以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る管理サーバを備えた管理システムは、利用制限対象端末の利用を制限する場合であっても、必要な範囲で適切に利用制限のための利用制限情報を設定するシステムである。
本管理システムは、例えば、学校において授業時間帯の生徒の携帯電話機等の移動通信端末機の利用を制限するようにしたビジネスモデルに適用可能である。本管理システム100は、図1に示すように、例えば、利用制限対象端末の利用制限情報を管理する管理サーバ101と、利用制限対象端末となる生徒の移動通信端末機102と、この移動通信端末機102の利用制限情報を登録するための外部通信端末(PC(Personal Computer)や先生の携帯電話機等)103とから構成される。この管理システム100において、例えば、管理サーバ101は通信網上に設けられ、外部通信端末103は学校に設けられる。学校の先生は、外部通信端末103を用いて管理サーバ101にアクセスして、事前に付与されたID(後述する)に基づいて移動通信端末機102の利用制限情報を登録する。管理サーバ101は、このように外部通信端末103を介して登録された利用制限情報を管理する。この利用制限情報は、移動通信端末機102に対する利用制限サービスに利用される。
このような利用制限情報を利用した利用制限サービスの提供を受けるためには、上述した利用制限情報に先立って利用制限サービスの提供に必要となる識別情報(ID)の登録処理が必要となる。ここで、利用制限サービスの提供に必要となるIDの登録処理の一例について説明する。図2は、本実施の形態に係る管理システム100に対する利用制限サービスの提供に必要となるIDの登録処理のシーケンス図である。なお、以下においては、移動通信端末機102の一例として携帯電話機102を用いると共に、外部通信端末103の一例として学校に備えられたPC103を用いて説明をするものとする。ここでは、管理サーバ101と先生が使用するPC103との間、並びに、管理サーバ101と生徒が使用する携帯電話機102との間の情報のやりとりは、移動通信網やインターネット網を介して行われる場合について示すが、これに限定されるものではなく、電話や手紙等の通信手段を用いて行うようにしても良い。
利用制限サービスの提供に必要となるIDを登録する際、まず、PC103を介して管理サーバ101(管理サーバ101が提供する情報登録用Webページ)にアクセスして利用制限サービスの申込みが行われる。この利用制限サービスの申込みにおいては、少なくとも、利用制限サービスの申込者(利用制限申込者)の学校の名称や連絡先、利用制限対象となるクラス情報が含まれる。図2に示すように、PC103から利用制限サービスの申込みが行われると(ステップS201)、管理サーバ101(管理サーバ101が備える識別情報発行手段)において、利用制限申込者に割り当てられるID(学校ID・クラスID)が発行され(ステップS202)、これらの学校ID・クラスIDが利用制限申込者に通知される(ステップS203)。また、管理サーバ101においては、これらの学校ID・クラスIDに対応づけて利用制限申込者の情報が登録される。なお、この場合、利用制限申込者が本利用制限サービスを利用する際に要求されるパスワードも発行され、学校ID・クラスIDと共に利用制限申込者に通知される。
管理サーバ101から学校ID・クラスIDを受け取ると、携帯電話機102を使用する生徒に連絡される(ステップS204)。例えば、このような生徒に対する学校ID・クラスIDは、各生徒に対する配布物等により連絡される。そして、学校ID・クラスIDの連絡を受けた生徒の携帯電話機102から、当該携帯電話機102の電話番号及びメールアドレスの登録が要求されると(ステップS205)、管理サーバ101において、携帯電話機102に割り当てられるID(生徒ID)が発行される(ステップS206)。例えば、携帯電話機102からの電話番号及びメールアドレスの登録要求は、管理サーバ101(管理サーバ101が提供する情報登録用Webページ)にアクセスし、学校ID・クラスIDを用いて所定の手順により行われる。このように生徒IDの発行は、携帯電話機102のユーザからの登録要求に応じて発行するようにしているので、当該携帯電話機102のユーザにおいて、その個人情報を利用制限申込者に開示することなく生徒IDを取得することが可能となっている。管理サーバ101においては、この生徒IDに対応づけて携帯電話機102の電話番号及びメールアドレスが登録される。このようにして利用制限サービスの提供に必要となるIDが管理サーバ101に登録されることとなる。これ以降、PC103を介して、上述した学校ID、クラスID及び生徒IDに基づいて、携帯電話機102の利用制限情報の設定登録処理を行うことが可能となり、管理サーバ101(管理サーバ101が備える利用制限情報受付手段)においては、このような利用制限情報を受け付ける。
そして、利用制限サービスの提供に必要となるIDを登録した後、管理サーバ101において、適正に電話番号及びメールアドレスが登録されたことを証明する書面として加入者証明書が発行される(ステップS207)。この加入者証明書は、生徒が学校内への携帯電話機102の持ち込みを許可して貰う際に利用される。発行された加入者証明書は、携帯電話機102に送信される(ステップS208)。なお、加入者証明書は、書面で生徒に郵送するようにしても良い。加入者証明書を受け取った生徒は、学校側からの要求に応じてこの加入者証明書を提示することにより、携帯電話機102の持込みが許可される。
ここで、管理サーバ101により発行されるIDについて説明する。このIDは、利用制限対象端末となる携帯電話機102を識別するためのものであり、携帯電話機102のユーザに関する個人情報(例えば、電話番号やメールアドレス)以外の情報で構成される。具体的には、IDは、利用制限対象端末となる携帯電話機102毎に割り当てられる生徒IDで構成されるID(対象端末識別情報)と、利用制限申込者に割り当てられる学校ID・クラスIDなどのID(制限者側識別情報)とで構成される。詳細について後述するように、管理サーバ101においては、このような個人情報以外の情報で構成されるIDを用いて、利用制限者(先生)から利用制限情報の設定を受け付けるようにしていることから、利用制限対象端末となる携帯電話機102のユーザの個人情報を用いることなく、利用制限情報を管理することが可能となる。
