、Dfsを1/2フレーム遅延させてDfpと切替え、かつ、ゲートパルスも1/2フレームに対応してM/2行オフセットさせてTFTへ印加する例を示したが、厳密に1/2フレーム遅延、及びM/2行オフセットさせなくても良いのは言うまでもない。例えば、オフセットする行を、M/2行プラスマイナスM/4行程度の範囲とし、Dfsのフレーム遅延量もこの範囲に応じた量にした場合でも、同様の効果が得られることを実験にて確認済みである。
[実施例2]
実施例1を発展させ、DfsとDfpとの2つのフレームを1TV期間で表示するために、この1TV期間で各TFTに2回印加するソース信号の電圧の極性を、従来のように1フレーム毎に反転させるのではなく数フレーム毎にしても良い。
図5は、この実施例2のTFTの駆動波形を示した図である。また、図6は、全体の走査イメージの図に極性反転のタイミングを記した図である。
図5、図6で明らかなように、実施例2ではソース信号の電圧の極性を2フレーム毎に反転している。
従来例で、極性反転の周期を1フレーム(1/60秒)毎に行わなければならなかった理由は、電圧バランスの違いによるフリッカ妨害である。しかし、本実施例のように1TV期間に映像を2回表示する場合には、その2回の極性を変化させなくても、極性反転の周期は従来の1フレームに相当する1TV期間(1/60秒)を維持できるため、フリッカ妨害はほとんど現れない。
この第2実施例では、次のような効果が得られる。
例えば、各TFTに印加されるソース電圧は、Vsm、Vsm、Vsp、Vspの順番となる。このうち、VsmからVspへの移行、及びVspからVsmへの移行については、極性が反転する為に電圧変化が大きい。従って、ゲートパルスの印加時間が短いと、TFTへの充電が不足し、画素に印加する画素電圧が目標電圧に達せず、輝度が十分に得られない場合がある。しかし、VsmからVsmへの移行、及びVspからVspへの移行の場合は、電圧変化が小さい。従って、充電時間が短くても、TFTは十分充電でき、画素に印加する画素電圧は目標電圧となるので、十分な輝度が得られる。
すなわち、本実施例によれば、従来のフレーム数を増やす方法に比較して、ゲートパルスの印加時間が短いことによる輝度低下や輝度ムラの発生を抑制する効果が得られる。
また、極性反転の周期は1/60秒であり、従来のフレーム数を増やす方法に比較して電力消費量を抑制する効果も得られる。
なお、本実施例はNTSC方式の映像信号を前提として説明しているために、フレーム周期を1/60秒としているが、PAL方式やSECAM方式の映像信号のように、フレーム周期が1/50秒の場合でも本実施例を適用可能である。
[実施例3]
実施例2を発展させ、1TV期間内に2回印加するゲートパルスのパルス幅を異ならせても良い。
図7は、この実施例3のTFTの駆動波形を示した図である。また、図8は、複数ラインにわたってのゲートパルスの様子を示した図である。
電圧の変化が大きい、VsmからVspへの移行、及びVspからVsmへの移行の際はパルス幅を長くし、電圧の変化が小さい、VsmからVsmへの移行、及びVspからVspへの移行の際はパルス幅を短くする。なお、上記2種類のパルス幅の和は1TH期間としなければならない。従って、各パルス幅は1TH期間を100とした比率で表せる。一例としては、比率を70:30にする。
ゲートパルスのパルス幅が短いために生じるTFTの充電時間不足は、ソース信号の電圧の変化が大きいときに起きるものであるから、極性反転するときに印加するゲートパルスのパルス幅を長くして、十分な充電時間を確保する。一方、極性反転しないときに印加するゲートパルスのパルス幅は短くしても大きな影響を受けない。
TFTの充電不足の影響は、TFTや電極容量の特性に応じて変化するため、パルス幅の比率は、最適な条件を実験的に求めて決定することが望ましい。
この実施例3では、実施例2よりも一層、輝度低下や輝度ムラを改善することが可能である。
[実施例4]
実施例2を発展させ、DfsとDfpとの2つのフレームを1TV期間で表示するために、この1TV期間で各TFTに2回印加するソース信号の電圧の一方を、本来のソース信号の電圧よりも大きく変化させても良い。
図9は、この実施例4のTFTの駆動波形を示した図である。
