JP2010093551A - メッセージ伝送装置及びメッセージ伝送方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各通信局間で送受信する伝送フレームに、最終フレーム情報(L=1)と、メッセージ帯域残り時間情報(R_TIME)とを付加する。そして、各送信要求局は、L=1となる伝送フレームを受信したとき、R_TIME≧自局送信メッセージ伝送時間であるとき、受信した伝送フレームの最終フレーム情報をリセットすると共に、自局送信メッセージと、最終フレーム情報(L=1)と、メッセージ帯域残り時間(R_TIME=R_TIME−自局送信メッセージ伝送時間)とを付加した伝送フレームを送出する。
【選択図】 図3
Description
トークンパッシング方式のネットワークでは、上流局から受けたデータを一旦FIFOに受けて、FIFOに蓄えられたデータのヘッダ部分を解析することで、受けたデータがトークンかメッセージか、自局宛か否か、あるいは自局送信データかどうかの判定を行い、それにしたがって中継、受信、削除、送信などの動作を行う。
図10(a)に示すように、このネットワークは、ノード101をマスタ局とする5局構成のリングネットワークである。
そして、図10(b)に示すように、マスタ局であるノード101は、メッセージ送信権を与えるためのトークン(フリートークンTf)を下流へ送信する。フリートークンを受けたノード102は、自局に送信メッセージがあるか否かを確認する。例えば、ノード104への送信メッセージがある場合には、フリートークンのフレームの一部を書き換えビジートークン(Tb:メッセージフレームを意味する)とし、そこにメッセージを付加して下流へ送信する。
メッセージを受信したノード104は、メッセージが自局宛であることを認識し、メッセージデータを自局受信バッファへ格納する。受信バッファへの格納が終わったことで正常受信を示す情報(ACK)を付加して下流へ送信する。
メッセージ送信ノード102は、ノード104から正常に受信できたことを示すACK情報が返ってきたことを確認し、トークンをフリートークンに変えて、下流局へ送信する。以下これを繰り返すことで、メッセージの送信を各局で行っていく。
さらに、1つの通信局を複数の通信手段で構成して、それらに同一の物理アドレスを付与してフレームの受信負荷分散を図り、プロセッサに対してネットワークから受信された順番通りにフレームを受け渡すことを可能とした通信制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような制御ネットワーク(以下、SXバス)では、CPUモジュールとIOモジュール間の制御データ更新(以下、IOリフレッシュ)を、一定期間内に必ず行われなければならない。仮にIOリフレッシュが一定周期内に行われなかった場合、出力抜けなどが発生し、IOモジュールに接続されている機器の異常動作となる。
第1の方法は、ネットワークを構成しているメッセージ通信可能局が最大サイズのメッセージを送信しても耐えられるだけのメッセージ送信時間をあらかじめメッセージ帯域として確保し、トークン1周でメッセージ帯域を終了するというものである。
すなわち、図10(b)のトークンパッシング方式の説明では、ノード102がメッセージを削除し、フリートークンを送信すると、ノード103がすぐにトークンを取得しているが、上記第2の方法では、これを一度マスタ局まで戻し、改めてフリートークンを生成することになる。
また、第2の方法では、1メッセージの送信に対して、必ずトークンを1周させ、残り時間の判断をマスタ局が行わねばならず、メッセージ帯域の利用効率の観点で必ずしもよい方法とはいえない。
そこで、本発明は、通信時間帯域が制限されているリング形状ネットワークにおけるメッセージ通信において、より効率的にメッセージ帯域を利用することが可能なメッセージ伝送装置、及びメッセージ伝送方法を提供することを課題としている。
これにより、メッセージ帯域残り時間と自局がメッセージを送信することにより使われる時間とを比較し、メッセージ帯域の残り時間の方が大きければ、受信したフレームに引き続いて自局の送信メッセージフレームを送信し、逆にメッセージ帯域の残り時間の方が小さければメッセージ送信を行わないようにすることができるので、効率的にメッセージ帯域を使用することができる。
これにより、マスタ局は、自局送信メッセージを送信する際に、総伝送遅延時間(ネットワーク1周分の遅延時間)を減算したメッセージ帯域残り時間をセットすることができるので、各局でメッセージの中継や受信、送信、削除等の判定を行うことに起因して発生する遅延時間を考慮して、適正なメッセージ帯域残り時間をセットすることができる。
