JP2010093056A - 投影露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各基準マークの相対的な位置関係や配置が設計値に対して偏移しても回路パターンを的確な位置に形成でき、且つ、プリント基板の製造のスループット低下が少ない投影露光方法を提供する。
【解決手段】露光前に第1の露光領域の各露光位置における各重ね合わせ誤差を演算するステップ(S21)と、プリント基板の測定結果に基づき演算結果が許容値未満か否かを判断するステップ(S22)と、判断の結果が許容値未満の露光位置ではその露光領域で露光を設定するステップ(S23)と、判断の結果が許容値以上の露光位置ではその露光領域を分割した露光領域を設定するステップ(S24)とを露光領域の面積が最小になるまで繰り返して面積及び露光順序を設定する。
【選択図】図7

Description

プリント基板に回路パターンを形成する投影露光方法に関する。
従来より、プリント基板(またはプリント配線基板とも称する)の製造にはフォトリソグラフィ法が用いられている。プリント基板には通常の電子部品の他に、例えば筐体に一端が固定されたコネクタの他端等の正確な位置決めが必要な部品が実装される。又、近年のプリント基板はプリント配線用に両面を使用するだけでなく、多層化した各層のプリント配線における接続ポイントを正確に検出して各層の配線を接続することが必要な場合がある。しかし、プリント配線の製造過程においては、フォトリソグラフィ法又ははんだディップ等によりプリント配線板を加熱及び冷却する場合があり、プリント基板が膨張又は収縮することでプリント配線板が変形又は歪み、接続ポイントの位置が本来の位置から偏移する場合があった。
プリント配線板の位置合わせをするために、フォトリソグラフィ法において露光させる基板の表面に複数の基板側基準マークを形成しておき、フォトマスク(レチクル)側にも対応する複数の投影側基準マークを設けておき、投影露光時に、基板側基準マークの位置を計測し、基板を載置するステージを移動させて両基準マークの位置を一致させることで、回路パターンを適切な位置に露光させる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、プリント基板とフォトマスクが近接するプロキシミティ露光で、実計測した露光位置と基板上のマークとのズレにより、露光領域を段階的に分割する手法が知られている(例えば、特許文献2参照)。その場合、まず、プリント基板上の全面露光を行う為のマークと露光位置を検出して位置合わせのズレを検出し、その場合のズレが所定値以下の場合は全面露光を行う。そして、ズレが所定値以上の場合はプリント基板の全面領域を2分割して、プリント基板上の2分割露光を行う為のマークと露光位置を検出して位置合わせのズレを検出し、その場合の位置合わせのズレが所定値以下の場合は2分割露光を行う。そして、ズレが所定値以上の場合はプリント基板上の2分割領域をさらに2分割して4分割露光の位置合わせを行い、その4分割領域で露光させる。
特開2003−316014号公報 特開2005−3965号公報
しかしながら、特許文献1の投影露光装置は、ステージの位置を測定するための高価な干渉計を要しないため安価にできるが、基板の処理工程で伸縮が発生して各基準マークの相対的な位置関係や配置が設計値に対して偏移した場合には、回路パターンを的確な位置に形成できなかった。この各基準マークの相対的な位置関係や配置を精度よく実施するためには、例えば、投影倍率を制御する方法が考えられるが、投影倍率の制御では接続ポイントの偏移を全て補償することは難しかった。また、例えば、露光領域を小さくすることにより、各基準マークの相対的な位置関係や配置の精度を改善できるが、露光領域を縮小することは、プリント基板上の全回路パターン領域を複数に分割して露光させる際、分割数が多くなり、順次露光を実施する場合の各露光の照射回数、照射時間、各露光領域間のステージ移動回数、移動時間等の処理時間が増加する。その結果、プリント基板の製造のスループットを低下させていた。
また、特許文献2のプロキシミティ露光装置の方法を投影露光装置に適用する場合、基板とフォトマスクが近接するプロキシミティ露光装置に対して投影露光装置ではズレが大きくなる場合があるので、分割した領域の露光位置の近辺にマークを検出できず、その結果、ズレを検出できない場合がある。また、プロキシミティ露光装置の方法では、全面領域の露光位置で位置合わせを行ってずれを検出してから、2分割領域の露光位置で改めて位置合わせを行ってずれを検出するので、位置合わせの処理時間が長く必要である。また、投影露光装置では、露光領域が小さいので、プロキシミティ露光装置のような全面露光を行う装置と比べて露光照度が高い。また、投影露光装置は、ステージの移動時間が位置合わせに比べて早い。その為、投影露光装置でプロキシミティ露光装置のように、領域を分割する毎に新規に位置合わせを行なうと、特許文献1の投影露光装置で予め露光領域を分割しておいて、露光する場合と処理時間が変わらなくなってしまい、スループットが低下するという不都合が生じる。
そこで本発明は、上記の課題を解決するために、各基準マークの相対的な位置関係や配置が設計値に対して偏移しても回路パターンを的確な位置に形成でき、且つ、プリント基板の製造のスループット低下が少ない投影露光方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る投影露光方法は、プリント基板上の複数の基板側基準マークを測定し、光源からの光をフォトマスクに形成された回路パターン領域に照射し、フォトマスク上の回路パターンをプリント基板上に投影する事で、基板上に順次露光パターン像を形成していくステップアンドリピート動作型の露光方法であって、露光前に、露光パターン像の露光領域と、各露光位置における露光領域に対応したプリント基板上に形成されたパターン回路との各重ね合わせ誤差を、前記測定した結果より演算するステップと、重ね合わせ誤差の演算結果が予め入力された重ね合わせ誤差の許容値未満か否かを判断するステップと、判断の結果が許容値未満の露光位置では、その露光領域を用いて露光されるように設定するステップと、判断の結果が許容値以上の露光位置では、露光領域より小さい露光領域に分割するステップと、各ステップを、判断結果に応じて露光領域の面積が最大の場合から、最小になるまで、露光領域を分割させながら繰り返すことにより、各露光領域の面積及び露光順序を設定することを特徴とする。
請求項1の本発明によれば、露光領域露光領域の各露光位置における露光領域に対応したプリント基板上に形成されたパターン回路との各重ね合わせ誤差を演算して、重ね合わせ誤差の演算結果が予め入力された重ね合わせ誤差の許容値未満か否かを判断することができる。従って、重ね合わせ誤差の精度が許容値未満の露光領域の露光位置では比較的大きな露光領域を用いて露光させて露光の製造速度を上げることができる。逆に、重ね合わせ誤差の精度が許容値以上の露光領域の露光位置では、比較的小さな露光領域を用いて露光させて各基準マークの位置が偏移しても回路パターンを的確な位置に形成できる。
また、小さな露光領域で露光する場合でも、予め計測した結果よりその露光領域に対応した各重ね合わせ誤差を再演算するので、特許文献2の毎回実測した結果により新たな位置合わせを行う事による処理時間の低下も発生しない。また、予め計測した結果を用いるので、小さな露光領域の近傍に基板マークを設置する必要も無い。
上記課題を解決するために、本発明の請求項2に係る投影露光方法は、プリント基板上の複数の基板側基準マークを測定し、光源からの光をフォトマスクに形成された回路パターン領域に照射し、フォトマスク上の回路パターンをプリント基板上に投影する事で、基板上に順次露光パターン像を形成していくステップアンドリピート動作型の露光方法であって、露光前に、露光パターン像の露光領域と、各露光位置における前記露光領域に対応したプリント基板上に形成されたパターン回路との各重ね合わせ誤差を、前記測定した結果より演算するステップと、重ね合わせ誤差の演算結果が予め入力された重ね合わせ誤差の許容値未満か否かを判断するステップと、判断の結果が許容値未満の露光位置では、露光領域より大きい露光領域に拡大するステップと、判断の結果が許容値以上の露光位置では、露光領域を拡大する前に戻した露光領域を用いて露光されるように設定するステップと、各ステップを、判断結果に応じて露光領域の面積が最小の場合から、最大になるまで、露光領域を拡大させながら繰り返すことにより、各露光領域の面積及び露光順序を設定することを特徴とする。
