JP2012134263A - インダクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気ギャップ部に配置されたスペーサが所定温度に達すると、磁気ギャップ部を構成する各鉄心を押圧することにより、振動、騒音の発生を抑制できるインダクタを提供することを目的とする。
【解決手段】 コイル3に交流電流が流れると、発生した磁束は交流電源に伴い磁束方向が周期的に反転し、スペーサ5が配置された磁気ギャップ部4は吸引力が周期的に作用して同磁気ギャップ部4の距離を変動させようとするが、温度が上昇した形状記憶合金からなるスペーサ5が所定温度に達すると磁気ギャップ部4を構成する第一ギャップ形成部1cと,上部コア2の下面中央部に位置する第二ギャップ形成部2aとを押圧することにより、振動及び騒音発生を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタに関わり、より詳細には、磁気ギャップ部に発生する磁気吸引力により生じる振動と、振動に起因する騒音を抑制する構成に関するものである。
従来例によるインダクタとして、例えば、図5で示すリアクトル20のように、E形状をなすE型コア21と、I形状をなすI型コア22とを組み合わせて構成されたものがある。E型コア21は中央脚21a及びその両側の外側脚21bを備え、I型コア22に外側脚21bの端部を付き合わせて閉磁路を構成している。これらE型コア21及びI型コア22は、例えば、大電流を流しても磁気飽和し難い飽和磁束密度が高いMn−Zn系材料にて形成されており、中央脚21aの周囲にはコイル23が巻回されている。
E型コア21の中央脚21aは外側脚21bより短く形成されることによって、中央脚21aとI型コア22との間には、コアでの磁気飽和を抑制するための磁気ギャップ部が形成されている。磁気ギャップ部では、交流電流がインダクタに流れ、コアが磁気吸引力により振動し騒音が増大する。
そこで、磁気ギャップ部に非磁性体、例えば接着剤を注入して硬化させ、硬化させたスペーサとしての接着剤により振動を抑えることが考えられたが、コアと接着剤との熱膨張係数の違いにより、コアにクラックが入るという問題があった。これに対処すべくリアクトル20においては、磁気ギャップ部に非磁性の粒体としてのガラスビーズ25と接着剤26とを混合して硬化させた混合物24がスペーサとして充填されている。混合物24のガラスビーズ25は、その熱膨張係数がE型コア21及びI型コア22の熱膨張係数とほぼ等しいため、E型コア21またはI型コア22が熱膨張しても、これらにクラックが発生することを防止できるようになっている(特許文献1参照)。
しかしながら、リアクトル20の製造工程において磁気ギャップ部に注入された混合物24は硬化が完了するまで時間を要し、製造効率を上げることが困難である。また、混合物24の生成工程で、ガラスビーズ25と接着剤26の混合比率と粘度の管理が必要となり、生成作業が煩雑となる。
一方、磁気ギャップ部に、振動を抑制する硬さを有する樹脂材から形成されるスペーサを挿入する方法もあるが(特許文献2参照)、樹脂成型により形成するため、スペーサの寸法にバラツキがあり、そのバラツキに起因して、磁気ギャップ部に配置されたスペーサと各コアとの間に微小な隙間が生じ、振動とそれに伴う騒音を抑制することができないという不具合があった。
特開2004−235462号(5頁、図1) 特開2004−140055号(3頁、図4)
本発明は、上記問題点に鑑み、磁気ギャップ部に配置されたスペーサとコアとの間に隙間が生じないようにして、振動及びこれに起因する騒音の発生を抑制できるインダクタを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、磁性材料からなり一部に磁気ギャップ部を有するコアと、同コアに巻回されるコイルとからなり、前記磁気ギャップ部にスペーサを配置してなるインダクタにおいて、
