JP2010101389A - ヒンジ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクトな単体構造のヒンジ機構で、正逆方向で異なる所望の大きさの回転トルクを得ることができ、安定に回転対象物を停止・保持が可能であるヒンジ機構を提供すること。
【解決手段】 設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材1と第2の部材2と、弾性部材3と、ハウジング部材4とを備え、部材1は突起部を有し、部材2は前記突起部を受け入れる二つ以上の凹所を備えると共に、それら凹所と凹所との間の面には傾斜面を備え、部材1と部材2とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は弾性部材3が部材2を加圧する加圧力を受けながら前記傾斜面上を滑って前記凹所間を移動し、また、部材2は中心軸線方向に移動し、前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、弾性部材3の中心軸線方向の伸縮によって部材1と部材2との間にかかる圧力が減少又は増大するヒンジ機構。
【選択図】 図1

Description

この発明は、回転対象部材、例えば車体の後部ドア又はピアノの蓋体、あるいは家庭用のドアなどを所定の角度の範囲で回転させるのに適したヒンジ機構に関する。
各種のドア、パソコンの蓋体などの開閉機構に多種多様なヒンジ機構が用いられている。それぞれの開閉機構に適った構造のヒンジ機構が数多く提案されているが、構造の簡単なものとしてシャフト又は内輪部材にコイルを巻装、又は他のばね部材を装着して、それらの間に生じるトルクを利用するヒンジなど(例えば、特許文献1〜3参照)が提案されている。また、比較的重量のある車体の後部ドアの開閉機構の一例としてヒンジとダンパーなどを組み合わせたヒンジ機構が提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
特開2000−352427号公報 特開2001−012514号公報 特開2005−315329号公報 特開2005−088714号公報 特開平10−153045号公報
前掲の特許文献1〜3の発明に係るヒンジ機構は、シャフト部材などにバネ体を装着した構造であるので、構造が簡潔であり、部品点数も少ないので小型で経済性に優れ、一定の回転トルクを得ることができるものである。しかしながら、特許文献1〜3の発明に係るヒンジ機構は、例えば後部ドアの開閉機構などのように、後部ドアを開けるときには比較的小さい力で開けることができ、閉めるときには後部ドアの重さによって急激に閉じてはならないという開閉特性、つまり要求される回転トルクが大きく、かつ方向によって生じる回転トルクが異なる特性を要求される開閉機構には適しているとは言えない。また、特許文献1〜3の発明に係るヒンジ機構は、各種ドア又は蓋体などの回転対象物を特定の位置に安定に保持するのは難しく、少々の衝撃などが回転対象物などに加えられると動いてしまうという問題がある。
前掲の特許文献4、5に開示されている発明のヒンジ機構は、車両の後部ドアの開閉機構用に造られているので、ヒンジ機構に要求される特性を満足するが、汎用性に乏しく、取付けが複雑であって大きな取り付け場所が必要であることである。また、開閉機構がヒンジだけでなく、ヒンジとダンパーなどとを組み合わせて構成されているので、開閉機構が大型化せざるを得ず、コンパクトな構造とすることは難しかった。また、これらヒンジ機構は開閉の途中の特定位置で安定に後部ドアを停止させ、その位置に維持することは難しかった。
本発明は、上述のような従来の課題を解決することを目的とし、コンパクトな単体構造のヒンジ機構で、正逆方向で異なる所望の大きさの回転トルクを得ることができると共に、少なくとも2箇所で安定に回転対象物を停止・保持が可能であるヒンジ機構を提供することを目的としている。
第1の発明は、設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、前記第2の部材を前記第1の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、前記第1の部材と前記第2の部材と前記弾性部材とを収納し、一端側が開かれ、他端側が閉じているハウジング部材とを備え、前記第1の部材は前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有すると共に、前記ハウジング部材の開いた前記一端側に位置し、また、前記第1の部材は前記ハウジング部材と相対的に回転が可能であり、前記第2の部材は、前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面を備え、また、前記第2の部材は前記ハウジング部材の内を当該ヒンジ機構の中心軸線X−Y方向を動くことができるが、前記ハウジング部材に対して回転不可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、前記弾性部材は前記第2の部材と前記ハウジング部材の閉じられた前記他端との間に備えられ、前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記第2の部材を通して前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動することにより、前記第1の部材は前記ハウジング部材と相対的に回転し、このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第2の部材は前記中心軸線X−Y方向を移動し、前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線X−Y方向の伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記ハウジング部材の開いた前記一端側を閉じる蓋体を有し、前記第1の部材と前記蓋体との間に、円環状の保持器と該保持器に保持されている転動体とからなる転動部材、又は潤滑部材、あるいはスラスト型軸受のいずれかからなる回転補助部材を少なくとも一つ備えていることを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第3の発明は、設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、前記第1の部材を前記第2の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、開いた一端側に前記第2の部材が固定されたハウジング部材と、前記第1の部材の中心を当該ヒンジ機構の中心軸線X−Yに位置させる保持部材とを備え、前記第1の部材、前記弾性部材、及び前記保持部材は前記ハウジング部材に収容されており、前記第1の部材は、前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有し、かつ前記保持部材に対して回転不可能になっているが、前記中心軸線X−Y方向を動くことができ、前記第2の部材は、前記第1の部材の前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面が形成されており、前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、前記ハウジング部材と前記保持部材とは相対的に回転することができ、前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動することにより、前記第1の部材及び前記保持部材は前記ハウジング部材と相対的に回転し、このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第1の部材は前記中心軸線X−Y方向を移動し、前