JP2010100429A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】両面読取りを適切に行うことができない長さの原稿がセットされた場合でも、一側の面については読取りを良好に行うことができ、裏写り及びジャムの発生を防止できる画像読取装置を提供する。
【解決手段】イメージスキャナ装置20は、導入パス80と、反転パス82と、片面パス81と、片面パス切換装置95と、原稿長さ検出センサ41と、制御部と、を備える。導入パス80は、原稿の表側の面がスキャナユニット25の読取位置90を通過するように原稿を案内する。反転パス82は、導入パス80を通って表側の面が読み取られた原稿の裏側の面が読み取られるように原稿を反転させてスキャナユニット25の読取位置90まで案内する。原稿の両面を読み取る場合であって当該原稿101の長さが設定長さ以上であるときは、制御部は、導入パス80で表側の面が読み取られた原稿101を片面パス81側に案内し、原稿101の読取位置90の通過を回避する。
【選択図】図9
【解決手段】イメージスキャナ装置20は、導入パス80と、反転パス82と、片面パス81と、片面パス切換装置95と、原稿長さ検出センサ41と、制御部と、を備える。導入パス80は、原稿の表側の面がスキャナユニット25の読取位置90を通過するように原稿を案内する。反転パス82は、導入パス80を通って表側の面が読み取られた原稿の裏側の面が読み取られるように原稿を反転させてスキャナユニット25の読取位置90まで案内する。原稿の両面を読み取る場合であって当該原稿101の長さが設定長さ以上であるときは、制御部は、導入パス80で表側の面が読み取られた原稿101を片面パス81側に案内し、原稿101の読取位置90の通過を回避する。
【選択図】図9
Description
本発明は画像読取装置に関する。詳細には、反転経路によって原稿を反転させて当該原稿の両面を読み取る画像読取装置に関する。
原稿の画像を読み取る読取部を備え、読取部に原稿を通過させて一側の面を読み取った後、当該原稿を湾曲状の反転経路で搬送することにより表裏を反転させて、もう一度前記読取部を通過させることで他側の面を読み取る構成の画像読取装置が知られている。この構成の画像読取装置は、1つの読取部によって原稿の両面を読み取ることが可能である。特許文献1及び特許文献2は、この種の画像読取装置を開示している。
特許第2828866号公報
特許第3007858号公報
ところで、上記のような構成の画像読取装置においては、両面の読取りを行う際には、一側の面が完全に読み取られた後で、他側の面の読取りが開始される必要がある。即ち、上記の画像読取装置では反転経路によって原稿がUターン状に湾曲されて搬送されるのであるが、他側の面の読取りのために原稿の先端が再度読取位置に到達する前に、一側の面の読取りで当該原稿の後端が読取位置を通過し終わっていなければならない。なお、本明細書において原稿の先端とは当該原稿の搬送方向下流側の端部をいい、原稿の後端とは当該原稿の搬送方向上流側の端部をいう。
しかし、読取位置から反転経路を経由して再度読取位置に至るまでの経路長よりも、原稿の搬送方向の長さの方が長いと、原稿の後端が読取位置を通過する前に当該原稿の先端が読取位置に戻ってきてしまう。このような長い原稿が反転経路に搬送されて両面読取りが実行されてしまうと、以下のような問題が発生していた。
即ち、読取位置において原稿が原稿の陰に隠れる形となるので、原稿の搬送方向端部において一側の面又は他側の面の読取画像が欠けてしまうことになる。また、当該原稿の先端部と後端部が読取位置で重なるため、一側の面及び他側の面のうち一方の面の読取中に他方の面の内容が透けて読み取られてしまい、いわゆる裏写りによる画像品質の劣化が発生していた。従って、一側の面及び他側の面の何れについても再読取りが必要になり、ユーザの手間を増大させる原因となっていた。更に、読取位置の近傍で原稿が重なるため、反転前の原稿を搬送する経路に反転後の原稿が逆流することを阻止する経路切替部材がうまく機能できずに、ジャム(原稿詰まり)の原因となり、そのメンテナンス作業がユーザの負担となっていた。
この点、特許文献2は、原稿の長さを検知して、当該原稿の長さに応じて反転経路の長さを変更できるようにした構成の画像読取装置を開示する。この構成によれば、原稿の長さに応じて反転経路の長さを変更できる限り、上記の問題は発生しない。しかし、特許文献2の構成は、反転経路の長さを変更する構成が大掛かりであるため、製造コストが上昇するとともに装置が大型化していた。また、特許文献2の構成であっても反転経路の長さを長くできる範囲には限界があるため、結局は、長過ぎる原稿の両面を読み取ろうとした場合、上記の問題が発生していた。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、反転経路によって原稿を反転させて両面を読み取る画像読取装置において、長過ぎる原稿が原稿トレイにセットされた場合であっても一側の面については読取りを良好に行うことができ、裏写り及び原稿詰まりの発生を防止することができる画像読取装置を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下のように構成される画像読取装置が提供される。即ち、画像読取装置は、原稿トレイと、読取部と、導入経路と、反転経路と、排出経路と、排出トレイと、片面経路と、経路切換部と、原稿長さ検出部と、制御部と、を備える。前記原稿トレイは、積層された原稿をセット可能に構成される。前記読取部は、前記原稿の画像情報を読み取る。前記導入経路は、前記原稿の一側の面が前記読取部の読取位置を通過するように前記原稿を案内する。前記反転経路は、前記導入経路を通って前記一側の面が読み取られた前記原稿の他側の面が読み取られるように前記原稿を反転させて前記読取部の読取位置まで案内する。前記排出経路は、前記反転経路に接続される。前記排出トレイは、前記排出経路に接続される。前記片面経路は、前記導入経路で前記一側の面が読み取られた原稿を、前記読取位置を回避するように前記排出経路に案内する。前記経路切換部は、前記原稿の経路を前記反転経路から前記片面経路に切り換えることが可能に構成される。前記原稿長さ検出部は、前記原稿の搬送方向の長さを検出する。前記制御部は、前記導入経路の前記読取位置から前記反転経路を通って当該読取位置に至るまでの経路長以下の設定長さを記憶可能である。また、前記制御部は、前記原稿の両面を読み取る場合に、搬送される原稿の搬送方向長さが記憶した前記設定長さ以上であることを前記原稿長さ検出部によって検出すると、前記原稿の経路を前記経路切換部によって前記片面経路側に切り換えるように制御する。
これにより、両面読取りにおいて、両面読取りを適切に行うことができないような設定長さを超えた原稿が原稿トレイにセットされた場合であっても、当該原稿の搬送中に原稿の経路を片面経路側に切り換えて、原稿が反転経路の読取位置を通過しないようにすることができる。従って、原稿の長さが長過ぎたとしても、一側の面の読取中に、既に読取位置を通過した原稿の先端が反転経路を経由して読取位置に再び到達して読取りの障害となることを防止できる。これによって、両面読取りを適切に行うことができる長さを超えた原稿がセットされた場合であっても、一側の面の読取りについては適切に行うことができる。また、設定長さ以上の原稿は反転経路の読取位置を通過しないように制御されるので、当該原稿の先端が反転経路上の読取位置で導入経路上の原稿と干渉する等してジャムの原因となる事態も回避できる。
前記の画像読取装置においては、前記原稿長さ検出部は、前記導入経路上の前記読取位置より上流側に配置されることが好ましい。
これにより、導入経路に導入された原稿の長さを読取位置の上流側で検出することができるので、原稿の長さの判定を早期に行って経路切換えの要否を判断することができる。
前記の画像読取装置においては、以下のように構成されることが好ましい。前記片面経路は、前記反転経路の途中に形成される片面経路分岐部から分岐している。前記原稿長さ検出部は、前記片面経路分岐部より上流側の検出位置で前記原稿の先端を検出する。前記設定長さは、前記検出位置から前記片面経路分岐部までの経路長より短くなるように設定される。
これにより、設定長さ以上の原稿の先端が片面経路分岐部に到達する前に、経路を確実に切り換えて、当該原稿を片面経路に案内することができる。
前記の画像読取装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、画像読取装置は、前記原稿を前記導入経路に繰り込むための繰込み部と、前記制御部に接続される表示部と、を備える。前記制御部は、前記原稿の両面読取りにおいて、前記原稿の搬送方向長さが前記設定長さ以上であることを前記原稿長さ検出部によって検出し、前記原稿の経路を前記経路切換部によって前記片面経路側に切り換えるように制御した場合に、他側の面が読み取られるように前記原稿トレイに当該原稿をセットさせる指示を前記表示部に表示させるとともに、次の原稿の繰込みを停止させるように前記繰込み部を制御する。
