JP2010096158A - 自動二輪車の排気浄化装置 - Google Patents

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弘幸 堀村
Hiroaki Miyata
博明 宮田
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忠寿 政谷
Hiromitsu Takeda
広充 武田
Masamitsu Tsuji
正光 辻
Teisho Ito
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【課題】パラジウムを利用して、高い排気浄化性能を発揮する排気浄化装置を提供する。
【解決手段】単気筒4サイクルのエンジン12と、エンジン12の吸気負圧によって燃料を供給するキャブレター13と、エンジン12の排気ポート12Bに接続された排気管14及び排気マフラー15と、排気マフラー15内に設けられた触媒コンバータ30とを備えた自動二輪車の排気浄化装置10において、触媒コンバータ30より上流側において排気管14内に新気を導入する二次空気導入装置20が設けられ、触媒コンバータ30は、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)を含む貴金属を担持して構成され、貴金属の成分比率(重量比)がPd/Rh=20/1〜8/1であり、貴金属の担持量が1059.44〜2648.60g/m3である。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車の排気浄化装置に関する。
従来、自動二輪車の排気管に、排気を浄化する排気浄化装置として、触媒金属を塗布した触媒を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−329030号公報
自動二輪車に要求される特性は、例えば四輪車と比較して明らかに異なる特有のものであって、空燃比制御を例にとれば、四輪車のように狭い領域で制御することは困難であり、使用環境が過酷である。このため、自動二輪車の排気を浄化する触媒としては、高価であるものの排気浄化性能及び耐久性の両面で優れた特性を示す白金(Pt)を主成分とし、さらに、より高価なロジウム(Rh)を多く含む貴金属仕様の触媒(Pt/Rh系)が使用されることが多い。
しかしながら、高価な白金を主成分とする触媒を、例えば安価で利便性が高い小型二輪車に装着すれば、車両本体の価格に占める触媒の価格の割合が大きくなってしまうため、触媒性能を満足しつつコストを低減することが求められている。
そこで、白金と並び触媒機能を有するパラジウム(Pd)を利用することが考えられるが、パラジウムは白金と比較して、耐久性等の面で制約がある。このため、単に白金とパラジウムを置き換えただけでは、要求される排気浄化性能及び耐久性を満足することが難しく、Pt/Rh系の触媒を代替することは困難であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、パラジウムを利用して、高い排気浄化性能を発揮する自動二輪車の排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、単気筒4サイクルエンジンである内燃機関と、前記内燃機関の吸気負圧によって燃料を前記内燃機関に供給する気化器と、前記内燃機関の排気ポートに接続された排気管と、前記排気管内に設けられた触媒コンバータとを備えた自動二輪車の排気浄化装置において、前記触媒コンバータより上流側において前記排気管内に新気を導入する二次空気導入装置が設けられ、前記触媒コンバータは、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)を含む貴金属を担持して構成され、貴金属の成分比率(重量比)がPd/Rh=20/1〜8/1であり、貴金属の担持量が1059.44〜2648.60g/m3(グラム/立法メートル)であること、を特徴とする自動二輪車の排気浄化装置を提供する。
この構成によれば、単気筒4サイクルエンジンを備え、このエンジンに気化器によって燃料を供給する構成とした自動二輪車において、パラジウムを主成分とした触媒コンバータによって排気浄化性能を満足し、触媒コンバータの耐久性を確保することができ、低コスト化を図ることができる。そして、この構成によれば、自動二輪車のCO(一酸化炭素)排出量を1.0g/km未満、HC(炭化水素)+NOX(窒素酸化物)の総排出量を1.0g/km未満に抑えることが可能であり、白金を主成分とする触媒と比べて遜色のない高い排気浄化性能を実現できる。
また、前記排気管の内径が23mm(ミリメートル)以下であり、前記内燃機関の排気出口と前記触媒コンバータとの間の前記排気管の長さが700mm以下である構成としてもよい。
さらに、前記排気管は、前記排気ポートに接続された主管部と、前記触媒コンバータを収容する収容部と、これら主管部と収容部とを繋ぐ接続部とを有し、前記接続部はテーパーを有する形状に形成され、前記主管部及び前記収容部に対して溶接により接合されており、前記接続部の長さは200mm以下である構成としてもよい。