請求項2の本発明によっても、請求項1と同様に、露光領域の各露光位置における隣接する露光領域との各重ね合わせ誤差を演算して、プリント基板の寸法の測定結果に基づき、重ね合わせ誤差の演算結果が予め入力された重ね合わせ誤差の許容値未満か否かを判断することができる。従って、重ね合わせ誤差の精度が許容値未満の露光領域の露光位置では比較的大きな露光領域で露光させて露光の製造速度を上げることができる。逆に、重ね合わせ誤差の精度が許容値以上の露光領域の露光位置では、比較的小さな露光領域で露光させて各基準マークの位置が偏移しても回路パターンを的確な位置に形成できる。
また、小さな露光領域で露光する場合でも、予め計測した結果よりその露光領域に対応した各重ね合わせ誤差を再演算するので、新たな位置合わせを行う事による処理時間の低下も発生しない。また、予め計測した結果を用いるので、小さな露光領域の近傍に基板マークを設置する必要も無く、誤差を演算できない場合が無い。
好ましくは、請求項3に係る本発明の投影露光方法のように、重ね合わせ誤差を演算するステップの前に、一回の露光時に投影される露光パターン像の最小の面積を有する最小露光領域、及び、最小露光領域の整数倍であって一回の露光時に投影される最大の面積を有する最大露光領域と、基板上の露光位置情報と、許容値を設定入力するステップとを有するようにしてもよい。又、最大露光領域は投影光学系の大きさや照明範囲により予め決定されているので、装置内の定数として記憶しておいても良い。
本実施態様では、露光回路パターンの最大と最小の領域を設定できるので、露光回路パターンの領域を装置の仕様や能力に応じて決めることができる。
好ましくは、請求項4に係る本発明の投影露光方法のように、重ね合わせ誤差を演算するステップは、プリント基板上で測定した結果より、露光位置に対応したプリント基板上に形成されたパターン回路位置を算出するステップと、露光パターン像の予想される露光位置を算出するステップと、算出された形成回路パターン位置とそれに対応した予想される露光位置との差分を算出するステップとを有するようにしてもよい。
本実施態様では、重ね合わせ誤差を演算して、判断することができるので、重ね合わせ誤差により、露光に適した露光領域のうちの重ね合わせ精度を満たす最大領域を選択することができる。
好ましくは、請求項5に係る本発明の投影露光方法のように、露光領域内で求められた複数の差分値から重ね合わせ誤差を演算するステップは、複数の差分値を、投影露光方法で用いられる投影光学系により補正可能である線形の誤差と、補正不能な非線形の誤差に分類するステップと、非線形の誤差を重ね合わせ誤差とするステップとを有するようにしてもよい。
本実施態様では、測定結果から非線形の誤差を分類することで重ね合わせ誤差を得ることができる。この重ね合わせ誤差は、実際にその露光領域の大きさで投影光学系による補正をして露光を行った時に予想される重ね合わせ誤差となる為、最適な露光領域の大きさを見つけるのに役立つ。
又、最適な露光領域で露光する場合でも、予め計測した結果よりその露光領域に対応した各重ね合わせ誤差を再演算するので、新たな位置合わせを行う事による処理時間の低下も発生しない。
尚、本明細書中で使用している非線形誤差について、一般的な線形誤差とは、倍率誤差MX,倍率誤差MY、回転誤差θ、直交度誤差φ、オフセットOX、オフセットOYの6パラメータで示し、それ以外の誤差を非線形誤差と定義している。しかし、投影光学系を用いた投影露光では、光学系の駆動による倍率の補正(XY独立倍率補正含む)MX,MY、基板若しくはマスクを搭載したステージの回転補正θ及び、オフセット補正OX,OYの5パラメータしか補正できない。よって、補正不能な非線形の誤差は、前記した5パラメータで補正した後の残留誤差と定義される。
好ましくは、請求項6に係る本発明の投影露光方法のように、各露光領域の面積及び露光順序を設定するステップでは、演算結果の重ね合わせ誤差と許容値との比較結果により、各露光領域の面積及び露光順序を決定するようにしてもよい。
本実施態様では、重ね合わせ誤差を許容値と比較することで、実際にその露光領域の大きさで投影光学系による補正をして露光を行った場合に、重ね合わせ仕様を満足するか否かの可否を判断することができる。また、露光領域の大きさが変わるという事は露光範囲の変更や移動位置の変更を伴う。これらの情報に基づき露光順序を決定する事で、処理時間を短くできるという効果がある。
好ましくは、請求項7に係る本発明の投影露光方法のように、露光領域の面積は、基板伸縮誤差に基づき、フォトマスク上に設けられて遮光機能を有する可動板を駆動させることにより面積を変化させるようにしてもよい。
本実施態様では、可動板によりフォトマスク上の回路パターン領域から露光領域を選択して露光させることができる。例えば、最大露光領域を同じ大きさに4分割する場合、可動板は4分割された各位置を露光させるように駆動させる必要がある。この4分割された各領域中の4つの回路パターンは共通の回路パターンである。従って、可動板を早く駆動できる場合は問題ないが、その駆動が遅い場合は、可動板は一つの露光領域を露光できるように固定して、プリント基板を載置する高速なXYステージ等を駆動させることで露光領域面積が固定された可動板を、プリント基板上の4分割された各領域に対応するように移動させても良い。
好ましくは、請求項8に係る本発明の投影露光方法のように、重ね合わせ誤差を演算するステップでは、最大露光領域と最小露光領域との中間の面積で、且つ、最小回路パターン領域の整数倍の面積を有する少なくとも1つの中間露光領域を用いた場合の重ね合わせ誤差を演算するようにしてもよい。
本実施態様では、最大露光領域と最小露光領域との中間の面積の露光領域を用いて露光させるので、最大領域で露光させることができない場合に、全て最小露光領域としなくてもよいので、露光回数を減らし、総露光時間を少なくすることができる。
好ましくは、請求項9に係る本発明の投影露光方法のように、各露光領域の面積及び露光順序を設定するステップでは、全回路パターン領域内に、重ね合わせ誤差が重なり許容値を満たしており、露光させる同じ形状で同じ面積の露光領域が複数設定されているか否かを判断するステップと、複数存在する場合には、当該露光領域を連続して露光させるステップとを有するようにしてもよい。本実施態様では、同じ形状で同じ面積の露光領域を連続して露光させるので、前述の様に可動板の駆動が遅く、プリント基板の移動時間が速い場合には露光時間を更に短縮させることができる。
本発明の投影露光方法によれば、プリント基板に非線形な伸縮があっても回路パターンを的確な位置に形成でき、プリント基板の製造のスループット低下を抑制することができる。
以下、本発明の投影露光装置の実施の形態について、以下に図面を用いて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の投影露光装置の概略構成を示すブロック図である。
投影露光装置1は、光源部を含む照明光学系10からの出射光をフォトマスク20に形成された回路パターンに照射し、そのフォトマスク20を通過した回路パターンの像を含む光を、投影光学系50を介してプリント基板100上に投影して露光させる装置である。より詳しくは、露光前のプリント基板材料の上に均等に塗布された感光材料(フォトレジスト)に、回路パターンを露光させることで、プリント基板材料の上にプリント配線部を形成する装置である。露光装置には、使用される感光材料に対応してソルダレジスト用とパターンレジスト(ドライフィルムレジスト等)用がある。後工程ではんだを付着させる場合にはソルダレジストが用いられ、基板の銅箔層をエッチングする場合には、パターンレジストが用いられる。
