JP2010093924A - 速度切替え式電動モータ - Google Patents

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俊之 木村
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Abstract

【課題】速度切替え式電動モータの整流状態を改善して、磁気ノイズやブラシ摩耗を低減することである。
【解決手段】アーマチュアシャフト24に固定されるコンミテータ28の外周面に共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32に加えて高速作動用ブラシ36を摺接させ、共通ブラシ31と対となって通電するブラシを低速作動用ブラシ32と高速作動用ブラシ36とに切り替えて作動速度を2段階に切り替えるようにしたワイパモータにおいて、高速作動用ブラシ36を共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32に対してアーマチュアシャフト24の軸方向にずれた位置においてコンミテータ28に摺接させ、その摺接する範囲S2を共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32が摺接する範囲S1に対して軸方向にずれるようにする。
【選択図】図7

Description

本発明は、共通ブラシと対となるブラシを切替えることにより、第1の速度と第2の速度に作動速度を切替え可能な速度切替え式電動モータに関する。
従来から、コンミテータに共通ブラシ(コモンブラシ)と低速作動用ブラシ(第1のブラシ)に加えて高速作動用ブラシ(第2のブラシ)を摺接させ、共通ブラシと対となってアーマチュアコイルに給電するブラシを低速作動用ブラシと高速作動用ブラシとに切り替えて、その作動速度を2段階に切り替えるようにした速度切替え式電動モータが知られている。
このような速度切替え式電動モータは、例えば特許文献1に示されるように、自動車等の車両に設けられるワイパ装置の駆動源(ワイパモータ)として多く用いられている。この場合、運転者のスイッチ操作により低速作動が選択されると、共通ブラシと低速作動用ブラシとを介してアーマチュアコイルに駆動電流が供給され、ワイパ装置は低速作動する。また、運転者のスイッチ操作により高速作動が選択されると、共通ブラシと高速作動用ブラシとを介してアーマチュアコイルに駆動電流が給電され、ワイパ装置は高速作動する。このように、駆動源として速度切替え式の電動モータを用いることにより、ワイパ装置を、雨量が少ない場合に適応する低速作動と雨量が多い場合に適応する高速作動とに切り替えることができる。
特開平9−107651号公報
このような速度切替え式電動モータでは、モータが低速作動しているときであっても、高速作動用ブラシはコミュテータに摺接するようになっているので、モータが低速作動しているときに高速作動用ブラシがコミュテータの隣り合うセグメント片を跨ぐと、これらのセグメント片が高速作動用ブラシにより短絡されてアーマチュアコイルによる閉回路が形成されることになる。そして、当該閉回路に循環電流が流れると、リアクタンス電圧が発生してコミュテータと高速作動用ブラシとの摺接部分に火花が発生し、コミュテータの外周面にアークスポットが生じる場合がある。一方で、このようなモータでは、各ブラシはその軸方向の位置を同一としてコンミテータに摺接するようになっているので、高速作動用ブラシがアークスポットを生じると、そのアークスポット上を共通ブラシや低速作動用ブラシが摺接することになり、低速作動における整流状態が悪化して、磁気ノイズやブラシ摩耗が増加することになる。
本発明の目的は、速度切替え式電動モータの整流状態を改善して、磁気ノイズやブラシ摩耗を低減することにある。
本発明の速度切替え式電動モータは、第1の速度と第2の速度とに作動速度を切替え可能な速度切替え式電動モータであって、ヨークに回転自在に支持されるアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されるコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに装着され、前記コンミテータに接続されるアーマチュアコイルと、前記コンミテータに摺接する共通ブラシと、前記コンミテータに摺接し、前記共通ブラシと対となって前記アーマチュアコイルに通電して前記アーマチュアシャフトを前記第1の速度で作動させる第1のブラシと、前記第1のブラシに対して前記アーマチュアシャフトの軸方向にずれて前記コンミテータに摺接し、前記共通ブラシと対となって前記アーマチュアコイルに通電して前記アーマチュアシャフトを前記第2の速度で作動させる第2のブラシとを有することを特徴とする。