このように、マスタ局は、ネットワークを構成するノード数が比較的少なく、各局で発生する遅延時間が無視できる程度である場合には、受信した伝送フレームのメッセージ帯域残り時間をそのままメッセージ帯域残り時間としてセットする。
このように、マスタ局は、最終フレーム情報付きのメッセージコピーの際に、総伝送遅延時間を減算してメッセージ帯域残り時間をセットするので、ネットワークを構成するノード数が比較的多い場合であっても、各局でメッセージの中継や受信、送信、削除等の判定を行うことに起因して発生する遅延時間を考慮して、適正なメッセージ帯域残り時間をセットすることができる。
このように、マスタ局が自局から他局へ優先的に伝送すべき優先メッセージを複数有するとき、メッセージ帯域残り時間を零として優先メッセージを送信するので、他局によるメッセージ送信を抑制して、連続して優先メッセージを送信することができる。
さらに、メッセージ帯域の開始時に、マスタ局が最終フレームであることを示す最終フレーム情報を付加した伝送フレームを送出するので、メッセージ帯域となった時点ですぐにメッセージを送れる状態とすることができ、効率的にメッセージ帯域を利用することができる。
また、請求項3に係る発明によれば、マスタ局が自局送信メッセージを送信する際、各局において発生する遅延時間を考慮してメッセージ帯域残り時間をセットするので、ネットワークを構成する局数が多く、ネットワーク全体の総伝送遅延時間が無視できないほど大きい場合であっても、メッセージ帯域残り時間を適正にセットすることができると共に、確実にメッセージを帯域時間内に送信することができ、次の帯域にメッセージが残ることはない。
さらにまた、請求項6に係る発明によれば、マスタ局は、各局において発生する遅延時間を考慮してメッセージ帯域残り時間をセットするので、ネットワークを構成する局数が多く、ネットワーク全体の総伝送遅延時間が無視できないほど大きい場合であっても、メッセージ帯域残り時間を適正にセットすることができる。
また、請求項8に係る発明によれば、通信時間帯域が制限されているリング形状ネットワークにおけるメッセージ通信において、より効率的にメッセージ帯域を利用することができるメッセージ伝送方法とすることができる。
図1は、本発明におけるリングネットワークの構成図である。図中符号1はマスタ局、2〜5はスレーブ局であり、各通信局は通信ケーブル6a〜6eによってリング状に接続され、リング形状ネットワークを構成している。
本実施形態では、このリング形状ネットワークをプログラマブルコントローラ(PLC)の制御ネットワークとして使用した場合について説明する。
図中符号10はベースボードであり、ベースボード10上にIOモジュール11、CPUモジュール12および電源13が構成されている。ベースボード10間はケーブル14によって接続されている。また、ケーブル14はベースボード10内にも配線されており、ベースボード10内の各モジュール間もケーブル14によって接続されている。なお、図2では、IOモジュール11、CPUモジュール12に対してケーブル14が2度通過しているが、どちらか一方でのみモジュールへの信号入力を行うようになっている。
ここでは、CPUモジュール12を1システム上に複数構成しているため、CPUモジュール12間でデータメッセージを交換する必要がある。データ交換プロトコルとIOリフレッシュプロトコルとは異なるプロトコルであり、これを同一バス上に共存させるために、このようなネットワークシステムでは時分割によりプロトコル帯域管理を行う(図11)。そのため、上記データメッセージ交換では、一定周期のうちの決まった帯域時間のみがメッセージ交換可能時間となる。
この図3に示すように、メッセージフレームのフォーマットは、概略的には、メッセージヘッダ部とメッセージ本体部とから成る。
メッセージヘッダ部は、L(ラストフレームフラグ)41と、FC(フレームコード)42と、R_TIME(メッセージ帯域残り時間)43と、SA(送信元局番)44と、DA(宛先局番)45と、SIZE(データサイズ)46とから構成される。
また、FC42により、このデータがメッセージかどうかを判定する。例えば、フレームコードは、メッセージデータであるときにFC=1、メッセージデータでないときにFC=0にセットされるようになっている。また、このような2値でなく、任意の桁数の判別子であっても構わない。