これにより、繰込み部による原稿の繰込みは中断されているので、ユーザが、表示部の表示に従って、他側の面が読み取られるように原稿を原稿トレイにセットすることで、当初予定していた原稿の両面読取りを行うことができる。また、原稿の一側の面の次に当該原稿の他側の面を読み取ることになるので、原稿トレイにセットした原稿のページの順番通りに原稿の読取りを行うことができる。従って、読み取った画像情報の管理を効率的に行うことができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態の画像読取装置としてのイメージスキャナ装置20を備えるコピーファクシミリ複合機(複合機)10の正面図である。図2は、イメージスキャナ装置20が備える自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)21の構成を示した正面断面図である。
図1に示すように、第1実施形態のコピーファクシミリ複合機10は、本体11と、操作パネル12と、給紙カセット13と、イメージスキャナ装置20と、を備えている。
イメージスキャナ装置20は、オートドキュメントフィードスキャナとして機能するように構成されており、自動原稿搬送装置21を備えている。操作パネル12は、イメージスキャナ装置20にセットした原稿の排出場所、コピー部数、コピーモード(片面コピー、両面コピー、集約コピー等)、及びファクシミリ送信先等をユーザが複合機10に対し指示するためのものである。
操作パネル12は液晶ディスプレイ等の表示部を備えており、前記原稿の排出場所、コピー部数、コピーモード、ファクシミリ送信先等の各種項目をメニュー形式で表示することができるように構成されている。また、ユーザが操作パネル12を適宜操作することにより前記メニューの項目を選択できるように構成されており、これによりユーザが前記表示部の表示を見ながら直感的に複合機10に対して指示を与えることができるようになっている。
前記本体11の上方には前記ADF21が配置されるとともに、当該本体11には画像形成装置15が内蔵されている。更に、本体11には、通信回線を介して画像データを伝送するための図略の送受信部等が備えられており、この送受信部によってファクシミリ通信が可能に構成されている。給紙カセット13は本体11の下側に配置されており、記録紙100を画像形成装置15へ順次供給できるように構成されている。
前記ADF21は、原稿トレイ23と、この原稿トレイ23の下方に設けられた第1排出トレイ24と、を備える。ADF21内には、原稿トレイ23と第1排出トレイ24とを接続する原稿搬送経路70が形成されている。この原稿搬送経路70にはスキャナユニット(読取部)25が配置されており、このスキャナユニット25によって、原稿搬送経路70を搬送される原稿99の画像情報を読み取ることが可能に構成されている。
また、前記ADF21は、後述の第2排出パス84を介して前記原稿搬送経路70に接続される第2排出トレイ26を備えている。この第2排出トレイ26は、前記スキャナユニット25を挟んで原稿トレイ23の反対側に配置されている。そして、本実施形態のイメージスキャナ装置20は、原稿99の片面を読み取る場合には、読取後の原稿99を第1排出トレイ24と第2排出トレイ26のどちらに排出するかを、前記操作パネル12でユーザが選択できるように構成されている。
前記ADF21は、1枚又は複数枚の原稿99を、その表側の面(一側の面)を上向きにし、裏側の面(他側の面)を下向きにして原稿トレイ23にセットする方式のものである。原稿トレイ23の適宜の位置には、原稿の表側の面を上に向けた状態でセットすべき旨のマーク等が、刻印、シール等の適宜の方法で表示されている。
この構成で、表側の面が上向きとなるように重ねてセットされた原稿99は、1枚ずつ分離されて原稿搬送経路70に沿って搬送され、スキャナユニット25の読取位置90を通過した後、第1排出トレイ24又は第2排出トレイ26へ排出される。なお、ADF21の詳細については後述する。
前述したように、本体11の内部には画像形成装置15が配置されている。この画像形成装置15は図1に示すように、画像形成部50と、定着装置51と、スイッチバック機構59と、排出部53と、を主要な構成として備えている。
給紙カセット13は本体11の下部に配置されており、装置正面側(図1の紙面手前側)に引出可能に構成されている。この給紙カセット13の上方に、画像形成部50と、定着装置51と、スイッチバック機構59と、排出部53と、が配置されている。
画像形成装置15には、画像形成部50、後述する各部のローラ及びスイッチバック機構59等を制御するための図略の制御部が備えられている。前記スイッチバック機構59は、記録紙排出ローラ62と、スイッチ部52と、スイッチバック用経路57と、を主要な構成として備えている。
本体11の内部には、給紙カセット13からトレイ状の前記排出部53へ記録紙100を搬送するための記録紙搬送経路56が形成されている。記録紙搬送経路56は、図1に示す正面視において略C字状となるように、給紙カセット13から排出部53までを接続している。
そして、この記録紙搬送経路56には、両面印刷を可能にするための前記スイッチバック用経路57が接続されている。このスイッチバック用経路57の一端は、定着装置51の下流側で記録紙搬送経路56に接続されており、この接続部分近傍にはスイッチ部52が配置されている。また、スイッチバック用経路57の他端は、給紙部55より下流側で画像形成部50より上流側の箇所で記録紙搬送経路56に接続されている。
スイッチバック用経路57は、図1の正面視に示すように、記録紙搬送経路56の一部と組み合わされて実質Uターン状の経路を形成する。この折返し状の経路は、画像形成部50を一度通過した記録紙100を反転させて再び画像形成部50に導くことができるように構成されており、これによって単一の画像形成部50による両面印刷が実現されている。
以下、画像形成装置15の各部の詳細な構成について説明する。最初に、記録紙搬送経路56に配置されている各部の構成を、その上流側から下流側へ向かって順に説明する。
給紙カセット13の底部には、記録紙100を積層するためのフラッパ54が回転可能に配置されている。このフラッパ54は図略のスプリングによって上方に付勢されている。また、フラッパ54の上方には、給紙ローラ及び給紙パッド等から構成される給紙部55が配置されている。この給紙部55の給紙ローラは、フラッパ54の上に積層された最上層の記録紙100に接触できるように構成されている。
給紙カセット13の下流側には一対の記録紙搬送ローラ61が配置されている。この記録紙搬送ローラ61は、記録紙100をニップしながら記録紙搬送経路56に沿って下流側の画像形成部50へ送るように構成されている。
記録紙搬送経路56は前述のとおりC字状に湾曲するように形成されており、その内周側には画像形成部50が、当該記録紙搬送経路56に対面するように配置されている。この画像形成部50は、例えば、感光ドラム、帯電器、露光ヘッド、現像器、及び転写ローラ等によって構成される。この画像形成部50は、記録紙搬送ローラ61によって搬送されてきた記録紙100に対し、画像情報に応じたトナー像を転写(形成)することができる。画像形成部50でトナー像が形成された記録紙100は、下流側の定着装置51へ記録紙搬送経路56に沿って送られる。
定着装置51は、回転駆動されるヒートローラと、このヒートローラに対向して配置されるプレスローラと、を備える。この定着装置51は、画像形成部50で記録紙100に転写されたトナー像のトナーを、高温のヒートローラの熱及びプレスローラによる圧力によって融解させて、当該記録紙100に定着させるように構成されている。
前述したように、定着装置51の下流側の記録紙搬送経路56とスイッチバック用経路57との接続部分には、回転可能に構成される爪部等から構成されるスイッチ部52が配置されている。このスイッチ部52が有する爪部の回転動作によって、スイッチバック用経路57に記録紙100を案内することができる。また、記録紙搬送経路56において、スイッチバック用経路57との接続部分よりやや下流側の位置には、スイッチバック用センサ65が配置されている。
前記スイッチバック用センサ65の更に下流側には、記録紙排出ローラ62が配置されている。この記録紙排出ローラ62は、正方向(図1において時計回りの方向)と逆方向(図1において反時計回りの方向)とで回転方向を切り換えることができるように構成されている。
記録紙排出ローラ62の更に下流側において、記録紙搬送経路56の端部には排出部53が接続されている。画像形成部50で画像が形成された記録紙100は、湾曲状の記録紙搬送経路56を通過することにより、当該画像が形成された面が下側を向くように排出部53へ排出される(フェースダウン排紙)。
なお、前記スイッチバック用経路57には記録紙搬送ローラ63,64が配置されており、当該スイッチバック用経路57に送り込まれた記録紙100を、記録紙搬送ローラ61より上流側の箇所へ向けて搬送できるように構成されている。