前記コアには前記磁気ギャップ部を形成する第一ギャップ形成部と、第二ギャップ形成部とが備えられ
前記スペーサは、所定温度に達すると、前記第一ギャップ形成部と、前記第二ギャップ形成部とを押圧するように形状が回復する形状記憶合金からなる構成となっている。
本発明によれば、コアを貫く磁束は交流電源の極性変化に伴い磁束方向が周期的に反転し、スペーサが配置された磁気ギャップ部には磁気吸引力によって振動が発生するが、電気抵抗によりコイルに発生した熱と、磁束が反転することによる損失であるヒステリシス損と渦電流損とによりコアに発生した熱がスペーサに伝達され、温度が上昇した形状記憶合金からなるスペーサが磁気ギャップ部を構成する第一ギャップ形成部と、第二ギャップ形成部とを押圧するように形状が回復して、振動とこれに伴う騒音発生を抑制するようになっている。
本発明によるリアクトルの外観斜視図及び正面図である。 本発明によるリアクトルのスペーサ挿入前を示す正面図である。 スペーサが形状回復した際の状態を示す説明図である。 チョークコイルにおいて適用した状態を示す説明図である。 従来のリアクトルを示す正面図である。 本発明によるリアクトルの外観斜視図及び正面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。実施例1としては、電源回路の力率改善等に使用されるリアクトルを例に挙げて説明する。
本発明によるリアクトルは、図1(A)の外観斜視図で示すように、E形形状に形成された下部コア1と、I形形状に形成され、下部コア1と突き合わされる上部コア2と、下部コア1において、後述する中央磁脚1aに巻回され、巻線3a及び巻線3bを導出したコイル3と、中央磁脚1aの先端部と上部コア2との間に形成された後述する磁気ギャップ部4に配置されるスペーサ5とから構成されており、これら下部コア1、上部コア2、コイル3及びスペーサ4は、巻線3a及び巻線3bが接続される接続端子を備えた図示しないケースに収容されるようになっている。
下部コア1は、E形形状に打抜加工された珪素鋼板等の軟磁性材料を積層させて形成され、両側に一対の外磁脚1bを備え、中央部に外磁脚1bより短い中央磁脚1aを備えている。上部コア2は下部コア1と同様に、I形に打抜加工された珪素鋼板等の軟磁性材料を積層させて形成されている。コイル3は絶縁皮膜を有する銅線を巻回して形成され、同コイル3は中央磁脚1a及び外磁脚1bに対応する面に絶縁紙または絶縁シートを被覆して中央磁脚1aの外周に挿入されるようになっている。
図2は、スペーサ5が挿入される前のリアクトルの状態を示しており、中央磁脚1aの先端部には、便宜上、斜線で示しているが、同中央磁脚1aの一部である第一ギャップ形成部1cが備えられ、上部コア2の下面中央部には、同様に便宜上斜線で示しているが、上部コア2の一部であり、スペーサ5が当接する第二ギャップ形成部2aが備えられている。これら第一ギャップ形成部1cと第二ギャップ形成部2aとの間に空間として形成された磁気ギャップ部4は、下部コア1と上部コア2とで形成される磁路において磁気抵抗を上げ、磁気飽和現象を引き起こさないために設けられている。
コイル3に交流電流が流れると、図1(B)の矢印で示すように、下部コア1の中央磁脚1aから上部コア2を介して外磁脚1bへとループ状の磁束が発生し、発生した磁束は交流電源の極性変化に伴って磁束方向が周期的に反転するようになっている。磁束方向が周期的に反転すると、中央磁脚1aの先端部と上部コア2との間には磁気吸引力が働き、磁気ギャップ部4の距離が変動する。この状態で、スペーサ5の厚み寸法にバラツキがあると、スペーサ5と上部コア2あるいは中央磁脚1aとの間に僅かな隙間が生じ、スペーサ5と各コアとが衝突し騒音が発生してしまう。
磁気ギャップ部に配置されたスペーサ5は、図1(A)及び図1(B)に示すように、直方体状となっている。スペーサ5の厚み寸法は許容誤差を考慮して設定され、例えば、スペーサ5の厚み寸法が許容誤差の最大値となっても、磁気ギャップ部4の距離より数十ミクロン小さくなるように設定され、これにより、リアクトルの製造工程において磁気ギャップ部4にスペーサ5を挿入する作業が容易に行えるようになっている。