なお、利用制限申込者に割り当てられるIDは、特定のグループを識別するために当該グループ毎に割り当てられるグループIDを含むものであり、利用制限申込者側が管理する任意のグループに対して付与を求めることができるものである。例えば、利用制限申込者に割り当てられるグループIDとしては、図3に示すように、複数の生徒IDが関連付けられるクラスIDや、複数のクラスIDが関連付けられる学年IDが該当する。詳細について後述するように、利用制限者(先生)は、利用制限情報にクラスIDを指定することにより、生徒個別の利用制限情報を指定することなく、当該クラスIDに関連付けられた生徒IDの生徒が携帯する携帯電話機102の利用を一括的に制限することが可能となる。
また、上述したような登録処理によりIDを登録した後、利用制限申込者から利用制限情報を受け付けると、そして、管理サーバ101(管理サーバ101が備える制限内容判定手段)は、必要な範囲で適切に利用制限情報が設定されているかを所定条件の下で判定する。そして、管理サーバ101(管理サーバ101が備える注意喚起情報送出手段)は、利用制限申込者に注意を喚起する注意喚起情報(例えば、後述する確認メッセージ)を送出する。より具体的には、利用制限申込者から利用制限情報を受け付けると、管理サーバ101(管理サーバ101が備える利用制限情報保持手段)に保持されている利用制限情報のうち、比較対象となる利用制限情報が設定されているかを判定し、該当する利用制限情報が存在する場合には、その利用制限情報の利用制限内容との比較結果に基づいて利用制限申込者に注意を喚起する注意喚起情報を送出する。例えば、特定の学校における授業時間帯の発着信禁止を設定する利用制限情報を受け付けた場合には、同一の学校における授業時間帯の利用制限情報との比較結果に基づいて利用制限申込者に注意を喚起する注意喚起情報を送出する。これにより、利用制限対象端末の利用を制限する場合であっても、必要な範囲で適切に利用制限のための利用制限情報を設定することが可能となる。なお、この場合における管理サーバ101における具体的な動作については後述する。
次に、このように利用制限情報を管理する管理システム100を適用し、携帯電話機102に対する利用制限サービスを提供する通信制御システム1について説明する。図4は、本実施の形態に係る管理システム100を適用した通信制御システム1の概略構成図である。通信制御システム1は、上述した管理システム100における携帯電話機102に相当する携帯電話機2のユーザに対して通信・通話サービスを提供するものであり、図4に示すように、携帯電話機2に無線接続する無線基地局装置(BTS:Base Transceiver Station)3と、複数の無線基地局装置3に無線接続された無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)4と、無線ネットワーク制御装置4に接続された加入者用交換機5と、中継用交換機6を介して加入者交換機5と接続されたサービス制御局(SCP:Service Control Point)7と、から主に構成されている。
本通信制御システム1は、携帯電話機2の利用を制限する利用制限情報に基づいて通信網側から携帯電話機2の発着信を規制する通信制御システムであり、例えば、学校において、原則的に授業時間帯の当該携帯電話機2の利用を制限すると共に、例外的に緊急時の生徒の携帯電話機2への通信及び通話を許可することが可能である。以下においては、学校に、上述した管理システム100におけるPC103に相当するPC15を備え、先生が当該PC15を用いて自身が担当するクラスに所属する生徒の携帯電話機2に対して、授業時間帯の当該携帯電話機2の利用を制限する場合を例に説明する。なお、本実施の形態においては、説明を簡単にするために単一のサービス制御局7及び中継用交換機6、並びに、2つの加入者交換機5を示しているが、この構成に限定されるものではなく、その数は任意である。
図4に示すように、無線ネットワーク制御装置4は、携帯電話機2と無線基地局装置3との間の無線回線を監視する他、携帯電話機2との間に無線チャネルを割り当てる等の無線制御を実施している。また、無線ネットワーク制御装置4は、後述する音声交換機51及びパケット交換機52に接続されており、携帯電話機2から送信された通話信号と、電子メール等のデータ信号とを振り分けて音声交換機51お及びパケット交換機52にそれぞれ送信している。
加入者交換機5は、音声交換機51と、パケット交換機(LS/SGSN:Serving GPRS Support Node)52とから構成されている。また、加入者交換機5は、ビジターロケーションレジスタ(VLR:Visitor Location Register)53と接続されている。音声交換機51は、無線ネットワーク制御装置4から受信した通話信号を、宛先の携帯電話機2が所属する無線基地局装置3に中継すると共に、後述する中継用音声交換機61を介してサービス制御局7から受信した通話信号を無線ネットワーク制御装置4に中継する。パケット交換機52は、無線ネットワーク制御装置4から受信した電子メール等のデータ信号を、宛先の携帯電話機2が所属する無線基地局装置3に中継すると共に、後述する中継用パケット交換機62を介してサービス制御局7から受信したデータ信号を無線ネットワーク制御装置4に中継する。VLR53は、加入者交換機5が管轄する在圏エリア内の携帯電話機2を管理するための当該携帯電話機2の位置登録情報を記憶すると共に、当該携帯電話機2の利用制限を示す利用制限情報を記憶するデータベースである。このように構成された加入者交換機5は、例えば、携帯電話機2からの位置登録要求の際に、携帯電話機2の位置登録情報と共に利用制限情報をHLR71(後述する)からダウンロードしてVLR53に記憶し、位置登録情報に基づいて位置登録処理を行うと共に、利用制限情報に基づいて携帯電話機2の発着信規制処理を行う。なお、VLR53は、加入者交換機5がアクセス可能な構成であれば、加入者交換機5の外部又は内部に設けることが可能である。
中継用交換機6は、加入者交換機5、関門用交換機9、ゲートウェイ(GW:Gateway)10及びメールサーバ11にそれぞれ接続されている。関門用交換機9は、POI(Point Of Interface)12を介して別の関門用交換機13に接続され、ゲートウェイ10は、インターネット網を介して、Webサーバ14及びPC15に接続されている。また、中継用交換機6は、中継用音声交換機61と、中継用パケット交換機(GS/GGSN:Gateway GPRS Support Node)62とから構成されている。中継用音声交換機61は、音声交換機51から受信した通話信号を、サービス制御局7に中継すると共に、サービス制御局7から受信した通話信号を音声交換機51に中継する。中継用パケット交換機62は、パケット交換機52から受信したデータ信号をサービス制御局7に中継すると共に、サービス制御局7から受信したデータ信号をパケット交換機52に中継する。
