JP2010101098A - マイクロ波を用いた誘電加熱装置、誘電加熱システム、および誘電加熱方法 - Google Patents

マイクロ波を用いた誘電加熱装置、誘電加熱システム、および誘電加熱方法 Download PDF

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愼 鏡
Hideki Kawaguchi
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Abstract

【課題】エネルギー効率に優れ、簡単な構造で効率よく加熱することができるうえ、装置の小型化が図れる。
【解決手段】誘電加熱装置1は、空胴部分の断面形状が略楕円形をなす空胴部2と、空胴部2に導波管5を介してマイクロ波Mを供給する発振器4と、空胴部2の短軸y付近の周の一部を開いて、その両端部2a、2bをオーバーラップさせることにより形成された開口部6とを備えており、開口部6は加熱対象物Kをくわえ込む構成をなし、空胴部2内におけるマイクロ波Mの電界の向きが空胴部2の断面に対して直交する方向の厚さ方向に一致させてなり、開口部6でくわえ込んだ加熱対象物Kに対して空胴部2からマイクロ波Mのエネルギーを与えて加熱する構成となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波のエネルギーを与えることで加熱対象物を加熱するためのマイクロ波を用いた誘電加熱装置、誘電加熱システム、および誘電加熱方法に関する。
従来、アスファルト舗装の補修工法は、対象となる要補修箇所のアスファルト舗装をはぎ取った後、その舗装発生材をプラントまで搬送して再生処理を行う工法と、現場で再生処理を行う工法とに大別される。
プラントによる処理は、現場から搬送されたアスファルト舗装発生材を破砕し、分級(篩い分け)し、加熱し、混合して再生処理を行っている。この場合、現場からプラントへの搬送と、プラントから現場への再生舗装材の再搬送が生じることから、時間とコストがかかる現状がある。
これに対して、搬送を伴わずに現場においてアスファルト舗装を再生する工法では、路面ヒータを使用してアスファルト舗装を加熱して柔らかくした状態とし、それを掻きほぐしつつ新規のアスファルト混合物と混合してから、敷き均す手順により行うものである。なお、常温で舗装を強制的に切削する工法もあるが、骨材が細粒化してしまうといった欠点がある。
ところで、アスファルト舗装体の加熱のためには、重油やプロパンガスの燃焼による加熱方式が一般的であるが、間接加熱であることから、加熱効率が低いうえ、表面から加熱するために、過加熱によるアスファルトの熱劣化が生じるおそれがある。
一方、上述した間接加熱の他のアスファルト混合物に対する加熱方式として、骨材に含まれる水分を利用したマイクロ波加熱を使用し、既設のアスファルト舗装に照射する方法によるものが、例えば特許文献1、2に提案されている。また、アスファルト舗装表面に穴を空け、前記穴の中に水が溜まるように散水した状態の舗装表面にマイクロ波を照射することで、加熱効率を高めるようにした方法が、特許文献3に開示されている。
特開2000−303408号公報 特開平9−189008号公報 特開平8−120617号公報
しかしながら、従来のマイクロ波加熱による加熱方式では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1乃至3で開示されているマイクロ波加熱では、直接加熱であることと、アスファルト自身がマイクロ波によってほとんど加熱されないことから、アスファルトの劣化という不具合が発生しない利点があるが、マイクロ波をアスファルト舗装の表面に照射する形態であり、その表面からのマイクロ波の反射量が大きくなるため、マイクロ波をアスファルト混合物中に効率よく浸透させることができないという問題があった。
そして、アスファルト舗装表面で反射したマイクロ波の反射量が大きいことから、装置周辺に施される漏洩マイクロ波の遮蔽対策が大規模になり、装置が大型化するといった不具合がある。
また、予めアスファルト舗装の下部に金属板や金網等の電気伝導度の高い部材を敷設して、上部からのマイクロ波照射と金網とで一種の開放型空胴を構成し、マイクロ波のエネルギーの投入効率を上昇させるようにした工法もあるが、金網の敷設方法や敷設した金網による舗装への影響(例えば、滑りなどの問題)など調査すべき問題が多く、また一般的な既設の舗装には金属板や金網等を挿入させる施工は困難となっている現状がある。
