本発明の一実施形態の遠隔管理装置は、図3に示すように、例えば住宅H内に設置される管理装置100の遠隔管理に使用されるものであり、図2に示すように、管理装置100を遠隔管理するためのリモートコントローラである遠隔管理器1と、遠隔管理器1を載置するための載置部2とを備えている。
ここで、管理装置100は、住宅Hに装置される不図示の機器(住宅機器)毎に管理を行うものである。
本実施形態では、上記機器として、給湯器、ドアホン子器、照明器具、および太陽電池の4つを例に挙げて説明する。これらの機器は従来周知のものを応用して得ることができるから詳細な説明は省略する。なお、上記機器は、上記の例に限定されない。例えば、上記機器としては、空調機器、熱源機、セキュリティ用の機器(例えば、火災警報器、監視カメラ、防犯センサ等)、宅内の電力監視装置、燃料電池、その他の機器を採用することもできる。
管理装置100は、建物の壁面に取り付けられる扁平な矩形状の器体内に、種々の電気回路を収納して構成されている。管理装置100は、図1に示すように、入出力部(以下、「第1の入出力部」という)101と、機器通信部102と、通信部(以下、「第1の通信部」という)103と、制御部(以下、「第1の制御部」という)104とを備えている。
第1の入出力部101は、ユーザインターフェースとして使用されるものであり、入力部101aと出力部101bとを備えている。
入力部101aは、使用者が管理装置100を操作するための情報を入力するために使用されるものであって、例えば、所定の形式で上記器体の前面に複数配列される押しボタンや、音声入力により操作を行うための音声入力器(例えばマイク)などが採用される。
出力部101bは、使用者への情報の提示に使用されるものである。出力部101bとしては、例えば、画像の表示を行う液晶ディスプレイ(LCD)などの画像表示器や、点灯/消灯によって表示を行う表示灯などの視覚により情報を提示するものや、音声により情報の提示を行うための音声出力器(例えばスピーカ)やブザーなどの聴覚により情報を提示するものが採用される。
以上述べた第1の入出力部101は、必ずしも入力部101aと出力部101bの両方を備えている必要はない。第1の入出力部101が、入力部101aまたは出力部101bを備えているか否かは、管理装置100が管理する上記機器との関係に応じて選択される。
機器通信部102は、上記機器と通信を行うために使用される。例えば、本実施形態では、管理装置100は管理対象の上記機器と電線により接続されており、機器通信部102としては有線通信を行うものが採用されている。なお、有線通信の方法としては、従来から提供されている種々のものを採用することができるから詳細な説明は省略する。
第1の通信部103は、遠隔管理器1と無線通信を行うために使用される。なお、管理装置100と遠隔管理器1との間の無線通信の方法としては、電波や、光、音波などの従来提供されている種々のものを採用することができるから詳細な説明は省略する。本実施形態では、電波を利用して無線通信を行うものを採用している。
第1の制御部104は、管理装置100の全体的な制御を行う制御装置である。このような第1の制御部104は、例えば、マイクロコンピュータ(マイクロコントローラ、略称としてマイコン、広義にはCPUとも称される)を備え、メモリに記憶されたプログラムをCPUで実行することにより種々の機能を実現する。
以上述べた管理装置100は、管理対象の上記機器に応じた管理を実行することができるように構成されている。
給湯器用の管理装置100(以下、必要に応じて符号100Aで表す)は、例えば、給湯器の運転の開始/停止や、給湯温度の設定が行えるように構成されている。この場合、管理装置100Aの第1の入出力部101は、入力部101aと出力部101bの両方を有している。入力部101aは、運転の開始/停止用の操作ボタン(図示せず)と、給湯温度設定用の操作ボタン(図示せず)とを備えている。また、出力部101bは、給湯器の運転状態の表示および給湯器の給湯温度の表示を行うための画像表示器を備えている。第1の制御部104は、入力部101aの操作内容に応じた制御信号を機器通信部102に出力させ、これによって給湯器の制御を実行する。また、第1の制御部104は、入力部101aの操作内容に応じて出力部101bを制御し、所定の表示を行わせる。