以上の構成で、片面印刷を行う旨(例えば、片面コピーを行うモード)が操作パネル12等で指示された場合は、画像形成装置15は以下のように動作する。即ち、印刷の開始に伴って給紙部55が駆動されることで、給紙カセット13にセットされている最上層の記録紙100が前記給紙ローラによって分離されてピックアップされ、記録紙搬送経路56に向けて送り出される。そして、記録紙100は記録紙搬送経路56に沿って下流側へ送られ、画像形成部50を通過するときに所望のトナー画像が形成される。その後、記録紙100が定着装置51を通過し、これによりトナー画像が記録紙100に定着する。その後、記録紙100は、正方向に回転駆動される記録紙排出ローラ62によって、画像が形成された面を下に向けた状態で排出部53に排出される。
一方、両面印刷(例えば両面コピー)が操作パネル12等で指示されている場合も同様に、給紙カセット13から記録紙100が1枚ピックアップされ、記録紙搬送経路56に沿って画像形成部50を通過し、トナー画像が形成される。ただし、第1実施形態の複合機10(画像形成装置15)においては、1枚の記録紙100の表裏に画像を形成する両面印刷の場合、記録紙100が1回目に画像形成部50を通過するときは裏側の面(他側の面)のトナー画像が先ず形成されるようになっている。
裏側の面の画像が形成された記録紙100は定着装置51を通過し、記録紙搬送経路56に沿って更に下流側へ搬送される。そして記録紙100は、記録紙排出ローラ62によりニップされた状態で搬送され、やがて、その後端が前記スイッチバック用センサ65を通過する。記録紙100の後端の通過を検知したスイッチバック用センサ65は、前記制御部に検知信号を送る。この信号を受信した制御部は、記録紙排出ローラ62を逆方向に駆動するとともに、スイッチバック用経路57に記録紙100を案内するようにスイッチ部52を適宜のタイミングで動作させる。これによって、記録紙100はスイッチバック用経路57へ送り込まれる。
スイッチバック用経路57において、記録紙100は記録紙搬送ローラ63,64の駆動によって下流側へ搬送され、記録紙搬送経路56に導入される。更に、記録紙100は記録紙搬送ローラ61によって下流側に搬送され、再び画像形成部50を通過する。なお、記録紙100はスイッチバック用経路57を通ることで反転させられているので、1回目の画像形成部50の通過時に画像が形成された面とは反対側の面が画像形成部50に対面することになる。そして、今回(2回目の記録紙100の通過時)は、画像形成部50は表側の面(一側の面)のトナー画像を記録紙100に形成する。
表側の面の画像が形成された記録紙100は定着装置51を通過し、記録紙搬送経路56に沿って更に下流側へ搬送される。なお、前記記録紙排出ローラ62は、前述のように逆方向の回転によって記録紙100をスイッチバック用経路57に送り込んだ後、適宜のタイミングで再び正方向に回転するよう切り換えられている。従って、両面印刷が完了した記録紙100は、前記記録紙排出ローラ62によって、その表側の面(一側の面)を下に向けた状態で排出部53に排出される。
次に図2を参照して、ADF21の詳細な構成について説明する。イメージスキャナ装置20は原稿99を搬送するためのADF21を備えており、このADF21の内部には、原稿99を読み取るためのスキャナユニット25が配置されている。また、ADF21の内部には、前記スキャナユニット25の読取位置90を通過するように原稿トレイ23と第1排出トレイ24とを繋ぐ湾曲状の原稿搬送経路70が構成されている。
スキャナユニット25について説明する。このスキャナユニット25は、光源、反射ミラー、集光レンズ及びCCD等で構成される縮小光学系タイプのスキャナユニットとして構成されており、ADF21内の上部に配置されている。この構成で、スキャナユニット25は、原稿搬送経路70を搬送されてきた原稿に対し、前記光源からの光を照射する。原稿からの反射光は前記CCDへ導かれて結像し、このCCDは原稿に応じた電気信号を出力する。この信号は適宜の変換処理後に前記画像形成部50に送られて印刷され、又は、前記送受信部によって他のファクシミリ装置へ通信回線を介して送信される。
次に、原稿搬送経路70について説明する。この原稿搬送経路70は、原稿99を読取位置90まで案内するための導入パス80と、原稿99を反転させて再び読取位置90に導くための反転パス82と、読み取った原稿99を排出するための第1排出パス83及び第2排出パス84と、片面パス81と、を備えている。以下に、原稿搬送経路70を構成するこれらのパスについて説明する。
導入パス80は図2に示すように、ADF21内に原稿トレイ23の原稿99が供給される位置から、原稿トレイ23から離れる向きに略水平に延びる直線状に形成されている。この導入パス80には、ピックアップローラ31、分離部32、原稿長さ検出センサ41、三連ローラ33、第1リードセンサ42、スキャナユニット25及び搬送ローラ34が配置されている。以下に、上流側から下流側の順で、導入パス80の経路上に配置される各部の構成について説明する。
導入パス80の上流側端部近傍には、ピックアップローラ(繰込み部)31及び分離部32が配置されている。分離部32は、分離ローラと、この分離ローラに対向配置される対向ローラ等で構成されている。
ピックアップローラ31は、前記分離ローラの回転軸を中心にして回動可能に構成されており、ADF21の非動作時においては、2点鎖線で示す上側の位置にピックアップローラ31が保持されている。一方、原稿99を繰り込む際はピックアップローラ31が下方に回動し、原稿トレイ23に重ねてセットされている原稿のうち、最上層にある原稿99の端部に接触する(図2に示す実線の位置)。この状態でピックアップローラ31が回転することによって、原稿トレイ23上の最上層の原稿99が分離部32に送られる。
ピックアップローラ31の駆動によって分離部32へ送られた原稿99は、分離部32の前記分離ローラ及び対向ローラの間にニップされる。そして原稿99は、回転駆動する分離ローラ及び対向ローラによって1枚ずつ分離され、下流側に送られる。
原稿長さ検出センサ41は、導入パス80を搬送される原稿99の長さを導入パス80上の検出位置75で検出するためのものである。この原稿長さ検出センサ41は、ADF21の各部を制御する図略の制御部に電気的に接続され、原稿99を検出しているか否かの検出信号を当該制御部に送信可能に構成されている。この制御部は、演算部としてのCPU、記憶部としてのメモリ等を備えており、前記原稿長さ検出センサ41の検出信号に基づいて、ADF21の各部(搬送ローラ等)を制御することが可能に構成されている。
また、本実施形態の制御部が備える前記記憶部には設定長さが記憶されている。この「設定長さ」とは、イメージスキャナ装置20が、両面読取りを適切に行うことができる原稿の搬送方向の最大長さを設定したものである。本実施形態において、設定長さは、導入パス80上の読取位置90から反転パス82上の読取位置90に至るまでの経路長以下となるように設定されている。このように設定長さは、原稿99の搬送経路に応じて一定の条件の下に任意に設定される。
例えば前記制御部は、現在搬送されている原稿99の後端の位置を原稿長さ検出センサ41によって検出し、この検出タイミングに基づいて後続の原稿99の繰込タイミングを決定し、ピックアップローラ31、分離部32等の駆動を制御する。また、制御部は、両面読取りのために原稿の搬送を開始したものの、当該原稿の搬送方向の長さが前記設定長さを超えていることを原稿長さ検出センサ41によって検出した場合は、両面読取りから片面読取りへ自動的に切り換える制御を行うように構成されている。なお、この両面読取りから片面読取りへの移行制御の詳細は後述する。
三連ローラ33は、中央側に配置される駆動ローラと、この駆動ローラを挟み込むように配置される2つの従動ローラと、で構成されている。前記駆動ローラは、上側を導入パス80に、下側を後述の第1排出パス83にそれぞれ挟まれるような形で配置される。そして、2つの従動ローラのうち一方が導入パス80を挟んで駆動ローラに対向して配置され、他方が第1排出パス83を挟んで駆動ローラに対向して配置されている。この構成で、中央に配置された駆動ローラを駆動して回転させることによって、当該駆動ローラに隣接する2つの従動ローラを同時に回転させることができる。従って、部品点数を削減できるとともに、ADF21内の限られたスペースを有効に活用することができる。
三連ローラ33の下流側には、第1リードセンサ42が配置されている。この第1リードセンサ42はスキャナユニット25の読取位置90より上流側に配置されており、当該第1リードセンサ42が原稿99の先頭を検出するタイミングに基づいて、スキャナユニット25で原稿99を読み取るタイミングが決定される。この第1リードセンサ42によって、導入パス80を通過する原稿99をスキャナユニット25が読取位置90で適切に読み取ることが可能となっている。
スキャナユニット25は導入パス80の上方に配置され、下側を向くように配置された図略の読取面によって原稿99の上面を読み取るように構成されている。このように読取面が原稿99の経路(導入パス80)に上側から対面しているので、原稿99の搬送等で生じた紙粉及び埃等が前記読取面に付着しにくい構造となっている。また、原稿トレイ23には原稿99の表側の面が上向きとなるようにセットされるので、この原稿トレイ23から直線状の導入パス80に導かれて読取位置90を通過する原稿99は、その表側の面がスキャナユニット25で読み取られることになる。
