JP2010091147A - 燃料電池発電設備を備えた冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】各種発熱機器を安定的に高効率で冷却する冷却システムを提供すること。
【解決手段】純水を気化伝熱ユニット3内で気化させ、その際に蒸発潜熱を奪い、発熱機器や発熱部品を冷却する。気化した水蒸気は真空配管7を通って吸引され、水蒸気改質形の燃料電池システム9に導入し、燃料配管10から供給されるメタンと反応させ水素を得る。冷却に必要なエネルギーは水蒸気を吸引するエネルギーと純水を製造するエネルギーのみであり、一方燃料電池発電においては水蒸気を得るための蒸発潜熱分を必要としない発電が実現できるので、全体としての消費電力は少なく、高効率な冷却が実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調冷房用もしくは発熱機器を冷却する冷却システムに関し、特にデータサーバーやコンピューターサーバー内の発熱する電子部品を直接冷却する冷却システム、もしくはサーバーキャビネット内の加熱された空気を冷却する燃料電池発電設備を備えた冷却システムに関するものである。
近年、世界的なIT産業の発展に伴い、情報を大規模に管理するデータセンターが各国各地で昼夜連続稼動している。そのデータセンターが消費する電力は莫大な量であり、なかでもサーバー機から発する熱の冷却に使われる電力はデータセンター全体の消費電力の30〜50%を占めていると言われており、高効率な冷却システムが強く望まれている。
従来このような冷却システムはサーバー機が設置された部屋全体を冷房する手段が用いられてきたが、熱容量が小さく熱伝導も良好でない空気を冷却してサーバーを間接的に冷却するこの方式は非効率であるので、吸熱熱交換体を発熱する電子部品の近傍もしくは直接接触させて冷却する方式が数多く提案されている。
例えば、冷媒を循環させる冷凍サイクル(いわゆるヒートポンプ)を用いて、吸熱熱交換体である蒸発室内に冷媒を微小液滴として噴霧し、気化効率を高めたものなどが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、発熱する電子部品に密接させた気化器内で冷媒を気化し、上昇する冷媒を気化器よりも上方に位置する凝縮器で凝縮させ、液体へ戻った冷媒は気化器へ重力下降して循環する熱サイフォン型冷却システムが提案されている(例えば特許文献2参照)。
国際公開第02/046677号パンフレット 特開2002−168547号公報
しかしながら、従来のヒートポンプを用いる限り、熱力学的に効率の限界がある。用いる冷媒にも依るが、移動できるエネルギー(冷却できる熱量)と入力するエネルギーの比は最高5程度であり、またその比も凝縮側の気温によっては変化し、不安定であるという課題があった。
また冷却効率に関わる問題とは別に、データセンター自体の電力消費があまりに大きいため、慢性的な電力不足におちいっているという問題があった。大型のデータセンターでは数千キロワットの電力を要求するところもあり、小型の発電所しか擁しない商用電力ではまかないきれないという問題である。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、安定的に高効率で冷却する冷却システムを提供し、特に電力消費の莫大なデータセンターの消費電力を減らして電力不足を解決するとともに地球温暖化防止に寄与することを目指すことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の冷却システムは、熱を伝える伝熱部と水が気化する気化部から構成される気化伝熱ユニットと、前記気化伝熱ユニットに純水を供給する純水供給手段と、前記気化伝熱ユニットから気化した水蒸気を吸引する水蒸気吸引手段と備え、前記純水供給手段から純水を前記気化伝熱ユニットに供給し、供給された純水を前記気化部から気化することで前記伝熱部から気化潜熱を奪い、気化した水蒸気は、前記水蒸気吸引手段によって吸引されて水蒸気改質型の燃料電池へ導入され、燃料から水素を得るための水蒸気として用いられる、燃料電池発電設備を備えた冷却システムとしたものである。