このように、従来のマイクロ波加熱では、個々の利点のすべてを同時に満足するものは無く、マイクロ波を使用した誘電加熱の利点を十分に発揮することができなかった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、エネルギー効率に優れ、簡単な構造で効率よく加熱することができるうえ、装置の小型化が図れるマイクロ波を用いた誘電加熱装置、誘電加熱システム、および誘電加熱方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るマイクロ波を用いた誘電加熱装置では、加熱対象物にマイクロ波のエネルギーを与えて加熱するマイクロ波を用いた誘電加熱装置であって、空胴部分の断面形状が略楕円形又は略円形をなす空胴部と、空胴部に導波管を介してマイクロ波を供給するマイクロ波発振器と、空胴部の短軸付近の周の一部を開いて、その両端部をオーバーラップさせることにより形成された開口部とを備え、開口部は、加熱対象物をくわえ込む構成をなし、空胴部内におけるマイクロ波の電界の向きが空胴部の断面に対して直交する方向の厚さ方向に一致することを特徴としている。
また、本発明に係る誘電加熱システムでは、上述した誘電加熱装置が厚さ寸法方向に複数連結されていることを特徴としている。
また、本発明に係る誘電加熱方法では、空胴部分の断面形状が略楕円形又は略円形をなす空胴部と、空胴部に導波管を介してマイクロ波を供給するマイクロ波発振器と、空胴部の短軸付近の周の一部を開いてその両端部をオーバーラップさせることにより形成された開口部とを備えた誘電加熱装置を用い、開口部で加熱対象物をくわえ込んで、その加熱対象物にマイクロ波のエネルギーを与えて加熱する誘電加熱方法であって、開口部で、加熱対象物をくわえ込む工程と、マイクロ波発振器からマイクロ波を空胴部に供給し、空胴部内におけるマイクロ波の電界の向きが空胴部の断面に対して直交する方向の厚さ方向に一致させる工程と、空胴部に供給されたマイクロ波のエネルギーを加熱対象物に与えることで加熱する工程とを有することを特徴としている。
本発明では、空胴部を楕円形断面又は円形断面とし、且つ空胴部内におけるマイクロ波の電界の向きを空胴部の断面に対して直交する方向の厚さ方向に一致させた構成であるので、空胴部の短軸付近に電磁波を集中させ、その電磁界の分布が一様に揃う好適な共振領域を形成することができる。空胴部の短軸付近に電磁界のエネルギーを集中させやすい構造となり、とくに短軸長と長軸長の比率を1:√2とした楕円形断面とすることでファブリ・ペロ共振器を模擬することができ、好適で且つ堅固な場をなす共振領域を形成することができる。
そして、その空胴部に形成された安定した電磁界を崩さない位置に開口部を設けることで、その空胴部から一定強度のマイクロ波が開口部へ流れ、開口部でくわえ込んだ加熱対象物に対するマイクロ波供給の安定性を確保することできる。つまり、開口部でくわえ込まれた加熱対象物は、開口部上面及び開口部下面によって挟まれた空間となっているので、その開口部の上下方向にマイクロ波が放射して逃げることがなく、開口部に供給されたエネルギーのすべてが加熱対象物内を透過することになるので、効率よく加熱することができる。
しかも、加熱対象物がアスファルト混合物である場合には、マイクロ波によって内部の水分や骨材が直接加熱されることでその周囲のアスファルトも間接的に加熱して、アスファルト混合物を溶融することができる。そのため、アスファルト自体の過熱による熱劣化を防げることが可能となり、マイクロ波加熱の直接加熱方式という特性を発揮させることができる。
また、加熱対象物を透過したマイクロ波のエネルギーは極めて弱いものとなることから、空中へのマイクロ波の漏洩に対する遮蔽手段は簡易なもので済み、遮蔽対策にかかる装置の大型化を抑制することができる。
さらに、本誘電加熱装置を例えば既設のアスファルト舗装体の再生処理の現場施工に適用すれば、従来のようにアスファルト舗装体の表層下部に金属板や金網を敷設するといった困難な作業が不要となり、現場での施工が現実的となる利点がある。
さらにまた、複数の誘電加熱装置を連結させて使用することで、装置全体の厚さ寸法を増大させることが可能となり、これにより一度に加熱できる加熱対象物の対象範囲を増やすことができ、加熱対象がアスファルト舗装体などの極めて広大な加熱範囲を有する場合に、効率的に加熱作業を行うことができる。
また、本発明に係るマイクロ波を用いた誘電加熱装置では、導波管は、短軸付近にマイクロ波のエネルギーを集中させた状態で、電界強度が強い部分を避けた位置に設けられていることが好ましい。
本発明では、空胴部内に形成された安定した電磁界の分布の崩れを少なくすることができるので、一定の強度のマイクロ波を空胴部から開口部へ供給することができる。
また、本発明に係るマイクロ波を用いた誘電加熱装置では、開口部の高さ寸法は、開口部に加熱対象物がくわえ込まれない場合において、マイクロ波をカットオフすることが可能な寸法であることが好ましい。
