以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態の冷蔵庫を示す側面断面図である。冷蔵庫本体1は上方から冷蔵室2、冷凍室3、野菜室4が設けられ、これら冷蔵室2、冷凍室3、野菜室4は仕切部6a、6bにより仕切られている。冷蔵室2の下部には隔離室5が設けられ、前後方向に移動可能なケース7が収納されている。また、冷蔵室2には食品等を載置する載置棚8a〜8dが設けられ、載置棚8dにより隔離室5の天井が形成されている。
冷蔵室2は前面に枢支された冷蔵室扉19により開閉可能になっている。冷蔵室扉19の背面側にはドアポケット21a〜21dが設けられている。冷凍室3は引き出し式の冷凍室扉22により開閉可能になっている。冷凍ケース23は冷凍室扉22に着脱自在に取り付けられており、冷凍室扉22と一体に引き出されるようになっている。冷凍ケース23の上方に配される冷凍ケース24は冷凍室扉22と独立して引き出し可能に設けられている。
野菜室4は引き出し式の野菜室扉25により開閉可能になっている。野菜ケース26は野菜室扉25に取り付けられており、野菜室扉25と一体に引き出される。野菜ケース26の上部には小物ケース27が配されている。野菜ケース26の上面は野菜ケースカバー28により覆われ、野菜ケース26および小物ケース27を所定の湿度に保つようになっている。
冷凍室3の後方には冷気通路38が設けられ、冷気通路38内には圧縮機46の駆動により冷気を生成する冷却器29が配されている。冷却器29の下方には冷却器29の除霜を行うヒータ33が配されている。ヒータ33の除霜による除霜水はドレンパイプ37を通って蒸発皿39に回収されるようになっている。
冷却器29の上方には冷気を冷蔵室2、冷凍室3、野菜室4及び隔離室5に送出する送風機30が配されている。送風機30の吐出側には圧力室32が設けられ、圧力室32に連通したダクト31に設けられる吐出口31a、31b、31cから冷凍室3内に冷気が吐出される。そして、冷凍室3内の冷気は冷気戻り口35を介して冷気通路38内の冷却 器29に戻るようになっている。
また、圧力室32にはダンパー17aを介して冷気分配室17が連通している。冷気分配室17は冷蔵室2の後方に配された冷気通路41に連通している。冷気通路41は、前面側に断熱材42及び通路カバー43を有した通路組品40から成っている。尚、47は冷蔵庫の運転や装置の作動等に必要な制御等のための電気回路組品であり、電気回路組品47は電装カバー47aで覆われている。
図2に冷蔵室2の正面図を示す。冷気通路41は冷蔵室2の略中央に配された上昇通路41aと上昇通路41aの外側に設けられた下降通路41bとから成っている。上昇通路41aと下降通路41bとは上端で連通している。冷気通路41に導かれた冷気は吐出口14から隔離室5内に冷気を吐出する。
一方、残りの冷気は上昇通路41aを上昇し、下降通路41bを通って吐出口15から冷蔵室2内に冷気を吐出するようになっている。正面から見て冷蔵室2の図中、右下部には、格子状に複数の穴を有した冷気戻り口10が設けられ、冷蔵室2内の冷気が流入するようになっている。
図1において、冷気戻り口10の後方には、コロナ放電によりイオン(殺菌用物質)を発生するイオン発生室45が設けられている。イオン発生室45の下方には周囲を断熱材16aで覆われた冷気通路16が連通して設けられている。尚、同図において、便宜上イオン発生室45と冷気通路38とを同一面内に記載しているが、実際には冷気通路16が冷気通路38と並設され、冷気通路16とイオン発生室45とが略同一面内に配されている。
冷気通路16の下端の吐出口13は野菜室4内に臨んで配され、冷気通路16を通る冷気が野菜室4内に吐出される。そして、野菜室4内の冷気は冷気戻り口34を介して冷気通路38内の冷却器29に導かれるようになっている。
図3、図4はイオン発生室45を示す側面断面図及び背面図である。イオン発生室45内には、針状電極11aを有するイオン発生装置11(殺菌部)が設けられている。針状電極11aは平板状の平面部11bに突設され、絶縁被膜で覆われたリード部11dを介して電源部11eに接続されている。リード部11dは冷気戻り口10を形成するグリル10bと一体成形された樹脂製の支持部10aに支持されている。
平面部11bは垂直面に対して平行に配置され、コロナ放電がされていないときには、針状電極11a及び平面部11bから成る電極部11cへの塵埃の堆積を抑制するようになっている。また、平面部11bは、冷気戻り口10を形成するグリル10bと、略平行になっている。このため、開口部である冷気戻り口10から複数の針状電極11aまでの距離をそれぞれ同一の距離にすることができる。従って、無駄なスペースを必要とせずに感電に対する安全性を確保することができる。
電源部11eからリード部11dを介して針状電極11aに高電圧が印加されると、針状電極11aの先端に電界が集中し、冷気戻り口10から取り込まれた冷気が電極先端で局所的に絶縁破壊してコロナ放電が発生する。リード部11dの長さは放電効率の低下を抑制するとともに容易に配線ができるように200mm以下になっている。リード部11dの長さを100mm以下にすると放電効率の低下をより抑制することができる。更に50mm以下にすると放電効率を殆ど低下させることなく電極を接続することできるのでより望ましい。
コロナ放電によって印加電圧が正電圧の場合は主としてH+(H2O)nから成るプラスイオンが生成され、負電圧の場合は主としてO2 -(H2O)mから成るマイナスイオンが生成される。H+(H2O)n及びO2 -(H2O)mは微生物の表面で凝集し、空気中の微生物等の浮遊菌を取り囲む。そして、式(1)〜(3)に示すように、衝突により活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH2O2(過酸化水素)を微生物等の表面上で生成して浮遊菌の殺菌を行う。
H+(H2O)n+O2 -(H2O)m→・OH+1/2O2+(n+m)H2O・・・(1)
H+(H2O)n+H+(H2O)n'+O2 -(H2O)m+O2 -(H2O)m'
→2・OH+O2+(n+n'+m+m')H2O ・・・(2)
H+(H2O)n+H+(H2O)n'+O2 -(H2O)m+O2 -(H2O)m'
→H2O2+O2+(n+n'+m+m')H2O ・・・(3)
本実施形態では、プラスイオンとマイナスイオンとによって冷気内の浮遊菌を殺菌することができるので、従来よりも貯蔵物の損傷を抑制することができる。また、針状電極11aに対向する対向電極や、プラスイオンを捕集する捕集電極を設けていないため、従来のようにイオンが電位差によりこれらの電極に吸引されたり、針状電極と対向電極との間の狭い領域にイオンが発生するということがない。
このため、強い送風がなくても冷気通路内にイオンを拡散して広い範囲で冷気内の浮遊菌を捉えて殺菌することができる。従って、殺菌能力をより向上させることができる。更に、イオン発生装置11が簡素化されるため、イオン発生装置11の小型化を図ることが できる。
また、針状電極11aには正電圧と負電圧とが印加されるため、接地電位がなくても電気回路が帯電されない。このため、大地に繋ぐアースを必要とせずに、家庭内に容易に冷蔵庫1を設置することができる。従って、イオン発生装置11をより簡素化し小型化することができる。
