JP5715098B2 - ワイパモータ - Google Patents

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本発明は、車両のウインドシールドを払拭するワイパ装置に用いられるワイパモータに関する。
自動車等の車両には、フロントガラス(ウインドシールド)に付着した雨滴等を払拭するためにワイパ装置が設けられている。ワイパ装置は車体に揺動自在に支持されるワイパアームとワイパアームを駆動するワイパモータとを有しており、ワイパアームの先端にはワイパブレードが取り付けられ、ワイパモータが作動するとワイパブレードがガラス面上を揺動してガラス面を払拭するようになっている。
このようなワイパ装置では、フロントガラスに付着する雨滴量の変化に応じてワイパ装置を低速運転と高速運転とに切り替える必要がある。そのため、ワイパモータとしては、その作動速度が切替え可能な2極3ブラシ式のブラシ付き直流モータが多く用いられている。2極3ブラシ式のモータでは、モータヨークの内面には一対のマグネットが装着され、アマチュアコアには重ね巻により巻線が装着されており、整流子には共通ブラシ(コモンブラシ)と低速運転用ブラシに加えて高速運転用ブラシが摺接するようになっている。運転者のスイッチ操作によって低速運転が選択されると、共通ブラシと低速運転用ブラシとを介して巻線に駆動電流が供給され、これによりワイパモータは低速運転する。これに対して、運転者により高速運転が選択されると、共通ブラシと高速運転用ブラシとを介して巻線に駆動電流が給電され、これによりワイパモータは高速運転するようになっている。
一方、モータ極数を4極以上に多極化することにより、モータを小型化するようにした技術が知られている。たとえば、特許文献1には、モータヨークの内面に4つのマグネットを回転方向に並べて装着することによりモータ極数を4極としたブラシ付き直流モータが記載されている。この場合、整流子には互いに回転方向に90度ずれて配置される一対のブラシが摺接し、整流子を構成する各整流子片は同電位となるべき他の整流子片に均圧線により接続されており、一対のブラシにより4極に対応した回路で巻線を構成して、4極のモータを作動させるようになっている。
特開2000−166185号公報
しかしながら、特許文献1に示される4極のモータでは、モータ極数を多極化することによりモータを小型化することはできるが、その回転速度を切り替えることができないという問題点があった。
本発明の目的は、多極化されても回転速度の切り替えが可能なワイパモータを提供することにある。
本発明は、車両のウインドシールドを払拭するワイパ装置を駆動するワイパモータにおいて、アマチュアシャフトを回転自在に支持するモータヨークと、前記モータヨークの周方向内面に固定される4極以上の偶数の磁極を備える界磁部と、周方向に並ぶ複数のティースを備え、前記アマチュアシャフトに固定されるアマチュアコアと、周方向に並ぶ複数の整流子片を備え、前記アマチュアシャフトに固定される整流子と、複数の前記ティースの各ティースから所定のティースを跨いでそれぞれ重ね巻きされ、それぞれの前記整流子片に電気的に接続される巻線と、それぞれ互いに同電位となるべき前記整流子片同士を電気的に接続する複数の接続部材とを有し、前記整流子の周りに周方向に沿って共通ブラシ、第1のブラシ、第2のブラシをそれぞれ1つずつ備えるワイパモータであって、前記第1のブラシは、前記共通ブラシに対して周方向にずれた位置に配置され、かつ、前記整流子片に摺接し、前記共通ブラシと対となって前記巻線に駆動電流を供給する低速運転用ブラシであり、前記第2のブラシは、前記第1のブラシと前記共通ブラシとで構成される周方向の角度のうち広い方に配置され、かつ、前記整流子片に摺接して前記共通ブラシと対となって前記巻線に駆動電流を供給する高速運転用ブラシであり、前記共通ブラシおよび前記第1のブラシ、または前記共通ブラシおよび前記第2のブラシのいずれか一方の対に通電することにより作動速度を切り替え可能であることを特徴とする。
本発明のワイパモータは、前記界磁部は4極の磁極を備え、前記第1のブラシは前記共通ブラシに対して方向に90度ずれた位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、モータヨークの内面に装着される界磁部に4極以上の磁極を設け、互いに同電位となるべき整流子片同士を電気的に接続するとともに、共通ブラシと対となって巻線に駆動電流を供給する第1のブラシに加えて、回転方向における第1のブラシと共通ブラシとの間であって、角度の広い方に第2のブラシを設けるようにしたので、4極に多極化されたワイパモータであってもこれを一対のブラシで作動させるとともに、アマチュアシャフトの回転速度を切り替えることができる。また、第2のブラシが付加されることにより巻線に生じる起電力のアンバランスは接続線により回転方向にバランスされるので、第1のブラシに流れる循環電流を低減させて第1のブラシの摩耗を抑制することができる。
