JP2010093083A - コイル部品 - Google Patents

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哲男 吉田
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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら、インダクタンスの可変範囲が広いコイル部品を得ること。
【解決手段】コイル部品10は、閉磁路構造である第1の磁性体コア2と、第1の磁性体コア2に巻回された第1のコイル3と、第1の磁性体コア2の一部において透磁率を変化させる透磁率可変部6と、を備える。透磁率可変部6は、開磁路部9を有する第2の磁性体コア7に第2のコイル8が巻回された構成を有するとともに、開磁路部9が第1の磁性体コア2の一部に当接されることで閉磁路を構成する。そして、第1の磁性体コア2の一部に当接された第2の磁性体コア7の開磁路部9によって、第1のコイル3のインダクタンスが制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、タイミング回路、チューニング回路、キャリブレーション回路等の電子回路に搭載され、電子回路の周波数応答性を変更する場合に適用して好適なコイル部品に関する。
従来、外部信号によって任意にインダクタンス値等の電気的特性を変化させることが可能なコイル部品が知られている。このようなコイル部品は、例えば、タイミング回路、チューニング回路、キャリブレーション回路等の電子回路に搭載され、電子回路の周波数応答性を変更する場合に、特に好適に用いられる。
特許文献1には、1次側巻線に電流を流して磁気コアの実効透磁率を変化させ、2次側巻線のインダクタンスを変える可変インダクタについて開示されている。
図6は、特許文献1に開示された可変インダクタ100の構成例を示す。可変インダクタ100は、互いに隔てて配置される第1の磁気コア101と第2の磁気コア102を備える。第1の磁気コア101には、DCバイアス・コイル103が巻回される。また、第1の磁気コア101と第2の磁気コア102には、インダクタ・コイル104が巻回される。可変インダクタ100は、DCバイアス・コイル103を流れる直流電流の大きさに応じてインダクタ・コイル104の端子接続部105,106に現れるインダクタンスが変わるという特性を有する。
また、特許文献2には、コイルと磁気コアの位置を変えてインダクタンスを変える可変インダクタが開示されている。
図7は、特許文献2に開示された可変インダクタ110の構成例を示す。
可変インダクタ110は、両端が固定された圧電体板111と、圧電体板111の両主面に配設された電極112と、圧電体板111の下側主面に配設された不図示の磁性体層と、圧電体板111の両主面側に形成された空洞層113,114と、空洞層114を介して圧電体板111と対向するコイル状導体線路115とを備える。圧電体板111の両主面に配設された電極11に電圧が加わると、圧電体板111が所定の方向に反って、磁性体層とコイル状導体線路115との間の距離が変わる。この圧電体板111の変化量により、コイル状導体線路115のインダクタンスを変える制御が行われる。
また、特許文献3には、バー本体の長尺方向の中央部を挟んで互いに対向するように逆極性の一対の磁石が配設される可変パワーインダクタが開示されている。
図8は、特許文献3に開示された可変パワーインダクタ120の構成例を示す。
可変パワーインダクタ120は、バーコア121と、第一主巻線122と、第二主巻線123と、磁界発生部材124と、端子台125と、を有する。磁界発生部材124は、1つの可変用巻線131を有する。可変用巻線131は、バーコア121の一対の磁石127,128にそれぞれ第一主巻線部132、第二主巻線部133として巻き付けられる。第一主巻線部132と、第二主巻線部133の作用により、磁石127,128の極性が定まる。上側の磁石127および下側の磁石128により挟まれているバーコア121のバー本体126の中央部分には、他の部分より強い磁場が部分的に形成され、バー本体126の中央部分は磁気飽和する。