上記の式(1)〜(3)によると、活性種を生成するためには等量のプラスイオンとマイナスイオンとが必要になる。プラスイオンは単独で食品等に接触すると細胞を老化させる働きがあるため、本実施形態ではプラスイオンの発生量をマイナスイオンの発生量よりも少なくしている。これにより、プラスイオンとマイナスイオンが微生物の表面で凝集し、活性種を形成して浮遊菌を殺菌するとともに、余ったマイナスイオンにより浮遊菌の増殖を防止し、浮遊菌の野菜室への流入を防止することができる。
この時、プラスイオンの発生量がマイナスイオンの発生量の3%よりも少ないと、[・OH]の生成量が少なくなって殺菌力低下を招く。このため、プラスイオンの発生量をマイナスイオンの発生量の3%以上にしている。また、プラスイオンの発生量を1cm3当たり5000個以上にすることにより、十分な殺菌能力を得ることができる。
それぞれのイオンの発生量は正電圧と負電圧の印加時間を変えることにより可変することができる。また、電圧印加のオン、オフの時間を可変するデューティー制御を行ってイオンの発生量を制御してもよい。
また、コロナ放電によってイオンと同時に発生するオゾンは酸化力があるため冷蔵室2や野菜室4に流入すると高濃度では食品を酸化して劣化させる。このため、針状電極11aに印加される電圧を低く(例えば、+1.8kV〜−1.8kVの交流電圧)してコロナ放電により発生するオゾンが極微量になるように抑制されている。また、デューティー制御時に、短い時間間隔で印加電圧のオンオフを繰り返すとオゾンの発生を抑制できるのでより望ましい。
針状電極11aは冷蔵室2に連通した冷気通路(イオン発生室45)内に配されている。これにより、冷気戻り口10に流入する冷気によって冷蔵室2へのオゾンの流出を抑制し、後述するように冷気通路内でオゾンを除去することで食品の酸化を防止することができる。
また、冷気戻り口10から後方へ例えば40mm以上間隔を設けて冷気通路内に針状電極11aを配することによって、安全性を確保するために針状電極11aを絶縁ケースで覆う必要がなくイオン発生装置11を安価に構成することができる。加えて、冷気戻り口10に流入する冷気によってイオン発生時に発生するオゾンの冷蔵室2への流出を抑制し、後述するように冷気の通路内でオゾンを除去することで食品の酸化を防止することができる。
針状電極11aは、同電位の複数の針状の導体により構成してもよい。この時、イオンは針状の導体の先端から延長上に多く放出されるため、複数の導体を異なる向きで配置することによって針状電極11aの周囲の広い範囲にイオンを放出することができ、殺菌能力を向上させることができる。尚、放出されたイオンは、その後更に周囲へ分散することになる。
また、支持部10aと電極部11cとの距離Lが狭いと、支持部10aに結露が生じた際等に支持部10aに高圧がかかるおそれがある。このため、距離Lを3.5mm以上(例えば5mm)、より好ましくは10mm以上にして支持部10aと針状電極11aとを離すことにより、支持部10aが確実に絶縁される。また、コロナ放電によりイオンが放出される領域を広くとることができ、殺菌能力を向上させることができる。尚、支持部10aは絶縁材料により形成するのが望ましい。
一つの針状電極11aによりプラスイオンとマイナスイオンとを発生させると、電極近傍で一部が相殺されて実質的なイオン発生量が低下する。このため、針状電極11aを2つ設け、プラスイオンとマイナスイオンを別々の電極により発生すると実質的なイオン発生量を増加させることができる。また、これにより、それぞれのイオンの発生量を容易に
可変することができる。
2つの電極は、回路構成、印加電圧、電極形状、電極材質等を異なるようにすることによって容易にイオンの発生バランスを可変することができる。更に、2つの電極を少なくとも10mm以上(好ましくは30mm以上)離して配置するとそれぞれの電極からのプラスイオンとマイナスイオンとの相殺を殆ど発生させず有効にイオンを殺菌のために利用することができる。
針状電極11aの下方(風下側)には臭気物質を除去する脱臭装置12が配されている。脱臭装置12は、図5に示すように、コルゲートハニカム状に形成された物質に、低温脱臭触媒及び吸着剤がコーティングされている。低温脱臭触媒及び吸着剤を担持したフィルターや不織布により脱臭装置12を構成してもよいが、ハニカム状に形成すると圧力損失を低くできるのでより望ましい。
また、低温脱臭触媒や吸着剤により脱臭装置12には浮遊菌も捉えられる。従って、脱臭装置12をイオン発生装置11に近接すると、脱臭装置12に捉えられた浮遊菌を大量に殺菌することができ、殺菌効果を向上させることができる。この時、コロナ放電する針状電極11aと脱臭装置12の表面との距離を少なくとも10mm確保する方が望ましい。
即ち、針状電極11aと脱臭装置12との距離を接近しすぎると脱臭装置12が対向電極とみなされ電界が強くなる。このため、低い印加電圧(例えば、+1.8kVから−1.8kV(3.6kVp-p)の約90kHzの交流電圧)であっても放電出力が増加したときと同等の状態になり、コロナ放電による脱臭装置12の劣化が著しい。従って、該距離を10mm以上にすると脱臭装置12の劣化を防止することができる。尚、脱臭装置12に炭素や金属成分(例えば、活性炭粒、炭素繊維、白金粉末、ニッケル等)が多く含まれると、更に劣化が顕著になる。
針状電極11aからの放電は、その先端を中心として主に前方に立体角2πsrの範囲で行われ、半球状の放電有効領域が形成される。例えば、上記の印加電圧(3.6kVp-p)では半径100mmの放電有効領域(無風状態で1cm3当り10万個以上のマイナスイオン)を得ることができる。
このため、放電有効領域内に脱臭装置12を配すると、脱臭装置12での有効な殺菌作用が得られ殺菌効率が向上する。従って、印加電圧を抑制してオゾン発生量を減少させることもできる。
針状電極11aが1本のみのイオン発生装置により、冷気が循環する総容積が400Lの冷蔵庫を想定してイオンを送出した実験の結果は以下のようになった。ここで、減菌率はイオン送出前の単位体積当りの浮遊菌の量に対するイオン送出後の単位体積当りの浮遊菌の量である。
実験No. 印加電圧 印加時間 減菌率
1 -1.8kV〜+1.8kV 10分 25%
2 -2.5kV〜+2.5kV 45分 80%
実験No.1では減菌率が25%になり、官能試験結果では、実験後のオゾン臭は殆ど感じられなかった。従って、印加電圧の絶対値が1.8kV以上の交流電圧であれば、ある程度の殺菌効果を有し不快感のない冷蔵庫が得られる。尚、殺菌に有効なコロナ放電には、印加電圧のピーク値の絶対値が1.8kVの交流電圧が必要である。
実験No.2では減菌率が80%になった。また、オゾンの発生量は約0.15mgであり、官能試験結果では、扉を開いたときに使用者がオゾン臭を感じるとはいえない程度であった。従って、印加電圧のピーク値の絶対値が2.5kVの交流電圧にすると、一般家庭の通常使用において充分な殺菌効果を有し、不快感の少ない冷蔵庫を得ることができる。
