JP2010091031A - サスペンション装置 - Google Patents

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敦 作田
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Abstract

【課題】軽量で径方向の小型化を図ることできるとともに組立が簡単で部品点数を削減可能なサスペンション装置を提供することである。
【解決手段】上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段におけるサスペンション装置Sは、モータMに連結される筒状のエアチャンバ22と直動部材1に連結され筒状であってエアチャンバ22より小径のエアピストン37とエアチャンバ22とエアピストン37との間に介装されるダイヤフラム27とを有するエアバネASと、エアチャンバ22内に軸方向に間隔を空けて設けた上下一対のストッパ42,46と、エアピストン36の外周に取付けられて各ストッパ42,46の間に配置される環状のクッション47とを備え、エアチャンバ22とエアピストン37とが相対的に離反する最伸長時にクッション47と下側のストッパ46とを衝合させて伸長を規制し、エアチャンバ22とエアピストン37とが相対的に接近する最収縮時にクッション47と上側のストッパ42とを衝合させて収縮を規制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータに生じる電磁力で上記車体と車軸との相対移動を抑制するサスペンション装置の改良に関する。
この種サスペンション装置としては、ボール螺子ナットに回転自在に螺合した螺子軸とボール螺子ナットに連結されるモータとを備えたサスペンション本体と、ロッドとシリンダとを備えて伸縮時に減衰力を発揮するとともにロッドを螺子軸の下端に連結した液圧ダンパとを備えて構成されて車両の車体と車軸との間に介装されるものが知られている。そして、このサスペンション装置は、液圧ダンパで主として高周波振動を吸収し、サスペンション本体の推力で車体と車軸との相対振動をダンピングして、アクティブサスペンションとしてもパッシブサスペンションとしても機能するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
このようなサスペンション装置の場合、サスペンション本体と液圧ダンパとがそれぞれが独立して伸縮するため、各々別個に最伸長と最収縮の規制を行うようになっている。
それゆえ、上記サスペンション装置にあっては、サスペンション本体と液圧ダンパのそれぞれが最伸長してそれ以上の伸長が規制されてはじめて、装置全体の最伸長が規制されることになる。
このようにサスペンション本体と液圧ダンパのそれぞれが最伸長するとサスペンション装置全体が長尺となりすぎる場合があるので、サスペンション装置全体の最伸長さを規制するための手立てが必要となってくる。
そこで、液圧ダンパの外周に設けたストッパとして機能するバネ受と、モータに連結される筒部材の下端に取付けたシールケースの上面にクッションを設けてあり、サスペンション装置の最伸長時に上記バネ受とクッションを衝合させることで最伸長長さを規制するとともに衝合時の衝撃を緩和するようにしている。
また、このサスペンション装置にあっては、外周に懸架バネとして機能するエアバネを備えており、エアバネは、モータ側に取付けた大径筒状のエアチャンバと、液圧ダンパの下端外周に取付けたエアチャンバより小径なエアピストンと、エアチャンバとエアピストンとに架け渡されたダイヤフラムとを備えて構成され、サスペンション装置が最収縮する際には、シールケースとエアピストンの底部に設置されたクッションとを衝合させて最収縮長さの規制と衝合時の衝撃の緩和を行うようにしている。
特開2008−95800号公報
しかし、従来のサスペンション装置にあっては、上記した筒部材は、サスペンション装置の最伸長さの規制とシール部材を液圧ダンパの外周に配置する目的で設置されるので、エアピストンと液圧ダンパとの間に挿入可能な径で長尺に設定されるがゆえに重量が重く、また、バネ受とシールケースとの衝合を実現するとともに、筒部材とエアピストンさらには最外方のエアチャンバの三重管構造となっているためにそれぞれの干渉を避けるためのクリアランスが必要でサスペンション装置の外径が大型化してしまうといった危惧がある。
また、最収縮長さを規制するクッションと、最伸長長さを規制するクッションを別々に備えており、クッションの組み付け労力と時間がかかる。
そこで、本発明は、上記の不具合を勘案して創案されたものであって、その目的とするところは、軽量で径方向の小型化を図ることできるとともに組立が簡単で部品点数を削減可能なサスペンション装置を提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、直動部材の直線運動を回転部材の回転運動に変換する運動変換機構と、該運動変換機構における回転部材に連結されるモータとを備えたサスペンション装置において、モータに連結される筒状のエアチャンバと直動部材に連結され筒状であってエアチャンバより小径のエアピストンとエアチャンバとエアピストンとの間に介装されるダイヤフラムとを有するエアバネと、エアチャンバ内に軸方向に間隔を空けて設けた上下一対のストッパと、エアピストンの外周に取付けられて各ストッパの間に配置される環状のクッションとを備え、エアチャンバとエアピストンとが相対的に離反する最伸長時にクッションと下側のストッパとを衝合させて伸長を規制し、エアチャンバとエアピストンとが相対的に接近する最収縮時にクッションと上側のストッパとを衝合させて収縮を規制することを特徴とする。