特許第2889700号公報 特許第3158727号公報 特開第2006−86335号公報
ところで、特許文献1に開示された可変インダクタ100は、DCバイアス・コイル103が第1の磁気コア101に巻き付けられ、インダクタ・コイル104が第1の磁気コア101と第2の磁気コア102の両方に巻き付けられた構成としてある。しかしながら、この可変インダクタ100は、一般的に磁界−透磁率特性が直線的な磁界範囲で使用される。ここで、第1の磁気コア101と第2の磁気コア102が同じ材質、寸法である場合、DCバイアス・コイル103の巻数をインダクタ・コイル104の巻き数と同じにすることを想定する。この場合、DCバイアス・コイル103には、インダクタ・コイル104に流す電流の数倍の電流を流さないとDCバイアス・コイル103が発生する磁界が、磁界−透磁率特性が非線形の領域(磁気飽和が始まる磁界領域)の磁界強度に達しない。また、DCバイアス・コイル103に流す電流をインダクタ・コイル104と同じにした場合には、DCバイアス・コイル103の巻数をインダクタ・コイルの巻数の数倍にしないと、同様に、DCバイアス・コイル103が発生する磁界が、磁界−透磁率特性が非線形の領域(磁気飽和が始まる磁界領域)の磁界強度に達しない。つまり、第1の磁気コア101と第2の磁気コア102が同じ材質、寸法である場合には、インダクタ・コイル104のインダクタ可変効率が下がってしまうことになる。
また、特許文献2に開示された可変インダクタ110では、インダクタンスが圧電体板111に形成された不図示の磁性体層と、基板に形成されたコイル状導体線路115との間隔により決まる。圧電体板111の変形量は、圧電体板111の材料特性や加工寸法によって変わるため、所望の値にインダクタンスの絶対値を合わせることは難しい。
また、可変インダクタ110は、外部から印加された制御電圧に対応して薄い圧電体板111を屈曲変形させる。このため、特に、可変インダクタ110のインダクタンスの可変範囲を広くしようとすると、圧電体板111を薄くすることによって、変形量を大きくする必要がある。このように形成された圧電体板111は、外部から加わる振動や衝撃に弱く、破損しやすい。
また、特許文献3に開示された可変パワーインダクタにおいて、一対の磁石127,128は、バー本体126の中央部分に擬似的な磁気ギャップを形成し、磁気飽和を生じさせる。しかしながら、一対の磁石127,128が構成する磁気回路は開磁路であるために、一対の磁石127,128にそれぞれ巻回された第一主巻線部132、第二主巻線部133がバー本体126に対して磁気飽和を起こさせるためには、極めて大きな電流を加える必要があった。また、仮に、バー本体126の中央部に磁気飽和が発生したとしても、バー本体126自体が開磁路でありインダクタンスが低下した状態である。このため、インダクタンスの初期値は小さく、インダクタンスの変化量は極めて小さいものであることが考えられる。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、簡単な構成でありながら、インダクタンスの可変範囲が広いコイル部品を提供することを目的とする。
本発明に係るコイル部品は、閉磁路構造である第1の磁性体コアと、第1の磁性体コアに巻回された第1のコイルと、第1の磁性体コアの一部において透磁率を可変させる透磁率可変部と、を備える。
ここで、第1の磁性体コアは閉磁路構造であることから、第1の磁性体コアの一部において透磁率が変化することによって、第1のコイルによって得られるインダクタンスは初期状態で高い値を確保することができる。そして、透磁率可変部によってインダクタンスを変化させようとする場合にも調整範囲を広くすることが可能となった。
本発明によれば、透磁率可変部が構成された第1の磁性体コアの一部において透磁率が変化する。したがって、第1の磁性体コアの実効透磁率が変化することによって、広い調整範囲でインダクタンスを変化させることができる。また、本発明に係るコイル部品には、個別に形成される第1の磁性体コアと透磁率可変部を動かすための機械的な機構がない。このため、容易に形成することが可能でありながら、外部からの衝撃に対して破損しにくく、信頼性の高いコイル部品が得られる。
