JP2010095771A - クラスター生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きなサイズのクラスターを生成することが可能なクラスター生成装置を提供する。
【解決手段】クラスター生成室1と、該クラスター生成室1内に配置されたターゲット(放電部)3を有するマグネトロンスパッターガン2と、該クラスター生成室1内に配置されたガス放出部を有するガス導入口4とを備えるクラスター生成装置であって、クラスター生成室1の形状が、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】クラスター生成室1と、該クラスター生成室1内に配置されたターゲット(放電部)3を有するマグネトロンスパッターガン2と、該クラスター生成室1内に配置されたガス放出部を有するガス導入口4とを備えるクラスター生成装置であって、クラスター生成室1の形状が、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、マグネトロンスパッター法によりクラスター生成室内で発生した蒸気を冷却ガスで冷却してクラスターを生成し、クラスター生成室内のクラスター出口から放出させることに関係する。
電極上に配置されたターゲット材料に、真空中でArイオンが衝突し、ターゲットの原子を飛び出させ、対向する基板上に付着させる。これがスパッタリング現象による成膜である。しかし、従来の直流グロー放電や高周波によって発生させたプラズマを利用するだけの2極スパッター方式や、熱陰極を付加する3極スパッター方式では、成膜速度が遅くターゲット表面から叩き出された二次電子によって基板温度が上昇するという課題があった。
そこで、マグネトロンスパッター法では、ターゲット表面に磁界を印加して、この二次電子をローレンツ力で捉えてサイクロイドまたはトロコイド運動させることによりArガスとのイオン化衝突の頻度を増大させ、ターゲット付近に高密度プラズマを生成させることで、成膜速度の高速化を可能にした。また、電子が磁界による束縛から逃れて基板に入射するまでにイオン化衝突による運動エネルギー低減が十分なされるために、高エネルギー電子の基板衝撃は起こらずそれに伴う基板温度上昇が抑制される。
クラスター生成部の基本的な構成としては、アルゴンガス及びヘリウムガスが供給されるようにしたクラスター生成室内にマグネトロンスパッター部を配置し、該スパッター部に配置したターゲットの原子にアルゴンイオンを打ち込んで、スパッタ蒸発を起こし、発生した蒸気を前記ヘリウムガスで冷却してターゲットの原子を結合させてクラスターを生成し、クラスター生成室の端部に設けたクラスター出口(絞り部)から放出されるようになっている。
スパッタリングによりターゲットから叩き出されたイオンは、放射状に飛び出す。その後クラスター出口に向かったガスの流れの中で、クラスター化する。しかしクラスター出口までクラスター生成室の胴部の内径が一定の大きさのままであるため、イオン密度が低いままでクラスター化が起こりにくく、大きなクラスターを生成することが難しい。また、クラスター出口で急にクラスター生成室の内径が小さくなるため、ガスの流れが乱れる(渦が発生する)。これにより、クラスター生成室の内壁に衝突・付着し、クラスター出口に到達できないクラスターが発生する(図1参照)。
本発明者は、従来の前記のような課題を有するクラスターの生成装置について鋭意検討した結果、クラスター生成室1の形状を、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなる形状にすることによって、大きなサイズのクラスターを生成することが可能となること、またクラスター生成室の内壁に衝突・付着し、クラスター出口に到達できないクラスターの量を減らすこと可能となることを見出し、本発明に到達した(図2参照)。
本発明により、下記(1)が提供される。
(1)クラスター生成室1と、該クラスター生成室1内に配置されたターゲット(放電部)3を有するマグネトロンスパッターガン2と、該クラスター生成室1内に配置されたガス放出部を有するガス導入口4とを備えるクラスター生成装置において、
クラスター生成室1の形状が、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなることを特徴とする、クラスター生成装置。
(1)クラスター生成室1と、該クラスター生成室1内に配置されたターゲット(放電部)3を有するマグネトロンスパッターガン2と、該クラスター生成室1内に配置されたガス放出部を有するガス導入口4とを備えるクラスター生成装置において、
クラスター生成室1の形状が、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなることを特徴とする、クラスター生成装置。
クラスター生成室の形状に関して、クラスター出口に向かって徐々に内径を小さくすることにより、ターゲットから飛び出したイオン・原子がクラスター化する部分において、クラスターの密度が大きくなり、大きなサイズのクラスターを生成することが可能となる。また、クラスター生成室の内壁、特にクラスター出口付近のクラスター生成室の隅部へのクラスター付着を抑制し、クラスター出口から放出されるクラスター量が多くなる。
本発明に係るクラスターの生成装置の実施態様を図2に基づいて説明する。本発明のクラスター生成装置は、クラスター生成室1と、該クラスター生成室1内に配置されたマグネトロンスパッター部2と、該クラスター生成室1内に配置されたガス放出部を有するガス導入口4とを備え、クラスター生成室1の形状が、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなるように構成されている。
クラスター生成室の内径は、例えば、ターゲット3の周囲で直径5〜30cm、クラスター出口で直径1〜10cm、大口径から小口径への傾斜角を10〜80度とすることによって、クラスター生成室1の形状が、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなるように構成されている。