また、本発明に係るマイクロ波を用いた誘電加熱装置では、開口部の高さ寸法と開口部を形成する空胴部の両端部同士のオーバーラップ長とは、調整可能であることが好ましい。
本発明では、空胴部の形状、加熱対象物の物性、マイクロ波発振器より供給されるマイクロ波の強度などの条件に対応させて、開口部の高さ寸法とオーバーラップ長を調整することで、空胴部内における電磁界の形成状態を安定した好適な状態に設定し、開口部に流すマイクロ波の強度を一定にすることができる。
また、本発明に係るマイクロ波を用いた誘電加熱装置では、空胴部の厚さ寸法は、マイクロ波の1波長以下であることが好ましい。
本発明では、空胴部内における電磁界の形成状態を安定させることができ、開口部に流すマイクロ波の強度を一定にすることができる。
また、本発明に係るマイクロ波を用いた誘電加熱装置では、空胴部は、開口部とともに回転可能であることが好ましい。
本発明では、開口部で加熱対象物をくわえ込んだ状態において、空胴部を開口部の開口端が持ち上がるようにして所定角度で回転させることで、開口部から加熱対象物を排出することができる。
また、本発明に係るマイクロ波を用いた誘電加熱装置では、開口部を形成する開口部下面に設けられるとともに、開口部下面の先端側から後端側に向かって斜め上方に傾斜した斜面を有していてもよい。
これにより、開口部から加熱対象物を排出させる際に、開口部の開口先端を持ち上げるようにして空胴部を回転させると、斜面が下方に向くことから、斜面に沿って加熱対象物が滑り易い状態となり、効率よく且つ確実に加熱対象物を開口部から落下させることができる。
また、本発明に係る誘電加熱方法では、加熱対象物の加熱後に、エネルギーを加熱対象物から外へ放出することで、加熱対象物に隣接する部分の別の対象物を予備加熱することが好ましい。
本発明では、開口部にくわえ込まれた加熱対象物を透過したマイクロ波を開口部の開口端側に位置する次に加熱する別の対象物へ浸透させることができる。これにより、前記別の対象物についても、くわえ込まれた加熱対象物よりは弱いもののマイクロ波のエネルギーによって加熱されることになる。そのため、例えば加熱対象物がアスファルト混合物の場合には、次に加熱する別の対象物も加熱により溶融して柔らかい状態となるので、誘電加熱装置を緩やかに別の対象物側に押しつつ、次の加熱対象部分を開口部でくわえ込むことが可能となり、連続的に、且つ効率よくマイクロ波加熱による作業を行うことができる。
本発明のマイクロ波を用いた誘電加熱装置、誘電加熱システム、および誘電加熱方法によれば、空胴部の短軸付近にマイクロ波のエネルギーを集中させ、その電磁界の分布が一様に揃う好適な共振領域を形成するとともに、空胴部に形成された安定した電磁界を崩さない位置に開口部を設けることで、その空胴部から一定強度のマイクロ波が開口部へ流れ、開口部でくわえ込んだ加熱対象物に対するマイクロ波供給の安定性を確保することで、効率よく加熱することができ、エネルギー効率の向上を図ることができる。
そして、開口部で加熱対象物をくわえ込むだけの簡単な構造となるうえ、加熱対象物を透過したマイクロ波のエネルギーが弱くなるので、マイクロ波の空中への漏洩を防ぐための遮蔽対策にかかる装置の増大を抑えて、装置の小型化を図ることができる。
以下、本発明の第1の実施の形態によるマイクロ波を用いた誘電加熱装置、および誘電加熱方法について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態による誘電加熱装置の構成を示す側断面図、図2(a)は図1に示す誘電加熱装置の正面図、(b)は図1に示すA−A線断面図、図3は図1に示す開口部の拡大図、図4はアスファルト舗装に誘電加熱装置を適用した施工状態を示す図、図5(a)〜(d)は誘電加熱方法の概要を説明する図である。
図1に示す誘電加熱装置1は、マイクロ波Mによって加熱対象物Kを加熱溶融するためのものであり、本第1の実施の形態では既設のアスファルト舗装体10の後述する舗装表層11の一部におけるアスファルト混合物が加熱対象物Kとされ、アスファルト舗装体10を現場で再生処理する施工を適用対象としている。つまり、アスファルト舗装体10の要補修箇所に誘電加熱装置1を持ち込み、その現場において再生処理する際に用いられる。
ここで、本実施の形態の再生処理対象であるアスファルト舗装体10は、上層から下層に向かうにしたがって舗装表層11、第2の層12、第3の層13、路盤14の順で配置されている。これらのうち舗装表層11が誘電加熱装置1による施工対象となる。
図1及び図2(a)、(b)に示すように、誘電加熱装置1は、断面形状が略楕円形をなす空胴部2を形成した空胴体3と、空胴部2の内部にマイクロ波Mを供給するためのマイクロ波発振器(以下、単に「発振器4」という)と、一端が発振器4に接続されていて他端が空胴部2の上部付近に連通して設けられた導波管5と、空胴部2の下部付近に形成されていて加熱対象物Kをくわえ込むための開口部6とから概略構成されている。
