JP2010094305A - 椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】背凭れのシェルが着座者の上体をより好適に支持することができる椅子を提供する。
【解決手段】本発明に係る椅子は、脚部1に支持された支持基部2の上方に座4を配するとともに、その支持基部2に背凭れ5を後傾動作可能に支持させてなる椅子であって、前記背凭れ5を構成する背アウターシェル51の下端部51bを支持基部2にまで延長し、その背アウターシェル51の延長端51b1を支持基部2における背凭れ5支持用の支軸17に取り付けている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明に係る椅子は、脚部1に支持された支持基部2の上方に座4を配するとともに、その支持基部2に背凭れ5を後傾動作可能に支持させてなる椅子であって、前記背凭れ5を構成する背アウターシェル51の下端部51bを支持基部2にまで延長し、その背アウターシェル51の延長端51b1を支持基部2における背凭れ5支持用の支軸17に取り付けている。
【選択図】図3
Description
本発明は、オフィス等で好適に使用される事務用の回転椅子に関するものである。
従来、椅子、特に事務用の椅子において、座の昇降のみならず、背凭れの角度や腰部を支持するための部位などを着座者の所望の位置に合わせるため、背支桿に支持された背凭れのシェルの位置や向きを調整したり変形させたりすることにより、着座者にとって快適な座り心地を提供したり、着座者の体格に応じた所定の着座姿勢を提供したりすることができる椅子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特に上述した特許文献に記載のものは、各可動部位を調整することにより、長時間の着座姿勢によっても着座者に疲労を蓄積させ得ない姿勢を提供することも可能なものととなっている。具体的に説明すると、これらの椅子は、着座者に接する着座面の形状、角度などを着座者にとっての快適な着座姿勢に追随させる様各可動部位を調節することにより、着座者に快適な座り心地を提供し得るものとなっている。
特開2002−119363号公報
ここで、上述したような椅子は背凭れのシェルを着座者の上体を支持或いは着座者の上体の動作に好適に追随し得るように背支桿に支持されたものとなっており、シェルの動作は、背支桿の動作を適宜設定することによって設定されたものとなっている。ここで換言すると、上述のような椅子は、着座者の上体を支持するか或いは上体の動作に追随させるべくシェルを動作させるか変形させたいところ、実は常に背支桿の動作に依存しているために当該背支桿の動作に制限されているということも考えられる。
そして現状では、背凭れのシェルを、これまでよりもさらに好適に着座者の上体を支持したり、上体の動作に追随したりし得る椅子が求められている。
本発明は、このような点に着目したものであり、背凭れのシェルが着座者の上体をより好適に支持することができる椅子を提供する。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る椅子は、脚部に支持された支持基部の上方に座を配するとともに、その支持基部に背凭れを後傾動作可能に支持させてなる椅子であって、前記背凭れを構成する背アウターシェルの下端部を支持基部にまで延長し、そのアウターシェルの延長端を支持基部における背凭れ支持用の支軸に取り付けていることを特徴とする。
このようなものであれば、アウターシェルが直接支軸に取り付けられるため、アウターシェルの動作や変形が、背支桿の有無に拘わらずに自由に行い得るものとなるので、着座者の上体をより好適に支持し、且つ、上体の動作にも、より好適に追従させる背凭れを構成することが可能となる。その結果、着座者に快適な着座感を与え得る椅子を提供することが可能となる。
そして支持基部に取り付けられた箇所に十分な強度を付与しつつ着座者の上体を好適に支持するためには、背アウターシェルを、起立したシェル本体と、座の下方に位置する下端部と、前記シェル本体をこの下端部に滑らかに連続させる中間屈曲部とを一体に備えたものとすることが望ましい。
椅子自体の円滑な動作と背凭れの強度の確保とを有効に両立させるためには、座を、前記支持基部上に設けた座受けに対して前後方向に固定位置を変更し得るものとし、前記中間屈曲部を、前記座の後端部を受け入れるための受入空間を形成すべく正面視において、或いは側面視において凹陥するように湾曲させることが好ましい。
そして特に平面視及び側面視ともに凹陥するように中間屈曲部を湾曲させることにより中間屈曲部の内面を部分球面状に形成した球状面部としているものであれば、背背凭れの強度をより有効に高めることが可能となる。
特に支持基部に取り付けられた下端部に掛かる力に好適に十分に耐え得るとともに背凭れの動作を円滑に行わせるためには、下端部を、延長端に向かって滑らかに捻じれた外面を有したものとし、前記延長端における外面が支持基部の外側面と略平行な起立面をなすものとすることが好ましい。
そして、斯かる背アウターシェルを所謂シンクロチルト動作を行う椅子の好適に適用させるためには、座を前記支持基部上に設けた座受けに支持されたものとし、前記座受けの前側を前記支持基部に前後移動自在に取り付けるとともに、前記座受けの後側を前記背アウターシェルの下端部に相対回転可能に支持させることが好ましい。
さらに、簡素な構成により確実に背座の連動を実現するためには、前記背アウターシェルに、下端部に座受けの後側を支持するための座受け支持部を設けることが好ましい。
また肘支柱の取り回しを最小限としつつ着座者の動きに追随し易い肘掛けを構成するためには、この背アウターシェルの中間屈曲部に肘掛けを取り付けるための肘掛け取付部を一体に設けたものとすればよい。
滑らかな外形や背アウターシェル自体の強度を確保しつつ、内部は部品の取付や取り付けた部品自体の「動作しろ」として有効に活用し得るものとするためには、前記背アウターシェルを、周縁厚肉領域と、この周縁厚肉領域に囲まれた薄肉領域とを有したものであり、前記薄肉領域は、該座アウターシェルの前面側のみを凹陥させることにより周縁厚肉領域よりも薄肉に形成されたものとすることが好ましい。
そして、上述したような構成により剛性を有効に向上させた背アウターシェルの構成を、着座感の向上に、よりいっそう寄与させるようにするための構成として、背アウターシェルが、流体の導出入により防縮する流体バッグを支持する構成を挙げることができる。そしてこのように流体バッグを採用した場合における流体バッグの動作の安定性や、組み付け時の容易さ・確実さをより向上させるために背アウターシェルが、前記流体バッグと前記流体の導出入を制御するための流体制御機器とを有してなる背ユニットを着脱可能に支持する構成とすることが好ましい。
本発明によれば、アウターシェルが直接支軸に取り付けられるため、背支桿の有無に拘わらずにアウターシェルの動作や変形が自由に行い得る背凭れを構成することが可能となるので、着座者の上体をより好適に支持し、且つ、上体の動作にも、より好適に追従させる背凭れを構成することが可能となる。その結果、着座者に快適な着座感を与え得る椅子を提供することができる可能となる。
以下、本発明をシンクロチルトタイプの事務用回転椅子に適用した場合の一実施形態につき、図1ないし図19を参照して説明する。
この椅子は、図1ないし図3に示すように、脚部1に支持された支持基部2上に座受け3を介して座4を配するとともに、前記支持基部2に背凭れ5を後傾動作可能に取り付けたものである。前記背凭れ5には、ランバーサポート6、ヘッドレスト7、及び肘掛け8が装着してある。以下、各部の構成を説明する。
<脚部1の構成>
脚部1は、図1ないし図3に示すように、キャスター11aを有した脚羽根タイプの脚ベース11と、この脚ベース11の中心部に立設した脚支柱13とを具備してなる。前記脚支柱13は、ガススプリングを主体に構成された通常のもので、この脚支柱13の上端部に前記支持基部2が取り付けられている。