尚、印加時間が45分を越えると、滅菌率は徐々に平衡状態になり、オゾン発生量が増すのみで、殺菌効率が悪くなる。このため、1回の印加時間は45分以下にすることが好ましい。従って、3.6kVp-p〜5kVp-pの印加電圧を10分〜45分の範囲で針状電極11aに印加して殺菌すると、通常の使用状態では所望の殺菌効果を有しながらオゾン臭による不快感の少ない冷蔵庫が得られる。
プラスイオンとマイナスイオンの発生量の調整は、印加する正電圧と負電圧の絶対値の調整でも可能となる。そのため、3.6kVp-p〜5kVp-pの範囲で1.8kV以上のピーク値を有するように正電圧と負電圧の絶対値を可変することよりそれぞれのイオンを調整することができる。
また、前述の図4に示したように、3本の針状電極11aから成る電極形状にすることにより、低い印加電圧でもイオン発生量を維持若しくは増加させ、より殺菌効果の向上とオゾンの低減を図ることができる。即ち、それぞれの針状電極11aに3.6kVp-p〜5kVp-pの印加電圧を15分から20分の範囲内で印加して、上記と同様に、400Lの貯蔵室にイオンを送出する。これにより、減菌率が50%でオゾン発生量が約0.05mgとなる。従って、官能試験結果では扉を開いたときに使用者がオゾン臭による不快感をほとんど感じず、殺菌効果の高い冷蔵庫が得られる。
加えて、イオン発生装置11の作動後、所定時間だけ再起動できないようにしておくと、オゾンの残存量がより減少する。例えば、イオン発生装置11を30分駆動した後、ダンパー17aを開いた状態で30分停止するとオゾンの残存率が略0%になる。従って、オゾンによる不快感を更に低減することができる。
また、イオン発生装置11が圧縮機46の運転と同期して作動するようにしておくと、圧縮機46が停止しているときにオゾンが減少して不快感をより低減できる。この時、ダンパー17aの開成とイオン発生装置11及び送風機30の作動を同期させると、庫内にイオンが送出され、殺菌効果をより向上することができる。尚、イオン発生装置11の駆動する操作スイッチ(不図示)は、例えば、冷蔵室扉19の外表面部に設けられている。これにより、使用者は所望の時期にイオン発生装置11を駆動して殺菌を行うことができるようになっている。
減菌率を向上させるためには電極部11cの数を増加させるとよい。このため、一般家庭用の冷蔵庫では、各々の電極間の距離の確保と装置内のスペースの制限から、通常、針状電極11aが1〜5本の形状の電極部11cを1〜3個設けるのが望ましい。
次に、低温脱臭触媒は、銅−マンガン系酸化物から成っており、アミン系やチオール系の揮発性物質、硫化水素等の臭気物質を酸化分解する。更に、銅−マンガン系酸化物はオゾン分解触媒としても機能してオゾンを分解することができる。
このため、別途オゾン除去装置を設けなくてもオゾンの流出を抑制することができ、後述するイオン発生装置の駆動制御とともに、冷蔵室や野菜室のオゾン濃度を人体に無害で無視できる程度まで低下させることができる。また、オゾン除去装置を設けないため冷蔵庫1のコストを削減することができる。そして、脱臭装置12はイオン発生装置11の周辺に設けられているため、発生したオゾンが素早く分解され、他の部材や冷蔵室2等に影響を及ぼしにくくなっている。
また、加熱脱臭等の他の方法により脱臭効果が得られる場合には、オゾン分解能力に優れたオゾン分解触媒を脱臭装置12に担持してもよい。このようなオゾン分解触媒として、例えば、二酸化マンガン、白金粉末、二酸化鉛、酸化銅(II)、ニッケル等を使用する。
吸着剤は臭気物質、オゾン及び浮遊菌を吸着するために担持されており、例えば、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、セピオライト等を使用することができる。粒状や粉状の吸着剤を別途設置してもよい。また、脱臭装置12を着脱可能に設けると、交換や清掃が可
能となり冷蔵庫内を清潔に保つことができる。
尚、脱臭装置12をイオン発生装置11の風上に設けると、イオンが低温脱臭触媒や吸着剤と接触しないためイオン性が喪失されず、イオンの存在領域を広くして殺菌能力を向上させることができる。従って、目的に応じて脱臭装置12を配置することができる。
上記構成の冷蔵庫において、冷却器29で冷却された冷気は、送風機30により冷気通路38を通って圧力室32に送られる。冷気は圧力室32からダクト31を通って吐出口31a、31b、31cから冷凍室3に吐出される。これにより冷凍室3内が冷却され、冷気は冷凍ケース23、24の前方から冷凍ケース24の下方を通って冷気戻り口35から冷却器29に戻される。
冷蔵室2に設けられた冷蔵室用温度センサ48(図2参照)により冷蔵室2の室温が所定の温度よりも高くなったことを検知すると、冷気分配室17のダンパー17aが開かれる。圧力室32内の冷気は冷気分配室17を通って冷気通路41へ導かれる。
冷気通路41を通る冷気の一部は、吐出口14から隔離室5のケース7に送り込まれてケース7内の貯蔵物を冷却し、ケース7の前方上端と載置棚8との間から冷蔵室2へ流出する。尚、吐出口14からケース7に送り込まれる冷気の量は、ケース7内の温度が冷蔵室2より低い温度に保たれるように、吐出口14、15の開口面積等により調整されている。
冷気通路41を通る他の冷気は、上昇通路41aを上昇し、下降通路41bを下降して吐出口15から冷蔵室2内に吐出される。該冷気は載置棚8やドアポケット21a〜21dに載置された貯蔵物を冷却しながら降下する。そして、隔離室5から流出した冷気とともにケース7の底面と仕切部6aとの間を通って冷気戻り口10からイオン発生室45に流入する。
尚、冷気戻り口10の前方に、冷気戻り口10を覆ってケース7の下方で開口する案内
部を設けてもよい。このようにすると、吐出口14から冷気戻り口10へのショートサーキットが防止され、ケース7の下方の左右方向に広い範囲から冷気を吸引して均一な冷気流が得られる。これにより、冷蔵室2内の冷却効率を向上させることができる。
イオン発生室45に流入した冷気はイオン発生装置11の針状電極11aの周辺に到達する。針状電極11aからコロナ放電されて生じるプラスイオン及びマイナスイオンは、凝集して冷気内に浮遊する浮遊菌を取り囲む。そして、[・OH]やH2O2の活性種により浮遊菌の殺菌を行う。その後、脱臭装置12により隔離室5や冷蔵室2の貯蔵物から発生した臭気物質及びコロナ放電により極微量発生したオゾンが分解または吸着により除去される。
隔離室5及び冷蔵室2内を循環した冷気は冷気戻り口10を通って冷気戻り口10に近接された針状電極11aの周辺及び脱臭装置12を通過する。このため、隔離室5に入れられた魚等の強い臭いを迅速に脱臭できるとともに、比較的室温の高い冷蔵室2内の貯蔵物から発せられる多量の臭いを発生源近くで効率よく脱臭できる。従って、隔離室5や冷蔵室2の臭いを他に移りにくくすることができる。
また、脱臭装置12をケース7と仕切壁6bとの間に配置してもよい。このようにすると、オゾン除去装置を別途必要とするが、冷気の通過面積を広くすることができ脱臭効果を向上させることができる。
脱臭装置12を通過した冷気は、冷気通路16を通って吐出口13から野菜室4に冷気が吐出される。該冷気は冷蔵室2からの戻り冷気であるが、イオン発生装置11及び脱臭装置12により脱臭されているため、野菜室4の貯蔵物には臭いが付着しない。