スキャナユニット25の下流側には、1対のローラで構成される搬送ローラ34が配置されている。この搬送ローラ34が駆動されることによって、前記読取位置90で表側の面を読み取られた原稿99は、更に導入パス80に沿って下流側へと搬送される。
搬送ローラ34の下流側には、導入パス80の下流側端部と、第2排出パス84の上流側端部及び反転パス82の上流側端部と、が接続される三叉路状のストレートパス分岐部92が形成されている。このストレートパス分岐部92には、ストレートパス切換装置(経路切換部)96が配置されている。このストレートパス切換装置96は、爪状に形成される回転部材と、アクチュエータとしてのソレノイド71と、を備えている。ストレートパス切換装置96は、ソレノイド71によって回転部材を回転させることで、導入パス80から搬送されてきた原稿99を反転パス82又は第2排出パス84に振り分けることが可能に構成されている。なお、この反転パス82と第2排出パス84とでの経路の切換えは、操作パネル12での排出場所の指定等に基づいて行われる。
次に第2排出パス84について説明する。第2排出パス84は、ストレートパス分岐部92からほぼ水平に延びる直線状に形成されており、導入パス80の下流側端部と第2排出トレイ26とを接続している。この第2排出パス84の経路上には1対のローラで構成される搬送ローラ38が配置されており、この搬送ローラ38が駆動されることによって、第2排出パス84に案内されてきた原稿99が第2排出トレイ26に排出される。
次に反転パス82について説明する。反転パス82は、折返し部94で原稿99を反転させることができるように実質Uターン状に構成されている。具体的には、反転パス82は、原稿トレイ23から離れる向きにストレートパス分岐部92の位置から延びつつ下方に湾曲した後、原稿トレイ23に近づく向きに更に曲げられて折返し部94を形成する。そして反転パス82は、折返し部94から読取位置90に向かって斜め上方に延びた後、読取位置90近傍の位置でほぼ水平方向に折れ曲がって、読取位置90近傍の導入パス80の一部と合流(又は近接)する。続いて反転パス82は、読取位置90を過ぎた後に導入パス80から離れるように斜め下方に折れ曲がり、直線状に延びて排出パス接続部93に接続されるように構成されている。
反転パス82の経路上には、搬送ローラ35,36が配置されている。また、これらの搬送ローラ35,36より下流側で読取位置90より上流側に、第2リードセンサ43が配置されている。この第2リードセンサ43が原稿99の先頭を検出するタイミングに基づいて、反転パス82上の原稿99をスキャナユニット25で読み取るタイミングが決定される。
反転パス82に案内された原稿99は、搬送ローラ35,36の駆動によって、折返し部94で反転されて原稿99の上下の向きが反対になった状態で、読取位置90に案内されることになる。従って、2回目に読取位置90を通過するときは、原稿99の裏側の面が読み取られることになる。なお、反転パス82に沿って搬送される原稿99が読取位置90を通過するときの搬送方向は、前記導入パス80に沿って搬送される原稿99が読取位置90を通過するときの搬送方向と逆になっている。
なお、第1リードセンサ42とスキャナユニット25の間には、反転パス82に沿って案内された原稿99が前記導入パス80に誤進入することを防止するためのフラッパ弁(経路切替部材、進入防止部材)46が配置されている。このフラッパ弁46は原稿の流れに対して一種の逆止弁として働くように構成されており、導入パス80を上流側から下流側に搬送される原稿99に対しては、フラッパ弁46は当該原稿99に押し退けられる形で導入パス80を開放する。一方、反転パス82から搬送されてくる原稿99に対しては、フラッパ弁46は、原稿99が導入パス80に進入することを阻止すると同時に、反転パス82の下流側に原稿99を案内する。なお、このフラッパ弁46は、板状部材及びフィルム状部材等の適宜の部材で構成することができる。
反転パス82の下流側端部は、第1排出パス83の上流側端部と前記排出パス接続部93を介して接続されている。第1排出パス83は折れ線状に形成されており、排出パス接続部93から斜め下方に直線状に延びた後、水平方向に折れ曲がって第1排出トレイ24に接続されている。この第1排出パス83の経路上には、前記三連ローラ33及び搬送ローラ37が配置されている。この構成で、三連ローラ33及び搬送ローラ37が駆動されることによって、第1排出パス83に案内されてきた原稿99が第1排出トレイ24に排出される。
また、前記反転パス82の経路上には、折返し部94より下流側で読取位置90より上流側に、当該反転パス82から片面パス81へ分岐するための片面パス分岐部91が形成されている。この片面パス分岐部91には片面パス切換装置(経路切換部)95が配置されており、この片面パス切換装置95は、爪状に形成される回転部材と、アクチュエータとしてのソレノイド72と、を備えている。片面パス切換装置95は、ソレノイド72によって回転部材を回転させることで、反転パス82を搬送されてきた原稿99の経路を片面パス81に移行させるか、そのまま反転パス82を通過させるか、を切換可能に構成されている。なお、この経路の切換えは、操作パネル12での片面コピー及び両面コピー等の指定等に基づいて、ADF21の前記制御部によって制御される。
次に片面パス81について説明する。片面パス81は、片面パス分岐部91から上方に若干傾斜しながら原稿トレイ23に近づく向きに延びる直線状に形成されており、反転パス82の下側で、片面パス分岐部91と排出パス接続部93とを接続している。
また、片面パス81の上側であって、読取位置90近傍の反転パス82の下側には、スキャナユニット25の読取りを適切に行うための図略の遮蔽部材が配置されている。この遮蔽部材は例えばフィルム状部材として構成されており、スキャナユニット25の読取位置90の範囲を覆うように配置されている。この遮蔽部材によって、片面パス81を通過する原稿99をスキャナユニット25が読み取らないように遮ることができる。
この構成で、搬送ローラ36の駆動によって片面パス81に案内されてきた原稿99は、読取位置90を回避するように反転パス82の下側を通って、排出パス接続部93を経由して第1排出パス83に案内される。
次に、以上の構成のADF21によって原稿99を搬送して片面(表側の面)のみを読み取り、読み取った原稿99を第1排出トレイ24に排出する場合について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、片面読取りの場合において、導入パス80に案内された原稿99の表側の面が読み取られる様子を示した正面断面図である。図4は、原稿99が片面パス81を経由して第1排出パス83に案内される様子を示した正面断面図である。
ユーザが複合機10の操作パネル12を操作し、コピーモードとして片面コピーモードを指定し、原稿99の排出場所として第1排出トレイ24を指定した上で、原稿トレイ23に原稿99をセットしてコピー開始を指示したとする。これによって、イメージスキャナ装置20による原稿99の片面読取りが開始される。
この片面読取りの開始に伴って、ADF21のピックアップローラ31及び分離部32が駆動されるとともに、原稿99の経路を反転パス82側に切り換えるようにストレートパス切換装置96のソレノイド71が制御される。また、原稿99の経路を片面パス81側に切り換えるように片面パス切換装置95のソレノイド72が制御される。
図3に示すように、ピックアップローラ31及び分離部32によって導入パス80に導入された原稿99は、三連ローラ33等の駆動によって読取位置90まで案内され、原稿99の上側の面が読み取られる。なお、このとき原稿99は、図3に示すようにフラッパ弁46を押し退けるようにして導入パス80を進む。原稿トレイ23には原稿99の表側の面が上向きとなるようにセットされているので、図3に示す状態では原稿99の表側の面が読み取られることになる。
導入パス80上の読取位置90で表側の面を読み取られた原稿99は、図3に示すように、ストレートパス分岐部92において、ストレートパス切換装置96によって反転パス82側に案内される。反転パス82に案内された原稿99は折返し部94を通過することで反転させられるので、原稿99の上下の向きが反対になり、原稿99の表側の面が下に向けられる。
搬送ローラ35,36の駆動によって折返し部94を搬送されてきた原稿99は、図4に示すように片面パス分岐部91で片面パス切換装置95によって片面パス81側へ案内され、これによって原稿99の読取位置90の通過が回避される。その後、原稿99は片面パス81から排出パス接続部93を経由して第1排出パス83へ導かれる。