脚部1は、図1ないし図3に示すように、キャスター11aを有した脚羽根タイプの脚ベース11と、この脚ベース11の中心部に立設した脚支柱13とを具備してなる。前記脚支柱13は、ガススプリングを主体に構成された通常のもので、この脚支柱13の上端部に前記支持基部2が取り付けられている。
<支持基部2の構成>
支持基部2は、図2及び図3に示すように、前記脚部1によって水平旋回可能に支持されたもので、前記脚支柱13に装着されたハウジング15と、このハウジング15に貫装される背凭れ5支持用、詳細には後述する背アウターシェル51支持用の支軸17と、この支軸17に力を付与して前記背凭れ5の後傾動作に対して弾性反発力を発生させる図示しない傾動反力発生機構とを具備してなる。前記傾動反力発生機構は、図示しないコイルスプリングやガススプリング等を用いて前記支軸17に回転方向の弾性反発力を付与し得るように構成されたものであるが、通常のものであるため説明を省略する。
支持基部2は、図2及び図3に示すように、前記脚部1によって水平旋回可能に支持されたもので、前記脚支柱13に装着されたハウジング15と、このハウジング15に貫装される背凭れ5支持用、詳細には後述する背アウターシェル51支持用の支軸17と、この支軸17に力を付与して前記背凭れ5の後傾動作に対して弾性反発力を発生させる図示しない傾動反力発生機構とを具備してなる。前記傾動反力発生機構は、図示しないコイルスプリングやガススプリング等を用いて前記支軸17に回転方向の弾性反発力を付与し得るように構成されたものであるが、通常のものであるため説明を省略する。
<座受け3の構成>
座受け3は、図3及び図4に示すように、座受本体19と、この座受本体19の上面にビス等により取り付けられ前記座4を前後移動可能に案内する案内部材21とを具備してなる。座受本体19は、多数のリブにより補強された厚板状のもので、その前端側19aが前記支持基部2に前後動自在に支持されているとともに、後端側19bが後述するようにして前記背凭れ5に相対回動可能に支持されている。この構成によって、この座受け3上に配される座4が、前記背凭れ5の後傾動作に対して一定の角度比率をもって沈み込む動作、換言すれば、シンクロチルト動作が実現されるようになっている。
座受け3は、図3及び図4に示すように、座受本体19と、この座受本体19の上面にビス等により取り付けられ前記座4を前後移動可能に案内する案内部材21とを具備してなる。座受本体19は、多数のリブにより補強された厚板状のもので、その前端側19aが前記支持基部2に前後動自在に支持されているとともに、後端側19bが後述するようにして前記背凭れ5に相対回動可能に支持されている。この構成によって、この座受け3上に配される座4が、前記背凭れ5の後傾動作に対して一定の角度比率をもって沈み込む動作、換言すれば、シンクロチルト動作が実現されるようになっている。
<座4の構成>
座4は、図1ないし図9に示すように、大腿部サポート領域4bと、臀部サポート領域4cと、左、右のサイドサポート領域4d、4eとを有したもので、具体的構造としては、座アウターシェル23上に座ユニット25を装着してなる。
座4は、図1ないし図9に示すように、大腿部サポート領域4bと、臀部サポート領域4cと、左、右のサイドサポート領域4d、4eとを有したもので、具体的構造としては、座アウターシェル23上に座ユニット25を装着してなる。
座アウターシェル23は、前記座受本体19上に前後方向にスライド可能に跨座させたシェル本体23aと、このシェル本体23aの左、右両側に設けたサイドサポート形成部23b、23cとを備えたもので、合成樹脂により一体に成形されている。前記シェル本体23aには、図4に示すように、前後方向に伸びるスリット23dが形成されている。これらのスリット23dは、底面側が上面側よりも幅狭となる逆L字形の横断面形状をなしており、これらスリット23dにスライド可能に係わり合わせた前記案内部材21を前記座受本体19にビス等を用いて止着することによって、この座アウターシェル23を前記座受本体19に前後移動可能に、且つ離脱不能に取り付けている。なお、前記座アウターシェル23と前記座受本体19との間には、座4の前後方向の固定位置を調節するための図示しないロック機構が設けてある。このロック機構は、常時は前記座アウターシェル23を前記座受本体19にロックしておき、後述する非流体バッグ用操作体4yの一つを操作することによってそのロック状態を解除することができるようにした通常のものである。前記座アウターシェル23の一方のサイドサポート形成部23bには、流体バッグ用操作体4x、すなわち、後述する開閉操作体35c及びリリース操作体37cを表出させるための欠除窓23eが設けてあり、他方のサイドサポート形成部23cには、前記非流体バッグ用操作体4yを取り付けるための操作体取付部23fが設けてある。このようにしてなる座アウターシェル23の上に前記座ユニット25を装着している。
座ユニット25は、図4に示すように、シェル或いはユニット基板として機能する座インナーシェル27と、この座インナーシェル27の表面側を覆う外装材29とを具備してなるもので、前記座インナーシェル27と前記外装材29との間には、流体である空気の導出入により膨縮する大腿部支持用の流体バッグ31と、臀部支持用の流体バッグ33とを介在させるとともに、座インナーシェル27にはこれら両流体バッグ31、33への流体の導出入を制御するための座用流体制御機器91が取り付けてある。これら両流体バッグ31、33は、図4、図7及び図8に示すように、開閉バルブ35により開閉される連通流路39により連通可能に接続されており、また、一方の流体バッグ31は、リリースバルブ37により開閉されるリリース流路41を介して外部流体存在環境である大気中に開放され得るようになっている。座用流体制御機器91を構成するこれらのバルブ35、37は保持部材である下面カバー43によって前記座インナーシェル27に取り付けられている。
座インナーシェル27は、図4及び図9に示すように、前記座アウターシェル23に着脱可能に取り付けられ、且つ座4の着座面4aに作用する荷重を受け止めるためのもので、シェル本体27aと、このシェル本体27aの左右両側に設けられたサイドサポート形成部27bとを具備してなる。前記シェル本体27aと前記サイドサポート形成部27bとは、合成樹脂等により一体に成形されたもので、前記サイドサポート形成部27bは、背面側において凹陥した形態をなしている。前記両流体バッグ31、33は、図4及び図7に示すように、前記シェル本体27aの表面側に添えられており、座用流体制御機器91を構成する前記開閉バルブ35、及びリリースバルブ37は、前記サイドサポート形成部27bの背面側にリブ27fにより位置決め保持されて配されている。そして、前記下面カバー43をビス等により前記サイドサポート形成部27bに取り付けることによって、前記両バルブ35、37がこの座インナーシェル27に保持されるようになっている。前記シェル本体27aと前記サイドサポート形成部27bとの境界部分には対をなす通路27cが形成されており、これらの通路27cに前記流体バッグ31、33と前記バルブ35、37とを接続させるための配管39a、39bを挿通させている。前記各通路27cは、図4及び図9に示すように、前記座インナーシェル27の背面側を溝状に凹陥させて形成した流路保護部たるトンネル部27dと、このトンネル部27d内を該座インナーシェル27の表面側に連通させる孔27eとを備えてなる。前記トンネル部27dの幅及び深さは、前記配管39a、39bを嵌め込むことができる寸法に設定してある。このようにしてなる座インナーシェル27の周縁部、且つ、両流体バッグ31、33を配した表面側の反対側である下面側に前記外装材29の周縁部を図示しないタッカ等を用いて止着している。