メッセージ本体部は、DATA(データ)47から構成され、ここには実際にアプリケーションなどが使用する通信データが格納されている。
図4は、スレーブ局におけるメッセージ処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1で、スレーブ局は、上流局からのメッセージを受信し、メッセージヘッダ部をFIFOに蓄えてからステップS2に移行する。
ステップS2では、スレーブ局は、前記ステップS1で蓄えたメッセージヘッダ部を解析し、受信したメッセージが自局で送信したものであるか否かを判定する。そして、自局が送信したものであると判定したときには、ステップS3に移行してこのメッセージを削除してからステップS4に移行し、自局が送信したものでないと判定したときには、そのままステップS4に移行する。
ステップS9では、スレーブ局は、前記ステップS1で蓄えたメッセージヘッダ部を解析し、受信フレームのメッセージ帯域残り時間(R_TIME)が自局送信データの伝送時間以上であるか否かを判定する。そして、このR_TIMEが自局送信データの伝送時間より短いときには、メッセージ送信をしないものと判断して前記ステップS7に移行し、R_TIMEが自局送信データの伝送時間以上であるときには、ステップS10に移行する。
次にステップS11に移行して、スレーブ局は、送信フラグを自局送信メッセージの送信可能状態であることを示す“1”にセットし、ステップS12に移行する。
ステップS12では、スレーブ局は、受信したメッセージのラストフレームフラグをL=0にリセットし、ステップS13に移行する。
ステップS13では、スレーブ局は、受信したメッセージを下流局に中継し、ステップS14に移行する。
このように、スレーブ局は、メッセージヘッダ部をFIFOに受信した後、メッセージ削除判定、メッセージ受信判定、自局メッセージ送信判定を順次行って、下流局にメッセージを中継するようになっている。
この図4において、ステップS9及びS10が第1の算出手段に対応し、ステップS12が第1の受信フレーム情報更新手段に対応し、ステップステップS14及びS15がメッセージフレーム生成手段およびメッセージフレーム送信手段に対応している。
図5は、第1の実施形態におけるメッセージ伝送例を示す図である。ここでは、図1に示すネットワーク構成において、ノード2がノード4宛に、ノード3がノード1宛にメッセージを送る場合について説明する。
なお、図5において、LMはラストフレームフラグ付きメッセージ、Mは通常メッセージ、RTxはメッセージ帯域残り時間(xは付け直し回数)、Maはメッセージデータ(aは宛て先)、ACKbはACK情報を含むメッセージ(bはメッセージ送信元)を示している。
メッセージ帯域残り時間は、実際のメッセージ帯域の時間から最大長のメッセージが1周するのに十分な時間を引いた値とする。これによりメッセージ帯域残り時間を全て使い切るメッセージを送信した場合でも、次の帯域にメッセージが残ることはない。
なお、ダミーメッセージは、マスタ局が送信データを持っていない場合でも、メッセージ帯域になった場合にすぐにメッセージが送れるようにするために送信するものである。したがって、マスタ局が送信メッセージを持っていた場合は、それを送信するようにしてもよい。
マスタ局から送信されたダミーメッセージはノード2が受信し、ノード2は図4に示すメッセージ処理を行う。
このとき、メッセージ帯域残り時間(RT1)がノード2のメッセージ伝送時間以上であるものとすると、ステップS9からステップS10に移行してメッセージ帯域残り時間R_TIMEを新たに算出し、ステップS11に移行してメッセージ送信可能状態を示す送信フラグ(各ノードの内部レジスタ)を“1”にセットする。
これらの操作を行ったうえで、ノード2は受信メッセージ(ダミーメッセージ)を下流局であるノード3に中継し、続けて自局の送信メッセージを送信する(62)。このとき自局送信メッセージのラストフレームフラグはL=1、メッセージ帯域残り時間は前記ステップS10で再計算された値(RT2=RT1−自局送信メッセージ伝送時間)となっている。
また、ノード2は、メッセージ帯域残り時間をRT2=RT1−自局送信メッセージ伝送時間とするので、適正なR_TIMEがセットされた自局メッセージを送信することができる。
さらに、ノード2は、メッセージ帯域残り時間(RT1)が自局メッセージ伝送時間以上であるときにのみ、自局メッセージを送信するので、メッセージ帯域時間内に確実にメッセージ送信することができる。