図4に示すように、原稿99の表側の面がスキャナユニット25により読み取られた後、適宜のタイミングで2枚目の原稿109が、ピックアップローラ31及び分離部32によって導入パス80に導入される。先行する原稿99と同様に、この後続側の原稿109は、三連ローラ33等の駆動によって読取位置90まで案内され、原稿109の表側の面が読み取られる。このとき、先行側の原稿99が反転パス82の折返し部94を通過していた場合でも、図4に示すように、先行側の原稿99は反転パス82の読取位置90ではなく片面パス81側を通るので、後続側の原稿109と読取位置90で対面することがない。従って、後続側の原稿109の読取時に先行側の原稿99の裏面の内容が透けて読み取られること(裏写り)を防止できる。このように、表側の面を読み取った後の原稿99は読取位置90を通過することなく排出されるので、原稿99の排出前に後続の原稿109が導入パス80に導入されたとしても、後続側の原稿109の読取りにおいて先行側の原稿99が邪魔になることはない。
第1排出パス83に案内された先行側の原稿99は、原稿トレイ23に排出される。なお、原稿99は折返し部94でUターンすることで反転させられているので、読取りが完了した原稿99は表側の面が下を向いた状態で第1排出トレイ24に順次積み重ねられていく(フェースダウン排紙)。これによって、原稿トレイ23にセットしたときのページ順と変わらないように原稿99を排出することができるので、読取済の原稿99をユーザが回収後に並べ直す必要がなく、良好な作業性が実現されている。
また、本実施形態では上述したように、読取済の先行側の原稿99は折返し部94を通過した後に片面パス81に導かれ、後続側の原稿109の読取りに影響を与えないように搬送される。この構成により、後続側の原稿109の読取りを、先行側の原稿99が折返し部94を通過して当該原稿99の後端が読取位置90近傍を通過するまで待機する必要がない。従って、先行側の原稿99が導入パス80上で読み取られた後、間を殆どおかずに後続側の原稿109を導入パス80に導入することができ、原稿99の読取りを完了してから次の原稿109の読取りを開始するまでの時間を効果的に短縮できる。
今回の説明では原稿99のコピーが指示されているので、読み取られた原稿99の画像情報は画像形成部50に送られて逐次印刷される。なお、ファクシミリ通信が指示された場合も、前述と同様に原稿99の片面読取りが行われ、読み取られた原稿99の画像情報が相手先のファクシミリ装置に送信される。
次に、原稿99を第2排出トレイ26に排出する場合について、図5を参照して説明する。図5は、原稿99が第2排出パス84を経由して第2排出トレイ26に排出される様子を示した正面断面図である。
ユーザが複合機10の操作パネル12を操作し、コピーモードとして片面コピーモードを指定し、原稿99の排出場所として第2排出トレイ26を指定した上で、原稿トレイ23に原稿99をセットしてコピー開始を指示したとする。これによって、イメージスキャナ装置20による原稿99の片面読取りが開始される。
この片面読取りが開始されると、第1排出トレイ24を排出場所に指定した片面読取りの場合と同様に、ADF21のピックアップローラ31及び分離部32が駆動される。それとともに、原稿99の経路を今度は第2排出パス84側に切り換えるように、ストレートパス切換装置96のソレノイド71が制御される。
分離部32によって分離された原稿99は、三連ローラ33等の駆動によって読取位置90まで案内され、原稿99の上側の面(表側の面)が読み取られる。その後、原稿99は、図5に示すように、ストレートパス分岐部92においてストレートパス切換装置96によって第2排出パス84側に案内される。第2排出パス84側に導かれた原稿99は、搬送ローラ38の駆動によって、第2排出トレイ26に排出される。
本実施形態では、原稿トレイ23から第2排出トレイ26までを接続する原稿99の搬送経路が、直線状に形成される導入パス80及び第2排出パス84によって構成されている。従って、原稿99を第2排出トレイ26に排出するように制御することで、原稿99をほぼ一直線状に搬送することができ、折曲げ等を行うことなく読取作業を完了することができる。これにより、折り曲げることが困難な原稿(厚紙及びプレート等)であっても、操作パネル12で第2排出トレイ26を排出場所に指定することで、原稿を傷めることなく読取作業を行うことができる。
次に、原稿99の両面を読み取る場合について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、両面読取りの場合において、導入パス80に案内された原稿99の表側の面が読み取られる様子を示した正面断面図である。図7は、反転パス82に案内された原稿99の裏側の面が読み取られる様子を示した正面断面図である。なお、以下に説明するのは原稿99の搬送方向の長さが設定長さ未満の場合であり、設定長さ以上の原稿を搬送する場合については後述する。
ユーザが複合機10の操作パネル12を操作し、コピーモードとして両面コピーモードを指定した上で、原稿トレイ23に原稿99をセットしてコピー開始を指示したとする。これによって、イメージスキャナ装置20による原稿99の両面読取りが開始される。なお、本実施形態では、ユーザが両面読取り(例えば、両面コピーモード等)を指定した場合は、原稿99の排出場所として第1排出トレイ24が自動的に設定される。
この両面読取りが開始されると、前述の片面読取りの場合と同様にピックアップローラ31及び分離部32が駆動される。それとともに、原稿99の経路を反転パス82側に切り換えるようにストレートパス切換装置96のソレノイド71が制御される。そして、片面パス分岐部91においては、原稿99がそのまま反転パス82を通過するように、片面パス切換装置95のソレノイド72が制御される。
ピックアップローラ31及び分離部32によって原稿99が導入パス80に案内されると、原稿99はフラッパ弁46を押し退けるようにして進み、まず読取位置90で原稿99の表側の面が読み取られる。その後、原稿99は図6に示すように、ストレートパス分岐部92において反転パス82側に案内される。原稿99は反転パス82において折返し部94を通過することで反転させられ、原稿99の表側の面が下に向けられた状態となる。そして原稿99は、搬送ローラ35,36の駆動によって片面パス分岐部91に搬送される。
図7に示すように、原稿99は片面パス分岐部91において(片面パス81ではなく)反転パス82の下流側へ片面パス切換装置95によって案内され、読取位置90に到達する。原稿99は前記折返し部94で反転させられているので、図7に示す状態では、裏側の面が上向きとなっている。従って、読取位置90では、原稿99の裏側の面が読み取られることになる。
図7に示すように、反転パス82において読取位置90の下流側では、前述のフラッパ弁46が導入パス80を遮るように配置されており、原稿99が反転パス82から導入パス80に進入してしまうことを防止している。これにより、原稿99は反転パス82の更に下流側へ案内され、排出パス接続部93及び第1排出パス83を経由して第1排出トレイ24へ搬送される。
なお、前述した片面読取りの場合と同様に、原稿99は表側の面を下に向けた状態で第1排出トレイ24に排出されることになる(フェースダウン排紙)。従って、原稿トレイ23にセットされた原稿99の順序を変えることなく第1排出トレイ24に排出することができるので、回収した原稿99の並べ替え等の作業負担が軽減される。
このように、原稿トレイ23にセットされた原稿99が1枚ずつ分離され、その両面がスキャナユニット25によって順次読み取られていく。なお、ADF21の制御部は、原稿99が反転パス82の読取位置90を通過している間に後続の原稿が導入パス80上の読取位置90に到達することのないように、ピックアップローラ31及び分離部32の駆動のタイミングを適宜制御する。これにより、読取位置90近傍において原稿99同士が衝突することを防止することができる。
ところで、原稿トレイ23には種々のサイズの原稿99をセットできるので、状況によっては、読取位置90から反転パス82を通って再び読取位置90に至るまでの経路長と比較しても更に長い原稿(搬送方向の長さが長い原稿)がセットされる場合もあり得る。以下、このような原稿を読み取る場合の制御について説明する。
なお、以下の説明では、読取位置90から反転パス82を通って再び読取位置90に至るまでの経路を「ターン経路」と称し、このターン経路の経路長より長い原稿を単に「長い原稿」と称することがある。また、「原稿の長さ」とは原稿の搬送方向での長さを意味し、原稿について単に「長い」という場合は、当該原稿が搬送方向に長いことを意味する。
最初に、このような長い原稿について仮に両面読取りを行った場合に生じる問題について、図8を参照して具体的に説明する。図8は、前記ADF21において、長い原稿101を反転パス82に沿って搬送して両面を(無理に)読み取ることを仮定した場合の様子を示している。
この長い原稿101が原稿トレイ23から導入パス80を通って搬送されると、原稿101はフラッパ弁46を押し退けるようにして進み、読取位置90において表側の面が読み取られる。その後、図8に示すように、長い原稿101はストレートパス分岐部92において反転パス82側に案内される。そして、長い原稿101は反転パス82において折返し部94を通過することで反転させられ、片面パス分岐部91を経由して再び読取位置90に至る。