なお、誘電加熱装置1では、開口部6の開口先端6b側を本実施の形態によるアスファルト舗装体10の再生処理における進行方向(図1の矢印E方向)に向けて使用される。
発振器4は、例えば1kWの電源により周波数2.45GHzのマイクロ波Mを発振させ、そのエネルギーを導波管5を通じて空胴部2の内部に伝達するためのものである。
導波管5は、スリースタブ整合器を含むものが採用されている。そして、この導波管5の空胴部2に対する取付け位置は、楕円形断面をなす空胴部2の短軸(図1に示す符号y)付近にマイクロ波Mのエネルギーが集中する状態において、電界強度が強い部分を避けた位置であって、空胴部2の楕円中心Oを挟んで開口部6に対してほぼ対称位置に設けられている。そして、導波管5は、発振器4より発振される2.45GHzのマイクロ波Mが進行可能な適宜な幅寸法に設定されている。
空胴体3は、内面に略筒状の空胴部2を形成させたものであり、その空胴部2の断面に対して直交する方向の厚さ方向(図1で紙面に向かう方向、図2で左右方向)の両側が側壁3a、3bで塞がれている。
空胴部2は、厚さ寸法(空胴部厚さ寸法D1)がマイクロ波Mの1波長以下の寸法をなし、例えば銅、アルミニウムなどの金属製の部材からなり、例えば空胴部2が金属箔の部材で被覆されている。
そして、空胴部2は、この楕円形状の短軸y付近の周の一部を開いて、その両端部2a、2bを所定の長さ寸法(図3に示すオーバーラップ長D2)だけオーバーラップさせることにより開口部6を形成したものであり、側面視で略「の」字状に形成されている。
また、本実施の形態では、空胴部2の短軸長と長軸長の比率(アスペクト比)が略1:√2となる楕円形状をなしており、外側端部2bを含む楕円形状は、開口部高さ寸法D3(図3参照)が舗装表層11の厚さ寸法になるように、空胴部2の両端部2a、2bのうち外側に位置する外側端部2bを含む楕円形状のアスペクト比が設定されている。さらに、開口部高さ寸法D3としては、加熱対象物Kが開口部6にくわえ込まれない場合において、マイクロ波Mがカットオフになる高さ寸法に設定されている。例えば、空胴部2の短軸yが34cm、長軸xが60cmであるとき、図3に示す開口部高さ寸法D3を2〜6cmの範囲に設定することで、加熱対象物Kが開口部6にくわえ込まれない場合にマイクロ波Mをカットオフすることができる。
さらに、空胴部2は、内部に供給されるマイクロ波Mの電界の向きが空胴部2の断面に対して直交する方向の厚さ方向に一致する構成となっており、上述したように断面形状を好適な略楕円状とすることで、空胴部2の空間内に発振されるマイクロ波Mのエネルギーが短軸付近に集中した状態(図1に示す共振領域Tが形成される状態)を形成し、電磁界を安定させる構成となっている(詳しくは後述する)。
そして、空胴体3は、空胴部2の短軸y方向を略上下方向に向け、長軸xを略進行方向(図1の左右方向)に向けた状態で、さらに全体をやや右回り(図1で時計回りの方向)に傾けた状態で使用され、その傾斜状態において空胴部下部がアスファルト舗装体10の舗装表層11と接する部分に開口部6が形成されるように構成されている。すなわち、空胴部2は、内部の電磁界の集中が乱れない位置、すなわち共振領域Tの形成を妨げたり、変動を与えない好適な位置に開口部6を形成させている。
図1及び図3に示すように、開口部6は、内側端部2aの外周側の背面(開口部上面6c)と外側端部2bに位置する開口部下面6dとが対向配置するオーバーラップ部分(開口部上面6cと開口部下面6dとによって挟まれた空間)に相当し、その空間で加熱対象物Kをくわえ込む構成となっている。つまり、開口部6でくわえ込んだ加熱対象物Kが加熱対象となり、その加熱対象物Kに空胴部2を介してマイクロ波Mのエネルギーが与えられて加熱される。
そして、空胴部2の両端部2a、2bのオーバーラップ長D2は、寸法調整することによって空胴部2内の電磁界の安定した状態(つまり、マイクロ波Mのエネルギーが短軸付近に集中した状態)を保ちつつ、開口部6からマイクロ波Mを安定して放射させることができる。
このオーバーラップ長D2は、加熱対象物Kをくわえ込んだ状態のときにのみ、開口基端位置6aからマイクロ波Mが開口部6へ流れるように設定されている。つまり、開口部6で加熱対象物Kをくわえ込ませていない状態のときには空胴部2内の電磁波(マイクロ波M)が開口部6の開口基端位置6a(図3の二点鎖線の位置)より外に放出されず、加熱対象物Kをくわえ込んで開口基端位置6aと加熱対象物Kとの距離が小さくなると、マイクロ波Mの吸収対象となる加熱対象物Kに対してマイクロ波Mが照射されるようになっている。これにより、開口部6で加熱対象物Kをくわえ込まない場合においては、誤ってマイクロ波Mが空胴部2の外に放射されてしまうことを防止できる利点もある。