本発明の速度切替え式電動モータは、前記共通ブラシ、前記第1のブラシおよび前記第2のブラシには、それぞれ前記コンミテータに摺接する摺接面と、該摺接面に対して軸方向に並ぶとともに前記コンミテータから離れる方向に傾斜するテーパ面とが設けられ、前記共通ブラシと前記第1のブラシはそれぞれ前記摺接面を軸方向の一方側、前記テーパ面を軸方向の他方側に向けて配置されて互いに軸方向の位置を同一として前記コンミテータに摺接し、前記第2のブラシは前記摺接面を軸方向の他方側、前記テーパ面を軸方向の一方側に向けて配置されて前記共通ブラシと前記第1のブラシに対して軸方向にずれて前記コンミテータに摺接することを特徴とする。
本発明の速度切替え式電動モータは、前記第1のブラシを前記共通ブラシに対して前記アーマチュアシャフトを中心として周方向に90度ずらして配置し、前記第2のブラシを前記共通ブラシと前記第1のブラシとが成す鈍角側の範囲に配置したことを特徴とする。
本発明の速度切替え式電動モータは、前記共通ブラシ、前記第1のブラシおよび前記第2のブラシの前記コンミテータとの摺接面とは反対側の背面は、回転方向で見た前壁から後壁に行くに従って前記コンミテータとの摺動面からの距離が長くなるように傾斜していることを特徴とする。
本発明の速度切替え式電動モータは、前記共通ブラシ、前記第1のブラシおよび前記第2のブラシの前記コンミテータとの摺接面は曲率を有することを特徴とする。
本発明の速度切替え式電動モータは、前記第2のブラシの前記コンミテータとの摺接面は、前記第1のブラシの前記コンミテータとの摺接面よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、第2のブラシを第1のブラシに対してアーマチュアシャフトの軸方向にずらしてコンミテータに摺接させるようにしたので、第2のブラシがコミュテータにアークスポットを生じても、第1のブラシは当該アークスポットが生じた部分以外の部分においてコミュテータに摺接することになる。したがって、第1のブラシが当該アークスポット上を摺接することにより整流状態が悪化することを防止して、速度切替え式電動モータの整流状態を改善し、また、その磁気ノイズやブラシ摩耗を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態であるワイパモータを備えたワイパ装置を示す正面図であり、図1に示す車両11には、フロントガラス(ウインドシールド)12に付着した雨水や埃等を払拭して運転者の視界を確保するために、ワイパ装置13が設けられている。このワイパ装置13は所謂タンデム型となっており、それぞれ車体14に回転自在に支持される2つのワイパ軸15a,15bを備え、これらのワイパ軸15a,15bにはそれぞれワイパアーム16a,16bが固定されている。各ワイパアーム16a,16bの先端部にはそれぞれワイパブレード17a,17bが取り付けられており、これらのワイパブレード17a,17bはワイパアーム16a,16bに内装された図示しないスプリングのばね力によりフロントガラス12に押し付けられている。
ワイパ装置13には、その駆動源として速度切替え式電動モータとしてのワイパモータ18が設けられている。このワイパモータ18は出力軸18aを有しており、この出力軸18aはリンク機構19を介してワイパ軸15a,15bに連結されている。ワイパモータ18が作動すると、その出力軸18aの回転がリンク機構19とワイパ軸15a,15bとを介して伝達されてワイパアーム16a,16bが所定の角度範囲で揺動運動し、これにより、ワイパブレード17a,17bが上反転位置と下反転位置との間の払拭範囲12a,12bを揺動してフロントガラス12に付着した雨水や埃等が払拭される。また、ワイパモータ18はその作動速度を低速(第1の速度)と高速(第2の速度)との2段階に切り替え可能となっており、作動速度を切り替えることにより、ワイパ装置13を雨量が少ない場合に適応する低速作動と雨量が多い場合に適応する高速作動の2つのモードで作動させることができるようになっている。
図2は図1に示すワイパモータの詳細を示す一部切り欠き断面図であり、図3は図2におけるA−A線に沿う断面図であり、図4は図2に示すワイパモータの回路図である。
このワイパモータ18は鋼材により断面略小判形の底付き筒状に形成されたヨーク(継鉄)21を有しており、このヨーク21の内面には4つのマグネット22が回転方向(周方向)に等間隔に並べて装着されている。これらのマグネット22は断面円弧状の永久磁石となっており、ヨーク21の内側にN極とS極とが回転方向に交互に並ぶように配置されている。これにより、ヨーク21の内面にはマグネット22によって4つの磁極が形成されるようになっている。