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1と図2を参照して説明する。本実施の形態では、コイル部品の一例として可変インダクタに適用した例について説明する。ここでは、第1の実施の形態に係るコイル部品10の構成例に加えて、コイル部品10の基本的な動作原理について説明する。コイル部品10は、例えば、タイミング回路、チューニング回路、キャリブレーション回路等の電子回路に搭載され、電子回路の周波数応答性を変更する場合に用いられる。
図1は、本発明に係るコイル部品10の基本構成例を示す斜視図である。
コイル部品10は、所望のインダクタンスを得るためのメインコイル1と、第1の磁性体コア2の一部の透磁率を変化させる透磁率可変部6を備える。メインコイル1は、第1のコイル3が巻回された第1の磁性体コア2を備える。透磁率可変部6は、第2のコイル8が巻回された第2の磁性体コア7を備える。第1の磁性体コア2は、磁路が第1の磁性体コア2の内部にとどまる閉磁路構造である。一方、第2の磁性体コア7には一部が途切れた開磁路部9が形成されており、第2の磁性体コア7は、開磁路部9が第1の磁性体コア2の一部に当接されることで、第2のコイル8によって励磁された磁路が第1の磁性体コア2の一部を通過するように構成されている。より具体的には、第2の磁性体コア7の開磁路部9には、第1の磁性体コア2の一部が挿入されている。
第1の磁性体コア2のトロイダル平面は、xy平面に平行であって、第2の磁性体コア7のトロイダル平面は、zx平面に平行な配置としている。第1の磁性体コア2には第1のコイル3が巻回されており、所望のインダクタンスが得られる。一方、第2の磁性体コア7に第2のコイル8が巻回されることで透磁率可変部6が構成されており、第2のコイル8に電流を加えることによって第1の磁性体コア2の一部に後述するバイアス磁界を加えることができる。このことにより、局部的に磁気飽和を生じさせ、第1の磁性体コア2の実効透磁率を変化させる。このとき、第1の磁性体コア2は、材料/生産コスト,磁気特性等を考慮した場合、Ni系フェライトコアやMn系フェライトコアを好適に用いることができる。
第1のコイル3と第2のコイル8は、それぞれが連続した導線からなる。第1のコイル3の巻回数は、所望するインダクタンスの初期値に基づいて選定される。第2のコイル8の巻回数は、インダクタンスの初期値に対する所望のインダクタンス変化率に基づいて選定される。また、第1の磁性体コア2と第2の磁性体コア7のコア材料についても、所望のインダクタンス値、その周波数特性、飽和磁束密度、インダクタンスの制御範囲等に基づいて選定される。飽和磁束密度は、磁性材料のB−H特性によって求められる。磁性材料の磁束密度は、磁界強度の絶対値がある強さ以上になっても、ある磁束密度(Bs)に維持される。このように磁束密度の変化が少ない状態となる磁束密度は、飽和磁束密度と呼ばれ、この状態を磁気飽和という。
本例では、第2の磁性体コア7は、第1の磁性体コア2の飽和磁束密度特性よりも高い飽和磁束密度特性を有する材料で形成される。このため、第2の磁性体コア7は、第1の磁性体コア2より磁気飽和を起こしにくくなる。さらに、第2の磁性体コア7は、第1の磁性体コア2よりも高い透磁率を有する材料で形成されることが望ましい。これにより、第2のコイル8に加える電流量を抑えることができる。このとき、第2の磁性体コア7の材料としては、鉄系バルク材による磁性体,ダストコア,アモルファス系磁性体,ナノ結晶アモルファス系磁性体等が好適に用いられる。
第1のコイル3の両端子は不図示の電子回路に接続され、第2のコイル8の両端子は、不図示の電流源に接続される。電流源から第2のコイル8に直流電流が供給されると、第2の磁性体コア7には、第1のコイル3が生じさせる磁路方向とは垂直に直流磁界が発生する(以降、バイアス磁界とも称する)。そして、電流源を制御して、電流を変えると、開磁路部9から第1の磁性体コア2の一部に印加されるバイアス磁界が変化する。この結果、第1の磁性体コア2の透磁率が部分的に変わり、第2のコイル8によって生じる磁界が、第1の磁性体コア2に対して磁気飽和を生じさせることによって磁気ギャップが形成される。これにより、第1のコイル3のインダクタンスを制御できる。
