JP2010096732A - センサ駆動装置、および、センサ駆動システム - Google Patents

センサ駆動装置、および、センサ駆動システム Download PDF

Info

Publication number
JP2010096732A
JP2010096732A JP2008270228A JP2008270228A JP2010096732A JP 2010096732 A JP2010096732 A JP 2010096732A JP 2008270228 A JP2008270228 A JP 2008270228A JP 2008270228 A JP2008270228 A JP 2008270228A JP 2010096732 A JP2010096732 A JP 2010096732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
mode
energization
circuit
abnormality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008270228A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5021600B2 (ja
Inventor
Tomonori Kamimura
朋典 上村
Hiroshi Inagaki
浩 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2008270228A priority Critical patent/JP5021600B2/ja
Publication of JP2010096732A publication Critical patent/JP2010096732A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5021600B2 publication Critical patent/JP5021600B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】自身の動作環境に異常が生じた場合に保護モードへ強制的に移行するとともに、外部装置に対し、自身が保護モードへ移行したことを報せることができるセンサ駆動装置、および、センサ駆動システムを提供する。
【解決手段】ASIC70は、マイクロコンピュータ60に指示される通電モードに応じたスイッチ制御を行い、全領域空燃比センサ10の通電制御を行う。電源電圧比較回路78でバッテリ電圧の低下を検知した場合や、ハードウェアリセット検出回路79が外部装置からハードウェアリセットの実施を通知された場合、直接または間接的に自身の動作環境の異常を検知する。すると強制的に保護モードへ移行し全てのスイッチSW1〜SW8をオフにして全領域空燃比センサ10への通電を遮断する。さらにマイクロコンピュータ60との初回の同期通信で、保護モードへの移行を報せる報知信号を出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、外部装置から受信した指示に従いセンサの駆動を制御するセンサ駆動装置、および、それを備えるセンサ駆動システムに関する。
従来、自動車に使用されるセンサの一つとして、自動車エンジンなどの内燃機関の排気通路に取り付けられ、排気ガス中の特定ガス成分(例えば酸素)の濃度を検出するガスセンサが知られている。このガスセンサは、センサ素子を流れる電流の大きさが排気ガス中の酸素濃度に応じて変化することを利用して、酸素濃度の検出、ひいては排気ガスの空燃比を検出するものである。このガスセンサの駆動を制御するセンサ駆動装置は、例えば、電子制御装置(ECU)やECUの中央演算処理装置(CPU)などの外部装置から受信する指示信号に従ってセンサ素子に検出用の電流を流し、その測定結果に基づき排気ガスの酸素濃度や空燃比を求めている。得られた排気ガスの酸素濃度や空燃比は、ECUにおいて、燃料噴射量の調整等の空燃比フィードバック制御に利用される。
センサ駆動装置によるガスセンサの駆動制御は、センサ素子に対する通電状態(モード)に応じて行われる(例えば特許文献1参照。)。通電状態には、センサ素子への通電を遮断してガスセンサを保護する保護モード(プロテクションモード)や、センサ素子への通電が可能な駆動モードなどがある。また、駆動モードには、センサ素子の活性化の有無を判定するための通電を行うとともに、特定ガスの濃度検出を行うための予備通電を行う非活性モード(活性前通電モード)や、センサ素子に、特定ガスの濃度検出を行うための電流の通電が可能な活性モード(ガス濃度測定モード)などがある。
例えば、センサ素子が非活性の状態において、センサ駆動装置の回路上でショートや断線等の異常状態が発生した場合、ガスセンサに大きな電流が流れてしまうとセンサ素子の損傷を招く虞がある。そこで、特許文献1では、センサ駆動装置(センサ制御装置)のセンサ素子に通電する端子の電圧をモニタし、異常発生時には保護モードへ移行してセンサ素子への通電を遮断するように、センサ駆動装置へモード切換指示を出力している。
ところで、ガスセンサの駆動中に、例えば、バッテリからセンサ駆動装置に供給される電圧が低下したことをセンサ駆動装置自身で検知した場合や、センサ駆動装置の作動状況を監視する外部装置からセンサ駆動装置に異常が生じていることを通知する信号が発せられ、センサ駆動装置がその信号を受信した場合などに、センサ駆動装置が再起動(ハードウェアリセット)を行うことがある。そのような場合、センサ駆動装置は再起動後に保護モードへ移行する。一方、ECUでは、現在のセンサ駆動装置の通電モードと、その通電モードにおいてセンサ駆動装置から得られる特定ガスの検出結果や活性化の判定結果、センサ素子の端子電圧の異常の検知結果などの情報との間に食い違いが生ずることから、センサ駆動装置において何らかの異常が生じたと判断する。するとECUは、通電モードを初期状態、すなわち保護モードに移行し、また、センサ駆動装置に対しても保護モードへの移行を指示する。そして、電源投入時と同様の各処理を行って、ガスセンサを駆動状態に復帰させている。
特開2008−70194号公報
しかしながら、センサ駆動装置が自身の動作環境に異常が生じて保護モードに移行した後、第1外部装置における現在の通電モードと、その通電モードにおいてセンサ駆動装置から得られる各種情報との間に食い違いが生じなかった場合、第1外部装置では、センサ駆動装置が保護モードに移行したことを認識するまで時間がかかる場合があった。そして認識するまでの間、第1外部装置は、自身の把握する通電モードにセンサ駆動装置が移行しているとみなし、センサ駆動装置から取得するガスセンサの検出結果を用いて、自身に接続された他の装置の制御を行ってしまう虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、自身の動作環境に異常が生じた場合に保護モードへ強制的に移行するとともに、外部装置に対し、自身が保護モードへ移行したことを報せることができるセンサ駆動装置、および、センサ駆動システムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係るセンサ駆動装置は、自身に接続されたセンサに対する複数の通電モードとして、少なくとも、前記センサへの通電を行う駆動モードと、前記センサへの通電を遮断して前記センサの保護を行う保護モードとを有し、自身の動作環境が正常で、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードを選択する指示信号を出力する第1外部装置から当該指示信号を受信したときに、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードへ移行して前記センサの通電制御を行うセンサ駆動装置であって、当該センサ駆動装置を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じているか否かを検知する環境異常検知手段と、自身が前記複数の通電モードのうちのいずれのモードにあっても前記保護モードへ強制的に移行する保護手段と、前記保護手段によって前記保護モードに移行した後に、前記第1外部装置に対し、前記保護モードへの移行を報せる報知信号を出力する報知手段とを備えている。そして本発明の第1態様において、前記保護手段は、前記環境異常検知手段によって前記動作環境の異常が検知された場合に、前記保護モードへ強制的に移行することを特徴とする。
本発明の第1態様によれば、センサ駆動装置は、自身を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じたことを検知した場合に、強制的に、つまり第1外部装置からの指示によらずに、保護モードへ移行して、センサへの通電を遮断することができる。さらに、第1外部装置に対し報知信号を出力することで、センサ駆動装置自身が保護モードに移行したことを第1外部装置に報せることができる。第1外部装置は、第1外部装置自身の把握するセンサ駆動装置の通電モードと、センサ駆動装置から受信する検出信号等の内容との間で食い違いが生ずることにより、両者の通電モードの違いを認識することができるが、本発明によれば、センサ駆動装置が自ら保護モードに移行したことを、通電モードの違いの認識によらずに知ることができる。これにより、第1外部装置は、直ちに、自身の通電モードをセンサ駆動装置の通電モードと一致させることができるようになるので、センサの検知結果に基づく他の装置の制御を精度よく行うことができる。