このような管理装置100Aにおける第1の入出力部101は、給湯器の運転の開始/停止を入力する機能(運転開始/停止機能)と、給湯器の給湯温度を入力する機能(給湯温度設定機能)と、給湯器の運転状態を表示する機能(運転状態表示機能)と、給湯器の給湯温度を表示する機能(給湯温度表示機能)とを有している。
ドアホン子器用の管理装置100(以下、必要に応じて符号100Bで表す)は、ドアホン親器としての機能を有するように構成されている。この場合、管理装置100Bの第1の入出力部101は、入力部101aと出力部101bの両方を有している。入力部101aは、ドアホン子器からの呼び出しに応答するための応答ボタン(図示せず)と、ドアホン子器との間で通話を行うためのマイク(図示せず)とを備えている。また、出力部101bは、ドアホン子器から呼び出しがあったことの報知およびドアホン子器との間で通話を行うためのスピーカ(図示せず)を備えている。第1の制御部104は、機器通信部102でドアホン子器からの呼び出し信号を受け取ると、出力部101bを用いて呼び出しがあったことを通知する。そして、通知後所定期間内に入力部101aの応答ボタンが操作されれば、第1の制御部104は、機器通信部102に応答信号を出力させ、これによって、ドアホン子器との間で通話を確立させる。以後、第1の制御部104は、ドアホン子器より受け取った音声データを出力部101bに与える処理や、入力部101aに入力された音声を情報源符号化して音声データに生成して機器通信部102を通じてドアホン子器に送信する処理を実行する。
このような管理装置100Bにおける第1の入出力部101は、ドアホン子器から呼び出しがあったことを通知する機能(呼出機能)と、ドアホン子器からの呼び出しに対して応答する機能(応答機能)と、ドアホン子器との間で通話を行うための機能(通話機能)とを有している。なお、ドアホン子器がカメラ付のものであれば、ドアホン子器のカメラで撮像した画像(来客画像)を管理装置100Bに送信し、管理装置100Bで表示するようにしてもよい。この場合、第1の入出力部101には、上記来客画像を表示する機能(来客表示機能)が持たせられる。
照明器具用の管理装置100(以下、必要に応じて符号100Cで表す)は、例えば、照明器具の点灯/消灯や、明るさの設定が行えるように構成されている。この場合、管理装置100Cの第1の入出力部101は、入力部101aのみを有し、入力部101aは、点灯/消灯用の操作ボタン(図示せず)と、明るさ設定用の操作ボタン(図示せず)とを備えている。第1の制御部104は、入力部101aの操作内容に応じた制御信号を機器通信部102に出力させ、これによって照明器具の制御を実行する。
このような管理装置100Cにおける第1の入出力部101は、照明器具の点灯/消灯を入力する機能(点灯/消灯機能)と、照明器具の明るさを入力する機能(調光入力機能)とを有している。
太陽電池用の管理装置100(以下、必要に応じて符号100Dで表す)は、例えば、太陽電池の発電状態の表示(すなわち太陽電池の監視)が行えるように構成されている。この場合、管理装置100Dの第1の入出力部101は、出力部101bのみを有し、出力部101bは、太陽電池の発電状態の表示を行うための画像表示器を備えている。第1の制御部104は、太陽電池に対して発電状態の情報を要求する要求信号を機器通信部102に出力させ、太陽電池より発電状態の情報を内容とする返答信号を機器通信部102で受け取ると、当該返答信号の内容に応じた表示を出力部101bに行わせる。
このような管理装置100Dにおける第1の入出力部101は、太陽電池の発電状態を表示する機能(発電状態表示機能)を有している。
本実施形態の遠隔管理装置が設置される住宅Hには、以上述べた管理装置100A〜100Dが設置されている(図3参照)。
遠隔管理器1は、上述した4つの管理装置100A〜100Dとともに遠隔管理システムを構成するものであり、図1に示すように、入出力部(以下、「第2の入出力部」という)11と、通信部(以下、「第2の通信部」という)12と、向き検出部13と、制御部(以下、「第2の制御部」という)14と、電源部16と、受電部17とを備えている。また、遠隔管理器1は、第2の入出力部11と、第2の通信部12と、向き検出部13と、第2の制御部14と、選択部15と、電源部16と、受電部17とを構成する電気機器等を収納する筐体10を備えている。