図2は、コイル部品10に電流を加えることによる制御電流とインダクタンスの変化量の関係を示す実験結果の例である。
横軸は、電流源から第2のコイル8に流される制御電流の値を示し、縦軸はメインコイル1のインダクタンスの値を示す。第1の磁性体コア2の材料には、フェライト系の材料(外径:30mm、内径:18mm、厚さ:7mm)を用いている。また、第2の磁性体コア7の材料には、鉄系の材料(外径:26mm、内径:13mm、厚さ:7mm)を用いている。
図2に示されるように、第2のコイル8に加わる電流を0mAから2000mAまで変えると、第1のコイル3のインダクタンスは129.8μHから71.3μHまで減少する。制御電流が0mAにおける第1のコイル3のインダクタンスを基準とした場合、制御電流が2000mAにおける第1のコイル3のインダクタンスは約45.1%減少することが分かる。また、制御電流が大きくなるにつれて、第1のコイル3のインダクタンスはほぼ直線的に変わる。この実験結果より、制御電流の大きさを変えることによって、コイル部品10を目的のインダクタンスにほぼ均等に、かつ広範囲にて調整できることが示される。
以上説明した第1の実施の形態に係るコイル部品10によれば、第1の磁性体コア2の磁路の一部に透磁率可変部6の開磁路部9を当接させることによって、第1のコイル3のインダクタンスを可変としている。このとき、第1の磁性体コア2の磁路の一部に、強い磁界を印加することによって、第1の磁性体コア2の一部の透磁率を変化させている。これにより、第2のコイル8に加えた電流によって、第1のコイル3のインダクタンスを所望の値に変える制御を行うことが可能となる。
また、コイル部品10は、簡単な構成であるため、各巻線を第1の磁性体コア2及び第2の磁性体コア7に巻回する作業が容易である。詳述すれば、第1のコイル3を第1の磁性体コア2に巻回する場合には、従来よく知られているトロイダルコイルを作成すればよく、第2のコイル8は開磁路部9を有する第2の磁性体コア7に巻回されるため、トロイダルコイルよりも容易に製造することが可能である。すなわち、第2のコイル8を第2の磁性体コア7に巻回した後に、第1の磁性体コア2の所望の一部に対して、開磁路部9を当接するよう構成すればコイル部品10が得られる。このため、製造時の作業効率が高まり、製造コストを抑えることができるという効果がある。
なお、本発明では、閉磁路構造を有する第1の磁性体コア2として、トロイダルコアを例に挙げて説明したが、完全な閉磁路構造でなくとも、例えば、C型(U型)コアとI型コアとを組み合わせることによって、実質的には閉磁路構造を得ることも可能である。この場合は、第1のコイル3もまた第2のコイル8と同じように容易に巻回することが可能である点において利点を有している。
また、コイル部品10の各部には、第1のコイル3のインダクタンスを調整するための機械的な可動部がない。このため、コイル部品10は、外部からの振動や衝撃に対して破損しにくくなり、信頼性が高くなるという効果がある。
また、第2の磁性体コア7は、第1の磁性体コア2よりも高い飽和磁束密度特性を有する材料によって形成される。このため、第2のコイル8によって生じる磁界が大きくなる場合でも、第2の磁性体コア7は容易に磁気飽和を起こすことがなく、第1の磁性体コア2の一部のみに磁気飽和を生じさせることができる。この結果、メインコイル1のインダクタンスの調整範囲を広くすることが可能である。
このとき、第2の磁性体コア7の飽和磁束密度特性を、第1の磁性体コア2の飽和磁束密度特性よりも大きくするのに伴い、第2の磁性体コア7の透磁率を、第1の磁性体コア2の透磁率よりも大きくすることがなお望ましい。このようにすることで、第2のコイル8に加える制御電流が少なくても多くの磁界・磁束を発生させ、第1の磁性体コア2に通過させることができることから、インダクタンスの制御を行うために消費される電力を低減させることができる。