メールサーバ11は、携帯電話機2及びPC15に対して、メール送受信サービスを提供するものである。なお、詳細は後述するが、メールサーバ11は、利用制限状態とされている携帯電話機2宛てのメールを受信した場合には当該メールを一時的に蓄積し、利用制限状態が解除された後に当該携帯電話機2宛てにメールを送る。この構成であれば、利用制限状態の解除後にメールの送信処理を行うので、蓄積したメールを一定時間で再送する場合に起こり得る不要な送信処理(利用制限状態中の再送信)を発生させることがない。
Webサーバ14は、上述した管理システム100における管理サーバ101として機能するものである。Webサーバ14は、携帯電話機2の利用制限サービスの提供を受けるための情報登録用Webページを提供するものであり、情報登録用Webページを構成するWebコンテンツが保存されている。利用制限者となる先生や、携帯電話機2を携帯する生徒は、この情報登録用Webページを介して上述したIDの登録処理(図2参照)を行う。また、このWebサーバ14は、インターネット網を介してPC15に接続されており、PC15に対して利用制限対象端末となる携帯電話機2に対する利用制限情報を設定するためのインターフェースとして機能している。例えば、Webサーバ14は、利用制限者(先生)を認証するための認証画面(図5)、利用制限情報を確認及び設定するための確認・設定画面(図6)、並びに、詳細な利用制限情報を設定するための詳細設定画面(図7)を提供する。以下、これらの認証画面、確認・設定画面及び詳細設定画面の構成について説明する。
Webサーバ14が提供する情報登録用Webページから利用制限情報の設定処理が指示されると、図5に示す認証画面がPC15に表示される。図5に示すように、認証画面においては、事前に行われたIDの登録処理により発行された学校IDの入力欄501、クラスIDの入力欄502及びパスワードの入力欄503が設けられると共に、入力内容を確認するためのOKボタン504及び処理を中断するキャンセルボタン505が設けられている。先生が認証画面に学校ID、クラスID及びパスワードを入力し、OKボタン504を選択することにより、Webサーバ14に対して認証要求が行われる。Webサーバ14においては、事前に登録しておいた学校ID、クラスID及びパスワードと、入力された情報との照合を行うことで利用制限者(先生)の認証を行う。認証処理により適切な利用制限者であると判定された場合には、図6に示す確認・設定画面がPC15に表示される。一方、適切な利用制限者ではないと判定された場合には、その旨がPC15に表示され、利用制限情報の設定処理が中断される。
確認・設定画面においては、図6に示すように、認証画面で入力された学校ID及びクラスIDに対応する利用制限情報の一覧画面が表示される。確認・設定画面においては、図6に示すように、月単位などの表示態様で利用制限情報が表示される。例えば、図6に示す「2008年6月4日」においては、当該クラスIDに対応する携帯電話機2における時間帯「9:00〜17:00」の発着信の利用が制限されると共に、例外的に「A君」が携帯する携帯電話機2における利用制限が解除されている。すなわち、「A君」は、時間帯「9:00〜17:00」であっても携帯電話機2による発着信が許可されている。また、確認・設定画面においては、現在設定されている利用制限情報を繰り返して設定する繰り返し設定ボタン601と、現在設定されている全ての利用制限情報を解除する緊急解除ボタン602とが設けられている。繰り返しボタン601は、例えば、平日の授業時間帯が略同一の時間帯であることを考慮したものであり、これを利用することにより簡単に利用制限情報を設定することが可能となる。緊急解除ボタン602は、例えば、災害などの非常事態の発生時に一括的に利用制限情報を解除することを考慮したものであり、これを用いることにより非常事態の発生時において迅速に携帯電話機2における発着信を許可することが可能となっている。なお、このような緊急解除ボタン602と同様の観点から、学校等に設置されている火災報知機などの非常事態発生時に操作されるスイッチの操作状態に応じて現在設定されている全ての利用制限情報を解除することは実施の形態として好ましい。なお、新たに利用制限情報を設定する場合には、例えば、設定対象となる日をポインタ等により選択する。これにより、図7に示す詳細設定画面がPC15に表示される。
詳細設定画面においては、図7に示すように、利用制限情報の一括設定を行うための一括設定欄701と、利用制限情報の個別設定を行うための個別設定欄702とが設けられている。一括設定欄701においては、利用制限時間の開始時刻の入力欄701a及び終了時刻701bと、設定ボタン701cとが設けられている。先生が入力欄701aに「9:00」と入力する一方、入力欄701bに「12:00」と入力し、設定ボタン701cを選択することにより、図6における「2008年6月16日」に示すように、当該クラスIDに対応する携帯電話機2における時間帯「9:00〜12:00」の発着信の利用を制限する利用制限情報が指定され、利用制限情報の一括設定が行われる。また、個別設定欄702においては、特定の生徒に個別に設定された利用制限情報が表示される個別生徒情報表示欄702aと、利用制限情報を設定する生徒を選択するための生徒選択ボタン702bと、設定ボタン701cとが設けられている。この場合、生徒選択ボタン702bが選択されると、事前に行われたIDの登録処理により発行された、当該クラスIDに対応する生徒IDの一覧が表示される。そして、その生徒IDの一覧から特定の生徒IDを選択すると、その生徒IDに対応する個別生徒情報表示欄702aが設けられると共に、利用制限時間や利用制限場所などの情報が入力可能となる。個別生徒情報表示欄702aに利用制限情報を入力した後、設定ボタン702cが選択されると、利用制限情報の個別設定が行われる。図7においては、生徒IDの一覧から「B君」の生徒IDが選択され、該当する個別生徒情報表示欄702aが設けられ、「B君」が携帯する携帯電話機2における利用制限を解除する内容が設定された場合について示している。
