JP2010099703A - 機械用パネル部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化のために板厚を薄くしても高剛性を確保して振動を十分に抑制でき且つ低コストに製造できる機械用パネル部材を提供する。
【解決手段】ビード加工を付与しない状態のパネル部材において、二次モードにおける振動の腹となる部分をXとしたとき、前記部分Xで隔てられた2つの箇所に、或いはさらに前記部分Xを含む箇所に、凹状または凸状のビードA1,A2が形成され、この各ビードA1,A2は、凹状ビードの底面部または凸状ビードの頂面部からなる中央面部aと、ビードAの外周縁と前記中央面部aの外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部aとからなる。
【選択図】図5

Description

本発明は、洗濯機などのような振動源となる装置や機構を備えた機械類に用いられるパネル部材に関する。
振動源となる装置や機構を備えた機械類では、機械外面を構成するパネルの振動を抑制する必要があり、なかでも、脱水槽を備えた洗濯機は、脱水槽の高速回転に伴ってサイドパネルが大きく振動し、不快な騒音を発生させるという問題があり、このような振動・騒音を極力抑制することが求められている。特に最近では、洗濯機などのような振動しやすい機械類のパネルについて、軽量化、振動低減のための高剛性化、低コスト化という相反する要求を高度に満足することが求められるようになりつつある。しかし、パネルの剛性を高めようとすると、薄板の弾性率と板厚の関係からある程度の板厚を確保する必要があり、軽量化は難しくなる。一方、パネルの剛性を高めるために、軽合金や炭素繊維などを組み合わせて使用することも考えられるが、製造コストが上昇してしまう。
従来、洗濯機などのパネルには、縦溝状のビードが付与される場合が多いが、デザイン重視で作製されており、その結果、このようなビードだけでは、パネル剛性の向上には限界がある。
また、従来では、パネル部材などのプレス成形品の軽量化と高剛性化を両立させるために、例えば次のような提案がなされている。
特許文献1には、ヒートインシュレータなどのようなプレス成形品について、波型形状の凹凸を剛性を高める方向に沿って形成し、或いはその凹凸をビードと組み合わせて形成した高剛性構造が示されている。
また、特許文献2には、所定の繰り返しパターン形状のビード部(機械加工によるのビード部)と熱加工強化部とを組み合わせて形成したパネル部材が示されている。
特開2002−321018号公報 特開2004−255983号公報
これら特許文献1,2に示された補強構造によれば、ある程度の高剛性を得ることはできる。しかし、これらの補強構造を、例えば洗濯機のサイドパネルなどに適用しても、軽量化のために板厚を薄くした場合には高剛性を実現することが難しい。また、いずれの構造も、表面形状が複雑で洗濯機のサイドパネルなどには不向きであること、加工に手間がかかり製造コストが高いこと、などの問題もある。
以上のように、従来技術では、洗濯機のサイドパネルなどに好適な、軽量化(板厚の薄肉化)、高剛性化および低コスト化を同時に満足するようなパネル部材は製造することができなかった。
したがって本発明の目的は、軽量化のために板厚を薄くしても高剛性を確保して振動を十分に抑制することができ、しかも低コストに製造できるパネル部材を提供することにある。
本発明者らは、薄鋼板などの金属板にプレス成形を施して製造されるパネル部材を前提として、板厚を薄くしても高剛性を確保できるパネル構造を見出すべく、洗濯機のパネル部材(サイドパネル)を例に以下のような検討を行った。
従来のパネル部材は、剛性を高めて振動を低減するために、例えば、縦溝状または横溝状のビードを付与することが一般的に行なわれてきた。このようにビードを付与することによる剛性の向上により、ビードが無い場合に較べて、パネル単体での基本となる振動モード(例えば、二次モード)の固有振動周波数を2割ほど高周波化させることが可能となる。本発明者らの解析によれば、この場合(上記のような従来のビードを付与した場合)に、基本となる振動モードの振動周波数を平均約18Hz程度にすることができるため、脱水時の回転数を共振を発生させることなく1200rpmまで高めることが可能となった。しかしながら、最近では洗濯機にさらに高度な効率性、低騒音性が求められており、このため、さらなる高速化および低振動化を可能とするために、パネル部材の高剛性化・固有振動数の高周波化が求められてきている。
従来では、パネル部材の高剛性化には、深いビードを形成するのが有効であると考えられてきた。本発明者らが、数値計算によりパネル部材の固有振動周波数および振動モードについて解析した結果を図1および図2に示す。このうち、図1(イ)〜(ハ)は各振動モードにおける振動パターンを、図2は二次モードにおける固有振動周波数(平均周波数)と板厚およびビード深さ(最大深さ)との関係を、それぞれ示している。図1によれば、一次モードでは対角線上に振動が生じているのに対し、二次モード以降ではパネルの中央部が振動する傾向があることが判る。一次モードで発生する対角線上の振動は、パネルを固定することで低減することが可能となるが、二次モード以降の振動はそれでは抑制できない。したがって、使用するに当たって主として問題となるのは二次モード以上の振動モードであると考えられる。また、図2によれば、二次モードについては、どの板厚においても、ビード深さを2mm大きくする(0mm→2mm、2mm→4mm)毎に、固有振動周波数を2Hz程度高くできることが判る。また、板厚を厚くすることでも、高周波化が可能であることが判る。しかしながら、プレス成形の技術的な制約上、ビードの深さを大きくすることには限界があり、また、板厚を大きくすることは軽量化の要求に逆行することになる。したがって、ビード深さや板厚に関わりなくパネル部材の振動(主に二次モード以上の振動)の高周波化(高剛性化)を達成する必要がある。
