JP2010093015A - 薄型コイルとこれを用いた電源 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の巻線コイルは、薄型化が難しく、巻線コイルの冷却のために通気性を改善した場合であっても、回路基板に実施した状態では通気性に課題が残る場合があった。
【解決手段】薄型コイル11の端子16を設けていない側面側に、空冷等に対応する通風孔14や開口部19を積極的に設けることで、回路基板20に高密度に密着させて実装させた場合においても、回路基板20の裏表間等での通風量を増加させることができ、更に薄型コイル11本体を包み込むように冷却できるため、電源22等の薄型化、小型化が可能になる。
【選択図】図1
【解決手段】薄型コイル11の端子16を設けていない側面側に、空冷等に対応する通風孔14や開口部19を積極的に設けることで、回路基板20に高密度に密着させて実装させた場合においても、回路基板20の裏表間等での通風量を増加させることができ、更に薄型コイル11本体を包み込むように冷却できるため、電源22等の薄型化、小型化が可能になる。
【選択図】図1
Description
本願は、薄型ディスプレイ(例えば、液晶テレビやプラズマテレビ、ELテレビ等の壁かけ用のもの)等やIH調理器を始めとする各種電気製品の電源回路等に使う薄型コイルとこれを用いた電源に関するものである。
薄型TVは、更なる薄型化や、低消費電力化が求められている。そのため、これら電気製品に使われる電源(電源モジュールや電源ユニット等も含む)において、その薄型化、低消費電力化が、急務となっている。そのため電源に用いるトランスやチョークコイル(本発明の薄型コイルにはトランスやチョークコイルも含む)においては、低背化(あるいは薄型化)、高放熱化(高放熱化することによって、コイル部の電気抵抗が低下し、機器の低消費電力化が実現できる)が求められる。こうした課題に対して、コイル部品の効率的な冷却が求められている。
図8は、従来の巻線コイルに使われる通風孔付きボビンの一例を示す斜視図である。図8において、1、2及び1’、2’は巻線ボビンのフランジ、3、3’は巻線ボビンの捲枠、aは3の下側に開口する窓、Aは(イ)の中に(ロ)を嵌入する方向、aとa’は開口と切欠の重複窓、bとb’は下部の重複窓、cとc’は重複窓、dとd’は上部の重複窓である。そして図8の(イ)、(ロ)の部品を組み合わせることで、a−a’、c−c’からなる一種の通風孔を形成する。
そして、このような通風孔付きのボビンを用いることで、ボビンに巻いた巻線(図示していない)を冷却するものである(特許文献1参照)。
実開昭62−91718号公報
しかしながら、図8で提案された従来のコイル部品では、巻線部分からの放熱は可能であっても、コア部分からの放熱に限界があった。またコイル部品自体の薄型化実装に対応することが難しかった。また実装後の空冷についても限界があった。
上記課題を解決するために、本発明は、巻線を有するボビンと、このボビンに固定したUコアと、前記ボビンの一以上の側面に設けられ、前記巻線の一端を接続した端子と、からなる薄型コイルであって、前記ボビンの前記端子を設けていない一以上の側面に、通風孔もしくは開口部のいずれか一つ以上を設けた薄型コイルとしたものである。
以上のように、本発明によれば、薄型コイルの端子を設けていない一つ以上の側面に、空冷に対応する通風孔や開口部を積極的に設けることで、回路基板に高密度に密着させて実装させた場合においても、なおかつ回路基板の裏表間での通風や冷却効果と共に、薄型コイルを冷却できる。
また本発明の薄型コイルの一部(例えば、Uコア部分等)を挿入する孔を有する回路基板に実装することで、電源の低背化を可能にする。さらに本発明の薄型コイルのボビンの端子を設けていない一以上の側面に設けた通風孔もしくは開口部によって、薄型コイルを包み込むように冷却する。
なお本発明の実施の形態に示された各図面は模式図であり、各位置関係を寸法的に正しく示したものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1〜図3を用いて具体的に説明する。
以下、本発明の実施の形態1について、図1〜図3を用いて具体的に説明する。
図1(A)は、実施の形態1における薄型コイルの内部構造の一例を示す斜視図、(B)はその断面図である。図1(A)(B)において、11は薄型コイル、12は樹脂等を成形してなるボビンである。13はボビン12の一部に設けたリブ等からなる補強部、14はボビン12の一部に設けた通風孔、15は磁性材料からなるUコア、16は実装用の端子、17は巻線、18は矢印である。巻線17は、コイル用の市販銅線(絶縁強化銅線、3層被覆線等も含む)であって、これをボビン12を利用してコイル状に巻いている。19は開口部であり、開口部19を回路基板等と組合せることで、通風孔とすることもできる。なお開口部19の形状を強固なものとするために、必要に応じて補強部13等で強化する。