電源部16は、遠隔管理器1の各部11〜14に動作用の電力を供給するための電源装置である。本実施形態では、電源部16は二次電池を備えてなる。なお、電源部16としては二次電池ではなく一次電池を備えたものとしてもよい。
受電部17は、載置部2より電力を非接触で受け取って電源部16を充電するものである。このような受電部17は、受電用の2次コイル(図示せず)と、当該2次コイルの両端間に生じる電圧に基づいて電源部16に所定の直流電圧を印加する充電回路(図示せず)とを備えている。
第2の入出力部11は、入力部11aと出力部11bとを備えている。
入力部11aは、使用者が情報を入力するために使用されるものであり、使用者の手で情報を入力するためのタッチパッド(図示せず)と、音声で情報を入力するためのマイクなどの音声入力装置(図示せず)とを備えている。なお、入力部11aは、所定の形式で上記器体の前面に複数配列される押しボタンなどを備えていてもよい。
出力部11bは、使用者に情報を提示するために使用されるものであり、画面Sに画像を表示することにより情報を提示するための液晶ディスプレイよりなる画像表示装置(図示せず)と、音声で情報を提示するためのスピーカなどの音声出力装置(図示せず)とを備えている。なお、上記画像表示装置としては、液晶ディスプレイの他に、有機ELディスプレイやCRTなども採用することができる。
ここで、筐体10は、図4(a)〜(d)に示すように、絶縁性を有する樹脂材料などにより直方体状に形成されている。筐体10の前面10aには、第2の入出力部11の出力部11bの画面Sが露設されている。ここで、画面Sの長手方向および短手方向は、筐体10の前面10aの長手方向および短手方向にそれぞれ一致している。また、画面Sの前方には、第2の入出力部11の入力部11aの上記タッチパッドが配置され、これによって、タッチパネルを構成する。さらに、筐体10aの前面には、第2の入出力部11の上記音声入力装置および上記音声出力装置用の音孔(図示せず)が設けられている。なお、本実施形態における遠隔管理器1はキッチンでの使用を想定しているので、筐体10としては防水構造を有するものを用いることが好ましい。
上述した筐体10は、直方体状であり、前面10aと法線方向が直交する4つの側面10bを有している。また、隣接する側面10b同士の法線方向は直交している。そのため、以下の説明では、各側面10bを区別するために、前面10aにおける短手方向の一端側(図4(a)における下側)の側面10bを符号10b1で表す。また、前面10aにおける長手方向の一端側(図4(a)における右側)の側面10bを符号10b2で表す。また、前面10aにおける短手方向の他端側(図4(a)における上側)の側面10bを符号10b3で表す。また、前面10aにおける長手方向の他端側(図4(a)における左側)の側面10bを符号10b4で表す。
このような筐体10の4つの側面10b1〜10b4はいずれも平坦面である。よって、筐体10は、図4(a)〜(d)に示すように、いずれかの側面10bを下にして(底面として)、載置部2に載置することができるようになっている。
本実施形態では、図4(a)に示すように、筐体10の側面10b1が下になる向きを、基準の向きとし、このときの画面Sの短手方向の一端側(図4(a)における上側)を画面Sの上、画面Sの短手方向の他端側(図4(a)における下側)を画面Sの下、画面Sの長手方向の一端側(図4(a)における右側)を画面Sの右、長手方向の他端側(図4(a)における左側)を画面Sの左と規定する。
第2の通信部12は、管理装置100に設けられた第1の通信部103と無線通信を行うために使用される。
向き検出部13は、第2の入出力部11の出力部11bの画面Sの向き(据え置き型の遠隔管理器1であれば置かれている向き)を検出するために使用される。本実施形態では、画面Sの向きとして、画面Sの上下の向きを検出するようにしている。向き検出部13は、例えば、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)の各加速度をアナログ形式で出力する3軸の加速度センサ(図示せず)と、当該3軸の加速度センサの出力を所定周期でサンプリングしデジタル形式に変換して出力する加速度検出回路(図示せず)とで構成されている。なお、3軸の加速度センサとしては、例えば、小型で低消費電力なMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を利用した加速度センサを用いることができる。また、向き検出部13には、MEMSを利用した加速度センサの他に、ピエゾ抵抗型の加速度センサや、静電容量型の加速度センサなども採用することができるし、角速度センサなども採用することができる。