そこで、本発明者らは、ビードの形態を最適化することによりパネル部材の使用上問題となる振動モードの高周波化(高剛性化)を達成すべく、その最適なビード形態について詳細な検討を行った。その結果、図1に示すような二次モードの振動部(中央部)を分割するような特定の形態で複数のビードを形成し、且つ各ビードを、その外周縁から底面部または頂面部に向かって特定の構造の傾斜部(好ましくは緩傾斜状の傾斜部)が形成された形態とすること、さらに好ましくは、パネル部材に対する各ビードの形成位置と形態をより最適化することにより、パネル部材の使用上問題となる振動モードの振動周波数が顕著に上昇することを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]ビード加工を付与しない状態のパネル部材において、二次モードにおける振動の腹となる部分をXとしたとき、該部分Xで隔てられた2つの箇所に、凹状または凸状のビード(A1),(A2)が形成され、
該各ビード(A1),(A2)は、凹状ビードの底面部または凸状ビードの頂面部からなる中央面部(a)と、ビードの外周縁と前記中央面部(a)の外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部(a)とからなることを特徴とする機械用パネル部材。
[2]ビード加工を付与しない状態のパネル部材において、二次モードにおける振動の腹となる部分をXとしたとき、該部分Xを含む箇所とその両側箇所の計3箇所に、凹状または凸状のビード(A10),(A20),(A30)が形成され、
該各ビード(A10),(A20),(A30)は、凹状ビードの底面部または凸状ビードの頂面部からなる中央面部(a)と、ビードの外周縁と前記中央面部(a)の外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部(a)とからなることを特徴とする機械用パネル部材。
[3]上記[1]または[2]の機械用パネル部材において、パネル部材の水平投影面において、パネル部材面積に対するビード(A1),(A2)またはビード(A10),(A20),(A30)の合計面積率が22〜68%であることを特徴とする機械用パネル部材。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの機械用パネル部材において、傾斜部(a)の傾斜角(但し、傾斜部(a)が階段状である場合には、上下方向で隣り合う段部の縁部間を結ぶ直線の平均傾斜角)が8°以下であることを特徴とする機械用パネル部材。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの機械用パネル部材において、パネル部材の水平投影面において、ビード(A1),(A2)またはビード(A10),(A20),(A30)の合計面積に対する中央面部(a)の合計面積率が14〜62%であることを特徴とする機械用パネル部材。
[6]上記[1]、[3]〜[5]のいずれかの機械用パネル部材において、機械側面で使用されるパネル部材であって、パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所にビード(A1),(A2)が形成され、該ビード(A1),(A2)の中央面部(a)のパネル幅方向での平均幅BWaveがパネル部材の代表幅PWrepの42%以上であることを特徴とする機械用パネル部材。
[7]上記[1]、[3]〜[6]のいずかの機械用パネル部材において、機械側面で使用されるパネル部材であって、パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所にビード(A1),(A2)が形成され、該両ビード(A1),(A2)の中央面部(a)の形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称であることを特徴とする機械用パネル部材。
[8]上記[1]、[3]〜[7]のいずかの機械用パネル部材において、機械側面で使用されるパネル部材であって、パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所にビード(A1),(A2)が形成され、該両ビード(A1),(A2)のうち、パネル上部側となるビード(A1)の中央面部(a)は、扁平V字形状部(e)と、該扁平V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で山形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であり、パネル下部側となるビード(A2)の中央面部(a)は、扁平逆V字形状部(e)と、該扁平逆V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で谷形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であることを特徴とする機械用パネル部材。
[9]上記[2]〜[5]のいずれかの機械用パネル部材において、機械側面で使用されるパネル部材であって、パネル上下方向において、部分Xを含む箇所とその上下箇所の計3箇所にビード(A10),(A20),(A30)が形成され、該ビード(A10),(A20),(A30)の中央面部(a)のパネル幅方向での平均幅BWaveがパネル部材の代表幅PWrepの42%以上であることを特徴とする機械用パネル部材。
[10]上記[2]〜[5]、[9]のいずれかの機械用パネル部材において、機械側面で使用されるパネル部材であって、パネル上下方向において、部分Xを含む箇所とその上下箇所の計3箇所にビード(A10),(A20),(A30)が形成され、前記上下箇所の両ビード(A10),(A20)の中央面部(a)の形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称であることを特徴とする機械用パネル部材。