また、本発明の第1態様に係るセンサ駆動装置において、自身に供給される電源電圧が規定の電圧よりも低下した場合に、前記環境異常検知手段が、前記動作環境の異常を検知してもよい。動作環境に異常が生じたことを電源電圧の低下によって検知するのであれば、異常検知のための回路構成を簡易なものとすることができるので、回路に対する信頼性が高く、異常検知の確実性を高めることができる。そして異常が検知されたら自身を強制的に保護モードに移行させることができるので、センサを確実に保護することができる。そして第1外部装置に対しても確実に、自身が保護モードに移行したことを報せることができる。
また、本発明の第2態様に係るセンサ駆動装置は、自身に接続されたセンサに対する複数の通電モードとして、少なくとも、前記センサへの通電を行う駆動モードと、前記センサへの通電を遮断して前記センサの保護を行う保護モードとを有し、自身の動作環境が正常で、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードを選択する指示信号を出力する第1外部装置から当該指示信号を受信したときに、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードへ移行して前記センサの通電制御を行うセンサ駆動装置であって、当該センサ駆動装置を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じているか否かを検知する第2外部装置から、前記動作環境に異常が生じていることを通知する通知信号を受信したか否かを判断する判断手段と、自身が前記複数の通電モードのうちのいずれのモードにあっても前記保護モードへ強制的に移行する保護手段と、前記保護手段によって前記保護モードに移行した後に、前記第1外部装置に対し、前記保護モードへの移行を報せる報知信号を出力する報知手段とを備えている。そして本発明の第2態様において、前記保護手段は、前記判断手段によって前記通知信号を受信したと判断された場合に、前記保護モードへ強制的に移行することを特徴とする。
本発明の第2態様によれば、センサ駆動装置は、第2外部装置から、センサ駆動装置を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じたこと通知する通知信号を受信したら、強制的に、つまり第1外部装置からの指示によらずに、保護モードへ移行して、センサへの通電を遮断することができる。さらに、第1外部装置に対し報知信号を出力することで、センサ駆動装置自身が保護モードに移行したことを第1外部装置に報せることができる。第1外部装置は、第1外部装置自身の把握するセンサ駆動装置の通電モードと、センサ駆動装置から受信する検出信号等の内容との間で食い違いが生ずることにより、両者の通電モードの違いを認識することができるが、本発明によれば、センサ駆動装置が自ら保護モードに移行したことを、通電モードの違いの認識によらずに知ることができる。これにより、第1外部装置は、直ちに、自身の通電モードをセンサ駆動装置の通電モードと一致させることができるようになるので、センサの検知結果に基づく他の装置の制御を精度よく行うことができる。
ところで、本発明の第1態様または第2態様に係るセンサ駆動装置において、前記報知手段が、前記第1外部装置との間で同期通信により前記指示信号および前記報知信号を送受信可能に構成されている場合には、この報知手段は、前記保護手段による前記保護モードへの移行後、初回の前記第1外部装置との同期通信の確立の際に、前記第1外部装置に対し前記報知信号を出力してもよい。このようにすれば、センサ駆動装置が保護モードへ移行したら、直ちに、そのことを第1外部装置に報せることができるので、センサ駆動装置における通電モードと、第1外部装置の把握するセンサ駆動装置の通電モードとの食い違いを素早く解消することができる。
また、本発明の第1態様または第2態様に係るセンサ駆動装置は、前記センサへの通電経路上に異常が生じたか否かを検知する経路異常検知手段を備えてもよい。そして、前記保護手段は、前記経路異常検知手段が前記通電経路上に異常を検知した場合にも、前記保護モードへ強制的に移行してもよい。センサ駆動装置を正常に駆動させるための動作環境に生じた異常のみならず、センサへの通電経路上に生じた異常についても検知でき、保護モードへ強制的に移行できれば、センサの保護をさらに確実に行うことができる。また、本発明によれば、センサ駆動装置がセンサへの通電経路上に生じた異常に起因して保護モードに移行したことを、第1外部装置は、通電モードの違いの認識によらずに知ることもできる。
なお、本発明の第3態様に係るセンサ駆動システムは、第1態様または第2態様に係るセンサ駆動装置と、前記センサとを有することを特徴とするものである。
以下、本発明を具体化したセンサ駆動装置の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。センサ駆動装置は、ガスセンサの一例である全領域空燃比センサ10に制御電流を流しその制御を行う装置であり、第1の実施の形態においては、自動車の電子制御装置(ECU)100に組み込まれるASIC70を、その一例とする。すなわち、全領域空燃比センサ10およびASIC70が、本発明における「センサ駆動システム」に相当するものである。また、ECU100に搭載されるマイクロコンピュータ60を、センサ駆動装置に対し指示信号を送信する第1外部装置の一例として説明する。なお、第1外部装置としては、ECU100や、マイクロコンピュータ60のCPU61を一例としてもよい。まず、図1を参照し、ASIC70に制御される全領域空燃比センサ10の概略的な構造について説明する。また、全領域空燃比センサ10が接続されるECU100の構成についても簡単に説明する。図1は、全領域空燃比センサ10の概略的な構造を示す図である。
図1に示す全領域空燃比センサ10は、自動車のエンジンの排気通路(図示外)に取り付けられ、排気通路を流通する排気ガス中の特定ガス成分(第1の実施の形態では酸素)の濃度をもとに、排気ガスの空燃比を検出するセンサである。全領域空燃比センサ10は、図示外のハウジング内に、細長で長尺な板状をなすセンサ素子20を保持した構造を有する。全領域空燃比センサ10からは、このセンサ素子20が出力する信号を取り出すための信号線が引き出されており、全領域空燃比センサ10とは離れた位置に取り付けられるECU100と電気的に接続されている。ECU100では、自身に組み込まれたASIC70やヒータ制御回路50によって全領域空燃比センサ10への通電制御が行われる。そして、全領域空燃比センサ10から得られる出力に基づき、エンジンの空燃比フィードバック制御が行われる。
まず、センサ素子20の構造について説明する。センサ素子20は、排気ガス中の酸素濃度を検出するためのガス検出素子30と、ガス検出素子30を加熱するためのヒータ素子40とから構成されている。ガス検出素子30は、ジルコニアを主体とする固体電解質体31,33,34と、アルミナを主体とする絶縁基体32とを、固体電解質体34,33、絶縁基体32、固体電解質体31の順に積層した構造を有する。固体電解質体31の両面には、白金を主体とする一対の電極21,22がそれぞれ形成されており、電極21は、その表面がセラミックスからなる多孔質性の保護層23に覆われている。電極21は、この保護層23によって、排気ガスに含まれるシリコン等の被毒成分から保護されている。また、固体電解質体33の両面にも一対の電極24,25がそれぞれ形成されており、そのうちの電極25は、固体電解質体33,34に挟まれ固体電解質体中に埋設された形態をなしている。固体電解質体31,33,34および絶縁基体32は、いずれも細長い板状に形成されており、図1ではその長手方向と直交する断面を示している。
絶縁基体32の長手方向の一端側には、固体電解質体31,33を一壁面としつつ、排気ガスを導入可能な中空の内部空間としてのガス検出室27が形成されている。このガス検出室27の幅方向の両端には、ガス検出室27内に排気ガスを導入する際の流入量を規制するため、多孔質状の拡散律速部26が設けられている。上記した固体電解質体31上の電極22と、固体電解質体33上の電極24は、それぞれこのガス検出室27内に露出されている。
次に、ヒータ素子40は、アルミナを主体とし、板状をなす2枚の絶縁基体41,42を積層しつつ、両絶縁基体間に、白金を主体とする発熱抵抗体43を挟んで配設した構造を有する。ジルコニアからなる固体電解質体は、常温では絶縁性を示すが、高温環境下では活性化されて酸素イオン導電性を示すことが知られている。ヒータ素子40は、固体電解質体31,33,34を加熱して活性化させるために設けられている。そして、このヒータ素子40は、ガス検出素子30の固体電解質体34側の外層に配設されている。ヒータ素子40の絶縁基体41と、ガス検出素子30の固体電解質体34とは一体化されている。
このような構造を有するセンサ素子20において、固体電解質体31およびその両面に設けられた一対の電極21,22は、外部からガス検出室27内に酸素を汲み入れ、あるいはガス検出室27から外部へ酸素を汲み出す酸素ポンプセルとして機能する。以下では、固体電解質体31および電極21,22からなる酸素ポンプセルを総じてIpセル37とよぶ。