また、本発明によれば、界磁部を4極以上に多極化しても、共通ブラシと第1のブラシの2つのブラシによりワイパモータを作動させることができるので、第2のブラシのレイアウト性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態であるワイパモータを備えたワイパ装置の概略を示す説明図である。 図1に示すワイパモータの詳細を示す断面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 図2に示すワイパモータの回路図である。 スロットへの巻線の装着手順を示す説明図である。 スロットへの他の巻線の装着手順を示す説明図である。 (a)〜(c)はそれぞれ図3に示す高速運転用ブラシの配置位置の変形例を示す説明図である。 本発明を6極のワイパモータに適用した場合を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態であるワイパモータを備えたワイパ装置の概略を示す説明図であり、図1に示す車両11には、フロントガラス(ウインドシールド)12に付着した雨水や埃等を払拭して運転者の視界を確保するために、ワイパ装置13が設けられている。このワイパ装置13は所謂タンデム型となっており、車体14に回転自在に支持される2つのワイパ軸15a,15bにはそれぞれワイパアーム16a,16bが固定され、各ワイパアーム16a,16bの先端部にはそれぞれワイパブレード17a,17bが取り付けられている。また、ワイパアーム16a,16bの基端部には図示しないスプリングが装着されており、このスプリングのばね力により、ワイパブレード17a,17bはフロントガラス12に押し付けられている。
ワイパ装置13には、その駆動源としてワイパモータ18が設けられている。このワイパモータ18は出力軸18aを有し、この出力軸18aはリンク機構19を介してワイパ軸15a,15bに連結されており、ワイパモータ18が作動すると、ワイパアーム16a,16bが所定の角度範囲で揺動運動し、ワイパブレード17a,17bが上反転位置と下反転位置との間の払拭範囲12a,12bを揺動運動してフロントガラス12に付着した雨水や埃等が払拭されるようになっている。
図2は図1に示すワイパモータの詳細を示す断面図であり、図3は図2におけるA−A線に沿う断面図であり、図4は図2に示すワイパモータの回路図である。
図2、図3に示すように、このワイパモータ18は鋼材により底付き円筒形状に形成されたモータヨーク(継鉄)21を有しており、このモータヨーク21の内面には4つのマグネット22が回転方向(周方向)に並べて装着されている。これらのマグネット22は断面円弧状の永久磁石となっており、モータヨーク21の内側にN極とS極とが回転方向に交互に並ぶように配置され、これらのマグネット22によりモータヨーク21の内面には4つの磁極を備えた界磁部が構成されるようになっている。
モータヨーク21の内部にはアマチュア(電機子)23が設けられており、このアマチュアはアマチュアシャフト24を有し、アマチュアシャフト24は軸受25を介してモータヨーク21に回転自在に支持され、これによりアマチュア23はモータヨーク21の内部で回転自在となっている。なお、符号26はアマチュアシャフト24を軸方向に支持する支持球であり、この支持球26によって、アマチュアシャフト24の軸方向への移動が規制されている。
アマチュアシャフト24にはアマチュアコア27が固定されており、このアマチュアコア27はモータヨーク21の内部に位置し、微小隙間(エアギャップ)を介してマグネット22と対向している。アマチュアコア27には回転方向(周方向)に並ぶ16のスロット27a〜27pおよびティース27a1〜27p1が形成されており、これらのスロット27a〜27pおよびティース27a1〜27p1には、図4に示すように、3つのスロットおよび4つのティースを跨ぐように導線を重ね巻することにより巻線28が装着されている。
また、アマチュアシャフト24には、アマチュアコア27に隣接して整流子(コンミテータ)31が固定されている。この整流子31は、互いに絶縁された状態で回転方向に並べて配置される16個の整流子片31a〜31pを備えており、これらの整流子片31a〜31pにはそれぞれアマチュアコア27に巻装された巻線28が電気的に接続されている。