[11]上記[2]〜[5]、[9]、[10]のいずれかの機械用パネル部材において、機械側面で使用されるパネル部材であって、パネル上下方向において、部分Xを含む箇所とその上下箇所の計3箇所にビード(A10),(A20),(A30)が形成され、前記上下箇所の両ビード(A10),(A20)のうち、パネル上部側となるビード(A10)の中央面部(a)は、扁平V字形状部(e)と、該扁平V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で山形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であり、パネル下部側となるビード(A20)の中央面部(a)は、扁平逆V字形状部(e)と、該扁平逆V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で谷形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であることを特徴とする機械用パネル部材。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかの機械用パネル部材において、パネル部材の板厚が2mm以下であり、ビード(A1),(A2)またはビード(A10),(A20),(A30)の深さまたは高さが10mm以下であることを特徴とする機械用パネル部材。
[13]上記[1]〜[12]のいずれかの機械用パネル部材において、洗濯機のサイドパネル部材であることを特徴とする機械用パネル部材。
本発明の機械用パネル部材は、軽量化のために板厚を薄くしても高剛性を確保して振動を十分に抑制することができ、しかもプレス成形等により所定形状のビードを形成するだけでよいため、低コストに製造することができる。
本発明の機械用パネル部材の構造を決定するために行った振動試験では、測定周波数を0〜200Hz、精度0.1Hzとして測定を行った。図3に、モード解析用の加振位置(図中の108番の位置)およびセンサー取付位置(測定箇所:格子点位置)を示す。また、これらの振動試験および数値解析により求めたパネル部材(ビード加工前)の振動モードと固有振動周波数を図4に示す。この場合、主として問題となるのは図4(a)の振動モードにおける振動(ビード加工前の固有振動周波数:15.88Hz)であり、これを高周波化する必要がある。
図5は、本発明の第一の基本形態を有する機械用パネル部材の一実施形態を示す斜視図である。
このパネル部材は、ビード加工を付与しない状態のパネル部材において、二次モードにおける振動の腹となる部分をXとしたとき、パネル長手方向において前記部分Xで隔てられた2つの箇所(より具体的には、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線で隔てられた2つの領域。以下、本発明の第一の基本形態に係る他の実施形態においても同様。)に、凹状のビードA1,A2が形成されている。各ビードA1,A2は、凹状ビードの底面部からなる中央面部aと、ビードA1,A2の外周縁と前記中央面部aの外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部aとからなっている。なお、図において、BはビードA1,A2が形成されない平坦部である。
前記ビードA1,A2は凸状に形成してもよく、この場合の各ビードA1,A2は、凸状ビードの頂面部からなる中央面部aと、ビードA1,A2の外周縁と前記中央面部aの外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部aとからなる。
なお、パネル長手方向において部分Xで隔てられた2つの領域には、ビードA1,A2以外のビードをそれぞれ1つ以上形成してもよい。
図6(イ)に示すような500mm(パネル幅)×600mm(パネル長さ)×20mm(フランジ高さ)のパネル部材(板厚0.6mm)にビード加工を施し、振動試験に供した。図6(イ)に示すビード加工前のパネル部材に対して、図6(ロ)に示すような二次モードの振動を与え、振動の腹となる部分Xを特定した。
図6(イ)のパネル部材に対して、パネル長手方向において前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に凹状のビードA1,A2を形成し、図7(イ)に示すような本発明のパネル部材を作成した。各ビードA1,A2のビード深さ(中央面部aでのビード深さ)は2mmとし、凹状ビードの底面部からなる中央面部aの大きさは300mm(パネル幅方向)×100mm(パネル長手方向)、斜面状に形成された傾斜部aの長さ(ビード外周縁から中央面部aの外周縁までの長さ)は70mmおよび50mm(いずれも水平投影面での長さ)とした。各ビードA1,A2は、傾斜部aの傾斜角:1.6〜2.3°、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードA1,A2の合計面積率:64%、同じくビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率:31%とした。
また、比較例として、図6(イ)のパネル部材に対して従来のような複数条の縦ビード(ビード深さ2mm)を施し、図7(ロ)に示すようなパネル部材も作成した。さらに、別の比較例として図7(ハ)に示すようなパネル部材、すなわち、図7(イ)と同様のビードA1,A2を有するが、部分Xが一方のビード(ビードA2)内に位置する(つまり、ビードA1,A2が部分Xで隔てられていない)パネル部材を作成した。
振動試験において、図6(イ)のパネル部材、図7(イ)のパネル部材(本発明例)、図7(ロ)および(ハ)の各パネル部材(比較例)に対して、それぞれ二次モードの振動を付与し、固有振動周波数を測定した結果、図6(イ)のパネル部材:16Hz、図7(イ)のパネル部材(本発明例):22Hz、図7(ロ)のパネル部材(比較例):18Hz、図7(ハ)のパネル部材(比較例):19Hzであった。すなわち、本発明のパネル部材では、縦ビードを施した従来のパネル部材に較べて、二次モードの振動周波数が顕著に高まり、高い振動抑制効果が得られることが確認できた。また、図7(ハ)のパネル部材との比較から、ビードA1,A2は部分Xで隔てられる必要があることが確認できた。
図8は、本発明の第二の基本形態を有する機械用パネル部材の一実施形態を示す斜視図である。