ソルダレジストは、例えば、はんだが付いてはいけない場所へのはんだの付着を防いだ状態ではんだ槽にディップすること等によって、配線または銅箔パターンの保護層を形成するものである。感光性のソルダレジストを用いた場合は、露光した部分のみか、露光した部分を除いて、はんだを付着させることができる。感光性のパターンレジストは、プリント基板材料(例えば表面に銅箔層を有する樹脂板:銅張積層板等)における銅箔等の上に均等に塗布され、その感光性パターンレジストに対して回路パターンを露光装置により感光させて焼き付けし、露光しなかった感光性パターンレジストを除去してから銅箔層をエッチングすることで露光した部分のみか、露光した部分を除いて、銅箔をエッチング等で除去することができる。
照明光学系10は光源部を含み、その光源部は、例えば、レーザ光発生器、アークランプ、または、水銀灯等であり、照明光学系10により所定の均一性・照射面積を持つ光束に成形され、その光束を照射する事で、感光性のフォトレジストを感光させることができる。
フォトマスク側顕微鏡15は、露光させる波長の光を用いてフォトマスク20上の投影側基準マーク25と、プリント基板100上の基板側基準マーク105との位置が合致するように調整する場合に使用する。フォトマスク側顕微鏡15は、2個又は4個等の複数の顕微鏡と各顕微鏡から得られた画像を撮像する撮像素子等のカメラを含む。複数のフォトマスク側顕微鏡15を用いることで、複数の基準マーク25とステージ基準マーク75の位置ズレ量を計測することができる。
フォトマスク20は、レチクルとも称され、光源部から出射された光を、回路パターンの部分を除いて通過させるか、又は、回路パターンの部分だけ通過させ、残りの部分の光は遮る遮蔽板である。フォトマスク20の一方の表面上には、投影側基準マーク25が形成される。
投影側基準マーク25は、フォトマスク20とステージ60上に設置されたステージ基準マーク75との位置合わせを行う際に使用される。位置合わせ方法としては、例えば、フォトマスク側顕微鏡15を投影側基準マーク25の上に挿入し、フォトマスク側顕微鏡15により投影側基準マーク25とステージ基準マーク75の位置ズレ量を計測する。計測されたデータはマーク計測部70により処理され、フォトマスク20の投影像がステージ上のどの位置に投影されるかの位置関係が記憶される。
次に基板側顕微鏡65をステージ基準マーク75の上に移動し、基板側顕微鏡65により投影側基準マーク25の投影像とステージ基準マーク75の位置ズレ量を計測する。計測されたデータはマーク計測部70により同じく処理され、基板側顕微鏡65の計測した位置とフォトマスク20の投影像との位置関係が記憶される。
ステージ60上にプリント基板100が搭載された際には、基板側顕微鏡65により計測されたプリント基板100上の基準マーク105の計測結果を、上記した各位置関係の記憶を用いて補正することで、フォトマスク20の投影像をプリント基板100に正確に重ね合わせて露光する事が可能となる。
XY独立倍率補正部30は、フォトマスク20と投影光学系50との間で特にフォトマスク20の直下、または、投影光学系50とプリント基板100との間で特にプリント基板100の直上に配置され、回路パターンにおけるX方向とY方向の倍率差(偏り)を減少させるように投影光を補正する。より詳しくは、XY独立倍率補正部30は、プリント基板上で直交するX方向とY方向のうちの何れか一方の方向の変倍率を補正する。XY独立倍率補正部30は投影倍率制御部90により駆動制御が行われる。この補正については、本特許出願の出願人による特願2008−204103号に詳細に説明されている。
可動板40は、フォトマスク20の上方には、フォトマスク20に対して平行を保ちつつ移動可能であり、フォトマスク20に照射される露光光のうちの領域外の光を遮断するブラインドとして機能する。より詳しくは、可動板40は、光源を含む照明光学系10から射出された光束の一部(領域外の光)を遮断することで、光束の断面を所望する大きさに変更する。それにより可動板40は、例えば、図6に示す様にフォトマスク20上の最小単位面積の最小回路パターン領域(p)を少なくとも一個含んで一回の露光時に投影される最小面積の最小露光領域(B)を形成できる。さらに可動板40は、後述するように、前記最小単位面積の最小回路パターン領域(p)を少なくとも二個以上含んで一回の露光時に投影される最大面積の最大露光領域(A)と、最小露光領域(B)と最大露光領域(A)との中間面積で、最小単位面積の最小回路パターン領域(p)を複数個直列に縦方向又は横方向に配置させた中間の露光領域(C)、(D)を形成できる。以下、上記最大露光領域(A)、最小露光領域(B)、及び、中間の露光領域(C)、(D)を含めて実露光領域とも称する。露光領域の面積は、フォトマスク20上に設けられて遮光機能を有するブラインドとして機能する可動板40を駆動させることにより面積を変化させる。可動板40は可動板制御部85によりその開口面積が制御される。
投影光学系50は、回路パターンを露光させる光を基板上に投影するレンズ等を含む光学系であり、入射した光は内部で一旦集光されてから拡散して、基板に対して出射される。投影光学系50には、等方的な基板の倍率誤差を、レンズを駆動する事で補正できる倍率補正機構55が内蔵されている。倍率補正機構55は、前述のXY独立倍率補正部30と同様に投影倍率制御部90により駆動制御が行われる。
ステージ60は、例えば、プリント基板材料が設置される台であり、X方向とY方向に移動させて露光位置を微調整することができる。ステージ60は、より詳しくは、全回路パターン領域(P)内で露光領域が重ならず、且つ、フォトマスク20上の投影側基準マーク25がプリント基板100上に投影された像と、プリント基板100上の基板側基準マーク105とが極力一致するようにプリント基板100を順次移動させることができる。又、ステージ60は、露光位置調整等の必要に応じてZ方向に移動することと、プリント基板材料の各部の水平度を得るためにZ方向の傾きを調整することができる。
基板側顕微鏡65は、複数の顕微鏡と各顕微鏡から得られた画像を撮像する撮像素子等のカメラを含む。複数の基板側顕微鏡65の位置は、フォトマスク側顕微鏡15側で複数の計測点において基準マーク25とステージ基準マーク75の位置ズレ量を計測しているので、その結果より投影倍率の伸縮が0になる様にして決定する事ができる。そして、その複数の基板側顕微鏡65を用いて、各基板側基準マーク105の計測を行う。
上記のように基板側顕微鏡65の計測位置は、予め伸縮が無い条件で設定されているので、各基準マーク105を計測することで基板の伸縮量を計測することが可能になる。尚、本実施形態の基板側顕微鏡65は、処理時間を短縮する為に複数設けられているが、ステージ60を移動する事で、複数の基準マーク105を計測するようにしてもよい。
マーク計測部70は、上記した各基準マークを複数計測すること等により、プリント基板上に形成された回路パターンにおける平面上で直交する2軸(X方向とY方向)の倍率を計測する。より詳しくは、マーク計測部70は、回路パターンが露光されるプリント基板100上で直交する2軸を少なくとも含む方向で、少なくとも複数の基板側基準マーク105間の寸法を計測することで、プリント基板100の各方向における伸縮量を算出する。
上述のプリント基板の伸縮量がマーク計測部70により計測されると、その結果に応じて伸縮したプリント基板とフォトマスク20の投影像が精度良く重なり合う様に投影倍率制御により制御が行われる。
ステージ基準マーク75は、ステージ60上に設けられ、基板側顕微鏡65により基準マーク25との位置ズレ量が計測される。
制御部80は、例えば、マイクロプロセッサ等の演算素子と記憶素子と各周辺装置とのインターフェースを含み、マーク計測部70で計測された結果から、プリント基板100の倍率の基板伸縮誤差(BE)を演算し、基板伸縮誤差(BE)に基づいて投影倍率制御部90にて投影像の倍率を制御する。更に、重ね合わせ許容値と重ね合わせ誤差の比較結果より、露光範囲を可変する場合は、可動板40を用いて、最小露光領域(B)と最大露光領域(A)を含む複数の実露光領域を形成させ、その実露光領域を全回路パターン領域(P)内で順次移動させると共に、ステージ制御部95に指令して、ステージ60によりプリント基板100が適切な位置で実露光領域の投影光を露光できるように位置を制御する。