ノード5では、図4に示すメッセージ処理を行い、ノード1からのダミーメッセージ、ノード4からのACK情報を含むメッセージ、ノード3からの送信メッセージを順次受信し、これらをそのままマスタ局に中継する。
これらの操作により、メッセージ帯域を効率的に活用し、複数の局でメッセージのやり取りを行うことができる。
このように、上記第1の実施形態では、伝送フレームのヘッダ情報に、最終フレーム情報とメッセージ帯域残り時間情報とを追加するので、送信要求局は、自局送信メッセージの伝送時間がメッセージ帯域残り時間より長いときにはメッセージ送信せず、自局送信メッセージの伝送時間がメッセージ帯域残り時間以下であるときには、受信メッセージに引き続いて自局のメッセージ送信を行うので、効率的にメッセージ帯域を利用することができる。
さらに、メッセージ帯域の開始時に、マスタ局が最終フレームであることを示す最終フレーム情報を付加した伝送フレームを送出するので、メッセージ帯域となった時点ですぐにメッセージを送れる状態とすることができ、効率的にメッセージ帯域を利用することができる。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、マスタ局に、メッセージフレームが流れなくなってしまう状態となることを回避する機能を設けるようにしたものである。
図6は、第2の実施形態におけるマスタ局のメッセージ処理手順を示すフローチャートである。なお、この図6では、メッセージ帯域の開始時に最初のダミーメッセージを送信する処理は省略している。
ステップS22では、マスタ局は、前記ステップS21で蓄えたメッセージヘッダ部を解析し、受信したメッセージが自局で送信したものであるか否かを判定する。そして、自局が送信したものであると判定したときには、ステップS23に移行してこのメッセージを削除してからステップS24に移行し、自局が送信したものでないと判定したときには、そのままステップS24に移行する。
ステップS27では、マスタ局は、受信したメッセージのラストフレームフラグをL=0にリセットしてからステップS28に移行し、送信フラグを、自局送信メッセージの送信可能状態を示す“1”にセットしてステップS29に移行する。
ステップS29では、マスタ局は、受信したメッセージを下流局に中継し、ステップS30に移行する。
そして、送信メッセージがないときにはステップS32に移行し、ダミーメッセージを生成してから後述するステップS35に移行する。ここで、ダミーメッセージのラストフレームフラグはL=1にセットすると共に、R_TIMEには、受信したフレームのR_TIMEと自局送信データの伝送時間との差分から総遅延時間を減算した値をセットする(R_TIME=R_TIME−自局送信データの伝送時間−総遅延時間)。
ステップS35では、マスタ局は、前記ステップS32又はステップS34で算出したR_TIMEが正値であるか否かを判定し、R_TIME<0であるときにはメッセージ送信をしないものと判断して後述するステップS37に移行する。
ステップS37では、マスタ局は、送信フラグを“0”にリセットし、メッセージ処理を終了する。
この図6において、ステップS26及びS27が第2の受信フレーム情報更新手段に対応し、ステップS32が第2の算出手段及びダミーメッセージフレーム生成手段に対応し、ステップS33が第1の算出手段に対応し、ステップS34がメッセージフレーム生成手段に対応し、ステップS35及びS36がダミーメッセージフレーム送信手段及びメッセージ送信手段に対応している。
図7は、第2の実施形態におけるメッセージ伝送例を示す図である。
ここでは、前述した第1の実施形態と同様に、ノード2がノード4宛に、ノード3がノード1宛にメッセージを送る場合について説明する。但し、この第2の実施形態では、一巡後にマスタ局(ノード1)にてダミーメッセージフレームを生成し、結果、ノード5にてノード3へのメッセージ送信を継続して実行可能としている点で前述した第1の実施形態とは異なる。以下、相違点である一巡後からの処理について説明する。
すなわち、マスタ局(ノード1)は、ラストフレームフラグがL=1となったフレームを受信したとき、図6のステップS26でYesと判定してステップS27に移行し、受信フレームのラストフレームフラグをL=0にしてから、ステップS29でそのフレームをノード2に中継する(81)。
メッセージ伝送を行う場合、メッセージ送信要求局が次々にメッセージを送信している場合問題がないが、ラストフレームフラグがL=1のメッセージがネットワークを1周する間に新しい送信要求局が現れなかった場合、メッセージ送信局にラストフレームフラグがL=1となっているメッセージが返ってきたところで、メッセージが削除されてしまい、それ以降メッセージ帯域が余っていた場合でも、次のメッセージを送信することが出来なくなる(図5の(67)のケース)。