外装材29は、図3ないし図6に示すように、両流体バッグ31、33を配した座インナーシェル27の上面側の略全面を覆い隠すようにしているものであり、モールドウレタン等により作られた外部クッション29aと、この外部クッション29aの表面側を含んで座インナーシェル27の表面側略全面を覆っている張地29bとを具備してなる。すなわち、両流体バッグ31、33と張地29bとの間に前記外部クッション29aを配置している。そしてこの外装材29は、座4の前後方向中間箇所において座インナーシェル27側に引き込まれており、それによって前記大腿部サポート領域4bと前記臀部サポート領域4cとを区画する境界k1が形成されている。前記大腿部支持用の流体バッグ31は前記大腿部サポート領域4bに内蔵されるとともに、前記臀部支持用の流体バッグ33は前記臀部サポート領域4cに内蔵されている。換言すれば、これら両流体バッグ31、33は前記境界k1を挟んで隣接するように配されている。前記外装材29の引き込み部分の構成を具体的に説明すれば次の通りである。図6に拡大して示すように、前記外部クッション29aの表面側における前記境界k1に対応する部位に領域区成溝k1mを形成しておく。そして、前記張地29bの表面側に添えた引込線材k1sを前記座インナーシェル27方向に牽引して前記引込線材k1sを前記張地29bと共に前記領域区成溝k1m内に没入させて収納することによって前記境界k1を形成している。前記引込線材k1sの引き込みには、前記外部クッション29a及び座インナーシェル27に貫通させた紐k1h等が用いられる。
なお、図5に示すように、両流体バッグ31、33の周囲を囲うように配置している外部クッション29aの底面側における両流体バッグ31、33の間に形成された境界k1に対応する部位には、前記領域区成溝k1mを内包する壁k1kが形成されており、この壁k1kによって前記境界k1に実質的な厚みが付与されている。換言すれば、この壁k1kによって、隣接する前記流体バッグ31、33同士が一定距離以下に接近しないように位置決めされている。この座4においては、図1に示すように、前記大腿部サポート領域4bと前記左、右のサイドサポート領域4d、4eとの間にも境界k2、k3が形成され、また、前記臀部サポート領域4cと前記左、右のサイドサポート領域4d、4eとの間にも境界k4、k5が形成されている。そして、前記外部クッション29aの背面側における前記境界k2、k3に対応する部位に形成された壁k2k、k3kによって、前記大腿部支持用の流体バッグ31の左右方向の位置決めを行うとともに、前記境界k4、k5に対応する部位に形成された壁k4k、k5kによって、前記臀部支持用の流体バッグ33の左右方向の位置決めを行なっている。
大腿部支持用の流体バッグ31は、図4、図7及び図8に示すように、合成樹脂フィルム等により作られ内部に膨縮可能な流体室31bを形成する袋体31aと、前記流体室31b内に収容した自己復帰用弾性体たる内部クッション31cとを具備してなるもので、その一端部には、前記流体室31bに連通する流体導出入口31dを有している。前記内部クッション31cは、スラブウレタン等により作られたもので、前記流体導出入口31dに対応する部位に空洞を形成するための欠除部31fを有するとともに、着座面4a側の面に流体である空気の流れを円滑化するための流動制御手段たる流通溝31gを備えている。前記流通溝31gは、例えば、複数本平行に形成されている。この流体バッグ31は、その周縁に立壁部31eを有した厚みのあるもので、立壁部を有しない同一平面形状の流体バッグに比べて厚み変化率が小さく設定されている。
ここで、「厚み変化率」とは、外部から荷重をかけない状態で流体バッグ31や後述する流体バッグ33、59、61に本実施形態では空気である流体を導出入させる場合における単位流量当たりの厚み寸法の変化値を意味している。なお、前記厚み寸法とは、着座面4a、5aに直交する方向の寸法であって、最も変化の大きな部位の値をいう。換言すれば、前記厚み寸法とは、着座面4a、5aに直交する方向の寸法であって、着座面4a、5aに最も影響を与える部位の値をいう。着座感を設定するには、流体バッグ31、33、59、61の全容積がどのように変化するかという点よりも、流体バッグ31、33、59、61がどれだけ着座面4a、5a方向に膨縮するかという点に着目する必要があるからである。
流体バッグ31、33、59、61の厚み変化率は、座4や背凭れ5に内蔵させた流体バッグ31、33、59、61が前記座4や背凭れ5の着座面4a、5aに及ぼす影響の大小を表す特性値である。厚み変化率が大きな値を示すということは、同じ量の流体の導出入に対して流体バッグ31、33、59、61の厚みがより変化しやすいということを意味しており、厚み変化率が小さな値を示すということは、その逆を意味している。
厚み変化率は、基本的には流体バッグ31、33、59、61の実質的な容量を異ならせることにより調節することができる。しかし、椅子に適用される流体バッグ31、33、59、61においては、座4や背凭れ5の全体形状、あるいは、流体バッグ31、33、59、61を内蔵させる領域の形状や広狭によって、着座面4a、5a側からの投影面積や形状に一定の制限を受ける。そのため、かかる制限下で流体バッグ31、33、59、61の厚み変化率を調整するには、流体バッグ31、33、59、61の周縁形態、すなわち、立壁部31e、33e、59e、61eの有無や、立壁部31e、33e、59e、61eの変形特性が重要な要素となる。
臀部支持用の流体バッグ33は、図4、図7及び図8に示すように、合成樹脂フィルム等により作られ内部に膨縮可能な流体室33bを形成する袋体33aと、前記流体室33b内に収容した自己復帰用弾性体である内部クッション33cとを具備してなるもので、その一端部には、前記流体室33bに連通する流体導出入口33dを有している。前記内部クッション33cは、スラブウレタン等により作られたもので、前記流体導出入口33dに対応する部位に空洞を形成するための欠除部33fを有するとともに、着座面4a側の面に流体である空気の流れを円滑化するための流動制御手段たる流通溝33gを備えている。前記流通溝33gは、例えば、複数本平行に形成されている。この流体バッグ33は、その周縁に立壁部33eを有した厚みのあるもので、立壁部を有しない同一平面形状の流体バッグに比べて厚み変化率が小さく設定されている。この流体バッグ33の流体導出入口33dは、連通流路39を介して前記流体バッグ31の流体導出入口31dに接続されており、この連通流路39を前記開閉バルブ35によって断続させ得るようになっている。
開閉バルブ35は、図4及び図7に示すように、一端に第1ポート35aを、他端に第2ポート35bをそれぞれ有し、内部に前記両ポート35a、35b間の連通を断続させるための図示しない弁体を備えた通常のものである。この開閉バルブ35は、図7に示すように、レバー状をなす開閉操作体35cを実線で示す開位置oに操作した場合に前記第1ポート35aと第2ポート35bとを連通させ、想像線で示す閉位置cに操作した場合に前記両ポート35a、35b間の連通を遮断するように構成されている。この開閉バルブ35の第1ポート35aは、前記連通流路39の一部を構成する配管39aを介して前記大腿部支持用流体バッグ31の流体導出入口31dに接続され、第2ポート35bは、前記連通流路39の一部を構成する配管39bを介して前記臀部支持用流体バッグ33の流体導出入口33dに接続されている。この開閉バルブ35に前記リリースバルブ37を隣接させている。
リリースバルブ37は、図4及び図7に示すように、一端に第1ポート37aを、他端に第2ポート37bをそれぞれ有し、内部に前記両ポート37a、37b間の連通を断続させるための図示しない弁体を備えた通常のものである。このリリースバルブ37は、押しボタン状をなすリリース操作体37cを有してなるもので、そのリリース操作体37cをリリース位置まで押圧操作した場合に前記第1ポート37aと第2ポート37bとを連通させ、操作を止めた場合に前記両ポート37a、37b間の連通を遮断するように構成されている。このリリースバルブ37の第1ポート37aは、外部流体存在環境である大気中に開放されており、第2ポート37bは、前記リリース流路41の一部を構成する配管41aを介して前記大腿部支持用流体バッグ31の流体導出入口31dに接続されている。このリリースバルブ37と前記開閉バルブ35は、前述したように保持部材たる下面カバー43を用いて前記座4の一方のサイドサポート領域4dの下面側に取り付けられている。