マグネトロンスパッターガン2は図2に示す通り、前面側にターゲット(放電部)3が固定されるようになっている。マグネトロンスパッターガン2の内部には電源ワイヤ及びアルゴンガスArのような放電ガス供給パイプが通され、放電ガスが効率的にマグネトロンスパッター部2の周辺に供給されるようになっている。ヘリウムガスのような冷却ガスは、ガス導入口4から冷却ガス供給パイプを介してクラスター生成室1内のガス放出部に供給される。
上記の、クラスター生成室1、マグネトロンスパッターガン2およびガス導入口4をすべて真空容器内に配置し、真空容器内は真空ポンプにより排気される。
前記のような構成において、クラスター生成室1に放電ガスを導入し、ターゲット3に電位を印加することによりスパッター放電を起こし、ガス導入口4から冷却ガスを導入する。スパッタリングによりターゲットから放出されたイオンおよび原子は、放電ガスおよび冷却ガスによってクラスター出口5に向かって流れていく。この際、イオンおよび原子が衝突することにより、原子が集団化してクラスターが生成される。クラスターは、クラスター出口5に到達し、クラスター生成室の外に放出される。
クラスター化の際、クラスター生成室1の内径が徐々に小さくなっていることにより、イオンおよび原子の密度が、ターゲット3からクラスター出口5に向かうにつれて大きくなり、クラスター化が促進され、大きなクラスターが生成される。
さらに、クラスター生成室1の内径が徐々に小さくなっていることにより、(従来型のようにクラスター出口付近のクラスター生成室の隅部で渦流が発生することに伴うクラスターの吸着が解消されるので、)クラスター生成室1の内壁へのクラスターの吸着が抑制され、結果としてクラスター出口5から放出されるクラスターの量が増加する。
このようにしてクラスター出口5から放出されるクラスターは、クラスター出口に向かい合うように配置した基板に堆積させた。
上記の態様において、放電ガスや冷却ガスの流量、マグネトロンのタイプの選定、スパッターレート等の他の諸条件を適宜好適に設定することができる。また、ターゲットの素材としては、アルミニウム,珪素,鉄,コバルトなどから適宜選択することができる。
図3を参照しながら、本発明の例を説明する。
まず、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなる形状を有するクラスター生成室を用意した。ここでは、クラスター生成室の内径を、ターゲット3の周囲で直径5〜30cmとし、クラスター出口で直径1〜10cmとし、大口径から小口径への傾斜角を10〜80度とした。
クラスター生成室1内に、ターゲット(放電部)3を有するマグネトロンスパッターガン2を用意した。さらに、クラスター生成室1内に、ガス放出部を有するガス導入口4を用意した。
上記の、クラスター生成室1、マグネトロンスパッターガン2およびガス導入口4をすべて真空容器内に配置し、真空容器内を真空ポンプにより排気した。
マグネトロンスパッターガン2に放電ガス(本例ではアルゴンを使用)をクラスター生成室1内に1Ncc/秒で導入した。
マグネトロンスパッターガン2の先端に配置したターゲット3(例えば白金)に電位を印加(250V)することにより放電を起こす。
ガス導入口4から、冷却ガス(本例ではヘリウムを使用)をクラスター生成室1内に2Ncc/秒で導入した。
スパッタリングによりターゲット3から放射状に飛び出したイオンおよび原子は、放電ガスおよび冷却ガスによってクラスター出口5に向かって流れていく。この際、イオンおよび原子が衝突することにより、クラスター化が生じる。クラスターは、クラスター出口5に到達し、クラスター出口5からクラスター生成室1の外部へ放出される。クラスター化の際、クラスター生成室1の内径が徐々に小さくなっていることにより、イオンおよび原子の密度が、ターゲット3からクラスター出口5に向かうにつれて大きくなり、クラスター化が促進され、大きなクラスターが生成される。
さらに、クラスター生成室1の内径が徐々に小さくなっていることにより、クラスター生成室1の内壁へのクラスターの吸着が抑制され、結果としてクラスター出口5から放出されるクラスターの量が増加した。
このようにしてクラスター出口5から放出されるクラスターを、基板に堆積させた。
1 クラスター生成室
2 マグネトロンスパッターガン
3 ターゲット(放電部)
4 ガス導入口
5 クラスター出口(開口部)
6 クラスター
2 マグネトロンスパッターガン
3 ターゲット(放電部)
4 ガス導入口
5 クラスター出口(開口部)
6 クラスター
Claims (1)
- クラスター生成室1と、該クラスター生成室1内に配置されたターゲット(放電部)3を有するマグネトロンスパッターガン2と、該クラスター生成室1内に配置されたガス放出部を有するガス導入口4とを備えるクラスター生成装置において、
クラスター生成室1の形状が、クラスター出口(開口部)5に向かって徐々に内径が小さくなることを特徴とする、クラスター生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008268838A JP2010095771A (ja) | 2008-10-17 | 2008-10-17 | クラスター生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008268838A JP2010095771A (ja) | 2008-10-17 | 2008-10-17 | クラスター生成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010095771A true JP2010095771A (ja) | 2010-04-30 |
Family
ID=42257655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008268838A Pending JP2010095771A (ja) | 2008-10-17 | 2008-10-17 | クラスター生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010095771A (ja) |
-
2008
- 2008-10-17 JP JP2008268838A patent/JP2010095771A/ja active Pending
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