これらの場合には、パラジウムを主成分として少量のロジウムを含む貴金属を担持した触媒コンバータが、より高い排気浄化性能を発揮することができる。
本発明によれば、気化器によって燃料を供給する構成とした自動二輪車において、パラジウムを主成分とした触媒コンバータによって排気浄化性能を満足し、触媒コンバータの耐久性を確保することができ、低コスト化を図ることができる。また、排気管の内径が23mm以下であり、内燃機関の排気出口と触媒コンバータとの間の排気管の長さが700mm以下である構成とし、或いは、接続部がテーパーを有する形状に形成されて主管部及び外筒に対して溶接により接合されており、接続部の長さは200mm以下である構成とすることで、パラジウムを主成分として少量のロジウムを含む貴金属を担持した触媒コンバータが、より高い排気浄化性能を発揮することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る自動二輪車の排気浄化装置を周辺構成と共に模式的に示す図である。この排気浄化装置10は、エアクリーナ11からエンジン(内燃機関)12に供給される空気にキャブレター13で燃料を混合する自動二輪車に搭載され、エアクリーナ11で浄化された二次空気(新気)をエンジン12の排気ポート12Bに供給する二次空気導入装置20と、エンジン12の排気ポート12Bに排気管14を介して接続された排気マフラー15と、排気マフラー15内に配置された触媒コンバータ30とを備えている。なお、図1において、矢印Xは空気の流れを示し、矢印Yはバキュームプレッシャを示し、矢印Zはクランクケース内で発生したブローバイガスの流れを示している。
エアクリーナ11は、エアクリーナケース11Aの内部が、仕切り壁11Bによってダーティサイド11Cとクリーンサイド11Dとの2室に仕切られている。ダーティサイド11Cには、外気導入口11Eが設けられ、この外気導入口11Eを介して外気がダーティサイド11C内に導入される。仕切り壁11Bには、ダーティサイド11Cとクリーンサイド11Dとを連通する開口を覆うようにフィルタエレメント11Fが配置され、ダーティサイド11C内の空気がフィルタエレメント11Fを通過して浄化された後にクリーンサイド11Dに導入される。クリーンサイド11Dには、空気排出口11Gが設けられ、この空気排出口11Gは、コネクティングチューブ16を介してキャブレター13に連結され、このキャブレター13を介してエンジン12の吸気ポート12Aに連通される。
エンジン12は、自動二輪車に搭載される一般的な単気筒4サイクルエンジンであり、エンジン12内のシリンダ孔(気筒)12Cに連通する吸気ポート12Aを開閉する吸気バルブ12Dと、シリンダ孔12Cに連通する排気ポート12Bを開閉する排気バルブ12Eとを備え、シリンダ孔12Cに摺動自在に配置されたピストン12Fがコンロッド12Gを介してクランクシャフト12Hに連結される。このエンジン12の吸気バルブ12Dが開の状態でピストン12Fが下がる吸気行程(排気バルブ12Eは閉)の際に、ピストン12Fの降下によって生じるエンジン12側の負圧でエアクリーナ11のクリーンサイド11D内の空気がキャブレター13を介してシリンダ孔12Cのピストン12F上方に吸い込まれると共に、キャブレター13から燃料が供給されて燃料と空気の混合気がエンジン12に供給される。
続いて、4サイクルエンジンの一般的な圧縮行程、燃焼工程を経た後に、排気バルブ12Eが開いた状態(吸気バルブ12Dは閉)でピストン12Fが上昇する排気行程が実施されることにより、燃焼ガスが排気ポート12Bに排出され、排気ガスとして排気管14に排出される。
排気管14の後端には接続管17を介して排気マフラー15が接続され、この排気マフラー15は、排気管14を通った高温・高圧の排気ガスを消音して外部に排出するサイレンサとして機能する。図1には、この排気マフラー15が、複数の隔壁15A、15Bによって複数の室に仕切られて各室を連通管15C、15D、15Eで連通した多段膨張型に構成されており、最も上流側に位置する前室に触媒コンバータ30が配置されている。これら排気管14(主管部)、排気マフラー15(収容部)及び接続管17(接続部)は一体となって、上記車両の排気管を構成する。
二次空気導入装置20は、エアクリーナ11のクリーンサイド11Dの空気(二次空気)をエンジン12の排気ポート12Bに送る機構であり、エアクリーナ11のクリーンサイド11Dとエンジン12の排気ポート12Bとを接続する二次空気供給管21を備える。この二次空気供給管21の途中には、バルブユニット22が設けられると共に、排気ポート12Bから排気ガスを二次空気供給管21へ逆流させないためのリードバルブ23が、バルブユニット22と排気ポート12Bとの間に設けられる。なお、図1では、リードバルブ23の追従性向上の観点から、リードバルブ23を、排気ポート12Bにより近い位置であるエンジン12上方に配設した状態を示している。
バルブユニット22は、エンジン減速時に排気ポート12Bへの二次空気の供給を防ぐ二次空気供給制御バルブ24を備えており、この二次空気供給制御バルブ24は、エンジン12の吸気ポート12Aとバルブユニット22とをつなぐ連通管25を介して伝わる吸気ポート12Aのバキュームプレッシャに応じて作動するように構成されている。