スペーサ5は、例えば、チタンニッケル合金材からなる形状記憶合金で形成され、非磁性体であるとともに、耐食性、耐久性等に優れている。形状記憶合金としてのチタンニッケル合金材は、スポンジチタンとニッケルとを真空中でアーク溶解して得られた鋳塊を熱間加工した後、焼鈍と冷間加工を繰り返し、所定の形状に加工することにより製造される。
チタンニッケル合金材は、高温の状態では母相のオーステナイト相であるが、冷却されると、所定の温度で相変態し、マルテンサイト相になる。マルテンサイト相の状態で外力を受けると、変形するが、再び、加熱してオーステナイト相に変態する所定温度まで上昇させると、変形していた材料は元の形状に回復するようになっている。オーステナイト相から冷却したときにマルテンサイト相に変態する温度がマルテンサイト変態点と呼ばれ、マルテンサイト相からオーステナイト相に変態する温度がオーステナイト変態点と呼ばれている。また、高温時に形状が回復しようとする応力は、低温時で変形させる応力に対し約3倍程度大きい。
磁気ギャップ部に配置されたチタンニッケル合金材からなるスペーサ5は、低温時においては、図1(A)及び図1(B)に示すように、直方体形状となるように変形されており、加熱されてマルテンサイト相からオーステナイト相に変態する所定温度まで上昇すると、後述する元形状に回復するようになっている。
次に、動作について説明する。中央磁脚1aに巻回されたコイル3に、巻線3a及び巻線3bを介して交流電流が印加されると、同コイル3は導線内の電気抵抗によって発熱する。また、下部コア1の中央磁脚1aから上部コア2を介して外磁脚1bへとループ状の磁束が発生し、発生した磁束の方向が交流電源に伴って周期的に反転すると、下部コア1及び上部コア2には、磁束の方向が反転することによる損失であるヒステリシス損と、鉄心内に生じる渦電流損とによる熱が発生し、下部コア1とともにコイル3が巻回された中央磁脚1a及び上部コア2の温度が次第に上昇していく。
中央磁脚1a及び上部コア2の温度が上昇していくと、これら中央磁脚1aの先端部及び上部コア2の中央部と接触しながら磁気ギャップ部4に配置されているスペーサ5に熱が熱伝導により伝達されてゆきスペーサ5の温度も上昇していく。形状記憶合金からなるスペーサ5の温度が上昇してゆき、マルテンサイト相からオーステナイト相に変態するオーステナイト変態点に達すると、スペーサ5は、例えば図3(A)に示すように、中央部から折れ曲がり元形状の、くの字形状に回復するようになっている。
上記したように、コイル3に交流電流が流れると、発生した磁束は交流電源に伴い磁束方向が周期的に反転し、スペーサ4が配置された磁気ギャップ部には磁気吸引力が働き同磁気ギャップ部の距離を変動させようとするが、所定温度に上昇したスペーサ4がマルテンサイト相からオーステナイト相に変態し、形状が元形状である、くの字形状に回復して、磁気ギャップ部を構成する中央磁脚1a先端部の第一ギャップ形成部1cと,上部コア2の下面中央部に位置する第二ギャップ形成部2aとを押圧することにより、磁気ギャップ部4の距離の変動を抑え、距離の変動による振動と騒音発生を抑制するようになっている。
尚、上記した例では、スペーサ5は、温度が上昇するとオーステナイト相に変態し、くの字形状に回復するよう説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図3(B)に示すように、形状記憶合金からなるスペーサ6は温度が上昇すると円弧形状に回復するようにしてもよく、スペーサ4と上部コア2及び外磁脚1aとの隙間を埋めるよう変態する形状であればよい。
次に、チョークコイルでの応用例について実施例2として説明する。図4で示すように、チョークコイル7は、トロイダル状に形成され、円周上の一端に、切欠きにより磁気ギャップ部10を設けた、単一部材からなるコア8と、同コア8に巻回され、接続線9a及び9bを外部に導出した巻線9と、磁気ギャップ部10に挿入されたスペーサ11とから構成されている。