これによって、冷却したい発熱体から最小限のエネルギーを使って水のもつ気化潜熱分を奪うことが可能となり、高効率な冷却が実現する。
従来のヒートポンプと呼ばれる冷却システムでは、気化した冷媒を発熱体から離れたところで圧縮して凝縮させ、その際に放熱する熱を冷却ファンなどで取り去った後、液化した冷媒を循環させている。この場合、冷媒を圧縮するエネルギーと冷却ファンを駆動するエネルギーが必要となるが、本発明ではこのエネルギーを必要としないので高効率な冷却が実現できるのである。
必要となるエネルギーは実質的に水蒸気を吸引する水蒸気吸引手段が使うエネルギーのみである。本発明のように気化伝熱ユニットから水蒸気を吸引しているだけなので圧縮するエネルギーと冷却ファンを駆動するエネルギーは必要なく効率が高くなるということである。
また、従来のヒートポンプは凝縮器で放熱した熱を大気で冷却しているが、このとき大気の気温によって効率は変動してしまうという問題がある。気温が高い場合は凝縮器から熱を奪う能力が落ちてしまうからである。本方式では温度によってあまり変化しない水の気化潜熱のみを用いるので、効率の変動はほとんどないと言ってよく、安定した効率を維持できるのである。
そして本発明の冷却システムは、水蒸気吸引手段によって吸引された水蒸気が、水蒸気改質型の燃料電池へ導入され、燃料から水素を得るための水蒸気として用いられる燃料電池発電設備を備えているので、さらに電力消費が削減できコストメリットを向上させることが可能となる。
水蒸気改質型の燃料電池とは、メタンなどの燃料と水蒸気を反応させて水素を得て発電しているシステムである。このとき必要となる水蒸気は、水を熱で蒸発させて得ているので、どうしても水の気化潜熱分だけロスが生じてしまう。一方で、本発明の冷却システムは水蒸気を放出させているので、この水蒸気を燃料電池に導入することによって、水の気化潜熱の要らない分だけ高効率な燃料電池発電が実現できる。
このように高効率な燃料電池発電設備を導入することによって、発電で得られた電力を、水蒸気を吸引するポンプの駆動や発熱する側の機器、この場合サーバー機に使用すれば、一般的にはエネルギー単価の安い天然ガスを電力と置き換えることができるという意味で電力消費が削減でき、コストメリットが向上する。
また特に大規模データセンターでは数千kW以上もの電力を要求する場合があり、商用電力による電力供給不足が大きな問題となっているので、高効率な燃料電池設備を備えればこの問題も解決させることができる。
本発明の燃料電池発電設備を備えた冷却システムは、発熱する機器を安定的に高効率で冷却することができ、とくには電力消費の莫大なデータセンターの消費電力を減らして地球温暖化防止に寄与することが可能となる。
第1の発明は、熱を伝える伝熱部と水が気化する気化部から構成される気化伝熱ユニットと、前記気化伝熱ユニットに純水を供給する純水供給手段と、前記気化伝熱ユニットから気化した水蒸気を吸引する水蒸気吸引手段と備え、前記純水供給手段から純水を前記気化伝熱ユニットに供給し、供給された純水を前記気化部から気化することで前記伝熱部から気化潜熱を奪い、気化した水蒸気は、前記水蒸気吸引手段によって吸引されて水蒸気改質型の燃料電池へ導入され、燃料から水素を得るための水蒸気として用いられる燃料電池発電設備を備えた冷却システムとすることにより、気化した水蒸気を吸引するエネルギーのみを用いて気化潜熱を奪うことができるので、高効率な冷却を実現することができる。またその気化潜熱は温度によって大きく変化しないので、気温にあまり左右されない安定した効率の冷却が可能となる。同時に、燃料電池発電にとって必要な水蒸気の潜熱分だけ要らなくなるので、高効率な燃料電池発電が可能となり、延いては高効率な冷却が実現するのである。