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線X−Y方向への伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第4の発明は、前記第3の発明において、前記ハウジング部材の前記他端側の側壁部と前記保持部材との間には、円環状の保持器と該保持器に保持されている転動体とからなる転動部材、又は潤滑部材、あるいはスラスト型軸受のいずれかからなる回転補助部材を少なくとも一つ備えていることを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第5の発明は、設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、前記第1の部材を前記第2の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、前記第1の部材と前記弾性部材とを収容することができる第3の部材と、開いた一端側に前記第2の部材が固定され、他端側が前記第3の部材と互いに回転可能に結合されるハウジング部材とを備え、前記第1の部材は前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有し、前記第2の部材は、前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面が形成されており、前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、前記第1の部材と前記第3の部材とは互いに回転不可能であるが、前記第1の部材は前記第3の部材に対して当該ヒンジ機構の中心軸線X−Y方向を動くことができ、前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動すると共に、前記第2の部材と前記ハウジング部材とは前記第1の部材と相対的に回転し、このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第1の部材は前記中心軸線X−Yの方向を移動し、前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線X−Y方向の伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第6の発明は、設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、前記第1の部材を前記第2の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、前記第1の部材と前記弾性部材とを収容する筒状の第3の部材と、前記第3の部材の内側の底面に一端側が固定され、他端側は自由端部となっているセンター部材と、開いた一端側が前記第2の部材に固定され、他端側は前記第3の部材と回転可能に結合されるハウジング部材とを備え、前記第1の部材は前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有すると共に中央穴を有し、該中央穴は前記センター部材の前記自由端部を挿通させることができ、前記第2の部材は、前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面が形成されており、前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、前記第1の部材と前記第3の部材とは互いに回転不可能であり、前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動することにより、前記第1の部材及び前記第3の部材は前記ハウジング部材と相対的に回転し、このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第1の部材は前記第3の部材の内壁に沿って前記中心軸線X−Y方向を移動し、前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線方向の伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第7の発明は、前記第5の発明又は前記第6の発明において、前記第3の部材と前記ハウジング部材とは、円環状の保持器と該保持器に保持されている転動体とからなる転動部材、又は潤滑部材、あるいはスラスト型軸受のいずれかからなる回転補助部材を少なくとも一つ備えていることを特徴とするヒンジ機構を提供するものである。
第8の発明は、前記第1の発明ないし前記第7の発明のいずれかにおいて、前記第1の部材の前記突起部が前記第2の部材のいずれかの前記凹所に納まっている状態では、外部から回転力が加わらない限り前記突起部が前記凹所から脱出できないように、前記突起部と前記凹所とが形成され、前記突起部は、所定の回転力を超える外部回転力がかかるときに、前記第2の部材の前記第1の凹所から前記第2の凹所の方向へ脱出でき、又は前記第2の凹所から前記第1の凹所の方向へ脱出できることを特徴とするヒンジ機構ことを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第9の発明は、前記第1の発明ないし前記第8の発明のいずれかにおいて、前記第2の部材の前記第1の凹所は、前記傾斜面を挟んで前記第2の凹所よりも高い位置にあり、前記傾斜面は前記第2の凹所側に比べて前記第1の凹所側で緩やかな傾斜であり、又は前記傾斜面は前記第2の凹所側に比べて前記第1の凹所側で急傾斜になっていることを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第10の発明は、前記第1の発明ないし前記第9の発明のいずれかにおいて、前記第2の部材の前記第1の凹所は、前記傾斜面を挟んで前記第2の凹所よりも高い位置にあり、前記第2の部材の前記第1の凹所及び前記第2の凹所の双方又はいずれか一方は、前記傾斜面側と反対側の凹所壁が急傾斜になっていて、前記突起部が前記傾斜面側と反対側の前記凹所壁を上って脱出することが難しくなっていることを特徴とするヒンジ機構を提供する。
第11の発明によれば、前記第1の発明ないし前記第10の発明のいずれかにおいて、前記第2の部材の前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記傾斜面の途中に1個以上の凹所を備え、前記第1の部材の前記突起部が前記傾斜面上を滑る過程で、前記突起部が前記第3の凹所に入り、前記第1の部材と前記第2の部材との相対的な回転を一旦停止させることができることを特徴とするヒンジ機構を提供するものである。
前記第12の発明によれば、前記第1の発明ないし前記第11の発明のいずれかにおいて、前記第1の部材は前記第2の部材の位置に配置されると共に、前記第2の部材は前記第1の部材の位置に配置されることを特徴とするヒンジ機構を提供する。
本発明によれば、コンパクトな単一構造のヒンジ機構で、大きな回転トルクから小さな回転トルクまでの所望の回転トルクを与えることができると共に、回転対象物の正逆回転方向で異なる回転トルクを与えることができることは勿論のこと、回転トルクを増大又は減少させることができる。また、特定の位置で安定に回転対象物を停止させ、保持することができる。
前記第2の発明、前記第4の発明、及び前記第7の発明によれば、ヒンジ機構の中心軸線方向に大きな荷重がかかった状態でも、回転対象物が安定に回転動作を行なうことができ、また、寿命を向上させることができる。
前記第8の発明によれば、前記突起部がスムーズに前記凹所に進入でき、かつ前記突起部が前記凹所から脱出するには適度の力を要するので、回転対象物が望ましい動作を行うことができる。
前記第9の発明によれば、このヒンジ機構の回転方向に対して任意の回転トルクを与えることができる。
