JP2010093778A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無給電時に無バイアスモードで光電変換を行うことでFM信号の如き所定帯域の電気信号を出力する光電変換装置において、当該所定帯域の電気信号のDU比を向上させることができる光電変換装置を提供すること。
【解決手段】光伝送システムにおいて光信号を電気信号に変換する光受信機1であって、光信号を電気信号に変換するPD2と、PD2のカソード側とアノード側を短絡させる短絡路6と、短絡路6に設けられたもので所定帯域の電気信号を減衰させるFMBEF7と、PD2のアノード側に接続され当該PD2フォトダイオードから出力された電気信号を出力するRF出力端子3と、短絡路6におけるPD2のカソード側に接続されFM帯域の電気信号を出力するFM出力端子4とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光伝送システムにおいて光送信機から光伝送路を介して送信された光信号を受信して電気信号に変換する光電変換装置に関する。
近年では、光通信技術の進展に伴い、光ケーブルを用いた光伝送システムが普及している。この光伝送システムによれば、数10Km程度の無中継伝送が可能となるため、伝送システムを容易に広域化できる。この光伝送システムは、概略的には、送信者側に配置した光送信機と、受信者側に配置した光受信機としての光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)とを、光ケーブルにて構成された長距離用の光伝送路を介して接続して構成されている。そして、送信者側においてTV信号や告知放送信号を混合し、この混合された電気信号を光送信機によって光信号に変換し、この光信号を光伝送路を介して光回線終端装置に送信する。この光回線終端装置では、光信号を電気信号(RF信号)に変換してTV受像機に出力する。この光電変換装置には、光信号を電気信号に変換するためのPD(Photo Diode)が組み込まれており、このPDに逆電圧を印加することで、PDに入射した光エネルギーの光強度変化に比例した電流(逆電流)が流れ、光電変換を行うことができる。
ここで、緊急告知放送を行う放送システムにおいては、災害等に伴う停電時においても告知放送を継続できる体制が必要になる。しかしながら、停電によって光電変換装置に対する電源供給が停止すると、PDに逆電圧が印加されなくなるため、光電変換を行うことができなくなる。このような事態を防止するため、乾電池や大容量キャパシタをバックアップ電源として光電変換装置に内蔵し、停電時においても逆電圧を印加することで光電変換を継続可能とすることが提案されていた(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、乾電池をバックアップ電源として用いた場合には、乾電池のメンテナンスに手間を要するという問題があるため、PDを逆電圧印加のない無バイアスモード(太陽電池モード)で使用し、このPDから出力される信号を出力端子を介して出力することで、乾電池を用いることなく光電変換を行うことが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2006−174211号公報 特開2008−78988号公報
このような無バイアスモードでの光電変換を可能とした光電変換装置では、例えば、CATV信号を伝送する場合、給電時には、全チャンネルの放送信号を所要性能を満足した高品質で伝送し、無給電時には、緊急告知放送等を行うFM帯の放送信号のみを所要性能を満足したFM信号として伝送していた。しかしながら、この場合には、各チャンネルの多くの歪成分がFM信号に落ち込み、FM信号のDU比を低下させるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無給電時に無バイアスモードで光電変換を行うことでFM信号の如き所定帯域の電気信号を出力する光電変換装置において、当該所定帯域の電気信号のDU比を向上させることができる光電変換装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の光電変換装置は、光伝送システムにおいて光信号を電気信号に変換する光電変換装置であって、前記光信号を前記電気信号に変換するフォトダイオードと、前記フォトダイオードのカソード側とアノード側を短絡させる短絡路と、前記短絡路に設けられたもので、所定帯域の電気信号を減衰させる減衰手段と、前記フォトダイオードに接続され、当該フォトダイオードから出力された電気信号を出力する出力手段とを備える。
請求項2に記載の光電変換装置は、請求項1に記載の光電変換装置において、逆電圧を前記フォトダイオードに印加する逆電圧印加手段と、前記逆電圧の無給電時にのみ前記短絡路を閉状態とする開閉手段とを備える。
請求項3に記載の光電変換装置は、請求項1又は2に記載の光電変換装置において、前記所定帯域の電気信号を通過させる濾過手段を、前記短絡路と前記出力手段との間に設けた。
請求項1に記載の光電変換装置によれば、無給電時においても、フォトダイオードのカソード側とアノード側が短絡され、無バイアスモードのフォトダイオードから出力された電気信号が第2出力端子から出力されることで、光電変換出力を行うことが可能となる。特にこの構成では、所定帯域の電気信号が減衰手段にて減衰させるので、不要なチャンネルの電気信号が短絡されてフォトダイオード自身にそのチャンネルの電圧が発生しなくなり、したがってその電気信号による歪も発生しなくなる。よって、これら電気信号の歪成分が所定帯域の電気信号に落ち込むことが防止され、当該所定帯域の電気信号のDU比を向上させることができる。
