JP2010101626A - 回転機械の状態量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検出器で、各センサペアー21a〜21c毎の両センサの出力信号同士の位相差A2 −A1 (B2 −B1 、C2 −C1 )を検出し、これら3つの位相差の信号を演算器に送る。この演算器で、センサペアー21aの何れかのセンサと、センサペアー21b(21c)の何れかのセンサとの出力信号同士の位相差B−A(C−A)を導き出す。そして、これら各位相差に基づいて、上記複数方向の変位又は傾き、或は、複数方向の荷重又はモーメントを算出する。上記検出器と演算器とを繋ぐハーネスは3本で済む。
【選択図】図2
Description
このうちの回転機械は、使用状態でも回転しない静止部材と、この静止部材に対して回転自在に支持された回転部材とを備えたものである。
又、上記状態量測定装置は、上記回転部材又はこの回転部材と共に回転及び変位する別部材の一部に、この回転部材又はこの別部材と同心に設けられたエンコーダと、回転しない部分に支持固定された3個以上のセンサと、検出器と、演算器とを備えたものである。
このうちのエンコーダは、周面に被検出面を備えると共に、この被検出面のうち互いに軸方向に外れた2個所位置に第一、第二の特性変化部を備えたものである。これら両特性変化部の特性は、円周方向に関して交互に、且つ、互いに同じピッチで変化する。これと共に、上記第一、第二の両特性変化部のうちの少なくとも一方の特性変化部の特性変化の位相は、軸方向に関し、他方の特性変化部と異なる状態で漸次変化している。
又、上記各センサは、その検出部を対向させた部分の特性変化に対応して出力信号を変化させるものである。そして、このうちの1個のセンサの検出部を上記第一の特性変化部に、別の1個のセンサの検出部を上記第二の特性変化部に、残りのセンサの検出部を、上記第一、第二の両特性変化部のうち他のセンサの検出部を対向させる部分と重ならない部分に、それぞれ対向させている。
又、上記検出器は、上記各センサの出力信号同士の間に存在する位相差のうちの少なくとも2つの位相差、或は、同じく少なくとも1つの位相差及び少なくとも1つの単独のセンサの出力信号を検出して出力するものである。
更に、上記演算器は、次の様な動作を行うものである。即ち、上記検出器から出力された位相差或は単独のセンサの出力信号から、この位相差が存在するセンサの組み合わせとは異なる組み合わせのセンサの出力信号同士の位相差を導き出す。そして、この異なる組み合わせのセンサの出力信号同士の位相差と、上記検出器から出力された位相差或は単独のセンサの出力信号とに基づいて、上記静止部材に対する上記エンコーダの複数方向の変位又は傾き、或は、この静止部材と上記回転部材との間に作用する複数方向の荷重又はモーメントを算出する。
即ち、検出器から出力される位相差或は単独のセンサの出力信号を、パルス波形とする。
又、演算器は、各センサのうち1対のセンサの出力信号同士の位相差であるパルス幅を有するパルス波形と、別の1対のセンサの出力信号同士の位相差であるパルス幅を有するパルス波形、或は、単独のセンサの出力信号であるパルス波形とから、上記1対のセンサのうちの何れかのセンサと、上記別の1対のセンサのうちの何れかのセンサ或は上記単独のセンサとの出力信号同士の位相差を導き出す。
又、検出器は、これら各センサペアー毎の両センサの出力信号同士の位相差を検出して出力するものとする。
更に、演算器は、上記各センサペアー毎の両センサの出力信号同士の位相差と、これら各位相差から導き出される、互いに円周方向にずれた位置に配置されたセンサの出力信号同士の位相差とに基づいて、静止部材に対する上記エンコーダの複数方向の変位又は傾き、或は、この静止部材と回転部材との間に作用する複数方向の荷重又はモーメントを算出するものとする。
或は、請求項5に記載した発明の様に、センサペアーを3組とする。これら各センサペアーは、それぞれ、円周方向に関してほぼ同じ位相で軸方向に並んだ1対のセンサから構成し、円周方向に関し互いに等間隔(中心角ピッチで120度毎)に配置する。
更に、この様な軸受としては、例えば、請求項7に記載した発明の様に、自動車用転がり軸受ユニットがある。即ち、一方の軌道輪を、使用状態で自動車の懸架装置に固定される静止輪とし、他方の軌道輪を、使用状態で車輪を固定し、この静止輪に対して回転自在に支持される回転輪とする。