また、図中符号35は、エアクリーナ11のクリーンサイド11Dと、エンジン12のクランクケースとを連通する連通管である。この連通管35は、クランクケース内で発生するブローバイガスをエアクリーナ11およびキャブレター13を通してエンジン12に戻し、ブローバイガスの放出を防止するクランクケースエミッション制御装置として機能する。
排気浄化装置10は、上述した排気管14、排気マフラー15、接続管17、及び、排気マフラー15内の触媒コンバータ30等を備えている。
接続管17は、内径が異なる排気管14と排気マフラー15とを、排気管14から排気マフラー15への排気ガスの流れを妨げないように繋いでいる。排気マフラー15は、排気効率を高めるため、排気管14よりも内径が太い管として構成される。このため、接続管17の内径は、排気管14に接合される側の端では、排気管14の内径とほぼ等しく、排気マフラー15に接合される側の端では排気マフラー15の内径とほぼ等しくなっており、接続管17は、一端から他端にかけて径が滑らかに変化するテーパーを有する形状となっている。また、排気管14と接続管17との接合部、及び、接続管17と排気マフラー15との接合部は、いずれも溶接により接合されている。
本実施形態の触媒コンバータ30は、パラジウム(Pd)を主たる成分とし、ロジウム(Rh)を含む触媒を金属製の担体に担持したものである。
触媒コンバータ30を構成する担体は耐熱性を有するものであればよく、例えば、ステンレス、鉄−アルミニウム−クロム系合金等の金属製のものを用いることができる。この担体にウォッシュコートにより坦持層を形成し、この担持層に貴金属を担持させる。また、担体の形状は任意であるが、好適な例としては、いわゆるハニカム型と呼ばれる、円筒形状に細孔が形成された形状や、パンチングメタルを円筒形状に形成した形状が挙げられる。
本実施形態では、外形が円筒形状で、その内部に、軸方向に延びる多数の細孔を有するハニカム形状の、金属製の担体を用いた場合を例示して説明する。この担体には、アルミナ(Al23)を主成分とするスラリーを担体の表面にコーティングすることでウォッシュコート層が形成され、このウォッシュコート層に、触媒として作用する貴金属が担持されている。この担体が有する細孔は、排気管14から流入した排気ガスが流れる方向に延びており、排気ガスが細孔を通過する間に、細孔表面のウォッシュコート層に担持された貴金属によって、排気ガスに含まれるHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)、NOX(窒素酸化物)が浄化される。
触媒コンバータ30に担持された貴金属は、パラジウムとロジウムとを含み、その成分比(パラジウムとロジウムの重量比)は、Pd/Rh=20/1〜8/1(すなわち、Pd:Rh=20:1〜8:1)の範囲内にあることが最も好ましい。
従来、優れた触媒として知られている白金(Pt)とロジウムを含むPt/Rh系の貴金属触媒は、多くの場合、白金とロジウムの成分比が、重量比でPt/Rh=5/1(すなわち、Rh/(Pt+Rh)=0.167)である。この成分比にならって、白金をパラジウムに置き換えたPd/Rh=5/1(すなわち、Rh/(Pd+Rh)=0.167)の構成からなる触媒は、上記のPt/Rh系の貴金属触媒の排気浄化性能に比べて劣っており、特に経時的な性能の低下が著しい。排気浄化性能の向上とともに耐久性の向上を図るには、排気浄化性能及び耐久性に優れたロジウムの比率を高めることが考えられるが、本発明者らは、パラジウムに対するロジウムの比率が上記比率より低い領域で、高い排気浄化性能が得られるとの知見を得た。
すなわち、触媒コンバータ30に担持される貴金属の成分比を、重量比で、Pd/Rh=5/1から、徐々にロジウムの比率が低下するよう変更すると、Pd/Rh=7/1(すなわち、Rh/(Rh+Pd)=0.125)の場合に性能の向上が見られ、成分比がPd/Rh=8/1(すなわち、Rh/(Rh+Pd)=0.111)〜Pd/Rh=20/1(すなわち、Rh/(Rh+Pd)=0.0476)の範囲にある場合に、Pt/Rh=5/1のPt/Rh系の触媒と同等以上の排気浄化性能が得られた。
このように良好な排気浄化性能が得られた理由としては、触媒としてのパラジウムが酸化雰囲気下における耐久性に優れており、表面酸化状態における浄化能力も優れていること、及び、表面が還元状態にある場合には、少量のロジウムが、パラジウムに対するHCの吸着能を適切なレベルに低下させ、パラジウムからのHCの脱離を促進することが考えられる。
このように、ロジウムの成分比が少なくなるように貴金属の成分比を設定することで、パラジウムを主成分として少量のロジウムを含む触媒によって、白金を主成分として多くのロジウムを含む触媒と同等、或いはそれ以上の排気浄化性能を実現できる。そして、最も好ましい成分比は、Pd/Rh=20/1〜8/1の範囲である。この触媒は、高価な白金を用いず、また、より高価なロジウムを少量しか含んでいないため、コストの面で非常に有利であり、また、希少性の高い白金を用いないので、材料供給の安定性においても有利である。
さらに、上記の構成は、耐久性で白金に劣るパラジウムを用いているにも関わらず、高い耐久性を有し、安定して良好な排気浄化性能を発揮できる。