又、制御部80は、マーク計測部70で計測された結果から得られた基板伸縮誤差(BE)に基づき、全回路パターン領域(P)内で前記最大露光領域(A)を、プリント基板100を順次移動させながら露光させる場合の各露光位置における第1の重ね合わせ誤差(PE1)を演算する。そして制御部80は、第1の重ね合わせ誤差(PE1)が予め入力された重なり許容値(AL)未満であれば、最大露光領域(A)を用いて露光させ、第1の重ね合わせ誤差(PE1)が重なり許容値(AL)以上であれば、全回路パターン領域(P)内で最大露光領域(A)の次に面積が大きい実露光領域が全回路パターン領域(P)内で重ならないようにプリント基板100を順次移動させながら露光する場合の各露光位置における第2の重ね合わせ誤差(PE2)を演算する。
又、制御部80は、第2の重ね合わせ誤差(PE2)が重なり許容値(AL)未満であれば、実露光領域を用いて露光させ、第2の重ね合わせ誤差(PE2)が重なり許容値(AL)以上であれば、全回路パターン領域(P)内で実露光領域の次に面積が大きい第2の実露光領域が全回路パターン領域(P)内でプリント基板100を順次移動させながら露光する場合の各露光位置における第3の重ね合わせ誤差(PE3)を演算し、それらの重ね合わせ誤差(PEn:nは正の整数)を演算して露光させるか次の重ね合わせ誤差(PE(n+1))を演算する処理を、第nの実露光領域が最小露光領域(B)と一致するまで繰り返す。(第1の実露光領域が最大露光領域の場合)
又、制御部80は、例えば、倍率差を低減させるように生成した制御信号を投影倍率制御部90に出力する。言い換えれば、倍率補正機構55によりX方向及びY方向に共通した倍率誤差を補正し、XY独立に発生している倍率誤差については、XY独立倍率補正部30の対向する各曲面の間隔を可変させることでX方向とY方向の倍率差を減少させる。さらに詳しくは、制御部80は、マーク計測部70にて基板側顕微鏡65を用いた各基板側基準マーク105の計測により求められた基板の伸縮量に基づき、前記伸縮に合わせた投影像を得るための制御信号を投影倍率制御部90に出力する。
投影倍率制御部90は、制御部80からの制御信号を受けて、例えば、モータと各種ギア等の駆動機構で倍率補正機構55のレンズ間隔及び、XY独立倍率補正部30内のシリンドリカルレンズを駆動する。
プリント基板100は、ベースとなる絶縁樹脂の表面上に銅の薄板等を貼り付けたプリント基板材料であり、投影露光装置1に設置する場合には、さらに銅板上にパターンレジストが塗布される。このパターンレジストに対してフォトマスク20を通過した回路パターンの露光光が照射されることで、パターンレジストが露光される。基板の種類としては、例えば、芯材の紙に熱硬化性のフェノール樹脂を含浸させた紙フェノール基板、芯材の紙に熱硬化性のエポキシ樹脂を含浸させた紙エポキシ基板、芯材のガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板等がある。
基板側基準マーク105は、フォトマスク20上の投影側基準マーク25との位置が合致するように、プリント基板100上に設けられ、例えば、レーザ光でプリント基板100の表面を溶融するか、ドリル等によって機械的に加工することで形成できる。
図2は、本実施形態の投影露光装置1を用いてプリント基板に回路パターンを形成する場合の一例を示すフローチャートである。
投影露光装置1で露光させる回路パターンに投影側基準マーク25が設けられたフォトマスク20を作成する(S1)。次に、基板側基準マーク105が設けられた銅張積層板等のプリント基板材料を露光させるサイズに切断し(S2)、その銅箔層の表面にフォトレジストを塗布し(S3)、そのプリント基板材料を投影露光装置1のステージ60上に設置する(S4)。投影露光装置1は、マーク計測部75等を用いてプリント基板材料の複数の基板側基準マークを測定する(S5)。ここで投影露光装置1は、投影露光装置1に設置されたプリント基板材料100上に投影された回路パターンの平面上で直交する2軸(X方向とY方向)を測定している。
投影露光装置1は、検出された2軸方向の倍率(プリント基板材料の伸縮状態)に基づいて、倍率補正機構55及び、XY独立倍率補正部30で実施する補正量を演算する(S6)。投影露光装置1は、演算された誤差と補正量に基づいて、露光領域の面積と露光順序を設定する(S7)と共に、倍率補正機構55及び、XY独立倍率補正部30で露光光の倍率を補正して、プリント基板材料に回路パターンを繰り返し露光させる(S8)。投影露光装置1は、プリント基板100上の基板側基準マーク105の位置を、記憶素子等に予め記憶されている基板側原基準マークの位置に一致させるようにステージ60を順次移動させる。基板側原基準マークの位置は、設計上から得られた位置、又は、基準基板を用いて測定した位置を用いる。この処理を繰り返すことで、フォトマスク20上の回路パターンをプリント基板100上の複数の露光領域に各々順次転写することができる。
その際に投影露光装置1は、例えば、露光光のX方向とY方向の変倍率を補正するために、例えば、レンズの組31、32における凸型の曲面と凹型の曲面との間隔を変化させることで、シリンドリカルレンズの円筒形状の中心軸(X方向)と直交し、且つ、プリント基板100に平行である方向(Y方向)における投影光の変倍率の、シリンドリカルレンズの円筒形状の中心軸方向(X方向)における投影光の変倍率に対する差を減少させるように投影光を補正する。
露光後のプリント基板材料をエッチングすることにより、不要な配線部分を除去する(S9)。エッチングが終了したらフォトレジストを除去し(S10)、プリント基板材料にスルーホール加工等の後工程を実施し(S11)、最後にプリント基板の表面を保護するコーティングを実施する(S12)。
ここで、プリント基板100上に投影された投影側基準マーク25の位置と、記憶されている基板側原基準マーク105の位置との誤差を解消して一致させるアライメント方式について説明する。そのようなアライメント方式としては、例えば、本特許出願の出願人による特願2008−119636号に詳細に記載したようにダイバイダイ方式とグローバル方式とインテリジェントグローバル方式とがある。以下に各方式について簡単に説明する。
ダイバイダイ方式では、複数の露光領域の各々について、測定された基板側基準マーク105の位置と基板側原基準マークとの誤差を算出する。各露光領域の基板側基準マーク105の位置を測定する際に、マーク計測部70は、測定位置と退避位置との間で毎回移動される。制御部80は、測定された基板側基準マーク105の位置と設計上から得られた基板側原基準マークの位置との誤差を算出し、基板側基準マーク105の位置を、その誤差が補正された位置と一致するようにステージ60を制御した後、回路パターンをプリント基板100に転写する。
グローバル方式は、ダイバイダイ方式のように露光領域毎に毎回基板側基準マーク105の位置を測定して誤差を算出するのではなく、制御部80は、プリント基板100の領域全体の基板側基準マーク105の位置を測定し、予め記憶しておいた基板側原基準マークの位置との誤差からプリント基板100上の基板領域全体にわたる誤差の線形パラメータ値を求める。これにより、各位置の誤差を算出することができる。
グローバル方式では、さらに基板側原基準マークの位置を得るために基準基板を用いた場合、線形誤差から非線形誤差を算出して非線形誤差のマップデータを得ることができる。そして制御部80は、算出された誤差に基づき補正された基板側基準マーク105の位置を記憶しておき、回路パターンの転写時に、基板側基準マーク105の位置が補正された位置と一致するようにステージ60を制御し、順次回路パターンをプリント基板100上に転写する。
このグローバル方式では、ダイバイダイ方式のようにマーク計測部70等を、複数の露光領域の各々についての測定位置と退避位置との間で毎回移動させる動作の必要が無くなることから、回路パターンの転写処理時間を短縮することができる。又、プリント基板100の全体にわたる基板側基準マーク105の位置から誤差を補正するので、上述した補正された位置と、それに対応させて検出する基板側基準マーク105の位置を減らすことができ、その結果、検出に要する時間も短縮することができる。