このパネル部材は、ビード加工を付与しない状態のパネル部材において、二次モードにおける振動の腹となる部分をXとしたとき、パネル長手方向において、前記部分Xを含む箇所(領域)とその両側箇所(より具体的には、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線で隔てられた2つの領域。以下、本発明の第二の基本形態に係る他の実施形態においても同様。)の計3箇所に、凹状のビードA10,A20,A30が形成されている。各ビードA10,A20,A30は、凹状ビードの底面部からなる中央面部aと、ビードA10,A20,A30の外周縁と前記中央面部aの外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部aとからなっている。なお、図において、BはビードA10,A20,A30が形成されない平坦部である。
前記ビードA10,A20,A30は凸状に形成してもよく、この場合の各ビードA10,A20,A30は、凸状ビードの頂面部からなる中央面部aと、ビードA10,A20,A30の外周縁と前記中央面部aの外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部aとからなる。
なお、パネル長手方向において部分Xで隔てられた2つの領域には、ビードA10,A20以外のビードをそれぞれ1つ以上形成してもよい。
図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル長手方向において前記部分Xを含む箇所(領域)とその両側箇所(領域)の計3箇所に凹状のビードA10,A20,A30を形成し、図9に示すような本発明のパネル部材を作成した。各ビードA10,A20,A30のビード深さ(中央面部aでのビード深さ)は2mmとした。また、両側のビードA10,A20において、凹状ビードの底面部からなる中央面部aの大きさは320mm(パネル幅方向)×80mm(パネル長手方向)、斜面状に形成された傾斜部aの長さ(ビード外周縁から中央面部aの外周縁までの長さ)は50mmおよび40mm(いずれも水平投影面での長さ)とした。また、中央のビードA30において、凹状ビードの底面部からなる中央面部aの大きさは320mm(パネル幅方向)×30mm(パネル長手方向)、斜面状に形成された傾斜部aの長さ(ビード外周縁から中央面部aの外周縁までの長さ)は20mmおよび30mm(いずれも水平投影面での長さ)とした。各ビードA10,A20,A30は、傾斜部aの傾斜角:1.4〜3.8°、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードA10,A20,A30の合計面積率:57%、同じくビードA10,A20,A30の合計面積に対する中央面部aの合計面積率:36%とした。
振動試験において、図9のパネル部材(本発明例)に対して二次モードの振動を付与し、固有振動周波数を測定した結果、24Hzであった。すなわち、図7(イ)のパネル部材(本発明例)に較べて、さらに高周波化することが確認できた。
次に、本発明のパネル部材において、図5に示すような第一の基本形態と図8に示すような第二の基本形態に共通の好ましい条件について説明する。以下、ビードA1,A2およびビードA10,A20,A30を総称して「ビードA」という場合がある。
まず、本発明のパネル部材は、パネル部材の水平投影面において、パネル部材面積に対するビードA1,A2またはビードA10,A20,A30の合計面積率が22〜68%、望ましくは30〜64%であることが好ましい。
図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル長手方向において前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に、図10に示すような形態で凹状のビードA1,A2を形成し、パネル部材の水平投影面において、パネル部材面積に対するビードA1,A2の合計面積α+αの比率(%)が異なる複数のパネル部材を作成した。各ビードA1,A2は、ビード深さ:2mm(中央面部aでのビード深さ)、傾斜部aの傾斜角:1.4〜3.8°、パネル部材の水平投影面においてビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率:29〜36%とした。
振動試験において、各パネル部材に振動を付与し、固有振動周波数を測定した。その結果を図11に示す。これによれば、パネル部材面積に対するビードA1,A2の合計面積率が大きくなるに従い振動周波数が高周波化するが、特にビードA1,A2の合計面積率が22%以上となるとその傾向が顕著になる。しかし、ビードA1,A2の合計面積率があまり大きくなると、全体が上に凸の形状を持った形となって曲げの断面二次モーメントが小さくなる。このためビードA1,A2の合計面積率が68%を超えると振動周波数の低下が顕著になる。また、以上の観点から振動周波数が最も高周波化するのは、ビードA1,A2の合計面積率が30〜64%の範囲である。
また、図8に示すような、パネル長手方向において部分Xを含む箇所(領域)とその両側箇所(領域)の計3箇所にビードA10,A20,A30を形成したパネル部材についても、図11とほぼ同様の結果が得られた。
また、本発明のパネル部材は、各ビードAを構成する傾斜部a(パネルの平坦部(パネル上面)とビード底面部または頂面部とをつなぐ縦壁部)の傾斜角θが8°以下、望ましくは4°以下であることが好ましい。
図12は、本発明のパネル部材において、各ビードAを構成する傾斜部aの傾斜角θを示すものである。図12(ロ),(ハ)は、図12(イ)のS−S′線に沿う傾斜部aの断面を示すもので、図12(ロ)は傾斜部aが斜面状である場合の傾斜角θを示している。また、図12(ハ)は傾斜部aが階段状である場合の傾斜角θを示しているが、このような場合には、上下方向で隣り合う段部の縁部間を結ぶ直線の平均傾斜角(図12(ハ)の例では、[θ+θ]/2)を傾斜部aの傾斜角θとする。
図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル長手方向において前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に、図12(イ)に示すような形態で凹状のビードA1,A2を形成し、各ビードA1,A2を構成する傾斜部aの傾斜角θが異なる複数のパネル部材を作成した。各ビードA1,A2は、ビード深さ:2mm(中央面部aでのビード深さ)、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードA1,A2の合計面積率:64%、同じくビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率:30〜35%とした。