また、固体電解質体33およびその両面に設けられた一対の電極24,25は、両電極間の酸素濃度に応じて起電力を発生させる酸素濃度検出セルとして機能する。一対の電極24,25に定電流が供給されることにより、電極25は、ガス検出室27内の酸素濃度検出のための基準となる一定の酸素濃度となるように基準酸素源を生成する。すなわち電極25は、いわゆる酸素基準電極として機能する。以下では、固体電解質体33および電極24,25からなる酸素濃度検出セルを総じてVsセル38とよぶ。なお、Ipセル37およびVsセル38の詳細な機能については後述する。
次に、センサ素子20が接続されるECU100の概略的な構成について説明する。ECU100は、マイクロコンピュータ60、ASIC70、およびヒータ制御回路50を有する。また、図示しないが、他にもエンジンの制御に関わる様々な回路(装置)を有する。マイクロコンピュータ60は、ASIC70およびヒータ制御回路50を介して全領域空燃比センサ10への電力の供給を制御するとともに、センサ素子20から排気ガス中の酸素濃度に応じた電流値を電圧信号として得る。
マイクロコンピュータ60は、自動車のエンジンの駆動等を電子的に制御するための装置であり、各種の制御プログラムの実行にしたがい、ASIC70を含む、自身に接続される各回路(装置)を制御して、燃料の噴射タイミングや点火時期を制御する。そのためにマイクロコンピュータ60は、図示外の信号入出力部を介して、全領域空燃比センサ10に対する電力の供給を制御するための信号を、ASIC70やヒータ制御回路50に出力し、また、ASIC70を介し、全領域空燃比センサ10の出力(検出信号)を取得する。さらに、マイクロコンピュータ60には、エンジンのピストン位置や回転数を検出できるクランク角や、燃焼圧などの情報も入力される。
このマイクロコンピュータ60には、公知の構成のCPU61、ROM62、およびRAM63が搭載されている。CPU61は、上記の制御を含む各種制御を実行し、ROM62には、これらの各種制御を行うためのプログラムや初期値等が記憶されている。RAM63には、プログラムの実行に使用される各種変数やフラグ、カウンタ等が一時的に記憶される。
次に、ASIC70は、全領域空燃比センサ10の駆動制御を行うための回路を集積して1チップ化し、ECU100に容易に組み込めるようにした、特定用途向け集積回路である。ASIC70は、マイクロコンピュータ60から入力される信号に応じてガス検出素子30に電力を供給するとともに、ガス検出素子30による酸素濃度の検出結果をマイクロコンピュータ60に出力する。詳細は後述するが、ASIC70は、Vsセル38の電極25から電極24側へ微小な定電流Icpを流し、電極25側に酸素イオンを移動させて酸素を溜め込ませることで、電極25を上記の酸素基準電極として機能させる。また、Vsセル38の電極24,25間に生ずる起電力Vsを検出し、あらかじめ定められた基準電圧(例えば450mV)との比較を行う。この比較結果に基づき、Ipセル37の電極21,22間に流すポンプ電流Ipの向きや大きさを制御することで、Ipセル37によるガス検出室27への酸素の汲み入れやガス検出室27からの酸素の汲み出しが行われるようにする。さらに、温度に応じて変化するガス検出素子30の抵抗値変化を別途検出し、マイクロコンピュータ60に出力する。
ところで、第1の実施の形態において、マイクロコンピュータ60とASIC70との間における各種信号の送受信は、クロック同期通信により行われている。また、マイクロコンピュータ60は、ASIC70以外で自身に接続される他の回路(装置)ともクロック同期通信を行っている。このため、接続先を順次切り換え、その都度、接続先の回路と同期して信号の送受信を行うことにより、マイクロコンピュータ60は、各回路に対し制御に関する指示信号を伝達するとともに、各回路から制御に関する情報を得ている。なお、後述するが、ガス検出素子30による酸素濃度の検出結果や活性判定等に用いる抵抗値変化などの測定情報は、上記のクロック同期通信とは別の伝送線を介してマイクロコンピュータ60に入力されている。
また、ヒータ制御回路50は、センサ素子20に設けられたヒータ素子40の発熱抵抗体43の両端に、バッテリからの電圧Vhを印加する。詳細には、ヒータ制御回路50は、発熱抵抗体43への通電をPWM制御(パルス幅変調制御)するためのスイッチング素子を備えている。発熱抵抗体43の両端に印加する電圧Vhの電圧波形のデューティ比は、マイクロコンピュータ60のCPU61において算出される。具体的な算出にあたっては、ASIC70によって検出される、Vsセル38の加熱状態に応じた抵抗値変化をもとに、演算が行われる。そして、CPU61から出力されるパルス信号に乗せ、デューティ比に応じた電圧波形をなす電圧Vhが発熱抵抗体43に印加され、Ipセル37およびVsセル38の加熱が行われる。
次に、図2を参照して、上記したASIC70の電気的な構成について説明する。図2は、ASIC70の電気的な構成について説明するための図である。
図1で説明したように、全領域空燃比センサ10のIpセル37およびVsセル38に設けられた電極のうち、ガス検出室27に露出した両セルの一方の電極22,24は、互いに導通している。図2に示すように、導通されているこれらの電極22,24は、全領域空燃比センサ10のCOMポートに接続されている。また、Vsセル38の他方の電極25は、全領域空燃比センサ10のVs+ポートに接続され、前述の酸素基準電極として機能する。そしてIpセル37の他方の電極21は全領域空燃比センサ10のIp+ポートに接続されており、ガス検出室27と外気との間で酸素交換を行うために機能する。
一方、ECU100は、前述したマイクロコンピュータ60、ASIC70、およびヒータ制御回路50を備え、さらに、A/D変換器98,99、抵抗器R1および検出抵抗器Rdを備える。A/D変換器98,99は、それぞれASIC70のVoutポート,Vrpvsポート(後述)に接続されており、各ポートから入力されるアナログの出力電圧をデジタル変換してマイクロコンピュータ60のCPU61に対し出力する。また、前述したように、ヒータ制御回路50は、バッテリから直接供給される電圧VhをCPU61により指示されるデューティ比にしたがいPWM制御して、ヒータ素子40の発熱抵抗体43に供給する。
次に、ASIC70は、入出力用の複数のポート(Vs+,Pout,Vcent,COM,Ip+,Bat,Vout,Vrpvs)を有する。ASIC70のVs+ポート、COMポートおよびIp+ポートには、それぞれ上記の全領域空燃比センサ10の同一ポート、すなわちVs+ポート、COMポートおよびIp+ポートが接続されている。このASIC70には、Icp供給回路74、−Iconst供給回路75、+Iconst供給回路76が設けられ、それぞれ、スイッチSW5、SW7、SW8を介し、Vs+ポートに接続されている。Icp供給回路74は、全領域空燃比センサ10のガス検出素子30に微小な定電流Icpを供給する回路である。−Iconst供給回路75、+Iconst供給回路76は、それぞれ、Vsセル38の抵抗値測定用の一定の電流値に設定される定電流−Iconstと、その逆極性の一定の電流値に設定される定電流+Iconstを供給する回路である。
また、ASIC70は、後述する活性モードにおいてガス検出素子30のIpセル37にポンプ電流Ipを供給するオペアンプOP1や、ポート電圧の異常を検知するための電流を供給するオペアンプOP2および分圧回路85を有する。オペアンプOP1の反転入力(−)端子はVcentポートに接続され、さらに抵抗器R1を介し、COMポートに接続されている。オペアンプOP1の非反転入力(+)端子には3.6Vの基準電圧が印加されており、出力端子はスイッチSW3を介し、Ip+ポートに接続されている。また、Ip+ポートには、分圧抵抗器R2,R3を有する分圧回路85がスイッチSW4を介して接続されており、Ip+ポートの電位が2.5Vに保たれる。一方、オペアンプOP2は、非反転入力(+)端子に3.6Vの基準電圧が印加され、反転入力(−)端子が自身の出力端子に接続されている。オペアンプOP2の出力端子は、スイッチSW1を介してVcentポートに接続されている。
さらにASIC70には、PID制御回路71が設けられている。活性モードにおいて、オペアンプOP1からIpセル37に供給されるポンプ電流Ipの大きさは、このPID制御回路71によって制御される。PID制御回路71の入力側は、バッファOP3を介してVs+ポートに接続されている。詳細には、バッファOP3の非反転入力(+)端子はスイッチSW6を介してVs+ポートに接続されている。その非反転入力(+)端子とスイッチSW6との間には、コンデンサC1が接続されている。バッファOP3の出力端子は反転入力(−)端子に接続されるとともに、PID制御回路71の入力側に接続されている。さらに、PID制御回路71の入力側には、ポンプ電流Ipの制御目標となる基準電圧(450mV)を生成する基準電圧生成回路72が接続されている。一方、PID制御回路71の出力側は、スイッチSW2を介してPoutポートに接続され、さらに、後述する検出抵抗器Rdを介してVcentポート、つまりはオペアンプOP1の反転入力(−)端子に接続されている。
