JP2010091082A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリース潤滑による十分な潤滑寿命が得られる転がり軸受を提供する。
【解決手段】この実施形態によれば、回転時に転動体配置空間Kに配設されたグリースが遠心力で飛散し、転動体配置空間Kに面している環状カバー10,15に付着する。一方、間座8,12で転動体配置空間Kに対向するように保持されているポリマ潤滑剤9,13では、回転時の熱でもって転動体配置空間Kに面している部分から潤滑剤が滲み出す。そして、この滲み出した潤滑剤は、環状カバー10,15に付着しているグリースに接触し、このグリースに潤滑剤が含有されることとなって、潤滑性が増したグリースは環状カバー10,15に沿って垂れ落ちて、軸受の転動体配置空間Kに戻される。
【選択図】図1
【解決手段】この実施形態によれば、回転時に転動体配置空間Kに配設されたグリースが遠心力で飛散し、転動体配置空間Kに面している環状カバー10,15に付着する。一方、間座8,12で転動体配置空間Kに対向するように保持されているポリマ潤滑剤9,13では、回転時の熱でもって転動体配置空間Kに面している部分から潤滑剤が滲み出す。そして、この滲み出した潤滑剤は、環状カバー10,15に付着しているグリースに接触し、このグリースに潤滑剤が含有されることとなって、潤滑性が増したグリースは環状カバー10,15に沿って垂れ落ちて、軸受の転動体配置空間Kに戻される。
【選択図】図1
Description
この発明は、潤滑寿命の向上を図った転がり軸受に関する。
従来、工作機械の主軸などの高速回転で使用される軸受では、オイルと圧縮エアーを使用したオイルエアなどの潤滑方法を採用して潤滑性能の向上が図られている。
しかし、近年、環境保全の観点から、オイルエアによるオイルミストが問題視されており、軸受の潤滑をオイルエアからグリース潤滑に変更しようとしている。
ところが、軸受にグリースを封入するだけのグリース潤滑では軸受寿命が短いため、グリースによる潤滑方法の改善が必要となる。
そこで、特許文献1(特開平8−152026号公報)では、図3に示されるように、玉101、内輪102、外輪103と、潤滑剤を含有したポリマ部材105で芯金106を被覆しているシール部材107を備えた玉軸受が提案されている。
この玉軸受によれば、上記シール部材107の上記ポリマ部材105から滲み出す潤滑剤(オイル)により、シール部材107のシール性を高めて軸受内部に充填されたグリースが漏出し難いようにしている。
しかし、この特許文献1に開示された玉軸受では、軸受内部に充填されたグリースがポリマ部材105に直接に付着し、グリースとポリマ部材105から滲み出す潤滑剤(オイル)とが分離したままの状態で軸受内部に存在することとなる。このため、比較的流動性の高いオイル(油分)がシール部材107と内輪102との間のラビリンス108から外へ出て行ってしまい、十分な潤滑寿命が得られないという問題がある。
特開平8−152026号公報
そこで、この発明の課題は、グリース潤滑による十分な潤滑寿命が得られる転がり軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の転がり軸受は、第1軌道面を有する第1軌道部材と、
上記第1軌道面に径方向に対向する第2軌道面を有する第2軌道部材と、
上記第1軌道面と上記第2軌道面との間に転動可能に配置された転動体と、
上記第1軌道部材と上記第2軌道部材とが径方向に対向している転動体配置空間に配設されたグリースと、
潤滑剤を含有している潤滑剤含有部材と、
上記第1軌道部材の軸方向一方側で上記第1軌道部材に固定されると共に上記転動体配置空間に上記潤滑剤含有部材が対向するように上記潤滑剤含有部材を保持する第1の保持部材と、
上記転動体配置空間に上記潤滑剤含有部材の一部が面するように上記潤滑剤含有部材を上記第1の保持部材に保持すると共に少なくとも一部が上記転動体配置空間に面している第2の保持部材とを備えることを特徴としている。