前記第10の発明によれば、前記第1の凹所、第2の凹所が突起部のストッパ機能を果たすので、その凹所壁を乗り越えて更に回転することを防止するので、安価な構造で回転対象物の動作を安全なものにする。
前記第11の発明によれば、第3の凹所を所望の位置に形成しておけば、回転対象物が回転する途中の所望の位置で一旦、回転対象物を安定に停止・保持できる。
前記第12の発明によれば、前記第1の部材を前記第2の部材の位置に配置すると共に、前記第2の部材を前記第1の部材の位置に配置しているので、必要性に応じて多種類の構造のヒンジ機構を提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に名称が同じ部材であるものとする。
[実施形態1]
本発明に係る実施形態1のヒンジ機構100について、図1〜図4により説明する。図1はこのヒンジ機構100を説明するための図であり、断面を示している。図2は本発明のヒンジ機構に用いられる第1の部材1の一例を示し、図3は発明のヒンジ機構に用いられる第2の部材2の一例を示す。図4はヒンジ機構100を説明するための図である。この実施形態1のヒンジ機構100は、図1に示すように、主として互いに係合し合う第1の部材1と第2の部材2と、第2の部材を第1の部材に押し付ける弾性力を生じる弾性部材3と、第1の部材1、第2の部材2、弾性部材3を収納するハウジング部材4と、中心軸線X−Y方向の力がかかった状態でも第1の部材とハウジング部材との回転を促進する回転補助部材5とから構成される。
図2で示すように、第1の部材1は第2の部材2と向かい合う面に二つの突起部1A、突起部1Bを備える。突起部1A、突起部1Bはヒンジ機構100の中心軸線X−Yを中心とする同心円上にそれぞれの頂部がほぼ180度ずれて位置する。また、突起部1A、突起部1Bは第2の部材2と係合、係止するのに適した形状をしており、好ましくは突起部1A、突起部1Bの頂部の高さと形状は同一である。これら突起部1A、1Bは1個でもよいが、動作の安定性の面から、また、要求される回転トルクの大きさに応えるためにも2個以上が好ましい。詳しくは後述する。また、第1の部材1はその中央に中央穴1Cを有するが、実施形態1では利用しない。
第1の部材1は、前記突起部が形成された面とは反対側の面、つまり裏面に第1の部材1と一体化されている環状の結合部1Dを備える。この結合部1Dには、図示しないが、ドアなどのような回転対象物が固定、又はその回転対象物を支承する固定物が圧入などによって固定される。第1の部材1の円環状の外周面1Eは、ハウジング部材4の円筒状の内周面4Aに対して、相対的に回転できるようになっている。第1の部材1の突起部1A、第2の突起部1Bが形成された面とは反対側の裏面はほぼ平坦であることが好ましいが、他の任意の形状であっても構わない。
第2の部材2は、第1の部材1とハウジング部材4の閉じられた側壁部4Bとの間に弾性部材3と一緒に備えられている。図3に示すように、第2の部材2は第1の部材1の突起部1A、突起部1Bが形成された面と向かい合う側の面に、突起部1Aを受け入れることができる第1の凹所2Aと第2の凹所2B、突起部1Bを受け入れることができる第3の凹所2Cと第4の凹所2Dとを有する。これら凹所2A〜2Dは中心軸線X−Yを中心とする同心円上にあり、所定の値以上の回転力が第1の部材1と第2の部材2との間にかけられるとき、突起部1Aが第1の凹所2A又は第2の凹所2Bから脱出することができると同時に、突起部1Bが第3の凹所2C又は第4の凹所2Dから脱出することができる深さと形状をそれぞれ有する。図3では、凹所2A〜2Dはそれぞれ中心軸線X−Yから放射外方向に延びる溝で示されているが、回転トルクが小さなものでは孔であっても構わない。
第1の凹所2Aと第2の凹所2Bとの間は所定の勾配の傾斜面Saになっており、また、第3の凹所2Cと第4の凹所2Dとの間は所定の勾配の傾斜面Sbとなっている。それら傾斜面Sa、Sbは一例として図3、図4に示すような曲線状である。図4は、第1の凹所2Aと第2の凹所2B、それらの間の傾斜面Saとを説明するための図であって、実際は第1の凹所2Aと第2の凹所2Bとの間を円弧状に延びる傾斜面Saを直線的に示している。図4にも示すように、第1の凹所2Aは、第2の凹所2Bから傾斜面Saを上がった位置にある。図示しないが、同様に第3の凹所2Cは、第4の凹所2Dから傾斜面Sbを上がった位置にある。
傾斜面Saは要求される回転トルクの大きさによって勾配や傾斜の形状は異なるが、基本的には図4に示すように第1の凹所2A側では緩やかな傾斜であり、また、第2の凹所2B側では急な傾斜になっていることが好ましい。第1の凹所2A側の緩やかな傾斜と第2の凹所2B側の急な傾斜との間はそれらの中間の勾配の傾斜であるが、部分的に急傾斜又は緩傾斜となってもよい。
突起部1Aと突起部1Bとは実質的に同じ形状であり、また、第1の凹所2Aと第3の凹所2C、第2の凹所2Bと第4の凹所2Dは互いに実質的に形状や深さなどは同一であり、前述した傾斜面Sa、Sbも同じであるので、突起部1A、第1の凹所2Aと第2の凹所2B、傾斜面Saについて説明し、突起部1Bと第3の凹所2Cと第4の凹所2Dと傾斜面Sbについては説明を省略する。突起部1Aは放射方向に長いある幅を有しており、突起部1Aの頂部は角張っておらず、丸まった形状になっている。突起部1Aの頂部側よりも根元側は、必要な機械的強度が得られる厚みであればよい。この実施例では、第1の凹所2Aと第2の凹所2Bに納まるように突起部1Aの頂部側の厚みを薄くし、根元側の厚みを大きくするため、2段形状になっている。
図4(B)に示すように、第1の凹所2Aを形成する凹所壁の内、傾斜面Sa側の凹所壁2A1は反対側の凹所壁2A2に比べて傾斜が緩やかになっている。この緩やかな傾斜は、例えば図示しない回転対象物が車体の後部ドア又はトランクの扉、あるいはピアノなどの蓋体である場合には、前記回転対象物の自重によって生じる回転力で突起部1Aが第1の凹所2Aを脱出することがない程度以上の傾斜である。このことは弾性部材3の弾性力によっても大きく左右されるので、前記回転対象物の自重によって生じる回転力の大きさだけで一義的に決めることはできない。
また、凹所壁2A2は例えば第1の凹所2Aの底部から80〜90度で立上る急傾斜である。前述したように、突起部1Aの頂部側の形状は、傾斜面Saの上り側が急傾斜であるので、傾斜面Saを上った突起部1Aはスムーズに第1の凹所2A内に入るが、更に同方向に進んで急な傾斜の凹所壁2A2を上って脱出することはできない。したがって、第1の凹所2Aがこのヒンジ機構の回転運動の設定された角度の範囲を決める一方の限界点となり、突起部1Aのストッパの働きを行う。このことはヒンジ機構100の動作の安全性を向上させる。
前述したように突起部1Aは、前記回転対象物の自重によって生じる回転力で第1の凹所2Aを脱出できないが、外部からそれほど大きくない回転力を与えることにより第1の凹所2Aを脱出でき、傾斜面Saを下って第2の凹所2Bに入れるようになっている。第2の凹所2Bは、回転対象物が垂直方向に回転運動するものの場合、回転対象物の最終回転位置、つまりこのヒンジ機構の回転運動の設定された角度の範囲を決める他方の限界点にある。また、回転対象物の自重に逆らって弾性部材3の弾性力によって突起部1Aが第2の凹所2Bから脱出できないようになっている。このことは、第2の凹所2Bの傾斜面Sa側の凹所壁2A1の傾斜などによって実現される。
また、ここで大切なのは、第2の部材2がこのヒンジ機構の中心軸線X−Y方向には動けるが、ハウジング部材4に対して回転方向に動けないようになっていることである。つまり、第2の部材2はハウジング部材4と一緒に回転方向に動くようになっており、ハウジング部材4が固定のときは当然に回転方向に動かない。第2の部材2の環状の外周面2E及びこれに対面するハウジング部材の内周面4Aの少なくとも一部分は、同一の多角形状で僅かな間隙で互いに向き合っているので、ハウジング部材4が回転方向に動けば、一緒に回転方向に動き、ハウジング部材4に回転力が加わらなければ回転方向に動かない。したがって、第1の部材1が回転方向に動いても、ハウジング部材4が回転方向に動かない限り第2の部材2は回転方向に動かない。しかし、第2の部材2はその外周面2Eとハウジング部材の内周面4Aとの中心軸線X−Y方向の滑りによって、中心軸線X−Y方向には動くことができる。