ソース信号の電圧は、電圧変化が大きい、VsmからVspへの移行、及びVspからVsmへの移行の際に、本来のソース信号の電圧よりも大きくなるようにゲイン設定した電圧をTFTへ印加し、電圧変化が小さい、VsmからVsmへの移行、及びVspからVspへの移行の際は本来のソース信号の電圧をTFTへ印加する。一例としては、ゲイン設定を1.2倍にする。
ゲートパルスのパルス幅が短いために生じるTFTの充電時間不足は、ソース信号の電圧の変化が大きいときに起きるものであるから、極性反転するときに印加するソース信号の電圧を本来より大きい電圧にして、充電不足分を補償する。一方、極性反転しないときに印加するソース信号の電圧は、充電不足が発生しにくいので、本来のソース信号の電圧でよい。
TFTの充電不足の影響は、TFTや電極容量の特性に応じて変化するため、ゲインは、最適な条件を実験的に求めて決定することが望ましい。
この実施例4では、実施例2よりも一層、輝度低下や輝度ムラを改善することが可能である。
また、ゲート比率を異ならせるという実施例3と組み合わせることでより効果が高まる。
[実施例5]
実施例1は、フレーム間に挿入する内挿映像を1枚挿入する場合の実施例であるが、内挿映像を2枚以上生成して、擬似的なフレーム周波数を更に高くしても良い。
図10は、内挿映像を3枚挿入し、擬似的なフレーム周波数を4倍にした場合の実施例の構成図である。実施例1と機能的に異なる部分は、1/2フレーム遅延メモリ50が、1/4フレーム遅延メモリ51、2/4フレーム遅延メモリ52、3/4フレーム遅延メモリ53、と置き換えた点である。その他の各機能ブロックの基本動作は実施例1と同様であるので説明は省略する。なお、内挿映像は3枚に限らない。システム的に可能であれば、内挿映像の枚数は多いほど残像や動画ぼやけを軽減する効果が期待できる。
また、図11は、この実施例5における全体の走査イメージを示した図である。
実施例5に対しても、実施例2,3,4で説明した内容を盛り込むと、更に動画ぼやけを改善することができる。
尚、図11にはソース信号の電圧の極性反転のシーケンスを「+」と「−」で示してあるが、これと全く同じシーケンスとする必要はなく、2フレーム以上同じ極性を連続させ、かつ、1/50秒以内にその極性を反転させるシーケンスであればどのようなタイミングでも、本実施例の効果が得られることを実験にて確認済みである。
また、これまで説明してきた実施例は、アクティブマトリクス型表示装置のうち、液晶表示装置を例として説明したが、TFTを用いたアクティブマトリクス型表示装置であればどのような表示装置にも本実施例は適用可能である。
本発明の一実施例の構成を示す図である。 本発明の一実施例におけるゲートパルスの様子を示す図である。 本発明の一実施例における走査イメージを示す図である。 本発明の一実施例と従来例とを比較するための論理回路と外部メモリを示す図である。 本発明の一実施例におけるTFT駆動の様子を示す図である。 本発明の一実施例における走査イメージを示す図である。 本発明の一実施例におけるTFT駆動の様子を示す図である。 本発明の一実施例におけるゲートパルスの様子を示す図である。 本発明の一実施例におけるTFT駆動の様子を示す図である。 本発明の一実施例の構成を示す図である。 本発明の一実施例における走査イメージを示す図である。 従来例の構成を示す図である。 フレーム周波数60Hzの場合のTFT駆動の様子を示す図である。 フレーム周波数120Hzの場合のTFT駆動の様子を示す図である。 従来の走査イメージを示す図である。 動き補償補間処理を説明するための図である。 時間軸強調回路の構成を示す図である。 時間軸強調処理の動作を説明するための図である。
符号の説明
10 画像メモリ
20 動きベクトル検出回路
21 内挿映像信号生成回路
30 時間軸強調回路
31 時間軸強調回路
50 1/2フレーム遅延メモリ
60 水平ライン切替回路
70 極性制御回路
80 同期処理回路
90 タイミング制御回路
100 ソースドライバ
110 ゲートドライバ
120 液晶表示パネル

Claims (5)

  1. TFT(薄膜トランジスタ)を有する画素が、行と列とのマトリクス状に配列されているとともに、前記TFTのゲート電極は、前記行として並ぶ前記画素同士で互いに接続され、前記TFTのソース電極は前記列として並ぶ前記画素同士で互いに接続されているアクティブマトリクス型表示パネルを有する画像表示装置において、