上記第1軌道面に径方向に対向する第2軌道面を有する第2軌道部材と、
上記第1軌道面と上記第2軌道面との間に転動可能に配置された転動体と、
上記第1軌道部材と上記第2軌道部材とが径方向に対向している転動体配置空間に配設されたグリースと、
潤滑剤を含有している潤滑剤含有部材と、
上記第1軌道部材の軸方向一方側で上記第1軌道部材に固定されると共に上記転動体配置空間に上記潤滑剤含有部材が対向するように上記潤滑剤含有部材を保持する第1の保持部材と、
上記転動体配置空間に上記潤滑剤含有部材の一部が面するように上記潤滑剤含有部材を上記第1の保持部材に保持すると共に少なくとも一部が上記転動体配置空間に面している第2の保持部材とを備えることを特徴としている。
この発明の転がり軸受によれば、回転時に転動体配置空間に配設されたグリースが遠心力で飛散し、上記転動体配置空間に面している第2の保持部材に付着する。一方、第1の保持部材で上記転動体配置空間に対向するように保持されている潤滑剤含有部材では、回転時の熱などの影響で上記転動体配置空間に面している部分から潤滑剤が滲み出す。そして、この滲み出した潤滑剤は、上記第2の保持部材に付着しているグリースに接触し、このグリースに潤滑剤が含有されることとなる。つまり、この第2の保持部材は、上記グリースと潤滑剤とが混合される場所を提供している。こうして、上記潤滑剤を含有することで潤滑性が増したグリースは上記第2の保持部材に沿って垂れ落ちて、軸受の転動体配置空間に戻される。
このように、回転によりグリースが飛散し、回転時の熱等により潤滑剤含有部材から潤滑剤が滲み出し、滲み出した潤滑剤が第2の保持部材に付着しているグリースに含浸し、潤滑剤が補給されたグリースが第2の保持部材から転動体配置空間に垂れ落ちて軸受の転動体配置空間に戻るというサイクルが繰り返される。よって、このサイクルが繰り返されることにより、潤滑剤だけが転動体配置空間から外に流出してしまうことを防ぎつつ、潤滑剤とグリースとを効率良く混ぜ合わせて、グリース潤滑による十分な潤滑寿命が得られる転がり軸受を実現できる。
また、一実施形態の転がり軸受では、上記第2の保持部材は、
上記転動体配置空間に面している部分が上記転動体配置空間に面している上記潤滑剤含有部材の一部を囲んでいる。
上記転動体配置空間に面している部分が上記転動体配置空間に面している上記潤滑剤含有部材の一部を囲んでいる。
したがって、この実施形態によれば、上記潤滑剤含有部材の一部を上記第2の保持部材の転動体配置空間に面している部分が囲んでいるので、この囲んでいる部分に付着したグリースに上記潤滑剤含有部材から滲み出した潤滑剤が接触し易く、上記グリースに潤滑剤が効率よく含浸される。
この発明の転がり軸受によれば、回転によりグリースが飛散し、回転時の熱により潤滑剤含有部材から潤滑剤が滲み出し、滲み出した潤滑剤が第2の保持部材に付着しているグリースに含浸し、潤滑剤が補給されたグリースが第2の保持部材から転動体配置空間に垂れ落ちて軸受の転動体配置空間に戻るというサイクルが繰り返されることにより、グリース潤滑による十分な潤滑寿命が得られる転がり軸受を実現できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1に、この発明の転がり軸受の実施形態の断面を示す。この実施形態の転がり軸受は、斜接玉軸受であり、第1軌道部材としての外輪1と第2軌道部材としての内輪2と、外輪1の軌道面1Aと内輪2の軌道面2Aとの間に転動可能に配置された転動体としての玉3とを備える。この玉3は、保持器5で保持されている。また、この実施形態は、外輪1と内輪2とが径方向に対向している転動体配置空間Kにグリース(図示せず)が充填されている。