巻線28に駆動電流を供給するために、このワイパモータ18には共通ブラシ32と低速運転用ブラシ(第1のブラシ)33が設けられている。これらのブラシ32,33はそれぞれブラシホルダ34に支持されるとともにスプリング35により整流子31つまり整流子片31a〜31pに向けて付勢されており、それぞれ整流子片31a〜31pに摺接するようになっている。図3に示すように、低速運転用ブラシ33は共通ブラシ32に対して回転方向(周方向)に90度ずれた位置に配置され、共通ブラシ32は正極(プラス極)、低速運転用ブラシ33は負極(マイナス極)となっており、共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33とを対として巻線28に駆動電流を供給することによりワイパモータ18を低速運転させることができるようになっている。
また、このワイパモータ18には、ワイパモータ18の作動速度を切替え可能とするために、図3に示すように、低速運転用ブラシ33に対して回転方向(周方向)にずれて高速運転用ブラシ(第2のブラシ)36が設けられている。図示する場合では、高速運転用ブラシ36は、ブラシホルダ34に支持されるとともにスプリング35により付勢されて整流子片31a〜31pに摺接し、また、共通ブラシ32に対してアマチュアシャフト24の軸心を中心として回転方向(周方向)に鋭角にずれるとともに低速運転用ブラシ33に対しては回転方向(周方向)に鈍角にずれた位置に配置されており、その極性は負極(マイナス極)とされている。そして、共通ブラシ32と高速運転用ブラシ36とを対として巻線28に駆動電流を供給することにより、ワイパモータ18を高速運転させることができるようになっている。なお、高速運転とはアマチュアシャフト24の回転数が低速運転時におけるアマチュアシャフト24の回転数よりも高くなる運転状態のことである。
このワイパモータ18では、モータヨーク21の内面に装着される界磁部は4極であるが、巻線28には共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33あるいは高速運転用ブラシ36の一対のブラシから駆動電流を供給するようにしている。そのため、このワイパモータ18では、図4に示すように、巻線28を4極の磁極に対応した回路構成とするために、互いに同電位となるべき整流子片同士、つまり互いに回転方向に180度ずれて配置される整流子片同士を複数の接続線(接続部材)41a〜41hにより電気的に接続するようにしている。たとえば、整流子片31aと整流子片31iに接続線41aにより電気的に接続され、整流子片31bは整流子片31jに接続線41bにより電気的に接続され、これにより、2つのブラシ32,33から整流子片31a〜31pを介して駆動電流が供給されても、巻線28に対しては4極に対応した転流が行われ、このワイパモータ18を作動させることができる。また、共通ブラシ32と対となる低速運転用ブラシ33または高速運転用ブラシ36のいずれか一方に通電することにより、このワイパモータ18の作動速度を2段階に切り替えることができる。このように、共通ブラシ32と対となる低速運転用ブラシ33および高速運転用ブラシ36が配置されることとなり、共通ブラシ32、低速運転用ブラシ33、高速運転用ブラシ36はそれぞれ1つずつ配置されている。
図5はスロットへの巻線の装着手順を示す説明図であり、図6はスロットへの他の巻線の装着手順を示す説明図である。このワイパモータ18では、図5または図6に示す手順で各スロット27a〜27pを通して各ティース27a1〜27p1に導線を重ね巻し、各整流子片31a〜31pに導線を接続することにより、巻線28と接続線41a〜41hとを同一の導線により形成するようにしている。
つまり、図5に示す方法では、互いに180度位相がずれた位置から2本の導線を同時に各スロット27a〜27pを通して各ティース27a1〜27p1に重ね巻するダブルフライヤ方式を基本とし、各導線を所定の整流子片に接続し、そこから所定のスロットを通して所定のティースに導線を巻装した後、当該整流子片の隣の整流子片に導線を接続し、次いで当該整流子片から180度ずれた整流子片に導線を接続してから再度もとの整流子片に導線を接続する。以下、同様な手順を繰り返すことにより、スロットを通してティースへの巻線28の装着と接続線41a〜41hの形成とが行われる。たとえば、導線を整流子片31cに接続し、ここからスロット27bとスロット27fとを通してティース27b1とティース27e1とに導線を巻装した後に整流子片31dに導線を接続し、次いで、互いに同電位となるべき整流子片同士、つまり互いに回転方向に180度ずれて配置される整流子片31lに導線を接続した後、再度もとの整流子片31dに導線を接続し、以下同様にスロットを通してティースへの導線の巻装と接続線の形成とを順次行う。