ダイバイダイ方式とグローバル方式との使い分けは、プリント基板100の誤差が大きい場合には、プリント基板100の全体的な誤差により補正するグローバル方式が適しており、誤差が小さい場合には、露光領域毎の誤差により補正するダイバイダイ方式が適している。又、例えば、重み付け係数Dを用いて、グローバル方式とダイバイダイ方式に重みづけを行い、係数D>1の場合にはグローバル方式を重視し、D<1の場合にはダイバイダイ方式を重視するように重みづけを実施してもよい。
インテリジェントグローバル方式では、グローバル方式のプリント基板100上の基板領域全体にわたる誤差の線形パラメータ値及び非線形誤差のマップデータを求めることに加えて、検出領域毎の誤差のパラメータ値を求め、その検出領域毎の誤差のパラメータ値の差分から、差分の線形成分を求める。そして、検出領域毎の誤差のパラメータ値、その線形成分、差分の線形成分の累積和から、検出領域毎の誤差のパラメータ値のばらつきを得る。さらに、そのばらつきから重み付け係数Wを求める。これにより、インテリジェントグローバル方式の制御部80は、プリント基板100の領域全体の基板側基準マーク105の位置と、基板領域全体にわたる誤差の線形パラメータ値及び非線形誤差のマップデータと、重み付け係数Wとから目標となる位置を算出し、基板側基準マーク105の位置を、目標となる位置と一致するようにステージ60を制御し、順次回路パターンをプリント基板100上に転写する。
又、インテリジェントグローバル方式では、基板側基準マーク105の位置の誤差を、プリント基板100の変形に基づく誤差と、基板側基準マーク105の形成に基づく誤差に分類する。プリント基板100の変形に基づく誤差は、3次式によって近似可能であり3次式近似誤差と称する。基板側基準マーク105の形成に基づく誤差は、4次以上の高次の式によって近似可能でありランダム誤差と称する。
又、インテリジェントグローバル方式では、基板側基準マーク105の位置の誤差を補正する場合、3次式近似誤差とランダム誤差のどちらが支配的な誤差であるかを判定し、補正方法を変更する。判定方法としては、例えば、上記した重み付け係数Wを用いて所定値以上か以下かで判定することができる。
又、インテリジェントグローバル方式では、プリント基板100の変形が2次式または3次式よって近似されるような位置の誤差が生じた場合、非常に優れた誤差の補正結果を得ることができ、さらに基板側基準マーク105の位置のランダムな誤差に対しても誤差を補正した露光位置での露光が可能となる。又、一部の基板側基準マーク105が何らかの理由により検出不可能な場合でも、その周辺の検出可能な基板側基準マーク105の位置と領域全体の誤差パラメータ値とに基づいて検出不可能な基板側基準マーク105の位置を近似的に補完することができ、それにより、その検出不可能だった露光領域についての目標位置を算出して露光を行うことができる。
以上から、インテリジェントグローバル方式では、グローバル方式よりもさらに、上述した補正された位置と、それに対応させて検出する基板側基準マーク105の位置を減らすことができ、その結果、検出に要する時間もさらに短縮することができる。つまり、スループットを高めることができる。また、グローバル方式よりも目標位置の精度を高めることができるので、露光の際にステージ60上のプリント基板100を目標に対してより適切な位置に配置することができ、より確実な露光処理が可能となる。
又、インテリジェントグローバル方式では、例えば、3次式で近似されるような基板平面に対する垂直方向に基板の位置が変化する場合の誤差の補正が可能となる。さらに、3次式だけでなく、4次式や5次式など、3次式より高次の誤差によって近似できるような位置の誤差とランダム誤差の大きさを判定基準として露光の際の露光位置の誤差を補正することもできる。さらに、インテリジェントグローバル方式では、ステージの構造等に起因する誤差補正を、プリント基板100の誤差の補正と一緒に行うことができる。なお、ステージの構造等に起因する誤差は、ランダム誤差ではない場合が多い。従って、別途に実施していた基準基板を用いたステージの構造等に起因する誤差の補正を省略することができる。このインテリジェントグローバル方式を用いた実施形態については、第2実施形態で図12〜図15を用いて後述する。
以上の様に、グローバル方式及び、インテリジェントグローバル方式では、プリント基板上の複数の基板側基準マークを測定し、その測定結果より、線形誤差、近似曲線誤差を記憶しているので、露光領域が変わった場合でも、新たにその露光領域に応じたプリント基板上の複数の基板側基準マークを測定する必要が無く、再演算のみで任意の露光領域に於ける目標位置を算出する事ができる。
図3(a)、(b)は、比較用として従来の投影露光装置の最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)を示す図である。
図3(a)に示された最大回路パターン領域(p)は、可動板40により領域が記載され、最小単位面積の最小回路パターン領域(p)を縦に4列、横に4行で16個有している。尚、図3(a)に示された外周の円は、投影露光可能な領域を示している。基板側基準マーク105は、各最小回路パターン領域(p)の角に形成されている。基板側基準マーク105は、基準マークとして計測される可能性がある部分に付与されるものであり、基準マークとして計測される可能性がない場所には形成する必要はない。尚、マーク計測部70は、基板側顕微鏡65により計測を行うが、露光時には、投影露光可能な領域の外に退避される。
図3(b)に示された最小回路パターン領域(B)は、可動板40により領域が記載され、最小単位面積の最小回路パターン領域(p)を縦に2列、横に2行で4個有している。
図4(a)、(b)は、比較用として従来の投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)との位置関係を示す図である。
図4(a)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を縦に2列と横に2行で4個有している。それに対して、図4(b)の全回路パターン領域(P)では、最小露光領域(B)を縦に4列と横に4行で16個有している。つまり、プリント基板100上の全回路パターン領域(P)を露光させるために、最大露光領域(A)では4回の露光回数ですむが、最小露光領域(B)では16回の露光回数が必要になり、露光工数と時間が増大する。従来は、この最大露光領域(A)と最小露光領域(B)のいずれかしか選択できなかった。
図5(a)〜(d)は、本発明に係る第1実施形態の投影露光装置1における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)との位置関係を示す図である。
図5(a)、(b)は、図3(a)、(b)と同様であるので説明を省略する。図5(c)の中間の露光領域(C)は、最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)との中間の面積を有する領域の一例であり、可動板40により領域が記載され、最小単位面積の最小回路パターン領域(p)を縦に4列、横に2行で8個有している。図5(d)の中間の露光領域(D)も、最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)との中間の面積を有する領域の一例であり、可動板40により領域が記載され、最小単位面積の最小回路パターン領域(p)を縦に2列、横に4行で8個有している。
図6(a)、(b)は、本発明に係る第1実施形態の投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)と中間の露光領域(C)、(D)の位置関係を示す図である。