なお端子16の固定部分は、端子台等と呼ばれることもあるが、本発明において、この端子台等もボビン12の一部とする。これは、これら各部位を一体化することで、機械的強度を高めるためである。
端子16は、例えばL字型に折り曲げた金属ピンであり、その一端には、ボビン12に設けた巻線17の一端を接続している。
図1において、ボビン12の上面等に形成した補強部13は、薄型コイル11を薄型化した場合でも樹脂製のボビン12自体の構造を高強度化するために設けたものである。
なおボビン12の下面側(あるいは回路基板とボビン12との間部分)にも、通風孔14や開口部19となるように、補強部13を設けることが望ましい。こうすることで、ボビン12の機械的強度と通気性の両方を高める。なお図1における矢印18は、通風孔14や開口部19を流れる空気の流れを示すものである。
図1における通風孔14は、ボビン12の端子16の設けていない側面側に設ける。これは通風孔14による、端子16の実装性(半田付け性や端子16付近の機械的強度アップ)等への影響を抑えるためである。
次に、図2(A)(B)を用いて、薄型コイル11を回路基板に実装した状態について説明する。
図2(A)は、薄型コイル11を回路基板に実装した状態の斜視図、(B)はその断面図である。
図2において、20は回路基板である。回路基板20としては、例えば、ガラス繊維やエポキシ樹脂、あるいは紙等やフェノール樹脂等からなる絶縁板に銅箔を貼り付けたものを使う。図2(A)(B)に示す矢印18は、空気の流れを示す。図2(A)(B)に示すように、回路基板20と薄型コイル11との隙間から入った空気は、回路基板20とボビン12との間に設けた通風孔14を一種のダクトとし、ボビン12と回路基板20との間に、補強部13によって設けた開口部19を介して流れる。その結果、薄型コイル11を、包み込むように冷却する。
図3は、薄型コイル11の上面図である。図3において、23は点線であり、点線23はボビン12の回路基板20側に設けたリブ等からなる補強部13を示す。また矢印18は、点線23で示した開口部19を介して流れ、薄型コイル11の側面を包み込むように冷却する空気の流れを示す。
以上のように、巻線17を有するボビン12と、このボビン12に固定したUコア15と、前記ボビン12の一以上の側面に設けられ、前記巻線17の一端を接続した端子16と、からなる薄型コイル11であって、前記ボビン12の前記端子16を設けていない一以上の側面に、通風孔14もしくは開口部19のいずれか一つ以上を設けた薄型コイル11とすることで、空冷性の優れた薄型コイル11を提供する。
なお通風孔14もしくは開口部19は、ボビン12の内部構造の一つとして作り込んでも良いが、薄型コイル11が実装される回路基板20を利用する(例えば、その表面を通風孔14や開口部19の壁面として利用する)構造とすることで、薄型コイル11の空冷性を更に高めている。
次に、薄型コイル11を用いた電源について、実施の形態2として説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2では、薄型コイル11を用いることで、電源の薄型化や空冷性を高められる様子について、図4〜図7を用いて説明する。
実施の形態2では、薄型コイル11を用いることで、電源の薄型化や空冷性を高められる様子について、図4〜図7を用いて説明する。
図4(A)(B)は、薄型コイル11を、回路基板20に実装する様子を説明する断面図、(C)は回路基板20に実装した薄型コイル11の空冷効果を説明する断面図である。
図4(A)〜(C)において、21は孔、22は電源である。孔21は薄型コイル11の一部(例えばUコア15)を挿入するためのものであり、孔21に薄型コイル11の一部を挿入することで電源22の薄型化(あるいは低背実装)を可能にする。
図4(A)の矢印18aに示すように、回路基板20に設けた孔21に、薄型コイル11の一部を挿入し、図4(B)の電源22とする。なお回路基板20に実装(半田付けを含む)した端子16等は図示していない。
図4(C)の矢印18bは、電源22における空気の流れを示す。矢印18bに示すように、回路基板20と薄型コイル11との間(あるいは孔21)から入った空気は、補強部13等によって形成された通気孔14(図示していない)や開口部19を流れるため、薄型コイル11を包み込むように冷却する。
図5は、開口部19の一例を説明する斜視図である。回路基板20を、矢印18aで示すように点線23で示す位置に設置する。こうして回路基板20とボビン12との間に開口部19を設ける。矢印18bは、開口部19を流れる空気の流れを示す。