第2の発明は、第1の発明に加え、燃料電池から排気される水蒸気、もしくは排水される水を回収し、純水供給手段へ導入して水が循環して使用される冷却システムとすることにより、純水供給に関わるエネルギーを減らすことができ、高効率な冷却が実現するのである。純水供給手段(純水製造装置)へ再循環して戻ってきた水はもともと純水が気化伝熱ユニットと燃料電池を通り、燃料の燃焼不純物や配管内の不純物が溶け込んでいるだけであるので、水道水や井戸水と比べると不純物の量は少ないはずである。この不純物の少ない水を純水とするには負荷が小さいので、純水供給に関わるエネルギーも少なくすることが可能なのである。
第3の発明は、第1または第2の発明に加え、複数の気化伝熱ユニットに対し、1個の水蒸気吸引手段および(または)1個の純水供給手段を有する冷却システムとすることにより、水蒸気吸引手段あるいは純水供給手段を大型化させることができるので、水蒸気吸引に関わるエネルギーや純水供給に関わるコスト(つまりエネルギー)を、気化伝熱ユニット1台あたりにすると小さくすることができる。つまりより少ないエネルギーで冷却することが可能となり高効率冷却が実現する。
以下、本発明の燃料電池発電設備を備えた冷却システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における燃料電池発電設備を備えた冷却システムの概略図である。また図2、図3は、同実施の形態の燃料電池発電設備を備えた冷却システムに用いた気化伝熱ユニットの断面図である。図4は、同実施の形態の燃料電池発電設備を備えた冷却システムにおける燃料電池システムの概略図である。図5は、一般的な水蒸気改質型の燃料電池システムの概略図である。
図1において、純水製造装置2は凝縮水配管1から導入される凝縮水を純水に浄化して、複数の気化伝熱ユニット3へ送り込む純水供給手段である。気化伝熱ユニット3では、純水配管5から純水が、流量調整弁4において純水の導入量が調整されて導入され、内部で気化し水蒸気となる。
水蒸気は真空配管7を通って、水蒸気吸引手段である真空ポンプ6によって吸引され、真空排気配管8より燃料電池システム9へ導入される。燃料電池システム9ではその水蒸気と燃料配管10から供給されるメタンとを使って水素を得て発電がおこなわれる。
発電後、燃料電池システム9から水蒸気が排気され、燃料電池排気配管12を通って凝縮器11へ導入される。ここで水蒸気が凝縮され、液体の水となって凝縮水配管1を通って純水製造装置2へと再還流する。
図2において、箱状の気化伝熱ユニット3はその片側面である伝熱部14を介して発熱部品13と密着しており、発熱部品13の発する熱を吸熱する。気化伝熱ユニット3の内部には、気化部である気化室15があり、純水配管5と真空配管7と連通している。気化室15の伝熱部14側表面は、親水性皮膜12で覆われており、そこで純水が気化して気化潜熱を伝熱部14から奪う構成である。
図3は、気化伝熱ユニット3の別の形態例である。伝熱部10にはフィン17が配列されており、フィン17周囲の空気を冷却することによって間接的に図示していない発熱機器を冷却するものである。
図4において、図1の真空ポンプより排気された水蒸気が、真空排気配管8を通って水素生成器18へ導入される。水素生成器18は燃焼部19で加熱され、都市ガスなどの燃料配管10から導入されるメタンガスと真空排気配管8から導入される水蒸気が反応して水素を生成し、発電用水素配管21を通って燃料電池スタック20へ水素を導く。燃料電池スタック20では水素と空気中の酸素が反応して発電される仕組みである。燃料電池スタック20において水素をすべて発電に使わずに一部が燃焼用水素配管22を通って燃焼部19へと導く。燃焼部19ではその水素を燃焼させて水素生成器18の加熱に用いる。燃料電池スタック20で排気される水蒸気は燃料電池排気配管12を通って、図1における凝縮器11へと導かれる。
図5は、一般的な水蒸気改質型の燃料電池システムの概略図であり、本実施の形態の図1の燃料電池システムつまり図4との比較を説明するための図である。