一方、図6に示す方法では、図5に示す場合と同様にダブルフライヤ方式による重ね巻を基本とし、各導線を所定の整流子片に接続し、そこから所定のスロットを通して所定のティースに導線を巻装した後、当該整流子片の隣の整流子片に導線を接続し、次いで当該整流子片から回転方向に180度ずれた整流子片に導線を接続する。そして、その180度ずれた整流子片を基準として各スロットを通して各ティースへ導線を巻装し、当該整流子片の隣の整流子片に導線を接続した後、もとの整流子片つまり当該整流子片から回転方向に180度ずれた整流子片に導線を接続し、以下、同様な手順を繰り返して、スロットを通してティースへの巻線28の装着と接続線41a〜41hの形成とが行われる。たとえば、導線を整流子片31cに接続し、ここからスロット27bとスロット27fとを通してティース27b1とティース27e1とに導線を巻装した後に整流子片31dに導線を接続し、次いで、互いに同電位となるべき整流子片同士、つまり互いに回転方向に180度ずれて配置される整流子片31lに導線を接続した後、スロット27kとスロット27oとを通してティース27k1とティース27n1に導線を巻装し、もとの整流子片つまり当該整流子片から回転方向に180度ずれた整流子片31lに再度導線を接続した後、整流子片31dに導線を接続し、以下同様にスロットを通してティースへの巻装と接続線の形成とを順次行う。なお、ここではスロット、ティースおよび整流子片は16のもので説明しているが、モータの特性によって数は異なる。また、導線が巻装されるスロットおよびティースの間隔は、モータの特性に応じて変えることが可能である。
このように、このワイパモータ18では、図5または図6に示す手順で各スロット27a〜27pを通して各ティース27a1〜27p1に導線を重ね巻し、各整流子片31a〜31pに導線を接続することにより、巻線28と接続線41a〜41hとを同一の導線により形成するようにしたので、接続線41a〜41hの形成を容易にすることができる。また、各整流子片31a〜31pを互いに接続するための接続部材として、導線とは別の他の部材を用いる必要がないので、部品点数の増加を防止して、このワイパモータ18のコストを低減させることができる。
モータヨーク21にはギヤケース51が固定されており、このギヤケース51にはアマチュアシャフト24の回転を減速する減速機構52が収容されている。アマチュアシャフト24はギヤケース51の内部に突出し、このアマチュアシャフト24のギヤケース51の内部に突出する部分の外周面にはウォーム53が一体的に形成されており、このウォーム53はアマチュアシャフト24とともに回転するようになっている。また、ギヤケース51にはウォームホイール54が回転自在に収容されており、ウォーム53はウォームホイール54に噛み合わされ、ウォーム53とウォームホイール54とにより減速機構52が構成されている。ウォームホイール54の中心軸上には前述のリンク機構19が連結される出力軸18aが固定されており、これにより、アマチュアシャフト24の回転は減速機構52により所定の回転数にまで減速して出力軸18aから出力されるようになっている。
また、ギヤケース51の内部には、ワイパモータ18の作動を制御する制御基板55が収容されている。この制御基板55は配線により図示しないワイパスイッチや車載されたバッテリ(電源)等に接続されており、運転者等によりワイパスイッチが操作されると、この制御基板55から各ブラシ32,33,36に駆動電流が供給され、これによりワイパモータ18が作動するようになっている。また、制御基板55にはアマチュアシャフト24に固定される回転検出用マグネット56に対向するホールセンサ(不図示)が設けられており、制御基板55はホールセンサにより検出されるアマチュアシャフト24の回転数に基づいてワイパモータ18の作動制御を行うようになっている。
次に、このワイパモータ18の動作について説明する。
運転者等によりワイパスイッチが低速運転側に操作されると、制御基板55からプラス極である共通ブラシ32とマイナス極である低速運転用ブラシ33とを介して巻線28に駆動電流が供給される。このとき、低速運転用ブラシ33は共通ブラシ32に対して回転方向に90度ずれて配置されているが、各整流子片31a〜31pは互いに180度ずれた位置の整流子片同士が接続線41a〜41hにより互いに電気的に接続されているので、一対のブラシ32,33により巻線28にモータヨーク21に設けられた4極の磁極に対応する駆動電流が供給され、ワイパモータ18を作動させることができる。これにより、低速運転時には、共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33とが対となって巻線28に駆動電流が供給され、ワイパモータ18のアマチュアシャフト24は低速で回転する。アマチュアシャフト24が回転すると、その回転は減速機構52により所定の回転数にまで減速されて出力軸18aから出力され、ワイパアーム16a,16bは低速で揺動する。