ヨーク21の内部にはアーマチュア(電機子)23が収容されている。このアーマチュア23はアーマチュアシャフト24を備えており、このアーマチュアシャフト24は軸受25を介してヨーク21に回転自在に支持され、これによりアーマチュア23はヨーク21の内部で回転自在となっている。
アーマチュアシャフト24にはヨーク21の内部に位置するとともに微小隙間(エアギャップ)を介してマグネット22と対向するようにアーマチュアコア26が固定されている。このアーマチュアコア26は回転方向に並ぶ18のスロット26aを備えており、これらのスロット26aには、図4に示すように、3つのスロット26aを跨ぐように導線が重ね巻されることにより複数のアーマチュアコイル27が装着されている。このように、アーマチュアシャフト24にはアーマチュアコア26を介してアーマチュアコイル27が装着されている。
アーマチュアシャフト24には、アーマチュアコア26に隣接してコンミテータ28が固定されている。このコンミテータ28は、互いに絶縁された状態で回転方向に等間隔に並べて配置される18個のセグメント片(整流子片)28aを備えており、これらのセグメント片28aにはそれぞれ対応するアーマチュアコイル28のコイル端が電気的に接続されている。また、コンミテータ28の各セグメント片28aは、互いに回転方向に180度ずれて配置されるもの同士が接続線(均圧線)29より電気的に接続されている。これにより、アーマチュアコイル27はマグネット22により形成される4つの磁極に対応した4極の回路として構成されている。
ヨーク21の開口端には減速機30が固定されている。この減速機30はギヤケース30aの内部に減速機構(不図示)を収容した構造となっており、前述の出力軸18aはこの減速機構に連結されている。そして、アーマチュアシャフト24の回転は減速機構により所定の減速比で減速されて出力軸18aから出力されるようになっている。
このワイパモータ18には、コンミテータ28を介して転流された駆動電流をアーマチュアコイル27に供給して当該ワイパモータ18を低速作動させるために、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ(第1のブラシ)32とが設けられている。
図3に示すように、ヨーク21に装着されるホルダ板33にはブラシホルダ34が固定されており、共通ブラシ31はこのブラシホルダ34により進退移動自在に保持されて径方向外側からコンミテータ28つまりセグメント片28aの外周面に摺接するようになっている。一方、低速作動用ブラシ32は共通ブラシ31に対してアーマチュアシャフト24を中心とした周方向つまり回転方向に90度ずれた位置に配置され、当該位置においてホルダ板33に固定されたブラシホルダ35により進退移動自在に保持されて径方向外側からコンミテータ28つまりセグメント片28aの外周面に摺接するようになっている。共通ブラシ31は正極(プラス極)、低速作動用ブラシ32は負極(マイナス極)となっており、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32とを対としてアーマチュアコイル27に通電つまり駆動電流を供給することにより、アーマチュアシャフト24つまりワイパモータ18を低速(第1の速度)で作動させることができるようになっている。
このワイパモータ18には、ワイパモータ18の作動速度を低速から高速に切替え可能とするために、高速作動用ブラシ(第2のブラシ)36が設けられている。
この高速作動用ブラシ36は、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32とがアーマチュアシャフト24を中心とした周方向つまり回転方向に成す角度が鈍角となる側の範囲において、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32とに対して周方向に並べて配置されており、当該位置においてホルダ板33に固定されたブラシホルダ37により進退移動自在に保持されて径方向外側からコンミテータ28つまりセグメント片28aの外周面に摺接するようになっている。つまり、高速作動用ブラシ36は、低速作動用ブラシ32に対して回転方向にずれた位置においてコンミテータ28に摺接するようになっている。高速作動用ブラシ36の極性は負極(マイナス極)となっており、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32との組み合わせに替えて、共通ブラシ31と高速作動用ブラシ36とを対としてアーマチュアコイル27に通電つまり駆動電流を供給することにより、ワイパモータ18を高速(第2の速度)で作動させることができるようになっている。