また、バッファOP3の出力端子はさらに分岐され、第2差動増幅回路82の入力側に接続されている。この第2差動増幅回路82の入力側にはVs+ポートも接続されており、上記の−Iconst供給回路75にスイッチSW7を介して接続される。第2差動増幅回路82の出力側はサンプルホールド回路83の入力側に接続され、そのサンプルホールド回路83の出力側が、Vprvsポートに接続されており、A/D変換器99を介し、第2差動増幅回路82の出力がマイクロコンピュータ60に入力される。後述するが、ガス検出素子30の活性判定は、Vsセル38に抵抗値測定用の定電流−Iconstを流した際のVsセル38の両端の電圧Vsの変化をもとに行われる。第2差動増幅回路82は、定電流−Iconstを流す前のVs+ポートの電位と、定電流−Iconstを所定時間流した後の電位との偏差ΔVsを検出し、Vrpvsポートからマイクロコンピュータ60に出力する。サンプルホールド回路83は、第2差動増幅回路82の出力する偏差ΔVsをホールド(保持)する公知の回路構成を有するものであり、次回の偏差ΔVsの検出までの間、今回検出した偏差ΔVsをホールドするように機能し、CPU61による読み取りのタイミングを調整する。
次に、ASIC70は、第1差動増幅回路73を備える。上記した検出抵抗器Rdは、ポンプ電流Ipの大きさを検出するために設けられており、その両端がPoutポートとVcentポートとに接続されている。そして、PoutポートとVcentポートとがそれぞれ第1差動増幅回路73に接続されている。第1差動増幅回路73は、ポンプ電流Ipが流れることによって検出抵抗器Rdの両端に生ずる電位差Vdを所定の増幅度で増幅し、検出電位Voutとして、VoutポートからA/D変換器98を介してマイクロコンピュータ60に対し出力する。
また、ASIC70は、ポート異常検知回路77、電源電圧比較回路78、ハードウェアリセット検出回路79、通信回路80、およびスイッチ制御回路81を備える。ポート異常検知回路77は、Vs+ポート、COMポート、およびIp+ポートの電位を異常検知用に設定されたしきい値(電圧)と比較し、ショートや断線等の異常状態の有無を検知する回路である。各ポートについて異常が検知されれば、ポート異常検知回路77は、スイッチ制御回路81に全てのスイッチSW1〜SW8をオフにする保護モード(後述)時のスイッチ制御の実行を指示する信号を発する(つまり、強制的に保護モードへ移行させる。)。さらに、通信回路80の送信バッファに、ポートの異常の発生を報せる信号(フラグ)を書き込む。このポート異常を報知する信号は、マイクロコンピュータ60とASIC70との間におけるクロック同期通信の際に、マイクロコンピュータ60に送信される。なお、ポート異常検知回路77が、本発明における「経路異常検知手段」に相当する。
電源電圧比較回路78は、Batポートを監視して、ECU100およびASIC70にバッテリから供給される電源電圧を基準の電位と比較する回路である。電源電圧が基準電位よりも低下した場合、スイッチ制御回路81に全てのスイッチSW1〜SW8をオフにする保護モード(後述)時のスイッチ制御の実行を指示する信号を発する(つまり、強制的に保護モードへ移行させる。)。さらに、通信回路80の送信バッファに、保護モードに移行したことを報せる報知信号(フラグ)を書き込み、クロック同期通信の際に、マイクロコンピュータ60に伝達する。なお、電源電圧比較回路78が、本発明の第1態様における「環境異常検知手段」に相当する。
ハードウェアリセット検出回路79は、ASIC70において、諸要因によりASIC70にハードウェアリセットがかかり再起動した場合に、保護モードへの強制移行や報知信号の出力処理を行わせるための回路である。再起動がかかると、ASIC70では各種内部回路の制御状態が電源投入時の状態(初期状態)に戻る。諸要因の一例としては、例えば定電流Iconstを生成する回路に異常が生じて狙いの大きさの電流を生成できなくなり、初期状態に戻して制御を再開したい場合などが挙げられる。こうした、ASIC70が正常に駆動するための動作環境に異常をもたらす諸要因の発生を、ASIC70内の回路で直接的に検知することが難しい場合には、図示しない、ASIC70の外部回路(装置)として設けることも可能である。このような外部回路は、ASIC70の動作環境を監視し、異常があれば、ASIC70にハードウェアリセットの実施を指示する。ハードウェアリセット検出回路79は、その外部回路から、ハードウェアリセットを実施したことを報せるリセット信号を受信することにより、自身の動作環境に異常が生じたことを知ることができる。そしてリセット信号の受信を契機に、ハードウェアリセット検出回路79は、スイッチ制御回路81に全てのスイッチSW1〜SW8をオフにする保護モード時のスイッチ制御の実行を指示する信号を発する(ただし、通常は再起動によりASIC70は保護モードで起動しているので、スイッチ制御回路81では現状維持される。)。さらに、通信回路80の送信バッファに保護モードに移行したことを報せる報知信号(フラグ)を書き込み、クロック同期通信の際に、マイクロコンピュータ60に伝達する。
通信回路80は、上記したクロック同期通信を、マイクロコンピュータ60との間で行うための回路である。マイクロコンピュータ60からデバイス選択信号(ASIC70との間で通信を行うことを指示する信号)を受信したら、マイクロコンピュータ60のクロック周波数に同期させて、マイクロコンピュータ60から伝達される指示信号等を受信して受信バッファに記憶する。そして同時に、送信バッファに書き込まれた、ポート異常検知回路77による異常状態の有無の検知結果等を送信する。通信回路80はマイクロコンピュータ60から指示信号を受信したら、スイッチ制御回路81に対し、指示信号により指示される通電モードに応じたスイッチ制御の実行を指示する信号を発する。なお、通信回路80が、本発明における「報知手段」に相当する。
スイッチ制御回路81は、スイッチSW1〜SW8のオンオフをそれぞれ独立に制御する回路である。スイッチ制御回路81は、通信回路80、電源電圧比較回路78、ハードウェアリセット検出回路79等から指示信号を受信したら、その指示された通電モードにあわせ、スイッチのオンオフ制御を行う。なお、スイッチ制御回路81が、本発明における「保護手段」に相当する。
以下、スイッチ制御回路81によるスイッチSW1〜SW8のオンオフの状態を決定する通電モードについて、図2,図3を参照して説明する。図3は、各通電モードにおけるスイッチSW1〜SW8のオンオフの状態を示す図表である。第1の実施の形態では、全領域空燃比センサ10に対する通電モードとして、少なくとも、保護モードと駆動モードとを有する。さらに、駆動モードとして、非活性モードおよび活性モードを有する。
「保護モード」は、ガス検出素子30に対する一切の通電を遮断して、ガス検出素子30の保護を行う通電モードである。図3に示すように、保護モードにおいては全てのスイッチSW1〜SW8がオフに設定され、ガス検出素子30への一切の通電が行われない。
「非活性モード」は、ガス検出素子30を活性化させるため、ヒータ素子40への通電により、ガス検出素子30の加熱を行う通電モードである。この通電モードにおいては、ガス検出素子30に、活性判定用の通電と、酸素基準電極に酸素を溜め込んで酸素濃度検出の準備を行う予備通電とが行われる。また、ガス検出素子30に繋がる各ポートには、ポート異常の検知を行うための電圧印加がなされる。具体的に、図3に示すように、非活性モードではスイッチSW1,SW4,SW5,SW6がオンに設定され、SW2,SW3,SW7,SW8はオフに設定される。これにより、図2に示すように、Vsセル38に定電流Icpが流され、酸素基準電極(電極25)に酸素が溜め込まれる。また、スイッチSW2,SW3がオフに固定されるので、Ipセル37に、PID制御回路71およびオペアンプOP1から酸素濃度の検出のための大きな電流が流されることはない。そして、スイッチSW1,SW4がオンに設定されてVcentポートに3.6V、Ip+ポートに2.5Vの電圧が印加され、ポート異常検知回路77によるポート異常の検知を行える状態となる。
なお、非活性モードにおいて、ガス検出素子30の活性判定が行われる。このときには一時的にSW6がオフに設定され、その状態で、スイッチSW7,SW8のオンオフの切換が行われる。このガス検出素子30の活性判定の方法については後述する。
「活性モード」は、ガス検出素子30が活性化し、酸素濃度の検出を行う通電モードである。図3に示すように、スイッチSW1,SW4,SW7,SW8がオフに設定され、スイッチSW2,SW3,SW5,SW6がオンに設定される。図2に示すように、Vsセル38への定電流Icpの供給が維持された状態で、PID制御回路71およびオペアンプOP1から、酸素濃度の検出のための大きな電流をIpセル37に流すことができるようになる。
次に、全領域空燃比センサ10を用いて排気ガスの酸素濃度(空燃比)を検出する動作について、図1および図2を参照して簡単に説明する。Icp供給回路74によってVsセル38に微小な定電流Icpが流されると、Vs+ポートに接続された電極25側に、ガス検出室27から固体電解質体33を介して酸素が汲み込まれる。このときの酸素イオンの移動に伴い、Vsセル38の両端には電圧Vsが発生するが、ガス検出室27内に導入された排気ガスの空燃比に応じてガス検出室27内の酸素が過剰となったり不足したりするため、酸素イオンの移動量に影響し、電圧Vsが変動する。そこで、この電圧Vsが基準電圧、すなわち、ガス検出室27内の排気ガスの空燃比を理論空燃比に近づけるための電圧Vsの制御目標として設定される450mVと比較され、オペアンプOP1にフィードバックされる。つまり、Ipセル37に流されるポンプ電流Ipの向きと大きさが、PID制御回路71およびオペアンプOP1によって制御され、ガス検出室27内の排気ガスの空燃比が理論空燃比となるように、Ipセル37による酸素の汲み入れまたは汲み出しが行われる。