そして、該冷気は野菜室4内の野菜ケース26の下方及び前面を通り、野菜ケースカバー28の上面を通って冷気戻り口34を介して冷気通路38に流入する。除霜用のヒータ33は脱臭触媒が担持された触媒皮膜層で覆われており、ヒータ33により野菜室2内を通った冷気内の臭気物質が除去された後、冷気が冷却器29に戻される。
尚、冷気流通経路である冷蔵室2或いは野菜室4内にプラスイオンとマイナスイオンとを直接送出することも考えられ、このようにすることによって浮遊菌の殺菌効果を向上さ せることができる。
図6は、冷蔵庫1の構成を示すブロック図である。電気回路組品47(図1参照)には例えばマイクロコンピュータ等から成る制御部50が設けられている。制御部50には冷蔵室用温度センサ48(図2参照)、冷凍室用温度センサ49により検出された冷蔵室2及び冷凍室3の温度が入力される。
冷蔵室扉開閉検知スイッチ51、野菜室扉開閉検知スイッチ52、冷凍室扉開閉検知スイッチ53は冷蔵室扉19、野菜室扉25、冷凍室扉22の開閉を検知し、検知結果を制御部50に入力する。また、ダンパー開閉検知スイッチ54によりダンパー17aの開閉を検知して制御部50に入力される。
また、制御部50には、ダンパー17a、圧縮機46、送風機30、イオン発生装置11及び照明灯55が接続されている。制御部50に入力される信号に基づいてこれらの駆動が制御されるようになっている。
次に、イオン発生装置11は冷蔵室扉19、野菜室扉25、ダンパー17aの動作や圧縮機46の運転状態等に応じて駆動されるようになっている。図7はこれらの動作を示すメインルーチンのフローチャートである。また、図8は冷蔵室扉19及び野菜室扉25の開閉を常時監視するサブルーチンの扉開閉監視処理を示している。
図8において、ステップ#41では冷蔵室扉19及び野菜室扉25の一方が開いたか否か判断され、開かれるまで待機する。冷蔵室扉19または野菜室扉25が開くとダンパー17aが閉じられ、タイマーTM3及びイオン発生装置11が一時停止される。ステップ#42で冷蔵室扉19及び野菜室扉25が閉じたか否かが判断される。
閉じられていない場合は、ステップ#43で冷蔵室扉19または野菜室扉25が開いた後3秒が経過したか否かが判断される。3秒が経過していない場合はステップ#42に戻り、ステップ#42、#43が繰り返し行われる。3秒の経過よりも冷蔵室扉19及び野菜室扉25の閉成が早い場合はステップ#41に戻って冷蔵室扉19または野菜室扉25が開くまで待機される。
冷蔵室扉19または野菜室扉25が開いた後3秒が経過した場合はステップ#44に移行する。ステップ#44では、冷蔵室扉19及び野菜室扉25が閉じられている間の圧縮機46、イオン発生装置11の駆動された回数を示す駆動回数Ncmp、Nionがリセットされ、冷蔵室扉19または野菜室扉25の開閉回数Ndorがインクリメントされるようになっている。
そして、ステップ#45で冷蔵室扉19及び野菜室扉25が閉じられるまで待機し、閉じられるとステップ#41に戻り、冷蔵室扉19及び野菜室扉25の開成を監視する。冷蔵室扉19及び野菜室扉25が閉じられると、ダンパー17aが開成され、イオン発生装置11が再起動される。尚、冷蔵室扉19及び野菜室扉25の開閉及び3秒の経過の判断は、それぞれの扉につき独立に行われる。
後述するように、圧縮機46の駆動回数Ncmpは扉開閉後に圧縮機46が駆動される毎にインクリメントされる(図7、ステップ#17参照)。イオン発生装置11の駆動回数Nionは扉開閉後にイオン発生装置11が駆動される毎にインクリメントされる(図10、ステップ#73参照)。また、冷凍室扉22等の他の扉の開閉動作等を上記のフローチャートの判断に加えてもよい。これは以下のフローチャートにおいても同様である。
圧縮機46の駆動回数Ncmp、イオン発生装置11の駆動回数Nion及び開閉回数Ndorの値によって、冷蔵室2及び野菜室4等の各貯蔵室に溜まるオゾンが多くなる危険性があるためイオン発生装置11の駆動が制限されるようになっている。
このため、冷蔵室扉19または野菜室扉25が3秒以上開いた際に貯蔵室内の空気の一部が外気と入れ替わり同時に貯蔵室内のオゾンの一部が流出したと判断して駆動回数Ncmp、Nionをリセットするようになっている。これにより、各貯蔵室内に多量のオゾンを溜めず、使用者の不快感を軽減できる。
次に、図7を参照して圧縮器46等の駆動動作を説明する。冷蔵庫1の電源を投入すると、ステップ#11で制御部50を初期状態に戻して後述する変数及びタイマーが初期化される。ステップ#12では後述のタイマーTM1が500時間を経過したかどうかが判断される。ここでは経過していないのでステップ#13に移行し、冷蔵室用温度センサ48の検知結果により冷蔵室2が所定の温度よりも高温か否かが判断される。
冷蔵室2が所定の温度よりも高温の場合はステップ#31でダンパー17aが開かれ、ステップ#32で冷凍室3の温度が冷凍室用温度センサ49により検出される。冷蔵室2が所定の温度以下の場合はステップ#14で冷凍室用温度センサ49の検知結果により冷凍室3が所定の温度よりも高温か否かが判断される。
冷凍室3が所定の温度よりも高温の場合はステップ#15に移行する。冷凍室3が所定の温度以下の場合はステップ#12に戻り、冷蔵室2及び冷凍室3のいずれかが所定温度よりも高温になるまでステップ#12〜#14が行われて待機される。
ステップ#15では冷蔵室2及び冷凍室3の温度に基づいて圧縮機46の運転条件が設定される。例えば、冷蔵室2及び冷凍室3が所定の設定温度以上の場合は、圧縮機46が最大出力で運転されるようになっている。ステップ#16では設定された運転条件で圧縮機46が駆動され、冷凍サイクルが運転される。
ステップ#17ではイオン発生装置駆動フラグFionがリセットされる。この時、これまで停止していた圧縮機46のオフの時間を記憶するため、オフ時間ToffにタイマーTM2の値が代入され、圧縮機46の駆動回数Ncmpがインクリメントされる。
フラグFionは圧縮機46の駆動中にイオン発生装置11が駆動されると1が代入されるようになっている。オフ時間Toffは圧縮機46の運転率Eの演算に使用され、圧縮機46のオン時間Ton及びオフ時間Toffにより運転率Eは、Ton/(Ton+Toff)×100%で表される。ここでは、運転開始当初のためオン時間Tonが定まっていないので演算できない。ステップ#18ではタイマーTM2がリスタートされ、圧縮機46のオン時間の計測が開始される。
ステップ#19では、図9のイオン発生処理が呼出される。図9のステップ#51ではイオン発生装置駆動フラグFionが0か否かが判断され、1の場合は図7のメインルーチンに戻る。ステップ#52ではイオンの送出を許可するイオンスイッチ(不図示)が使用者によりオンに設定されているか否かが判断され、許可されていない場合はイオンが発生されずメインルーチンに戻る。
ステップ#53では、ダンパー17aが開いているか否かが判断され、閉じられている場合は冷蔵室3及び野菜室4に冷気が送出されないためイオンが発生されずメインルーチンに戻る。ステップ#54では、圧縮機46の駆動回数Ncmpが0または偶数か否かが判断される。駆動回数Ncmpが0の場合は、冷蔵室扉19または野菜室扉25が開閉されてからはまだ圧縮機46が駆動されていないことを意味する。