また、触媒コンバータ30における貴金属の担持量は、パラジウムとロジウムとを合わせた総担持量として、30g/ft3(グラム/立方フィート)以上であることが好ましく、最も好ましくは、30〜75g/ft3の範囲内である。なお、35.3147ft3=1m3(立方メートル)であるから、上記の範囲をSI単位系で表現すれば1059.44〜2648.60g/m3に相当する。
担持量が30g/ft3未満では、排気浄化性能が上記のPt/Rh系の触媒に比べて劣り、30g/ft3以上の場合はPt/Rh系の触媒と同等かそれ以上の排気浄化性能が得られる。担持量が75g/ft3を超える場合、排気浄化性能は十分であるが、ロジウムの成分比がPd/Rh=8/1より多くても少なくても、排気浄化性能に有意な差が現れない。言い換えれば、30〜75g/ft3の範囲内では、ロジウムの成分比を減少させることによって、より優れた排気浄化性能が得られるため、低コスト化および材料の安定供給の両面で非常に有利であることから、担持量の最も好ましい範囲は40〜75g/ft3であるといえる。
さらに、上記の効果は、エンジン12が単気筒である場合に、最も顕著である。後に実施例で詳述するように、エンジン12が2気筒以上の場合には、排気浄化性能に若干の低下が見られ、排気浄化性能に変動が見受けられる。一方、エンジン12が単気筒である場合には、触媒コンバータ30によって安定して良好な排気浄化性能が得られるため、最も好ましいといえる。
また、排気浄化装置10においては、二次空気導入装置20によって排気管14に二次空気が供給される構成であることが好ましい。これは、排気管14に二次空気が供給されない構成においては、Pt/Rh系触媒を超えるような排気浄化性能が得られなかったことから、明らかである。
このような結果が得られた理由としては、排気ポート12Bから排気管14に排出される排気ガス中の未燃焼ガスの一部が、排気管14に供給された二次空気と混合されることで燃焼反応を起こし、この過程において排気ガス中の未燃焼ガスと空気の濃度分布のばらつきが発生することが考えられる。
さらに、図1に示したリードバルブ装着型の二次空気導入装置20では、エンジン12の排気ポート12Bから排出される排気ガスの排気脈動が負のときにリードバルブ23が開いて二次空気が排気ガス中に供給される。このため、排気管14には、シリンダ孔12Cから排出された排気ガスと、二次空気導入装置20から排気ポート12Bに供給される二次空気とが、順次送出されるので、触媒コンバータ30には、排気ガスと二次空気とが交互に入り込み、濃度分布のばらつきをより大きくしている。
また、エンジン12は単気筒であるから、排気脈動による排気管14内の排気ガスの圧力変動が顕著に生じるので、排気ガス中の濃度分布のばらつきが、より顕著になっていることも考えられる。
このように、二次空気供給機構20の影響およびエンジン12が単気筒であることが、排気ガス中の濃度分布のばらつきを生じさせ、触媒コンバータ30における燃焼ガスの分解を促進させ、優れた排気浄化性能が発揮されるものと考えられる。
なお、排気管14に導入される外気(新気)は、二次空気導入装置20が供給する二次空気に限らず、新鮮な空気であれば良い。異物や水分の混入を避けられる点では、本実施形態のように、エアクリーナ11により浄化された空気が導入されることが好ましい。
さらに、発明者らは、上記のようにエンジン12が単気筒であること、及び、二次空気導入装置20により排気管14に二次空気が供給されることに加え、排気管14の内径及び長さについても好ましい条件を得た。具体的には、排気管14内を流れる排気が、濃度分布のばらつきを残した状態で触媒コンバータ30に達するようにするため、排気管14の内径は、φ23(23mm)以下であることが好ましい。また、図1中に符号L1で示す排気管14の長さは、700m以下であることが好ましい。
この場合、排気管14内を流れる排気ガスが、濃度の均質化が十分に進行しないうちに触媒コンバータ30に流入するので、良好な排気浄化性能が得られる。ここで、排気管14の長さL1は、エンジン12のシリンダブロックと排気管14との接合面から、接続管17と排気マフラー15との接合部までの長さである。同様に、排気ガスの均質化を防ぐため、接続管17の長さL2は、200mm以下であることが好ましい。
また、本実施形態において、触媒コンバータ30は排気マフラー15に収容されて保持されるが、排気マフラー15の内径が太いほど排気抵抗が小さく、効率よく排気できる。上述したように排気管14の内径は23mm以下であることが好ましいので、排気マフラー15の内径は、排気管14の内径より大きいことが好ましく、最も好適な例としては、排気マフラー15の内径Dが排気管14の内径dの2倍より大きい構成(D/d>2/1)が挙げられる。
さらにまた、本実施形態のエンジン12は、エンジン12の吸気負圧により燃料をエンジン12に供給するキャブレター13(気化器)を備えている。
自動二輪車の燃料供給装置としてキャブレターを採用した場合、空燃比は理論空燃比よりも濃く(リッチに)設定されることが一般的であり、エンジン12の排出ガス中の酸素濃度は薄く、二次空気導入装置20によって供給される二次空気は、その分多くなっている。この構成では、上述した排気ガス中の未燃焼ガスと空気の濃度分布のばらつきが大きいため、上述したPd/Rh系の触媒コンバータ30が高い排気浄化性能を発揮できる。つまり、本発明に係るPd/Rh系の触媒は、キャブレター13を備えたエンジン12に適用した場合に、特に効果的である。