なお、開口部6を形成する空胴部2の端部2a、2b同士のオーバーラップ長D2は、例えばアスファルト舗装体10を構成する各層11、12、13のうちの一層の厚み程とすることができる。
また、開口部6の上下面を含む部位は、例えばアスファルト舗装体10などに押し込ませて加熱対象物Kをくわえ込ませることから、例えば銅、鉄、アルミニウム、繊維強化プラスチックなどの前記押し込みに耐え得る強度と耐熱性を有する部材から形成することが好ましい。とくに、導電性を有する銅がより好ましい。なお、本実施の形態では、開口部6を形成する開口部下面6dは上述したように空胴部2の端部に位置するので、空胴部2の部材と同様に銅やアルミニウムなどの金属製の部材からなる。このように、空胴部2の内面は安定した電磁界を形成するうえで金属製の部材である必要があるが、開口部6を形成する開口部上面6c及び開口部下面6dの材質は必ずしも金属製の部材でなくてもかまわない。なお、空胴体3の側壁3a、3bも同様に金属製であることに限定されることはない。
また、図1に示すように、本誘電加熱装置1は、空胴部2が周方向(矢印F方向)に回転可能に設けられており、さらに図示しない駆動機構により進行方向(矢印E方向)に移動可能な構造をなし、適宜、開口部6の位置を加熱対象物Kに対して進退させることが可能になっている。つまり、詳しくは後述するが、開口部6で加熱対象物Kをくわえ込んだ状態で、開口部6の開口先端6b側を持ち上げるようにして反時計回りの方向(矢印F1方向)に空胴体3を回転させることで、開口部6内の加熱対象物Kが落下して排出されるようになっている。本実施の形態では加熱対象物Kがアスファルト混合物であので、開口部6において加熱された加熱対象物Kが溶融して柔らかい状態となるため、開口先端6bを持ち上げることで、その加熱対象物Kは開口部6から滑り落ちることになる。
次に、誘電加熱装置1の作用について、図面に基づいてさらに具体的に説明する。
図1に示すように、本誘電加熱装置1では、発振器4から導波管5を通して供給されたマイクロ波Mは、一旦、楕円形断面をなす空胴部2内に蓄えられ、その後、その空胴部2の適切な箇所に設けた開口部6からマイクロ波Mを引き出し、そのエネルギーを加熱対象物Kに供給することができる。
図1に示すように、本第1の実施の形態による誘電加熱装置1では、空胴部2を楕円形断面とし、且つ空胴部2内におけるマイクロ波Mの電界の向きを空胴部2の断面に対して直交する方向(紙面に垂直な方向)の厚さ方向に一致させた構成であるので、空胴部2の中央部(すなわち、断面の短軸y付近)に電磁波を集中させ、その電磁界の分布が一様に揃う好適な共振領域Tを形成することができる。すなわち、導波管5とアスファルト舗装体10との間にQ値(共振状態を示す周知の値)の高い空胴部2を介挿させることで、加熱対象物K(アスファルト舗装体10)のコンディションに左右されない崩れ難い場の分布を実現することが可能となる。これにより、一定の強度からなるマイクロ波Mを開口部6へ向けて流すことが可能となり、開口部6でくわえ込んだ加熱対象物Kに対するマイクロ波供給の安定性を確保することできる。
つまり、開口部6でくわえ込まれた加熱対象物Kは、開口部上面6c及び開口部下面6dによって挟まれた空間となっているので、その開口部6の上下方向にマイクロ波Mが放射して逃げることがなく、開口部6に供給されたエネルギーのすべてが加熱対象物K内を透過することになるので、効率よく加熱することができ、エネルギー効率の向上を図ることができる。
そのため、導波管から加熱対象物Kに直接マイクロ波Mを供給する従来技術のように、加熱対象物Kの形状、材質、状態等に応じて導波管での導波モードが崩れ、加熱対象物Kに供給されるマイクロ波Mの強度にばらつきが生じたり、大きな反射が発生してしまい、安定した加熱が行えないといった不具合をなくすことができる。
とくに、本第1の実施の形態の空胴部2は、アスペクト比を1:√2とした楕円形断面とすることでファブリ・ペロ共振器を模擬することができる。そのため、空胴部2におけるQ値は、導波管のみの場合に比べて約5倍、長方形断面の空胴部の場合に比べて約3〜4倍、そして1:1或いは1:2など他のアスペクト比の楕円形断面の空胴部に比べて約1.3倍の値となることから、好適で且つ堅固な場をなす共振領域Tを形成することができ、開口部6にくわえ込んだ加熱対象物Kに対して安定したマイクロ波Mの供給が可能になる。
次に、上述した誘電加熱装置1を用いた誘電加熱方法の一例について、図面を用いて具体的に説明する。ここでは、既設のアスファルト舗装体10の再生処理を現場で行うケースを対象とする。