弾性部材3は、第2の部材2とハウジング部材4の側壁部4Bとの間に挟まれている。弾性部材3は、例えばコイルバネ、あるいは1個以上の板バネ、皿バネ、ゴムブロックのいずれかでよいが、これらに限定されるものでない。求められる回転トルクが大きい場合には、弾性部材3は広く用いられているコイルバネが好ましいが、求められる回転トルクがさほど大きくなく、小型化が求められるときには、弾性部材3は板バネ又は皿バネなどが適している。また、求められる回転トルクが小さく、経済性が求められる場合にはゴムブロックなどが適している。
ハウジング部材4の側壁部4Bの外側には、中心軸線X−Y方向に延びる結合部4Cが備えられている。この結合部4Cは、図示しないが、ドアなどのような回転対象物に固定されるか、あるいはその回転対象物を支承する固定物に固定される。
ハウジング部材4の開いた側を閉じる蓋体6と第1の部材1の裏面との間には、スラスト方向(中心軸線X−Y方向)の力がかかった状態でも第1の部材1とハウジング部材4との相対的な回転方向の動きを助ける回転補助部材5が備えられる。最後に蓋体6がハウジング部材4に固定される。回転補助部材5は、前記第1の部材と前記蓋体との間に、円環状の保持器と該保持器に保持されている転動体とからなる転動部材、又は潤滑部材、あるいはスラスト型軸受のいずれかからなる。潤滑部材は、スラスト方向の比較的耐荷重が小さい場合に適しており、潤滑性能に優れた乾式の潤滑材料からなる膜又は板など、あるいはグリースなどからなる潤滑剤が一般的である。
スラスト型軸受は、スラスト方向の耐荷重が大きい場合などに適しており、中心軸線X−Y方向の耐荷重に優れたスラスト玉軸受又はスラスト円筒ころ軸受、あるいはスラスト針状ころ軸受、又は中心軸線X−Y方向の耐荷重とラジアル方向の耐荷重の双方を併せ持つスラストアンギュラ玉軸受又はスラスト円錐ころ軸受である。スラスト型軸受については市販のもので足るので、図示しないが、主な構成部品は円環状の保持器とその保持器に一定間隔で保持された複数の転動体とそれらを両側から挟み、転動体が転動する転動溝を有する軌道板とからなる。前記転動部材は、円環状の保持器とその保持器に保持された転動体とからなり、軌道板を有しないものである。回転補助部材5が前記転動部材である場合には、第1の部材1の裏面と蓋体6とを軌道板として利用する。
また、この実施形態1において、第1の部材1の安定化を図るために、図1において破線で示すように、第1の部材1と一体化されていて、中心軸線X−Yを中心にして延びる結合部1dを導出し、1Dで示されている部分に一般的なラジアル軸受を設けてもよい。図示しないが、そのラジアル軸受の内輪を破線で示す結合部1dに固定し、その外輪を蓋体6に固定することによって、第1の部材1の中心をより一層中心軸線X−Yに安定に維持できる。この場合、回転補助部材5がスラスト型軸受であるとき、蓋体6に接触する不図示の軌道板を前記外輪に固定すれば、第1の部材1を更に安定に支承できる。
次に、実施形態1に係る前述のような構造のヒンジ機構100の動作について説明する。第1の部材1の結合部1Dとハウジング部材4の結合部4Cのどちらが不図示の回転対象物に、又はそれを支承する固定物に結合されても良いが、ここでは第1の部材1の結合部1Dが不図示の固定物に結合され、ハウジング部材4の結合部4Cが不図示の回転対象物に結合されているものとする。不図示の回転対象物が回転する前、つまりハウジング部材4が回転方向に動く前は、第1の部材1の突起部1Aが前述した第2の部材2の凹所2Aに入っているものとする。このとき、弾性部材3は第2の部材2によって大きな圧縮力を受けているので、最大近くまで収縮している。車体の後部ドアのような不図示の回転対象物に所定以上の回転力が加わり、その回転対象物を上方向に回転運動させる力が働いたとすると、ハウジング部材4も一緒に回転方向に動く。このとき、ハウジング部材4と一緒に第2の部材2と弾性部材3も回転方向に動く
第2の部材2が回転方向に動き始めると、第1の部材1の突起部1Aが第2の部材2の第1の凹所2Aを脱出し、傾斜面Saを滑ってやがて第2の凹所2Bに納まる。第2の部材2が回転方向に動くとき、当然に突起部1Aを通して回転力が第1の部材1に伝達されるが、第1の部材1は前述したようにその結合部1Dが不図示の固定物に固定されているので回転方向に動かない。第2の部材2が回転方向に動くのに伴って突起部1Aが、傾斜面Saを下っている過程では、実際には第2の部材2が図1の中心軸線X−Yを左方向に動くので、弾性部材3は徐々に伸長し、突起部1Aが傾斜面Saを下り易い方向の力を与え、前記回転対象物が重力に逆らって上方向に回転運動を行なうのを助ける。
つまり、突起部1Aが第1の凹所2Aを脱出して時点で弾性部材3は最も収縮しているので、反発力が大きく、有効に前記回転対象物の回転運動を助ける。そして、突起部1Aが傾斜面Saを上るのに比べて、傾斜面Saを下がるときには、当然に滑って下がり易いので、小さな外力で前記回転対象物はその自重に逆らって上方に回転し、傾斜面Saを下がって第2の凹所2Bに入る。前記回転対象物の自重による回転力の大きさに対して、傾斜面Saの傾斜と弾性部材3の弾性力の強さを調整することによって、小さな力で前記回転対象物を上方の所定角度まで回転させることができる。突起部1Aが傾斜面Saを下がりきって第2の凹所2Bに入った状態では、前述したように、前記回転対象物の自重によって突起部1Aが第1の凹所2Bを脱出することがないので、前記回転対象物を上方の設定位置に安定に保持することができる。
このように動作するとき、一定位置に固定の第1の部材1は弾性部材3の弾性力によって当然に図1の左方向に加圧される。他方、蓋体6はハウジング部材4と一緒に回転する。したがって、第1の部材1と蓋体6との間に位置する回転補助部材5には回転方向(ラジアル)方向の力と中心軸線X−Y(スラスト)方向の力の双方が加わる。回転補助部材5の働きによって、蓋体6はハウジング部材4と一緒に支障なく回転方向に動くことができる。したがって、前記回転対象物を容易に上方の設定角度まで回転運動させることができる。
次に、外部から不図示の回転対象物に回転力が加わることによって、突起部1Aが第2の凹所2Bから第1の凹所2Aに至る動作について説明する。突起部1Aが第2の凹所2Bに納まっている状態では、前記回転対象物の自重による回転力が第2の部材2にかかっているので、比較的小さな外力を加えるだけで突起部1Aが第2の凹所2Bから脱出できる。このことは、前述したように、求められる回転トルクの大きさに応じて決められる第2の凹所2Bの形状と突起部1Aの形状及び弾性部材3の弾性力の大きさによって実現される。
突起部1Aは第2の凹所2Bを脱出すると、傾斜面Saを滑って図2(A)に示すように第1の凹所2Aに戻る。突起部1Aが傾斜面Saを上る過程では、ハウジング部材4の結合部4Cには前記回転対象物の自重による回転力が働くと共に、第2の部材2を押し戻そうとする弾性部材3の弾性力が作用するので、前記回転対象物はその自重で勢いよく回転することはなく、僅かな垂直下方向の力を前記回転対象物に与えることによって回転する。なお、第1の部材1が不図示の回転対象物に固定され、ハウジング部材4が不図示の固定物に固定されても、回転方向に動く部材が異なるだけで動作は同様である。
以上述べたように、実施形態1によればコンパクトな単一構造のヒンジ機構100で、回転対象物が垂直方向に回転運動するものであっても、垂直上方向及び垂直下方向に回転運動させる場合に、小さな力を加えるだけでスムーズに動かすことができ、特定の位置で安定に回転対象物を停止させ、保持することができる。また、大きな回転トルクから小さな回転トルクまでの所望の回転トルクを与えることができると共に、回転対象物の正逆回転方向で異なる回転トルクを与えることができる。