このように、本発明を適用した実施形態に係る排気浄化装置10によれば、エンジン12の吸気負圧によって燃料をエンジン12に供給するキャブレター13と、エンジン12の排気ポートに接続された排気管14と、排気管14内に設けられた触媒コンバータ30と、を備えた自動二輪車の排気浄化装置10において、触媒コンバータ30より上流側において排気管14内に新気を導入する二次空気導入装置20が設けられ、触媒コンバータ30は、パラジウム及びロジウムを含む貴金属を担持して構成され、貴金属の成分比率(重量比)がPd/Rh=20/1〜8/1であり、貴金属の担持量が1059.44〜2648.60g/m3である。このため、キャブレター13によって燃料を供給する構成とした自動二輪車において、排気浄化性能を満足した上で、パラジウムを主成分とした触媒コンバータ30の耐久性を確保し、低コスト化を図ることができる。そして、この構成によれば、例えば、自動二輪車に排気浄化装置10を装着した場合に、CO排出量を1.0g/km未満、HC+NOXの総排出量を1.0g/km未満に抑えることが可能な、白金を主成分とする触媒と比べても遜色のない、高い排気浄化性能を実現できる。
また、排気管14の内径が23mm以下であり、エンジン12の排気出口と触媒コンバータ30との間の排気管14の長さが700mm以下である構成とすれば、より好ましい。さらに、触媒コンバータ30は、排気管14の内径dに対してD/d>2/1を満たす内径Dを有する排気マフラー15に収容され、排気管14と排気マフラー15とは、テーパーを有する接続管17を介して溶接により接合されており、接続管17の長さは200mm以下である構成としてもよい。
なお、触媒コンバータ30のウォッシュコートの主たる成分はアルミナに限定されず、他のセラミックスの微粒子を用いてもよい。また、上記ウォッシュコート層を形成する際に用いるスラリーには、必要量のバインダを混合してもよい。このバインダとしては、ジルコニア系化合物、アルミナ系化合物、シリカ系化合物等が好ましく例示できる。また、ウォッシュコート層の形成に用いるスラリーの溶媒としては、水や有機溶媒を用いることが可能であるが、溶解度や環境負荷等を考慮すると水が好ましい。
担体のウォッシュコート層にパラジウムを坦持させるために用いる材料としては、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、錯塩(ジクロロテトラアンミンパラジウム等)等が挙げられる。また、ロジウムを坦持させる材料としては、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、錯塩(ペンタアンミンクロロロジウム、ヘキサアンミンロジウム等)等が挙げられるが、これらは一例であり、触媒コンバータ30に上述した量のパラジウム及びロジウムを担持させるものであれば特に制限されない。また、貴金属を担持する担体として、セラミックス製のハニカム型担体等を用いることも可能である。
また、本実施形態では、排気浄化装置10を自動二輪車に搭載する場合について説明したが、この自動二輪車の種類や形態に関して何ら制限されない。
以下、本発明を、具体的な実施例によってさらに詳細に説明する。
[実施例1]Pd/Rh系触媒コンバータの製造
アルミナ及び必要量のバインダを含む公知の水系スラリーを調製し、このスラリーを、円筒形のメタルハニカム型の触媒担体(径40mm×長さ60mm)にコーティングした後、乾燥させ焼成し、触媒担体にウォッシュコート層を形成した。続いて、硝酸パラジウムと硝酸ロジウムとを溶解した所定濃度の混合水溶液に、ウォッシュコート層を形成した触媒担体を浸漬し、引き上げて余分な水分を吹き払った後に乾燥した後、焼成し、触媒コンバータを製造した。この触媒コンバータを、図1に示すように排気マフラーとともにエンジンに組み付け、図1の排気浄化装置10を構成した状態で、後述する測定(評価)を行った。
また、上記の混合水溶液における硝酸パラジウムの濃度と硝酸ロジウムの濃度とを個別に調整することにより、ウォッシュコート層に担持されるパラジウムとロジウムの重量比が異なる複数種類の触媒コンバータを調整した。
また、硝酸パラジウムと硝酸ロジウムとを溶解した混合水溶液の濃度、及び、この混合水溶液に触媒担体を浸漬する浸漬時間を調整することによって、パラジウム及びロジウムの総担持量を、20g/ft3(706.29g/m3)、30g/ft3(1059.44g/m3)、40g/ft3(1412.59g/m3)、50g/ft3(1765.74g/m3)、60g/ft3(2118.88g/m3)、75g/ft3(2648.60g/m3)、100g/ft3(3531.47g/m3)にそれぞれ調整して、触媒コンバータを製造した。
[比較例1]Pt/Rh系触媒コンバータの製造