この実施形態の転がり軸受の内輪2には、回転軸6が嵌合され、外輪1はハウジング7に嵌合される。また、上記外輪1の軸方向一方側の端面1Bとハウジング7の内側面7Aとの間に、第1の保持部材としての環状の間座8が嵌合されている。この間座8は、外輪1の端面1Bと転動体配置空間Kとに軸方向に対向する環状凹部8Aを有し、この環状凹部8Aに潤滑剤含有部材としてのポリマ潤滑剤9が嵌合されている。このポリマ潤滑剤9は、一例として、潤滑剤を10〜80重量%含有する合成樹脂である。この合成樹脂としては、一例として、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタンが挙げられる。そして、この合成樹脂としてポリオレフィン樹脂を採用した場合に好適な潤滑剤としては、鉱油、オクタデシルジフェニルエーテル等のアルキルポリフェニルエーテル油、エイコシルナフタレン等のアルキルナフタレン油、ポリα−オレフィン油などの比較的極性の低い油を挙げることができる。一方、上記合成樹脂としてポリウレタンを採用した場合に好適な潤滑剤としては、一例として鉱油Li石けんグリース等の通常のグリースを挙げられる。
また、この実施形態では、上記間座8の環状凹部8Aの内周側と外周側に環状段部8B,8Cが形成されている。この環状段部8B,8Cに環状カバー10が嵌合されている。この環状カバー10は、間座8の環状段部8B,8Cと外輪1の端面1Bとの間に挟まれて固定されている。
図2の平面図に、この環状カバー10を軸方向に見た様子を示す。この環状カバー10は、周方向に所定間隔を隔てて8つの開口11を有している。この開口11が上記ポリマ潤滑剤9を転動体配置空間Kに部分的に露出させている。なお、この開口11の個数は、8つに限らないのは勿論で、8つ未満でも9つ以上でもよく、また、配置間隔は等間隔でなくてもよい。
また、この実施形態では、上記外輪1の軸方向他方側の端面1Cとハウジング7の内側面7Bとの間に、もう1つの第1の保持部材としての環状の間座12が嵌合されている。この間座12は、外輪1の端面1Cと転動体配置空間Kとに軸方向に対向する環状凹部12Aを有し、この環状凹部12Aに潤滑剤含有部材としてのポリマ潤滑剤13が嵌合されている。このポリマ潤滑剤13は、上記ポリマ潤滑剤9と同様の構成のものである。
また、この実施形態では、上記間座12の環状凹部12Aの内周側と外周側に環状段部12B,12Cが形成されている。この環状段部12B,12Cに環状カバー15が嵌合されている。この環状カバー15は、間座12の環状段部12B,12Cと外輪1の端面1Cとの間に挟まれて固定されている。この環状カバー15は、前述の環状カバー10と同様に、周方向に所定間隔を隔てて8つの開口18を有している。この開口18がポリマ潤滑剤13を転動体配置空間Kに部分的に露出させている。なお、この実施形態では、一例として、上記間座8,12および環状カバー10,15を金属製(例えば、機械構造用炭素鋼鋼材S45C(JIS G 4051))とした。
この実施形態によれば、回転時に転動体配置空間Kに配設されたグリースが遠心力で飛散し、上記転動体配置空間Kに面している環状カバー10,15に付着する。一方、間座8,12で転動体配置空間Kに対向するように保持されているポリマ潤滑剤9,13では、回転時の熱等で転動体配置空間Kに面している部分から潤滑剤が滲み出す。そして、この滲み出した潤滑剤は、環状カバー10,15に付着しているグリースに接触し、このグリースに潤滑剤が含有されることとなって、潤滑性が増したグリースは上記環状カバー10,15に沿って垂れ落ちて、軸受の転動体配置空間Kに戻される。また、上記間座8,12は、内輪2との間にラビリンス隙間を隔てていて軸受内に封入されたグリースをシールするシール部材の役割を果たす。
このように、回転によりグリースが飛散し、回転時の熱等で潤滑剤含有部材であるポリマ潤滑剤9,13から潤滑剤が滲み出し、滲み出した潤滑剤が環状カバー10,15に付着しているグリースに含浸し、潤滑剤が補給されたグリースが環状カバー10,15から転動体配置空間Kに垂れ落ちて軸受の転動体配置空間Kに戻るというサイクルが繰り返される。このサイクルが繰り返されることにより、潤滑剤だけが転動体配置空間から外に流出してしまうことを防ぎつつ、潤滑剤とグリースとを効率良く混ぜ合わせて、グリース潤滑による十分な潤滑寿命が得られる転がり軸受を実現できる。