請求項2に記載の光電変換装置によれば、さらに給電時には、逆電圧がフォトダイオードに印加され、フォトダイオードから出力された電気信号が第1出力端子から出力されることで、光電変換出力を行うことが可能となる。
また、請求項3に記載の光電変換装置によれば、所定帯域の電気信号を通過させる濾過手段を設けたので、不要な帯域の電気信号を排除して、所定帯域の電気信号のDU比を一層向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る光受信機の回路図である。 図1の回路における無給電時における信号の流れを模式的に示す図である。 PD2の電圧−電流特性図である。 実施の形態2に係る光受信機の回路図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る光電変換装置の実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態1
最初に、本発明の実施の形態1について説明する。
〔構成〕
本実施の形態1に係る光受信機の構成について説明する。図1は本実施の形態1に係る光受信機の回路図である。この光受信機1は、光電変換を行うPD2と、RF信号を出力するRF出力端子3と、FM信号を出力するFM出力端子4とを、線路を介して接続して構成されている。これらRF出力端子3及びFM出力端子4は、特許請求の範囲における出力手段に対応する。
PD2のアノード側には、増幅器A1が接続されており、この増幅器A1の出力段側に上述したRF出力端子3が接続されている。また、PD2のアノード側には、抵抗R1とコイルL1が接続されており、これら抵抗R1とコイルL1の間には、コンデンサC1と制御回路5がそれぞれ接続されている。
PD2のカソード側には、正電源+Vcが抵抗R2を介して接続されている。この抵抗R2は、特許請求の範囲における逆電圧印加手段を構成する。また、抵抗R2の両端には、コンデンサC2、C3が接続されている。
さらに、光受信機1には、PD2のカソード側とアノード側を短絡させる短絡路6(図1、2において一点鎖線で示す)が設けられている。この短絡路6には、PD2に対してFMBEF(FM Band Eliminate Filter)7とスイッチ8が直列に接続されており、このFMBEF7にはコイルL2が並列に接続されている。このFMBEF7は、所定帯域の電気信号(ここではFM信号。以下同じ)を減衰させるもので、特許請求の範囲における減衰手段に対応する。また、スイッチ8は、逆電圧の無給電時にのみ短絡路6を閉状態とするもので、特許請求の範囲における開閉手段に対応する。
このように構成された短絡路6におけるPD2のカソード側には、FMBPF(FM Band Pass Filter)9が接続されている。このFMBPF9は、所定帯域の電気信号を出力するもので、特許請求の範囲における濾過手段に対応する。
〔動作−給電時〕
次に、このように構成された回路の動作について説明する。正電源+Vcの給電時には、スイッチ8は開状態とされており、正電源+Vcから給電された逆電圧がPD2に印加され、このPD2にて光電変換され電気信号が出力され、この電気信号がRF出力端子3から出力されると共に、FMBPF9を通過したFM信号がFM出力端子4から出力される。
〔動作−無給電時〕
図2は、図1の回路における無給電時における信号の流れを模式的に示す図であり、当該信号を二点鎖線で示す。図3はPD2の電圧−電流特性図である。停電等によって、正電源+Vcが無給電状態になった時には、無バイアスモードで駆動されたPD2にエネルギ・バンドキャップ以上の光エネルギーが入射されると、この光エネルギーが空乏層で吸収され、伝導電子と正孔との生成及びドリフトが行われることにより、光強度に比例した起電力が発生する。また、この無給電時には、スイッチ8は公知の方法によって閉状態とされることで、短絡路6が形成される。このような動作により、例えば、CATV信号を伝送する場合、FM帯域以外の帯域の電気信号が、FMBEF7にて減衰させるので、不要なチャンネルの電気信号のみが短絡されてフォトダイオード自身にそのチャンネルの電圧が発生しなくなり、したがってその電気信号による歪も発生しなくなる。よって、これら電気信号の歪成分がFM帯域の電気信号に落ち込むことが防止される。従って、FM信号のみが非短絡状態となって電圧を持ち、FM出力端子4から出力されるので、DU比の高いFM信号を得ることができる。特に、FM帯域以外の電気信号は、FMBPF9を通過できないため、FM出力端子4から出力されるFM信号のDU比を一層向上させることができる。
〔効果〕
これまで説明したように本実施の形態1によれば、給電時には、逆電圧がPD2に印加され、PD2から出力された電気信号がRF出力端子3から出力されることで、光電変換出力を行うことが可能となる。また、無給電時には、PD2のカソード側とアノード側が短絡され、無バイアスモードのPD2から出力された電気信号がFM出力端子4から出力されることで、光電変換出力を行うことが可能となる。特にこの構成では、FM帯域の電気信号がFMBEF7にて減衰させるので、不要なチャンネルの電気信号のみが短絡されてフォトダイオード自身にそのチャンネルの電圧が発生しなくなり、したがってその電気信号による歪も発生しなくなる。よって、これら電気信号の歪成分がFM信号に落ち込むことが防止され、FM信号のDU比を向上させることができる。