下面カバー43は、図4及び図9に示すように、前記開閉バルブ35の開閉操作体35cを取り付けるための孔43aと、前記リリースバルブ37のリリース操作体37cを外部に表出させるための窓43bを有した板状のもので、ビス等を用いて前記座インナーシェル27のサイドサポート形成部27bに取り付けられる。下面カバー43を取り付けた状態では、前記リブ27fにより位置決めされた両バルブ35、37が該下面カバー43と前記サイドサポート形成部27bとの間に挟持状態で保持される。この下面カバー43の外面側に配される開閉操作体35cは、図2に示すように、前記孔43aを介して前記開閉バルブ35に機械的に取り付けられ、前記リリースバルブ37のリリース操作体37cは、前記窓43bを介して外部に表出するようになっている。なお、以上のようにしてなる座ユニット25を前記座アウターシェル23上に装着した状態では、前記下面カバー43が前記座アウターシェル23の欠除窓23eに嵌まり込み、外観上、その下面カバー43の外面が前記座アウターシェル23の外面の一部をなすように形作られている。座ユニット25の座インナーシェル27と前記座アウターシェル23との結合構造は、通常のものであるため図示及び説明を省略する。なお、以上のような構成によれば、両バルブ35、37の操作部35c、37cも座ユニット25の一構成要素になるため、操作部35c、37cを含む座ユニット25を一体として着脱したり、移動させることが可能になる。また、この座ユニット25を座アウターシェル23に装着した場合には、椅子の外方から直接操作できるように構成される。
しかして、本実施形態に係る椅子は、脚部1に支持された支持基部2の上方に座4を配するとともに、その支持基部2に背凭れ5を後傾動作可能に支持させてなる椅子であって、前記背凭れ5を構成する背アウターシェル51の下端部51bを支持基部2にまで延長し、その背アウターシェル51の延長端51b1を支持基部2における背凭れ5支持用の支軸17に取り付けていることを特徴とする。
以下、本実施形態の構成を背凭れ5の構成を踏まえて詳述する。
<背凭れ5の構成>
背凭れ5は、図1ないし図3及び図10ないし図19に示すように、背中サポート領域5bと、腰部サポート領域5cと、左、右のサイドサポート領域5d、5eとを有したもので、具体的構造としては、背アウターシェル51の表面に背ユニット53を装着してなる。
背凭れ5は、図1ないし図3及び図10ないし図19に示すように、背中サポート領域5bと、腰部サポート領域5cと、左、右のサイドサポート領域5d、5eとを有したもので、具体的構造としては、背アウターシェル51の表面に背ユニット53を装着してなる。
背アウターシェル51は、図2及び図3、そして特に図17ないし図19に示すように、起立したシェル本体51aと、前記座4の下方に位置させた下端部51bと、前記シェル本体51aをこの下端部51bに滑らかに連続させる中間屈曲部51cとを具備してなる。換言すれば、この背アウターシェル51は、その下端部51bを前記支持基部2にまで延長してなるもので、その延長端51b1を前記支持基部2における背凭れ支持用の支軸17に取り付けている。この背アウターシェル51は、例えば、アルミダイキャスト製の一体成形品であり、通常の椅子における背支桿に匹敵する強度を備えている。そして、この背アウターシェル51は、前記背支桿と同様に、前記支軸17の回転に伴って後傾動作を行い得るようになっている。
シェル本体51aは、図3及び図17ないし図19に示すように、表面に前記背ユニット53が取り付けてあるものであり、周縁厚肉領域51a1と、薄肉領域51a2と、中間屈曲部51cに連続する基端領域51a3とを有している。具体的にこのシェル本体51aは、特に図18に断面を示すように、後側に面する外側の面の曲率よりも内側の面の曲率を大きく形成するなどして、前面側のみを凹陥させることにより、結果として肉厚となる縁部を周縁圧肉領域51a1とし、当該周縁圧肉領域51a1に囲まれた薄肉に形成された領域を薄肉領域51a2としている。さらに、この薄肉領域51a2によって窪ませた空間は背ユニット53と当該シェル本体51aとの間に介在する介在空間51a4としている。子の介在空間51a4によって、後述する背ユニット53のユニット基板である背インナーシェル55の一時的な撓みを許容したり、後述する配管69a、69bの流体制御機器93等の取り回しも可能なようにしている。そして基端領域51a3においては厚みを略一定に構成するとともに、着座者の腰部から背中に亘る身体の湾曲度合いに対応すべく後方へ湾曲させて形成しており、さらに当該基端領域51a3において着座者に荷重による若干の後ろ方向への撓みを許容し得るように構成している。
下端部51bは、同図に示すように、嵌合孔51b3を介して支持基部2に取り付けられる延長端51b1に向かって滑らかに捻じれつつ起立した起立面である外面51b2を有するとともに、下端部51bにおける上面側には、前記座受本体19の後端側19bを相対回転可能に支持するための座受け取付部51dをさらに備えている。そして嵌合孔は、その内面に凹凸面51b4を形成することにより、支持基部2の上述した支軸17に強固に嵌り合った状態で取り付けられるものとなっている。
中間屈曲部は、同図に示すように、内面51c3を後方へ、すなわち前面視において凹陥するように湾曲させて窪ませることによって上述した座4の前後動を許容する受入空間51c1を形成したものであり、その両側端においては、中間屈曲部51cの表面側には前記肘掛け8を取り付けるための肘掛け取付部51eが一体に設けてある。そして前記内面51c3と、肘掛け取付部51eの内側面51c4とは、それぞれ球面状の窪ませることによって、この受入空間51a1を含む領域を部分球面形状に窪ませることによって、球状面部51c2を形成している。換言すれば、中間屈曲部51cの内面51c3を含む球状面部51c2の曲率は、中間屈曲部51cの外側の面よりも曲率を大きく設定しており、結果として肉厚となる両側の部位を適宜成形することによって、肘掛け取付部51eを形成している。
しかして本実施形態では、特に図19に示すように、斯かる中間屈曲部51cの内面51c3を部分球面状に形成して球状面部51c2とすることにより、後ろ方向や後ろ方向に係る捻れ方向の外力に拘わらず、中間屈曲部51cの側面視屈曲形状を強固に維持し得るものとなっている。具体的にこの球状面部51c2は、中間屈曲部51cの内面51c3と肘掛け取付部51eの内側面51c4とを略連続させることによって、球状面部51c2自体をより大きな領域に形成している。そして、この球状面部51c2を形成することによって、中間屈曲部51cは外力による撓みや折れ、「べこつき」をより有効に回避し得るものとなっている。
そして背ユニット53は、図10、図12及び図16に示すように、本発明のシェル或いはユニット基板として機能する背インナーシェル55と、この背インナーシェル55の表面側を覆う外装材57とを具備してなるもので、前記背インナーシェル55と前記外装材57との間には、流体である空気の導出入により膨縮する背中支持用の流体バッグ59と、腰部支持用の流体バッグ61とを介在させるとともに、背インナーシェル55にはこれら両流体バッグ59、61への流体の導出入を制御するための背用流体制御機器93が取り付けてある。これら両流体バッグ59、61は、図10及び図13に示すように、開閉バルブ65により開閉される連通流路69により連通可能に接続されており、また、一方の流体バッグ61は、リリースバルブ67により開閉されるリリース流路71を介して外部流体存在環境である大気中に開放され得るようになっている。背用流体制御機器93を構成するこれらのバルブ65、67は保持部材である背面カバー73によって前記背インナーシェル55に取り付けられている。