図1〜4は、請求項1〜3、5〜7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合も、前述の図7〜11に示した従来構造(特許文献5に記載された発明)と同様に、転がり軸受ユニット6(図7参照)に、3組のセンサペアー21a〜21cを設置している。即ち、これら各センサペアー21a〜21cは、それぞれ、エンコーダ7(7a)の円周方向に関して同じ位相或は僅かに(例えば、1パルスの0.5〜2.5ピッチ、具体的には、1回転が48パルスの場合に、3.75〜18.75゜程度)ずれた位置で軸方向に並んだ、1対のセンサ9a1 (9b1 、9c1 )、9a2 (9b2 、9c2 )から成る。これら各組のセンサペアー21a〜21cは、上記エンコーダ7(7a)の周囲に、円周方向に関し互いに等間隔に配置されている。又、このエンコーダ7(7a)は、前述の図8或は図11に示した様な、第一の特性変化部と第二の特性変化部とを有する。そして、上記各センサセンサ9a1 (9b1 、9c1 )、9a2 (9b2 、9c2 )は、その検出部を上記エンコーダ7(7a)の第一の特性変化部と第二の特性変化部とにそれぞれ対向させている。
図5は、請求項1〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、上述の第1例と異なり、センサペアー21a、21bを2組、エンコーダ7(7a)の周囲に配置している。又、これら両センサペアー21a、21bは、それぞれ、円周方向に関して同じ位相で軸方向に並んだ1対のセンサから成り、外輪1(図7参照)の中心軸に関し対称位置(180度反対位置)に配置されている。この様に構成される本例の場合、検出器により、上記両センサペアー21a、21b毎の両センサ9a1 (9b1 )、9a2 (9b2 )の出力信号同士の位相差(各位相差と周期との合成信号)を得る。そして、この様に検出器により得た2つの位相差を演算器に送り、この演算器で、互いに円周方向にずれた位置に配置された、例えば、センサ9a2 、9b2 の出力信号同士の位相差を求める。この結果、3組の組み合わせのセンサの出力信号同士の位相差が得られるにも拘らず、検出器と演算器とを繋ぐハーネスは2本(各センサが、電圧出力タイプの場合は合計4本、電流出力タイプの場合は合計3本)で済む。その他の構造及び作用は、上述の第1例と同様である。
図6は、全請求項に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、エンコーダ7bの被検出面に対向させる2組又は3組のセンサペアーとして、図6にその使用状態を示す様な、磁気検出用ICの一種である、1個のホールIC22を使用している。上記エンコーダ7bは、磁性金属板製で円環状の芯金の表面に永久磁石製のエンコーダ本体23を添着固定して成る。このエンコーダ本体23の被検出面には、互いに異なる2種類の磁気極性であるS極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置している。これらS極とN極との境界は、上記被検出面の軸方向(幅方向、図6の上下方向)中央部が円周方向に関して最も突出した、「く」字形になっている。
又、各位相差或は単独のセンサの出力信号同士を単一の信号とする回路は、前述の図12に示したものに限定される事はない。例えば、この為の回路をディスクリートで組んでも良い。何れにしても、位相差或は単独のセンサの出力信号のエッジを検出し、位相差と周期とを単一の信号として送り出せる回路であれば良い。
更に、送り出される単一信号は、前述した様に、周期及び位相差の情報を含んでいる為、このうちの周期の情報を、例えばABS等の制御で必要とされるデータ(周期)として使用する事もできる。
2 ハブ
3 外輪軌道
4 内輪軌道
5 転動体
6 転がり軸受ユニット
7、7a、7b エンコーダ
8 カバー
9a1、9a2、9b1、9b2、9c1、9c2 センサ
10 被検出部
11、11a、11b 透孔
12、12a、12b 柱部
13、13a 第一の特性変化部
14、14a 第二の特性変化部
15 センサ
16 D型FF
17 リセットパルス部
18 NOT
19 NAND
20 ハーネス
21a、21b、21c センサペアー
22 ホールIC
23 エンコーダ本体
24 IC本体
25 リード端子
26 ホール素子
Claims (7)
- 回転機械と、状態量測定装置とを備え、