アルミナ及び必要量のバインダを含む公知の水系スラリーを調製し、このスラリーを、円筒形のメタルハニカム型の触媒担体(径40mm×長さ60mm)にコーティングした後、乾燥させ焼成し、触媒担体にウォッシュコート層を形成した。続いて、所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液と所定濃度の硝酸ロジウム水溶液との混合水溶液に、ウォッシュコート層を形成した触媒担体を浸漬し、引き上げて余分な水分を吹き払った後に乾燥した後、焼成し、触媒コンバータを製造した。この触媒コンバータを、実施例1で製造した触媒コンバータと同様に、図1に示すように排気マフラーとともにエンジンに組み付け、図1の排気浄化装置10を構成した状態で、後述する測定(評価)を行った。
[実施例2]排気浄化性能(E/M性能)の評価
実施例1で製造した触媒コンバータ、及び、比較例1で製造した触媒コンバータは、上述のように図1の排気浄化装置10と同様に構成された形態で自動二輪車に搭載され、この自動二輪車を運転することで評価を行った。
この評価にあたっては、まず、使用により劣化した場合の耐久性を検討するため、電気炉内で、窒素雰囲気中において摂氏950度で6時間加熱し、エージングを施した。
続いて、自動二輪車を、図7に示すように系時的に速度を変化させる速度モードに従って運転し、図中に示したサンプリング期間中に排気マフラーから排出される排気ガスの全量を収集した。収集した排気ガスのガス組成を分析することにより、排気浄化性能を評価した。
具体的には、排気浄化性能として特に重要なHC濃度に着目し、比較例1で製造した白金/ロジウム系触媒コンバータ(Pt/Rh=5/1)を用いた場合の排気ガス中のHC濃度を1とし、このHC濃度に対する比(以下、浄化性能比という)として求めた。従って、浄化性能比を示す数が小さいほど、排気浄化性能が高いことになる。
[実施例3]貴金属の成分比と排気浄化性能との相関
実施例1の方法により、パラジウムとロジウムの成分比がPd/Rh=2/1〜25/1の範囲で異なる18種類の触媒コンバータを複数製造し、実施例2の方法により排気浄化性能を評価した。また、比較例1の方法で、白金とロジウムの成分比がPt/Rh=2/1〜10/1の範囲で異なる10種類の触媒コンバータを複数製造し、実施例2の方法により排気浄化性能を評価した。いずれの触媒コンバータも、貴金属の担持量は50g/ft3とした。
図2は、縦軸に浄化性能比をとり、横軸にロジウムとパラジウムまたは白金との成分比をとったグラフである。
図2に示すように、比較例のPt/Rh系触媒ではロジウムの成分比が高いほど排気浄化性能が高く、ロジウムの成分比が低いほど排気浄化性能が低いという結果が得られた。基準であるPt/Rh=5/1の場合に対し、Pt/Rh=10/1の場合の浄化性能比は2に達する。同様に、実施例1のPd/Rh系触媒コンバータは、Pd/Rh=2/1〜6/1の範囲では、ロジウムの成分比が高いほど排気浄化性能が高く、ロジウムの成分比が低いほど排気浄化性能が低い。
しかしながら、実施例1のPd/Rh系触媒コンバータの排気浄化性能は、ロジウムの成分比がPd/Rh=6/1より低くなると向上し、Pd/Rh=8/1の場合には、比較例1のPt/Rh=5/1の場合と同等の排気浄化性能を示した。さらにロジウムの成分比が低い場合も、Pd/Rh=20/1の場合まで同様に高い排気浄化性能が得られた。ロジウムの成分比がPd/Rh=20/1より少なくなると、排気浄化性能の低下が見られた。
以上のことから、パラジウムとロジウムの成分比がPd/Rh=20/1〜8/1の範囲において、実施例1の触媒コンバータは、白金/ロジウム系の触媒コンバータと同等またはそれ以上の、高い排気浄化性能を示すことが明らかになった。
[実施例4]貴金属の担持量と排気浄化性能との相関
実施例1の方法により、パラジウムとロジウムの成分比がPd/Rh=2/1〜25/1の範囲で異なる7種類の触媒コンバータを、貴金属の総担持量が20g/ft3、30g/ft3、40g/ft3、50g/ft3、60g/ft3、75g/ft3、100g/ft3の7種類となるように製造した。
図3は、縦軸に浄化性能比をとり、横軸にロジウムとパラジウムとの成分比をとったグラフに、貴金属の総担持量毎に結果をプロットしたものである。
この図3に示すように、排気浄化性能は貴金属の総担持量と正の相関を有し、担持量が20g/ft3の場合の傾向として、ロジウムの比率を高めると浄化性能比が低下するが、実施例3のようにロジウムの比率を低下させた場合に浄化性能比が低下するという特異性は、現れなかった。担持量が30〜75g/ft3の場合はPd/Rh=20/1〜8/1の範囲で、ロジウムの比率を低くした状態で、ロジウムを多く含む場合と同等の特性が得られるという特性が確認された。また、担持量が40g/ft3以上の場合は、Pd/Rh=20/1〜8/1の範囲で浄化性能比がほぼ1以下となり、白金を主成分とする触媒コンバータに遜色のない排気浄化性能が得られる。
また、総担持量が75g/ft3を超え、100g/ft3になると、成分比(Pd/Rh)の変化に対する排気浄化性能の変化が小さくなることが明らかになった。つまり、ロジウムの成分比を少なく抑えることの効果が有意に現れなくなるので、低コスト化および材料の安定供給の両面で有利な範囲は30〜75g/ft3であるといえる。
[実施例5]エンジンの気筒数による排気浄化性能への影響
実施例1の方法により製造した触媒コンバータ(供試仕様:成分比Pd/Rh=11/1、総担持量50g/ft3)を排気浄化装置に組み込み、自動二輪車に搭載して、実施例2の方法により排気浄化性能の評価を行った。