実施形態1において、図示しないが、第1の部材1と第2の部材2との大きさ、形状などを適宜変えて、それらの位置が互いに逆に取付けられてもよい。この場合には、第1の部材1が第2の部材2の位置にあって、ハウジング部材4に対して回転動作を行うことができないが、中心軸線X−Y(スラスト)方向を動く。第2の部材2は第1の部材1の位置にあって、ハウジング部材4に対して回転運動できるが、ハウジング部材が回転運動しても、中心軸線X−Y(スラスト)方向を動かない。このとき、第2の部材2とハウジング部材4は相対的に回転運動を行うことができる。
[実施形態2]
本発明に係る実施形態2のヒンジ機構200について、図5により説明する。図5はこのヒンジ機構200の構造を説明するための図であり、新たに第1の部材1の中心がこのヒンジ機構200の中心軸線X−Yに位置するように、第1の部材1を保持する保持部材7を備えている。第1の部材1と第2の部材2の基本的な構造、つまり第1の部材1の突起部1A、1B及び第2の部材2の凹所2A〜2D、傾斜面Sa、Sbは実施形態1のヒンジ機構100と同様である。
ハウジング部材4は保持部材7を収納している。保持部材7は、このヒンジ機構の中心軸線X−Yに中心がほぼ位置する円板状の側板部7A、側板部7Aの直径よりも小さい直径で中心軸線X−Yを中心にして側板部7Aから延びる円筒状部7B、円筒状部7Bからほぼ直角に外方向(ハウジング部材4の内周面4Aの方向)に延びて、円板状の側板部7Aの外径とほぼ等しい外径を有する円環状部7C、及び側板部7Aの中央部に設けられた結合部7Dからなる。側板部7Aの直径及び円環状部7Cの外径は、ハウジング部材4の円筒状の内周面4Aの直径よりも若干小さいだけであり、保持部材7はハウジング部材4の内周面4Aに接しながら相対的に回転できるようになっている。このようにすることによって、ハウジング部材4に対して保持部材7を安定に位置させ、また、安定に相対的に回転運動させることができる。
弾性部材3は保持部材7の円筒状部7Bに納められ、第1の部材1は円筒状部7B内を中心軸線X−Yの方向に動くことはできるが、円筒状部7Bに対して回転方向に動けないようになっている。回転方向に動くことができない構造については前述と同様であるので、説明を省略する。したがって、第1の部材1は、保持部材7が回転方向に動くときには一緒に回転方向に動き、保持部材7が固定のときには回転方向に動かない。第2の部材2は、ハウジング部材4の開いた側を閉じるようにハウジング部材4に固定される。この固定は、スポット溶接又は圧入、あるいはネジの螺合など任意の方法で行なわれる。第2の部材2は、不図示の回転対象物又はそれを支承する固定物に結合し易い任意の形状の結合部2Fを備える。保持部材7の結合部7Dは、ハウジング部材4の側壁部4Bの中央に形成された穴から導出されている。
第2の部材2の結合部2Fと保持部材7の結合部7Dのどちらが不図示の回転対象物又はそれを支承する不図示の固定物に結合されても良いが、ここでは第2の部材2の結合部2Fが不図示の固定物に結合され、保持部材7の結合部7Dが不図示の回転対象物に結合されるものとする。第2の部材2の結合部2Fが不図示の固定物に結合されているので、第2の部材2及びハウジング部材4は固定であり、動かない。保持部材7はその結合部7D不図示の回転対象物に結合されているので、その回転対象物が回転運動するのに伴って、回転方向に動く。第1の部材1と第2の突起部2と弾性部材3との動作は、前述した実施形態1のヒンジ機構100と同様であるので、説明を省略する。
第1の部材1と弾性部材3とは、保持部材7と一緒に回転方向に動く。このとき、保持部材7の側板部7Aの円周面7A1と円環状部7Cの円周面7C1はハウジング部材の内周面4Aに接触しながら回転方向に動く。第1の部材1が保持部材4と一緒に回転方向に動くことにより、第1の部材1は、図2に示し突起部1Aが、図3、図4に示した第2の部材2の凹所2Aから傾斜面Saを滑って凹所2Bへ、あるいはその逆に動く。同様に、図2に示した第1の部材1の突起部1Bが、図3に示した第2の部材2の凹所2Cから傾斜面Sbを滑って凹所2Dへ、あるいはその逆に動く。したがって、第1の部材1は中心軸線X−Y方向を動き、弾性部材3は収縮又は伸長するので、回転方向によって、第1の部材1を第2の部材2に押し付ける力が増大又は減少する。このことは、不図示の回転対象物が垂直方向に回転するものであっても、小さな力で前記回転対象物を垂直上方向に回転させることができ、また、前記回転対象物がその自重で垂直下方向に急激に回転することを防ぐことができる。このヒンジ機構200は、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
以上述べたように、実施形態2によればコンパクトな単一構造のヒンジ機構200で、回転対象物が垂直方向に回転運動するものであっても、垂直上方向及び垂直下方向に回転運動させる場合に、小さな力を加えるだけでスムーズに動かすことができ、特定の位置で安定に回転対象物を停止させ、保持することができる。また、ハウジング部材4の側壁部4Bと保持部材7の側板部7Aとの間に備えられている回転補助部材5の働きによって、大きな回転トルクにも適応でき、また、回転対象物の正逆回転方向で異なる回転トルクを与えることができる。
実施形態2において、図示しないが、第1の部材1と第2の部材2との大きさ、形状などを適宜変えて、それらの位置が互いに逆に取付けられてもよい。この場合には、第2の部材1がハウジング部材4に固定されて一緒に回転動作を行う。また、第2の部材2は保持部材7に対して回転運動ができないが、ハウジング部材4又は保持部材7のいずれが回転運動しても、中心軸線X−Y(スラスト)方向を動く。
[実施形態3]
本発明に係る実施形態3のヒンジ機構300について、図6により説明する。図6はこのヒンジ機構300の構造を説明するための図である。このヒンジ機構300は、第1の部材1をこのヒンジ機構300の中心軸線X−Yの方向に移動可能とし、相対的な回転は不可能とすると共に、ハウジングの一部分を構成する第3の部材8を新たに備えている。また、回転補助部材5としてスラスト型軸受を用いている。第1の部材1と第2の部材2の基本的な構造、つまり第1の部材1の突起部1A、1B及び第2の部材2の凹所2A〜2D、傾斜面Sa、Sbは実施形態1のヒンジ機構100と同様である。
第3の部材8の一例を図6及び図7に示す。図6及び図7に示す第3の部材8は、互いに平行な一対の内面8A1、8A2を有すると共に、互いに平行な一対の外面8A3、8A4などからなる結合部を有する筒状部8Aと、筒状部8Aの一端側を閉じる側壁部8Bと、筒状部8Aの他端部側から中心軸線X−Yにほぼ垂直で逆方向(外方向)に延びる円環板状係合部8Cとからなる。筒状部8Aは、円筒状の外面の両側を中心軸線X−Yに平行に切り取って互いに平行な一対の外面8A3、8A4などからなる結合部を形成したものであるので、筒状部8Aの肉厚部8A5の外面は円筒状であり、肉厚になっている。その円筒状の肉厚部8A5から外方向に円環板状係合部8Cが延びている。
第3の部材8の側壁部8B側に弾性部材3が納められ、また開いた側に第1の部材1が納められる。第1の部材1は第3の部材8の内面8A1、8A2によって第3の部材8に対して相対的に回転できないが、中心軸線X−Y方向を動くことができる。ハウジング部材4は、その開放端側に第2の部材2が固定され、他方側に中心軸線X−Yに向かってほぼ垂直に延びる円環状係合部4Dを備える。ハウジング部材4の円環状係合部4Dと第3の部材の円環板状係合部8Cとの間には、回転補助部材5としてスラスト玉軸受が設けられている。この実施形態3では、以下、スラスト玉軸受5という。スラスト玉軸受5は、2枚の円環状の軌道板5A、5B及び不図示の保持器に保持された複数の転動球5Cとからなる。