このように、このワイパモータ18では、共通ブラシ31と対となってアーマチュアコイル27に通電するためのブラシを、低速作動用ブラシ32と高速作動用ブラシ36とに切り替えることにより、その作動速度を2段階に切り替えることができるようになっている。なお、高速での作動とは、低速での作動よりもアーマチュアシャフト24の回転速度が高くなる作動状態のことである。
このワイパモータ18では、低速での作動時に高速作動用ブラシ36がコンミテータ28との摺接部分にアークスポット(火花によるセグメント片28aの外周面の損傷)を生じても、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32のコンミテータ28に対する整流状態の悪化を防止するために、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32とに対して、高速作動用ブラシ36をアーマチュアシャフト24の軸方向にずれた位置においてコンミテータ28に摺接させるようにしている。
図5(a)は図3に示す共通ブラシの詳細を示す縦断面図であり、図5(b)は図3に示す低速作動用ブラシの詳細を示す縦断面図であり、図5(c)は図3に示す高速作動用ブラシの詳細を示す縦断面図である。また、図6(a)は図3に示す共通ブラシの詳細を示す横断面図であり、図6(b)は図3に示す低速作動用ブラシの詳細を示す横断面図であり、図6(c)は図3に示す高速作動用ブラシの詳細を示す横断面図である。さらに、図7(a)は共通ブラシと低速作動用ブラシのコンミテータとの摺接位置を示す説明図であり、図7(b)は低速作動用ブラシのコンミテータとの摺接位置と高速作動用ブラシのコンミテータとの摺接位置とを比較して示す説明図である。
図5(a)に示すように、共通ブラシ31のコンミテータ28に対向する面側には、アーマチュアシャフト24と同心の円弧面状に形成されるとともにアーマチュアシャフト24の軸方向に沿って延びる摺接面31aが設けられ、共通ブラシ31はこの摺接面31aにおいてコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。また、共通ブラシ31のコンミテータ28に対向する面側には、摺接面31aに対してアーマチュアシャフト24の軸方向に並べてテーパ面(傾斜面)31bが設けられている。このテーパ面31bは摺接面31aに連なるとともに徐々にコンミテータ28から離れる方向に傾斜しており、摺接面31aがコンミテータ28の外周面に摺接しても、当該テーパ面31bはコンミテータ28の外周面に摺接しないようになっている。つまり、共通ブラシ31は摺接面31aをアーマチュアシャフト24の軸方向の一方側(減速機30側)、テーパ面31bをアーマチュアシャフト24の軸方向の他方側(アーマチュアコア26側)に向けて配置され、その軸方向の一方側の所定範囲に形成された摺接面31aにおいてのみコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。共通ブラシ31の紙面上下方向の高さの半分の位置に対して摺接面31aがブラシ高さ方向のいずれかに偏るように設定されている。
図6(a)に示すように、共通ブラシ31の摺接面31aはコンミテータ28の外周面に対応した曲率を有して周方向に湾曲して形成されており、その摺接面31aとは反対側の背面31cは、回転方向で見た前壁から後壁に行くに従ってコンミテータ28との摺接面31aからの距離が長くなるように傾斜している。なお、前壁は、図6(a)のブラシホルダ34の紙面下側に位置し、後壁はブラシホルダ34の紙面上側に位置している。また、共通ブラシ31の幅寸法はブラシホルダ34の幅寸法よりも若干狭く形成されている。これにより、共通ブラシ31はブラシホルダ34の内部で回転方向に若干傾斜するようになっている。