背インナーシェル55は、図10及び図15に示すように、前記背アウターシェル51に対して着脱可能に取り付けられて背凭れ5の着座面5aに作用する荷重を受け止めるためのもので、シェル本体55aと、このシェル本体55aの左右両側に設けられたサイドサポート形成部55bとを具備してなる。前記シェル本体55aと前記サイドサポート形成部55bとは、合成樹脂等により一体に成形されたもので、前記サイドサポート形成部55bは、図15に拡大して示すように、背面側において凹陥した形態をなしている。前記両流体バッグ59、61は、前記シェル本体55aの表面側に添えられており、背用流体制御機器93を構成する前記開閉バルブ65、及びリリースバルブ67は、前記サイドサポート形成部55bの背面側にリブ55fにより位置決め保持されて配されている。そして、前記背面カバー73をビスや弾性爪等により前記サイドサポート形成部55bに取り付けることによって、前記両バルブ65、67がこの背インナーシェル55に保持されるようになっている。図10及び図15に示すように、前記シェル本体55aと前記サイドサポート形成部55bとの境界部分には対をなす通路55cが形成されており、これらの通路55cに前記流体バッグ59、61と前記バルブ65、67とを接続させるための配管69a、69bを挿通させている。前記各通路55cは、前記背インナーシェル55の背面側を溝状に凹陥させて形成した流路保護部たるトンネル部55dと、このトンネル部55d内を該背インナーシェル55の表面側に連通させる孔55eとを備えてなる。前記トンネル部55dの幅及び深さは、前記配管69a、69bを嵌め込むことができる寸法に設定してある。このようにしてなる背インナーシェル55の周縁部、且つ、両流体バッグ59、61を配した表面側の反対側である背面側に前記外装材57の周縁部を図示しないタッカ等を用いて止着している。
外装材57は、図10ないし図12及び図16に示すように、両流体バッグ59、61を配した背インナーシェル55の上面側の略全面を覆い隠すようにしているものであり、モールドウレタン等により作られた外部クッション57aと、この外部クッション57aの表面側を覆う張地57bとを具備してなる。すなわち、両流体バッグ59、61と張地57bとの間に前記外部クッション57aを配置している。そしてこの外装材57は、前記背凭れ5の上下方向中間箇所において前記背インナーシェル55側に引き込まれており、それによって前記背中サポート領域5bと前記腰部サポート領域5cとを区画する境界k11が形成されている。前記背中支持用の流体バッグ59は前記背中サポート領域5bに内蔵されるとともに、前記腰部支持用の流体バッグ61は前記腰部サポート領域5cに内蔵されている。換言すれば、これら両流体バッグ59、61は前記境界k11を挟んで隣接するように配されている。前記外装材57の引き込み部分の構成を具体的に説明すれば次の通りである。図12に拡大して示すように、前記外部クッション57aの表面側における前記境界k11に対応する部位に領域区成溝k11mを形成しておく。そして、前記張地57bの表面側に添えた引込線材k11sを前記背インナーシェル55方向に牽引して前記引込線材k11sを前記張地57bと共に前記領域区成溝k11m内に没入させることによって前記境界k11を形成している。前記引込線材k11sの引き込みには、前記外部クッション57a及び背インナーシェル55に貫通させた紐k11h等が用いられる。
なお、図11に示すように、両流体バッグ59、61の周囲を囲うように配置している前記外部クッション57aの背面側における両流体バッグ59、61の間に形成された前記境界k11に対応する部位には、前記領域区成溝k11mを内包する壁k11kが形成されており、この壁k11kによって前記境界k11に実質的な厚みが付与されている。換言すれば、この壁k11kによって、隣接する前記流体バッグ59、61同士が一定距離以下に接近しないように位置決めされている。この背凭れ5においては、図1に示すように、前記背中サポート領域5bと前記左、右のサイドサポート領域5d、5eとの間にも境界k12、k13が形成され、また、前記腰部サポート領域5cと前記左、右のサイドサポート領域5d、5eとの間にも境界k14、k15が形成されている。そして、前記外部クッション57aの背面側における前記境界k12、k13に対応する部位に形成された壁k12k、k13kによって、前記背中支持用の流体バッグ59の左右方向の位置決めを行うとともに、前記境界k14、k15に対応する部位に形成された壁k14k、k15kによって、前記腰部支持用の流体バッグ61の左右方向の位置決めを行なっている。
背中支持用の流体バッグ59は、図13及び図14に示すように、合成樹脂フィルム等により作られ内部に膨縮可能な流体室59bを形成する袋体59aと、前記流体室59b内に収容した自己復帰用弾性体たる内部クッション59cとを具備してなるもので、その一端部には、前記流体室59bに連通する流体導出入口59dを有している。前記内部クッション59cは、スラブウレタン等により作られたもので、前記流体導出入口59dに対応する部位に空洞を形成するための欠除部59fを有するとともに、着座面4a側の面に流体である空気の流れを円滑化するための流動制御手段たる流通溝59gを備えている。前記流通溝59gは、例えば、複数本平行に形成されている。この流体バッグ59は、その周縁に立壁部を有しないもので、立壁部を有する同一正面形状の流体バッグに比べて厚み変化率が大きく設定されている。
腰部支持用の流体バッグ61は、図13及び図14に示すように、合成樹脂フィルム等により作られ内部に膨縮可能な流体室61bを形成する袋体61aと、前記流体室61b内に収容した自己復帰用弾性体である内部クッション61cとを具備してなるもので、その一端部には、前記流体室61bに連通する流体導出入口61dを有している。前記内部クッション61cは、スラブウレタン等により作られたもので、前記流体導出入口61dに対応する部位に空洞を形成するための欠除部61fを有するとともに、着座面5a側の面に流体である空気の流れを円滑化するための流動制御手段たる流通溝61gを備えている。前記流通溝61gは、例えば、複数本平行に形成されている。この流体バッグ61は、その周縁に立壁部を有しない薄手のもので、立壁部を有する同一正面形状の流体バッグに比べて厚み変化率が大きく設定されている。なお、この流体バッグ61は、正面視において、前記背中支持用の流体バッグ59よりも小さな面積を有しており、その流体室61bの容積は前記背中支持用の流体バッグ59の流体室59bの容積よりも小さく設定されている。すなわち、この腰支持用流体バッグ61の厚み変化率は、前記背中支持用流体バッグ59の厚み変化率よりも大きく設定されている。この流体バッグ61の流体導出入口61dは、連通流路69を介して前記流体バッグ59の流体導出入口59dに接続されており、この連通流路69を前記開閉バルブ65によって断続させ得るようになっている。
開閉バルブ65は、図10及び図13に示すように、一端に第1ポート65aを、他端に第2ポート65bをそれぞれ有し、内部に前記両ポート65a、65b間の連通を断続させるための図示しない弁体を備えた通常のものである。この開閉バルブ65は、図13に示すように、レバー状をなす開閉操作体65cを実線で示す開位置oに操作した場合に前記第1ポート65aと第2ポート65bとを連通させ、想像線で示す閉位置cに操作した場合に前記両ポート65a、65b間の連通を遮断するように構成されている。この開閉バルブ65の第1ポート65aは、前記連通流路69の一部を構成する配管69aを介して前記腰部支持用流体バッグ61の流体導出入口61dに接続され、第2ポート65bは、前記連通流路69の一部を構成する配管69bを介して前記背中支持用流体バッグ59の流体導出入口59dに接続されている。この開閉バルブ65に前記リリースバルブ67を隣接させている。
リリースバルブ67は、図10及び図13に示すように、一端に第1ポート67aを、他端に第2ポート67bをそれぞれ有し、内部に前記両ポート67a、67b間の連通を断続させるための図示しない弁体を備えた通常のものである。このリリースバルブ67は、押しボタン状をなすリリース操作体67cを有してなるもので、そのリリース操作体67cをリリース位置まで押圧操作した場合に前記第1ポート67aと第2ポート67bとを連通させ、操作を止めた場合に前記両ポート67a、67b間の連通を遮断するように構成されている。このリリースバルブ67の第1ポート67aは、外部流体存在環境である大気中に開放されており、第2ポート67bは、前記リリース流路71の一部を構成する配管71aを介して前記腰部支持用流体バッグ61の流体導出入口61dに接続されている。このリリースバルブ67と前記開閉バルブ65は、前述したように保持部材たる背面カバー73を用いて前記背凭れ5の一方のサイドサポート領域5dの背面側に取り付けられている。