例えば、第3の部材8が不図示の回転対象物に結合され、第2の部材2がその回転対象物を支承する固定物に結合されたとすると、前記回転対象物の回転に伴い第3の部材8が回転方向に動くと、第1の部材1も一緒に回転方向に動きながら中心軸線X−Y方向を動く。このとき第3の部材8は、弾性部材3の弾性力によって、図6で左側方向の力を受けており、その円環板状係合部8Cも当然に図6で左側方向の力を受けている。他方、ハウジング部材4の円環状係合部4Dは固定であるから、スラスト玉軸受5には中心軸線X−Y方向の加圧力が働く。したがって、前記回転対象物が回転してもハウジング部材4の円環状係合部4Dに押し付けられている軌道板5Aは動かず固定であるが、円環板状係合部8Cに押し付けられている軌道板5Bは、転動球5Cの転がり作用によって円環板状係合部8Cと一緒に回転方向に動く。
以上述べたように、実施形態3によればコンパクトな単一構造のヒンジ機構300で、回転対象物が垂直方向に回転運動するものであっても、垂直上方向及び垂直下方向に回転運動させる場合に小さな力を加えるだけでスムーズに動かすことができ、特定の位置で安定に回転対象物を停止させ、保持することができる。また、中心軸線X−Y方向の加圧力が大きくても、スラスト玉軸受5の転がり作用によって支障なく動作し、回転対象物の正逆回転方向で異なる回転トルクを与えることができる。
実施形態3において、図示しないが、第1の部材1と第2の部材2との大きさ、形状などを適宜変えて、それらの位置が互いに逆に取付けられてもよい。この場合には、第1の部材1が第2の部材2の位置にあり、ハウジング部材4に固定されて一緒に回転動作を行う。また、第2の部材2は第1の部材1の位置にあり、第3の部材8に対して回転運動ができないが、ハウジング部材4と第3の部材8のいずれが回転運動しても、中心軸線X−Y(スラスト)方向を動く。
[実施形態4]
本発明に係る実施形態4のヒンジ機構400について、図8により説明する。図8はこのヒンジ機構400の構造を説明するための図である。このヒンジ機構400は、図7で説明したような構造の第3の部材8を備え、その中に第1の部材1及び弾性部材3を収容している構造は実施形態3のヒンジ機構300とほぼ同様である。回転補助部材5として図示しない一般的な保持器に保持された複数の転動球(この実施形態4では、以下、転動球5という。)を用いたところが、ヒンジ機構300と異なる。第1の部材1と第2の部材2の基本的な構造、つまり第1の部材1の突起部1A、1B及び第2の部材2の凹所2A〜2D、傾斜面Sa、Sbは実施形態1のヒンジ機構100と同様であるので、説明を省略する。
転動球5は、ハウジング部材4の円環状係合部4D、第3の部材8の円環板状係合部8Cをそれぞれ軌道板として転がり運動を行なう。スラスト方向の耐荷重を大きくするには、図示しないが、円環状係合部4Dと円環板状係合部8Cにおける転動球5の転動する円形状の面に転動溝を形成してもよい。実施形態4のヒンジ機構400は、実施形態3のヒンジ機構300に比べて、小型軽量化及び低コスト化が可能でありながら、スラスト方向(中心軸線X−Y方向)の耐荷重をほぼ同様に受けることができ、動作もほぼ同様である。なお、実施形態4においても、実施形態3と同様に第1の部材1と第2の部材2の位置が互いに逆に取付けられてもよい。実施形態3と同様に動作する。
[実施形態5]
本発明に係る実施形態5のヒンジ機構500について、図9により説明する。図9はこのヒンジ機構500の構造を説明するための図である。この第5のヒンジ機構500は、図7に示したような構造の第3の部材8を備え、その中に第1の部材1及び弾性部材3を収容している構造、及びハウジング部材4を第2の部材に固定した構造は実施形態4のヒンジ機構400と同様である。回転補助部材5として潤滑部材(この実施形態5では、以下、潤滑部材5という。)を用いたところが実施形態4のヒンジ機構400と異なる。なお、第1の部材1と第2の部材2の基本的な構造、つまり第1の部材1の突起部1A、1B及び第2の部材2の凹所2A〜2D、傾斜面Sa、Sbは実施形態1のヒンジ機構100と同様であるので、説明を省略する。
潤滑部材5は、ハウジング部材4の円環状係合部4Dと第3の部材8の円環板状係合部8Cとの間に備えられて、円環状係合部4Dと円環板状係合部8との間の回転方向の動きをスムーズにする。潤滑部材5は、含油させた焼結金属、潤滑性能に優れた他の固形材料、又はワックスやグリースなどの潤滑剤からなる。実施形態のヒンジ機構500は、実施形態3のヒンジ機構300及び実施形態4のヒンジ機構400に比べて、小型軽量化及び低コスト化は可能であるが、スラスト方向(中心軸線X−Y方向)の耐荷重が比較的小さなヒンジ機構に適する。なお、実施形態5においても、実施形態3と同様に第1の部材1と第2の部材2の位置が互いに逆に取付けられてもよい。実施形態3と同様に動作する。
[実施形態6]
本発明に係る実施形態6のヒンジ機構600について、図10及び図11により説明する。図10はこのヒンジ機構600の構造を説明するための図であり、図10(A)は正面図であり、部分的に断面を示し、図10(B)は図10(A)の左側から見た側面図、図10(C)は図10(A)の右側から見た側面図を示している。図11はヒンジ機構600の一部分を示す図である。第1の部材1は図2に示した構造と同様なものであるが、結合部1Dを有していない。第2の部材2は図3に示した構造と同様なものである。したがって、これらの構造については説明を省略する。弾性部材3としてはコイルバネを用いている。実施形態6では、以下、コイルバネ3という。ハウジング部材4は、第2の部材2に固定されており、ヒンジ機構300のハウジング部材4と同様な構造である。
センター部材9は、ヒンジ機構600の中心軸線X−Yを中心にして延びる棒状のものであって、一端は第3の部材8の側壁部8Bの内面に固定され、他端は何処にも固定されない自由端部9Aとなっている。その自由端部9Aは、図2に示された第1の部材1の中央穴1Cを挿通している。また、コイルバネ3は第1の部材1に装着され、第1の部材1を第2の部材2に押し付けている。第1の部材1と第3の部材8との関係は、図6に示したヒンジ機構300と同様であり、第1の部材1は第3の部材8によって回転できないようになっているが、中心軸線X−Y方向には動けるようになっている。センター部材9は第3の部材8と協働して、第1の部材1とコイルバネ3とを中央に位置させる。
第3の部材8は図7で説明したのと同様な構造である。ハウジング部材4の円環状係合部4Dと第3の部材8の円環板状係合部8Cとの間に前述したような回転補助部材5を備えている。動作は前述と同様であるので詳しく説明しないが、センター部材9、それに装着された弾性部材3、及び第1の部材1は、第3の部材8が回転するときに一緒に回転する。図11(A)に示すように、第1の部材1の突起部1Aが第2の部材2の凹所2Aに入る直前で、コイルバネ3はほぼ最大に収縮している。したがって、コイルバネ3が第1の部材1を第2の部材2方向に押す力は最も大きな状態にあり、突起部1Aが第2の部材2の凹所2Aに入った状態で安定する。そして、外力が加わることによって突起部1Aが第2の部材2の凹所2Aを脱出し、傾斜面Saを下って第2の凹所2Bに入る過程では、第1の部材1が第3の部材8の内面に案内されて図11の右側に動き、コイルバネ3が伸びることにより第1の部材1と第2の部材2との間の加圧力は減少し、突起部1Aが凹所2Bに入った状態で安定する。なお、実施形態6においても、実施形態3と同様に第1の部材1と第2の部材2の位置が互いに逆に取付けられてもよい。この場合、第1の部材1にセンター部材9の自由端部9Aを挿通させる中央穴が設けられる。実施形態3と同様に動作する。
以上述べたように、実施形態6のヒンジ機構600もコンパクトな単一構造で、回転対象物が垂直方向に回転運動するものであっても、垂直上方向及び垂直下方向に回転運動させる場合に小さな力を加えるだけでスムーズに動かすことができ、特定の位置で安定に回転対象物を停止させ、保持することができる。また、中心軸線X−Y方向の加圧力が大きくても、このヒンジ機構は支障なく動作し、回転対象物の正逆回転方向で異なる回転トルクを与えることができる。また、センター部材9によってコイルバネ3を安定に維持することができるので、このヒンジ機構の動作を長期間安定に保つことができる。