図5(b)に示すように、低速作動用ブラシ32のコンミテータ28に対向する面側には、アーマチュアシャフト24と同心の円弧面状に形成されるとともにアーマチュアシャフト24の軸方向に沿って延びる摺接面32aが設けられ、低速作動用ブラシ32はこの摺接面32aにおいてコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。また、低速作動用ブラシ32のコンミテータ28に対向する面側には、摺接面32aに対してアーマチュアシャフト24の軸方向に並べてテーパ面(傾斜面)32bが設けられている。このテーパ面32bは摺接面32aに連なるとともに徐々にコンミテータ28から離れる方向に傾斜しており、摺接面32aがコンミテータ28の外周面に摺接しても、当該テーパ面32bはコンミテータ28の外周面に摺接しないようになっている。つまり、低速作動用ブラシ32は、共通ブラシ31と同様に、摺接面32aをアーマチュアシャフト24の軸方向の一方側(減速機30側)、テーパ面32bをアーマチュアシャフト24の軸方向の他方側(アーマチュアコア26側)に向けて配置され、その軸方向の一方側の所定範囲に形成された摺接面32aにおいてのみコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。低速作動用ブラシ32の紙面上下方向の高さの半分の位置に対して摺接面32aがブラシ高さ方向のいずれかに偏るように設定されている。
図6(b)に示すように、低速作動用ブラシ32の摺接面32aはコンミテータ28の外周面に対応した曲率を有して周方向に湾曲して形成されており、その摺接面32aとは反対側の背面32cは、回転方向で見た前壁から後壁に行くに従ってコンミテータ28との摺接面32aからの距離が長くなるように傾斜している。なお、前壁は、図6(b)のブラシホルダ35の紙面下側に位置し、後壁はブラシホルダ35の紙面上側に位置している。また、低速作動用ブラシ32の幅寸法はブラシホルダ35の幅寸法よりも若干狭く形成されている。これにより、低速作動用ブラシ32はブラシホルダ35の内部で回転方向に若干傾斜するようになっている。
これにより、図7(a)に示すように、共通ブラシ31のコンミテータ28との摺接位置と、低速作動用ブラシ32のコンミテータ28との摺接位置は、互いにその軸方向の位置が同一となっている。つまり、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32は、同一の範囲S1においてコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。
一方、図5(c)に示すように、高速作動用ブラシ36のコンミテータ28に対向する面側には、アーマチュアシャフト24と同心の円弧面状に形成されるとともにアーマチュアシャフト24の軸方向に沿って延びる摺接面36aが設けられ、高速作動用ブラシ36はこの摺接面36aにおいてコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。また、高速作動用ブラシ36のコンミテータ28に対向する面側には、摺接面36aに対してアーマチュアシャフト24の軸方向に並べてテーパ面(傾斜面)36bが設けられている。このテーパ面36bは摺接面36aに連なるとともに徐々にコンミテータ28から離れる方向に傾斜しており、摺接面36aがコンミテータ28の外周面に摺接しても、当該テーパ面36bはコンミテータ28の外周面に摺接しないようになっている。そして、高速作動用ブラシ36は、共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32とは反対に、摺接面36aをアーマチュアシャフト24の軸方向の他方側(アーマチュアコア26側)、テーパ面36bをアーマチュアシャフト24の軸方向の一方側(減速機30側)に向けて配置され、その軸方向の他方側の所定範囲に形成された摺接面36aにおいてのみコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。つまり、高速作動用ブラシ36は、共通ブラシ31と低速作動用ブラシ32に対してアーマチュアシャフト24の軸方向にずれた位置においてコンミテータ28の外周面に摺接するようになっている。高速作動用ブラシ36の紙面上下方向の高さの半分の位置に対して摺接面36aがブラシ高さ方向のいずれかに偏るように設定されている。
これにより、図7(b)に示すように、高速作動用ブラシ36のコンミテータ28との摺接位置は、低速作動用ブラシ32(共通ブラシ31)のコンミテータ28との摺接位置に対してアーマチュアシャフト24の軸方向にずれた位置となり、高速作動用ブラシ36は、低速作動用ブラシ32や共通ブラシ31がコンミテータ28と摺接する範囲S1に対してアーマチュアシャフト24の軸方向にずれた範囲S2においてコンミテータ28に摺接するようになっている。