図5において、純水装置39で浄化された純水が、水素用純水配管40を通って水素生成器31へ導入される。水素用純水配管40を通って導入された純水は水素生成器31内で加熱されて水蒸気となり、燃料配管30から供給されるメタンと共に水素の原料となる。その水素は発電用水素配管34を通って燃料電池スタック33へ導入され、空気中の酸素と反応して発電される仕組みである。燃料電池スタック33において水素をすべて発電に使わずに一部が燃焼用水素配管35を通って燃焼部32へと戻る。燃焼部32ではその水素を燃焼させて水素生成器31の加熱に用いる。一方燃料電池スタック33で排気される水蒸気は廃水蒸気配管36を通って凝縮器37に導入され、液体の水となり凝縮器配管38を通って純水装置39へ再還流する。
以上のように構成された冷却システムについて、以下その動作、作用を説明する。
図1において、水は循環しているので便宜上まず純水装置2からの動作を説明する。純水製造装置2は、逆浸透膜やイオン交換樹脂で構成され、水中の不純物を取り除き純水を製造する。できれば水の電気伝導度が1μS/cm以下、願わくは0.1μS/cm以下まで下げたほうがよい。なぜなら図2の気化室11で蒸発残渣であるスケールが早期に析出して堆積し、メンテナンス費用が高くなるからである。
こうして作られた純水は純水配管5を通って流量調整弁4に達する。流量調整弁4では必要な冷却能力に応じて過不足なく純水を気化伝熱ユニット3に送るためのものであり、大きい冷却能力が必要なときは流量調整弁4を開いて多くの純水を送り、冷却能力が少なくてもいい場合は流量調整弁4を絞って少ない純水を送る構成になっている。
このようにして純水は気化伝熱ユニット3へ送られる。
次に、図2において、純水は純水配管5から気化伝熱ユニット3内の気化室11に導入される。このとき純水は親水性皮膜12の表面において薄く広がって気化する。気化と同時に伝熱部10から気化潜熱を奪うのである。
一方で、気化伝熱ユニット3はCPUなどの発熱部品9と密着しており、その熱が伝熱部10に伝わっているので、伝熱部10の熱を奪うことで発熱部品9は冷却されることになる。
気化室11の親水性皮膜12は酸化亜鉛などの金属酸化物皮膜のような親水性皮膜や薄い親水性樹脂不織布でできたウイックでも良い。この表面が親水性であることにより、純水が薄く広く広がりやすくなり、その表面積が大きくなることで気化が促進され、効率よく気化潜熱を奪うことが可能となるのである。
このようにして気化した水蒸気は真空配管7を通って、図1のように真空ポンプ6に達し、真空排気配管8から排気される。
ここでエネルギー効率について説明する。CPUである発熱部品9が80Wの放熱をするとし、それに対する気化伝熱ユニット3冷却能力を、余裕を持たせて100W(0.1kW)とする。一方、純水配管5より導入される純水の温度を20℃とすれば、その蒸発潜熱は2.45kJ/gであるので、導入量は、0.1/2.45=0.0408g/sec(=2.45mL/min)となる。流量調整弁4はこの値になるよう調整すればよい。
大型データセンターにおいてはサーバー機が数百台設置されていることが少なくなく、本実施の形態においても例えば、発熱部品9が100台設置されているのに対し、合計10kWを集中的に冷却するとすれば、純水は245mL/min(=14.7L/hr)必要となる。つまり純水製造装置2の能力としてこれだけ必要となる。この規模の純水製造装置は中型規模であり、その電力消費は原水の水質にもよるが一般的に100W〜500Wである。
また一方でこれだけの量の純水が気化して水蒸気となるので、この水蒸気量は約330L/min(20℃)であり、これだけの水蒸気を真空ポンプ6が吸引すればよい。排気速度が約330L/min程度の真空ポンプは一般的に500W程度であるので、純水製造の消費電力と合わせ、合計の消費電力は0.6〜1kWとなり、10kWの冷却に対し非常に少ない電力ですむことになる。