図6(a)は、図4(a)と同様であり、全回路パターン領域(P)で、最大露光領域(A)を縦に2列と横に2行で4個有しているが、この場合は誤差が境地を超えており、精度を得られず、このまま露光はできないため比較用として示したものである。それに対して、図6(b)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を1個、中間の露光領域(C)を3個、中間の露光領域(D)を2個、最小露光領域(B)を2個有している。つまり、プリント基板100上の全回路パターン領域(P)を露光させるために、図6(b)の場合は8回の露光回数が必要になっている。図6(b)の場合は、図6(a)の場合よりも露光工数と時間は倍に増大しているが、従来の16回よりは減少している。
図7は、本発明の第1実施形態における図2のステップS6及びS7を詳細に示すフローチャートである。
本発明の第1実施形態の投影露光方法では、フォトマスク20上の回路パターン領域をプリント基板100上に投影させた像の領域である露光領域を、少なくとも最大と最小の2段階以上に変化させると共に、各露光領域がプリント基板100上の全回路パターン領域(P)内で各々重ならないようにプリント基板100上の水平面内で順次位置を移動させて、各露光領域をプリント基板100上に露光させる。
本実施形態の投影露光方法では、露光前に、最初の露光領域の各露光位置における隣接する露光領域との各重ね合わせ誤差(PEn)を演算するステップ(S21)と、プリント基板100の寸法の測定結果に基づき、重ね合わせ誤差(PEn)の演算結果が予め入力された許容値(AL)未満か否かを判断する(S22)。判断の結果が許容値(AL)未満の場合(S22:YES)の露光位置では、その露光領域で露光させるように設定する(S23)。判断の結果が許容値(AL)以上の場合(S22:NO)の露光位置では、その露光領域を分割して一段階小さい露光領域を設定する(S24)。その後、露光領域の面積が最小になったか否かを判断する(S25)。判断結果が最小である場合(S25:YES)には、この処理を終了し、判断結果が最小ではない場合(S25:NO)には、ステップS21に戻って各ステップ(S21)〜(S24)を繰り返し実施する。このようにして、各ステップ(S21)〜(S24)の処理を、露光領域の面積が最大の場合から、露光領域の面積が最小になるまで、領域を分割させながら繰り返すことにより、各露光領域の面積及び露光順序を設定する。
重ね合わせ誤差(PEn)を演算するステップ(S21)では、最大露光領域(A)と最小露光領域(B)との中間の面積で、且つ、最小回路パターン領域(p)の整数倍の面積を有する少なくとも1つ中間露光領域(C)、(D)を用いた場合の重ね合わせ誤差(PEn)を演算する。
又、各露光領域の面積及び露光順序を設定する場合は、演算結果の重ね合わせ誤差(PEn)と許容値(AL)との比較結果により、各露光領域の面積及び露光順序を決定する。
図8は、本実施形態の各投影露光装置1の事前処理で最大と最小の露光領域を設定する場合の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の投影露光方法では、重ね合わせ誤差(PEn)を演算するステップ(S21)の前に、露光領域の情報として、フォトマスク20上の最小の単位面積の回路パターンの領域である最小回路パターン領域(p)を複数個含んで一回の露光時に投影される最大の面積を有する最大露光領域(A)と、最小回路パターン領域(p)を少なくとも一個含んで一回の露光時に投影される最小の面積を有する最小露光領域(B)と、それらの露光位置の情報と、重ね合わせ誤差の許容値(AL)を設定入力する(S41)。
図9は、本実施形態の各投影露光装置1の重ね合わせ誤差の演算方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の投影露光方法では、重ね合わせ誤差(PEn)を演算するステップ(S21)では、重ね合わせ誤差の演算に先立ち図2のステップS5に示したように、回路パターンが露光されるプリント基板100上の複数の基板側基準マーク105を測定した測定結果を用いて、パターン回路位置を算出し(S51)、それから露光される回路パターンの像の予想される露光位置を算出し(S52)、さらに、パターン回路位置をと露光される回路パターンの像の予想される露光位置との差分を算出する(S53)。
図10は、本実施形態の投影露光装置1の測定結果から重ね合わせ誤差を判断する方法の一例を示すフローチャートである。
又、本実施形態の投影露光方法では、重ね合わせ誤差(PEn)の演算結果と重ね合わせ誤差の許容差(AL)を判断するステップ(S22)では、演算結果の重ね合わせ誤差(PEn)を許容値(AL)と比較する(S61)。
図11は、同じ形状の露光領域を連続して露光させる場合の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の投影露光方法における、各露光領域の面積及び露光順序を設定する場合には、全回路パターン領域(P)内に、重ね合わせ誤差(PEn)が許容値(AL)未満であって、同じ形状で同じ面積の露光領域が複数設定されているか否かを判断する(S81)。複数存在しない場合(S81:NO)には、この処理を終了させて同じ面積の露光領域による連続露光は実施せず、複数存在する場合(S81:YES)には、当該露光領域を連続して露光させる(S82)。
このように本実施形態の投影露光方法によれば、各基準マークが偏移しても回路パターンを的確な位置に形成でき、且つ、プリント基板の製造のスループット低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
図12(a)〜(d)は、本発明に係る第2実施形態の投影露光装置1における最大露光領域(A)とマーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置関係を示す図である。
第2実施形態は、上記したグローバル方式またはインテリジェントグローバル方式を用いた実施形態であり、非線形の誤差を重ね合わせ誤差としており、詳細なプリント基板の基準マークの計測方法、曲線近似による任意位置で位置ズレ誤差の算出、設定された露光領域における倍率補正(XY独立編倍30と倍率補正機構55)による補正量の算出という演算処理を用いて、最終的に残留する非線形誤差を算出する。
これらの算出方法は、例えば、本特許出願の出願人による特願2008−119636号の段落0237〜0320にグローバル方式によって、露光基板の基準マーク位置の非線形誤差を含めて露光する位置を定める方法が詳細に記載され、同公報の段落0321〜0320にインテリジェントグローバル方式によって、露光基板の基準マーク位置の3次式近似誤差及びランダム誤差を含めて露光する位置を定める方法が詳細に記載されている。尚、3次式近似誤差とは、基準マークの位置に生じる誤差を、露光基板の変形に基づく誤差と基準マークの形成に基づく誤差との二種類に分類した場合の前者であり、それを3次式によって近似した誤差である。又、ランダム誤差とは、同様に分類した場合の後者であり、それを4次式以上のさらに高次の式によって近似した誤差である。
図12(a)〜(d)は、図6(a)の4個の各最大露光領域(A)に対応する各々においてマーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置を示す。より具体的には、図12(a)は、後述する図13(a)の右上の最大露光領域(A)においてマーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置を示し、図12(b)は、図13(a)の左上の最大露光領域(A)においてマーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置を示し、図12(c)は、図13(a)の右下の最大露光領域(A)においてマーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置を示し、図12(d)は、図13(a)の左下の最大露光領域(A)においてマーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置を示す。尚、本実施形態における第1実施形態と同様な構成については、同じ符号を用いることで重複する記載を省略する。