また、本実施形態では原則として冷蔵室扉19または野菜室扉25が開閉されてから圧縮機46が2回駆動される毎にイオンを発生するようになっている。このため、圧縮機46の駆動回数Ncmpが偶数の時はステップ#55に移行し、奇数の時はメインルーチンに戻る。これにより、冷蔵室扉19または野菜室扉25が開閉されてから閉じられたままの状態では、一度浮遊菌を殺菌すれば以後の浮遊菌発生量が少ないと考え、必要以上にイオンを発生することによるオゾンの発生を抑制している。
また、圧縮機46が例えば、3回駆動される毎にイオンを発生するようにしてもオゾンの発生を抑制できる。この場合、ステップ#54では圧縮機46の駆動回数Ncmpが3の倍数の時にステップ#55に移行させればよい。
ステップ#55では冷蔵室2または野菜室4が開閉されてからイオン発生装置11の駆動回数Nionが6よりも小さいか否かが判断される。駆動回数Nionが6の時はイオン発生装置11が冷蔵室2及び野菜室4を閉じたままで6回駆動されたことになり、冷蔵室2及び野菜室4に溜まったオゾン量が多くなっていると判断してイオンを発生せずにメインルーチンに戻る。
尚、冷蔵室2及び野菜室4を閉じたままでのイオン発生装置11の駆動時間が所定時間よりも長いときにイオンを発生せずメインルーチンに戻るようにしてもよい。更に、冷蔵室扉19または野菜室扉22が開閉されてから扉開閉なしで所定時間(例えば、3時間)経過したか否かを判断して、経過している場合にはイオンを発生せずメインルーチンに戻るようにしてもよい。
ステップ#56ではイオン発生装置11の累積駆動回数Nttlが所定回数(例えば本実施形態では50回)よりも大きいか否かが判断され、小さい場合はステップ#59に移行する。累積駆動回数Nttlは冷蔵室2及び野菜室4の開閉に関わらずイオン発生装置11が駆動される毎にインクリメントされる(図10、ステップ#73参照)。
このため、イオン発生装置11が累積で50回駆動された後に、冷蔵室扉19または野菜室扉25の開閉回数Ndorが所定回数(例えばここでは10回)以上開閉されなければ冷蔵室2及び野菜室4に溜まるオゾン量が多くなっていると判断してイオンを発生せずにメインルーチンに戻る(ステップ#57)。
開閉回数Ndorが10回以上の場合は、ステップ#58でイオン発生装置11の累積駆動回数Nttl及び開閉回数Ndorがリセットされ、ステップ#59に移行する。尚、累積駆動回数Nttlに替えて、イオン発生装置11の累積の駆動時間により判断してもよい。
ステップ#59では前回駆動の圧縮機46の運転率Eが演算され、運転率Eが50%よりも大きいか否かが判断される。前述したように、運転率Eは前回駆動時の圧縮機46のオン時間Tonと前回駆動終了から今回の駆動までのオフ時間Toffにより、Ton/(Ton +Toff)×100%で計算される。
圧縮機46の運転率Eが例えば50%よりも大きい場合は、ステップ#60でイオン発生装置11の所定の駆動時間Tionが15分に設定される。圧縮機46の運転率Eが50%以下の場合は外気温が低い若しくは負荷が少ないと考えられ、冷蔵室2又は野菜室4に流入する浮遊菌の量が少ないと判断し、ステップ#61でイオン発生装置11の所定の駆動時間Tionを10分に設定している。
これにより、イオン発生装置11の所定の駆動時間Tionを異なる時間にすることによりイオンの発生量を調整し、不要なイオンを発生させずオゾンの発生を抑制することができる。
尚、上記において所定量のイオンの発生をイオン発生装置11の所定の駆動時間Tionで調整しているが、針状電極11aに印加される電圧を異なる値(例えば、E>50%の時に印加電圧が5kVp-pで10分間印加、E≦50%の時に印加電圧が3.6kVp-pで10分間印加)に設定してもよい。
ステップ#62ではステップ#60、#61の設定に基づいてイオン発生装置11がオンされる。ステップ#63ではフラグFionに1が代入され、タイマーTM3がリスタートされる。タイマーTM3は、イオン発生装置11の駆動時間を計時する。そして、メインルーチンに戻る。
尚、上記の運転率Eとイオン発生時間Tionとの関係を、例えばE<40%の時にTion=7分、40%≦E<80%の時にTion=10分、E≧80%の時にTion=15分、のように数段階にしておくと、よりきめ細かな殺菌制御を行うことができる。
図7のメインルーチンではステップ#21で図11に示すダンパー凍結防止処理が呼出される。本実施形態では、ダンパー17aの凍結を防止するためダンパー17aが開いてから所定時間(例えば12分)経過すると一時的にダンパー17aが閉じられる。
ダンパー凍結防止処理のステップ#81ではイオン発生装置11が駆動しているか否かが判断される。駆動している場合はステップ#82でダンパー17aが閉じられているか否かが判断される。ダンパー17aが開いている場合はダンパー凍結防止処理が行われておらず、メインルーチンに戻る。
ダンパー17aが閉じられている場合はステップ#83でイオン発生装置11が停止される。ステップ#84ではタイマーTM3が一時停止され、ステップ#85では結露防止状態を示すフラグFconに1が代入される。
ステップ#81でイオン発生装置11が駆動していないと判断した場合はステップ#86でダンパー17aが開いているか否かが判断される。ダンパー17aが閉じている場合はイオン発生装置11はオフのままでよいのでメインルーチンに戻る。ダンパー17aが開いている場合はステップ#87でフラグFconが1であるか否かが判断される。
フラグFconが0の場合は、通常のイオン発生状態であることを示しており以後の結露防止処理は行われずにメインルーチンに戻る。フラグFconが1の場合は、ダンパー凍結防止処理状態からダンパー17aが開かれてダンパー凍結防止処理が終了した状態であるので、ステップ#88でイオン発生装置11が駆動される。
ステップ#89ではタイマーTM3の一時停止が解除される。ステップ#90ではフラグFconがリセットされダンパー凍結防止処理状態が解除される。これにより、一時停止により所定の発生量に達していなかったイオンが継続して発生し、浮遊菌の殺菌を十分行うことができる。
図7のメインルーチンに戻り、ステップ#22ではタイマーTM3が所定の駆動時間Tionになったか否かが判断される。タイマーTM3が所定の駆動時間Tionになった場合はステップ#23で後述する図10のイオン停止処理が呼出される。
タイマーTM3が駆動時間Tionになっていない場合はステップ#24で冷蔵室用温度センサ48(図2参照)の検知結果により冷蔵室2が所定の温度まで降温されたか否かが判断される。所定温度以下になっていない場合はステップ#19に戻り、ステップ#19〜#24が繰り返し行われる。
冷蔵室2が所定温度以下になった場合には、ステップ#25でダンパー17aが閉じられる。そして、ステップ#26でイオン停止処理が呼出され、ステップ#27で冷凍室3が所定温度まで降温されたか否かが判断される。冷凍室3が所定温度以下になっていない場合はステップ#19に戻り、ステップ#19〜#26が繰り返し行われる。