一方、運転者等によりワイパスイッチが高速運転側に操作されると、制御基板55からプラス極である共通ブラシ32とマイナス極である高速運転用ブラシ36とを介して巻線28に駆動電流が供給される。つまり、高速運転時には、共通ブラシ32と高速運転用ブラシ36とが対となって巻線28に駆動電流が供給される。このとき、高速運転用ブラシ36は低速運転用ブラシ33に対して回転方向にずれて配置されている、つまり進角を付けられているので、ワイパモータ18のアマチュアシャフト24は低速運転時よりも高速で回転する。そして、アマチュアシャフト24が回転すると、その回転は減速機構52により所定の回転数にまで減速されて出力軸18aから出力され、ワイパアーム16a,16bは高速で揺動する。
このように、このワイパモータ18では、モータヨーク21の内面に装着される界磁部に4極以上の磁極を設け、互いに同電位となるべき整流子片同士を電気的に接続するとともに、共通ブラシ32と対となって巻線28に駆動電流を供給する低速運転用ブラシ33に加えて、低速運転用ブラシ33に対して回転方向にずれて配置される高速運転用ブラシ36を設けるようにしたので、4極のワイパモータ18であってもその回転速度を切り替えることができる。また、高速運転用ブラシ36が付加されることにより巻線28に生じる起電力のアンバランスは接続線41a〜41hにより回転方向にバランスされるので、高速運転用ブラシ36に流れる循環電流を低減させて低速運転用ブラシ33の摩耗を抑制することができる。つまり、作動速度を切り替えるための高速運転用ブラシ36を備えたワイパモータ18では、高速運転用ブラシ36に通電していない場合でも高速運転用ブラシ36が隣り合う整流子片同士を短絡することによりショートコイルが生じ、有効導体数が変化して各ブラシに循環電流が流れてブラシの摩耗が促進されるが、このワイパモータ18では180度ずれた整流子片同士が接続線41a〜41hにより接続されているので、循環電流を各接続線41a〜41hに流してブラシ32,33の耐久性を高めることができる。
また、このワイパモータ18では、4極に多極化しても、共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33の2つのブラシによりワイパモータ18を作動させることができるので、高速運転用ブラシ36のレイアウト性を向上させるとともに、コストを低減させることができる。つまり、4極の界磁部に合わせて4つのブラシを設ける必要がないので、その分、高速運転用ブラシ36を配置するスペースが増すことになり、これにより高速運転用ブラシ36のレイアウト性を高められることになる。
図7(a)〜(c)はそれぞれ図3に示す高速運転用ブラシの配置位置の変形例を示す説明図である。図3に示すワイパモータ18では、高速運転用ブラシ36は低速運転用ブラシ33に対してアマチュアシャフト24の軸心を中心として回転方向(周方向)に鈍角にずれ、共通ブラシ32に対しては回転方向(周方向)に鋭角にずれる位置に配置されているが、図7(a)に示すように、共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33の両方に対して回転方向(周方向)に鋭角にずれる位置、つまり図3に示す高速運転用ブラシ36の位置に対して共通ブラシ32とアマチュアシャフト24の軸心とを通る線分に対して対称な位置に配置するようにしてもよい。
また、図7(b)に示すように、高速運転用ブラシ36は、共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33の両方に対して回転方向(周方向)に鈍角にずれる位置に配置するようにしてもよい。つまり図3に示す高速運転用ブラシ36の位置に対して低速運転用ブラシ33とアマチュアシャフト24の軸心とを通る線分に対して対称な位置に高速運転用ブラシ36を配置するようにしてもよい。すなわち、高速運転用ブラシ36は、回転方向における共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33との間であって角度の広い方に配置されている。
さらに、図7(c)に示すように、共通ブラシ32に対して回転方向(周方向)に鈍角にずれるとともに低速運転用ブラシ33に対して回転方向(周方向)に鋭角にずれる位置、つまり図3に示す高速運転用ブラシ36の位置に対してアマチュアシャフト24の軸心を中心とした点対称な位置に高速運転用ブラシ36を配置するようにしてもよい。この場合、共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33との回転方向(周方向)は互いに逆方向になっている。
このように、このワイパモータ18では、界磁部を4極に設定しても、一対のブラシによりモータを作動させることができるので、ブラシホルダ34への高速運転用ブラシ36の配置位置を図3あるいは図7に示す各位置に設定するなど、各ブラシ32,33,36のレイアウト性を高めることができる。
図8は本発明を6極のワイパモータに適用した場合を示す回路図である。