本発明のサスペンション装置によれば、エアチャンバに上下一対のストッパを設けるとともに、エアピストンの外周にクッションを設けて、最伸長時にはクッションと下側のストッパとを、最収縮時にはクッションと上側のストッパとを衝合させて最伸長長さおよび最収縮長さを規制するようにしているので、従前の技術に見られるようなストッパに衝合する部材を備えた筒部材をモータ側に設置する必要がなく、その分、サスペンション装置の重量を軽減でき、また、最伸長長さの規制に際して筒部材の設置が不要であるため筒部材の設置に必要なクリアランスを確保しなくてすみ、サスペンション装置の外径を小型化することができるのである。
さらに、一つのクッションを、最伸長を規制するストッパと最収縮を規制するストッパとに衝合させるようにしているので、クッションが二つ必要であった従来のサスペンション装置に比較して部品点数が少なくなり、また、組立が簡単となる。
このように、本発明のサスペンション装置にあっては、従来のサスペンション装置に比較して筒部材を省略できるとともに装置全体の伸縮規制用のクッションを一つのクッションに集約できるので、サスペンション装置を安価に製造することができる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態におけるサスペンション装置の縦断面図である。
図1に示すように、一実施の形態におけるサスペンション装置Sは、基本的には、直動部材たる螺子軸1の直線運動を回転部材たるボール螺子ナット2の回転運動に変換する運動変換機構Tと該運動変換機構Tにおけるボール螺子ナット2に連結されるモータMとを有するサスペンション本体Aと、モータMに連結される筒状のエアチャンバ22と直動部材1に連結され筒状であってエアチャンバ22より小径のエアピストン37とエアチャンバ22とエアピストン37との間に介装されるダイヤフラム27とを有するエアバネASと、エアチャンバ22内に軸方向に間隔を空けて設けた上下一対のストッパ42,46と、エアピストン37に取付けられて各ストッパ42,46の間に配置される環状のクッション47とを備えて構成されている。
また、このサスペンション装置Sの場合、直動部材たる螺子軸1に連結される流体圧ダンパDと、サスペンション本体Aと流体圧ダンパDとの間に介装されるエアバネASを備えており、サスペンション本体Aの外周に設けたマウント23を介して図示しない車両のバネ上部材へ取付けるとともに流体圧ダンパDの図1中下端に設けたアイブラケット3を介して図示しない車両のバネ下部材へ取付けて、車両のバネ上部材とバネ下部材との間に介装することができるようになっている。
そして、このサスペンション装置Sは、モータMが発生するトルクでボール螺子ナット2を回転駆動することによって螺子軸1を図1中上下方向へ直線運動させることが可能であってアクチュエータとして機能することができる。
また、螺子軸1が外力によって強制的に直線運動させられるとボール螺子ナット2に連結されるモータMのロータRが回転運動を呈し、モータMは誘導起電力に起因するロータRの回転運動を抑制するトルクを発生し、螺子軸1の直線運動を抑制するように機能する。すなわち、この場合には、モータMが外部入力される運動エネルギを回生して電気エネルギに変換することによって発生する回生トルクで直線運動側の部材である螺子軸1の図1中上下方向の直線運動を抑制するのである。
つまり、このサスペンション装置Sは、モータMに積極的にトルクを発生させることによって螺子軸1に推力を与えることができ、また、螺子軸1が外力によって強制的に運動させられる場合には、モータMが発生する回生トルクで螺子軸1の直線運動を抑制することもできる。
したがって、このサスペンション装置Sにあっては、単に、螺子軸1の直線運動を抑制する減衰力を発生するばかりではなく、アクチュエータとしても機能することから、このサスペンション装置Sが車両の車体と車軸との間に介装されて使用されると、車両の車体の姿勢制御も同時に行うことができ、これにより、アクティブサスペンションとしても機能することができる。
なお、上述のように、このサスペンション装置Sでは、バネ上部材に連結されるサスペンション本体Aの螺子軸1に流体圧ダンパDが直列に連結されており、この流体圧ダンパDは、主として高周波振動を吸収する目的で設けられている。すなわち、流体圧ダンパDは、慣性モーメントが大きく高周波振動の入力に対して伸縮しにくく振動を伝達しやすくなるサスペンション本体Aに直列して連結されることで、比較的加速度が大きい振動等の高周波振動の入力に対して、この振動エネルギを吸収するようになっている。
このように、このサスペンション装置Sは、低周波振動のみならず路面の突起乗り上げ時等の高周波振動の入力に対しても振動を効果的に抑制することができ、車両における乗り心地を向上することができるのである。
なお、上記したところでは、モータMを備えたサスペンション本体Aをバネ上部材へ取付けて、流体圧ダンパDをバネ下部材へ取付ける構成となっており、高周波振動に対しては流体圧ダンパDで高周波振動をサスペンション本体Aへ伝達しにくくする構成となっており、サスペンション本体Aの駆動源であるモータMの振動からの保護が可能となっているが、バネ上部材への高周波振動の伝達の防止のみを念頭にする場合には、サスペンション本体Aをバネ下部材へ取付けて流体圧ダンパDをバネ上部材へ取付けるようにしてもよい。また、このサスペンション装置Sの場合、流体圧ダンパDを備えているが、流体圧ダンパDを設けずにサスペンション本体Aのみの構成にて、上述のようにアクチュエータとしてもダンパとしても機能することができるので流体圧ダンパDを省略する構成を採用することも可能である。