図13(a)、(b)は、本発明に係る第2実施形態の投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)と中間の露光領域(C)、(D)の関係を示す図である。
図13(a)は、図6(a)と同様に比較用として示したものであるが、さらに、マーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置を示している。それに対して、図13(b)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を1個、中間の露光領域(C)を3個、中間の露光領域(D)を2個、最小露光領域(B)を2個有している。つまり、プリント基板100上の全回路パターン領域(P)を露光させるために、図13(b)の場合は8回の露光回数が必要になっている。図13(b)の場合、図6(a)の場合よりも露光工数と時間は倍に増大しているが、従来の16回よりは減少しており、露光回数及び露光時間を減少させる効果を有している。
図14は、本発明の第2実施形態における図2のステップS6及びS7を詳細に示すフローチャートである。
本発明の第2実施形態の投影露光方法でも、フォトマスク20上の回路パターン領域をプリント基板100上に投影させた像の領域である露光領域を、少なくとも最大と最小の2段階以上に変化させると共に、各露光領域がプリント基板100上の全回路パターン領域(P)内で各々重ならないようにプリント基板100上の水平面内で順次位置を移動させて、各露光領域をプリント基板100上に露光させる。
本実施形態の投影露光方法では、露光前に、最初の露光領域の各露光位置における隣接する露光領域との各重ね合わせ誤差(PEn)を演算するステップ(S31)と、プリント基板100の寸法の測定結果に基づき、重ね合わせ誤差(PEn)の演算結果が予め入力された許容値(AL)未満か否かを判断する(S32)。判断の結果が許容値(AL)未満の場合(S32:YES)の露光位置では、その露光領域を拡大して一段階大きい露光領域を設定する(S33)。判断の結果が許容値(AL)以上の場合(S32:NO)の露光位置では、その露光領域を一段階拡大する前の露光領域で露光するように設定する(S34)。その後、露光領域の面積が最大になったか否かを判断する(S35)。判断結果が最大である場合(S35:YES)には、この処理を終了し、判断結果が最大ではない場合(S35:NO)には、ステップS31に戻って各ステップ(S31)〜(S34)を繰り返し実施する。このようにして、各ステップ(S31)〜(S34)の処理を、露光領域の面積が最小の場合から、露光領域の面積が最大になるまで、領域を拡大させながら繰り返すことにより、各露光領域の面積及び露光順序を設定する。
重ね合わせ誤差(PEn)を演算するステップ(S31)では、最大露光領域(A)と最小露光領域(B)との中間の面積で、且つ、最小回路パターン領域(p)の整数倍の面積を有する少なくとも1つ中間露光領域(C)、(D)を用いた場合の重ね合わせ誤差(PEn)を演算する。
又、各露光領域の面積及び露光順序を設定する場合は、演算結果の重ね合わせ誤差(PEn)と許容値(AL)との比較結果により、各露光領域の面積及び露光順序を決定する。
図15は、本実施形態の投影露光装置1の測定結果から非線形の誤差を分類して重ね合わせ誤差を判断する方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の投影露光方法では、図14に示した基板側基準マーク105の測定結果から重ね合わせ誤差(PEn)を演算するステップ(S31)では、例えば、上記したグローバル方式またはインテリジェントグローバル方式で説明したように、測定結果から得られる誤差を、投影露光方法で用いられる投影光学系により補正可能である線形の誤差と、補正不能な非線形の誤差に分類し(S71)、非線形の誤差を重ね合わせ誤差(PEn)とする(S72)。
このように本実施形態の投影露光方法によっても、各基準マークが偏移しても回路パターンを的確な位置に形成でき、且つ、プリント基板の製造のスループット低下を抑制することができる。
<他の実施形態>
図16(a)〜(h)は、本発明に係る投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)と中間の露光領域(C)、(D)の位置関係の各例を示す図である。
図16(a)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を4個有し、従って4回の露光回数が必要になっている。図16(b)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を3個、中間の露光領域(D)を2個有している。従って5回の露光回数が必要になっている。図16(c)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を3個、中間の露光領域(C)を2個有している。従って5回の露光回数が必要になっている。図16(d)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を3個、中間の露光領域(C)を1個、最小露光領域(B)を2個有している。従って6回の露光回数が必要になっている。図16(e)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を2個、中間の露光領域(C)を4個有している。従って6回の露光回数が必要になっている。図16(f)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を2個、中間の露光領域(D)を4個有している。従って6回の露光回数が必要になっている。図16(g)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を1個、中間の露光領域(C)を4個、中間の露光領域(D)を2個有している。従って7回の露光回数が必要になっている。図16(h)の全回路パターン領域(P)では、最大露光領域(A)を1個、中間の露光領域(C)を2個、中間の露光領域(D)を4個有している。従って7回の露光回数が必要になっている。
このように他の実施形態の投影露光方法によっても、上記した第1実施形態及び第2実施形態と同様に回路パターンを形成できる。従って、本発明を適用することにより、図16(a)〜(h)の中の任意の全回路パターン領域(P)において、各基準マークが偏移しても回路パターンを的確な位置に形成でき、且つ、プリント基板の製造のスループット低下を抑制することができる。
以上、本発明に係る投影露光方法は、実施形態をいくつかの例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施の形態に記載された範囲には限定されるものではなく、最大と最小の中間の露光領域を用いことができる全ての投影露光装置に適用することができる。尚、本発明では前記各ステップを、判断結果に応じて露光領域の面積が最大の場合から、最小になるまで、露光領域を分割させながら繰り返す方法と、本発明では前記各ステップを、判断結果に応じて露光領域の面積が最小の場合から、最大になるまで、露光領域を分割させながら繰り返す方法を示しているが、例えば、中間的な露光領域から上記2つの方法を交互に行う方法でも無論同様の効果があり、本発明にはその様な方法も含まれるものとする。