振動試験において、各パネル部材に振動を付与し、固有振動周波数を測定した。その結果を図13に示す。これによれば、各ビードA1,A2を構成する傾斜部aの傾斜角θが小さくなるに従い振動周波数が高周波化するが、特に傾斜角θが8°以下になると、その傾向が顕著になる。また、傾斜角θが4°以下において振動周波数が最も高周波化している。
この理由は、傾斜部a(縦壁部)の傾斜角θが大きくなると傾斜部aの周囲の狭い範囲のみが曲げに対する断面二次係数が大きくなり、パネル全体で剛性を高めるための断面二次係数が大きくならないためである。したがって、断面二次係数をパネル全体で大きくするためには、傾斜部a(縦壁部)はできるだけ緩やかな傾斜角θを有することが好ましい。但し、傾斜角θがあまり小さいとプレス加工による変形が弾性変形主体のものとなり、塑性変形を起こしにくくなるので、形状凍結が困難となる。このため傾斜角θは1.1°程度が実質的な下限となる。
また、図8に示すような、パネル長手方向において部分Xを含む箇所(領域)とその両側箇所(領域)の計3箇所にビードA10,A20,A30を形成したパネル部材についても、図13とほぼ同様の結果が得られた。
さらに、本発明のパネル部材は、パネル部材の水平投影面において、ビードA1,A2またはビードA10,A20,A30の合計面積に対する中央面部aの合計面積率は14〜62%、望ましくは28〜43%であることが好ましい。
図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル長手方向において前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に、図12(イ)に示すような形態で凹状のビードA1,A2を形成し、ビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率が異なる複数のパネル部材を作成した。各ビードA1,A2は、ビード深さ:2mm(中央面部aでのビード深さ)、傾斜部aの傾斜角:1.1〜4°、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードA1,A2の合計面積率:30〜36%とした。
振動試験において、各パネル部材に振動を付与し、固有振動周波数を測定した。その結果を図14に示す。これによれば、ビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率を最適化することにより、振動周波数が高周波化することが判る。具体的には、ビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率が14〜62%において振動周波数が高周波化し、特に28〜43%において最も高周波化している。
また、図8に示すような、パネル長手方向において部分Xを含む箇所(領域)とその両側箇所(領域)の計3箇所にビードA10,A20,A30を形成したパネル部材についても、図14とほぼ同様の結果が得られた。
図5に示すような本発明の第一の基本形態において、パネル部材のビードA1,A2どうしは、水平投影面における面積の差ができるだけ小さいことが好ましい。同様に、図8に示すような本発明の第二の基本形態において、パネル部材のビードA10,A20どうしは、水平投影面における面積の差ができるだけ小さいことが好ましい。この理由は、ビードA1,A2どうし或いはビードA10,A20どうしに大きな面積差があると、ビードによって得られる曲げ剛性が部分Xの両側で異なったものとなり、その結果、全体として振動に対する剛性が弱まり、高周波化しにくくなるからである。このため、パネル部材の水平投影面におけるビードA1,A2の面積比およびビードA10,A20の面積比は、概ね1.5倍以下、望ましくは1.3倍以下が適当である。
以下、本発明を洗濯機などの機械側面(側部)で使用する場合の特に好ましい実施形態について説明する。
まず、さきに述べた本発明の第一の基本形態において、機械側面で使用されるパネル部材は、下記(i)の形態を有することが好ましい。また、さきに述べた本発明の第二の基本形態において、機械側面で使用されるパネル部材は、下記(ii)の形態を有することが好ましい。
(i)パネル上下方向において、前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)にビードA1,A2が形成され、これらのビードA1,A2の中央面部aのパネル幅方向での平均幅BWaveがパネル部材の代表幅PWrepの42%以上、好ましくは51%以上である。
(ii)パネル上下方向において、前記部分Xを含む箇所(領域)とその上下箇所(領域)の計3箇所にビードA10,A20,A30が形成され、これらビードA10,A20,A30の中央面部aのパネル幅方向での平均幅BWaveがパネル部材の代表幅PWrepの42%以上、好ましくは51%以上である。
ここで、ビードAの中央面部aのパネル幅方向での平均幅BWaveは、ビードAがn個あり(上記(i)の場合には2個、上記(ii)の場合には3個)、各ビードAのパネル幅方向での幅をBWiとした場合、BWave=(BWi+…+BWn)/nで求められる。なお、ビードAの中央面部aの形状が正四角形でない場合、パネル幅方向での幅BWiとは、当該中央面部aの最大幅部での幅である。
機械側面で使用されるパネル部材を、次のようにして作成した。図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル上下方向において、前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に、図15(イ)に示すような形態で凹状のビードA1,A2を形成し、これらビードA1,A2の中央面部aのパネル幅方向での平均幅BWaveが異なる複数のパネル部材を作成した(図中、Tがパネル上下方向の上端側である)。同じく図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル上下方向において、前記部分Xを含む箇所(領域)とその上下箇所(領域)の計3箇所に、図15(ロ)に示すような形態で凹状のビードA10,A20,A30を形成し、これらビードビードA10,A20,A30の中央面部aのパネル幅方向での平均幅BWaveが異なる複数のパネル部材を作成した(図中、Tがパネル上下方向の上端側である)。図15(イ),(ロ)において、各ビードAは、ビード深さ:2mm(中央面部aでのビード深さ)、傾斜部aの傾斜角:1.1〜4°、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードAの合計面積率:50〜60%、同じくビードAの合計面積に対する中央面部aの合計面積率:30〜35%とした。