また、この実施の形態の場合、運動変換機構Tは、直動部材を螺子軸1とし回転部材をボール螺子ナット2としているが、逆に、モータMのロータRを螺子軸1に連結して、この螺子軸1を回転部材とし、ボール螺子ナット2を直動部材として、筒等を用いてボール螺子ナット2を制振対象に連結するようにしてもよく、さらには、螺子軸1とボール螺子ナット2の組み合わせ以外にも、ラックアンドピニオン等といったモータM側からのみでなく外部入力によっても駆動が可能な非可逆でない機構であれば採用することが可能である。
以下、このサスペンション装置Sの各部の具体的な構成について詳細に説明する。螺子軸1は、図1に示すように、円筒状に形成され、その外周に螺旋状の図示しない螺子溝が形成されるとともに、軸線に沿って、すなわち、螺子軸1の直線運動方向に沿って、直線状の図示しないスプライン溝が形成されている。なお、スプライン溝は、螺子軸1が後述のボールスプラインナット4から脱落することを防止するために、螺子軸1の最終端には形成しないようにしてもよく、また、スプライン溝を設ける数は任意とされてよい。
他方、ボール螺子ナット2は、周知であるので詳細には図示しないが、たとえば、筒状本体の内周に設けた螺子軸1の螺子溝に対向する螺旋状の通路と、筒状本体内に設けられ上記通路の両端を連通する循環路と、該通路および循環路に収容されるとともに螺子溝1を走行する複数のボールと、各ボール間に介装されるスペーサとを備えて構成され、各ボールは、上記ループ状に形成された通路と循環路を循環することができるようになっている。なお、本実施の形態では、螺子ナットをボール螺子ナット2として螺子軸1の円滑な直線運動を実現するようにしているが、上述したように非可逆でなければ、単に、螺子軸1の螺子溝に螺合する螺子山を備えたナットとしてもよい。また、ボール螺子ナット2の外周には、環状溝2aが設けられており、また、図1中上端には筒状のソケット2bが設けられている。
つづき、ボール螺子ナット2の回転駆動によって螺子軸1を直線運動させるため、螺子軸1の回り止め機構が必要となるが、本実施の形態にあっては、螺子軸1の外周に設けたスプライン溝とボールスプラインナット4によって、当該回り止め機構を構成している。
このボールスプラインナット4は、周知であるので詳細には図示しないが、たとえば、筒状本体の内周に設けた螺子軸1の外周に設けたスプライン溝に対向する直線状の通路と、筒状本体内に設けられ上記通路の両端を連通する循環路と、該通路および循環路に収容されるとともにスプライン溝を走行する複数のボールと、各ボール間に介装されるスペーサとを備えて構成され、各ボールは、上記ループ状に形成された通路と循環路を循環することができるようになっている。
そして、螺子軸1に螺子溝に沿ってボール螺子ナット2を螺合させるとともに、螺子軸1にボールスプラインナット4をスプライン溝に沿って挿入してある。
また、ボール螺子ナット2およびボールスプラインナット4は、ボール螺子ナット2を図1中上にして、ともに、筒状のホルダ5の内周に保持されている。
ホルダ5は、筒状とされており、図1中上方側が大径に設定されて大径部5aと下方側の小径部5bとを備えており、小径部5b内に収容されるボールスプラインナット4を回転不能に保持するとともに、ボールベアリング9を介して大径部5a内に収容されるボール螺子ナット2を回転自在に保持している。なお、図示するところでは、ホルダ5に対するボールスプラインナット4の回り止めについては、キー48によって行っているが、これに以外にも小径部5bの内周形状に符合するボールスプラインナット4の外周形状を円形以外の形状に設定するなど、公知の回り止めを採用することができる。
また、ボールスプラインナット4は、当該ボールスプラインナット4の図1中上端に当接するとともにホルダ5の小径部5bの図1中上端内周に取付けられるスナップリング7とホルダ5の小径部5bの図1中下端内周に設けた鍔5cとで挟持されており、ホルダ5からの脱落が防止されている。
ボール螺子ナット2は、ホルダ5の内周に形成される段部5dとホルダ5の内周に螺合するナット8とで挟持されてホルダ5内周に固定されるボールベアリング9を介してホルダ5によって回転自在に保持されている。なお、ボールベアリング9のボール9aがボール螺子ナット2の外周に形成された環状溝2aを走行するようになっており、ボール螺子ナット2自体がボールベアリング9の内輪として機能するとともに、ホルダ5にボールベアリング9の外輪9bを固定することでボール螺子ナット2をホルダ5に固定することが可能となっている。そして、このホルダ5で保持された状態で、ボール螺子ナット2とボールスプラインナット4とは互いに至近配置されている。
すなわち、ボール螺子ナット2と螺子軸1とでなる運動変換機構Tは、螺子軸1の回り止めが施された状態でホルダ5に保持され、アッセンブリ化されており、ボール螺子ナット2が回転運動を呈すると、螺子軸1がボールスプラインナット4によって回り止めされることにより、螺子軸1は、図1中上下方向に直線運動を呈することになる。
なお、本実施の形態の場合、上述したように、一つのホルダ5で運動変換機構Tにおけるボール螺子ナット2および螺子軸1、さらには、螺子軸1の回り止め機構としてのボールスプラインナット4を保持することによって、これらが螺子軸1とボール螺子ナット2の軸芯が一致した状態でアッセンブリ化されるので、運動変換機構Tの動作が保証される。
したがって、ホルダ5により後述するモータMのシャフト10、螺子軸1およびボール螺子ナット2の軸芯が合致した状態とされて、さらに、ホルダ5にモータMを固定するので、螺子軸1の螺子溝、ボール螺子ナット2の螺子山としてのボールに負荷がかからず、モータMのシャフト10にも半径方向の偏荷重が作用しないので、サスペンション本体Aの寿命を短くせず、サスペンション装置Sの耐久性を低下させてしまうことがない。