具体的に、ガス検出室27内に流入した排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであった場合、排気ガス中の酸素濃度が薄いため、外部から固体電解質体31を介してガス検出室27内に酸素を汲み入れるように、ポンプ電流Ipが制御される。一方、ガス検出室27内に流入した排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンであった場合、排気ガス中には多くの酸素が存在するため、ガス検出室27から外部へ酸素を汲み出すように、ポンプ電流Ipが制御される。このときのポンプ電流Ipが検出抵抗器Rdを流れ、第1差動増幅回路73によって電圧変換されて、A/D変換器98を介し、全領域空燃比センサ10の出力(検出信号)としてマイクロコンピュータ60のCPU61に出力される。そして、CPU61では、検出信号として得られたポンプ電流Ipの大きさと向きから、排気ガス中に含まれる酸素濃度、ひいては排気ガスの空燃比を検出するのである。
ここで、安定した酸素濃度の検出結果を得るには、固体電解質体31,33,34が活性化温度以上(例えば、750℃)となるまでガス検出素子30を加熱し、活性化させなければならない。このため、酸素濃度の検出動作の開始前に、ガス検出素子30の活性化の有無の判定が行われる。以下、ガス検出素子30の活性化を判定する方法について、図2を用いて簡単に説明する。
酸素濃度の検出動作が行われる際には、電極25(酸素基準電極)における酸素濃度が基準濃度に高まってなければならないため、ガス検出素子30の非活性モードではスイッチSW5がオンに設定され、Vsセル38に定電流Icpが流される(予備通電)。また、非活性モードでは、ショートや断線など不具合の検知のため、ポート異常検知回路77でVs+ポート、COMポート、およびIp+ポートの電位を監視できるように、スイッチSW1,SW4がオンに設定される。
ガス検出素子30の活性判定は、Vsセル38に抵抗値測定用の定電流−Iconstを流した際のVsセル38の両端の電圧Vsの変化をもとに行われる。活性判定は非活性モード中に定期的に行われ、その際には具体的に、図3に示すように、スイッチSW6がオフに設定されて、定電流Icpのみが流されていたときのVs+ポートの電位がコンデンサC1によってホールドされ、その電位がバッファOP3により第2差動増幅回路82に入力される。そしてスイッチSW7がオンに設定されることで定電流−Iconstが定電流Icpに重畳されて流され、Vs+ポートに生じた電位が第2差動増幅回路82に入力される。したがって、第2差動増幅回路82からは、Vsセル38に定電流Icpが流されることにより生じたVs+ポートの電位と、定電流−Iconstが重畳されて流されることにより変化したVs+ポートの電位との偏差ΔVsが出力される。偏差ΔVsは、サンプルホールド回路83を介し、さらにVrpvsポートからA/D変換器99を介してマイクロコンピュータ60に入力される。マイクロコンピュータ60では、この偏差ΔVsの変化に基づく公知の手法により、Vsセル38ひいてはガス検出素子30の活性化の有無を判定する。
なお、定電流−Iconstは、スイッチSW7がオンに設定されてから所定の短時間、Vsセル38に流されるが、その後、スイッチSW7がオフに設定されると、偏差ΔVsの出力状態は、サンプルホールド回路83によって保持される。次いでスイッチSW8がオンに設定され、Vsセル38に逆極性の定電流+Iconstが流される。これは、固体電解質体の酸素イオン導電性に対する配向現象の影響からVsセル38を短時間で復帰させるためである。偏差ΔVsの取得後は、スイッチSW1〜SW8のオンオフの状態が、もとの非活性モードの設定に復帰される。なお、図3には図示しないが、活性モードに移行してからも定期的にガス検出素子30の活性判定は継続され、上記同様のスイッチSW6〜SW8の操作が行われる。
このように、ASIC70による全領域空燃比センサ10への通電制御は、ECU100のマイクロコンピュータ60により指示される通電モードに応じて行われる。そして上記したように、ASIC70では、非活性モード中にガス検出素子30に接続されるVs+ポート、COMポート、およびIp+ポートの監視を行い、ショートや断線等の異常を検知したならば、クロック同期通信により検知結果をマイクロコンピュータ60に報せる。さらに、第1の実施の形態のASIC70は、ASIC70自身を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じた場合、それを検知したならば、自身の現在の通電モードの如何に関わらず、全てのスイッチSW1〜SW8をオフに設定して保護モードへ強制的に移行するとともに、マイクロコンピュータ60に、保護モードへの移行を報せる。なお、ASIC70を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じた場合とは、例えば、バッテリからASIC70に供給される電圧が低下したことをASIC70自身で直接的に検知した場合や、ASIC70の作動状況を監視する外部回路(装置)からASIC70の動作環境に異常が生じていることを通知する信号が発せられ、ASIC70がその通知信号を受信した場合(すなわち間接的に検知した場合)などが挙げられる。
マイクロコンピュータ60に対するASIC70の保護モードへの移行の報知は、移行後の最初のクロック同期通信の際に、移行を報せる信号(報知信号)を、マイクロコンピュータ60に送信することにより行われる。具体的には、クロック同期通信によってASIC70から送信されるデータのうちの特定の1ビットが、報知信号に対応している。マイクロコンピュータ60では、報知信号を受信すると、ASIC70に対する制御を初期状態に戻し、電源投入時の状態にして行う。マイクロコンピュータ60におけるASIC70の制御は、CPU61によって実行される通電制御プログラムにしたがって行われる。以下、通電制御プログラムの動作について、図2〜図4を参照して説明する。図4は、通電制御プログラムのフローチャートである。
なお、通電制御プログラムでは、現在の通電モードが、保護モード、非活性モード、活性モードのいずれであるかを示すモードフラグが利用される。以下、フローチャートの各ステップについては「S」と略記する。
図4に示す、通電制御プログラムは、自動車がキーオンされてECU100のマイクロコンピュータ60の駆動が開始すると、内燃機関を制御するための他のプログラムと共に、CPU61によって実行される。まず、イニシャライズ(初期化)が実施され、RAM63上に通電制御プログラムで使用されるフラグや変数、カウンタ等の領域の確保、リセット、初期値の設定等が行われる(S1)。また、経過時間に応じた判断処理において利用されるカウンタがスタートされる。
次に、ASIC70に対し保護モードへの移行を指示するため、クロック同期通信時に送信される情報を記憶する送信バッファに指示信号が記憶される(S3)。また、モードフラグには保護モードであることを示すフラグが立てられる。そして、デバイス選択信号によりASIC70との通信が確立したら、クロック同期通信により保護モードへの移行指示が行われる(S5)。
図2に示す、ASIC70の通信回路80では、クロック同期通信により受信バッファに保護モードへの移行を指示する指示信号が記憶されると、スイッチ制御回路81に対し、保護モードにおけるスイッチ制御の実行を指示する信号が発せられる。スイッチ制御回路81はその指示にしたがって、図3の図表に示す、保護モードにおけるスイッチ制御を実行し、全てのスイッチSW1〜SW8をオフに設定する。
次に、図4に示すように、ECU100のマイクロコンピュータ60では、S5で行われたクロック同期通信においてASIC70から報知信号を受信していないか、受信バッファの確認が行われる(S7)。
図2に示す、ASIC70では、電源投入後に保護モードへ移行し、全てのスイッチSW1〜SW8がオフに設定される。このとき、Vs+ポート、COMポートおよびIp+ポートはいずれもハイインピーダンス状態となるため、ポート異常検知回路77では、回路上に異常が生じたものと判断し、通信回路80の送信バッファに、ポートの異常を報せる報知信号を記憶する。このため、図4のS7では、クロック同期通信によりASIC70からの報知信号を受信するが(S7:YES)、このような仕様において、保護モードであれば当然ながらポート異常の報知信号は、受信することになる。したがって、受信した報知信号が動作環境の異常を知らせる信号でなければ、つまり、報知信号を構成するデータのうち、電源電圧比較回路78やハードウェアリセット検出回路79によって書き込まれる特定のビットが成立された状態になければ(S15:NO)、保護モードである限り(S17:YES)、報知信号を無視してS11に進む。また、S7で、報知信号を受信していなかった場合も(S7:NO)、現在保護モードであればS11に進む(S9:YES)。