本発明に係る第1実施形態の投影露光装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態の投影露光装置1を用いてプリント基板に回路パターンを形成する場合の一例を示すフローチャートである。 (a)、(b)は比較用として従来の投影露光装置の最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)を示す図である。 (a)、(b)は比較用として従来の投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)との位置関係を示す図である。 (a)〜(d)は本発明に係る第1実施形態の投影露光装置1における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)との位置関係を示す図である。 (a)、(b)は本発明に係る第1実施形態の投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)と中間の露光領域(C)、(D)の位置関係を示す図である。 本発明の第1実施形態における図2のステップS6及びS7を詳細に示すフローチャートである。 本実施形態の各投影露光装置1の事前処理で最大と最小の露光領域を設定する場合の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の各投影露光装置1の重ね合わせ誤差の演算方法の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の投影露光装置1の測定結果から重ね合わせ誤差を判断する方法の一例を示すフローチャートである。 同じ形状の露光領域を連続して露光させる場合の一例を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は本発明に係る第2実施形態の投影露光装置1における最大露光領域(A)とマーク計測部70で測定する基板側基準マーク105の位置関係を示す図である。 (a)、(b)は、本発明に係る第2実施形態の投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)と中間の露光領域(C)、(D)の関係を示す図である。 本発明の第2実施形態における図2のステップS6及びS7を詳細に示すフローチャートである。 本実施形態の投影露光装置1の測定結果から非線形の誤差を分類して重ね合わせ誤差を判断する方法の一例を示すフローチャートである。 (a)〜(h)は、本発明に係る投影露光装置における全回路パターン領域(P)と最大露光領域(A)及び最小露光領域(B)と中間の露光領域(C)、(D)の位置関係の各例を示す図である。
符号の説明
1 投影露光装置、
10 照明光学系、
15 フォトマスク側顕微鏡、
20 フォトマスク、
25 投影側基準マーク、
30 XY独立倍率補正部、
40 可動板、
50 投影光学系、
55 倍率補正機構、
60 ステージ、
65 基板側顕微鏡、
70 マーク計測部、
75 ステージ基準マーク、
80 制御部、
85 可動板制御部、
90 投影倍率制御部、
95 ステージ制御部、
100 プリント基板、
105 基板側基準マーク。

Claims (9)

  1. プリント基板上の複数の基板側基準マークを測定し、光源からの光をフォトマスクに形成された回路パターン領域に照射し、フォトマスク上の回路パターンをプリント基板上に投影する事で、基板上に順次露光パターン像を形成していくステップアンドリピート動作型の露光方法であって、
    前記露光パターン像の露光領域と、各露光位置における前記露光領域に対応したプリント基板上に形成されたパターン回路との各重ね合わせ誤差を、前記測定した結果より演算するステップと、
    前記重ね合わせ誤差の演算結果が予め入力された重ね合わせ誤差の許容値未満か否かを判断するステップと、
    前記判断の結果が許容値未満の露光位置では、前記露光領域を用いて露光されるように設定するステップと、
    前記判断の結果が許容値以上の露光位置では、前記露光領域より小さい露光領域に分割するステップと、
    前記各ステップを、判断結果に応じて露光領域の面積が最大の場合から、最小になるまで、露光領域を分割させながら繰り返すことにより、各露光領域の面積及び露光順序を設定する
    ことを特徴とする投影露光方法。
  2. プリント基板上の複数の基板側基準マークを測定し、光源からの光をフォトマスクに形成された回路パターン領域に照射し、フォトマスク上の回路パターンをプリント基板上に投影する事で、基板上に順次露光パターン像を形成していくステップアンドリピート動作型の露光方法であって、
    露光前に、前記露光パターン像の露光領域と、各露光位置における前記露光領域に対応したプリント基板上に形成されたパターン回路との各重ね合わせ誤差を、前記測定した結果より演算するステップと、
    前記重ね合わせ誤差の演算結果が予め入力された重ね合わせ誤差の許容値未満か否かを判断するステップと、
    前記判断の結果が許容値未満の露光位置では、前記露光領域より大きい露光領域に拡大するステップと、
    前記判断の結果が許容値以上の露光位置では、露光領域を拡大する前に戻した露光領域を用いて露光されるように設定するステップと、
    前記各ステップを、判断結果に応じて露光領域の面積が最小の場合から、最大になるまで、露光領域を拡大させながら繰り返すことにより、各露光領域の面積及び露光順序を設定する
    ことを特徴とする投影露光方法。
  3. 前記重ね合わせ誤差を演算するステップの前に、
    一回の露光時に投影される前記露光パターン像の最小の面積を有する最小露光領域、及び、前記最小露光領域の整数倍であって一回の露光時に投影される最大の面積を有する最大露光領域と、基板上の露光位置情報と、前記許容値を設定入力するステップ
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の投影露光方法。
  4. 前記重ね合わせ誤差を演算するステップは、
    前記プリント基板上で前記測定した結果より、露光位置に対応したプリント基板上に形成されたパターン回路位置を算出するステップと、
    前記露光パターン像の予想される露光位置を算出するステップと、
    前記算出された形成回路パターン位置とそれに対応した前記予想される露光位置との差分を算出するステップと
    を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の投影露光方法。
  5. 前記露光領域内で求められた前記複数の差分値から前記重ね合わせ誤差を演算するステップは、
    前記複数の差分値を、前記投影露光方法で用いられる投影光学系により補正可能である線形の誤差と、補正不能な非線形の誤差に分類するステップと、
    前記非線形の誤差を前記重ね合わせ誤差とするステップと
    を有することを特徴とする請求項4に記載の投影露光方法。
  6. 前記各露光領域の面積及び露光順序を設定するステップでは、
    前記演算結果の重ね合わせ誤差と前記許容値との比較結果により、各露光領域の面積及び露光順序を決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の投影露光方法。
  7. 前記露光領域の面積は、
    前記基板伸縮誤差に基づき、フォトマスク上に設けられて遮光機能を有する可動板を駆動させることにより面積を変化させる
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の投影露光方法。
  8. 前記重ね合わせ誤差を演算するステップでは、
    前記最大露光領域と最小露光領域との中間の面積で、且つ、前記最小回路パターン領域の整数倍の面積を有する少なくとも1つの中間露光領域を用いた場合の前記重ね合わせ誤差を演算する
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の投影露光方法。
  9. 前記各露光領域の面積及び露光順序を設定するステップでは、
    前記全回路パターン領域内に、前記重ね合わせ誤差が前記重なり許容値を満たしており、露光させる同じ形状で同じ面積の露光領域が複数設定されているか否かを判断するステップと、
    複数存在する場合には、当該露光領域を連続して露光させるステップと
    を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の投影露光方法。
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