なお、一般に、磁気回路の一部に開磁路部を形成した場合、開磁路部の磁界強度は、開磁路部の長さ(距離)が狭いほど強くなる。したがって、上述した第1の実施の形態に係るコイル部品10(図1参照)において、第1の磁性体コア2の磁路のうち、第2の磁性体コア7の開磁路部9に挿入される部分の厚さを薄くして狭磁路部を形成すると、第2の磁性体コア7の開磁路部9の長さを小さくできる。このため、第1の磁性体コア2の一部に開磁路部9が当接された部位における磁界強度をより強くすることができ、第1のコイル3のインダクタンスをより容易に制御できる。以降、このような構成としたコイル部品20について以下に説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るコイル部品20の構成例について図3を参照して説明する。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るコイル部品20を示す斜視図である。
コイル部品20は、所望のインダクタンスを得るためのメインコイル21と、第1の磁性体コア22の一部の透磁率を変化させる透磁率可変部26を備える。メインコイル21は、第1のコイル23が巻回された第1の磁性体コア22を備える。透磁率可変部26は、第2のコイル28が巻回された第2の磁性体コア27を備える。第1の磁性体コア22には、断面積が他の領域よりも小さい狭磁路部24が形成されており、磁路が第1の磁性体コア22の内部にとどまる閉磁路構造である。一方、第2の磁性体コア27には一部が途切れた開磁路部29が形成された開磁路構造である。第2の磁性体コア27は、開磁路部29が第1の磁性体コア22の一部に当接されることで、第2のコイル28によって励磁された磁路が第1の磁性体コア22の一部を通過するように構成されている。より具体的には、開磁路部29には、第1の磁性体コア22の一部が挿入されている。
第1の磁性体コア22のトロイダル平面は、xy平面に平行であって、第2の磁性体コア27のトロイダル平面は、zx平面に平行な配置としている。第1の磁性体コア22には、第1のコイル23が巻回されることでメインコイル21が構成されており、所望のインダクタンスが得られる。一方、第2の磁性体コア27には、第2のコイル28が巻回され、第2のコイル28に電流を加えることによって、第1の磁性体コア22の一部(狭磁路部24)にバイアス磁界を加えることができる。このことにより、局部的に磁気飽和を生じさせ、第1の磁性体コア22の実効透磁率を変化させる。第2の磁性体コア27の開磁路部29には、第1の磁性体コア22の狭磁路部24が当接・挿入されている。
第2の磁性体コア27は、第1の磁性体コア22の飽和磁束密度特性よりも高い飽和磁束密度特性を有する材料によって形成される。なお、第1のコイル23と第2のコイル28の特性、第1のコイル23及び第2のコイル28の両端子の接続形態については、上述した第1の実施の形態に係る第1のコイル3及び第2のコイル8と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第2のコイル28に制御電流を加えると、第1の磁性体コア22の磁路の一部に形成した狭磁路部24の透磁率を制御することにより、第1のコイル23のインダクタンスを効率よく制御できる。また、第2の磁性体コア27の開磁路部29の長さ(距離)もまた小さくなる。これにより、開磁路部29に発生する磁界強度をより強くしている。
以上説明した第2の実施の形態に係るコイル部品20によれば、第1の磁性体コア22の磁路の一部に形成した狭磁路部24に、第2の磁性体コア27の開磁路部29を当接・挿入させて、第1のコイル23のインダクタンスを可変としている。このとき、狭磁路部24に、第2のコイル28による強い磁界を印加することによって、狭磁路部24において局部的な磁気飽和を生じさせている。これにより、第2のコイル28に加えた電流によって、第1のコイル23のインダクタンスを所望の値に変えることが可能となる。
また、コイル部品20には、インダクタンスを制御するための可動部分が無い。このため、外部からの振動や衝撃に対して耐衝撃性が高まり、コイル部品20が破損しにくくなるという効果がある。さらに、狭磁路部24の断面積を、第2の磁性体コア27のうち断面積が最も小さい部位よりも小さくすることによって、磁界強度をより集中させることができるため、第1のコイル23のインダクタンスを一層容易に制御できるという利点がある。