また、前述したように、ネットワーク上の局は、受信したメッセージの中継、受信、送信および削除の判定を行うために、メッセージのヘッダ部分をFIFOに蓄える。単純に中継操作を行う際にもFIFOの段数分メッセージヘッダが蓄えられる時間が各局あたりの遅延時間となる。遅延時間はメッセージの送受信を行わない局であっても発生するので、ネットワークを構成するノード数が増加するほど、この遅延時間は大きくなり無視できない。
また、上記第2の実施形態においては、ネットワークを構成するノード数が少なく、各局における遅延時間が無視できる程度である場合には、図6のステップS32で、受信したフレームのメッセージ帯域残り時間をそのまま新たなメッセージ帯域残り時間として算出したり(R_TIME=R_TIME)、ステップS34で、受信したフレームのメッセージ帯域残り時間と自局送信データの伝送時間との差分を新たなメッセージ帯域残り時間として算出したり(R_TIME=R_TIME−自局送信データの伝送時間)することもできる。
この第3の実施形態は、前述した第2の実施形態において、マスタ局に、他局に優先的に伝送すべき複数のメッセージ(以下、優先メッセージと称す)があるとき、他局のメッセージ送信を抑制し、この優先メッセージを連続して送信するようにしたものである。
図8は、第3の実施形態におけるマスタ局のメッセージ処理手順を示すフローチャートである。なお、この図8では、メッセージ帯域の開始時に最初のダミーメッセージを送信する処理は省略している。
ステップS42では、マスタ局は、メッセージ帯域残り時間をR_TIME=0とする共に上記優先メッセージを付加した送信メッセージの生成を行い、前記ステップS35に移行する。このとき、生成した送信メッセージのラストフレームフラグはL=1にセットする。
この図8において、ステップS41が第3の算出手段に対応し、ステップS42が優先メッセージフレーム生成手段に対応に対応し、ステップS35及びS36が優先メッセージフレーム送信手段に対応している。
図9は、第3の実施形態におけるメッセージ伝送例を示す図である。
ここでは、マスタ局(ノード1)がノード4とノード5とに送信する優先メッセージを有すると共に、ノード2がノード4宛の通常メッセージを有するものとし、以下、マスタ局(ノード1)が優先メッセージを送信する処理から説明する。
マスタ局から送信された優先メッセージはノード2が受信し、ノード2は前述した図4に示すメッセージ処理を行う。このとき、ノード2はノード4宛の通常メッセージを有するため、図4のステップS8からステップS9に移行するが、メッセージ帯域残り時間がR_TIME=0であるため、ステップS9でNoと判定されてメッセージ送信が行えない。したがって、ノード2は、マスタ局から送信された優先メッセージをノード3に中継する処理だけを行うことになる(92)。
そして、ノード4は、図4に示すメッセージ処理を行って、自局宛の優先メッセージに対する受信動作を行い、ACK情報を付加したメッセージをメッセージ送信元であるマスタ局に送り返す。
ノード5では、図4に示すメッセージ処理を行って、ノード4から送信されたメッセージをそのままマスタ局に中継する。
マスタ局では、自局が送信した優先メッセージのACK情報を確認してから、この優先メッセージを削除する。次に、マスタ局は、ノード4宛の優先メッセージの生成・送信と同様にノード5宛の優先メッセージを生成し、これを送信する(93)。
ノード3及びノード4では、図4に示すメッセージ処理を行って優先メッセージをそのまま中継し、ノード5では、図4に示すメッセージ処理を行って自局宛の優先メッセージに対する受信動作を行い、ACK情報を付加したメッセージをメッセージ送信元であるマスタ局に送り返す。
PLCシステムに由来するメッセージはシステムの維持、管理のために優先的に処理される必要がある。しかしながら、マスタ局とスレーブ局との間でメッセージの優先度に違いがなく両局が等しく扱われる場合、スレーブ局から送信されるPLCアプリケーション由来のメッセージにより、マスタ局がPLCシステムに由来するメッセージを直ちに送信できないという欠点がある。
このように、上記第3の実施形態では、マスタ局が自局から他局へ優先的に伝送すべき優先メッセージを複数有するとき、フレームにセットするメッセージ帯域残り時間を零とするので、他局によるメッセージ送信を抑制し、連続して優先メッセージの送信が可能となる。その結果、PLCシステムに由来するメッセージを優先的に処理することができ、システムの維持・管理を適正に行うことができる。