このように本実施の形態に係る管理サーバ101として機能するWebサーバ14においては、個人情報以外の情報で構成されるID(学校ID、クラスID及び生徒ID)を用いて、利用制限者(先生)からの利用制限情報の登録を受け付けるようにしていることから、利用制限対象端末となる携帯電話機2のユーザの個人情報を用いることなく、利用制限情報を管理することが可能となっている。特に、利用制限情報を指定するために用いられるIDは、携帯電話機2毎に割り当てられる生徒IDと、利用制限者側に割り当てられる学校ID・クラスIDとが含まれることから、これらの学校ID、クラスID及び生徒IDを組み合わせて柔軟に利用制限対象端末となる携帯電話機2を特定することが可能となっている。
PC15は、学校等に設置され、例えば、学級担任の先生により担当クラスの生徒の携帯電話機2に対する利用制限情報を設定するために供される。利用制限情報は、上述したようなWebサーバ14により提供される確認・設定画面及び詳細設定画面から設定される。PC15から設定される利用制限情報は、例えば、図8に示すように、利用制限対象となる携帯電話機2を識別する「ID(学校ID、クラスID、生徒ID)」、携帯電話機2の利用制限時間(例えば、授業時間帯)を示す「発着信禁止時間情報」、携帯電話機2の利用制限場所(例えば、学校)を示す「制限場所情報」、「許可対象番号情報」及び「許可内容情報」から主に構成される。なお、「許可対象番号情報」は、上記利用制限時間帯であっても例外的に発着信を許可する情報を示すものであり、例えば、生徒の保護者の電話番号(自宅の固定電話番号及び親の携帯電話番号)及びメールアドレス、並びに転送先の電話番号及びメールアドレス(保護者の勤務先の電話番号及びメールアドレス)が登録される。また、「許可内容情報」は、許可対象番号である電話番号に対する許可内容(発信、着信、転送)を示すものである。
例えば、図8に示す利用制限情報801においては、学校ID「001」及びクラスID「302」で識別される携帯電話機2、すなわち、当該クラスID「302」で特定されるクラスに所属する生徒が携帯する携帯電話機2に対して2つの発着信禁止時間「祝日を除く月〜金;08:15−12:00,13:00−16:00」が対応付けられている。また、図8に示す利用制限情報802においては、学校ID「001」、クラスID「302」及び生徒ID「A」で特定される生徒が携帯する携帯電話機2に対して上述した2つの発着信禁止時間が対応付けられる一方、2つの許可対象番号及び許可内容「123@aaa.ne.jp(発信・着信)」、「090−1234−5678(着信)」が対応付けられている。このような利用制限情報は、携帯電話機2の利用制限サービスの提供前や、利用制限情報の更新毎(例えば、発着信禁止時間の変更)に、Webサーバ14から提供される情報登録用ページを介して設定(更新)されるものとなっている。そして、このように設定された利用制限情報は、Webサーバ14からサービス制御局7に受け渡され、サービス制御局7によってHLR71(後述する)に登録される。なお、サービス制御局7に受け渡す際、Webサーバ14は、設定された利用制限情報に対応する携帯電話機2の電話番号及びメールアドレスも受け渡す。
このような利用制限情報の設定を受け付けると、Webサーバ14においては、上述したように、事前に設定されている利用制限情報のうち、比較対象となる利用制限情報が設定されているかを判定する。そして、該当する利用制限情報が存在する場合には、その利用制限情報の利用制限内容の比較結果に基づいて利用制限者(先生)に注意を喚起する。ここで、図8に示す利用制限情報801〜803が既に設定されている場合において、利用制限者から利用制限情報804を受け付けた場合について説明する。図9は、本実施の形態に係る管理サーバ101として機能するWebサーバ14が、必要な範囲で適切に利用制限情報が設定されているかを所定条件の下で判定し、利用制限申込者に注意を喚起する際の動作の一例について説明するためのフロー図である。
Webサーバ14においては、図9に示すように、情報登録用Webページから利用制限情報の設定処理が指示された後、利用制限者から利用制限情報を受け付けるか監視している(ステップS301)。具体的には、図6に示す確認・設定画面から繰り返し設定ボタン601が選択されるか、或いは、図7に示す詳細設定画面から設定ボタン701c及び設定ボタン702cが選択されるかを判定することで、利用制限情報の受付けを監視している。なお、利用制限情報を受け付けるまでは、Webサーバ14において、当該監視動作が継続される。利用制限情報を受け付けた場合には、その利用制限情報が一括設定であるか判定する(ステップS302)。利用制限情報の一括設定である場合には、比較対象となる利用制限情報(比較対象情報)があるか判定する(ステップS303)。この場合において、比較対象情報の有無は、例えば、その利用制限情報に含まれる学校ID及びクラスIDから判定される。例えば、学校IDが同一で、クラスIDが類似するような利用制限情報が存在する場合には、比較対象情報があると判定される。図8に示す利用制限情報804のクラスID「303」が学年とクラスとから決定されたものであるとする場合(例えば、第3学年の第3クラスである場合)には、クラスID「302」を含む利用制限情報801は、利用制限情報804の比較対象情報であると判定される。なお、比較対象情報の有無の判定についてはこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
比較対象情報が存在すると判定した場合には、受け付けた利用制限情報の利用制限内容と、比較対象情報の利用制限情報とが一致するか判定する(ステップS304)。ここで、両者の利用制限情報が一致しない場合には、いずれかの利用制限情報が必要な範囲で適切に設定されていない可能性がある。このため、Webサーバ14においては、確認メッセージを確認・設定画面又は詳細設定画面上に表示する(ステップS305)。この確認メッセージには、利用制限情報における利用制限内容は適切であるかを確認させるためのメッセージが含まれる。図8に示す利用制限情報804においては、発着信禁止時間の内容が利用制限情報801と一致していない。このため、ステップS305においては、確認メッセージが表示される。そして、このような確認メッセージを表示した後、入力された利用制限内容に応じて利用制限情報を設定する(ステップS306)。ここでは、確認メッセージを表示した後、利用制限情報の再入力等の処理を強要することはない。これは、利用制限情報は、各種事情に応じて任意に設定され得るものであるためである。しかし、このような再入力等の処理を強要することは可能である。なお、ステップS302において利用制限情報の個別設定であると判定された場合、ステップS303において比較対象情報が存在しないと判定された場合、ステップS304で比較対象情報との一致が確認された場合には、Webサーバ14は、処理をステップS306に移行し、受け付けた利用制限内容に応じて利用制限情報を設定する。