図2に示すワイパモータでは、モータヨーク21に4極の界磁部を設け、整流子31を構成する各整流子片31a〜31pを180度ずれたもの同士を接続線41a〜41hにより電気的に接続し、これにより4極の界磁部に対応した回路で巻線28を形成し、一対のブラシにより4極のワイパモータ18を作動させるようにしているが、これに限らず、本発明は4極以上の磁極を備えた界磁部を有するワイパモータにも適用することができる。たとえば、図8に示すワイパモータ61では、モータヨーク21の内面に6つのマグネット22、つまり6極の磁極を備えた界磁部が装着され、各スロット27a〜27xには巻線28が装着され、整流子31を構成する各整流子片31a〜31xは回転方向に120度ずれた整流子片同士が3つ対となって接続線41a〜41hにより電気的に接続されている。これにより、6極の界磁部に対応した回路で巻線28を形成し、共通ブラシ32と低速運転用ブラシ33の一対のブラシにより、ワイパモータ61を作動させることができる。
また、ワイパモータ61にも、低速運転用ブラシ33に対して回転方向にずれて高速運転用ブラシ36が設けられており、この高速運転用ブラシ36と共通ブラシ32とを対として通電することによりワイパモータ18を高速運転させることができるようになっている。
なお、図7、図8においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、モータ極数つまり界磁部の極数が4極と6極の場合が示されているが、これに限らず、4極以上で偶数個であればよい。
また、本実施の形態においては、ワイパモータ18,61は、低速運転と高速運転の2段の作動速度に切り替え可能なものとされているが、これに限らず、3段以上の作動速度に切り替え可能としてもよい。
さらに、本実施の形態においては、巻線28を形成する導線により接続部材である接続線41a〜41hを構成するようにしているが、これに限らず、整流子片同士を接続することができる部材であれば、他の部材を用いるようにしてもよい。
11 車両
12 フロントガラス(ウインドシールド)
13 ワイパ装置
14 車体
15a,15b ワイパ軸
16a,16b ワイパアーム
17a,17b ワイパブレード
18 ワイパモータ
18a 出力軸
19 リンク機構
21 モータヨーク
22 マグネット(界磁部)
23 アマチュア
24 アマチュアシャフト
25 軸受
26 支持球
27 アマチュアコア
27a〜27x スロット
28 巻線
31 整流子
31a〜31x 整流子片
32 共通ブラシ
33 低速運転用ブラシ(第1のブラシ)
34 ブラシホルダ
35 スプリング
36 高速運転用ブラシ(第2のブラシ)
41a〜41h 接続線(接続部材)
51 ギヤケース
52 減速機構
53 ウォーム
54 ウォームホイール
55 制御基板
56 回転検出用マグネット
61 ワイパモータ

Claims (2)

  1. 車両のウインドシールドを払拭するワイパ装置を駆動するワイパモータにおいて、
    アマチュアシャフトを回転自在に支持するモータヨークと、
    前記モータヨークの周方向内面に固定される4極以上の偶数の磁極を備える界磁部と、
    周方向に並ぶ複数のティースを備え、前記アマチュアシャフトに固定されるアマチュアコアと、
    周方向に並ぶ複数の整流子片を備え、前記アマチュアシャフトに固定される整流子と、
    複数の前記ティースの各ティースから所定のティースを跨いでそれぞれ重ね巻きされ、それぞれの前記整流子片に電気的に接続される巻線と、
    それぞれ互いに同電位となるべき前記整流子片同士を電気的に接続する複数の接続部材とを有し、
    前記整流子の周りに周方向に沿って共通ブラシ、第1のブラシ、第2のブラシをそれぞれ1つずつ備えるワイパモータであって、
    前記第1のブラシは、前記共通ブラシに対して周方向にずれた位置に配置され、かつ、前記整流子片に摺接し、前記共通ブラシと対となって前記巻線に駆動電流を供給する低速運転用ブラシであり
    前記第2のブラシは、前記第1のブラシと前記共通ブラシとで構成される周方向の角度のうち広い方に配置され、かつ、前記整流子片に摺接して前記共通ブラシと対となって前記巻線に駆動電流を供給する高速運転用ブラシであり
    前記共通ブラシおよび前記第1のブラシ、または前記共通ブラシおよび前記第2のブラシのいずれか一方の対に通電することにより作動速度を切り替え可能であることを特徴とするワイパモータ。
  2. 請求項1記載のワイパモータにおいて、前記界磁部は4極の磁極を備え、前記第1のブラシは前記共通ブラシに対して周方向に90度ずれた位置に配置されていることを特徴とするワイパモータ。
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