振動試験において、各パネル部材に振動を付与し、固有振動周波数を測定した。その結果を図16に示す。これによれば、パネル部材の代表幅PWrepに対するビードAの中央面部aのパネル幅方向での平均幅BWaveの割合が42%以上において振動周波数が高周波化し、特に51%以上において振動周波数が最も高周波化している。
なお、パネル部材の代表幅PWrepは、下記式により求められる。パネル部材の形状と式中のf(x)およびg(x)を図22に示す。
Figure 2010099703
さらに、図5に示すような本発明の第一の基本形態(好ましくは上記(i)の形態)において、機械側面で使用されるパネル部材は、下記(I)の形態を有することが好ましい。また、図8に示すような本発明の第二の基本形態(好ましくは上記(ii)の形態)において、機械側面で使用されるパネル部材は、下記(II)の形態を有することが好ましい。
(I)パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)にビードA1,A2が形成され、この両ビードA1,A2の中央面部aの形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称である。
(II)パネル上下方向において、部分Xを含む箇所(領域)とその上下箇所(領域)の計3箇所にビードA10,A20,A30が形成され、前記上下箇所の両ビードA10,A20の中央面部aの形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称である。
図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル上下方向において、前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に、図17(イ)〜(ハ)に示すような異なる形態で凹状のビードA1,A2を形成したパネル部材(いずれも本発明例)を作成した(図中、Tがパネル上下方向の上端側である)。各ビードA1,A2は、ビード深さ:2mm(中央面部aでのビード深さ)、傾斜部aの傾斜角:1.1〜4°、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードA1,A2の合計面積率:48〜64%、同じくビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率:33〜36%とした。
図17(イ)〜(ハ)のパネル部材のうち、(イ)はビードA1,A2の中央面部aの形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称であるパネル部材、(ロ)および(ハ)はビードA1,A2の中央面部aの形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して非線対称であるパネル部材である。なお、図17(ロ)のパネル部材は、ビードA1,A2の中央面部aの形状が同じであり、一方、図17(ハ)のパネル部材は、ビードA1,A2の中央面部aの形状(大きさ)が異なる。
振動試験において、各パネル部材に振動を付与し、固有振動周波数を測定した。その結果、固有振動周波数は、図17(イ)のパネル部材が22Hz、図17(ロ)および(ハ)のパネル部材が20Hzであった。以上の結果から、両ビードA1,A2の中央面部aの形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称であることが好ましいことが判る。
なお、本発明の第二の基本形態のパネル部材に関する上記(II)の形態についても、上記に準じた結果が得られた。
さらに、図5に示すような本発明の第一の基本形態(好ましくは上記(i)および/または(I)の形態)において、機械側面で使用されるパネル部材が、下記(1)の形態を有する場合に、固有振動周波数が最も高周波化することが判った。
(1)パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)にビードA1,A2が形成され、この両ビードA1,A2のうち、パネル上部側となるビードA1の中央面部aは、扁平V字形状部eと、この扁平V字形状部eを構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で山形状部を形成する短辺部fとからなる形状であり、パネル下部側となるビード2Aの中央面部aは、扁平逆V字形状部eと、この扁平逆V字形状部eを構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で谷形状部を形成する短辺部fとからなる形状である。
また、この(1)の形態では、中央面部aの形状が部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称となるようにビードA1,A2を形成することが好ましい。
図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル上下方向において、前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に、中央面部aの形状が部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称となるようにして、上記形状のビードA1,A2を形成し、図18(斜視図)および図19(平面図)に示すようなパネル部材(本発明例)を作成した(図中、Tがパネル上下方向の上端側である)。各ビードA1,A2は、ビード深さ:2mm(中央面部aでのビード深さ)、傾斜部aの傾斜角:1.4〜3°、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードA1,A2の合計面積率:40〜55%、同じくビードA1,A2の合計面積に対する中央面部aの合計面積率:30〜40%とした。