    入力信号である、ライン総数がM本(但し、Mは自然数)で所定のライン周期と所定のフレーム周期とを有する第1の映像信号を、1フレーム分遅延させた第2の映像信号を生成するフレーム遅延手段と、
    前記フレーム周期の1周期の期間をn(但し、nは3以上の自然数)の小期間に分割したときに、この分割された小期間のうちの時間的に前方から第1〜第n−1の各期間にそれぞれ挿入すべき第1〜第n−1の内挿映像信号を、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いてそれぞれ生成する第1〜第n−1の内挿映像信号生成手段と、
    前記第2〜第n−1の内挿映像信号をそれぞれ、(M+l)/n×jライン(但し、lは−M/4から+M/4までの範囲の整数であり、jは1〜n−2までの整数)ライン分それぞれ遅延させた第1〜第n−2の遅延映像信号を生成する第1〜第n−2のライン遅延手段と、
    前記第1の映像信号を(M+l)/n×(n−1)ライン分遅延させた第n−1の遅延映像信号を生成する第n−1のライン遅延手段と、
    前記第1の内挿映像信号のiライン(但し、iはM以下の自然数)を選択し、前記所定のライン周期の期間の1/n以下の期間で、選択した前記iラインを出力した後、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ(i+(M+l)/n×j)%Mライン(但し、%は剰余演算を示す)を選択し、前記所定のライン周期の1周期の期間の1/n以下の期間で、
    選択した前記(i+(M+l)/n×j)%Mラインを順次出力する処理を、前記iが1からMに達するまでインクリメントしながら繰り返し行なうライン選択手段と、
    前記ライン選択手段から前記所定のライン周期の期間内で供給される前記第1の内挿映像信号に応じて第1のソース信号を生成し、前記第1〜第n−1の遅延映像信号に応じてそれぞれ第2〜第nのソース信号を生成するとともに、この生成した第1〜第nのソース信号を、第1、第2、...、第nの順に前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記列の一方の端部に水平方向に位置する各画素のTFTのソース電極へ供給する処理を繰り返し行うソース信号供給手段と、
    前記ライン選択手段で選択される前記第1の内挿映像信号のiラインと前記第1〜第n−1の遅延映像信号の(i+(M+l)/n×j)%Mラインとのn本のラインを、前記アクティブマトリクス型表示パネル上に前記所定のライン周期の期間内で表示するための信号である第1〜第nのゲートパルスを生成し、この生成した第1のゲートパルスを、前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記行の一方の端部の垂直方向に位置する各画素のうち、前記第1の内挿映像信号のiラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へ供給した後、前記第2〜第nのゲートパルスを、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ((i+M/n×j)%M)ラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へそれぞれ供給する処理を、前記ソース信号供給手段で実行される前記第1〜第nのソース信号の供給タイミングと同期して繰り返し行うゲートパルス供給手段と、
    を有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記ソース信号供給手段は、前記アクティブマトリクス型表示パネルの前記列の端部に水平方向に位置する各画素のTFTのソース電極へ供給するソース信号の電圧の極性を、少なくとも2フレーム以上同じ極性とし、かつ、1/50秒以内の周期毎にその極性を反転させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記ソース信号供給手段は、前記ソース信号の極性を反転させた場合、その反転させた直後のソース信号の電圧を、極性が反転しない場合のソース信号の電圧より高くなるようにすることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置