なお、以上の説明においては、ステップS302において、利用制限情報が一括設定であるか判定するかを判定しているが、利用制限情報が個別設定であるかを判定するようにしても良い。この場合には、ステップS303における比較対象情報の有無を判定する際、例えば、その利用制限情報に含まれる生徒IDから判定される。例えば、生徒IDが同一である利用制限情報が比較対象情報として特定される。また、ここでは、利用制限者から受け付けた利用制限情報804が適切でない場合について説明しているが、比較対象情報とされる利用制限情報801が適切でない場合も考えられる。このような場合には、この利用制限情報801を設定した利用制限者(先生)がPC15を利用する場合に確認メッセージを表示することが考えられる。さらに、ここでは、事前に設定されている利用制限情報のうち、比較対象情報の有無を判定する場合について説明しているが、クラスID等に対応付けて、予め利用制限情報のモデルを設定しておき、このモデルに応じて利用制限情報の一致を判定するようにしても良い。さらに、ここでは、利用制限情報に含まれる発着信禁止時間の内容が一致しない場合について説明しているが、双方の利用制限情報間で一致が判定される利用制限内容についてはこれに限定されるものではない。例えば、制限場所なども一致が判定される利用制限内容を構成する。
このように、本実施の形態に係る管理サーバ101(Webサーバ14)においては、利用制限者から利用制限情報を受け付けると、必要な範囲で適切に利用制限情報が設定されているかを所定条件の下で判定するようにしたことから、過剰な制限内容又は不十分な利用制限内容の利用制限情報を検出することができる。そして、その判定結果に応じて利用制限者に注意を喚起する注意喚起情報を送出するようにしたことから、利用制限者による利用制限情報の訂正又は再入力などの処理を促すことができるので、利用制限対象端末の利用を制限する場合であっても、必要な範囲で適切に利用制限のための利用制限情報を設定することが可能となる。
なお、ここでは、必要な範囲で適切に利用制限情報が設定されているかを所定条件の下で判定し、その判定結果に応じて注意喚起情報を送出する場合について説明しているが、例えば、管理サーバ101において、受け付けた利用制限情報の利用制限内容を調整するようにしても良い。例えば、完全に入力ミスと判定できる場合において、受け付けた利用制限情報の一部を調整することが考えられる。このように利用制限情報の利用制限内容を調整する場合にも、必要な範囲で適切に利用制限のための利用制限情報を設定することが可能となる。なお、このような利用制限情報の利用制限内容を調整する際には、確実にその利用制限内容を調整できる場合に限って行うことが好ましい。
特に、本実施の形態に係る管理サーバ101(Webサーバ14)においては、事前に設定されている利用制限情報との比較結果に応じて、PC15を介して受け付けた利用制限情報の利用制限内容を判定するようにしていることから、実際に設定された利用制限情報の利用制限内容に基づいて効果的に利用制限情報の制限内容を判定することが可能となっている。しかも、本実施の形態に係る管理サーバ101(Webサーバ14)においては、制限者側識別情報である学校IDやクラスID、並びに、対象端末識別情報である生徒IDの少なくとも一方に応じて比較対象情報を特定するようにしているので、効率的に比較対象情報を特定することが可能となっている。特に、本実施の形態に係る管理サーバ101(Webサーバ14)においては、複数の携帯電話機2に関連付けられたグループID(例えば、クラスID)に基づいて比較対象情報を特定しているので、複数の携帯電話機2に設定された利用制限情報の利用制限内容を一括的に判定することが可能となっている。
サービス制御局7は、全ての携帯電話機2に対して通信・通話サービス、当該通信・通話の利用を制限する利用制限サービス及び各携帯電話機2が契約する様々なサービスを提供するサーバ機能を備えるものである。また、サービス制御局7は、ホームロケーションレジスタ(HLR:Home Location Register)71に接続されている。HLR71は、サービス制御局7が管轄する在圏エリア内の全ての携帯電話機2のユーザ情報(電話番号及びメールアドレス、認証情報等)、契約サービス情報、位置登録情報(位置登録エリア、位置登録エリアの交換機)及び携帯電話機2の通信経路(パス)の設定に必要な情報を記憶する他、携帯電話機2の利用制限サービス内容を示す利用制限情報を記憶するデータベースである。なお、HLR71は、サービス制御局7がアクセス可能な構成であれば、サービス制御局7の外部又は内部に設けることが可能である。
図10は、HLR71に記憶される利用制限情報の一例を示す図である。この利用制限情報は、上述したようにPC15を介して設定された利用制限情報に基づいて生成されるものであり、実際の利用制限サービスの運用のための情報に変更されている。具体的には、図10に示すように、IDで指定された携帯電話機2の加入者番号が登録されると共に、制限場所情報の位置情報(例えば、学校が収容されるセル)が登録される。図10においては、図8に示す利用制限情報に基づいて生成された利用制限情報を示している。図10に示す利用制限情報901は、図8に示す利用制限情報801に対応するものであり、学校ID「001」及びクラスID「302」で識別される携帯電話機2の加入者番号がそれぞれ登録されている。また、図10に示す利用制限情報902は、図8に示す利用制限情報802に対応するものであり、学校ID「001」、クラスID「302」及び生徒ID「A」で識別される携帯電話機2の加入者番号がそれぞれ登録されている。サービス制御局7は、PC15から利用制限情報と共に受け取った携帯電話機2の電話番号及びメールアドレスと、HLR71に記憶される携帯電話機2の加入者番号とを対応させ、加入者電話番号毎の発着信禁止時間及び制限場所等が対応付けられた利用制限情報を生成するものとなっている。