選択部15は、向き検出部13の検出結果に応じて、複数(本実施形態では4つ)の管理装置100のなかから、遠隔管理する管理装置100を選択する。選択部15は、管理装置100の選択を行うにあたっては、例えば、向き検出部13より得た各軸の加速度に基づいて、画面Sの上下の向きを決定する。本実施形態における選択部15は、向き検出部13の検出結果によって、画面Sの上下の向きを、図4(a)〜(d)に示す4種類のいずれかに分類する。
図4(a)〜(d)では、画面Sの上方向をX軸の負方向(−X方向)、画面Sの下方向をX軸の正方向(+X方向)、画面Sの左方向をY軸の負方向(−Y方向)、画面Sの右方向をY軸の正方向(+Y方向)、画面Sの手前方向をZ軸の負方向(−Z方向)、画面Sの奥行き方向をZ軸の正方向(+Z方向)としている。
以下の説明では、図4(a)に示すように鉛直面内において画面Sの下方向(+X方向)が鉛直方向を向くときの画面Sの上下の向きを第1の向きとする。また、図4(b)に示すように鉛直面内において画面Sの右方向(+Y方向)が鉛直方向を向くときの画面Sの上下の向きを第2の向きとする。また、図4(c)に示すように鉛直面内において画面Sの上方向(−X方向)が鉛直方向を向くときの画面Sの上下の向きを第3の向きとする。また、図4(d)に示すように鉛直面内において画面Sの左方向(−Y方向)が鉛直方向を向くときの画面Sの上下の向きを第4の向きとする。
選択部15は、上記の判断の結果、画面Sの上下の向きが第1の向きであれば管理装置100Aを管理対象に、画面Sの上下の向きが第2の向きであれば管理装置100Bを管理対象に、画面Sの上下の向きが第3の向きであれば管理装置100Cを管理対象に、画面Sの上下の向きが第4の向きであれば管理装置100Dを管理対象に、それぞれ選択する。なお、向き検出部13の検出結果、例えば、各軸の加速度などによって画面Sの上下の向きを特定する方法は、従来周知の方法を採用することができるから、詳細な説明は省略する。
第2の制御部14は、マイクロコンピュータを備えている。第2の制御部14のメモリ(図示せず)には、制御プログラムが記憶されている。当該制御プログラムは、管理装置100の第1の入出力部101の機能を第2の入出力部11に持たせるためのプログラムである。本実施形態では、4つの管理装置100A〜100Dを遠隔管理の対象としている。そのため、第2の制御部14の上記メモリには、上記制御プログラムが4つ記憶されており、それぞれの上記制御プログラムは、管理装置100A〜100Dそれぞれに対応している。
第2の制御部14は、上記メモリに記憶された上記4つの制御プログラムのなかから1つを選択して実行する。ここで、上記制御プログラムを選択するにあたっては、第2の制御部14は、選択部15の選択結果を参照する。すなわち、第2の制御部14は、選択部15で選択された管理装置100に対応する上記制御プログラムを選択する。
以下、管理装置100A〜100Dそれぞれに対応する上記制御プログラムを実行したときの第2の制御部14の動作について説明する。
管理装置100Aに対応する上記制御プログラムを実行することにより、第2の制御部14は、第2の通信部12の通信先を管理装置100Aに設定する。さらに、第2の制御部14は、入力部11aの上記タッチパッドの所定の操作部に、給湯器の運転の開始/停止用の操作ボタンとしての機能と、給湯温度設定用の操作ボタンとしての機能を割り当てる。また、第2の制御部14は、給湯器の運転状態および給湯器の給湯温度を表示する画像を出力部11bの画面Sに表示させる。さらに、第2の制御部14は、入力部11aの操作内容に応じた制御信号を第2の通信部12に出力させ、入力部11aの操作内容に応じて出力部11bを制御し、所定の表示を行わせる。一方、給湯器用の管理装置100Aでは、第1の通信部103で遠隔管理器1の制御信号を受け取ると、第1の制御部104が当該制御信号の操作内容に応じた制御、すなわち、制御信号の操作内容が給湯器の運転の開始/停止であれば、給湯器を制御して給湯器の運転の開始/停止を、制御信号の操作内容が給湯温度の設定であれば、給湯器を制御して給湯温度の設定を実行するようになっている。