  4. 前記ゲートパルス供給手段は、前記ソース信号供給手段が供給するソース信号の極性が反転した場合、その反転した直後のソース信号の各ラインを選択するためのゲートパルスのパルス幅を、極性が反転しない場合のソース信号の各ラインを選択するためのゲートパルスのパルス幅よりも長くすることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置
  5. TFT(薄膜トランジスタ)を有する画素が、行と列とのマトリクス状に配列されているとともに、前記TFTのゲート電極は、前記行として並ぶ前記画素同士で互いに接続され、前記TFTのソース電極は前記列として並ぶ前記画素同士で互いに接続されているアクティブマトリクス型表示パネルを有する画像表示装置における画像表示方法において、
    前記画像表示装置が、
    入力信号である、ライン総数がM本(但し、Mは自然数)で所定のライン周期と所定のフレーム周期とを有する第1の映像信号を、1フレーム分遅延させた第2の映像信号を生成するフレーム遅延ステップと、
    前記フレーム周期の1周期の期間をn(但し、nは3以上の自然数)の小期間に分割したときに、この分割された小期間のうちの時間的に前方から第1〜第n−1の各期間にそれぞれ挿入すべき第1〜第n−1の内挿映像信号を、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いてそれぞれ生成する第1〜第n−1の内挿映像信号生成ステップと、
    前記第2〜第n−1の内挿映像信号をそれぞれ、(M+l)/n×jライン(但し、lは−M/4から+M/4までの範囲の整数であり、jは1〜n−2までの整数)ライン分それぞれ遅延させた第1〜第n−2の遅延映像信号を生成する第1〜第n−2のライン遅延ステップと、
    前記第1の映像信号を(M+l)/n×(n−1)ライン分遅延させた第n−1の遅延映像信号を生成する第n−1のライン遅延ステップと、
    前記第1の内挿映像信号のiライン(但し、iはM以下の自然数)を選択し、前記所定のライン周期の期間の1/n以下の期間で、選択した前記iラインを出力した後、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ(i+(M+l)/n×j)%Mライン(但し、%は剰余演算を示す)を選択し、前記所定のライン周期の1周期の期間の1/n以下の期間で、
    選択した前記(i+(M+l)/n×j)%Mラインを順次出力する処理を、前記iが1からMに達するまでインクリメントしながら繰り返し行なうライン選択ステップと、
    前記ライン選択ステップから前記所定のライン周期の期間内で供給される前記第1の内挿映像信号に応じて第1のソース信号を生成し、前記第1〜第n−1の遅延映像信号に応じてそれぞれ第2〜第nのソース信号を生成するとともに、この生成した第1〜第nのソース信号を、第1、第2、...、第nの順に前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記列の一方の端部に水平方向に位置する各画素のTFTのソース電極へ供給する処理を繰り返し行うソース信号供給ステップと、
    前記ライン選択ステップで選択される前記第1の内挿映像信号のiラインと前記第1〜第n−1の遅延映像信号の(i+(M+l)/n×j)%Mラインとのn本のラインを、前記アクティブマトリクス型表示パネル上に前記所定のライン周期の期間内で表示するための信号である第1〜第nのゲートパルスを生成し、この生成した第1のゲートパルスを、前記アクティブマトリクス型表示パネルの各前記行の一方の端部の垂直方向に位置する各画素のうち、前記第1の内挿映像信号のiラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へ供給した後、前記第2〜第nのゲートパルスを、前記第1〜第n−1の遅延映像信号のそれぞれ((i+M/n×j)%M)ラインに相当する位置に存在する画素のTFTのゲート電極へそれぞれ供給する処理を、前記ソース信号供給ステップで実行される前記第1〜第nのソース信号の供給タイミングと同期して繰り返し行うゲートパルス供給ステップと、
    を実行することを特徴とする画像表示方法。
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