ステップ#19に戻った際に、フラグFionが1になっている場合は、イオン発生処理(図9参照)ではステップ#51で直ちに抜け出る。また、冷蔵室扉19または野菜室扉25が開閉されると、圧縮機46の駆動回数Ncmp及びイオン発生装置11の駆動回数Nionがリセットされる(図8、ステップ#44参照)。
このため、フラグFionが0の場合に、図9のステップ#54、#55において条件を満足してイオン発生装置11が駆動される場合がある。従って、冷蔵室扉19または野菜室扉25の開閉により冷蔵室2及び野菜室4内に溜まったオゾンの少なくとも一部が流出したと考えられる場合は、直ちにイオン発生装置11を駆動して冷蔵室2及び野菜室4内の浮遊菌を殺菌することができる
ステップ#23、#26では図10のイオン停止処理が呼出される。ステップ#71では既にイオンが停止されているか否かが判断され、停止されている場合はメインルーチンに戻る。イオンが発生中の場合はステップ#72でイオン発生装置11が停止される。
ステップ#73ではタイマーTM1がリスタートされてイオン発生装置11の駆動停止後の時間の計時が開始され、タイマーTM3及びイオン発生装置11の所定の駆動時間Tionがリセットされる。また、イオン発生装置11の駆動回数Nion及び累積駆動回数Nttlがインクリメントされ、メインルーチンに戻る。
冷蔵室2が所定温度に降温される前にタイマーTM3が所定の駆動時間Tionに達するとステップ#23でイオン発生装置11が停止され、タイマーTM3が所定の駆動時間Tionに達する前に冷蔵室2が所定温度に降温されるとステップ#26でイオン発生装置11が停止される。
ステップ#26でイオン発生装置11が停止された場合には、イオン発生装置11の所定の駆動時間Tionがリセットされているので、冷蔵室2が所定温度まで降温された後はイオン発生装置11は所定の駆動時間Tionに達していなくても以後のイオン発生は行われずに停止される。
冷蔵室2の降温が早く行われるのは外気温度が低いためと考えられ、冷蔵庫1内に進入する浮遊菌の量が少ない。このため、イオン発生装置11を停止しても十分殺菌できるとともに、オゾンの増加を抑制できるようになっている。
尚、外気温度を検知してイオン発生装置11を停止してもよい。即ち、図11のステップ#82とステップ#83との間に、図12に示すように外気温度に基づく制御を挿入すると、所定の駆動時間Tionに達していなくても以後のイオン発生は行われずに停止される。これにより、上記と同様に外気温が低いときは必要以上にイオンを発生させず、オゾンの増加を抑制して適正な殺菌を行うことのできる冷蔵庫を得ることができる。
ステップ#91では外気温度が所定の温度t0よりも低いか否かが判断される。外気温度が所定の温度t0以上の場合はステップ#83に移行して前述の処理が行われる。外気温度が所定の温度t0よりも低い場合はステップ#92でタイマーTM3が所定の時間T1(例えば5分)よりも経過しているか否かが判断される。
タイマーTM3が所定の時間T1だけ経過していない場合はステップ#83に移行する。タイマーTM3が所定の時間T1だけ経過しており、所定量のイオンが発生している場合にはステップ#93に移行してイオン発生装置11の所定の駆動時間TionにタイマーTM3の値が代入される。そして、ステップ#83に移行する。
タイマーTM3が駆動時間Tionと等しいため、メインルーチンに戻った際にステップ#22で条件を満足してステップ#23でイオン停止処理が行われる。これにより、外気温度を検知して所定の駆動時間Tionに達していなくても以後のイオン発生は行われずに停止される。
また、ダンパー17aの開閉の指令が冷蔵庫内や外気の温度による場合と、扉の開閉やその他の指令による場合を選別し、温度による場合には残りのイオン発生時間があってもリセットするように判断すると更にオゾン発生を抑制して適正な殺菌を行うことができる
メインルーチンのステップ#28では冷蔵室2及び冷凍室3が所定温度まで降温されたため圧縮機46が停止される。ステップ#29ではこれまで稼働していた圧縮機46のオンの時間を記憶するために、タイマーTM2の値がオン時間Tonに代入される。ステップ#30ではタイマーTM2がリスタートされ、圧縮機46のオフ時間の計時が開始される。
そして、ステップ#12に戻り、ステップ#12〜#30が繰り返し行われる。イオン発生装置11が最後に駆動されてから長期の所定時間(例えば本実施形態では500時間)が経過した場合は、冷蔵室2及び野菜室4内のオゾンは消失していると考えられる。従って、ステップ#72、#73(図10参照)でイオン発生装置11がOFFされる毎にタイマーTM1をリスタートし、タイマーTM1=500Hとなったとき、ステップ#12の判断によりステップ#11に移行して全ての変数及びタイマーが初期化される。
また、ステップ#11で全てを初期化した後、最初にイオン発生装置を駆動する際にイオン発生装置の所定の駆動時間Tionを短くしてもよい。例えば、全てを初期化すると同時にフラグFfst=1にする。そして、ステップ#19のイオン発生処理を行うときに、図9のステップ#59の前でフラグFfstが1か否かを判断する。フラグFfstが1の場合は所定の駆動時間Tionを例えば7分にし、フラグFfstに0を代入してステップ#62に移行する。また、フラグFfstが0の場合はステップ#59に移行する。
このようにすると、冷蔵庫1を購入して初めて電源に繋ぎ、イオンスイッチがオンになっていてイオン発生装置11が駆動されても駆動時間が短いためオゾンの発生量が少ない。従って、貯蔵室内が冷却されてから貯蔵物を貯蔵室内に入れる際に、食品から出る臭いによってオゾン臭が隠されるマスキング効果のない状態であっても、使用者にオゾン臭を感じさせず、不快感を与えない冷蔵庫1が得られる。
本実施形態によると、プラスイオンとマイナスイオンとにより冷蔵庫内の冷気の殺菌を行うので、プラスイオンを捕集する捕集電極等を必要とせず簡単な構成で貯蔵物の損傷
を抑制することができる。
また、実質的な対向電極を持たない電極からコロナ放電することにより、発生したプラスイオンとマイナスイオンが電位差により吸引されない。このため、冷気の流通経路内の広い範囲に送風がなくても拡散される。そして、両イオンが浮遊菌の表面に凝集し、衝突により生成される活性種により広い範囲で浮遊菌の殺菌を行うことができる。従って、送風能力を大きくして装置を複雑化することなく殺菌能力を向上させることができる。また、電極には正電圧と負電圧とが印加されるため電気回路が帯電されず、大地に繋ぐアースが不要となり家庭内に容易に冷蔵庫を設置することができる。
また、放電時に発生するオゾンの残留を抑制し使用者の不快感や健康を害する危険を防止することができる。尚、プラスイオンとマイナスイオンとをコロナ放電により発生しているが、これに限らず、他の方式によりイオンを発生しても同様の効果を得ることができる。
次に、図13は第2実施形態の冷蔵庫を示す側面断面図である。図14、図15は、本実施形態の冷蔵庫のイオン発生室を示す側面断面図及び背面図である。説明の便宜上、これらの図において、前述の図1〜図5に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。