また、ホルダ5によりモータMのシャフト10、螺子軸1およびボール螺子ナット2の軸芯が合致した状態とされるので、車両への取付け時に、螺子軸1とボール螺子ナット2の軸芯を合わせる作業を必要としないので、従来のサスペンション装置に比較して、車両への取付け作業が飛躍的に容易となる。
さらに、ホルダ5により螺子軸1およびボール螺子ナット2をアッセンブリ化し、このアッセンブリにモータMを連結すればサスペンション本体Aの組立が完了するので、サスペンション装置Sのサスペンション本体A部分における組立加工が容易となる。
すなわち、運動変換機構Tのうち、回転運動を呈する部材、この場合、ボール螺子ナット2をホルダ5で保持せず、モータM側に組み込むような構成を採用する場合には、モータMと運動変換機構Tの連結に際してボール螺子ナット2を回転させて螺子軸1をモータM内へと引き込む作業が必要となるが、このようにホルダ5で運動変換機構Tの全てを一体保持することで、このような作業の必要がなくなり、さらに、モータMへボール螺子ナット2を組み込まなくとも、別々のホルダでボール螺子ナット2、螺子軸1およびボールスプラインナット4をそれぞれ保持するような構成を採用する場合、ホルダ同士の回り止めにも配慮しなくてはならなくなるが、このような配慮も不要となる利点がある。
また、上記したところでは、螺子軸1の円滑な上下動を実現することができるので、回り止め機構を螺子軸1の外周に設けたスプライン溝に係合するボールスプラインナット4としているが、単に、螺子軸1の外周にその軸線に沿って溝を形成し、この溝内にキー等の螺子軸1の上下動を阻害しない部材で螺子軸1の回り止めを行うようにしても、やはり、回り止め機構をホルダ5に保持させることができ、このようにしてもよい。
以上、一つのホルダ5でボール螺子ナット2、螺子軸1およびボールスプラインナット4を保持する利点について述べたが、別々のホルダでボール螺子ナット2、螺子軸1およびボールスプラインナット4をそれぞれ保持するような構成を採用することを妨げる趣旨ではない。
戻って、螺子軸1の軸方向への駆動に供されるボール螺子ナット2と螺子軸1の回り止め機構の構成要素あるボールスプラインナット4とを至近に配置することで、ボール螺子ナット2とボールスプラインナット4との間の区間に位置する螺子軸1の長さを短くすることができる。
この螺子軸1の上記区間に位置する部分は、ボール螺子ナット2の回転駆動によって捩れが生じる部分であり、当該区間が短くなればなるほど、捩れが生じる部分が短くなることになる。
ここで、上記螺子軸1は、捩れによってバネ要素としても機能することから、捩れの区間が長くなるほど、ボール螺子ナット2の回転に対する螺子軸12の直線運動の応答に時間がかかることになるが、上記したように、ボール螺子ナット2とボールスプラインナット4とを至近に配置することで螺子軸1の捩れる区間を短くすることができるので、サスペンション装置Sがアクチュエータとして機能する場合の応答性が向上することになる。
したがって、サスペンション装置Sがアクチュエータとして機能する場合の応答性が向上するので、車両姿勢をアクティブに制御する場合における制御性も向上する。
他方、モータMは、図1に示すように、筒状のケーシング11と、ケーシング11の内周に固定されるコアとコアに巻装したコイルとで構成されるステータ12と、ケーシング11の図1中上端開口部を閉塞するキャップ13と、ケーシング11の図1中下端開口部に嵌合される筒状のアダプタ14と、ケーシング11内の上方に取付けられたボールベアリング15とアダプタ14の内周に嵌合されるボールベアリング16を介してケーシング11に回転自在に保持されるロータRとを備えて構成されている。
なお、アダプタ14は、筒状とされており、ケーシング11の内周に嵌合する小径なケース嵌合部14aと、ケース嵌合部14aから垂下されてホルダ5の上端内周に嵌合する大径なホルダ嵌合部14bとを備えて構成されており、ケーシング11を径方向に位置決めてホルダ5へ取付けることができるようになっている。そして、アダプタ14とホルダ5との間、アダプタ14とケーシング11との間、および、ケーシング11とキャップ13との間は、それぞれ、符示しないシールリングによってシールされ、モータM内は気密状態に維持されている。
ロータRは、筒状のシャフト10と、シャフト10の中間部外周にステータ12に対向するように取付けられた磁石17とを備えて構成されており、ケーシング11に回転自在に保持されている。詳しくは、シャフト10は、上端が上述のボールベアリング15に軸支され、下端がボールベアリング16によって軸支されており、下端をボール螺子ナット2の上端に設けたソケット2bの外周に嵌合して、ボール螺子ナット2に連結されるようになっている。
また、シャフト10の図1中上端外周にはレゾルバコア18が装着され、ケーシング11の内周にはレゾルバコア18に対向するレゾルバステータ19が取付けられ、これらレゾルバコア18とレゾルバステータ19とでロータRの回転位置を検出するセンサを構成している。そして、ステータ12への通電をコントロールする図示しない制御装置がこのセンサを利用して、ロータRの回転位置や回転速度に基づいてモータMを制御することが可能なようになっている。なお、ロータRの回転位置検出を行うための手段としては、上述のレゾルバ以外にも、ホール素子等の磁気センサ等を用いてもよい。
さらに、磁石17は、複数の磁石をN極とS極が円周に沿って交互に現れるよう接着して環状となるように形成されているが、N極とS極が円周に沿って交互に現れる分割磁極パターンを有する環状の磁石を使用してもよい。