また仮に外気温が高いなどの理由で、純水が40℃ほどの高温状態でしか得られないとしても、冷却能力にはほとんど差があらわれない。40℃の水の蒸発潜熱は2.4kJ/gであり、20℃のとき(2.45kJ/g)と3%としか違わないからである。つまり安定した冷却能力が維持できるということである。
気化伝熱ユニット3の別の形態として図3のようなものも考えられる。図3において伝熱部10よりフィン17が複数配置されている。発熱機器もしくは発熱部品が気化伝熱ユニット3と接合できない場合はこの形態が望ましい。図示していない送風装置によって、フィン17に空気を当てて冷やし、その冷やされた空気で図示していない発熱機器を冷却する、もしくは発熱機器をから出る熱を送風装置から送られた空気で奪い、その暖められた空気をフィン17で熱交換して冷やすという構成である。
直接発熱部品に接していないので、冷却効率は低下するが、発熱部品の拡張性(交換など)が高まるので有用性がある。
次に図1の真空排気配管8から排気された水蒸気が燃料電池システム9へ導入されたあとの動作と効果について説明する。この燃料電池システム9をあらわしたのが図4であり、水蒸気は水素生成器18へ導かれる。
水素生成器18では燃料配管10から得られるメタンと水蒸気が反応して水素と二酸化炭素になる。この水素が燃料電池スタック20へ導かれ、空気中の酸素と反応して発電される。一方で燃料電池スタック20では水素を一部余らせて、その水素を燃焼部19へと導く。燃焼部19では水素を空気中の酸素で燃焼させて熱を得て、その熱によって水素生成器18を加熱している。メタンと水蒸気の反応は吸熱反応であり、この反応の促進には加熱が必要だからである。
水蒸気改質型燃料電池では、主に天然ガス中のメタンガスと水蒸気を原料に水素を生成して、水素酸素を反応させて発電している。このため水蒸気が必要であるが、本実施例においては既に水蒸気が導入される構成であるので、水から水蒸気を得るための蒸発潜熱を必要としない。
メタンと水蒸気の反応式は、(化1)であり、メタン1モルに対し水蒸気2モルを必要としている。
Figure 2010091147
メタン1モルの燃焼エネルギーは高位発熱量ベースで890kJあり、水の蒸発潜熱を2.45kJ/gとすると、水2モルの蒸発潜熱は88kJであり、メタンの発熱量の10%ほどある。この熱量分だけ、図5のような一般的な燃料電池システムでは必要となるのである。
図5において、水素用純水配管40から得られる純水を水素生成器31内で水蒸気にするための熱量が奪われるということである。すなわち水素生成器31に必要なエネルギーは、メタンと水蒸気を水素に代えるエネルギーと水を蒸発させるエネルギーを合わせた分であり、燃焼用水素配管35に戻る水素の量を、その熱量分だけは確保する必要があるということである。
一方で本発明に係る実施の形態2の燃料電池システムにおいては図4のように、水蒸気がそのまま導入されることになる。つまり水素生成器18に必要なエネルギーは、メタンと水蒸気を水素に代えるエネルギーだけでよくなり、燃焼用水素配管22にもどる水素の量は図5に比べ少なくてすむということである。原理的にはメタン1モルに対し、図5のような一般的な燃料電池発電に比べて蒸発潜熱の88kJ分を発電に使えるということである。
図5のような一般的な燃料電池システムでの発電効率は35〜40%程度であるが、本実施例によると40〜45%ほどになる。この値は火力発電やガスタービン発電と比べても高い数字であり、本発明の冷却システムに備えられたこの燃料電池発電はきわめて高い相乗効果を発揮していると言える。特にデータセンターのような冷却に関して著しい電力消費が問題となっている設備において、本実施例のように燃料電池発電と組み合わせる意義は大きい。
本発明の主目的は、高効率な冷却を目指すものであるが、高効率な冷却とはすなわち消費電力の少ない冷却、さらに言えば消費エネルギーの少ない冷却のことである。本実施例のように、高効率な冷却に燃料電池発電を組み合わせて相乗効果を発揮して、高効率な発電が得られるということは、全体として消費エネルギーの少ない冷却が達成されるということに他ならず、これは高効率な冷却と同義であると言える。