また、第1の磁性体コア22の磁路の一部の断面積を小さくして狭磁路部24を形成するとともに、第2の磁性体コア27の開磁路部29の磁路の断面積を小さくしてもよい。この場合もまた、開磁路部29に生ずる磁界強度を高くすることが可能となる。また、狭磁路部24全体の実効的な透磁率を大きく変えることができる。このため、インダクタンスの可変範囲が広いコイル部品20を提供できる。
また、第2の磁性体コア27の材料としては、高周波において高いインダクタンスを必要とする場合でも、第1の磁性体コア22とは別の材料を使用することが可能で、高透磁率で高飽和磁束密度特性を有する磁性材料を使用できる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るコイル部品30の構成例について図4を参照して説明する。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るコイル部品30を示す斜視図である。
コイル部品30は、所望のインダクタンスを得るためのメインコイル31と、第1の磁性体コア32の一部の透磁率を変化させる透磁率可変部36を備える。メインコイル31は、第1のコイル33が巻回された第1の磁性体コア32を備える。透磁率可変部36は、第2のコイル38が巻回された第2の磁性体コア37を備える。第1の磁性体コア32には、断面積が他の領域よりも小さい狭磁路部34が形成されており、磁路が第1の磁性体コア32の内部にとどまる閉磁路構造である。一方、第2の磁性体コア37には一部が途切れた開磁路部39を有した開磁路構造である。第2の磁性体コア37は、開磁路部39が第1の磁性体コア32の一部に当接されることで、第2のコイル38によって励磁された磁路が第1の磁性体コア32の一部を通過するように構成されている。
第1の磁性体コア32と第2の磁性体コア37のトロイダル平面は共に、xy平面に平行な配置としている。第1の磁性体コア32には、第1のコイル33が巻回されており、所望のインダクタンスが得られる。一方、第2の磁性体コア37には、第2のコイル38が巻回され、第2のコイル38に電流を加えることによって、第1の磁性体コア32の一部(狭磁路部34)にバイアス磁界を加えることができる。このことにより、局部的に磁気飽和を生じさせ、第1の磁性体コア32の実効透磁率を変化させる。第2の磁性体コア37の開磁路部39には、第1の磁性体コア32の狭磁路部34が当接されている。
第2の磁性体コア37は、第1の磁性体コア32の飽和磁束密度特性よりも高い飽和磁束密度特性を有する材料によって形成される。なお、第1のコイル33と第2のコイル38の特性、第1のコイル33及び第2のコイル38の両端子の接続形態については、上述した第1の実施の形態に係る第1のコイル3及び第2のコイル8と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第2のコイル38に制御電流を加えると、第1の磁性体コア32の磁路の一部に形成した狭磁路部34の透磁率を制御することができる。したがって、第1のコイル33のインダクタンスを効率よく制御できる。また、第2の磁性体コア37の開磁路部39の断面積は、他の磁路の断面積よりも小さく形成されている。これにより、開磁路部39に発生する磁界強度をより強くしている。
以上説明した第3の実施の形態に係るコイル部品30によれば、第1の磁性体コア32の磁路の一部に形成した狭磁路部34に、第2の磁性体コア37の開磁路部39を当接させて、強い磁界を印加することにより、第1のコイル33のインダクタンスを可変としている。このとき、狭磁路部34に、開磁路部39の強い磁界を印加することによって、狭磁路部34に磁気飽和が生じる結果、徐々に第1の磁性体コア32の実効透磁率が低下していく。これにより、第2のコイル38に加えた電流によって、第1のコイル33のインダクタンスを所望の値に変えることが可能となる。そしてまた、コイル部品30には、インダクタンスを制御するための可動部分が無い。そのこのため、外部からの振動や衝撃に対して耐衝撃性が高まり、コイル部品30が破損しにくくなるという効果がある。