また、FM信号を通過させるFMBPF9を設けたので、不要な帯域の電気信号を排除して、FM信号のDU比を一層向上させることができる。
〔II〕実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について説明する。ただし、特記した場合を除いて、実施の形態2に示す構成及び処理は、実施の形態1に示す構成及び処理と同様であり、実施の形態1に示す構成及び処理と同じ内容については、必要に応じて、実施の形態1の説明で使用したものと同じ符号を用いることで、その説明を省略する。
〔構成〕
図4は本実施の形態2に係る光受信機10の回路図である。この光受信機10は、図1に示した実施の形態1に係る光受信機1の構成の中で、PD2、FM出力端子4、短絡路6、FMBEF7、FMBPF9、及びコイルL2のみを残し、他の構成要素を省略することにより構成されている。すなわち、実施の形態1に係る光受信機1では、給電時(逆電圧の印加時)と無給電時(逆電圧の非印加時)の2つの状態を想定しているため、給電時用の構成要素と無給電時用の構成要素の両方を備えた上で、給電状態に応じてスイッチ8で短絡路6を開閉することで、各給電状態に応じた回路構成としていた。しかし、このことから自明であるように、無給電時のみが想定される環境下では、給電時用の構成要素等を省略しても、無給電時における光電変換を行うことが可能である。そこで、実施の形態2においては、無給電時のみを想定し、無給電時用の構成要素を備える一方、給電時に必要になる構成要素や短絡路6を開閉するスイッチ8を省略している。
〔動作−無給電時〕
このような構成において、光受信機10によれば、光受信機1の無給電時における動作と同様に、FM信号のみが非短絡状態となって電圧を持ち、FM出力端子4から出力されるので、DU比の高いFM信号を得ることができる。特に、FM帯域以外の電気信号は、FMBPF9を通過できないため、FM出力端子4から出力されるFM信号のDU比を一層向上させることができる。
〔効果〕
これまで説明したように本実施の形態2によれば、実施の形態1における無給電時と同様の効果を得ることができる。特に、無給状態のみが想定される環境下では、実施の形態1の光受信機1に代えてこの光受信機10を使用するようにしておくことで、光受信機10を極めて簡易に構成でき、光受信機10の製造コストを大幅に低減することができる。
〔変形例〕
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例の一部について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(FM出力について)
FMBPF9は必須ではなく、FMBPF9を設けなくてもFM信号の所望の品質を維持できる場合には、FMBPF9を省略してもよい。また、無給電時に出力する信号(バックアップすべき信号)は、FM信号に限られず、例えばVHF信号であってもよく、この場合には、FMBEF7に代えてVHF帯域の信号のみを減衰させる減衰手段を設けると共に、FMBPF9に代えてVHF帯域の信号のみ通過させる濾過手段を設け、FM出力端子4からVHF信号を出力させてもよい。
(その他の回路構成について)
上述した回路構成は一例であり、公知の技術を用いて任意に変更することができる。例えば、FM出力端子4の前段に適度な大きさのトランスを設けることで、無給電時におけるFM信号の出力向上を図ってもよい。また、PD2のカソード側にRF出力端子3を接続し、PD2のアノード側に所定帯域のFM出力端子4を接続してもよい。また、RF出力端子3とFM出力端子4は一つの出力端子で兼用してもよい。このように兼用化する場合は、FMBPF9や増幅器A1を削除するか、あるいはリレーで分岐させて、給電時には増幅器A1を挿入すると共にFMBPF9を取り外し、無給電時にはFMBPF9を挿入すると共に増幅器A1を取り外してもよい。
1、10 光受信機
2 PD
3 RF出力端子
4 FM出力端子
5 制御回路
6 短絡路
7 FMBEF
8 スイッチ
9 FMBPF
A1 増幅器
R1、R2 抵抗
L1、L2 コイル
C1、C2、C3 コンデンサ
+Vc 正電源

Claims (3)

  1. 光伝送システムにおいて光信号を電気信号に変換する光電変換装置であって、
    前記光信号を前記電気信号に変換するフォトダイオードと、
    前記フォトダイオードのカソード側とアノード側を短絡させる短絡路と、
    前記短絡路に設けられたもので、所定帯域の電気信号を減衰させる減衰手段と、
    前記フォトダイオードに接続され、当該フォトダイオードから出力された電気信号を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする光電変換装置。
  2. 逆電圧を前記フォトダイオードに印加する逆電圧印加手段と、
    前記逆電圧の無給電時にのみ前記短絡路を閉状態とする開閉手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記所定帯域の電気信号を通過させる濾過手段を、前記短絡路と前記出力手段との間に設けたこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換装置。
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