したがって、ワイパモータ18が低速で作動しているときに、高速作動用ブラシ36が隣り合うセグメント片28aを短絡して閉回路を生じ、この閉回路に循環電流が流れてコンミテータ28と高速作動用ブラシ36との摺接部分に火花が発生してコンミテータ28の外周面にアークスポットが生じても、当該アークスポットは共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32が摺接しない範囲に生じることになり、共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32の整流状態を悪化させることはない。
このように、このワイパモータ18では、高速作動用ブラシ36を、低速作動用ブラシ32や共通ブラシ31に対してアーマチュアシャフト24の軸方向にずらしてコンミテータ28に摺接させるようにしたので、低速作動時に、高速作動用ブラシ36がコンミテータ28にアークスポットを生じさせても、共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32を当該アークスポットが生じた部分以外の部分においてコンミテータに摺接させることができる。これにより、共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32が当該アークスポット上を摺接することにより整流状態が悪化することを防止して、このワイパモータ18の整流状態を改善し、また、各ブラシ31,32とコンミテータ28との摺接部分からの磁気ノイズの発生や各ブラシ31,32の摩耗を低減することができる。これにより、長期間に亘って各摺接面31a,32a,36aを維持することができるため、整流状態の悪化を抑えることができる。
また、このワイパモータ18では、各ブラシ31,32に形成されるテーパ面31b,32bに対して高速作動用ブラシ36に形成されるテーパ面36bを軸方向の反対側に設けることにより、ホルダ板33上に各ブラシ31,32,36を配置する構造としても、容易に各ブラシ31,32に対する高速作動用ブラシ36のコンミテータ28に対する摺接位置を軸方向にずらすことができる。
図6(c)に示すように、高速作動用ブラシ36の摺接面36aはコンミテータ28の外周面に対応した曲率を有して周方向に湾曲して形成されており、その摺接面36aとは反対側の背面36cは、回転方向で見た前壁から後壁に行くに従ってコンミテータ28との摺接面36aからの距離が長くなるように傾斜している。なお、前壁は、図6(c)のブラシホルダ37の紙面下側に位置し、後壁はブラシホルダ37の紙面上側に位置している。また、高速作動用ブラシ36の幅寸法はブラシホルダ37の幅寸法よりも若干狭く形成されている。これにより、高速作動用ブラシ36はブラシホルダ37の内部で回転方向に若干傾斜するようになっている。
また、高速作動用ブラシ36の摺接面36aの回転方向の幅寸法は本体部分よりも狭くされており、これにより、摺接面36のコンミテータ28と摺接する面積は、共通ブラシ31や低速作動用ブラシ32の摺接面31a,32aがコンミテータ28と摺接する面積よりも小さくなっている。
なお、符号38は、それぞれのブラシ31,32,36をコンミテータ28に向けて付勢するスプリングである。ブラシ31,32,36の背面31c,32c,36cが傾斜しているため、スプリング38によって、ブラシ31,32,36はモータの回転方向とは逆側であるブラシホルダ34,35,37の後壁に向けて付勢される。これにより、ブラシ31,32,36がブラシホルダ34,35,37に対してがたつくことを抑えることができ、ワイパモータ18から発生する作動音を抑えることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、本発明の速度切替え式電動モータをワイパ装置13の駆動源として用いた場合を示しているが、これに限らず、他の用途に用いるようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、モータ極数つまりマグネット22による磁界やアーマチュアコイル27の極数は4極とされているが、これに限らず、その極数は問わない。
さらに、前記実施の形態においては、アーマチュアコイル27は重ね巻によりアーマチュアコア26に巻装されているが、これに限らず、例えばアーマチュアコイル27を波巻によりアーマチュアコア26に巻装するなど、他の巻き方により巻装するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態であるワイパモータを備えたワイパ装置を示す正面図である。 図1に示すワイパモータの詳細を示す一部切り欠き断面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 図2に示すワイパモータの回路図である。 (a)は図3に示す共通ブラシの詳細を示す縦断面図であり、(b)は図3に示す低速作動用ブラシの詳細を示す縦断面図であり、(c)は図3に示す高速作動用ブラシの詳細を示す縦断面図である。 (a)は図3に示す共通ブラシの詳細を示す横断面図であり、(b)は図3に示す低速作動用ブラシの詳細を示す横断面図であり、(c)は図3に示す高速作動用ブラシの詳細を示す横断面図である。 (a)は共通ブラシと低速作動用ブラシのコンミテータとの摺接位置を示す説明図であり、(b)は低速作動用ブラシのコンミテータとの摺接位置と高速作動用ブラシのコンミテータとの摺接位置とを比較して示す説明図である。