このように構成されたサービス制御局7は、在圏エリア内の加入者交換機5から携帯電話機2の位置登録要求があった場合、HLR71に記憶される当該携帯電話機2の位置登録情報と共に、当該携帯電話機2の利用制限情報を加入者交換機5に送信する。また、サービス制御局7は、HLR71に記憶される利用制限情報が更新された場合には、更新後の利用制限情報を加入者交換機5に送信する。また、サービス制御局7は、在圏エリア内の携帯電話機2から発信要求があった場合、又は在圏エリア内の携帯電話機2への着信要求(接続元である交換機からの在圏確認要求)があった場合、HLR71に記憶される利用制限情報に基づいて当該携帯電話機2の通信規制処理を行う。すなわち、サービス制御局7は、携帯電話機2の発着信を通信網上で規制する規制装置として機能する。
次に、図11を参照して、通信制御システム1における加入者交換機5の利用制限情報のダウンロード処理について説明する。図11は、加入者交換機5の利用制限情報のダウンロード処理を示すシーケンス図である。この利用制限情報のダウンロード処理は、加入者交換機5に対して携帯電話機2の位置登録要求があった場合、又はサービス制御局7が制限端末情報の変更を受信した場合(SO:Service Order時)、携帯電話機2の発信制御処理に先立って処理されるものである。なお、図11では、説明を簡単にするために無線基地局装置3、無線ネットワーク制御装置4及び中継用交換機6を省略している。
図11に示すように、加入者交換機5は、無線基地局装置3及び無線ネットワーク制御装置4を介して携帯電話機2から位置登録要求を受信すると(ステップS401)、サービス制御局7との間で位置登録要求元の携帯電話機2の認証処理を行う(ステップS402)。認証処理が終了すると、加入者交換機5は、位置登録要求をサービス制御局7に送る(ステップS403)。サービス制御局7は、位置登録要求元の携帯電話機2の電話番号に基づいて、HLR71に登録される当該携帯電話機2の電話番号に紐づけられた利用制限情報を抽出し(ステップS404)、位置登録情報と共に当該利用制限情報を加入者交換機5に送る(ステップS405)。加入者交換機5は、受信した位置登録情報と共に利用制限情報をVLR53に記憶し(ステップS406)、位置登録応答を携帯電話機2に送信する(ステップS407)。
また、PC15から利用制限情報が変更されると(ステップS408)、サービス制御局7は変更された利用制限情報に基づいて、HLR71内の利用制限情報を生成(更新)し(ステップS409)、更新後の利用制限情報を加入者交換機5に送信する(ステップS410)。加入者交換機5は、サービス制御局7から受信した更新後の利用制限情報をVLR53に保存し(ステップS411)、当該更新後の利用制限情報を用いて携帯電話機2の発信可否を判断する。すなわち、加入者交換機5は、位置登録要求の際等に、当該加入者交換機5の管轄する在圏エリア内の携帯電話機2のみの利用制限情報をVLR53に記憶し、この利用制限情報により在圏エリア内の携帯電話機2の発信規制処理を行う。すなわち、加入者交換機5は、携帯電話機2の発信を通信網上で規制する規制装置として機能する。
次に、図12から図14を参照して、通信制御システム1におけるメールの送信制御処理について説明する。図12及び図13は、メールの送信制御処理を示すシーケンス図であり、図12はメールの送信が拒否された場合を示し、図13はメールの送信が許可された場合を示している。図14は、サービス制御局7のメールの送信制御処理を示すフロー図である。ここでは、発信元の携帯電話機2を携帯電話機2aとし、発信先の携帯電話機2を携帯電話機2bとして説明する。なお、図12及び図13では、説明を簡単にするために中継用交換機6を省略している。
図12及び図14に示すように、携帯電話機2aからパケット発信要求があると、パケット交換機52は、携帯電話機2aとサービス制御局7との間でパケット発信処理を行う(ステップS501)。携帯電話機2aからメールの送信要求があると(ステップS502,S701)、サービス制御局7は、HLR71にアクセスし(ステップS503)、発信元の携帯電話機2aのメールアドレスに対応する加入者番号に基づいて当該携帯電話機2の利用制限情報を読み出し(ステップS504,S702)、メールの発信可否を判断する(S505)。
具体的には、図14に示すように、サービス制御局7は、読み出した制限場所情報及び携帯電話機2aの現在位置情報に基づいて当該携帯電話機2aが利用制限場所内に存在するか否かを判断する(ステップS703)。携帯電話機2aが利用制限場所内に存在する場合(ステップS703:Yes)、読み出した発着信禁止時間情報に基づいて発信禁止時間内か否かを判断する(ステップS704)。発信禁止時間である場合(ステップS704:Yes)、送信先のメールアドレスが許可対象番号か否かを判断する(ステップS705)。送信先のメールアドレスが許可対象アドレスである場合(ステップS705:Yes)、メール発信が許可内容に含まれているか否かを判断する(ステップS706)。メール発信が許可内容に含まれていない場合(ステップS706:No)、サービス制御局7は携帯電話機2aのメール送信を拒否する(ステップS707)。そして、サービス制御局7は、携帯電話機2aに発信失敗/不可メッセージを送り(ステップS506)、携帯電話機2aとの間のパケット切断処理を行う(ステップS507)。なお、送信先のメールアドレスが許可対象アドレスでない場合(ステップS705:No)、ステップS707に進んでメール送信が拒否される。
一方、携帯電話機2aが利用制限場所内に存在しない場合(ステップS703:No)、発信禁止時間外である場合(ステップS704:No)、又は、メール送信が許可内容に含まれている場合(ステップS706:Yes)、サービス制御局7は、図13に示すように、携帯電話機2aのメール送信を許可し(ステップS708)、着信先の携帯電話機2bにメールを送信する(ステップS601)。
次に、図15から図17を参照して、通信制御システム1におけるメールの受信制御処理について説明する。図15及び図16は、メールの受信制御処理を示すシーケンス図であり、図15はメールの受信が拒否された場合を示し、図16はメールの受信が許可された場合を示している。図17は、サービス制御局7のメールの受信制御処理を示すフロー図である。ここでは、送信元の携帯電話機2を携帯電話機2bとし、送信先の携帯電話機2を携帯電話機2aとして説明する。なお、図15及び図16では、説明を簡単にするため中継用交換機6を省略している。