このうちの回転機械は、使用状態でも回転しない静止部材と、この静止部材に対して回転自在に支持された回転部材とを備えたものであり、
上記状態量測定装置は、上記回転部材又はこの回転部材と共に回転及び変位する別部材の一部に、この回転部材又はこの別部材と同心に設けられたエンコーダと、回転しない部分に支持固定された3個以上のセンサと、検出器と、演算器とを備えたものであり、
このうちのエンコーダは、周面に被検出面を備えると共に、この被検出面のうち互いに軸方向に外れた2個所位置に第一、第二の特性変化部を備えたもので、これら両特性変化部の特性が円周方向に関して交互に且つ互いに同じピッチで変化すると共に、上記第一、第二の両特性変化部のうちの少なくとも一方の特性変化部の特性変化の位相が軸方向に関し、他方の特性変化部と異なる状態で漸次変化しており、
上記各センサは、その検出部を対向させた部分の特性変化に対応して出力信号を変化させるもので、このうちの1個のセンサの検出部を上記第一の特性変化部に、別の1個のセンサの検出部を上記第二の特性変化部に、残りのセンサの検出部を、上記第一、第二の両特性変化部のうち他のセンサの検出部を対向させる部分と重ならない部分に、それぞれ対向させており、
上記検出器は、上記各センサの出力信号同士の間に存在する位相差のうちの少なくとも2つの位相差、或は、同じく少なくとも1つの位相差及び少なくとも1つの単独のセンサの出力信号を検出して出力するものであり、
上記演算器は、上記検出器から出力された位相差或は単独のセンサの出力信号から、この位相差が存在するセンサの組み合わせとは異なる組み合わせのセンサの出力信号同士の位相差を導き出し、この異なる組み合わせのセンサの出力信号同士の位相差と、上記検出器から出力された位相差或は単独のセンサの出力信号とに基づいて、上記静止部材に対する上記エンコーダの複数方向の変位又は傾き、或は、この静止部材と上記回転部材との間に作用する複数方向の荷重又はモーメントを算出するものである、
回転機械の状態量測定装置。 - 検出器から出力される位相差或は単独のセンサの出力信号がパルス波形であり、演算器は、各センサのうち1対のセンサの出力信号同士の位相差であるパルス幅を有するパルス波形と、別の1対のセンサの出力信号同士の位相差であるパルス幅を有するパルス波形、或は、単独のセンサの出力信号であるパルス波形とから、上記1対のセンサのうちの何れかのセンサと、上記別の1対のセンサのうちの何れかのセンサ或は上記単独のセンサとの出力信号同士の位相差を導き出す、請求項1に記載した回転機械の状態量測定装置。
- その検出部をエンコーダの第一の特性変化部と第二の特性変化部とにそれぞれ対向させた1対のセンサから成るセンサペアーを、互いに円周方向にずれた位置に複数組配置しており、
検出器は、これら各センサペアー毎の両センサの出力信号同士の位相差を検出して出力するものであり、
演算器は、上記各センサペアー毎の両センサの出力信号同士の位相差と、これら各位相差から導き出される、互いに円周方向にずれた位置に配置されたセンサの出力信号同士の位相差とに基づいて、静止部材に対する上記エンコーダの複数方向の変位又は傾き、或は、この静止部材と回転部材との間に作用する複数方向の荷重又はモーメントを算出するものである、
請求項1又は請求項2に記載した回転機械の状態量測定装置。 - センサペアーが2組であり、これら両センサペアーは、それぞれ、円周方向に関してほぼ同じ位相で軸方向に並んだ1対のセンサから成り、静止部材の中心軸に関し対称位置に配置されている、請求項3に記載した回転機械の状態量測定装置。
- センサペアーが3組であり、これら各センサペアーは、それぞれ、円周方向に関してほぼ同じ位相で軸方向に並んだ1対のセンサから成り、円周方向に関し互いに等間隔に配置されている、請求項3に記載した回転機械の状態量測定装置。
- 回転機械が、内輪と外輪とのうちの何れか一方の軌道輪に対し、他方の軌道輪を回転自在に支持した軸受である、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した回転機械の状態量測定装置。
- 軸受が自動車用転がり軸受ユニットであり、一方の軌道輪を、使用状態で自動車の懸架装置に固定される静止輪とし、他方の軌道輪を、使用状態で車輪を固定し、この静止輪に対して回転自在に支持される回転輪とした、請求項6に記載した回転機械の状態量測定装置。
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