振動試験において、このパネル部材に二次モードの振動を付与し、固有振動周波数を測定した結果、固有振動周波数は28Hzであった。すなわち、固有振動周波数が最も高周波化する実施形態であった。
また、図8に示すような本発明の第二の基本形態(好ましくは上記(ii)および/または(II)の形態)において、機械側面で使用されるパネル部材が、下記(2)の形態を有する場合に、固有振動周波数が最も高周波化することが判った。
(2)パネル上下方向において、部分Xを含む箇所(領域)とその上下箇所(領域)の計3箇所にビードA10,A20,A30が形成され、前記上下箇所の両ビードA10,A20のうち、パネル上部側となるビードA10の中央面部aは、扁平V字形状部eと、この扁平V字形状部eを構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で山形状部を形成する短辺部fとからなる形状であり、パネル下部側となるビードA20の中央面部aは、扁平逆V字形状部eと、この扁平逆V字形状部eを構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で谷形状部を形成する短辺部fとからなる形状である。
また、この(2)の形態でも、中央面部aの形状が部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称となるようにビードA10,A20を形成することが好ましい。
図6(イ)と同様のパネル部材に対して、パネル上下方向において、前記部分Xで隔てられた2つの箇所(領域)に、中央面部aの形状が部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称となるようにして、上記形状のビードA10,A20を形成するともに、両ビードA10,A20間における前記部分Xを含む領域にビードA30を形成し、図20(斜視図)および図21(平面図)に示すようなパネル部材(本発明例)を作成した(図中、Tがパネル上下方向の上端側である)。各ビードA10,A20,A30は、ビード深さ:2mm(中央面部aでのビード深さ)、傾斜部aの傾斜角:1.4〜3.8°、パネル部材の水平投影面においてパネル部材面積に対するビードA10,A20,A30の合計面積率:40〜55%、同じくビードA10,A20,A30の合計面積に対する中央面部aの合計面積率:35〜40%とした。
振動試験において、このパネル部材に二次モードの振動を付与し、固有振動周波数を測定した結果、固有振動周波数は31Hzであった。すなわち、固有振動周波数が最も高周波化する実施形態であった。
本発明のパネル部材は、例えば、薄鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板、ニッケル合金板、ステンレス鋼板など任意の金属薄板で構成できるが、通常は、一般的な薄鋼板からなる場合が多い。薄鋼板としては、熱延鋼板、冷延鋼板、これら鋼板にめっきを施しためっき鋼板、さらに表面処理を施した表面処理鋼板等のいずれでもよい。
本発明のパネル部材の板厚やビードAの深さなどに特別な制限はないが、通常、板厚は2mm以下、好ましくは1mm以下が適当であり、また、ビードAの深さまたは高さ(中央面部aでのビード深さまたは高さ)は10mm以下、好ましくは4mm以下が適当である。
本発明のパネル部材は、任意の機械類に適用できるが、特に洗濯機などのような振動しやすい機械に好適である。また、その他にもエアコンや冷蔵庫等の家電用品、自動車、産業機械器具など、種々の機械類に適用できる。
パネル部材の各振動モードにおける振動パターンを示す説明図 パネル部材の二次モードにおける固有振動周波数(平均周波数)と板厚およびビード深さとの関係を示すグラフ 本発明において行ったパネル部材の振動試験におけるモード解析用の加振位置(図中の108番の位置)およびセンサー取付位置を示す説明図 本発明において行ったパネル部材の振動試験における各振動モードと固有振動周波数を示す説明図 本発明の第一の基本形態を有するパネル部材の一実施形態を示す斜視図 図7等に示されるパネル部材のビード形成前の形態、および振動試験により特定された部分Xを示す説明図 振動試験に供した本発明例および比較例のパネル部材を示す説明図 本発明の第二の基本形態を有するパネル部材の一実施形態を示す斜視図 振動試験に供した本発明例のパネル部材を示す説明図 振動試験に供した本発明例のパネル部材を示す説明図 本発明のパネル部材において、パネル部材面積に対するビードAの合計面積率と固有振動周波数との関係を示すグラフ 本発明のパネル部材において、ビードAを構成する傾斜部aの傾斜角θを示す説明図 本発明のパネル部材において、ビードAを構成する傾斜部aの傾斜角θと固有振動周波数との関係を示すグラフ 本発明のパネル部材において、ビードAの合計面積に対する中央面部aの合計面積率と固有振動周波数との関係を示すグラフ 振動試験に供した本発明例のパネル部材を示す説明図 本発明のパネル部材において、パネル部材の代表幅PWrepに対するビードAの中央面部aのパネル幅方向での平均幅BWaveの割合と固有振動周波数との関係を示すグラフ 振動試験に供した本発明例のパネル部材を示す説明図 本発明の第一の基本形態を有するパネル部材の他の実施形態を示す斜視図 図18の実施形態のパネル部材の平面図 本発明の第二の基本形態を有するパネル部材の他の実施形態を示す斜視図 図20の実施形態のパネル部材の平面図 パネル部材の形状とパネル部材の代表幅PWrepを求める式中のf(x)およびg(x)を示す説明図
符号の説明
A,A1,A2,A10,A20,A30 ビード
B 平坦部
中央面部
傾斜部
X 部分
扁平V字形状部
扁平逆V字形状部
,f 短辺部

Claims (13)

  1. ビード加工を付与しない状態のパネル部材において、二次モードにおける振動の腹となる部分をXとしたとき、該部分Xで隔てられた2つの箇所に、凹状または凸状のビード(A1),(A2)が形成され、