S11において、カウンタのスタート後、所定時間が経過したかが確認される。第1の実施の形態では、保護モードから非活性モードへの移行条件の一例として、500msecの時間経過が設定されている。駆動開始直後はまだ500msecが経過していないので(S11:NO)、S35で上記のカウンタを利用してプログラムの繰り返し実行間隔(第1の実施の形態では10msec)の経過を測り、待機する(S35:NO)。待機後はS5に戻り(S35:YES)、S5〜S35を繰り返して保護モードを継続する。
S5,S7,S9,S11,S35が繰り返されるうちに500msecが経過すれば(S11:YES)、ASIC70に対し非活性モードへの移行を指示するため、送信バッファに指示信号が記憶される(S13)。また、モードフラグには非活性モードであることを示すフラグが立てられる。そして、上記同様、10msecの待機後に(S35:NO)、S5に戻り、デバイス選択信号によりASIC70との通信が確立したら、クロック同期通信により非活性モードへの移行指示が行われる。
図2に示す、ASIC70の通信回路80では、非活性モードへの移行を指示する指示信号を受信すると、スイッチ制御回路81に対し、非活性モードにおけるスイッチ制御の実行を指示する信号が発せられる。スイッチ制御回路81はその指示にしたがって、図3の図表に示す、非活性モードにおけるスイッチ制御を実行しスイッチSW2,SW3,SW7,SW8をオフに設定し、スイッチSW1,SW4,SW5,SW6をオンに設定する制御が行われる。図2に示すように、ガス検出素子30のVsセル38に定電流Icpが流されるとともに、COMポートおよびIp+ポートにオペアンプOP2および分圧回路85が接続される。これにより、Vs+ポート、COMポートおよびIp+ポートは電位を生じてハイインピーダンス状態ではなくなり、ポート異常検知回路77により、ショートや断線等の異常が発生していないか、ポート異常の検知が正常に行われる状態となる。したがって、実際にショートや断線等が生じていなければ、ポート異常を報せる報知信号は発せられなくなる。しかし、ポート異常の発生が確認されれば、通信回路80の送信バッファにポート異常の発生を報せる信号が書き込まれ、次回のクロック同期通信の際にマイクロコンピュータ60に送信される。
図4に示すように、ECU100のマイクロコンピュータ60では、報知信号の受信がなければ(S7:NO)、次のS9において、モードフラグが非活性モードとなっているため現在は保護モードではないと判断される(S9:NO)。そしてモードフラグにより、現在の通電モードが活性モードであるかが確認される(S23)。保護モードからのモード移行では上記のように非活性モードに移行されるため(S23:NO)、活性判定処理が行われる(S25)。すなわち、前述したように、Vsセル38に抵抗値測定用の定電流−Iconstを流し、得られる偏差ΔVsの変化に基づくガス検出素子30の活性判定が、通電制御プログラムとは別途実行される他のプログラムにおいて行われる。そしてガス検出素子30がまだ活性化していないと判断されれば(S27:NO)、S35に進み、10msecの経過を待ってS5に戻り、S5〜S35が繰り返される。
以降、S5,S7,S9,S23,S25,S27,S35が繰り返され、ガス検出素子30が活性化したと判断されるまで、非活性モードが継続される。そして、ガス検出素子30が活性化したと判断されたら(S27:YES)、ASIC70に対し活性モードへの移行を指示するため、送信バッファに指示信号が記憶される(S29)。また、モードフラグには活性モードであることを示すフラグが立てられる。そして、次回のS5の実行の際に、デバイス選択信号によりASIC70との通信が確立したら、クロック同期通信により活性モードへの移行指示が行われる。
図2に示す、ASIC70の通信回路80では、活性モードへの移行を指示する指示信号を受信すると、スイッチ制御回路81に対し、活性モードにおけるスイッチ制御の実行を指示する信号が発せられる。スイッチ制御回路81はその指示にしたがって、図3の図表に示す、活性モードにおけるスイッチ制御を実行し、スイッチSW1,SW4,SW7,SW8をオフに設定し、SW2,SW3,SW5,SW6をオンに設定する制御が行われる。図2に示すように、ガス検出素子30のVsセル38に定電流Icpが継続して流されるとともに、Ip+ポートおよびPoutポートにオペアンプOP1およびPID制御回路71が接続され、Ipセル37にポンプ電流Ipが流される。そして前述したように、ポンプ電流Ipが流れる検出抵抗器Rdの両端の電位が第1差動増幅回路73よって検出され、VoutポートからA/D変換器98を介し、全領域空燃比センサ10の出力(検出信号)としてマイクロコンピュータ60に入力される。
図4に示すように、ECU100のマイクロコンピュータ60では、活性モードに移行すると(S9:NO,S23:YES)、S31において、全領域空燃比センサ10の検出信号を取得し(S31)、その信号値(電圧値)に基づき、公知の演算を適用して、排気ガス中の酸素濃度(ガス濃度)の検出、ひいては排気ガスの空燃比の検出を行う(S33)。検出された排気ガスの空燃比は、ECU100に接続された他の回路(装置)の制御、例えば燃料の噴射タイミングや点火時期の制御に用いられる。以後、S35に進み、10msecの経過を待ってS5に戻り、S5〜S35が繰り返される。
ところで、通電モードがいずれであっても、S5〜S35が繰り返し実行されるうちに、図2に示す、ASIC70の電源電圧比較回路78において監視されるバッテリ電圧が、基準電位よりも低下すると、電源電圧比較回路78は、スイッチ制御回路81に、保護モードに応じたスイッチ制御の実行を指示する信号を発する。スイッチ制御回路81はその指示にしたがって、全てのスイッチSW1〜SW8をオフに設定し、強制的に保護モードへ移行して、ガス検出素子30への通電を停止する。さらに電源電圧比較回路78は、通信回路80の送信バッファに、保護モードに移行したことを報せる報知信号(フラグ)を書き込む。
一方、ASIC70において、諸要因によりASIC70にハードウェアリセットがかかり再起動した場合も同様である。ハードウェアリセット検出回路79からの指示によってスイッチ制御回路81による保護モードにおけるスイッチ制御が実行される。すなわち、全てのスイッチSW1〜SW8がオフに設定されて強制的な保護モードへの移行がなされ、ガス検出素子30への通電が停止されるとともに、通信回路80の送信バッファに報知信号が書き込まれる。
そして、ASIC70が保護モードへ移行した後、初めて、図4に示す、S5においてクロック同期通信が行われたときに、マイクロコンピュータ60に報知信号が送信される。マイクロコンピュータ60が報知信号を受信すると(S7:YES)、この報知信号は動作環境の異常を報せる信号であるため(S15:YES)、保護モードへの移行が行われる(S19)。すなわち、ASIC70に対し保護モードへの移行を指示するため、送信バッファに指示信号が記憶される。また、モードフラグには保護モードであることを示すフラグが立てられる。さらに、カウンタがリセットされ(S21)、非活性モードへ移行するため条件としての500msecの経時が再開されて、S35に進む。これにより、マイクロコンピュータ60(ECU100)の把握する全領域空燃比センサ10の通電モードと、ASIC70において行われている各スイッチの制御状態とが一致し、以降、S5〜S35が繰り返し実行されて、ガス検出素子30の駆動が初期状態から開始される。
また、ASIC70のポート異常検知回路77により、Vs+ポート、COMポートおよびIp+ポートの電位に基づきショートや断線等の異常の発生が確認された場合にも、マイクロコンピュータ60にポート異常の発生を報せる報知信号が送信される。上記したように、ポート異常が無視される保護モードではなく、非活性モードや活性モードにおいて、ポート異常に関する報知信号が送信された場合、マイクロコンピュータ60が報知信号を受信すると(S7:YES)、この報知信号は動作環境の異常を報せる信号ではないが(S15:NO)、現在、保護モードでもないので(S17:NO)、S19に進み、保護モードへの移行が行われる。ASIC70ではポート異常検知回路77の指示によりすでに保護モードへ移行しているが、これにより、マイクロコンピュータ60の把握する全領域空燃比センサ10の通電モードと、ASIC70において行われている各スイッチの制御状態とが一致し、ガス検出素子30の駆動が初期状態から開始される。
以上説明したように、第1の実施の形態のASIC70では、自身の動作環境に異常が発生したことを検知することができる。具体的には、電源電圧比較回路78により、自身に供給されるバッテリ電圧が基準電位よりも低下したことから直接的に検知したり、諸要因によりASIC70にハードウェアリセットがかかり再起動したことをハードウェアリセット検出回路79が外部回路より通知されることによって、間接的に検知したりすることができる。そして、動作環境に異常が発生したことを検知した場合には、スイッチ制御回路81により、強制的に全てのスイッチSW1〜SW8をオフに設定し、保護モードにおけるスイッチ制御を行うことで、全領域空燃比センサ10のガス検出素子30への通電を停止することができる。さらに、保護モードへの移行後、初めて、通信回路80がECU100のマイクロコンピュータ60とのクロック同期通信を確立した際に、自身が保護モードに移行したことを報せる報知信号を出力することができる。