図4に示すように、本再生処理による作業は、標準的な作業手順とほぼ同様であり、アスファルト舗装体10の舗装表層11の加熱、掻きほぐし、新規アスファルト混合物との混合、敷き均し、締固めの手順で行われる。その機械編成は、図4の紙面左側より誘電加熱装置1、カッタ21、ミキサ22、スクリード23(23A、23B)、転圧ローラ24の順で配置されている。つまり、本実施の形態では、従来の加熱装置である間接加熱方式の路面ヒータに代えて、誘電加熱装置1を使用している。
先ず、誘電加熱装置1によってアスファルト舗装体10を加熱する作業開始にあたって、アスファルト舗装体10の加熱開始箇所において舗装表層11に誘電加熱装置1の開口部6をくわえ込ませる箇所に切り込みを入れておいたり、その箇所を部分的に引き剥がしておく。ここで、誘電加熱装置1は、開口部6の開放側(開口先端6b)を進行方向(図1に示す矢印E方向)に向けて、順次、舗装表層11を部分的に加熱しつつ移動させる作業が行われる。
図1及び図5(a)に示すように、誘電加熱装置1の開口部6で、加熱対象物K(舗装表層11)をくわえ込む。この状態で、発振器4から導波管5を介してマイクロ波Mを空胴部2の内部に供給し、この空胴部2に供給されたマイクロ波Mのエネルギーを加熱対象物Kに与えることで加熱する。
具体的には、空胴部2の内部での電磁界が一様の分布となる安定した状態となり、一定の強度のマイクロ波Mが開口部6に供給されるので、開口部6でくわえ込んだ加熱対象物Kのアスファルト混合物内の水にマイクロ波Mが吸収され、その水分や骨材が加熱して、その周囲のアスファルト自体も間接的に加熱されて、アスファル舗装体10の舗装表層11が溶融することになる。このとき、上述したように、開口部6においては、上下方向にマイクロ波Mが放射して逃げることがないことから、開口部6に供給されたエネルギーのすべてが加熱対象物K内を透過し、極めて効率よく加熱することができる。
さらに、加熱対象物Kの加熱後に、前記エネルギーを加熱対象物Kから外へ放出させ、加熱対象物Kに隣接する部分の別の対象物K´(舗装表層11)を予備加熱する(図3参照)。つまり、加熱対象物Kを透過したマイクロ波Mを作業の進行方向E(開口部6の前方)に位置する次に加熱して溶解する部分(別の対象物K´)へ浸透させる。これにより、この部分(別の対象物K´)においても、くわえ込まれた部分(加熱対象物K)よりは弱いものの符号M´のマイクロ波のエネルギーによって加熱されて溶解した状態となることから、誘電加熱装置1を緩やかに進行方向Eに押して移動させて、次の加熱部分を開口部6でくわえ込むことが可能となる。そのため、最初の加熱後においては、作業前に実施したような開口部6の押し込み箇所に切り込みや引き剥がし等の作業は不要となる。
なお、加熱対象物K及び別の対象物K´を透過したマイクロ波Mのエネルギーは極めて弱いものとなることから、この予備加熱の際の空中へのマイクロ波Mの漏洩に対する遮蔽手段は簡易なもので済み、遮蔽対策にかかる装置の大型化を抑制することができる。
次に、図5(b)に示すように、くわえ込んだ加熱対象物Kが十分に加熱されて溶解するとともに、次の対象物K´も予備加熱された時点で、誘電加熱装置1全体を開口部6の開口先端6bが持ち上がるようにして矢印F1方向(図5(b)の紙面に向って左回り、反時計回りの方向)に図示しない回転駆動手段により回転させることで、溶解した加熱対象物Kを開口部6より落下させて、くわえ込む前の元の位置に排出する(図5(c)参照)。
この排出後、図5(d)に示すように、誘電加熱装置1を図示しない移動手段により作業進行方向(矢印E方向)に移動させるとともに、所定位置で装置1を矢印F2方向(図5(d)の紙面に向って右回り、時計回りの方向)に回動させ、開口部6で次の加熱対象物Kをくわえ込む。そして、上述と同じ手順により加熱、予備加熱、排出、移動、くわえ込みの動作を繰り返しながら順次進行させる。
次に、図4に示すように、誘電加熱装置1による加熱により溶解して柔らかい状態となった舗装表層11を、誘電加熱装置1の後方に配置されたカッタ21で掻きほぐし、それをミキサ22に投入して新規アスファルト混合物や再生用添加材料などと混合して舗装表層部に排出し、スクリード23A、23Bによって敷き均し、その後、転圧ローラ24によって締め固めるといった一連の作業手順により再生処理が行われる。誘電加熱装置1での加熱より後方の作業については、従来の作業手順と同様であるので、詳しい説明は省略する。
上述のように本第1の実施の形態によるマイクロ波を用いた誘電加熱装置、および誘電加熱方法では、空胴部2の短軸付近にマイクロ波Mのエネルギーを集中させ、その電磁界の分布が一様に揃う好適な共振領域Tを形成するとともに、空胴部2に形成された安定した電磁界を崩さない位置に開口部6を設けることで、その空胴部2から一定強度のマイクロ波Mが開口部6へ流れ、開口部6でくわえ込んだ加熱対象物Kに対するマイクロ波供給の安定性を確保することで、効率よく加熱することができ、エネルギー効率の向上を図ることができる。