第1実施形態と異なる点は、電極部11cを支持する支持部10aは、グリル10bの上部に一体形成され、針状電極11aがイオン発生室45の上部から垂下して配置されている点である。その他の構成は第1実施形態と同様である。
前述したように、支持部10aと針状電極11aとの距離Lが短いと、支持部10aに結露が生じた際等に支持部10aに高圧がかかるおそれがある。支持部10aが確実に絶縁されるためには距離Lを3.5mm以上にして支持部10aと針状電極11aとを離す必要がある。
一方、針状電極11aを支持部10aに接近させて設置すると、イオン発生室45内の上面に近い位置からイオンが放出され、イオンと冷気との接触期間を長くして、後述するように殺菌能力を向上させることができる。従って、本実施形態では距離Lを5mmにし、殺菌能力を確保するとともに、高電圧が針状電極11aに常に安定して加わり、コロナ放電が確実に行われて安定したイオンの放出ができるようになっている。
図14に示すように、矢印B1の方向に冷気戻り口10からイオン室45に流入する冷気は矢印B2の方向に向きを変えて冷気通路16に導かれる。針状電極11aから放出されるイオンは、A部に示すように、針状電極11aの先端から放射角度が約45゜の領域に高い密度で放出される。針状電極11aはイオンの密度の高い領域(A部)が冷気の流通方向(B2方向)に沿うように配されている。
これにより、放出されたイオンと壁面との衝突によるイオンの減少を抑制するとともに、冷気によりイオンが容易に搬送され、冷気の流通方向の広い範囲でイオンと冷気とが接触する。従って、殺菌能力をより向上させることができる。尚、針状電極11aの先端からは、放射角度が約45゜の領域の外側の領域にも密度の低いイオンが放出されている。
また、図15に示すように、針状電極11aの針状部11cを複数形成した場合には、各針状部11cの向きを異なる向きにすることにより、B2方向に最も高いイオン密度を有しながら、広い角度範囲でイオンの密度を大きくすることができる。また、イオン発生室45内に限らず、冷気流のある場所であれば冷気流に沿ってイオンを放出することにより同様に殺菌効果を向上させることができる。
また、針状電極11aの下方(風下側)に脱臭装置12が設けられるためイオンは脱臭装置12の上面全域に均一に照射される。従って、脱臭装置12で捉えられた浮遊菌を確実に殺菌することができ、より殺菌能力を向上させることができる。
この時、脱臭装置12をイオン発生装置11に近接すると、脱臭装置12に捉えられた浮遊菌を大量に殺菌することができるが、針状電極11aから冷気の流れに沿ってイオンが放出されるため、脱臭装置12をイオン発生装置11から離して配置すると、より殺菌能力を向上できる。
即ち、イオンが冷気の流れに乗ってより遠くまで到達でき、浮遊菌が長期間イオンと接触して脱臭装置12に到達するまでに殺菌されて減少する。その後に、浮遊菌が脱臭装置12に捉えられるため脱臭装置12を通過する浮遊菌が減少する。そして、脱臭装置12に捕集された浮遊菌が脱臭装置12に到達したイオンにより殺菌される。脱臭装置12に抗菌処理を施した場合はより殺菌効果が向上する。
イオン発生装置11により発生したイオンは、脱臭装置12に照射されるため大部分のイオンが脱臭装置12に捉えられた浮遊菌を殺菌して消失する。従って、発生したイオンがイオン室45内で消失されるため、野菜室4内や冷気通路16がイオンにより劣化することを防止できる。イオン室45の壁面にはイオン劣化を防止する金属被膜処理や耐イオン物質コーティング等を施してもよい。また、イオン発生室45の壁面を金属板で覆ってもよい。
尚、脱臭装置12をイオン発生装置11の風上に設けると、イオンが低温脱臭触媒や吸着剤と接触しないためイオン性が喪失されず、イオンの存在領域を広くして殺菌能力を向上させることができる。従って、目的に応じて脱臭装置12を配置することができる。
次に、図16は第3実施形態の冷蔵庫のイオン発生室を示す背面図である。説明の便宜上、前述の図13〜図15に示す第2実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態は、イオン発生装置11にそれぞれ電源部11eにより印加電圧を制御される4本の針状電極11p、11q、11r、11sが設けられている。その他の構成は第2実施形態と同一である。
針状電極11p、11qは、第2実施形態と同様に、イオン発生室45の上部から垂下されている。針状電極11r、11sは、イオン発生室45の下部から上方に向けてイオンを放出するように取付けられている。また、針状電極11p、11sはプラスイオンを発生し、針状電極11q、11rはマイナスイオンを発生するようになっている。
針状電極11p、11qにより、矢印B2の方向に流れる冷気に沿ってイオンが放出され、第2実施形態と同様に冷気に含まれる浮遊菌が長い期間イオンと接触して殺菌される。また、針状電極11r、11sにより、矢印B2方向の冷気の流れに逆行してイオンが放出される。これにより、冷気と衝突するイオンはイオン室45内に拡散され、より広い領域にイオンが分布して殺菌能力をより向上させることができる。
また、一つの針状電極11a(図14参照)によりプラスイオンとマイナスイオンとを発生させると、発生初期に一部が相殺されて実質的なイオン発生量が低下する。本実施形態では、プラスイオンを発生する電極(11p、11s)とマイナスイオンを発生する電極(11q、11r)とを区別しているため、実質的なイオン発生量を増加させることができる。
そして、プラスイオンの発生量とマイナスイオンの発生量を容易に可変することができる。また、プラスイオンを発生する電極とマイナスイオンを発生する電極とを隣接しているため、プラスイオンとマイナスイオンとが混合して均一に分布し、凝集を容易にして十分な殺菌能力を確保することができる。
更に、隣接する電極を少なくとも10mm以上(例えば30mm)離して配置すると、それぞれの電極からのプラスイオンとマイナスイオンとの相殺を殆ど発生させず有効にイオンを殺菌のために利用することができる。また、針状電極11p、11sに電圧を印加している際には針状電極11q、11rへの電圧の印加を停止し、針状電極11q、11rに電圧を印加している際には針状電極11p、11sへの電圧の印加を停止することにより、プラスイオンとマイナスイオンとの相殺を更に低減することができる。
加えて、例えば、針状電極11q、11pに交互または同時に電圧を印加し、針状電極11r、11sへの電圧の印加を所定期間停止することによってイオンの発生量を容易に可変することができる。
尚、針状電極11p、11q、11r、11sによりそれぞれ一方のイオンのみを発生させてもよいが、それぞれからプラスイオンとマイナスイオンとを異なる発生比で発生してもよい。例えば、針状電極11p、11sによりプラスイオンを多く発生し、針状電極11q、11rによりマイナスイオンを多く発生させる。
このようにしても、プラスイオンを主に発生する電極とマイナスイオンを主に発生する電極とが区別されるので、イオンの相殺を低減して実質的なイオンの発生量を増加させることができる。この時、回路構成、印加電圧、電極形状、電極材質等を異なるようにすることによって容易にイオンの発生バランスを可変することができる。