    該各ビード(A1),(A2)は、凹状ビードの底面部または凸状ビードの頂面部からなる中央面部(a)と、ビードの外周縁と前記中央面部(a)の外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部(a)とからなることを特徴とする機械用パネル部材。
  2. ビード加工を付与しない状態のパネル部材において、二次モードにおける振動の腹となる部分をXとしたとき、該部分Xを含む箇所とその両側箇所の計3箇所に、凹状または凸状のビード(A10),(A20),(A30)が形成され、
    該各ビード(A10),(A20),(A30)は、凹状ビードの底面部または凸状ビードの頂面部からなる中央面部(a)と、ビードの外周縁と前記中央面部(a)の外周縁間に斜面状または階段状に形成された傾斜部(a)とからなることを特徴とする機械用パネル部材。
  3. パネル部材の水平投影面において、パネル部材面積に対するビード(A1),(A2)またはビード(A10),(A20),(A30)の合計面積率が22〜68%であることを特徴とする請求項1または2に記載の機械用パネル部材。
  4. 傾斜部(a)の傾斜角(但し、傾斜部(a)が階段状である場合には、上下方向で隣り合う段部の縁部間を結ぶ直線の平均傾斜角)が8°以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機械用パネル部材。
  5. パネル部材の水平投影面において、ビード(A1),(A2)またはビード(A10),(A20),(A30)の合計面積に対する中央面部(a)の合計面積率が14〜62%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機械用パネル部材。
  6. 機械側面で使用されるパネル部材であって、
    パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所にビード(A1),(A2)が形成され、該ビード(A1),(A2)の中央面部(a)のパネル幅方向での平均幅BWaveがパネル部材の代表幅PWrepの42%以上であることを特徴とする請求項1、3〜5のいずれかに記載の機械用パネル部材。
  7. 機械側面で使用されるパネル部材であって、
    パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所にビード(A1),(A2)が形成され、該両ビード(A1),(A2)の中央面部(a)の形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称であることを特徴とする請求項1、3〜6に記載の機械用パネル部材。
  8. 機械側面で使用されるパネル部材であって、
    パネル上下方向において、部分Xで隔てられた2つの箇所にビード(A1),(A2)が形成され、該両ビード(A1),(A2)のうち、パネル上部側となるビード(A1)の中央面部(a)は、扁平V字形状部(e)と、該扁平V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で山形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であり、
    パネル下部側となるビード(A2)の中央面部(a)は、扁平逆V字形状部(e)と、該扁平逆V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で谷形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であることを特徴とする請求項1、3〜7に記載の機械用パネル部材。
  9. 機械側面で使用されるパネル部材であって、
    パネル上下方向において、部分Xを含む箇所とその上下箇所の計3箇所にビード(A10),(A20),(A30)が形成され、該ビード(A10),(A20),(A30)の中央面部(a)のパネル幅方向での平均幅BWaveがパネル部材の代表幅PWrepの42%以上であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の機械用パネル部材。
  10. 機械側面で使用されるパネル部材であって、
    パネル上下方向において、部分Xを含む箇所とその上下箇所の計3箇所にビード(A10),(A20),(A30)が形成され、前記上下箇所の両ビード(A10),(A20)の中央面部(a)の形状が、部分Xを通過するパネル幅方向に沿った直線に対して線対称であることを特徴とする請求項2〜5、9のいずれかに記載の機械用パネル部材。
  11. 機械側面で使用されるパネル部材であって、
    パネル上下方向において、部分Xを含む箇所とその上下箇所の計3箇所にビード(A10),(A20),(A30)が形成され、前記上下箇所の両ビード(A10),(A20)のうち、パネル上部側となるビード(A10)の中央面部(a)は、扁平V字形状部(e)と、該扁平V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で山形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であり、
    パネル下部側となるビード(A20)の中央面部(a)は、扁平逆V字形状部(e)と、該扁平逆V字形状部(e)を構成する各辺の先端に連結し、当該各辺の先端部分との間で谷形状部を形成する短辺部(f)とからなる形状であることを特徴とする請求項2〜5、9、10のいずれかに記載の機械用パネル部材。
  12. パネル部材の板厚が2mm以下であり、ビード(A1),(A2)またはビード(A10),(A20),(A30)の深さまたは高さが10mm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の機械用パネル部材。
  13. 洗濯機のサイドパネル部材であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の機械用パネル部材。
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