図8に示すように、長い原稿101の先端が反転パス82を通って読取位置90に到達した時点において、当該長い原稿101の後端は、未だ読取位置90を通過し終わっていない状態である(即ち、表側の面の読取りが終了していない)。このため、原稿101の先端側の部分については裏側の面を読み取ることができないので、裏側の面の読取画像に欠けが生じることになる。また、読取位置90において長い原稿101の先端と後端が重なってしまい、長い原稿101の表側の面の読取中に裏側の面の内容が透けて読み取られてしまう(裏写り)。
また、原稿101が、フラッパ弁46の位置から反転パス82を通って再度フラッパ弁46の位置に至る経路長に比べても更に長い場合も考えられ、この場合は、当該フラッパ弁46の位置においてジャムが発生し易い。即ち、このような長い原稿101が搬送された場合、当該原稿101の先端がフラッパ弁46の位置に到達しても、図8に示すように、当該長い原稿101の後端は未だフラッパ弁46の位置を抜けていない状態である。この状態では、フラッパ弁46は長い原稿101の後端部によって押し退けられているので、導入パス80を遮ることができない。従って、フラッパ弁46は、反転パス82から導入パス80に向かって原稿101が進入(逆流)することを阻止できない。この結果、長い原稿101の先端が適切に第1排出パス83に案内されず、原稿詰まりが発生してしまうのである。
以上の点を考慮して、本実施形態では、前記原稿長さ検出センサ41によって、原稿トレイ23から導入パス80に導かれた原稿の長さが設定長さ以上であるかどうかを検知するように構成されている。なお、前記設定長さは前記ターン経路の経路長と等しくなるように設定することができるが、前述したように、ADF21の各部(導入パス80、反転パス82及び片面パス81)の配置関係等を考慮し、若干のマージンを見込んで前記経路長より短い長さとしても良い。本実施形態では、原稿99の経路の切り換えを確実に行う観点から、前記設定長さとして、原稿長さ検出センサ41の検出位置75から片面パス分岐部91までの経路長よりも短い長さを設定している。
次に、図9及び図10を参照して、両面読取り(両面コピー等)がユーザに指定された上で、長い原稿101が原稿トレイ23にセットされた場合について説明する。図9は、両面読取りの場合において、原稿101の長さが設定長さ以上であることが原稿長さ検出センサ41によって検出される様子を示した正面断面図である。図10は、両面読取りから片面読取りに移行し、原稿101の経路が切り換えられて片面パス81側に案内される様子を示した正面断面図である。
ユーザの操作により両面読取りが開始されると、ピックアップローラ31及び分離部32が駆動され、長い原稿101が導入パス80に導入される。それとともに、原稿の経路を反転パス82側に切り換えるようにストレートパス切換装置96のソレノイド71が制御される。そして、片面パス分岐部91においては、原稿がそのまま反転パス82を通過するように、片面パス切換装置95のソレノイド72が制御される。
長い原稿101の先端は導入パス80を進み、やがて検出位置75を通過する。このときに、当該原稿101の先端が原稿長さ検出センサ41によって検出され、当該原稿長さ検出センサ41はOFF状態からON状態に切り換わる。制御部は、この変化を先端検出信号として受信すると、原稿101の搬送距離のカウントを開始する。この搬送距離のカウントは、例えば、三連ローラ33及び搬送ローラ34,35,36等を駆動するモータの回転量に基づいて行うことができる。
原稿101の先端が検出位置75を通過した後、長い原稿101は三連ローラ33等によって導入パス80の下流側へ搬送され、図9に示すように、読取位置90で表側の面の読取りが開始される。
原稿101の先端は、読取位置90を通過した後は導入パス80から反転パス82に導かれ、やがて図9に示す所定の位置(判定位置)に到達する。この判定位置は、原稿長さ検出センサ41による検出位置75から前記設定長さだけ下流側の位置に設定されており、片面パス分岐部91より上流側に位置している。制御部は、前述の搬送距離のカウント値を前記設定長さと常時比較(監視)することで、原稿101の先端が前記判定位置に到達したことを検知する。そして、制御部は、この瞬間の原稿長さ検出センサ41の状態を調べる。
なお、原稿の先端が検出位置75を通過した時点からの搬送距離のカウントにより当該先端の位置が判定位置に到達したことを検出する制御は、図6及び図7の場合(即ち、設定長さ未満の原稿99を搬送する場合)においても同様に行われている。図6及び図7の場合は原稿99が設定長さ未満であるので、原稿99の先端が前記判定位置に達した時点では、その後端は原稿長さ検出センサ41の検出位置75を既に抜け、原稿長さ検出センサ41はOFF状態になっている。これを検出した制御部は、前述のとおり原稿99を反転パス82に沿って読取位置90へ搬送し、その裏側の面をスキャナユニット25で読み取らせる。
一方、今回の説明(図9)では長い原稿(設定長さよりも長い原稿)101が搬送されているので、原稿101の先端が前記判定位置に到達した時点で、原稿101の後端が検出位置75を抜けていない。従って、原稿長さ検出センサ41はON状態となっている。これにより、制御部は、現在搬送中の原稿101の長さが設定長さ以上であると判断し、当該原稿101の経路を片面パス81側に切り換えるべく片面パス切換装置95に適宜の信号を送信する。この信号を受信した片面パス切換装置95は、ソレノイド72を駆動して、原稿101の経路を反転パス82側から片面パス81側に切り換える。即ち、当初は両面読取りのために反転パス82側に切り換えられていた原稿の経路が、当該原稿の搬送途中で片面パス81側に例外的に切り換えられることになる。
ここで前述したように、制御部に設定されている前記設定長さは、導入パス80上の検出位置75から反転パス82上の片面パス分岐部91までの経路長より短くなるように設定されている。従って、長い原稿101の先端が片面パス分岐部91に到達する前の段階で、当該原稿101の経路を確実に片面パス81側に切り換えることができる。また、制御部は、原稿長さ検出センサ41で原稿101の先端が検出されてから当該原稿101を一定距離だけ搬送し、その時点で前記原稿長さ検出センサ41が原稿を検出しているか否かで、原稿101が設定長さ以上か否かを判断する。従って、原稿101の後端が原稿長さ検出センサ41を通過することを待つことなく、その経路切換えの要否を素早く判断して適切な制御を行うことができる。
以上の制御により、原稿101は図10に示すように、第2リードセンサ43より上流側の片面パス分岐部91で片面パス81側に導かれ、反転パス82の読取位置90を回避して第1排出パス83に案内される。従って、第2リードセンサ43によって原稿101が検出されることがなくなり、スキャナユニット25による原稿101の裏側の面の読取り動作も事実上中止される。
以上に示す搬送制御により、長い原稿101は、反転パス82の読取位置90を通過せずに第1排出トレイ24に排出される。従って、読取位置90で原稿101が重なることが回避されるので、表側の面の画像を読み取る際に裏写りを防止でき、読取画質の低下を回避することができる。また、原稿101の先端は片面パス81によって(フラッパ弁46を回避しつつ)第1排出パス83側に案内されるので、当該原稿101の先端が導入パス80へ誤進入して原稿詰まりを発生させることも確実に防止することができる。なお、上記の制御により裏側の面の読取りは断念することになるものの、仮に裏側の面を無理に読み取ったとしても上述のとおり画像が欠けてしまうのであるから、その点での不都合は殆どないということができる。
また、前記制御部は、原稿101が設定長さより長いために片面パス81側に当該原稿101の通路を切り換えた場合、後続の原稿の給紙動作を中断した上で、片面読取りへ切り換えた旨のメッセージを操作パネル12の前記表示部に表示するように制御する。この場合の表示内容としては、例えば、「原稿が長過ぎたために、裏側の面の読取りができませんでした。表側の面だけコピーしました。」とすることが考えられる。これによって、ユーザは原稿101の読取りが片面(表側の面)のみ行われたことを容易に把握できる。コピー等が操作パネル12で指示されていた場合は、読み取られた原稿101の画像情報(表側の面の画像情報)が画像形成部50に送られ、適宜印刷(例えば、片面印刷等)が開始される。