背面カバー73は、図2及び図15に示すように、前記開閉バルブ65の開閉操作体65cを取り付けるための孔73aと、前記リリースバルブ67のリリース操作体67cを外部に表出させるための窓73bを有した板状のもので、ビスや弾性爪等を用いて前記背インナーシェル55のサイドサポート形成部55bに取り付けられる。背面カバー73を取り付けた状態では、前記リブ55fにより位置決めされた両バルブ65、67が該背面カバー73と前記サイドサポート形成部55bとの間に挟持状態で保持される。この背面カバー73の外面側に配される開閉操作体65cは、前記孔73aを介して前記開閉バルブ65に機械的に取り付けられ、前記リリースバルブ67のリリース操作体67cは、前記窓73bを介して外部に表出するようになっている。なお、以上のようにしてなる背ユニット53を前記背アウターシェル51の表面に装着した状態では、前記背面カバー73の外面が、前記背アウターシェル51の背面と連続するように形作られている。前記背ユニット53の背インナーシェル55と前記背アウターシェル51との結合構造は、通常のものであるため図示及び説明を省略する。なお、以上のような構成によれば、両バルブ65、67の操作部65c、67cも背ユニット53の一構成要素になるため、操作部65c、67cを含む背ユニット53を一体として着脱したり、移動させることが可能になる。また、この背ユニット53を背アウターシェル51に装着した場合には、椅子の外方から直接操作できるように構成される。以上のようにしてなる背凭れ5にランバーサポート6を設けている。
<ランバーサポート6の構成>
ランバーサポート6は、図3及び図16に示すように、前記腰支持用の流体バッグ61の背面に食い込むようにして前記背インナーシェル55の表面側に配されたランバーサポート部材75と、このランバーサポート部材75を上下方向に移動させるための位置調節機構77とを具備してなる。前記ランバーサポート部材75は、前記流体バッグ61の背面を押圧しつつ摺れ動くための曲面75aを有してなるもので、具体的には、例えば、蒲鉾形をなしている。このランバーサポート部材75の背面には、対をなす突起75bが設けてある。前記位置調節機構77は、前記両突起75bを案内するために背インナーシェル55に設けた上下に延びる対をなすスリット77aと、前記背インナーシェル55の背面側に配され上端部77cを前記スリット77aを通して前記背面側に臨ませた前記突起75bにビス75cを用いて結合させた昇降操作レバー77bとを具備してなる。この昇降操作レバー77bの把持部77dは、前記背ユニット53の両側縁よりも外方に突出させてあり、この把持部77dに上下方向の操作力を加えることによって、前記ランバーサポート部材75の上下方向位置を変更することができるようになっている。
ランバーサポート6は、図3及び図16に示すように、前記腰支持用の流体バッグ61の背面に食い込むようにして前記背インナーシェル55の表面側に配されたランバーサポート部材75と、このランバーサポート部材75を上下方向に移動させるための位置調節機構77とを具備してなる。前記ランバーサポート部材75は、前記流体バッグ61の背面を押圧しつつ摺れ動くための曲面75aを有してなるもので、具体的には、例えば、蒲鉾形をなしている。このランバーサポート部材75の背面には、対をなす突起75bが設けてある。前記位置調節機構77は、前記両突起75bを案内するために背インナーシェル55に設けた上下に延びる対をなすスリット77aと、前記背インナーシェル55の背面側に配され上端部77cを前記スリット77aを通して前記背面側に臨ませた前記突起75bにビス75cを用いて結合させた昇降操作レバー77bとを具備してなる。この昇降操作レバー77bの把持部77dは、前記背ユニット53の両側縁よりも外方に突出させてあり、この把持部77dに上下方向の操作力を加えることによって、前記ランバーサポート部材75の上下方向位置を変更することができるようになっている。
<その他オプション類の構成>
ヘッドレスト7は、図1ないし図3に示すように、ヘッドレスト本体79と、このヘッドレスト本体79を支えるヘッドレストフレーム81と、このヘッドレストフレーム81を昇降可能に保持する取付部83とを具備してなるもので、その取付部83を前記背アウターシェル51の上端部表面側にビス等を用いて取り付けている。その取付構造は通常のものであるため、図示及び説明を省略する。
ヘッドレスト7は、図1ないし図3に示すように、ヘッドレスト本体79と、このヘッドレスト本体79を支えるヘッドレストフレーム81と、このヘッドレストフレーム81を昇降可能に保持する取付部83とを具備してなるもので、その取付部83を前記背アウターシェル51の上端部表面側にビス等を用いて取り付けている。その取付構造は通常のものであるため、図示及び説明を省略する。
肘掛け8は、図1ないし図3に示すように、背凭れ5の両側にそれぞれ設けられたもので、基端部を前記背アウターシェル51の肘掛け取付部51eに取り付けた肘支柱87と、この肘支柱87に支持された肘当て89とを具備してなる。
次いで、以上説明した実施形態の作動について説明する。
この椅子は、背凭れ5に凭れかかることによって、この背凭れ5が弾性反発力を伴いつつ後傾動作を行なう。背凭れ5が後傾すると、この背凭れ5の背アウターシェル51の下端部に後端側を支持させた座受け3がシンクロ動作を行い、後退しながら後端側が沈み込む方向に傾動する。座4の右側のサイドサポート領域4eの下面側に設けた非流体バッグ用操作体4yを選択的に操作することによって、背凭れ5を所望の後傾位置にロックしたり、脚部1の支柱13の伸縮位置を変更して座面の高さ位置を変えたり、座受け3に対する座4の前後方向固定位置を変更することができる。以上の操作は、通常の事務用回転椅子に採用されている公知の技術又はそれに準じた技術により実現されるものであり、詳細な説明は省略する。以下、流体バッグに関する作動を詳細に説明する。
<座に関する作動>
座4の左側のサイドサポート部4dの下面側に配設された流体バッグ操作体4x、すなわち、座用流体制御機器91を構成する開閉操作体35cとリリース操作体37cを操作することによって、前記座4に内蔵した大腿部支持用の流体バッグ31と、臀部支持用の流体バッグ33とを相反的に膨縮させて着座者に対する保持状態を調節することができる。
座4の左側のサイドサポート部4dの下面側に配設された流体バッグ操作体4x、すなわち、座用流体制御機器91を構成する開閉操作体35cとリリース操作体37cを操作することによって、前記座4に内蔵した大腿部支持用の流体バッグ31と、臀部支持用の流体バッグ33とを相反的に膨縮させて着座者に対する保持状態を調節することができる。
まず、図7に実線で示すように、開閉操作体35cを開位置oに操作すると、大腿部支持用流体バッグ31の流体室31bと臀部支持用流体バッグ33の流体室33bとが連通流路39を介して連通状態となる。この状態で着座者が体重を前方に移して大腿部で座4の着座面4aを圧迫すると、大腿部支持用流体バッグ31に対する圧縮方向の荷重が、臀部支持用流体バッグ33に対する荷重よりも大きくなる。その結果、大腿部支持用流体バッグ31内の空気が連通流路39を通して臀部支持用流体バッグ33に流入することになり、大腿部支持用流体バッグ31が縮小するとともに、臀部支持用流体バッグ33が膨らむ。逆に、着座者が体重を後方に移して臀部で座4の着座面4aを圧迫すると、臀部支持用流体バッグ33に対する荷重が大腿部支持用流体バッグ31に対する荷重よりも大きくなる。その結果、臀部支持用流体バッグ33内の空気が連通流路39を通して大腿部支持用流体バッグ31に流入することになり、臀部部支持用流体バッグ33が縮小するとともに、大腿部支持用流体バッグ31が膨らむ。