6a〜6e 通信ケーブル
10 ベースボード
11 IOモジュール
12 CPUモジュール
13 電源
14 ケーブル
41 ラストフレームフラグ
42 フレームコード
43 メッセージ帯域残り時間
44 送信元局番
45 宛先局番
46 データサイズ
47 データ
Claims (8)
- 複数の通信局のうち、一つの通信局をマスタ局、他の通信局をスレーブ局とし、各通信局をリング状に接続したリング形状ネットワークに伝送フレームを周回させるメッセージ伝送装置であって、
前記伝送フレームは、連続的に送信される伝送フレームのうちの最終フレームであるか否かを示す最終フレーム情報と、メッセージ交換が可能な帯域の残り時間を示すメッセージ帯域残り時間情報とを少なくとも有し、
前記マスタ局は、前記メッセージ交換が可能な帯域の開始時に、前記最終フレームであることを示す最終フレーム情報を付加した伝送フレームを送出するメッセージ帯域開始手段を備え、
前記マスタ局及び前記スレーブ局は、
自局からの送信メッセージを有し、且つ前記最終フレーム情報が付加された伝送フレームを受信したとき、前記送信メッセージを送信した後のメッセージ帯域残り時間を算出する第1の算出手段と、
前記第1の算出手段で算出したメッセージ帯域残り時間が正値であるとき、前記最終フレーム情報を非最終フレーム情報に変更する第1の受信フレーム情報更新手段と、
前記第1の受信フレーム情報更新手段により前記変更がなされたとき、前記送信メッセージと、前記最終フレーム情報と、前記メッセージ帯域残り時間とを付加した伝送フレームを生成するメッセージフレーム生成手段と、
前記メッセージフレーム生成手段により伝送フレームが生成されたとき、前記生成された伝送フレームを前記受信した伝送フレームに引き続いて送出するメッセージフレーム送信手段と、を備えることを特徴とするメッセージ伝送装置。 - 前記第1の算出手段は、前記受信した伝送フレームのメッセージ帯域残り時間から前記自局からの送信メッセージの伝送時間を差し引いた差分を、前記送信メッセージを送信した後のメッセージ帯域残り時間として算出することを特徴とする請求項1に記載のメッセージ伝送装置。
- 前記マスタ局の前記第1の算出手段は、前記受信した伝送フレームのメッセージ帯域残り時間から前記送信メッセージの伝送時間を差し引いた差分から前記リング形状ネットワークにおける総伝送遅延時間を減算した結果を、前記送信メッセージを送信した後のメッセージ帯域残り時間として算出することを特徴とする請求項1に記載のメッセージ伝送装置。
- 前記マスタ局は、
前記最終フレーム情報が付加された伝送フレームを受信したとき、前記受信した伝送フレームの前記最終フレーム情報を非最終フレーム情報に変更する第2の受信フレーム情報更新手段と、
前記自局からの送信メッセージが無い状態で、前記最終フレーム情報が付加された伝送フレームを受信したとき、及び前記第1の算出手段で算出したメッセージ帯域残り時間が負値であるときの何れかであるとき、前記受信した伝送フレームのメッセージ帯域残り時間に応じたメッセージ帯域残り時間を算出する第2の算出手段と、
前記第2の算出手段により前記メッセージ帯域残り時間を算出したとき、前記最終フレーム情報と、前記第2の算出手段で算出した前記メッセージ帯域残り時間とを付加した伝送フレームを生成するダミーメッセージフレーム生成手段と、
前記第2の算出手段で算出したメッセージ帯域残り時間が正値であるとき、受信した前記伝送フレームに引き続いて前記ダミーメッセージフレーム生成手段で生成した伝送フレームを送出するダミーメッセージフレーム送信手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のメッセージ伝送装置。 - 前記第2の算出手段は、前記受信した伝送フレームのメッセージ帯域残り時間をそのまま前記メッセージ帯域時間として算出することを特徴とする請求項4に記載のメッセージ伝送装置。
- 前記第2の算出手段は、前記受信した伝送フレームのメッセージ帯域残り時間から前記リング形状ネットワークにおける総伝送遅延時間を減算した結果を、前記メッセージ帯域時間として算出することを特徴とする請求項4に記載のメッセージ伝送装置。
- 前記マスタ局は、
前記最終フレーム情報が付加された伝送フレームを受信したとき、前記受信した伝送フレームの前記最終フレーム情報を非最終フレーム情報に変更する第2の受信フレーム情報更新手段と、