このように第2の制御部14が管理装置100Aに対応する上記制御プログラムを実行することによって、遠隔管理器1の第2の入出力部11は、管理装置100Aの第1の入出力部101と同様に、上記運転開始/停止機能と、上記給湯温度設定機能と、上記運転状態表示機能と、上記給湯温度表示機能を有することとなる。
また、管理装置100Bに対応する上記制御プログラムを実行することにより、第2の制御部14は、第2の通信部12の通信先を管理装置100Bに設定する。さらに、第2の制御部14は、入力部11aの上記タッチパッドの所定の操作部に、ドアホン子器からの呼び出しに応答するための応答ボタンとしての機能を割り当てる。また、第2の制御部14は、遠隔管理中であることを通知する通知信号を第2の通信部12に送信させる。
一方、第1の通信部103で上記通知信号を受信した管理装置100Bでは、第1の制御部104は、機器通信部102でドアホン子器からの呼び出し信号を受け取ると、呼出通知信号を第1の通信部103に送信させる。
第2の制御部14は、第2の通信部12で上記呼出通知信号を受信すると、出力部11bの上記音声出力装置を用いて呼び出しがあったことを通知する。そして、通知後所定期間内に入力部11aの上記応答ボタンに割り当てられた上記タッチパッドの操作部が操作されれば、第2の制御部14は、第2の通信部12に応答通知信号を送信させる。
そして、第1の制御部104は、上記応答通知信号を第1の通信部103で受信すると、上記応答信号を機器通信部102に出力させ、これによって、ドアホン子器との間で通話を確立させる。このように通話が確立された後、第1の制御部104は、機器通信部102でドアホン子器からの音声データを受信すると、当該音声データを第1の通信部103より遠隔管理器1に向けて送信する。
この場合、第2の制御部14は、第2の通信部12で管理装置100Bからの音声データを受信し、受信した音声データを情報源復号化して出力部11bの上記音声出力装置に与えて、音声を出力させる。
また、第2の制御部14は、入力部11aの上記音声入力装置に音声が入力された場合は、入力された音声を情報源符号化して音声データとし、第2の通信部12に送信させる。この場合、第1の制御部104は、第1の通信部103で遠隔管理器1からの音声データを受信し、受信した音声データを機器通信部102によりドアホン子器に送信する。
このような処理が繰り返されることで、遠隔管理器1とドアホン子器との間で通話が行われる。この場合において、管理装置100Bは、遠隔管理器1とドアホン子器との間で音声データを中継する中継器のように動作する。
このように第2の制御部14が管理装置100Bに対応する上記制御プログラムを実行することによって、遠隔管理器1の第2の入出力部11は、管理装置100Bの第1の入出力部101と同様に、上記呼出機能と、上記応答機能と、上記通話機能とを有することとなる。なお、第1の入出力部101が上記来客表示機能を備えているのであれば、第2の入出力部11も当該来客表示機能を有するようにしてもよい。
また、管理装置100Cに対応する上記制御プログラムを実行することにより、第2の制御部14は、第2の通信部12の通信先を管理装置100Cに設定する。さらに、第2の制御部14は、入力部11aの上記タッチパッドの所定の操作部に、点灯/消灯用の操作ボタンとしての機能と、明るさ設定用の操作ボタンとしての機能を割り当てる。さらに、第2の制御部14は、入力部11aの操作内容に応じた制御信号を第2の通信部12に出力させる。
一方、照明器具用の管理装置100Cでは、第1の通信部103で遠隔管理器1の制御信号を受け取ると、第1の制御部104が当該制御信号の操作内容に応じた制御、すなわち、制御信号の操作内容が照明器具の点灯/消灯であれば、照明器具を制御して照明器具の点灯/消灯を、制御信号の操作内容が明るさの設定であれば、照明器具を制御して明るさの設定を実行するようになっている。
このように第2の制御部14が管理装置100Cに対応する上記制御プログラムを実行することによって、遠隔管理器1の第2の入出力部11は、管理装置100Cの第1の入出力部101と同様に、上記点灯/消灯機能と、上記調光入力機能とを有することとなる。
また、管理装置100Dに対応する上記制御プログラムを実行することにより、第2の制御部14は、第2の通信部12の通信先を管理装置100Dに設定する。さらに、第2の制御部14は、管理装置100Dに、太陽電池に対して発電状態の情報の送信を要求するために、第2の通信部12に情報要求信号を送信させる。