磁気ギャップ部10に挿入されたスペーサ11は、形状記憶合金から形成され、磁気ギャップ部10を構成するコア8の一端及び他端には夫々、第一ギャップ形成部8aと、第二ギャップ形成部8bとが形成されている。
接続線9a及び9bを介して巻線9に交流電圧が印加されるとトロイダル状のコア8には磁路が形成され、これにより、チョークコイル7は高周波電流に対して抵抗の働きをし、高周波を減衰させる高周波用フィルタ、あるいは入力電源用のフィルタや、スイッチング電源の出力フィルタとして使用されるようになっている。
巻線9に交流電流が流れると、コア8にはループ状の磁束が発生し、発生した磁束は交流電源の極性変化に伴って磁束方向が周期的に反転するようになっている。磁束方向の反転により、上記した第一ギャップ形成部8aと、第二ギャップ形成部8bとの間には、磁気吸引力が働き、磁気ギャップ部4の距離が変動する。この状態で、スペーサ11の厚み寸法にバラツキがあると、スペーサ11と、第一ギャップ形成部8a及び第二ギャップ形成部8bとの間には僅かな隙間が生じ、スペーサ11と各コアとが衝突し騒音が発生してしまう
また、巻線9a及び巻線9bを介して交流電流が印加されると、巻線9は電気抵抗によって発熱する。また、コア8に周期的に反転するループ状の磁束が発生すると、磁束の反転による損失であるヒステリシス損と、渦電流損とによる熱が発生し、発生した熱はスペーサ11に伝達されてゆく。
形状記憶合金からなるスペーサ11の温度が上昇してゆき、マルテンサイト相からオーステナイト相に変態するオーステナイト変態点に達すると、スペーサ11は、実施例1で説明したように、中央部から折れ曲がり元形状の、くの字形状あるいは円弧状に回復するようになっている。
これにより、スペーサ11は第一ギャップ形成部8aと、第二ギャップ形成部8bとを押圧して振動と、これに起因する騒音とを抑制するようになっている。
尚、本発明は、上記した実施例に限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で種々変形したインダクタに適用することができる。
1 下部コア
1a 中央磁脚
1b 外磁脚
1c 第一ギャップ形成部
2 上部コア
2a 第二ギャップ形成部
3 コイル
3a、3b 巻線
4 磁気ギャップ部
5 スペーサ
6 スペーサ
7 チョークコイル
8 コア
8a 第一ギャップ形成部
8b 第二ギャップ形成部
9 巻線
9a、9b 接続線
10 磁気ギャップ部
11 スペーサ

Claims (1)

  1. 磁性材料からなり一部に磁気ギャップ部を有するコアと、同コアに巻回されるコイルとからなり、前記磁気ギャップ部にスペーサを配置してなるインダクタにおいて、
    前記コアには前記磁気ギャップ部を形成する第一ギャップ形成部と、第二ギャップ形成部とが備えられ
    前記スペーサは、所定温度に達すると、前記第一ギャップ形成部と、前記第二ギャップ形成部とを押圧するように形状が回復する形状記憶合金からなることを特徴とするインダクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106976408A (zh) * 2017-05-15 2017-07-25 重庆国翰能源发展有限公司 一种可并行共享充电的充电桩共享盒
US11631518B2 (en) 2019-08-29 2023-04-18 Ford Global Technologies, Llc Power inductor with variable width air gap
CN119581186A (zh) * 2024-12-02 2025-03-07 长阳安品源电子科技有限公司 一种适用于低功耗充电器的微型变压器及其快速装配方法

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