このようにして図4の燃料電池スタック20において高効率に発電されたあと、水素酸素の反応後の水蒸気が排気される。排気された水蒸気は燃料電池排気配管12を通って、図1の凝縮器11に導入される。
凝縮器11は熱交換器と冷却ファンを組み合わせたものであって、必ずしも水蒸気を圧縮させて(エネルギーを多量に使って)凝縮させる必要はない。つまり水蒸気を全量液体の水として凝縮させる必要はない。この水蒸気の由来は、最初の純水製造装置2に端を発して純水配管5を通るものと、燃料電池システム9におけるメタンから得られるものが合わさった量の水蒸気であり、この下流の純水製造装置2で必要とされる水の量以上の水蒸気が凝縮器11へ導入されているからである。したがって凝縮器11においてその全量を凝縮させず、その一部、つまり気化伝熱ユニット3で冷却に必要な水量だけを凝縮するだけでよい。
このようにして凝縮器11で液化した水が凝縮水配管1を通って純水製造装置2へ再還流して水は循環して使われるのである。その水は各配管の汚れ、燃料ガスの成分などが溶け込んでいるので、純水製造装置2において常に浄化する必要があるが、基本的には密閉系に近い循環なので、水道水や井戸水を原水として純水へ浄化するよりもその浄化要求レベルは低いのである。すなわち、純水製造装置2での各種フィルターの交換などは頻繁におこなう必要はなく、メンテナンス費用も少なくてすむのである。ここにおいても本発明の冷却システムと燃料電池との相乗効果が発揮されているということである。
本発明にかかる燃料電池発電設備を備えた冷却システムは、非常に高効率で消費電力の少ない冷却を実現できるので、冷却が必要な各種機械、設備に利用できる。例えばエアコンのような家電機器、射出成型機などの設備機械などに応用できる。
本発明の第1の実施の形態における燃料電池発電設備を備えた冷却システムの概略図 同実施の形態の燃料電池発電設備を備えた冷却システムに用いた気化伝熱ユニットの断面図 同実施の形態の燃料電池発電設備を備えた冷却システムに適用できる気化伝熱ユニットの変形例の断面図 同実施の形態の燃料電池発電設備を備えた冷却システムにおける燃料電池システムの概略図 一般的な水蒸気改質型の燃料電池システムの概略図
符号の説明
2 純水製造装置
3 気化伝熱ユニット
6 真空ポンプ
9 燃料電池システム
11 凝縮器
13 発熱部品
14 伝熱部
15 気化室

Claims (3)

  1. 空調冷房用もしくは発熱機器を冷却する冷却システムであって、熱を伝える伝熱部と水が気化する気化部から構成される気化伝熱ユニットと、前記気化伝熱ユニットに純水を供給する純水供給手段と、前記気化伝熱ユニットから気化した水蒸気を吸引する水蒸気吸引手段と備え、前記純水供給手段から純水を前記気化伝熱ユニットに供給し、供給された純水を前記気化部から気化することで前記伝熱部から気化潜熱を奪い、気化した水蒸気は、前記水蒸気吸引手段によって吸引されて水蒸気改質型の燃料電池へ導入され、燃料から水素を得るための水蒸気として用いられる燃料電池発電設備を備えた冷却システム。
  2. 燃料電池システムから排気される水蒸気、もしくは排水される水を回収し、純水供給手段へ導入して水が循環して使用される請求項1記載の燃料電池発電設備を備えた冷却システム。
  3. 複数の気化伝熱ユニットに対し、1個の水蒸気吸引手段および/または1個の純水供給手段を有する請求項1または2記載の燃料電池発電設備を備えた冷却システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018163874A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP2020145041A (ja) * 2019-03-05 2020-09-10 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

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