一方、太陽電池用の管理装置100Dでは、第1の通信部103で遠隔管理器1の上記情報要求信号を受け取ると、第1の制御部104が上記要求信号を機器通信部102に出力させる。
そして、上記返答信号を機器通信部102で受け取ると、第1の制御部104は、受け取った上記返答信号の内容に応じた情報返答信号を第1の通信部103に送信させる。第2の制御部14は、第2の通信部12で上記情報返答信号を受信すると、上記情報返答信号の内容(太陽電池に対して発電状態の情報)に応じた画像表示を出力部11bに行わせる。なお、この場合は図4(d)に示すように画面Sの左が下を向いているため、画面Sの右、左が画像の上、下となるように画像の表示を行わせる。これによって、使用者が画面Sを違和感なく見ることができるようにしている。
このように第2の制御部14が管理装置100Dに対応する上記制御プログラムを実行することによって、遠隔管理器1の第2の入出力部11は、管理装置100Dの第1の入出力部101と同様に、上記発電状態表示機能を有することとなる。
以上述べたように遠隔管理器1は、画面Sの上下の向き検出する向き検出部13と、向き検出部13の検出結果に応じて遠隔管理する管理装置100を選択する選択部15とを備えている。そして、第2の制御部14は、上記制御プログラムを管理装置100毎に有しており、選択部15の選択結果に応じて実行する上記制御プログラムを選択する。
したがって、遠隔管理器1では、遠隔管理器1の筐体10を回転させて、図4(a)〜(d)に示すように、画面Sの上下の向きを変えることで、遠隔管理する管理装置100を選択することができる。そのため、従来のようにボタン操作によって遠隔管理する管理装置100を選択するようなものに比べれば、複数有るボタンの中から管理装置100の選択用のボタンを探す必要がない。よって、遠隔管理する管理装置100を容易に切り替えることができ、操作性が良い。また、管理装置100の設置場所は、遠隔管理器1と無線通信できる範囲であればよいから、管理装置100の設置場所の制約が少なくなり、住宅の内装設計の自由度を向上することができる。
ところで、第2の制御部14は、選択部15で選択した管理装置100に対応して、入力部11aの操作方法(上記タッチパッドのどの操作部がどの機能に割り当てられているか)を示すガイド画像を出力部11bの画面Sに表示させる操作ガイド手段(図示せず)を有していても良い。当該操作ガイド手段によれば、遠隔管理器1の操作性が向上する。なお、上記操作ガイド手段が表示するガイド画像は、本来画面Sに表示すべき画像の邪魔にならないように、例えば、OSD(On-Screen Display)技術を利用して表示することが好ましい。また、上記操作ガイド手段では、上記ガイド画像の表示/非表示を選択できるようにしてもよい。
また、ドアホン子器に対応する管理装置100Bでは、いつドアホン子器からの呼び出しがあるか分からない。そのため、管理装置100Bは、遠隔管理器1より上記通知信号を受信していなくても、ドアホン子器から呼び出しがあれば遠隔管理器1に上記呼出通知信号を送信するようにしてもよい。この場合、遠隔管理器1の第2の制御部14に、第2の通信部12で上記呼出通知信号を受信した際に、出力部11bの上記音声出力装置を用いて呼び出しがあったことを通知する割り込み機能を持たせれば、遠隔管理器1を他の管理装置100の遠隔管理に使用しているときでも、来訪者の通知が可能になる。また、第2の制御部14に、上記のような割り込み通知があった後に所定時間内に選択部15で管理装置100Bが選択されると、第2の通信部12に上記応答通知信号を送信させる機能を持たせてもよい。このようにすれば、遠隔管理器1の入力部11aを操作しなくてもドアホン子器との間で通話を確立できて、迅速な対処が可能になる。
載置部2は、図2,3に示すように、住宅H内に設置される住宅設備のカウンタ200に設けられている。カウンタ200は、アイランド型キッチンのカウンタである。このカウンタ200の上面の長手方向の一端側(図2における右側)には、キッチン用のシンク201と、シンク201用の蛇口202とが設けられている。また、カウンタ200の上面の長手方向の他端側(図2における左端側)には、電磁調理器(IH調理器)203が設けられている。なお、カウンタ200の構成はあくまで一例であって、載置部2を設けるカウンタ200を図示例のものに限定する趣旨ではない。