したがって、この実施の形態においては、モータMは、ブラシレスモータとして構成されているが、モータMとしては、このほかにも種々の形式のものを使用可能であり、具体的にたとえば、直流、交流モータ、誘導モータ、同期モータ等を用いることができる。
そして、このように構成されたモータMは、ホルダ5の外周に設けたエアチャンバ22とモータMの外周に設けたマウント23とをボルト20とナット21によって螺子締結されることでホルダ5と一体化される。
また、このモータMとホルダ5との一体化に際し、上述したようにシャフト10の下端がボール螺子ナット2のソケット2bの外周に嵌合に挿入されて、モータMのシャフト10とボール螺子ナット2とが連結され、モータMでボール螺子ナット2を回転駆動して螺子軸1を図1中上下方向に直線運動させることができるようになっている。このように、モータMをホルダ5に固定すると、モータMの運動変換機構Tとが連結され、サスペンション本体Aを組立ることができるのである。
なお、このシャフト10の内周とソケット2bの外周との間には、トルクリミッタとして機能するトレランスリング等を介装して、シャフト10とボール螺子ナット2に作用する軸周りの相対回転トルクの上限を規制するようにしてもよい。
このようにシャフト10とボール螺子ナット2との間にトルクリミッタを設けることで、サスペンション装置Sを急激に伸縮させるような外力が入力された場合に、螺子軸1の直線運動加速度が大きく、ボール螺子ナット2を回転させるトルクが非常に大きくなって、シャフト10とボール螺子ナット2との間にすべりを生じさせることができる。すると、シャフト10は回転せずにボール螺子ナット2のみが回転することとなり、慣性モーメントや電磁力に基づいてモータMで発生するトルクがボール螺子ナット2へ伝達されることを抑制することができるようになる。
したがって、上記のような状況下では、つまり、サスペンション装置Sのストロークの速度が大きく変化する際、モータMで発生するトルクのボール螺子ナット2への伝達が抑制されて、モータMの慣性モーメントの影響を緩和して、サスペンション装置Sの発生減衰力が過大となることを防止でき、バネ下部材に入力された急激な振動のバネ上部材への伝達が抑制されることになる。すなわち、トルクリミッタの設置により、モータMの慣性モーメントがモータMの電磁力に起因するトルクに重畳されて発生減衰力が過大となってしまうという慣性モーメントの影響を緩和できるので、車両における乗り心地を向上させることが可能となる。
また、換言すれば、ボール螺子ナット2には許容される相対トルク以上のトルクが作用せず、運動変換機構Tが過大なトルクの作用によって破損してしまう心配が無く、加えて、モータMのロータRに大きな角加速度が作用することも抑制されて、ロータR周りに固定されている磁石17の飛散を防止でき、モータMへの負荷も軽減することができるので、サスペンション装置Sの信頼性が向上する。
なお、シャフト10とボール螺子ナット2との間に介装されるトルクリミッタとしては、上記のトレランスリング以外にも、シャフト10とソケット2bに摩擦力を生じせしめる摩擦体であってもよい。摩擦体には、たとえば、環状のゴムや、環状であって疎面を備えたプレートを採用することができる。
また、トレランスリングあるいは摩擦体で調整される相対トルクの設定については、サスペンション装置Sが適用される制振対象に応じて任意に調整することができるが、路面上の突起や溝の通過時に生じる慣性モーメントの影響を緩和できるように実験的、経験的に得られる値に設定すればよい。
さらに、モータMの筒状のシャフト10とボール螺子ナット2におけるソケット2bとの嵌め合い部分にトルクリミッタとしてのトレランスリングを介装する場合、サスペンション装置Sの全体の長さに与える影響は軽微であって、ストローク長に影響を与えることの無い部位にトルクリミッタが設けられることになるので、ストローク長の確保が容易となる。
なお、トルクリミッタを設ける必要が無ければ、図1に示すように、ボール螺子ナット2をロータRのシャフト10に直接的に嵌合させるようにすればよく、ボール螺子ナット2自体をモータMのロータRにおけるシャフトとしてボール螺子ナット2の外周に磁石17を取付けるようにしてもよい。
つづいて、螺子軸1に連結される流体圧ダンパDについて説明する。流体圧ダンパDは、周知であるので詳しく図示はしないが、シリンダ30と、シリンダ30内に摺動自在に挿入されシリンダ30内に液体が充填される図示しない二つの圧力室を隔成する図示しないピストンと、一端がピストンに連結されるとともにシリンダ30から突出されるロッド31と、シリンダ30内に形成されてシリンダ30に進退するロッド体積を補償する図示しない気室あるいはリザーバと、シリンダ30の車両のバネ下部材への連結を可能とするアイブラケット3とを備えて構成され、伸縮作動時に所定の減衰力を発揮するようになっている。
流体圧ダンパDは、シリンダ30内に気室を備えたいわゆる単筒型でも、環状のリザーバを備えたいわゆる複筒型としてもよいが、流体圧ダンパDを複筒型とすることにより、流体圧ダンパDの全長を短くしてサスペンション装置Sの全体長さを短くできる利点がある。なお、流体圧ダンパDの作動流体を気体として圧力室内に液体の代わりに気体を充填する場合、気体の体積変化によってシリンダ30に進退するロッド体積を補償可能であれば気室やリザーバの設置を要しない。