以上述べた実施形態ではいずれも本発明のヒンジ機構を垂直方向に動く回転対象物に用いた場合を例にして説明したが、例えば、家庭用のドアなどのような回転対象物が水平方向に回転する場合にも有効である。この場合には、弾性部材3の弾性力及び第2の部材2の傾斜面Saなどを調整することによって、ドアが比較的緩やかに開閉し、このヒンジ機構だけでドアを開いた状態に保持することができる。また、図4に示した傾斜面とは逆に、凹所2A側の傾斜面の勾配を凹所2B側の勾配に比べて急な勾配にして、ドアを開けるときの力と閉めるときとの力が異なるようにすることも可能である。したがって、このヒンジ機構は垂直方に回転する回転対象物は勿論のこと、水平方向に回転する回転対象物にも用いることができる。また、図示しないが、図4で傾斜面Saの途中に第3の凹所を設ければ、その第3の凹所に突起部1Aが入った時点で一旦回転対象物を停止させ、その位置に保持することができる。
以上の実施形態では、固定状態にある部材と回転方向に動く部材とが結合される箇所に回転補助部材5を設けたが、要求される回転トルクが非常に小さな物品の場合には、中心軸線X−Y方向(スラスト方向)にかかる力が小さいので、回転補助部材を省略することも可能である。
第1の部材1と第2の部材2の動作を幾通りかに簡潔にまとめると次のようになる。第2の部材2がハウジング部材4と一緒に前記設定された角度の範囲内で回転運動を行なうとき、第1の部材1は回転せずに中心軸線X−Y方向を動かず、かつ第2の部材2は前記回転運動をしながら中心軸線X−Y方向を動く。あるいは、第2の部材2がハウジング部材4と一緒に前記設定された角度の範囲内で回転運動を行なうとき、第1の部材1は回転せずに中心軸線X−Y方向を動き、かつ2第2の部材は中心軸線X−Y方向を動かない。また、第1の部材1がハウジング部材4と一緒に前記設定された角度の範囲内で回転運動を行なうとき、第2の部材2は回転せずに中心軸線X−Y方向を動かず、かつ第1の部材1は前記回転運動をしながら中心軸線X−Y方向を動く。あるいは、第1の部材1がハウジング部材4と一緒に前記設定された角度の範囲内で回転運動を行なうとき、第2の部材2は回転せずに中心軸線X−Y方向を動き、かつ第1の部材1は中心軸線X−Y方向を動かない。
本発明に係るヒンジ機構は、様々なドアあるいは蓋体など種々の回転部などに利用することができる。
本発明の実施形態1に係るヒンジ機構100を説明するための図である。 ヒンジ機構100の第1の部材1を示す図である。 ヒンジ機構100の第2の部材2を示す図である。 ヒンジ機構100の動作を説明するための図である。 本発明の実施形態2に係るヒンジ機構200を説明するための図である。 本発明の実施形態3に係るヒンジ機構300を説明するための図である。 ヒンジ機構300に用いられる第3の部材の一例を示す図である。 本発明の実施形態4に係るヒンジ機構400を説明するための図である。 本発明の実施形態5に係るヒンジ機構500を説明するための図である。 本発明の実施形態6に係るヒンジ機構600を説明するための図である。 ヒンジ機構600の一部分を示す図である。
符号の説明
1・・・第1の部材
1A、1B・・・突起部
1C・・・中央穴
1D・・・結合部
1E・・・外周面
2・・・第2の部材
2A、2B・・・第1、第2の凹所
2C、2D・・・第3、第4の凹所
2E・・・外周面
2F・・・結合部
Sa・・・第1の凹所2Aと第2の凹所2Bとの間の傾斜面
Sb・・・第3の凹所2Cと第4の凹所2Dとの間の傾斜面
3・・・弾性部材
4・・・ハウジング部材
4A・・・内周面
4B・・・側壁部
4C・・・結合部
4D・・・円環状係合部
5・・・回転補助部材
5A、5B・・・スラスト玉軸受の軌道板
5C・・・スラスト玉軸受の転動球
6・・・蓋体
7・・・保持部材
7A・・・側板部
7A1・・・側板部7Aの円周面
7B・・・円筒状部
7C・・・円環状部
7C1・・・円環状部7Cの円周面
7D・・・結合部
8・・・第3の部材
8A・・・筒状部
8A1、8A2・・・筒状部8Aの内面
8A3、8A4・・・筒状部8Aの外面
8A5・・・筒状部8Aの肉厚部
8B・・・側壁部
8C・・・円環板状係合部
9・・・センター部材
9A・・・自由端部

Claims (12)

  1. 設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、
    前記第2の部材を前記第1の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材と前記弾性部材とを収納し、一端側が開かれ、他端側が閉じているハウジング部材と、
    を備え、
    前記第1の部材は前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有すると共に、前記ハウジング部材の開いた前記一端側に位置し、また、前記第1の部材は前記ハウジング部材と相対的に回転が可能であり、
    前記第2の部材は、前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面を備え、また、前記第2の部材は前記ハウジング部材の内を当該ヒンジ機構の中心軸線X−Y方向を動くことができるが、前記ハウジング部材に対して回転不可能であり、
    前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、
    前記弾性部材は前記第2の部材と前記ハウジング部材の閉じられた前記他端との間に備えられ、
    前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記第2の部材を通して前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動することにより、前記第1の部材は前記ハウジング部材と相対的に回転し、
    このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第2の部材は前記中心軸線X−Y方向を移動し、
    前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線X−Y方向の伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構。
  2. 請求項1において、
    前記ハウジング部材の開いた前記一端側を閉じる蓋体を有し、
    前記第1の部材と前記蓋体との間に、円環状の保持器と該保持器に保持されている転動体とからなる転動部材、又は潤滑部材、あるいはスラスト型軸受のいずれかからなる回転補助部材を少なくとも一つ備えていることを特徴とするヒンジ機構。
  3. 設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、
    前記第1の部材を前記第2の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、
    開いた一端側に前記第2の部材が固定されたハウジング部材と、
    前記第1の部材の中心を当該ヒンジ機構の中心軸線X−Yに位置させる保持部材と、
    を備え、
    前記第1の部材、前記弾性部材、及び前記保持部材は前記ハウジング部材に収容されており、
    前記第1の部材は、前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有し、かつ前記保持部材に対して回転不可能になっているが、前記中心軸線X−Y方向を動くことができ、
    前記第2の部材は、前記第1の部材の前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面が形成されており、