なお、上記実施形態では、外輪1の両側面に間座8,12、ポリマ潤滑剤9,13、環状カバー10,15を配設したが、外輪1の片方の側面だけに間座,ポリマ潤滑剤,環状カバーを配設してもよい。また、上記実施形態では、転がり軸受が斜接玉軸受である場合を説明したが、本発明は、斜接玉軸受に限らないのは勿論で、深溝玉軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受などのその他の転がり軸受にも適用できる。また、上記実施形態では、潤滑剤含有部材としてポリマ潤滑剤9,13を採用したが、潤滑剤含有部材としては、潤滑油を含有させたフエルト、含油メタル、潤滑油を含有させたスポンジ等としてもよい。
また、上記実施形態では、環状カバー10,15に周方向に延在している開口11,18を形成したが、丸穴形状の開口としてもよく、図2に破線で示すような切り欠き20としてもよい。
1 外輪
1A 軌道面
1B、1C 端面
2 内輪
2A 軌道面
3 玉
5 保持器
6 回転軸
7 ハウジング
8、12 間座
8A、12A 環状凹部
8B,8C,12B,12C 環状段部
9、13 ポリマ潤滑剤
10、15 環状カバー
11、18 開口
20 切り欠き
K 転動体配置空間
1A 軌道面
1B、1C 端面
2 内輪
2A 軌道面
3 玉
5 保持器
6 回転軸
7 ハウジング
8、12 間座
8A、12A 環状凹部
8B,8C,12B,12C 環状段部
9、13 ポリマ潤滑剤
10、15 環状カバー
11、18 開口
20 切り欠き
K 転動体配置空間
Claims (2)
- 第1軌道面を有する第1軌道部材と、
上記第1軌道面に径方向に対向する第2軌道面を有する第2軌道部材と、
上記第1軌道面と上記第2軌道面との間に転動可能に配置された転動体と、
上記第1軌道部材と上記第2軌道部材とが径方向に対向している転動体配置空間に配設されたグリースと、
潤滑剤を含有している潤滑剤含有部材と、
上記第1軌道部材の軸方向一方側で上記第1軌道部材に固定されると共に上記転動体配置空間に上記潤滑剤含有部材が対向するように上記潤滑剤含有部材を保持する第1の保持部材と、
上記転動体配置空間に上記潤滑剤含有部材の一部が面するように上記潤滑剤含有部材を上記第1の保持部材に保持すると共に少なくとも一部が上記転動体配置空間に面している第2の保持部材とを備えることを特徴とする転がり軸受。 - 請求項1に記載の転がり軸受において、
上記第2の保持部材は、
上記転動体配置空間に面している部分が上記転動体配置空間に面している上記潤滑剤含有部材の一部を囲んでいることを特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264065A JP2010091082A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264065A JP2010091082A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010091082A true JP2010091082A (ja) | 2010-04-22 |
Family
ID=42254002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008264065A Pending JP2010091082A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010091082A (ja) |
-
2008
- 2008-10-10 JP JP2008264065A patent/JP2010091082A/ja active Pending
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