以上に示したように、本実施形態のイメージスキャナ装置20は、以下のように構成される。即ち、イメージスキャナ装置20は、原稿トレイ23と、スキャナユニット25と、導入パス80と、反転パス82と、第1排出パス83と、第1排出トレイ24と、片面パス81と、片面パス切換装置95と、原稿長さ検出センサ41と、制御部と、を備える。原稿トレイ23は、積層された原稿99をセット可能に構成される。スキャナユニット25は、原稿99の画像情報を読み取る。導入パス80は、原稿99の表側の面がスキャナユニット25の読取位置90を通過するように原稿99を案内する。反転パス82は、導入パス80を通って表側の面が読み取られた原稿99の裏側の面が読み取られるように原稿99を反転させてスキャナユニット25の読取位置90まで案内する。なお、導入パス80を通過した原稿は、スイッチバックすることなく反転パス82に導かれる。第1排出パス83は、反転パス82に接続される。第1排出トレイ24は、第1排出パス83に接続される。片面パス81は、導入パス80で表側の面が読み取られた原稿99を、読取位置90を回避するように第1排出パス83に案内する。片面パス切換装置95は、原稿99の経路を反転パス82から片面パス81に切り換えることが可能に構成される。原稿長さ検出センサ41は、原稿99の搬送方向の長さを検出する。制御部は、導入パス80の読取位置90から反転パス82を通って当該読取位置90に至るまでの経路長以下の設定長さを記憶部に記憶可能である。また、制御部は、原稿の両面を読み取る場合に、搬送される原稿の搬送方向長さが記憶部に記憶した前記設定長さ以上であることを原稿長さ検出センサ41によって検出すると、原稿101の経路を片面パス切換装置95によって片面パス81側に切り換えるように制御する。
これにより、両面読取りにおいて、両面読取りを適切に行うことができない設定長さを超えた原稿101が原稿トレイ23にセットされたとしても、原稿101が反転パス82の読取位置90を通過しないように当該原稿101の経路を切り換えることができる。具体的には、長い原稿101の搬送中に制御部が当該原稿101の経路を片面パス81側に自動的に切り換えることによって、原稿101は読取位置90を通過しないで第1排出トレイ24に排出されることになる。従って、表側の面の読取中に、既に読取位置90を通過した当該原稿101の先端が反転パス82を経由して読取位置90に再び到達し、裏写りが生じて表側の面の読取画質を低下させることを防止できる。これによって、両面読取りを適切に行うことができる長さを超えた原稿101がセットされた場合であっても、表側の面については画像の読取りを適切に行うことができる。また、設定長さ以上の原稿101は反転パス82の読取位置90を通過しないように制御されるので、当該原稿101の先端が反転パス82上の読取位置90で導入パス80上の原稿101と干渉する等してジャムの原因となる事態も回避できる。
また、本実施形態のイメージスキャナ装置20においては、原稿長さ検出センサ41は、導入パス80上の読取位置90より上流側に配置される。
これにより、導入パス80に導入された原稿101の長さを読取位置90の上流側で検出することができるので、原稿の長さの判定を早期に行って経路切換えの要否を判断することができる。
また、本実施形態のイメージスキャナ装置20においては、以下のように構成される。片面パス81は、反転パス82の途中に形成される片面パス分岐部91から分岐している。原稿長さ検出センサ41は、片面パス分岐部91より上流側の検出位置75で原稿101の先端を検出する。前記設定長さは、検出位置75から片面パス分岐部91までの経路長より短くなるように設定される。
これにより、設定長さ以上の原稿101の先端が片面パス分岐部91に到達するまでに、経路を確実に切り換えて、当該原稿101を片面パス81に案内することができる。
上記実施形態の構成に代えて、両面読取りにおいて、読取り中に原稿99の経路を片面パス81側に切り換えた場合、原稿99の裏側の面を読み取らせるように複合機10がユーザに指示する構成に変更することもできる。以下に第1実施形態の変形例として、この構成について説明する。
この変形例の制御部は、両面読取りにおいて、読取り中に原稿99の経路を片面パス81側に切り換えた場合、以下のようなメッセージを表示部に表示させる。即ち、「原稿が長過ぎたために、表側の面だけコピーしました。原稿の裏側の面を上向きにして再セットして下さい」という旨のメッセージを表示させる。それとほぼ同時に、制御部は、ピックアップローラ(繰込み部)31等による給紙動作を中断する。なお、片面パス切換装置95によって、原稿99の経路は片面パス81側に切り換えられる。
ユーザは上記のメッセージに従い、裏側の面が読み取られずに排出された原稿99を、その裏側の面が上向きとなるように原稿トレイ23にセットする。そして、操作パネル12等で読取り開始の指示がされると、給紙動作が再開され、原稿99がピックアップローラ31によって導入パス80に導入されていく。これによって、読み取ることができなかった原稿99の裏側の面の読取りが開始される。なお、原稿の読取りが開始されるタイミングは、原稿トレイ23に配置される図略の原稿検出センサが原稿を検出した時点で自動的に読取りが開始される構成としてもよい。
このように、後続側の原稿の給紙動作を中断し、読み取れなかった原稿の裏側の面を読み取るようにすることで、原稿のページ順に従って原稿の画像情報を読み取っていくことができる。
例えば、本実施形態の複合機10において、操作パネル12等で両面コピーが指示されていた場合は、原稿の表裏両面が読み取られたところで印刷を開始する。これによって、原稿99の順番通りに読み取られた画像情報に基づいて両面印刷を順次行っていくことができる。
また、本実施形態の複合機10は、イメージスキャナ装置20で読み取った原稿99の画像情報を適宜の場所に保存できるように構成されている。この適宜の場所とは、例えば、ネットワークを介して接続されるパーソナルコンピュータ、外部記憶手段及び複合機10本体等であり、複合機10は、イメージスキャナ装置20で読み取った画像情報をそれぞれの適宜の場所に記憶させることができるように構成されている。
この構成で、操作パネル12で画像情報の保存先及び両面読取りが指定された上で、原稿の読取りが開始され、原稿99が設定長さ以上であることが検出されると、制御部によって、上述のメッセージが表示されるとともに後続側の原稿の給紙動作が中断される。ユーザが表示されたメッセージに従って、原稿99をセットし、原稿の裏側の面の読取りが開始されることによって、画像情報が指定された適宜の場所にページの順番通りに保存されていく。このように、原稿のページの順番通りに画像情報を読み取っていく構成なので、画像情報を一つのファイルに原稿のページの順番通りに結合して保存することも可能である。
以上に示したように、第1実施形態の変形例のイメージスキャナ装置20は以下のように構成される。即ち、イメージスキャナ装置20は、原稿99を導入パス80に繰り込むためのピックアップローラ(繰込み部)31と、制御部に接続される表示部と、を備える。制御部は、原稿99の両面読取りにおいて、原稿99の搬送方向長さが設定長さ以上であることを原稿長さ検出センサ41によって検出し、原稿99の経路を片面パス切換装置95によって片面パス81側に切り換えるように制御した場合に、裏側の面が読み取られるように原稿トレイ23に当該原稿99をセットさせる指示を表示部に表示させる。それとともに、制御部は、次の原稿の繰込みを停止させるようにピックアップローラ31を制御する。
これにより、ピックアップローラ31による原稿99の繰込みは中断されているので、ユーザが、表示部の表示に従って、裏側の面が読み取られるように原稿を原稿トレイ23にセットすることで、当初予定していた原稿の両面読取りを行うことができる。また、原稿99の表側の面の次に当該原稿99の裏側の面を読み取ることになるので、原稿トレイ23にセットした原稿のページの順番通りに原稿99の読取りを行うことができる。このように、原稿99の画像情報をページ順に出力することができるので、両面印刷を原稿の順番通りに印刷していくことができる。また、画像情報を適宜の場所(パーソナルコンピュータ、外部記憶媒体及び複合機10本体等)に保存する場合は、裏側のページだけ抜けてしまうことを防止でき、原稿のページ順と一致させて画像情報を記憶させることができ、読み取った画像情報を効率的に管理及び利用することが可能となる。
次に、図11を参照して、第2実施形態のイメージスキャナ装置220について説明する。図11は、第2実施形態のADF221の正面断面図である。なお、本実施形態において、前記第1実施形態と同一又は類似する構成には図面に同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
この第2実施形態のイメージスキャナ装置220はADF221を備え、このADF221は、上記第1実施形態のADF21において第2排出トレイ26を省略し、原稿99の排出場所を第1排出トレイ24に限定したものに相当する。
本実施形態のイメージスキャナ装置220においては図11に示すように、第2排出トレイ26の省略に伴って、第1実施形態(図2)において備えられていた第2排出パス84、搬送ローラ38、ソレノイド71及びストレートパス切換装置96も省略されている。従って、ADF221内に形成される原稿搬送経路270をより簡素に構成することができる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の構成は更に以下のように変更することができる。