次に、センサ駆動装置の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態のセンサ駆動装置は、図2に示す、第1の実施の形態のASIC70の電源電圧比較回路78を、ASIC70の外部回路(装置)として設けた場合の例である。したがって、全領域空燃比センサ10やマイクロコンピュータ60については、その構成が同一であり、また、マイクロコンピュータ60において実行される通電制御プログラムについても、第1の実施の形態と同様である。したがって、第2の実施の形態では、第1の実施の形態におけるASIC70およびECU100との構成上の異なる部分について、図5を参照して説明し、同一の部分については説明を省略または簡略化して行うものとする。図5は、ASIC170の電気的な構成について説明するための図である。
図5に示すように、第2の実施の形態のASIC170は、第1の実施の形態のASIC70における電源電圧比較回路78およびハードウェアリセット検出回路79(図2参照)を有さない代わりに、通知信号検出回路178を備える。通知信号検出回路178は、ECU200に設けられる電源電圧比較回路184に接続されており、電源電圧比較回路184から、後述する通知信号を受信可能に構成されている。また、通知信号検出回路178は、その出力が、通信回路80とスイッチ制御回路81とに接続されている。一方、ECU200には、電源電圧比較回路184が設けられている。電源電圧比較回路184は、バッテリから供給される電源電圧を基準の電位と比較する回路である。電源電圧が基準電位よりも低下した場合、電源電圧比較回路184は、通知信号検出回路178に対し、通知信号を出力する。なお、通知信号検出回路178や、第1の実施の形態において説明したハードウェアリセット検出回路79が、本発明の第2態様における「判断手段」に相当する。また、電源電圧比較回路184が、本発明の第2態様における「第2外部装置」に相当する。
このような構成をなす第2の実施の形態において、ECU200の電源電圧比較回路184は、バッテリからECU200に供給される電源電圧の低下を検知すると、その電源電圧がASIC170にも供給されていることから、ASIC170を正常に駆動するための動作環境に異常が生じたとして、ASIC170に通知信号を発する。ASIC170では、通知信号検出回路178において、通知信号を受信したことを判断すると、自身の動作環境に異常が生じたことを知り、強制的に保護モードへの移行を行う。すなわち、通知信号検出回路178は、スイッチ制御回路81に全てのスイッチSW1〜SW8をオフにする保護モード時のスイッチ制御の実行を指示する信号を発する。さらに、通知信号検出回路178は、通信回路80の送信バッファに、保護モードに移行したことを報せる報知信号(フラグ)を書き込む。これにより、第1の実施の形態と同様に、クロック同期通信が行われたときに、マイクロコンピュータ60に報知信号が送信される。マイクロコンピュータ60では、その報知信号に基づいて、通電制御プログラムにおいて保護モードへの移行を行う。よって、マイクロコンピュータ60の把握する全領域空燃比センサ10の通電モードと、ASIC170において行われている各スイッチの制御状態とが一致し、ガス検出素子30の駆動が初期状態から開始される。
なお、本発明は上記各実施の形態に限られず、各種の変形が可能なことは言うまでもない。例えば、ASIC70において、自身の動作環境に異常が生じたことを検知する環境異常検知手段の一例として、電源電圧比較回路78を挙げた。その他にも、ポート異常検知回路77を環境異常検知手段の一例としてもよい。また、第2外部装置の例として電源電圧比較回路184を挙げたが、上記した、定電流Iconstの供給回路の作動状態を監視する回路も第2外部装置に相当するものである。また、その他にも、定電流IcpやIpの供給回路の作動状態を監視する回路(装置)を、第2外部装置として設けてもよい。また、通電モードの一例として、保護モード、非活性モードおよび活性モードを挙げたが、さらに多彩な通電モードを有し、さらに細かな動作状況に応じた通電モードの適用を行ってもよい。
また、本実施の形態の全領域空燃比センサ10は、酸素ポンプセルであるIpセル37と、酸素濃度検出セルであるVsセル38とを備えた2セル式のガスセンサであるが、その他のタイプのガスセンサに対し、本発明を適用してもよい。
また、第1,第2の本実施の形態ではセンサ駆動装置をASIC70,170としてECU100,200に組み込んだ構成としたが、ECU100,200とは別体にセンサ駆動装置を設けてもよい。ヒータ制御回路50についても同様であり、センサ駆動装置に組み込んでもよいし、あるいはヒータ制御装置として単体に設けてもよい。
また、ASIC70,170から出力される報知信号は、ASIC70,170が自身の動作環境の異常を検知して保護モードにおけるスイッチ制御を行った後で、初回のマイクロコンピュータ60とのクロック同期通信の際に伝達されたが、必ずしも初回の同期通信時に行ことに限定するものではない。ASIC70,170自身が強制的に保護モードへ移行した後であれば、いずれかの同期通信が確立した際において報知信号を出力してもよいし、また、初回のみに限らず、複数回の連続的あるいは断続的な同期通信の確立の際に、報知信号を出力してもよい。もちろん、報知信号の伝達はクロック同期通信に限るものでもなく、ASIC70,170に、保護モードへの移行を報せるための専用あるいは共用のポートを設け、マイクロコンピュータ60に指示信号を送信できるようにしてもよい。
全領域空燃比センサ10の概略的な構造を示す図である。 ASIC70の電気的な構成について説明するための図である。 各通電モードにおけるスイッチSW1〜SW8のオンオフの状態を示す図表である。 通電制御プログラムのフローチャートである。 ASIC170の電気的な構成について説明するための図である。
符号の説明
10 全領域空燃比センサ
70,170 ASIC
78,184 電源電圧比較回路
79 ハードウェアリセット検出回路
80 通信回路
81 スイッチ制御回路
100,200 ECU
178 通知信号検出回路

Claims (6)

  1. 自身に接続されたセンサに対する複数の通電モードとして、少なくとも、前記センサへの通電を行う駆動モードと、前記センサへの通電を遮断して前記センサの保護を行う保護モードとを有し、
    自身の動作環境が正常で、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードを選択する指示信号を出力する第1外部装置から当該指示信号を受信したときに、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードへ移行して前記センサの通電制御を行うセンサ駆動装置であって、
    当該センサ駆動装置を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じているか否かを検知する環境異常検知手段と、
    自身が前記複数の通電モードのうちのいずれのモードにあっても前記保護モードへ強制的に移行する保護手段と、
    前記保護手段によって前記保護モードに移行した後に、前記第1外部装置に対し、前記保護モードへの移行を報せる報知信号を出力する報知手段と
    を備え、
    前記保護手段は、前記環境異常検知手段によって前記動作環境の異常が検知された場合に、前記保護モードへ強制的に移行することを特徴とするセンサ駆動装置。
  2. 自身に供給される電源電圧が規定の電圧よりも低下した場合に、前記環境異常検知手段は、前記動作環境の異常を検知することを特徴とする請求項1に記載のセンサ駆動装置。
  3. 自身に接続されたセンサに対する複数の通電モードとして、少なくとも、前記センサへの通電を行う駆動モードと、前記センサへの通電を遮断して前記センサの保護を行う保護モードとを有し、
    自身の動作環境が正常で、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードを選択する指示信号を出力する第1外部装置から当該指示信号を受信したときに、前記複数の通電モードのうちのいずれかのモードへ移行して前記センサの通電制御を行うセンサ駆動装置であって、
    当該センサ駆動装置を正常に駆動させるための動作環境に異常が生じているか否かを検知する第2外部装置から、前記動作環境に異常が生じていることを通知する通知信号を受信したか否かを判断する判断手段と、
    自身が前記複数の通電モードのうちのいずれのモードにあっても前記保護モードへ強制的に移行する保護手段と、
    前記保護手段によって前記保護モードに移行した後に、前記第1外部装置に対し、前記保護モードへの移行を報せる報知信号を出力する報知手段と
    を備え、
    前記保護手段は、前記判断手段によって前記通知信号を受信したと判断された場合に、前記保護モードへ強制的に移行することを特徴とするセンサ駆動装置。
  4. 前記報知手段は、前記第1外部装置との間で同期通信により前記指示信号および前記報知信号を送受信可能に構成されており、
    前記報知手段は、前記保護手段による前記保護モードへの移行後、初回の前記第1外部装置との同期通信の確立の際に、前記第1外部装置に対し前記報知信号を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサ駆動装置。
  5. 前記センサへの通電経路上に異常が生じたか否かを検知する経路異常検知手段を備え、