また、第1の磁性体コア32と第2の磁性体コア37のトロイダル平面をxy平面に平行な配置としている。このため、z方向に対してコイル部品30の厚みを薄くすることができる。これにより、薄型化が求められる電子機器等への実装が一層容易となるという効果がある。
次に、本発明の第4の実施の形態に係るコイル部品40の構成例について図5を参照して説明する。
図5は、本発明の第4の実施の形態に係るコイル部品40を示す斜視図である。
コイル部品40は、所望のインダクタンスを得るためのメインコイル41と、第1の磁性体コア42の一部の透磁率を変化させる透磁率可変部46を備える。メインコイル41は、第1のコイル43が巻回された第1の磁性体コア42を備える。透磁率可変部46は、第2のコイル48が巻回された第2の磁性体コア47を備える。第1の磁性体コア42には、断面積が他の領域よりも小さい狭磁路部44が形成されており、磁路が第1の磁性体コア42の内部にとどまる閉磁路構造である。一方、第2の磁性体コア47には一部が途切れた開磁路部49を有した開磁路構造である。第2の磁性体コア47は、開磁路部49が第1の磁性体コア42の一部に当接されることで、第2のコイル48によって励磁された磁路が第1の磁性体コア42の一部を通過するように構成されている。より具体的には、第2の磁性体コア47の開磁路部49には、第1の磁性体コア42の狭磁路部44が挿入されている。
第1の磁性体コア42と第2の磁性体コア47のトロイダル平面の一部は共に、xy平面に平行な配置としている。ただし、狭磁路部44に近接する開磁路部49を構成する第2の磁性体コア47のトロイダル平面は、zx平面に平行な配置となるよう、第2の磁性体コア47が歪めて形成される。第1の磁性体コア42には、第1のコイル43が巻回されており、所望のインダクタンスが得られる。一方、第2の磁性体コア47には、第2のコイル48が巻回され、第2のコイル48に電流を加えることによって、第1の磁性体コア42の一部(狭磁路部44)にバイアス磁界を加えることができる。このことにより、局部的に磁気飽和を生じさせ、第1の磁性体コア42の実効透磁率を変化させる。
第2の磁性体コア47は、第1の磁性体コア42の飽和磁束密度特性よりも高い飽和磁束密度特性を有する材料によって形成される。なお、第1のコイル43と第2のコイル48の特性、第1のコイル43及び第2のコイル48の両端子の接続形態については、上述した第1の実施の形態に係る第1のコイル3及び第2のコイル8と同様であるため、詳細な説明を省略する。
以上説明した第4の実施の形態に係るコイル部品40によれば、第1の磁性体コア42の磁路の一部に形成した狭磁路部44に、第2の磁性体コア47の開磁路部49を当接させて、強い磁界を印加することにより、第1のコイル43のインダクタンスを可変としている。このとき、狭磁路部44に、開磁路部49の強い磁界を印加することによって、狭磁路部44に磁気飽和が生じる結果、徐々に第1の磁性体コア42の実効透磁率が低下していく。これにより、第2のコイル48に加えた電流によって、第1のコイル43のインダクタンスを所望の値に変えることが可能となる。そしてまた、コイル部品40には、インダクタンスを制御するための可動部分が無い。そのこのため、外部からの振動や衝撃に対して耐衝撃性が高まり、コイル部品40が破損しにくくなるという効果がある。
また、第2のコイル48に制御電流を加えることにより、開磁路部49に発生する磁界強度を制御し、第1の磁性体コア42の磁路の一部に形成した狭磁路部44の透磁率を制御することにより、第1のコイル43のインダクタンスを効率よく制御できる。図4においては、開磁路部49の断面積を他の磁路の断面積よりも小さくしており、開磁路部49に発生する磁界強度をより強くしている。
なお、第2の磁性体コア47の開磁路部49以外の部分は約90度ねじられた構造となっている。ただし、開磁路部49以外の部分のねじり角度は、90度に限られない。任意の角度でねじることによって、実装される電子機器の収納スペースに応じて、コイル部品40を適度に変形させることができる。