自動二輪車としては、排気量125cm3の単気筒のエンジンを搭載した車両、及び、排気量125cm3の2気筒のエンジンを搭載した車両を用い、5回ずつ排気浄化性能の評価を行った。各車両はいずれもキャブレター及び二次空気導入装置を備えていた。
表1に、5回分の浄化性能比を車両毎に示す。
Figure 2010096158

表1に示すように、単気筒のエンジンを搭載した車両に実施例1の触媒コンバータを装着した場合には、5回とも良好な排気浄化性能が得られた。これに対し、2気筒のエンジンを搭載した車両に実施例1の触媒コンバータを装着した場合、回毎に排気浄化性能のばらつきが大きく、かつ、全ての回において浄化性能比が1を上回っており、良好な排気浄化性能は得られなかった。
[実施例6]エンジンの排気量による排気浄化性能への影響
実施例1の方法により製造した触媒コンバータ(供試仕様:成分比Pd/Rh=11/1、総担持量50g/ft3)を排気浄化装置に組み込み、自動二輪車に搭載して、実施例2の方法により排気浄化性能の評価を行った。
自動二輪車としては、それぞれ排気量が50cm3、125cm3、250cm3のエンジンを搭載した3種類の車両を用いた。各車両はいずれも単気筒であり、キャブレター及び二次空気導入装置を備えていた。但し、250cm3のエンジンを搭載した車両についてのみ、径40mm×長さ120mmのメタルハニカム型の触媒担体を用いて製造した触媒コンバータを装着して評価を行った。
図4は、縦軸に浄化性能比をとり、横軸にロジウムとパラジウムとの成分比をとったグラフに、車両毎の結果をプロットしたものである。
この図4に示すように、いずれの車両に装着した場合も、排気浄化性能は良好な結果を示した。従って、単気筒のエンジンであれば、排気量にかかわらず良好な排気浄化性能が得られることが明らかになった。
[実施例7]排気管の径と排気浄化性能との相関
実施例1の方法により製造した触媒コンバータ(供試仕様:成分比Pd/Rh=11/1、総担持量50g/ft3)を排気浄化装置に組み込み、自動二輪車(供試仕様:排気量125cm3、単気筒、キャブレター仕様、二次空気導入装置付き)に搭載して、実施例2の方法により排気浄化性能を評価した。この評価は、外径、肉厚及び内径が異なる6種類の排気管を用いた場合の各々について行った。
表2に、排気管の種類毎の浄化性能比を示し、浄化性能比を示す値が小さいほど、排気浄化性能が高いことを示す。
Figure 2010096158
表2に示す結果から、排気管の内径の変化が排気浄化性能に影響を与えることが明らかになった。そして、内径が23mmを超えたケースでは浄化性能比が1を上回ったため、良好な排気浄化性能が得られる好ましい排気管の内径が、23mm以下であることが明らかになった。
[実施例8]排気管の長さと排気浄化性能との相関
実施例1の方法により製造した触媒コンバータ(供試仕様:成分比Pd/Rh=11/1、総担持量50g/ft3)を排気浄化装置に組み込み、自動二輪車(供試仕様:排気量125cm3、単気筒、キャブレター仕様、二次空気導入装置付き)に搭載して実施例2の方法により排気浄化性能を評価した。
この評価は、長さが異なる8種類の排気管を用いた場合の各々について行った。
表3に、排気管の長さ毎の浄化性能を示し、浄化性能比を示す値が小さいほど、排気浄化性能が高いことを示す。
Figure 2010096158
表3に示す結果から、排気管の長さが排気浄化性能に影響を与えることが明らかになり、長さ440〜700mmでは良好な排気浄化性能を示し、長さ520〜700mmでは、特に好ましい排気浄化性能を示した。これに対し、排気管の長さが750mmのケースでは浄化性能比が1を上回ったため、良好な排気浄化性能が得られる好ましい排気管の長さが700mm以下であることが明らかになった。
[実施例9]接続管の長さと排気浄化性能との相関
実施例1の方法により製造した触媒コンバータ(供試仕様:成分比Pd/Rh=11/1、総担持量50g/ft3)を排気浄化装置に組み込み、自動二輪車(供試仕様:排気量125cm3、単気筒、キャブレター仕様、二次空気導入装置付き)に搭載して、実施例2の方法により排気浄化性能を評価した。
この評価は、排気マフラーと排気管とを繋ぐ接続管として、長さが異なる8種類の接続管を用いた場合の各々について行った。
表4に、接続管の長さ毎の浄化性能比を示し、浄化性能比を示す値が小さいほど、排気浄化性能が高いことを示す。
Figure 2010096158
表4に示す結果から、接続管の長さが排気浄化性能に影響を与えることが明らかになり、長さ10〜200mmでは良好な排気浄化性能を示したのに対し、接続管の長さが250mmのケースでは浄化性能比が1を上回った。このため、良好な排気浄化性能が得られる好ましい接続管の長さが200mm以下であることが明らかになった。
[比較例2]車両の燃料供給の仕様による排気浄化性能への影響
この比較例は、燃料供給装置としてキャブレターでなく燃料噴射装置(FI)を用いた場合の排気浄化性能を検討するために行った。
実施例1の方法により、パラジウムとロジウムの成分比がPd/Rh=2/1〜25/1の範囲で異なる7種類の触媒コンバータ(総担持量50g/ft3)を製造し、それぞれ排気浄化装置に組み込み、自動二輪車に搭載して実施例2の方法により排気浄化性能を評価した。自動二輪車の供試仕様は、排気量125cm3、単気筒、二次空気導入装置付き、燃料噴射装置仕様であった。