そして、開口部6で加熱対象物Kをくわえ込むだけの簡単な構造となるうえ、加熱対象物Kを透過したマイクロ波Mのエネルギーが弱くなるので、マイクロ波Mの空中への漏洩を防ぐための遮蔽対策にかかる装置の増大を抑えて、装置の小型化を図ることができる。
次に、他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
図6は第2の実施の形態による誘電加熱システムの概要を示す正面図であって、図2(a)に対応する図である。
図6に示すように、第2の実施の形態による誘電加熱システム7は、上述した第1の実施の形態の誘電加熱装置1(図1参照)を、厚さ寸法方向(図では左右方向)に複数(図6では7つ)連結させた構造となっている。すなわち、誘電加熱システム7は、誘電加熱装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1Gのそれぞれの側壁3a、3d同士を連結させ、装置全体の厚さ寸法を増大させた構造をなしている。本誘電加熱システム7の個々の誘電加熱装置1A〜1Gは、第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏し、厚さ寸法を増大したことによって、一度に加熱できる加熱対象物の対象範囲を増やすことができる。そのため、加熱対象がアスファルト舗装体などの極めて広大な加熱範囲を有する場合に、効率的に加熱作業を行うことができる。
次に、図7は第1の実施の形態の第1変形例による誘電加熱装置の概要を示す図であって、図1に対応する図である。
図1に示す第1の実施の形態では空胴体3をやや図面に向かって右回りに傾けた状態の下部位置に開口部6を配置させているが、図7に示す本第1変形例による誘電加熱装置8では、開口部6の位置を代えたものであり、空胴部2の短軸y上に開口部6を設けている。その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、空胴部2内に発振器4から供給されるマイクロ波Mのエネルギーが集中して形成される共振領域Tもほぼ同様であり、その電磁界の分布を崩さないようにして、開口部6を形成するオーバーラップ長を調整した構成となっている。
次に、図8は第1の実施の形態の第2変形例による誘電加熱装置の開口部の側断面図であって、(a)はくわえ込み時の状態を示す図、(b)は排出時の状態を示す図である。
図8(a)に示す第2変形例は、開口部6を形成する開口部下面6dに設けられるとともに、その開口部下面6dの先端側から後端側に向かって斜め上方に傾斜した斜面9bを有する凸状部9が設けられた構成となっている。また、開口部上面6cにおける凸状部9の対向する位置には凹状部2cが形成されている。そして、開口部6では、加熱対象物Kは、凸状部9と凹状部2cに沿うようにしてくわえ込まれることになる。
本第2変形例では、図8(b)に示すように、開口部6から加熱対象物Kを排出させる際に、開口部6の開口先端6bを持ち上げるようにして空胴部2を矢印F1方向に回転させると、斜面9aが略下方に向くことから、この斜面9aに沿って加熱対象物Kが滑り易い状態となり、効率よく且つ確実に加熱対象物Kを開口部6から落下させることができる。
以上、本発明によるマイクロ波を用いた誘電加熱装置、誘電加熱システム、および誘電加熱方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、空胴部2は略楕円形断面に限定されることはなく、略円形であってもかまわない。但し、円の場合には短軸の向きを特定することができないので、共振領域の向きを固定することが難しく、空胴部の形状に僅かな変化が生じたときに、共振領域の向きが変わる可能性がある。そのため、略円形断面より略楕円形断面の方が確実に共振領域を安定させることができる。
また、本実施の形態では既設のアスファルト舗装体10の再生処理に誘電加熱装置1、8を採用しているが、このような適用対象に制限されることはなく、例えば公園の砂場等の砂にマイクロ波のエネルギーを与えて加熱することにより清浄化させる場合にも適用可能である。
さらに、空胴部厚さ寸法D1、オーバーラップ長D2、開口部高さ寸法D3、空胴部2のアスペクト比などの寸法等は、本実施の形態に限定されることはなく、上述した空胴部2内の電磁界を安定させることができ、且つ所定量の加熱対象物Kをくわえ込むことができる範囲で任意に設定することができる。
さらにまた、第2の実施の形態では誘電加熱システムが7つの誘電加熱装置1A〜1Gを連結させた構造としているが、これら誘電加熱装置1の連結数量はとくに限定されることはない。