符号の説明
11 車両
12 フロントガラス
12a,12b 払拭範囲
13 ワイパ装置
14 車体
15a,15b ワイパ軸
16a,16b ワイパアーム
17a,17b ワイパブレード
18 ワイパモータ(速度切替え式電動モータ)
18a 出力軸
19 リンク機構
21 ヨーク
22 マグネット
23 アーマチュア
24 アーマチュアシャフト
25 軸受
26 アーマチュアコア
26a スロット
27 アーマチュアコイル
28 コンミテータ
28a セグメント片
29 接続線
30 減速機
30a ギヤケース
31 共通ブラシ
31a 摺接面
31b テーパ面
31c 背面
32 低速作動用ブラシ(第1のブラシ)
32a 摺接面
32b テーパ面
32c 背面
33 ホルダ板
34,35 ブラシホルダ
36 高速作動用ブラシ(第2のブラシ)
36a 摺接面
36b テーパ面
36c 背面
37 ブラシホルダ
38 スプリング
S1,S2 範囲

Claims (6)

  1. 第1の速度と第2の速度とに作動速度を切替え可能な速度切替え式電動モータであって、
    ヨークに回転自在に支持されるアーマチュアシャフトと、
    前記アーマチュアシャフトに固定されるコンミテータと、
    前記アーマチュアシャフトに装着され、前記コンミテータに接続されるアーマチュアコイルと、
    前記コンミテータに摺接する共通ブラシと、
    前記コンミテータに摺接し、前記共通ブラシと対となって前記アーマチュアコイルに通電して前記アーマチュアシャフトを前記第1の速度で作動させる第1のブラシと、
    前記第1のブラシに対して前記アーマチュアシャフトの軸方向にずれて前記コンミテータに摺接し、前記共通ブラシと対となって前記アーマチュアコイルに通電して前記アーマチュアシャフトを前記第2の速度で作動させる第2のブラシとを有することを特徴とする速度切替え式電動モータ。
  2. 請求項1記載の速度切替え式電動モータにおいて、前記共通ブラシ、前記第1のブラシおよび前記第2のブラシには、それぞれ前記コンミテータに摺接する摺接面と、該摺接面に対して軸方向に並ぶとともに前記コンミテータから離れる方向に傾斜するテーパ面とが設けられ、前記共通ブラシと前記第1のブラシはそれぞれ前記摺接面を軸方向の一方側、前記テーパ面を軸方向の他方側に向けて配置されて互いに軸方向の位置を同一として前記コンミテータに摺接し、前記第2のブラシは前記摺接面を軸方向の他方側、前記テーパ面を軸方向の一方側に向けて配置されて前記共通ブラシと前記第1のブラシに対して軸方向にずれて前記コンミテータに摺接することを特徴とする速度切替え式電動モータ。
  3. 請求項1または2記載の速度切替え式電動モータにおいて、前記第1のブラシを前記共通ブラシに対して前記アーマチュアシャフトを中心として周方向に90度ずらして配置し、前記第2のブラシを前記共通ブラシと前記第1のブラシとが成す鈍角側の範囲に配置したことを特徴とする速度切替え式電動モータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の速度切替え式電動モータにおいて、前記共通ブラシ、前記第1のブラシおよび前記第2のブラシの前記コンミテータとの摺接面とは反対側の背面は、回転方向で見た前壁から後壁に行くに従って前記コンミテータとの摺動面からの距離が長くなるように傾斜していることを特徴とする速度切替え式電動モータ。
  5. 請求項4記載の速度切替え式電動モータにおいて、前記共通ブラシ、前記第1のブラシおよび前記第2のブラシの前記コンミテータとの摺接面は曲率を有することを特徴とする速度切替え式電動モータ。
  6. 請求項5記載の速度切替え式電動モータにおいて、前記第2のブラシの前記コンミテータとの摺接面は、前記第1のブラシの前記コンミテータとの摺接面よりも小さいことを特徴とする速度切替え式電動モータ。
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