図15及び図17に示すように、携帯電話機2bからメール送信要求を受信すると(ステップS801,S1001)、サービス制御局7は、HLR71にアクセスし(ステップS802)、送信先の携帯電話機2aのメールアドレスに対応する加入者番号に基づいて当該携帯電話機2の利用制限情報を読み出し(ステップS803,S1002)、メールの着信可否を判断する(S804)。
具体的には、図17に示すように、サービス制御局7は、読み出した制限場所情報及び携帯電話機2aの現在位置情報に基づいて当該携帯電話機2aが利用制限場所内に存在するか否かを判断する(ステップS1003)。携帯電話機2aが利用制限場所内に存在する場合(ステップS1003:Yes)、読み出した発着信禁止時間情報に基づいて着信禁止時間内か否かを判断する(ステップS1004)。着信禁止時間である場合(ステップS1004:Yes)、送信元の携帯電話機2bのメールアドレスが許可対象番号か否かを判断する(ステップS1005)。携帯電話機2bのメールアドレスが許可対象アドレスである場合(ステップS1005:Yes)、メール着信が許可内容に含まれているか否かを判断する(ステップS1006)。メール着信が許可内容に含まれていない場合(ステップS1006:No)、サービス制御局7は、携帯電話機2a宛てのメールをメールサーバ11に一旦蓄積する(S805,S1007)。次に、サービス制御局7は、携帯電話機2aの利用制限状態が解除されたか否かを判断する(ステップS806,S1008)。利用制限状態の解除後、つまり携帯電話機2aが利用制限場所以外の場所に移動した場合、又は着信禁止時間を過ぎた場合(ステップS1008:Yes)、サービス制御局7は、メール送信を許可し(ステップS1009)、一旦蓄積したメールを携帯電話機2aに送信する(ステップS807)。なお、送信元のメールアドレスが許可対象アドレスでない場合(ステップS1005:No)、ステップS1007に進んでメールが一旦蓄積される。
一方、携帯電話機2aが利用制限場所内に存在しない場合(ステップS1003:No)、着信禁止時間外である場合(ステップS1004:No)、又は、メール着信が許可内容に含まれている場合(ステップS1006:Yes)、サービス制御局7は、図16に示すように、携帯電話機2aのメール送信を許可し(ステップS1009)、携帯電話機2aにメールを送信する(ステップS901)。
次に、通信制御システム1における携帯電話機2からの通話発信制御処理について説明する。図18は、携帯電話機2aからの通話発信制御処理を示すシーケンス図であり、同図(a)は携帯電話機2aの通話発信が拒否された場合を示し、同図(b)は携帯電話機2aの通話発信が許可された場合を示している。図19は、発信元の携帯電話機2aを収容する加入者交換機5の通話発信制御処理を示すフロー図である。なお、図18では、説明を簡単にするために無線基地局装置3、無線ネットワーク制御装置4及び中継用交換機6を省略している。
図18及び図19に示すように、無線基地局装置3及び無線ネットワーク制御装置4を介して携帯電話機2aから発信要求を受信すると(ステップS1101、ステップS1201)、音声交換機51は、発信元の携帯電話機2aの加入者番号によりVLR53内に事前に記憶された利用制限情報を読み出し、読み出した利用制限情報に基づいて携帯電話機2aの通話発信制御処理を行う(ステップS1102,S1202)。
具体的には、図19に示すように、音声交換機51は、読み出した制限場所情報及び携帯電話機2aの現在位置情報に基づいて当該携帯電話機2aが利用制限場所内に存在するか否かを判断する(ステップS1203)。携帯電話機2aが利用制限場所内に存在する場合(ステップS1203:Yes)、読み出した発着信禁止時間情報に基づいて発信禁止時間内か否かを判断する(ステップS1204)。発信禁止時間である場合(ステップS1204:Yes)、着信先の電話番号が許可対象番号か否かを判断する(ステップS1205)。着信先の電話番号が許可対象番号である場合(ステップS1205:Yes)、発信が許可内容に含まれているか否かを判断する(ステップS1206)。発信が許可内容に含まれていない場合(ステップS1206:No)、音声交換機51は、携帯電話機2aの通話発信を拒否する(ステップS1103,S1207)。なお、着信先の電話番号が許可対象番号でない場合(ステップS1205:No)、ステップS1207に進んで通話発信が拒否される。
一方、携帯電話機2aが利用制限場所内に存在しない場合(ステップS1203:No)、発信禁止時間外である場合(ステップS1204:No)、又は、通話発信が許可内容に含まれている場合(ステップS1206:Yes)、音声交換機51は、携帯電話機2aの通話発信を許可する(ステップS1208)。そして、図18(b)に示すように、音声交換機51は、サービス制御局7との間で在圏確認処理を行い(ステップS1104)、接続先の交換機51に対して接続要求を送る(ステップS1105)。そして、携帯電話機2の通話が可能となる。
次に、通信制御システム1における携帯電話機2への通話着信制御処理について説明する。図20は、携帯電話機2aへの通話着信制御処理を示すシーケンス図であり、同図(a)は携帯電話機2aへの通話着信が拒否された場合を示し、同図(b)は携帯電話機2aへの通話着信が許可された場合を示している。図21は、着信先の携帯電話機2aを収容するサービス制御局7の通話着信制御処理を示すフロー図である。なお、図20では、説明を簡単にするために無線基地局装置3、無線ネットワーク制御装置4及び中継用交換機6を省略している。
図20及び図21に示すように、接続元の音声交換機51から在圏確認要求を受信すると(ステップS1301、ステップS1401)、サービス制御局7は、着信先の携帯電話機2aの加入者番号(「090−1111−1111」)によりHLR71内に事前に記憶された利用制限情報を読み出し、読み出した利用制限情報に基づいて携帯電話機2aの通話着信制御処理を行う(ステップS1302,S1402)。
具体的には、図21に示すように、サービス制御局7は、読み出した制限場所情報及び携帯電話機2aの現在位置情報に基づいて当該携帯電話機2aが利用制限場所内に存在するか否かを判断する(ステップS1403)。携帯電話機2aが利用制限場所内に存在する場合(ステップS1403:Yes)、読み出した発着信禁止時間情報に基づいて着信禁止時間内か否かを判断する(ステップS1404)。着信禁止時間である場合(ステップS1404:Yes)、発信元の携帯電話機2の電話番号が許可対象番号か否かを判断する(ステップS1405)。発信元の携帯電話機の電話番号が許可対象番号でない場合(ステップS1405:No)、サービス制御局7は、携帯電話機2aへの着信を拒否し(ステップS1406)、接続NG応答を接続元の音声交換機51に送信する(ステップS1303)。