本発明の第1の実施の形態による誘電加熱装置の構成を示す側断面図である。 (a)は図1に示す誘電加熱装置の正面図、(b)は図1に示すA−A線断面図である。 図1に示す開口部の拡大図である。 アスファルト舗装に誘電加熱装置を適用した施工状態を示す図である。 (a)〜(d)は誘電加熱方法の概要を説明する図である。 第2の実施の形態による誘電加熱システムの概要を示す正面図であって、図2(a)に対応する図である。 第1の実施の形態の第1変形例による誘電加熱装置の概要を示す図であって、図1に対応する図である。 第1の実施の形態の第2変形例による誘電加熱装置の開口部の側断面図であって、(a)はくわえ込み時の状態を示す図、(b)は排出時の状態を示す図である。
符号の説明
1、8 誘電加熱装置
2 空胴部
3 空胴体
4 発振器
5 導波管
6 開口部
7 誘電加熱システム
9 凸状部
9a 斜面
10 アスファルト舗装体
11 舗装表層
D1 空胴体厚さ寸法
D2 オーバーラップ長
D3 開口部高さ寸法
K 加熱対象物
K´ 別の対象物
M マイクロ波
T 共振領域
y 空胴部の短軸

Claims (10)

  1. 加熱対象物にマイクロ波のエネルギーを与えて加熱するマイクロ波を用いた誘電加熱装置であって、
    空胴部分の断面形状が略楕円形又は略円形をなす空胴部と、
    前記空胴部に導波管を介してマイクロ波を供給するマイクロ波発振器と、
    前記空胴部の短軸付近の周の一部を開いて、その両端部をオーバーラップさせることにより形成された開口部と、
    を備え、
    前記開口部は、前記加熱対象物をくわえ込む構成をなし、
    前記空胴部内における前記マイクロ波の電界の向きが前記空胴部の断面に対して直交する方向の厚さ方向に一致することを特徴とするマイクロ波を用いた誘電加熱装置。
  2. 前記導波管は、前記短軸付近に前記マイクロ波のエネルギーを集中させた状態で、電界強度が強い部分を避けた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波を用いた誘電加熱装置。
  3. 前記開口部の高さ寸法は、該開口部に前記加熱対象物がくわえ込まれない場合において、マイクロ波をカットオフすることが可能な寸法であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ波を用いた誘電加熱装置。
  4. 前記開口部の高さ寸法と前記開口部を形成する前記空胴部の両端部同士のオーバーラップ長とは、調整可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロ波を用いた誘電加熱装置。
  5. 前記空胴部の厚さ寸法は、前記マイクロ波の1波長以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロ波を用いた誘電加熱装置。
  6. 前記空胴部は、前記開口部とともに回転可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ波を用いた誘電加熱装置。
  7. 前記開口部を形成する開口部下面に設けられるとともに、前記開口部下面の先端側から後端側に向かって斜め上方に傾斜した斜面を有することを特徴とする請求項6に記載のマイクロ波を用いた誘電加熱装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の誘電加熱装置が前記厚さ寸法方向に複数連結されていることを特徴とする誘電加熱システム。
  9. 空胴部分の断面形状が略楕円形又は略円形をなす空胴部と、前記空胴部に導波管を介してマイクロ波を供給するマイクロ波発振器と、前記空胴部の短軸付近の周の一部を開いてその両端部をオーバーラップさせることにより形成された開口部とを備えた誘電加熱装置を用い、前記開口部で加熱対象物をくわえ込んで、その加熱対象物に前記マイクロ波のエネルギーを与えて加熱する誘電加熱方法であって、
    前記開口部で、前記加熱対象物をくわえ込む工程と、
    前記マイクロ波発振器からマイクロ波を前記空胴部に供給し、前記空胴部内における前記マイクロ波の電界の向きが前記空胴部の断面に対して直交する方向の厚さ方向に一致させる工程と、
    前記空胴部に供給された前記マイクロ波のエネルギーを前記加熱対象物に与えることで加熱する工程と、
    を有することを特徴とする誘電加熱方法。
  10. 前記加熱対象物の加熱後に、前記エネルギーを加熱対象物から外へ放出することで、前記加熱対象物に隣接する部分の別の対象物を予備加熱するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の誘電加熱方法。
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