自局から他局へ優先的に伝送すべき優先メッセージを複数有し、且つ前記最終フレーム情報が付加された伝送フレームを受信したとき、前記メッセージ帯域残り時間を零として算出する第3の算出手段と、
前記第3の算出手段により前記メッセージ帯域残り時間を算出したとき、前記優先メッセージと、前記最終フレーム情報と、前記第3の算出手段で算出した前記メッセージ帯域残り時間とを付加した伝送フレームを生成する優先メッセージフレーム生成手段と、
前記優先メッセージフレーム生成手段により伝送フレームが生成されたとき、受信した前記伝送フレームに引き続いて前記優先メッセージフレーム生成手段で生成した伝送フレームを送出する優先メッセージフレーム送信手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のメッセージ伝送装置。 - 複数の通信局のうち、一つの通信局をマスタ局、他の通信局をスレーブ局とし、各通信局をリング状に接続したリング形状ネットワークに伝送フレームを周回させるメッセージ伝送方法であって、
前記伝送フレームは、連続的に送信される伝送フレームのうちの最終フレームであるか否かを示す最終フレーム情報と、メッセージ交換が可能な帯域の残り時間を示すメッセージ帯域残り時間情報とを少なくとも有し、
前記マスタ局は、前記メッセージ交換が可能な帯域の開始時に、前記最終フレームであることを示す最終フレーム情報を付加した伝送フレームを送出し、
前記マスタ局及び前記スレーブ局は、自局からの送信メッセージを有し、且つ前記最終フレーム情報が付加された伝送フレームを受信したとき、前記送信メッセージを送信した後のメッセージ帯域残り時間を算出し、算出したメッセージ帯域残り時間が正値であるとき、前記最終フレーム情報を非最終フレーム情報に変更すると共に、前記送信メッセージと、前記最終フレーム情報と、前記メッセージ帯域残り時間とを付加した伝送フレームを生成し、前記受信した伝送フレームに引き続いて送出することを特徴とするメッセージ伝送方法。
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JP2008261683A Active JP5223582B2 (ja) | 2008-10-08 | 2008-10-08 | メッセージ伝送装置及びメッセージ伝送方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013051684A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Siemens Ag | 自動化システムにおけるメッセージの伝送方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04225646A (ja) * | 1990-12-27 | 1992-08-14 | Komatsu Ltd | 直列制御装置のノ−ドアドレス割付制御装置 |
JPH1023050A (ja) * | 1996-07-08 | 1998-01-23 | Fuji Electric Co Ltd | リング状ネットワークにおける信号伝送方式 |
JPH11284645A (ja) * | 1998-03-27 | 1999-10-15 | Fuji Electric Co Ltd | リング状ネットワークのデータ転送方式 |
JP2000049836A (ja) * | 1998-07-31 | 2000-02-18 | Fuji Electric Co Ltd | リング状ネットワークのデータ伝送システム |
-
2008
- 2008-10-08 JP JP2008261683A patent/JP5223582B2/ja active Active
Patent Citations (4)
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JP2013051684A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Siemens Ag | 自動化システムにおけるメッセージの伝送方法 |
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JP5223582B2 (ja) | 2013-06-26 |
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