載置部2は、このカウンタ200の上面の中央部に設置されている。載置部2は、遠隔管理器1を載置する平坦な載置面2aを有している。載置部2の載置面2aは、カウンタ200の上面と段差なく面一となっている。これによって、カウンタ200の清掃が容易になり、また使い勝手が向上する。また、載置面2aの外周形状は、角が丸みを帯びた長方形状であり、遠隔管理器1の筐体10の短手方向における側面10b1,10b3の外周形状よりも大きくなっている。この載置面2aには、遠隔管理器1を載置する規定位置の目印となるマーク(図示せず)が付されている。
また、載置部2は、単に遠隔管理器1を載置するためだけではなく、遠隔管理器1に給電する機能(給電機能)と、遠隔管理器1を固定する機能(固定機能)とを有している。載置部2は、図5に示すように、上記給電機能を実現するための構成として給電部20を備えている。なお、給電部20はカウンタ200内に収納されている。
給電部20は、遠隔管理器1の受電部17とともに非接触給電システムを構成するものであり、例えば、給電用の一次コイル(図示せず)と、電力変換回路(図示せず)とを備えている。上記電力変換回路は、例えば、商用交流電源などの電源の電圧を所定の電圧(非接触給電に適した電圧、例えば高周波電圧)に変換して上記一次コイルの両端間に印加する。上記非接触給電システムにおいて、受電部17が給電部20から電力を受け取ることができるのは、受電部17の上記二次コイルが給電部20の上記一次コイルと磁気結合されたときである。本実施形態では、遠隔管理器1を載置部2に載置した際に上記二次コイルが上記一次コイルに磁気結合されるように、遠隔管理器1における上記二次コイルの位置と、載置部2における上記一次コイルの位置とが設定してある。特に、遠隔管理器1を、側面1b1を下にして遠隔管理器1を載置面2aの上記規定位置に載置した際に、磁気結合が最も強くなるようにしている。
このように載置部2は、遠隔管理器1に非接触で給電する給電部20を有している。一方、遠隔管理器1は、載置部2に載置された状態で、給電部20より給電を受けて電源部16を充電する受電部17を有している。そのため、遠隔管理器1を載置部2に載置することによって、遠隔管理器1を充電することができる。
また、載置部2は、図5に示すように、上記固定機能を実現するための構成として、電磁石装置21と、載置検出部22と、駆動部23とを備えている。これら電磁石装置21、載置検出部22、および駆動部23はカウンタ200内に収納されている。
電磁石装置21はコイルに通電することによって磁界を発生するものであり、筐体10に設けられる鉄板などの磁性材料(磁性体)を備えてなる被吸着部(図示せず)の吸着に使用される。ここで、上記被吸着部は、筐体10内における側面10b1側に配置されている。なお、電磁石装置21には、従来周知のものを採用することができるから詳細な説明は省略する。
載置検出部22は、遠隔管理器1が載置されているか否かを検出するためのものである。載置検出部22は、載置面2aにかかる荷重を検出する荷重センサ(図示せず)と、比較回路(図示せず)とを備えている。当該比較回路は、上記荷重センサの検出出力(載置面2aにかかる荷重)を所定の閾値(遠隔管理器1が載置されているか否かの判断基準となる値)と比較することで、載置部2に遠隔管理器1が載置されているか否かを判断し、その結果を駆動部23に出力する。なお、載置検出部22は、リードスイッチや近接スイッチなどの位置検出用のスイッチであってもよい。この場合、載置検出部22は、遠隔管理器1が載置部2に載置された際に、上記スイッチがオフからオンに切り替わるように設置される。また、これらを使用する場合には、電磁石装置21の磁界によって誤検出が発生しないように載置部2にシールド等を設けることが好ましい。
駆動部23は、例えばマイコンなどであって、載置検出部22の検出結果に基づいて電磁石装置21を駆動する。具体的には、駆動部23は、載置検出部22により遠隔管理器1が載置されていると検出されれば電磁石装置21が上記被吸着部を吸着するように電磁石装置21を駆動し、載置検出部22により遠隔管理器1が載置されていると検出されなければ電磁石装置21を駆動しない。
よって、筐体10の側面10b1を下にした状態(図4(a)に示す状態)で、遠隔管理器1を載置面2aに載置すると、駆動部23が電磁石装置21を駆動するから、上記被吸着部が電磁石装置21に吸着される。その結果、遠隔管理器1が載置部2に固定される。