以上のように、開閉操作体35cを開位置oに操作した場合には、座4の着座面4aに作用する荷重に応じて前記両流体バッグ31、33が相反的に膨縮するものであり、前記座4が着座者の姿勢変更に追従してそのサポート状態を変える機能を発揮する。一方、図7に想像線で示すように、前記開閉操作体35cを閉位置cに操作して開閉バルブ35を遮断状態に切換えると、前記両流体バッグ31、33が所望の変形状態においてロックされることになる。すなわち、大腿部支持用流体バッグ31が縮小するとともに臀部支持用流体バッグ33が膨らんだ状態でロックすると、座4の着座面4aが前傾姿勢で着座者を保持する状態となり、執務に適した姿勢を適切に維持することが可能となる。一方、臀部支持用流体バッグ33が縮小するとともに大腿部支持用流体バッグ31が膨らんだ状態でロックすると、座4の着座面4aが後傾姿勢で着座者を保持する状態となり、リラックスした姿勢を許容し得るものとなる。以上説明した前傾姿勢と後傾姿勢の中間所望位置で両流体バッグ31、33をロックすることもできるのは勿論である。そして、ロック状態においても各流体バッグ31、33内における空気の流動や体積変化は起こり得るため、各流体バッグ31、33は個別にクッション機能を発揮し得るものとなる。
なお、前記流体バッグ31、33内の空気は袋体を構成する合成樹脂シート等を通して徐々に外部に漏洩することがあり、長期間使用していると前記流体バッグ31、33の適切な膨らみが得られなくなる。その場合には、前記開閉バルブ35を開くとともに座4の着座面4aに荷重をかけない状態を維持した上で、リリース操作体37cをリリース位置に押圧操作してリリースバルブ37を開成状態にする。その結果、前記両流体バッグ31、33の流体室31b、33bはリリース流路41を介して外部流体存在環境である大気中に開放されることになる。その結果、前記両流体バッグ31、33は、内部に収容した内部クッション31c、33cの弾性反発力によって外気、すなわち流体である空気を吸引しながら膨らみ、正規の基準状態にまで自己復帰することになる。前記両流体バッグ31、33が前記基準位置にまで自己復帰し終わった段階で、前記リリース操作体37cへの押圧操作を止めてリリース流路41を閉じれば、再び前述したような作用を営ませることが可能となる。
<背凭れの作動>
背凭れ5の左側に形成されたサイドサポート部5dの背面側に配設された背用流体制御機器93を構成する開閉操作体65cとリリース操作体67cを操作することによって、前記背凭れ5に内蔵した背中支持用の流体バッグ59と、腰部支持用の流体バッグ61とを相反的に膨縮させて着座者に対する保持状態を調節することができる。
背凭れ5の左側に形成されたサイドサポート部5dの背面側に配設された背用流体制御機器93を構成する開閉操作体65cとリリース操作体67cを操作することによって、前記背凭れ5に内蔵した背中支持用の流体バッグ59と、腰部支持用の流体バッグ61とを相反的に膨縮させて着座者に対する保持状態を調節することができる。
まず、図13に実線で示すように、開閉操作体65cを開位置oに操作すると、背中支持用流体バッグ59の流体室59bと腰部支持用流体バッグ61の流体室61bとが連通流路69を介して連通状態となる。この状態で着座者が後傾動作等に伴って背中で背凭れ5の着座面5aを圧迫すると、背中支持用流体バッグ59に対する圧縮方向の荷重が、腰部支持用流体バッグ61に対する荷重よりも大きくなる。その結果、背中支持用流体バッグ59内の流体である空気が連通流路69を通して腰部支持用流体バッグ61に流入することになり、背中支持用流体バッグ59が縮小するとともに、腰部支持用流体バッグ61が膨らむ。逆に、着座者が前傾動作等に伴って腰部で背凭れ5の着座面5aを圧迫すると、腰部支持用流体バッグ61に対する荷重が背中支持用流体バッグ59に対する荷重よりも大きくなる。その結果、腰部支持用流体バッグ61内の空気が連通流路69を通して背中支持用流体バッグ59に流入することになり、腰部支持用流体バッグ61が縮小するとともに、背中支持用流体バッグ59が膨らむ。
以上のように、開閉操作体65cを開位置oに操作した場合には、背凭れ5の着座面5aに作用する荷重に応じて前記両流体バッグ59、61が相反的に膨縮するものであり、前記背凭れ5が着座者の姿勢変更に追従してそのサポート状態を変える機能を発揮する。一方、図13に想像線で示すように、前記開閉操作体65cを閉位置cに操作して開閉バルブ65を遮断状態に切換えると、前記両流体バッグ59、61が所望の変形状態においてロックされることになる。すなわち、背中支持用流体バッグ59が縮小するとともに腰部支持用流体バッグ61が膨らんだ状態でロックすると、背凭れ5の着座面5aが後傾姿勢で着座者を保持する状態となり、リラックスした姿勢あるいはストレッチ等に適した姿勢を維持することが可能となる。一方、腰部支持用流体バッグ61が縮小するとともに背中支持用流体バッグ59が膨らんだ状態でロックすると、背凭れ5の着座面5aが着座者の背中を前方に押し出すような姿勢を保持する状態となり、執務に適した姿勢を維持することが可能となる。以上説明した両姿勢の中間所望位置で両流体バッグ59、61をロックすることもできるのは勿論である。そして、ロック状態においても各流体バッグ59、61内における空気の流動や体積変化は起こり得るため、各流体バッグ59、61は個別にクッション機能を発揮し得るものとなる。
なお、前記流体バッグ59、61内の空気は前述した座4と同様に徐々に外部に漏洩することがあり、長期間使用していると前記流体バッグ59、61の適切な膨らみが得られなくなる。その場合には、前記開閉バルブ65を開くとともに背凭れ5の着座面5aに荷重をかけない状態を維持した上で、リリース操作体67cをリリース位置に押圧操作してリリースバルブ67を開成状態にする。その結果、前記両流体バッグ59、61の流体室59b、61bはリリース流路71を介して外部流体存在環境である大気中に開放されることになる。その結果、前記両流体バッグ59、61は、内部に収容した内部クッション61cの弾性反発力によって外気すなわち流体である空気を吸引しながら膨らみ、正規の基準状態にまで自己復帰することになる。前記両流体バッグ59、61が前記基準状態にまで自己復帰し終わった段階で、前記リリース操作体67cへの押圧操作を止めてリリース流路71を閉じれば、再び前述したような作用を営ませることが可能となる。
また、この実施形態では、前記腰部支持用流体バッグ61と背インナーシェル55との間に、ランバーサポート部材75を介在させ、このランバーサポート部材75の上下方向位置を昇降レバー77bを操作して変更することができるようにしているので、腰部のサポート感をより精妙に調節することが可能となる。すなわち、前記ランバーサポート部材75は、前記腰部支持用流体バッグ61の背面に食い込むように摺接しているため、ランバーサポート部材75の位置を変更しても背凭れ5の着座面5aに外観上目立った変化は生じない。しかし、ランバーサポート部材75の存在する位置付近で腰部支持用流体バッグ61から着座者に付与される反発感が大きくなり、ランバーサポート部材75の位置を調整することによって、腰部のホールド感を調整することが可能になる。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る椅子は、敢えて背支桿というものを設けずに、その代わり、背凭れ5を構成する背アウターシェル51の下端部51bを支持基部2にまで延長し、そのアウターシェル51の延長端51b1を支持基部2における背凭れ5支持用の支軸17に取り付けるという、従来には無い構成を採用することにより、アウターシェル51の動作や変形が、背支桿或いは背支桿の動作に何ら束縛されることなく、自由に行い得るものとなっている。そうすることにより背凭れ5が着座者の上体をより好適に支持し、且つ、上体の動作にも、より好適に追従させることができるものとなっている。その結果着座者に対して、より快適な着座感を与え得る椅子となっている。
そして支持基部2に取り付けられた箇所に十分な強度を付与しつつ着座者の上体を好適に支持するために本実施形態では、背アウターシェル51を、起立したシェル本体51aと、座4の下方に位置する下端部51bと、シェル本体51aをこの下端部51bに滑らかに連続させる中間屈曲部51cとを一体に備えたものとしている。