そして、本実施の形態におけるサスペンション装置Sにあっては、流体圧ダンパDのロッド31の上端から連結軸32が延びており、流体圧ダンパDは、この連結軸32を介して螺子軸1に連結されるようになっている。なお、この実施の形態では、ロッド31と連結軸32とが一体成形されているが、ロッド31と連結軸32を別個の部材として構成して接続するようにしてもよい。また、この例では、ロッド31を連結軸32にて螺子軸1に連結するようにしているが、流体圧ダンパDを倒立型としてシリンダ30を連結軸32にて螺子軸1に連結するようにしてもよい。
この連結軸32は、その図1中上端となる先端に螺子部32aが形成され、連結軸32の下端には拡径部32bが形成されている。そして、連結軸32の図1中下端外周には拡径部32bによって下方側への移動が規制される有頂筒状のバネ受部材33が装着されている。このバネ受部材33は、詳しくは、頂部に設けた連結軸32の挿通を許容する孔33aと、外周に設けた鍔状のバネ受部34と、上端に取付けた保持環35を備え、この保持環35で筒状であって連結軸32の外周に配置されるバンプクッション41の外周を保持している。このバンプクッション41はバネ受部材33によって下方への移動が規制され、サスペンション本体Aの最収縮時にホルダ5の下端に衝合してサスペンション本体Aの最収縮ストローク長を規制している。また、バネ受部材33の内周には、ロッド31の上端外周に配置されて流体圧ダンパDが最収縮した際にシリンダ30の図1中上端に衝合して、最収縮時の衝撃を緩和する環状のバンプクッション40が装着されている。
また、連結軸32は、螺子軸1の下端がバネ受部材33の上面に当接するまで、螺子軸1内に挿通され、連結軸32の上端の螺子部32aにナット36を螺合することで、螺子軸1を拡径部32bによって下方移動が規制されるバネ受部材33とナット36とで挟み込み、螺子軸1に連結される。すなわち、この場合、拡径部32bとナット36でバネ受部材33とともに螺子軸1を挟持することで、連結軸32が螺子軸1に連結され、連結軸32は、上方側から螺子軸1に連結可能とされている。
すなわち、流体圧ダンパDとサスペンション本体Aとを一体化する組立加工に際して、重量物である流体圧ダンパDとサスペンション本体Aの中間で連結するのではなく、反流体圧ダンパ側となる図1中上方側からのみの作業で、流体圧ダンパDとサスペンション本体Aとを一体化することができるので、流体圧ダンパDとサスペンション本体Aの連結作業が容易となり、作業者の負担も飛躍的に軽減されるのである。
そして、連結軸32は、上述のように、螺子軸1内に挿通され螺子軸1の図1中上端側から螺子軸1に連結されるため、長尺に設定され、図1中上下方向に移動する螺子軸1に対して自身が長手方向のバネ要素として振舞い、軸破断やナット36の弛みを抑制することができる。
さらに、この場合、螺子軸1と連結軸32とが螺子締結されて着脱自在とされているので、サスペンション装置Sの構成のうち、流体圧ダンパDのみ、あるいは、運動変換機構Tのみの交換が必要な場合に、容易に交換することが可能であり、また、分解して不具合箇所のみを検査することが可能となる。このように、螺子軸1と連結軸32とが着脱自在に連結されることで、サスペンション装置Sのメンテナンスが容易となり、部品交換も容易となるのであるが、螺子軸1と連結軸32を溶接やろう付け等によって螺子軸1と連結軸32とを固定的に連結することもできる。この場合、メンテナンスや部品交換の点におけるメリットはないが、流体圧ダンパDとサスペンション本体Aの組立を容易とする点については、着脱自在に螺子軸1と連結軸32とを連結するものと同様である。すなわち、螺子軸1と連結軸32とを連結することには、着脱を可能とするものだけではなく、着脱を予定せずに固定することも含まれ、また、螺子締結以外の方法を以って着脱自在とするとしてもよい。
なお、上記したところでは、サスペンション装置Sにおける流体圧ダンパDとサスペンション本体Aとの一体化する連結作業を容易とするために、螺子軸1を筒状として連結軸32を螺子軸1の反流体圧ダンパ側となる図1中上端から連結可能ならしめているが、螺子軸1を筒状とせずに、流体圧ダンパDとサスペンション本体Aとの中間において、流体圧ダンパDのロッド31あるいはシリンダ30に螺子軸1を直接連結することもできる。
つづき、流体圧ダンパDのシリンダ30の側部外周には、シリンダ30を覆うエアピストン37が設けられており、このエアピストン37は、筒状のエアピストン本体37aと、このエアピストン本体37aの上端内周に設けた環状のバネ受37bと、上端外周に取付けられてクッション47を保持するクッション保持筒38とを備えて構成されている。クッション保持筒38は、筒状であってエアピストン本体37aの上端外周に取付けられる保持筒本体38aと、保持筒本体38aの図1中上端外周に設けた鍔状の保持部38bとを備えている。
そして、クッション47は、環状とされて保持部38bの上下を外周から抱持するようにして、保持部38bに装着されている。なお、クッション47を保持部38bに装着することには、溶着や接着によって一体化することも含まれる。
なお、このサスペンション装置Sにあっては、流体圧ダンパDのピストン位置を中立位置へ復帰させるため、バネ受部材33をバネ39a,39bによって上下から附勢して、シリンダ30に対してロッド31を位置決めてピストン位置を中立位置に位置決めるようにしている。
詳しくは、エアチャンバ37の下端とバネ受部材33の外周に設けたバネ受部34との間にバネ39aを介装するとともに、エアピストン37の内周に形成されるバネ受37bとバネ受部材33の外周に設けたバネ受34との間にバネ39bを介装して、これらバネ39a,39bでシリンダ30に対する図示しないピストン位置を中立位置に保つように附勢している。