上記実施形態においては、原稿の先端が前記判定位置(図9)に到達したことは、当該原稿の先端が原稿長さ検出センサ41を通過した時点からの搬送距離のカウントによって検出されている。しかしながら、この構成に代えて、前記判定位置に適宜のセンサを備え、原稿の先端が前記判定位置に到達したことを当該センサで直接的に検出するように変更することもできる。
また、上記実施形態では、スイッチバック機構59で記録紙100をスイッチバックさせることにより記録紙100の両面印刷を行う構成であるが、この構成に限定されるわけではない。複合機10が備える画像形成装置の構成は適宜変更することができる。
上記の実施形態の構成は、コピーファクシミリ複合機に限らず、例えば、単体のイメージスキャナ装置、コピー機及びファクシミリ装置等にも適用することができる。
なお、上記実施形態では、設定長さは、若干のマージンを見込んで、ターン経路の経路長よりも短くなるように構成しても良いことを説明した。ところで、画像の読取り毎に、読み取られた画像データに対して所定処理(例えばエンコード処理、フィルタリング処理、画像データの保存処理等)を行うようにイメージスキャナ装置20が構成されている場合には、当該所定処理の処理時間を考慮して前記マージンを決定することが好ましい。この点について以下に説明する。
即ち、画像データに対して前記所定処理を実行するためには、一定の処理時間が必要になる。言い換えれば、原稿の表側の面の後端が読取位置90を通過し終わっても、当該表側の面の画像データに対する前記所定処理が終了するまでには若干の時間が必要である。従って、原稿の長さが長い場合には、反転パス82を搬送されて当該原稿の先端が読取位置90に再度到達したときに、前記所定処理が終了していない場合があり得る。ところが、本実施形態のイメージスキャナ装置20は前記所定処理と画像読取りとを同時に実行することができないので、表側の面の画像データに対する所定処理が終了していない場合には、裏面の画像の読取りを行うことができない。この結果、裏側の面の画像データの先端部が欠けてしまうという問題が発生し得ることになる。従って、このような長さの原稿が原稿トレイ23にセットされた場合には、両面読取りを行わないことが好ましい。
以上の点を考慮すれば、表側の面の画像データに対する前記所定処理が終了する前に先端が読取位置90に到達することが無いような原稿の長さを前記設定長さとすることで、本発明の構成で上記の問題の発生を防ぐことができる。即ち、前記マージンを、前記所定処理が終了するまでに必要な時間に相当する長さ以上とすれば、原稿の先端が再度読取位置90に到達するまでに表側の面の画像データに対する前記所定処理を終了させることができる。具体的には、前記マージンを、
マージン≧(読取位置90を原稿の後端が通過してから所定処理が終了するまでに掛かる時間)×(原稿の搬送速度)
とすることにより、導入パス80に導入された原稿の長さが、表側の面の画像データに対する所定処理を確実に終了させてから裏側の面の読取りを開始することができる長さであるか否か(即ち、両面読取りを実行可能か否か)を、原稿長さ検出センサ41の検出結果に基づいて判断することができる。なお、このようにマージンを設けた場合であっても、上記実施形態と同様に裏写り及び紙詰まりの発生を未然に防止する効果を発揮できるのは前述のとおりである。
マージン≧(読取位置90を原稿の後端が通過してから所定処理が終了するまでに掛かる時間)×(原稿の搬送速度)
とすることにより、導入パス80に導入された原稿の長さが、表側の面の画像データに対する所定処理を確実に終了させてから裏側の面の読取りを開始することができる長さであるか否か(即ち、両面読取りを実行可能か否か)を、原稿長さ検出センサ41の検出結果に基づいて判断することができる。なお、このようにマージンを設けた場合であっても、上記実施形態と同様に裏写り及び紙詰まりの発生を未然に防止する効果を発揮できるのは前述のとおりである。
もっとも、画像の読取りと前記所定処理とを並列して実行することができるようにイメージスキャナ装置20が構成されていれば、上記のマージンを設けなくても良い。ただしこの場合であっても、裏写り及び原稿詰まりが発生し得る長さの原稿をある程度の余裕をもって検出するという観点からは、やはり若干のマージンを設けたほうが良い。
10 コピーファクシミリ複合機
20 イメージスキャナ装置(画像読取装置)
23 原稿トレイ
24 第1排出トレイ
25 スキャナユニット(読取部)
41 原稿長さ検出センサ(原稿長さ検出部)
75 検出位置
80 導入パス(導入経路)
81 片面パス(片面経路)
82 反転パス(反転経路)
83 第1排出パス(排出経路)
90 読取位置
91 片面パス分岐部(片面経路分岐部)
95 片面パス切換装置(経路切換部)
20 イメージスキャナ装置(画像読取装置)
23 原稿トレイ
24 第1排出トレイ
25 スキャナユニット(読取部)
41 原稿長さ検出センサ(原稿長さ検出部)
75 検出位置
80 導入パス(導入経路)
81 片面パス(片面経路)
82 反転パス(反転経路)
83 第1排出パス(排出経路)
90 読取位置
91 片面パス分岐部(片面経路分岐部)
95 片面パス切換装置(経路切換部)
Claims (4)
- 積層された原稿をセット可能な原稿トレイと、
前記原稿の画像情報を読み取るための読取部と、
前記原稿の一側の面が前記読取部の読取位置を通過するように前記原稿を案内する導入経路と、
前記導入経路を通って前記一側の面が読み取られた前記原稿の他側の面が読み取られるように前記原稿を反転させて前記読取部の読取位置まで案内する反転経路と、
前記反転経路に接続される排出経路と、
前記排出経路に接続される排出トレイと、
前記導入経路で前記一側の面が読み取られた原稿を、前記読取位置を回避するように前記排出経路に案内する片面経路と、
前記原稿の経路を前記反転経路から前記片面経路に切り換えることが可能な経路切換部と、
前記原稿の搬送方向の長さを検出するための原稿長さ検出部と、
前記導入経路の前記読取位置から前記反転経路を通って当該読取位置に至るまでの経路長以下の設定長さを記憶可能であって、前記原稿の両面を読み取る場合に、搬送される原稿の搬送方向長さが記憶した前記設定長さ以上であることを前記原稿長さ検出部によって検出すると、前記原稿の経路を前記経路切換部によって前記片面経路側に切り換えるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記原稿長さ検出部は、前記導入経路上の前記読取位置より上流側に配置されることを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
前記片面経路は、前記反転経路の途中に形成される片面経路分岐部から分岐しており、
前記原稿長さ検出部は、前記片面経路分岐部より上流側の検出位置で前記原稿の先端を検出し、
前記設定長さは、前記検出位置から前記片面経路分岐部までの経路長より短くなるように設定されることを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の画像読取装置であって、
前記原稿を前記導入経路に繰り込むための繰込み部と、
前記制御部に接続される表示部と、
を備え、
前記制御部は、前記原稿の両面読取りにおいて、前記原稿の搬送方向長さが前記設定長さ以上であることを前記原稿長さ検出部によって検出し、前記原稿の経路を前記経路切換部によって前記片面経路側に切り換えるように制御した場合に、他側の面が読み取られるように前記原稿トレイに当該原稿をセットさせる指示を前記表示部に表示させるとともに、次の原稿の繰込みを停止させるように前記繰込み部を制御することを特徴とする画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276164A JP2010100429A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276164A JP2010100429A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 画像読取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010100429A true JP2010100429A (ja) | 2010-05-06 |
Family
ID=42291432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008276164A Pending JP2010100429A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 画像読取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010100429A (ja) |
-
2008
- 2008-10-27 JP JP2008276164A patent/JP2010100429A/ja active Pending
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