本実施形態では、座4を、前記支持基部2上に設けた座受け3に対して前後方向に固定位置を変更し得るものとし、前記中間屈曲部51cを、前記座4の後端部を受け入れるための受入空間51c1を形成すべく平面視、そして側面視において凹陥するように湾曲させることにより、椅子自体の円滑な動作と背凭れ5の強度の確保とを有効に両立させている。
そして特に本実施形態では、中間屈曲部51cの内面51c3を部分球面状に形成して球状面部51c2とすることにより、後ろ方向や後ろ方向に係る捻れ方向の外力に拘わらず、中間屈曲部51cの側面視屈曲形状を強固に維持し得るものとなっている。
また、支持基部2に取り付けられた下端部51bに掛かる力に好適に十分に耐え得るとともに背凭れ5の動作を円滑に行わせるために本実施形態では、下端部51bを、延長端51b1に向かって滑らかに捻じれた外面51b2を有したものとし、前記延長端51b1における外面51b2が支持基部の外側面と略平行な起立面をなしたものとしている。
そして、座4を前記支持基部2上に設けた座受け3に支持されたものとし、前記座受け3の前側を前記支持基部2に前後移動自在に取り付けるとともに、前記座受け3の後側を前記背アウターシェル51の下端部に相対回転可能に支持させることにより、背アウターシェル51と座4との所謂シンクロチルト動作を好適に実現させている。さらに、簡素な構成により斯かるシンクロチルト動作を実現するためには、前記背アウターシェル51に、下端部51bに座受け3の後側を支持するための座受け支持部51dを設けている。
また肘支柱87の取り回しを最小限としつつ着座者の動きに追随し易い肘掛け8を構成するために本実施形態では、この背アウターシェルの中間屈曲部に肘掛けを取り付けるための肘掛け取付部51eを一体に設けたものとしている。
そして本実施形態では、シェル本体51aに、周縁厚肉領域51a1と、前面側のみを凹陥させた薄肉領域51a2とを形成することにより、滑らかな外形や背アウターシェル51自体の強度を確保しつつ、形成された介在空間51a4を、ユニット53すなわち背インナーシェル53の「撓みしろ」として有効に活用している。
そして、上述の通り本実施形態では従来のような背支桿を採用せず、剛性の高い背アウターシェルを採用しているため、上述の通り流体の導出入により防縮する流体バッグ59、61を適用することにより、より有効に着座者の上体を支持するとともに、より一層着座感の向上に寄与し得たものとしている。
特に本実施形態では、流体バッグ59、61及び背用流体制御機器93を背ユニット53として取り扱うことにより、流体バッグ59、61の動作の安定性や、流体バッグ59、61及び背用流体制御機器93の組み付け時の容易さ・確実さをより向上させたものとしている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、一体的に形成された背アウターシェルによって背凭れを形成したが、左右に分岐した背アウターシェルに単一の背ユニットを取り付けたものとしてもよい。また上記実施形態では背支桿を排除した態様の椅子を敢えて開示したが、例えばヘッドレスト支持用の背支桿を別途取り付けたものや、背の上部を支持するための背支桿を別途設け、背アウターシェルによって腰部を支持するといった態様の椅子を構成しても良い。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…脚部
17…支軸
2…支持基部
4…座
5…背凭れ
51…背アウターシェル
51a…シェル本体
51a1…周縁厚肉領域
51a2…薄肉領域
51b…下端部
51b1…延長端
51b2…外面
51c…中間屈曲部
51c1…受入空間
51d…座受け支持部
51e…肘掛け取付部
59、61…流体バッグ
53…背ユニット
8…肘掛け
93…流体制御機器(背用流体制御機器)
17…支軸
2…支持基部
4…座
5…背凭れ
51…背アウターシェル
51a…シェル本体
51a1…周縁厚肉領域
51a2…薄肉領域
51b…下端部
51b1…延長端
51b2…外面
51c…中間屈曲部
51c1…受入空間
51d…座受け支持部
51e…肘掛け取付部
59、61…流体バッグ
53…背ユニット
8…肘掛け
93…流体制御機器(背用流体制御機器)
Claims (12)
- 脚部に支持された支持基部の上方に座を配するとともに、その支持基部に背凭れを後傾動作可能に支持させてなる椅子であって、前記背凭れを構成する背アウターシェルの下端部を支持基部にまで延長し、そのアウターシェルの延長端を支持基部における背凭れ支持用の支軸に取り付けていることを特徴とする椅子。
- 前記背アウターシェルが、起立したシェル本体と、座の下方に位置する下端部と、前記シェル本体をこの下端部に滑らかに連続させる中間屈曲部とを一体に備えたものである請求項1記載の椅子。
- 前記座が、前記支持基部上に設けた座受けに対して前後方向に固定位置を変更し得るものであり、前記中間屈曲部が、前記座の後端部を受け入れるための受入空間を形成すべく平面視において凹陥するように湾曲させたものである請求項2記載の椅子。
- 前記座が、前記支持基部上に設けた座受けに対して前後方向に固定位置を変更し得るものであり、前記中間屈曲部が、前記座の後端部を受け入れるための受入空間を形成すべく側面視において凹陥するように湾曲させたものである請求項2又は3記載の椅子。
- 前記座が、前記支持基部上に設けた座受けに対して前後方向に固定位置を変更し得るものであり、前記中間屈曲部が、前記座の後端部を受け入れるための受入空間を形成すべく平面視及び側面視において凹陥するように湾曲させることにより前記中間屈曲部の内面を部分球面状に形成した球状面部としている請求項2、3又は4記載の椅子。
- 前記背アウターシェルが、中間屈曲部に肘掛けを取り付けるための肘掛け取付部を一体に設けたものである請求項2、3、4又は5記載の椅子。
- 前記下端部が、延長端に向かって滑らかに捻じれた外面を有したものであり、前記延長端における外面が支持基部の外側面と略平行な起立面をなしている請求項1、2、3、4、5又は6記載の椅子。
- 前記座が、前記支持基部上に設けた座受けに支持されたものであり、前記座受けの前側を前記支持基部に前後移動自在に取り付けるとともに、前記座受けの後側を前記座アウターシェルの下端部に相対回転可能に支持させている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の椅子。
- 前記背アウターシェルが、下端部に座受けの後側を支持するための座受け支持部を設けたものである請求項8記載の椅子。
- 前記背アウターシェルが、周縁厚肉領域と、この周縁厚肉領域に囲まれた薄肉領域とを有したものであり、前記薄肉領域は、該座アウターシェルの前面側のみを凹陥させることにより周縁厚肉領域よりも薄肉に形成されたものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の椅子。
- 前記背アウターシェルが、流体の導出入により防縮する流体バッグを支持している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の椅子。
- 前記背アウターシェルが、前記流体バッグと前記流体の導出入を制御するための流体制御機器とを有してなる背ユニットを着脱可能に支持している請求項11記載の椅子。
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JP2008267965A JP2010094305A (ja) | 2008-10-16 | 2008-10-16 | 椅子 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016073806A (ja) * | 2012-05-04 | 2016-05-12 | 株式会社イトーキ | 椅子、特に事務用椅子 |
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- 2008-10-16 JP JP2008267965A patent/JP2010094305A/ja active Pending
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