このように、載置部2によれば、遠隔管理器1を固定することができるから、遠隔管理器1を手で操作しようとした際に、使用者が遠隔管理器1を押す力によって遠隔管理器1が載置部2から移動してしまうことを防止することができる。よって、遠隔管理器1の操作性を向上することができる。
また、電磁石装置21と上記被吸着部との間に働く引力に逆らって遠隔管理器1を載置部2から持ち上げれば、駆動部23は電磁石装置21の駆動を停止する。すなわち、遠隔管理器1が載置部2に載置されているときだけ電磁石装置21が駆動されるので、予期せずに載置部2に磁性材料が吸着されることを防止でき、また、低消費電力化を図ることができる。
ところで、載置部2としては、図6に示すようなクレードル(トレイ)型のものを採用することができる。図6に示す載置部2は、載置面2aが平坦面ではなく、中央部に固定用凹所2bを有する凹凸面である。固定用凹所2bの内周形状は、筐体10の側面10b1の外周形状よりやや大きい。これによって、遠隔管理器1の筐体10の側面10b1側の部位を固定用凹所2bに嵌め込むことができるようにしている。すなわち、図6に示す載置部2は、遠隔管理器1の筐体10と凹凸嵌合する固定用凹所2bをし、これによって遠隔管理器1を固定することができるようになっている。なお、固定用凹所2bの深さは、遠隔管理器1を載置部2に載置した際に、画面Sが載置部2によって隠れてしまうことがないような深さに設定されている。
そのため、図6に示す載置部2においても、使用者が遠隔管理器1を押す力によって遠隔管理器1が載置部2から移動してしまうことを防止できて、操作性を向上できる。また、図6に示す載置部2では、遠隔管理器1を固定するために電磁石装置21、載置検出部22、および駆動部23を設ける必要がなく、また筐体10に上記被吸着部を設ける必要がない。そのため、遠隔管理器1および載置部2の製造コストを低減することができる。
一方、図2に示す載置部2であれば、磁力によって遠隔管理器1を載置部2に固定しているから、図6に示す載置部2のように凹凸嵌合などの機械的な結合力によって固定する場合とは異なり、載置部2の載置面2aを凹凸形状とする必要がない。そのため、住宅設備のカウンタ200の上面から凹凸をなくすことができるから、カウンタ200の清掃が容易になり、また使い勝手が向上するという利点がある。
したがって、図2に示す載置部2と図6に示す載置部2のいずれを使用するかは、それぞれのメリットを比較考量して決定すればよい。
以上、本発明の遠隔管理器および遠隔管理装置の実施形態について述べたが、上述のものは、あくまでも一実施形態に過ぎない。よって、本発明の技術的範囲は上記の例に限定されず、上述の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。
例えば、上述の実施形態では、向き検出部13で検出する画面Sの向きとして、画面Sの上下の向きを採用しているが、画面Sの向きはこの例に限定されない。例えば、画面Sの向きとしては、水平面内における画面Sの縦方向の向きを採用することもできるし、その他、遠隔管理器1の使用の形態、方法に応じて、適切な画面Sの向きを定義して採用することができる。
例えば、上述の実施形態では、選択部15は、第2の制御部14が上記メモリに格納された所定のプログラムを実行することによって実現されているが、この例の他に、ロジック回路や専用のASICなどにより構成されていてもよい。
例えば、上述の実施形態では、遠隔管理する管理装置100の数が4つであるが、これに限定されることなく遠隔管理する管理装置100の数は自由に変更しても良い。勿論、管理装置100の数が1つである場合でも、遠隔管理器1は使用することができる。
例えば、上述の実施形態では、上記制御プログラムは、管理装置100の第1の入出力部101の機能を第2の入出力部11に持たせるプログラムであるが、必ずしも第2の入出力部11が第1の入出力部101と全く同じ機能を有するようにする必要はない。すなわち、上記制御プログラムは、管理装置100の第1の入出力部101の少なくとも一部の機能(例えば、必要最低限の機能や、主要な機能)を第2の入出力部11に持たせるプログラムであればよい。
上記の他、筐体10の外形形状、第2の入出力部11の構成、載置部2の形状、その他の事項も、遠隔管理器1や遠隔管理装置を設置する場所や、使用目的などに応じて適宜変更することができる。