図5は、縦軸に浄化性能比をとり、横軸にロジウムとパラジウムとの成分比をとったグラフである。
図5に示す結果は、実施例6(図4)の排気量125cm3のケースと比較できる。実施例6のケースでは、パラジウムとロジウムの成分比がPd/Rh=20/1〜8/1の範囲において特に高い排気浄化性能を示すのに対し、本比較例(図5)では、ロジウムの比率が低下するに従って排気浄化性能が低下しており、実施例6のような排気浄化性能の向上はなかった。
この実施例6と比較例2とを対照することにより、気化器仕様の車両に搭載された場合に、ロジウムが占める成分比が少ないほど排気浄化性能が向上するという効果が得られることが明らかになった。
[比較例3]二次空気導入装置の有無による排気浄化性能への影響
この比較例は、二次空気導入装置を備えていない車両を用いた場合の排気浄化性能を検討するために行った。
実施例1の方法により、パラジウムとロジウムの成分比がPd/Rh=2/1〜25/1の範囲で異なる7種類の触媒コンバータ(総担持量50g/ft3)を製造し、それぞれ排気浄化装置に組み込み、自動二輪車に搭載して実施例2の方法により排気浄化性能を評価した。自動二輪車の供試仕様は、排気量125cm3、単気筒、気化器仕様であり、二次空気導入装置を備えていない車両であった。
図6は、縦軸に浄化性能比をとり、横軸にロジウムとパラジウムとの成分比をとったグラフである。
図6に示す結果は、実施例6(図4)の排気量125cm3のケースと比較できる。実施例6のケースでは、パラジウムとロジウムの成分比がPd/Rh=20/1〜8/1の範囲において特に高い排気浄化性能を示すのに対し、本比較例(図6)では、ロジウムの比率が低下するに従って排気浄化性能が低下しており、実施例6のような排気浄化性能の向上はなかった。
この実施例6と比較例3とを対照することにより、二次空気導入装置が配設された場合に、ロジウムが占める成分比が少ないほど排気浄化性能が向上するという効果が得られることが明らかになった。
以上のような裏付けにより、本発明を適用した排気浄化装置は、パラジウムを主成分とする貴金属を触媒として用い、高い排気浄化性能が得られることが明らかになった。また、エージングを伴う排気浄化性能の評価において良好な結果が得られたことから、パラジウムを主成分とする触媒でありながら、優れた耐久性を有することも明らかになった。そして、パラジウムを主成分として、通常より明らかに少ない量のロジウムを含む貴金属を触媒として、高い排気浄化性能を満足するので、低コスト化、及び、材料の安定供給の面で有用な排気浄化装置を実現できる。
本発明の排気浄化装置は、内燃機関の排気ガスに含まれるHC、CO、NOX等の成分を高い能力で浄化できるので、自動車や自動二輪車等の車両の排気ガスを浄化する目的に適用できる。
本発明の実施形態に係る排気浄化装置の構成を示す図である。 貴金属の成分比と排気浄化性能との相関を示す図表である。 貴金属の担持量と排気浄化性能との相関を示す図表である。 エンジンの排気量による排気浄化性能への影響を示す図表である。 車両の燃料供給の仕様による排気浄化性能への影響を示す図表である。 二次空気導入装置による排気浄化性能への影響を示す図表である。 排気浄化性能の評価方法を示す図表である。
符号の説明
10 排気浄化装置
11 エアクリーナ
12 エンジン
12B 排気ポート
13 キャブレター(気化器)
14 排気管(主管部)
15 排気マフラー(収容部)
16 コネクティングチューブ
17 接続管(接続部)
20 二次空気導入装置
21 二次空気供給管
30 触媒コンバータ

Claims (3)

  1. 単気筒4サイクルエンジンである内燃機関と、前記内燃機関の吸気負圧によって燃料を前記内燃機関に供給する気化器と、前記内燃機関の排気ポートに接続された排気管と、前記排気管内に設けられた触媒コンバータとを備えた自動二輪車の排気浄化装置において、
    前記触媒コンバータより上流側において前記排気管内に新気を導入する二次空気導入装置が設けられ、
    前記触媒コンバータは、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)を含む貴金属を担持して構成され、貴金属の成分比率(重量比)がPd/Rh=20/1〜8/1であり、貴金属の担持量が1059.44〜2648.60g/m3であること、
    を特徴とする自動二輪車の排気浄化装置。
  2. 前記排気管の内径が23mm以下であり、前記内燃機関の排気出口と前記触媒コンバータとの間の前記排気管の長さが700mm以下であること、
    を特徴とする請求項1記載の自動二輪車の排気浄化装置。
  3. 前記排気管は、前記排気ポートに接続された主管部と、前記触媒コンバータを収容する収容部と、これら主管部と収容部とを繋ぐ接続部とを有し、
    前記接続部はテーパーを有する形状に形成され、前記主管部及び前記収容部に対して溶接により接合されており、前記接続部の長さは200mm以下であること、
    を特徴とする請求項1または2記載の自動二輪車の排気浄化装置。
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