また、バネ39a,39bは、ピストン位置を中立位置へ復帰させるように機能することから、流体圧ダンパDが最伸長あるいは最収縮したままとなり、ピストンがシリンダ30の上端あるいは下端に干渉して高周波振動を吸収できなくなったり、車両における乗り心地を悪化させたりする事態を回避でき、サスペンション装置Sの信頼性を向上させることができる。
なお、中立位置とは、サスペンション装置Sを車両におけるバネ上部材とバネ下部材に介装した状態で、シリンダ30に対してロッド31に連結されるピストンが位置決められる位置であり、必ずしもシリンダ30の中央のみを指すものではない。
転じて、上述のように構成されたサスペンション本体Aは、モータMのケーシング11の外周に取付けたマウント23を介してバネ上部材に連結されるようになっている。このマウント23は、環状のロアプレート24と、図示しないバネ上部材に取付可能とされる環状のアッパープレート25と、ロアプレート24とアッパープレート25との間に介装される防振ゴム26と、ロアプレート24をケーシング11の外周に取付ける取付環43とを備えて構成されている。
ホルダ5の外周には、サスペンション本体Aの外周側に配置されるエアバネASのチャンバ部分を形成する筒状のエアチャンバ22が結合されている。エアチャンバ22は、この場合、内筒22aと外筒22bとを備えて構成されている。エアチャンバ22における内筒22aは、ホルダ5の外周に取付けられ上端外周にフランジ22cを備え、外筒22bはフランジ22cから垂下されて内筒22aに一体化されている。
そして、モータMとホルダ5との連結にあたっては、エアチャンバ22の内筒22aにおけるフランジ22cと、マウント23の取付環43とを、ボルト20とナット21で螺子締結することによって行われる。なお、ボルト20とナット21は、図示するところでは断面図であるため、一つずつしか記載されていないが、フランジ22cと取付環43の周上の他の複数箇所においてもボルト20とナット21で螺子締結されるようになっている。
このように構成されたエアチャンバ22の外筒22b下端とエアピストン37の中間部外周には、筒状であって可撓性のダイヤフラム27が架け渡されており、エアチャンバ22の外筒22bの下端外周にはダイヤフラム27を覆って当該ダイヤフラム27の外方への膨張を阻止する筒状のダイヤフラムカバー28が取付けられている。
そして、このサスペンション装置Sにあっては、上記エアチャンバ22、ダイヤフラム27、エアピストン37、流体圧ダンパD、モータMによって気体室29を形成されており、サスペンション装置Sが伸縮すると、エアチャンバ22内にエアピストン37が出入りして気体室29の容積が変化して圧力が変化してエアバネASとして機能する。すなわち、この実施の形態の場合、エアバネASは、エアチャンバ22、ダイヤフラム27、エアピストン37、流体圧ダンパD、モータMによって気体室29を隔成することによって構成されている。
上記したようにモータM内は、気密状態とされているので、モータM内も気体室29の一部として機能しており、モータM内の各部および運動変換機構Tが外部とは隔絶される気体室29内に収容され、運動変換機構Tが水や埃等の干渉を受けることがない。さらに、流体圧ダンパDのシリンダ30の上端側とロッド31とを気体室29内に収容することができるため、シリンダ30の上端側とロッド31との摺動部への水や埃等の干渉を防止することもできる。
このように構成されたエアバネASは、サスペンション本体AのモータMにエアチャンバ22が連結され、エアチャンバ22に対して相対移動するエアピストン37がサスペンション本体Aの直動部材たる螺子軸1に流体圧ダンパDを介して連結されているため、車両のバネ上部材とバネ下部材との間に介装される懸架バネとして機能し、バネ上部材を弾性支持するようになっている。
また、モータMとエアチャンバ22とを連結、エアピストン37と直動部材たる螺子軸1とを連結するには、何らかの部材を介して間接的に連結するようにしてもよく、本稿に言う連結には直接的な連結以外にも何らかの部材を間に介する間接的な連結をも含まれる。したがって、この実施の形態のように、モータMとエアチャンバ22とを連結に際してマウント23を介在させてもよく、エアピストン37と直動部材との連結に際して流体圧ダンパDを介在させてもよい。
戻って、上記したエアチャンバ22の内筒22aの外周には、環状のストッパ42が取付けられており、さらに、外筒22bの内周にも環状のストッパ46が取付けられている。これらストッパ42,46は、エアチャンバ22の軸方向に間隔を空けて上下に配置されている。
そして、この上下のストッパ42,46の間に、上述したエアピストン37に取付けられた環状のクッション47がこれらストッパ42,46に軸方向に対面するようにして配置されている。
すなわち、サスペンション装置Sが伸長する場合、モータMに連結されたエアチャンパ22と運動変換機構Tの直動部材としての螺子軸1に流体圧ダンパDを介して連結されたエアピストン37とが相対的に離反して、エアチャンバ22のエアピストン側となる図1中下側に配置されているストッパ46とクッション47とが互いに接近し、最終的にはクッション47の下端がストッパ46の上端に衝合して、サスペンション装置Sのそれ以上の伸長、すなわち、エアチャンバ22とエアピストン37との相対的な離反を規制するとともに最伸長時の衝撃を緩和するようになっている。
反対に、サスペンション装置Sが収縮する場合、モータMに連結されたエアチャンパ22と運動変換機構Tの直動部材としての螺子軸1に流体圧ダンパDを介して連結されたエアピストン37とが相対的に接近して、エアチャンバ22の反エアピストン側となる図1中上側に配置されているストッパ42とクッション47とが互いに接近し、最終的にはクッション47の上端がストッパ42の下端に衝合して、サスペンション装置Sのそれ以上の収縮、すなわち、エアチャンバ22とエアピストン37との相対的な接近を規制するとともに最収縮時の衝撃を緩和するようになっている。