    前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、
    前記ハウジング部材と前記保持部材とは相対的に回転することができ、
    前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動することにより、前記第1の部材及び前記保持部材は前記ハウジング部材と相対的に回転し、
    このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第1の部材は前記中心軸線X−Y方向を移動し、
    前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線X−Y方向への伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構。
  4. 請求項3において、
    前記ハウジング部材の前記他端側の側壁部と前記保持部材との間には、円環状の保持器と該保持器に保持されている転動体とからなる転動部材、又は潤滑部材、あるいはスラスト型軸受のいずれかからなる回転補助部材を少なくとも一つ備えていることを特徴とするヒンジ機構。
  5. 設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、
    前記第1の部材を前記第2の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、
    前記第1の部材と前記弾性部材とを収容することができる第3の部材と、
    開いた一端側に前記第2の部材が固定され、他端側が前記第3の部材と互いに回転可能に結合されるハウジング部材と、
    を備え、
    前記第1の部材は前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有し、
    前記第2の部材は、前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面が形成されており、
    前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、
    前記第1の部材と前記第3の部材とは互いに回転不可能であるが、前記第1の部材は前記第3の部材に対して当該ヒンジ機構の中心軸線X−Y方向を動くことができ、
    前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動すると共に、前記第2の部材及び前記ハウジング部材は前記第1の部材と相対的に回転し、
    このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第1の部材は前記中心軸線X−Yの方向を移動し、
    前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線X−Y方向の伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構。
  6. 設定された角度の範囲内で相対的に回転し得る第1の部材と第2の部材と、
    前記第1の部材を前記第2の部材に押圧する弾性力を生じる弾性部材と、
    前記第1の部材と前記弾性部材とを収容する筒状の第3の部材と、
    前記第3の部材の内側の底面に一端側が固定され、他端側は自由端部となっているセンター部材と、
    開いた一端側が前記第2の部材に固定され、他端側は前記第3の部材と回転可能に結合されるハウジング部材と、
    を備え、
    前記第1の部材は前記第2の部材に対面する一方の面に突起部を有すると共に中央穴を有し、該中央穴は前記センター部材の前記自由端部を挿通させることができ、
    前記第2の部材は、前記突起部に対面する側の第1の面に同心状に位置する第1の凹所と第2の凹所を備えると共に、前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記第1の面には所望の勾配の傾斜面が形成されており、
    前記第1の凹所と前記第2の凹所は前記突起部を係合、係止することができ、前記突起部は前記第1の凹所と前記第2の凹所との間を移動可能であり、前記第1の凹所と前記第2の凹所の位置により前記設定された角度が決まり、
    前記第1の部材と前記第3の部材とは互いに回転不可能であり、
    前記第1の部材と前記第2の部材とが相対的に前記設定された範囲の角度で回転するとき、前記突起部は前記弾性部材による加圧力を受けながら、前記第1の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第2の凹所へ、又は前記第2の凹所から前記傾斜面上を滑って前記第1の凹所へ移動することにより、前記第1の部材及び前記第3の部材は前記ハウジング部材と相対的に回転し、
    このとき、前記弾性部材が伸縮することによって、前記第1の部材は前記第3の部材の内壁に沿って前記中心軸線X−Y方向を移動し、
    前記突起部が前記傾斜面上を滑るとき、前記弾性部材の中心軸線方向の伸縮によって前記第1の部材と前記第2の部材との間にかかる圧力が減少又は増大することを特徴とするヒンジ機構。
  7. 請求項5又は請求項6において、
    前記第3の部材と前記ハウジング部材とは、円環状の保持器と該保持器に保持されている転動体とからなる転動部材、又は潤滑部材、あるいはスラスト型軸受のいずれかからなる回転補助部材を少なくとも一つ備えていることを特徴とするヒンジ機構。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかにおいて、
    前記第1の部材の前記突起部が前記第2の部材のいずれかの前記凹所に納まっている状態では、外部から回転力が加わらない限り前記突起部が前記凹所から脱出できないように、前記突起部と前記凹所とが形成され、
    前記突起部は、所定の回転力を超える外部回転力がかかるときに、前記第2の部材の前記第1の凹所から前記第2の凹所の方向へ脱出でき、又は前記第2の凹所から前記第1の凹所の方向へ脱出できることを特徴とするヒンジ機構。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかにおいて、
    前記第2の部材の前記第1の凹所は、前記傾斜面を挟んで前記第2の凹所よりも高い位置にあり、
    前記傾斜面は前記第2の凹所側に比べて前記第1の凹所側で緩やかな傾斜であり、又は前記傾斜面は前記第2の凹所側に比べて前記第1の凹所側で急傾斜になっていることを特徴とするヒンジ機構。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかにおいて、
    前記第2の部材の前記第1の凹所及び前記第2の凹所の双方又はいずれか一方は、前記傾斜面側と反対側の凹所壁が急傾斜になっていて、前記突起部が前記傾斜面側と反対側の前記凹所壁を上って脱出することが難しくなっていることを特徴とするヒンジ機構。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかにおいて、
    前記第2の部材の前記第1の凹所と前記第2の凹所との間の前記傾斜面の途中に1個以上の凹所を備え、前記第1の部材の前記突起部が前記傾斜面上を滑る過程で、前記突起部が前記第3の凹所に入り、前記第1の部材と前記第2の部材との相対的な回転を一旦停止させることができることを特徴とするヒンジ機構。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかにおいて、
    前記第1の部材は前記第2の部材の位置に配置されると共に、前記第2の部材は前記第1の部材の位置に配置されることを特徴とするヒンジ機構。
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