    前記保護手段は、前記経路異常検知手段が前記通電経路上に異常を検知した場合にも、前記保護モードへ強制的に移行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセンサ駆動装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のセンサ駆動装置と、前記センサとを有することを特徴とするセンサ駆動システム。
JP2008270228A 2008-10-20 2008-10-20 センサ駆動装置、および、センサ駆動システム Active JP5021600B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008270228A JP5021600B2 (ja) 2008-10-20 2008-10-20 センサ駆動装置、および、センサ駆動システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008270228A JP5021600B2 (ja) 2008-10-20 2008-10-20 センサ駆動装置、および、センサ駆動システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010096732A true JP2010096732A (ja) 2010-04-30
JP5021600B2 JP5021600B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=42258513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008270228A Active JP5021600B2 (ja) 2008-10-20 2008-10-20 センサ駆動装置、および、センサ駆動システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5021600B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012242385A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Robert Bosch Gmbh 広帯域ラムダセンサのケーブルエラーを監視するための方法および制御ユニット
JP2016142598A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 富士通テン株式会社 制御回路およびそれを備える装置
JP2016161557A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 株式会社デンソー 印加電圧制御装置
JP2018105765A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 株式会社デンソー 空燃比センサ制御装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004127037A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Osaka Gas Co Ltd 異常判定方法,復帰判定方法,および電子機器
JP2005083896A (ja) * 2003-09-09 2005-03-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd センサ回路
JP2006047278A (ja) * 2004-06-29 2006-02-16 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス濃度測定装置の異常診断方法及びガス濃度測定装置の異常診断装置
JP2006208363A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス濃度測定装置の異常診断方法及びガス濃度測定装置の異常診断装置
JP2008070194A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ制御装置およびセンサ制御方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004127037A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Osaka Gas Co Ltd 異常判定方法,復帰判定方法,および電子機器
JP2005083896A (ja) * 2003-09-09 2005-03-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd センサ回路
JP2006047278A (ja) * 2004-06-29 2006-02-16 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス濃度測定装置の異常診断方法及びガス濃度測定装置の異常診断装置
JP2006208363A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス濃度測定装置の異常診断方法及びガス濃度測定装置の異常診断装置
JP2008070194A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ制御装置およびセンサ制御方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012242385A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Robert Bosch Gmbh 広帯域ラムダセンサのケーブルエラーを監視するための方法および制御ユニット
JP2016142598A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 富士通テン株式会社 制御回路およびそれを備える装置
JP2016161557A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 株式会社デンソー 印加電圧制御装置
JP2018105765A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 株式会社デンソー 空燃比センサ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5021600B2 (ja) 2012-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5081260B2 (ja) ガスセンサ制御装置及びガスセンサ制御方法
JP4723444B2 (ja) センサ制御装置およびセンサ制御方法
JP4646129B2 (ja) ガス濃度測定装置の異常診断方法及びガス濃度測定装置の異常診断装置
US10451586B2 (en) Gas sensor system
US8623186B2 (en) Apparatus and process for gas sensor control
EP1961942B1 (en) Diagnostic method and control apparatus for gas sensor
EP3273040B1 (en) Controller and abnormality detecting method of air-fuel-ratio sensor
JP2008008667A (ja) ガスセンサ制御装置
JP5021600B2 (ja) センサ駆動装置、および、センサ駆動システム
JP2004317488A (ja) ガス濃度検出装置
JP2006284358A (ja) ガスセンサ制御装置
US9921180B2 (en) Gas sensor system
JP5021601B2 (ja) ガスセンサシステム
US9769877B2 (en) Heater control apparatus for gas sensor
WO2013179545A1 (ja) ガスセンサ制御装置
JP2017181301A (ja) ガスセンサの制御装置
JP2016070883A (ja) ガスセンサシステム
JP6943722B2 (ja) ガスセンサ制御装置
JP2007101485A (ja) ガスセンサの異常診断方法及び異常診断装置
JP2010151804A (ja) ガスセンサ制御装置及びガスセンサ制御方法
US10928357B2 (en) Sensor control apparatus
JPH10185857A (ja) 全領域空燃比センサの劣化状態検出方法及び装置
US10920700B2 (en) Sensor control apparatus
JP6809927B2 (ja) ガスセンサ制御装置
JP2009014652A (ja) センサ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120614

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5021600

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250