このように、本発明のサスペンション装置Sにあっては、エアチャンバ22に上下一対のストッパ42,46を設けるとともに、エアピストン37の外周にクッション47を設けて、最伸長時にはクッション47とストッパ46とを、最収縮時にはクッション47とストッパ42とを衝合させて最伸長長さおよび最収縮長さを規制するようにしているので、従前の技術に見られるようなストッパに衝合する部材を備えた筒部材をモータ側に設置する必要がなく、その分、サスペンション装置Sの重量を軽減でき、また、最伸長長さの規制に際して筒部材の設置が不要であるため筒部材の設置に必要なクリアランスを確保しなくてすみ、サスペンション装置の外径を小型化することができるのである。
さらに、一つのクッション47を、最伸長を規制するストッパ46と最収縮を規制するストッパ42とに衝合させるようにしているので、クッションが二つ必要であった従来のサスペンション装置に比較して部品点数が少なくなり、また、組立が簡単となる。
このように、本発明のサスペンション装置Sにあっては、従来のサスペンション装置に比較して筒部材を省略できるとともに装置全体の伸縮規制用のクッションを一つのクッション47に集約できるので、サスペンション装置Sを安価に製造することができる。
なお、エアピストン37にクッション47を設けるにあたり、クッション保持筒38を利用しているが、クッション保持筒38を廃してエアピストン37に保持部を設けて直接クッション47を設けるようにしてもよい。
また、ストッパ46の構成はクッション47に衝合可能であればよいので上記したところに限定されるものではなく、たとえば、エアチャンバ22に加締めやプレス加工によって内周側に突出する環状のフランジを形成して当該フランジをストッパとしてもよい。さらに、上方側のストッパは、エアチャンバ22の内筒22aに設けたフランジ22cとされてもよいが、下面が平面であるストッパ42を設けておくことで、クッション47とボルト20が直接衝合を回避できる利点がある。またさらに、上方側のストッパ42は、最収縮長さに応じてフランジ22cから全く離れた位置に設けてもよく、内筒22aの外周あるいは外筒22bの内周に取付けてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態におけるサスペンション装置の縦断面図である。
符号の説明
1 直動部材たる螺子軸
2 回転部材たるボール螺子ナット
2a 環状溝
2b ソケット
3 アイブラケット
4 ボールスプラインナット
5 ホルダ
5a ホルダにおける大径部
5b ホルダにおける小径部
5c ホルダにおける鍔
5d ホルダにおける段部
7 スナップリング
8 ナット
9,15,16 ボールベアリング
9a ボールベアリングにおけるボール
9b ボールベアリングにおける外輪
10 モータにおけるシャフト
11 モータにおけるケーシング
12 モータにおけるステータ
13 モータにおけるキャップ
14 モータにおけるアダプタ
14a アダプタにおけるケース嵌合部
14b アダプタにおけるホルダ嵌合部
17 磁石
18 レゾルバコア
19 レゾルバステータ
20 ボルト
21 ナット
22 エアチャンバ
22a 内筒
22b 外筒
22c フランジ
23 マウント
24 ロアプレート
25 アッパープレート
26 防振ゴム
27 ダイヤフラム
28 ダイヤフラムカバー
29 気体室
30 シリンダ
31 ロッド
32 連結軸
32a 連結軸における螺子部
32b 連結軸における拡径部
33 バネ受部材
33a バネ受部材における孔
34 バネ受部材におけるバネ受部
35 保持環
36 ナット
37 エアピストン
37a エアピストン本体
37b バネ受
38 クッション保持筒
38a クッション保持筒における保持筒本体
38b クッション保持筒における保持部
39a,39b バネ
40,41 バンプクッション
42,46 ストッパ
43 取付環
47 クッション
48 キー
A サスペンション本体
AS エアバネ
D 流体圧ダンパ
M モータ
R ロータ
S サスペンション装置
T 運動変換機構

Claims (3)

  1. 直動部材の直線運動を回転部材の回転運動に変換する運動変換機構と、該運動変換機構における回転部材に連結されるモータとを備えたサスペンション装置において、モータに連結される筒状のエアチャンバと直動部材に連結され筒状であってエアチャンバより小径のエアピストンとエアチャンバとエアピストンとの間に介装されるダイヤフラムとを有するエアバネと、エアチャンバ内に軸方向に間隔を空けて設けた上下一対のストッパと、エアピストンの外周に取付けられて各ストッパの間に配置される環状のクッションとを備え、エアチャンバとエアピストンとが相対的に離反する最伸長時にクッションと下側のストッパとを衝合させて伸長を規制し、エアチャンバとエアピストンとが相対的に接近する最収縮時にクッションと上側のストッパとを衝合させて収縮を規制することを特徴とするサスペンション装置。
  2. エアピストンは、直動部材に連結される流体圧ダンパを介して直動部材に連結されてなる請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. 直動部材を流体圧ダンパのロッドあるいはシリンダの一方に連結し、エアピストンを流体圧ダンパのロッドあるいはシリンダの他方に連結したことを特徴とする請求項2に記載のサスペンション装置。
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