一方、発信元の電話番号が許可対象番号である場合(ステップS1405:Yes)、サービス制御局7は、許可内容情報内に着信又は転送先設定があるか否かを判断し(ステップS1407)、転送先設定がある場合には設定された転送先電話番号へ転送を許可する(ステップS1408)。また、携帯電話機2aが利用制限場所に存在しない場合(ステップS1403:No)、着信禁止時間外である場合(ステップS1404:No)、又は、ステップS1407において転送先設定が無く着信先のみが設定されている場合、サービス制御局7は、携帯電話機2aへの着信を許可する(ステップS1409)。そして、図20(b)に示すように、転送先へ着信を転送する場合及び着信を許可する場合、サービス制御局7は、接続元の音声交換機51に対して在圏応答を送り(ステップS1304)、在圏の音声交換機51に対して接続要求を送る(ステップS1305)。そして、音声交換機51は、着信先の携帯電話機2aへ着信通知を送り、通話が可能となる(ステップS1306)。なお、ステップS1407において、許可内容情報に着信先及び転送先の双方が設定されている場合、一方の連絡先を優先する設定にしてもよい。
このように、本実施の形態に係るメール発信制御において、サービス制御局7は、パケット交換機52によるパケット発信処理の際に、HLR71に記憶した利用制限情報に基づいて、送信元の携帯電話機2からのメール送信可否判断を行い、当該携帯電話機2が利用制限状態の場合にはメール送信を拒否し、利用制限状態で無い場合にはメール送信を許容する。一方、メール着信制御において、サービス制御局7は、在圏エリア外の携帯電話機2からのメール送信要求を受信した際に、HLR71に記憶した利用制限情報に基づいて、着信先の携帯電話機2に対するメール着信可否判断を行い、当該着信先の携帯電話機2が利用制限状態の場合にはメール着信を一旦拒否してメールを蓄積し、利用制限状態解除後に蓄積したメール着信を許容する。
また、本実施の形態に係る通話発信制御において、音声交換機51は、位置登録要求又はSO投入の際にVLR53に記憶した利用制限情報に基づいて、在圏エリア内の発信元の携帯電話機2からの通話発信可否判断を行い、当該携帯電話機2が利用制限状態の場合には通話発信を拒否し、利用制限状態で無い場合には通話発信を許容する。一方、通話着信制御において、サービス制御局7は、発信元の携帯電話器2を管理する交換機51からの在圏確認要求の際に、HLR71に記憶した利用制限情報に基づいて、着信先の携帯電話機2の通話着信可否判断を行い、当該携帯電話機2が利用制限状態の場合には在圏応答として通話接続拒否を応答し、利用制限状態で無い場合には通話接続を許容する。
これらの構成により、HLR71又はVLR53に記憶された利用制限情報に基づいて、原則的に任意の場所(学校内)及び時間(授業時間中)での携帯電話機2の利用を制限すると共に、例外的に所定条件下(緊急連絡先等として保護者の電話番号の登録)での携帯電話機2の利用を許容することができる。従って、学校内に携帯電話機2を持ち込んだ場合でも、授業時間帯において授業を阻害することがなく、災害時等の安否確認等の緊急連絡を直接生徒の携帯電話機2に対して取ることができる。
特に、本実施の形態の通信制御システム1においては、このようにHLR71又はVLR53に記憶された利用制限情報に基づいて携帯電話機2における発着信を規制するが、この利用制限情報は、管理サーバ(Webサーバ14)管理サーバの管理の下、必要な範囲で適切な利用制限内容に設定されている。この結果、必要以上に携帯電話機2の利用制限が行われる事態を回避する一方、必要な時間帯及び場所で適切に携帯電話機2の利用制限を行うことが可能となるので、携帯電話機2を携帯する生徒及び利用制限者となる先生の双方における利便性を考慮した通信制御システムを提供することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、処理部や処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態において、音声交換機51が通話発信可否を判断する場合を説明したが、この構成に限定されず、通話着信可否判断の場合と同様にサービス制御局7が行う構成でもよい。この場合には、サービス制御局7は、管轄する在圏エリア内の携帯電話機2から発信要求があった場合に利用制限情報に基づいて上記携帯電話機2の発信可否を判断し、当該携帯電話機2が発信禁止時間の場合又は着信先端末が利用制限対象外端末でない場合に携帯電話機2の発信を拒否し、着信先端末が利用制限対象外端末の場合に携帯電話機2の発信を許可する。
また、図12に示すメールの発信制御処理では、ステップS501のパケット発信処理後に、サービス制御局7がHLR71から利用制限情報を読み出す構成にしたが、例えば、パケット発信処理の中で、パケット交換機52がHLR71にアクセスして利用制限情報を読み出し、パケット発信処理に係る接続要求と共に、読み出した利用制限情報をサービス制御局7に送る構成にしてもよい。具体的には、図22に示すように、携帯電話機2aから無線基地局装置3及び無線ネットワーク制御装置4を介してパケット要求を受信すると(ステップS1501,S1502)、パケット交換機52は、パケット要求の発信元の携帯電話機2aの電話番号に基づいて、HLR71内に記憶された当該携帯電話機2aの利用制限情報を読み出す(ステップS1503,S1504)。次に、パケット交換機52は、パケット発信処理に係る接続要求と共に、読み出した利用制限情報をサービス制御局7に送信する(ステップS1505)。そして、サービス制御局7は、パケット交換機52から受信した利用制限情報に基づいて、発信元の携帯電話機2aのメール発信可否を判断する(ステップS505)。なお、ステップS1503において、パケット交換機52がHLR71から読み出した発信元の携帯電話機2aの利用制限情報をVLR53に記憶し、メール発信可否を判断することも可能である。ここで、利用制限情報により携帯電話機2aの発信を拒否する判断をした場合、パケット交換機52は、パケット発信処理を中止する。又は、サービス制御局7が有する発着信を規制する機能(規制手段)をパケット交換機52に備え、パケット交換機52において利用制限情報を参照して電子メールの発着信を規制するようにしても良い。