第2、第3実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、放出されたイオンと壁面との衝突によるイオンの減少を抑制するとともに、冷気によりイオンが容易に搬送され、冷気の流通方向の広い範囲でイオンと冷気とが接触する。従って、殺菌能力をより向上させることができる。
また、第2、第3実施形態において、針状の電極を用いない場合であってもよい。例えば、絶縁体を挟んで対向する電極間に電圧を印加してイオンを発生すると、対向電極により装置は大型化されるが、冷気の流れに沿ってイオンを放出することにより殺菌効果を向上させることができる。更に、イオンだけでなく他の殺菌用物質を放出して殺菌を行ってもよい。殺菌用物質として、例えば、化学薬品等の有体物や、物理的には物質ではないが熱や紫外線等の無体物を用いることができる。
次に、図17は第4実施形態の直冷式の冷蔵庫を示す側面断面図である。同図において、131は圧縮機、132は冷蔵室134に配置された冷蔵室用冷却器、133は冷凍室135に配置された冷凍室用冷却器である。136は第1〜第3実施形態と同様のイオン発生装置であり、冷蔵室134の上方に設置されたケース138内に設けられる。137はファンであり、ファン137の回転によってケース138の吹出し口139からプラスイオンとマイナスイオンとが冷蔵室134内に排出される。これにより、第1〜第3実施形態と同様に、冷蔵室134内に浮遊する細菌が不活化され、収納された食品の損傷を抑制する。
次に、図18は第5実施形態の食品格納庫121を示す上面断面図である。食品格納庫121は上面を開閉して食品を収納格納することができるようになっている。同図において、122は食品格納庫121の四方の壁それぞれと所定間隔を持って設置された仕切りである。この仕切り122によって食品格納庫121内を食品配置部123と冷気循環路124に区分けする。
125は第1〜第3実施形態と同様のイオン発生装置である。126はファンであり、ファン126の回転によって食品格納庫121内にプラスイオンとマイナスイオンとが送出される。ファン126により食品格納庫121内の空気は図中、矢印で示すように流れ、プラスイオンとマイナスイオンとはこの流れに乗って流通する。これにより、第1〜第3実施形態と同様に、空気中に浮遊する細菌を不活化し、食品の損傷を抑制する。
次に、図19は第6実施形態の食器洗浄乾燥機を示す概略断面図である。本実施形態の食器洗浄乾燥機は、第1〜第3実施形態と同様のイオン発生装置113を備え、乾燥工程で食器貯蔵室104に熱風を循環させる循環経路にイオン発生装置113の電極部113aを配している。そして、乾燥工程もしくは乾燥工程終了後に電極部113aからプラスイオンとマイナスイオンとを放出して食器貯蔵室104内にプラスイオンとマイナスイオンとを循環する。これにより、食器貯蔵室104内の脱臭と浮遊菌の殺菌を行なうことを特徴とするものである。
食器貯蔵室104の前面には食器等を出し入れするための開閉自在の前面ドア101が設けられる。食器貯蔵室104内には食器102を収納するためのラック103が配され、ラック103の下方には食器貯蔵室104のほぼ中央部に突出して回転自在の洗浄ノズル105が設けられる。洗浄ノズル105には複数の噴射孔106が形成され、洗浄ポンプ108により供給される洗浄水を噴射する。洗浄ノズル105の下方には洗浄水を加熱するための加熱ヒータ107が設けられている。
食器貯蔵室104の下部には洗浄水を配水管109に排出するための排水ポンプ110が配される。食器貯蔵室104の上部には洗浄水を供給するための給水管111が配される。給水管111の経路途中には給水を制御するための給水栓112が設けられる。また、食器貯蔵室104の上面を覆って温風を本体から外方へ排出させるとともに水蒸気を凝縮して水を食器貯蔵室104に戻すための熱交換ダクト116が設けられる。
食器貯蔵室104の後部にはイオン発生装置113、ファン114及びヒータ115が配される。ファン114は空気を循環させて洗浄された食器102を乾燥する。この時、ヒータ115により加熱された空気が食器貯蔵室104内に送出される。またファン114によってイオン発生装置113の電極部113aから放出されたプラスイオン及びマイナスイオンが食器貯蔵室104内を循環するようになっている。尚、117は食器洗浄乾燥機全体を制御するための制御装置である。
この食器洗浄乾燥機の動作について説明する。まず、前面ドア101を開けて洗浄すべき食器102や調理器具等をラック103の所定場所に収容する。ラック103を食器貯蔵室104に配置した後、専用洗剤を投入して運転を開始する。
そして、給水弁112の「開」動作により給水管111を介して所定量の洗浄水を食器貯蔵室104に供給する。続いて、洗浄ポンプ108の運転により加圧された洗浄水を洗剤とともに回転洗浄ノズル105の噴射孔106から食器102に噴射して、洗浄が行われる。
以後、濯ぎ工程、乾燥工程が行われる。そして、乾燥工程終了後に所定時間(30分程度)ファン114とイオン発生装置113とが駆動して電極部113aから放出されたプラスイオンとマイナスイオンとが食器貯蔵室104に放出され、図中の矢印に示すように循環する。尚、イオンの発生開始は電極部113aに水滴が付着した場合でも温風で蒸発乾燥すると考えられる乾燥工程の後半から行なって運転時間を短縮させてもよい。
本実施形態によると、食器貯蔵室104にプラスイオンとマイナスイオンとを放出・循環させることにより、第1〜第5実施形態と同様に食器貯蔵室104内の脱臭と浮遊菌の殺菌を行なうことができ、食器や調理器具等を清潔に貯蔵することができる。
第1〜第6実施形態において、イオン発生装置の電極部の形状は前述の図4に示す形状に限るものではない。図20〜図22は他の形状の電極部11cを示しており、説明の便宜上、図4と同じ部分には同じ符号を付している。
図20に示す電極部11cは、平板部11bから突設された複数の針状電極11aの長さが異なるように形成される。図21に示す電極部11cは、平板部11bから突設された複数の針状電極11aが同じ向きに形成される。図22に示す電極部11cは平板部11bから突設された針状電極11aが1本に形成される。何れの場合においても第1〜第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、空気の流通方向に対して電極部11cを略平行に配する場合に限らず、図23に示すように空気流通経路141内を流通する空気流Eに対して電極部11cを垂直に配してもよい。
尚、第1〜第6実施形態は冷蔵庫、食品格納庫及び食器洗浄乾燥機について説明しているが、その他の貯蔵庫に上記と同様のイオン発生装置を搭載してもよい。例えば、冷凍庫、食器棚、食器乾燥機、食器洗い器、室温よりも高い温度で貯蔵物を貯蔵する温蔵庫、食糧貯蔵用の倉庫、ロッカー等の、貯蔵物を貯蔵する目的で所定の大きさを備えて他の空間と仕切られた庫であれば同様の効果を得ることができる。更に、貯蔵庫はその形態によって庫内が複数の貯蔵室に仕切られている場合がある。
また、冷蔵庫は冷蔵機能を備えた倉庫、冷凍庫は冷凍機能を備えた倉庫であってもよく、また、保冷車の貯蔵室、冷却式陳列ケース等の、貯蔵物を冷却して貯蔵する目的を有するものがすべて本発明の貯蔵庫に含まれる。