また、上述した第1〜第4の実施の形態に係るコイル部品において、第1及び第2の磁性体コアの一部を分割した状態で形成し、第1及び第2のコイルを形成した後、分割した部分を接着して固定してもよい。このように第1及び第2の磁性体コアを形成することによって、コイルの巻線が容易となり、品質の高いコイル部品が容易に得られるという効果がある。
また、上述した第1〜第4の実施の形態に係るコイル部品において、第2の磁性体コアは、第1の磁性体コアの飽和磁束密度特性よりも高い飽和磁束密度特性を有する材料からなるように構成したが、第1の磁性体コアの透磁率よりも高い透磁率を有する材料からなるように構成してもよい。このような特性を有する材料を用いて、第1の磁性体コアと第2の磁性体コアを形成することによっても、本発明に係るコイル部品を得ることができる。
また、第1の磁性体コアの一部における断面積が、その他の部位における断面積よりも小さい狭磁路部を有するコイル部品を形成してもよい。また、第1の磁性体コアのうち、透磁率可変部が構成された部位の断面積が、透磁率可変部が構成された部位以外における断面積よりも小さい狭磁路部を有するコイル部品を形成してもよい。さらに、第1の磁性体コアのうち、透磁率可変部が構成された部位の断面積が、透磁率可変部が構成された部位以外における断面積および第2の磁性体コアの最小断面積よりも小さい狭磁路部を有するコイル部品を形成してもよい。いずれのコイル部品であっても、狭磁路部では磁束が集中しやすくなる。このため、第1の磁性体コアの一部に磁気飽和を生じさせ、透磁率を変化させることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態における可変インダクタの構成例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における可変インダクタの制御電流とインダクタンスとの関係例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態における可変インダクタの構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態における可変インダクタの構成例を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態における可変インダクタの構成例を示す斜視図である。 従来の可変インダクタの構成例を示す斜視図である。 従来の可変インダクタの構成例を示す斜視図である。 従来の可変パワーインダクタの構成例を示す斜視図である。
符号の説明
1…メインコイル、2…第1の磁性体コア、3…第1のコイル、6…透磁率可変部、7…第2の磁性体コア、8…第2のコイル、9…開磁路部、10…コイル部品、11…電極、20…コイル部品、21…メインコイル、22…第1の磁性体コア、23…第1のコイル、24…狭磁路部、26…透磁率可変部、27…第2の磁性体コア、28…第2のコイル、29…開磁路部、30…コイル部品、31…メインコイル、32…第1の磁性体コア、33…第1のコイル、34…狭磁路部、36…透磁率可変部、37…第2の磁性体コア、38…第2のコイル、39…開磁路部、40…コイル部品、41…メインコイル、42…第1の磁性体コア、43…第1のコイル、44…狭磁路部、46…透磁率可変部、47…第2の磁性体コア、48…第2のコイル、49…開磁路部

Claims (3)

  1. 閉磁路構造である第1の磁性体コアと、
    前記第1の磁性体コアに巻回された第1のコイルと、
    前記第1の磁性体コアの一部において透磁率を変化させる透磁率可変部と、を備える
    コイル部品。
  2. 請求項1記載のコイル部品において、
    前記透磁率可変部は、開磁路部を有する第2の磁性体コアに第2のコイルが巻回された構成を有するとともに、前記開磁路部が前記第1の磁性体コアの一部に当接されることで閉磁路を構成する
    コイル部品。
  3. 請求項2記載のコイル部品において
    前記第2の磁性体コアは、前記第1の磁性体コアの飽和磁束密度特性よりも高い飽和磁束密度特性を有する材料からなる
    コイル部品。
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