図6は、開口部19bの一例を説明する斜視図である。図6に示すように、巻線17の一部を、開口部19aにおいて露出させることで、巻線17を直接空冷する。
図7は、巻線17を直接、空冷する様子を説明する斜視図である。図7の矢印18aに示すように、回路基板20を点線23の位置に固定することで、巻線17の冷却効率を高められる。
以上にようにして、少なくとも巻線17を有するボビン12と、このボビン12に固定したUコア15と、前記ボビン12の一以上の側面に設けられ、前記巻線17の一端を接続した端子16と、からなる薄型コイル11と、この薄型コイル11の一部を挿入する孔21を有する回路基板20と、を有する電源22であって、前記回路基板20と、前記ボビン12との間が、通風孔14もしくは開口部19となる構造を有している電源22とすることで、低背化が可能で、空冷性に優れた電源22を実現できる。
なお通風孔14も開口部19も共に、大きさ(高さもしくは幅の少なくとも一つ以上、望ましくは二つ以上)は0.5mm以上(望ましくは1.0mm以上、更には2.0mm以上)とする。これは通風孔14や開口部19の大きさが0.5mm未満の場合、所定の空冷性が得られないためである。
なお薄型コイル11に用いるコアは、E型ではなくてU型のUコア15とすることが望ましい。Uコア15とすることで、薄型コイル11の更なる薄型化が可能となる。なお本発明における薄型コイルとはトランスやチョークコイル等も含むことは言うまでもないものである。
以上のように本発明の薄型コイルとこれを用いた電源によって、各種電気製品の薄型化や小型化が可能となる。
11 薄型コイル
12 ボビン
13 補強部
14 通風孔
15 Uコア
16 端子
17 巻線
18、18a、18b 矢印
19、19a、19b 開口部
20 回路基板
21 孔
22 電源
23 点線
12 ボビン
13 補強部
14 通風孔
15 Uコア
16 端子
17 巻線
18、18a、18b 矢印
19、19a、19b 開口部
20 回路基板
21 孔
22 電源
23 点線
Claims (3)
- 巻線を有するボビンと、このボビンに固定したUコアと、前記ボビンの一以上の側面に設けられ、前記巻線の一端を接続した端子と、からなる薄型コイルであって、
前記ボビンの前記端子を設けていない一以上の側面に、通風孔もしくは開口部のいずれか一つ以上を設けた薄型コイル。 - 前記通風孔もしくは開口部のいずれか一つ以上は、薄型コイルが実装される回路基板に設けたことを特徴とする請求項1記載の薄型コイル。
- 少なくとも、
巻線を有するボビンと、このボビンに固定したUコアと、前記ボビンの一以上の側面に設けられ、前記巻線の一端を接続した端子と、からなる薄型コイルと、
この薄型コイルの一部を挿入する孔を有する回路基板と、
を有する電源であって、
前記回路基板と、前記ボビンとの間が、通風孔もしくは開口部となる構造を有している電源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008260522A JP2010093015A (ja) | 2008-10-07 | 2008-10-07 | 薄型コイルとこれを用いた電源 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20120031030A (ko) * | 2012-01-30 | 2012-03-29 | 삼성전기주식회사 | 트랜스포머 |
JP2013004531A (ja) * | 2011-06-10 | 2013-01-07 | Tamura Seisakusho Co Ltd | コイル装置用ボビン |
JP2013219396A (ja) * | 2013-07-24 | 2013-10-24 | Mitsubishi Electric Corp | 回路基板 |
JP2013219093A (ja) * | 2012-04-05 | 2013-10-24 | Mitsubishi Electric Corp | 回路基板 |
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2008
- 2008-10-07 JP JP2008260522A patent/JP2010093015A/ja active Pending
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KR20120031030A (ko) * | 2012-01-30 | 2012-03-29 | 삼성전기주식회사 | 트랜스포머 |
KR101642079B1 (ko) * | 2012-01-30 | 2016-07-22 | 주식회사 솔루엠 | 트랜스포머 |
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