JP2010090713A - ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タービンハウジング5内に形成されたスクロール流路17からタービンインペラ13に供給される排気ガスの流量を可変とする排気ノズル27を備え、排気ノズル27は、第1排気導入壁31と第2排気導入壁29との間に複数のノズルベーン37を有する可変容量型のターボチャージャ1において、各ノズルベーン37は、第1排気導入壁31及び第2排気導入壁29に夫々貫入して軸支される第1支持軸及41び第2支持軸39と、第1支持軸41の第2支持軸39側に第2排気導入壁29に略対向する面部41aとを有し、タービンハウジング5と第1排気導入壁31との間に形成される隙間Sのスクロール流路17への開口部S1にシール部材61を設置するという構成を採用する。
【選択図】図2
Description
ここで、特許文献1には、可変容量型のターボチャージャが開示されている。
タービンハウジングには排気ガスの流入口が設けられ、上記流入口から流入した排気ガスはタービンハウジング内のタービンスクロール流路に導入される。軸受けハウジングのタービンハウジング側には、上記タービンスクロール流路に導入される排気ガスをタービンインペラに導くとともに、その流量を可変とする可変ノズルユニット(排気ノズル)が設けられている。
ノズルリングとシュラウドリングとの間には、排気ガスの流量を調節するための複数のノズルベーンが環状に配置されている。ノズルベーンの両側面から突出するベーン軸(第1及び第2支持軸)がノズルリング及びシュラウドリングに形成された孔部にそれぞれ貫入しており、ノズルベーンはベーン軸を中心として回転自在に支持されている。
上記隙間があると、タービンスクロール流路内の排気ガスが隙間を通ってタービンハウジングの出口側に漏出してしまうことから、この隙間を塞ぐためにシュラウドリングの内周縁部からタービンハウジング側に延設された略円筒状を呈する延設部の外周面と、この延設部の外周面に対向するタービンハウジングの内周面との間にシール用Cリングが配置されている。上記Cリングは弾性体で形成されており、その弾性力によりタービンハウジングの熱変形に追従することができる。
そのため、本発明者らは、上記漏出の問題以外でタービン効率に影響を及ぼす要因について種々検討し試験を実施した。
本発明のターボチャージャは、タービンインペラを回転自在に支持する軸受けハウジングと、タービンインペラに排気ガスを供給するスクロール流路が形成されたタービンハウジングと、スクロール流路からタービンインペラに供給される排気ガスの流量を可変とする排気ノズルとを備え、排気ノズルは、タービンハウジング側に設けられる第1排気導入壁と第1排気導入壁に対向して設けられる第2排気導入壁との間に各々回転自在に設けられる複数のノズルベーンを有する可変容量型のターボチャージャにおいて、各ノズルベーンは、第1排気導入壁及び第2排気導入壁に形成された厚さ方向で貫通する孔部に夫々貫入して軸支される第1支持軸及び第2支持軸と、第1支持軸の第2支持軸側に第2排気導入壁に略対向する面部とを有し、タービンハウジングと第1排気導入壁との間に形成される隙間のスクロール流路への開口部に、タービンハウジングの第1排気導入壁に対する相対移動に追従しつつ開口部を遮蔽するシール部材を設置するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明のターボチャージャでは、バネ部材は螺旋の軸方向で伸縮できるため、タービンハウジングの熱変形によるタービンハウジングの第1排気導入壁に対する相対移動に追従することができる。また、本発明のターボチャージャでは、スクロール流路内の圧力上昇によりバネ部材は径方向外側から内側に向かって圧縮され、隣り合う径方向外側及び内側の板バネは互いに密着し、上記隙間のスクロール流路への開口部を遮蔽することができる。
このような構成を採用する本発明のターボチャージャでは、バネ部材をリング部材に組み込み一体化した後にタービンハウジングに組み込むことができ、弾性体で形成され定形性を有しないバネ部材を複雑な形状を有するタービンハウジングに直接組み込む作業が無くなることから、作業の難度が減り組み込み作業の安定化や効率化を図ることができる。
このような構成を採用する本発明のターボチャージャでは、バネ部材が振動等によって一時的にリング部材から離間する側へ移動したとしても、バネ部材がリング部材から脱落することを防ぐことができる。
このような構成を採用する本発明のターボチャージャでは、バネ部材が振動等によって一時的にリング部材の径方向外側へ移動したとしても、バネ部材がリング部材から脱落することを防ぐことができる。
本発明によれば、ノズルベーンを第1排気導入壁側に変位させることができることから、タービンハウジング出口における排気ガスの乱れを減少させタービン効率を向上させることができるという効果がある。
〔第1実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るターボチャージャを、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係るターボチャージャ1の全体構成を示す概略図、図2は、図1における可変ノズルユニット27周辺の拡大図、図3は、第1の実施形態における可変ノズルユニット27の構成要素であるノズルベーン37の斜視図、図4は、第1の実施形態におけるバネ部材61の概略図であり、(a)はバネ部材61の平面図、(b)は側面図、図5は、第1の実施形態における同期機構43の背面図である。なお、上記図面中の矢印Fは前方向を示す。
図1に示すように、本実施形態に係るターボチャージャ1は、不図示のエンジンから導かれる排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する可変容量型のターボチャージャである。
ターボチャージャ1は、軸受けハウジング3と、軸受けハウジング3の前側周縁部に締結ボルト3aにより接続されるタービンハウジング5と、軸受けハウジング3の後側周縁部に締結ボルト3bにより接続されるコンプレッサハウジング7とを備えている。
タービンスクロール流路17は、タービンインペラ13を囲んで略環状に形成され、排気ガスを導入するための不図示のガス流入口と連通している。また、タービンスクロール流路17は、可変ノズルユニット27内のノズル流路27Aと連通している。なお、上記ガス流入口は不図示のエンジンにおける排気口に接続されている。
タービンハウジング出口19は、タービンハウジング5の前側に開口しており、タービンインペラ13の設置箇所を介してノズル流路27Aと連通している。また、タービンハウジング出口19は、不図示の排気ガス浄化装置に接続されている。
さらに、コンプレッサハウジング7は、コンプレッサインペラ15の径方向外側で略環状に形成されるコンプレッサスクロール流路25を有しており、コンプレッサスクロール流路25は、ディフューザ流路23と連通している。なお、コンプレッサスクロール流路25は、不図示のエンジンにおける吸気口と連通している。
図2に示すように、可変ノズルユニット27は、タービンハウジング5側に設置されるシュラウドリング(第1排気導入壁)31と、シュラウドリング31に対向して軸受けハウジング3側に設置されるノズルリング(第2排気導入壁)29と、シュラウドリング31とノズルリング29との間に保持される複数のノズルベーン37とを有している。なお、ノズル流路27Aは、シュラウドリング31とノズルリング29との間に形成されている。
ノズルリング29の後側には、取付リング35が連結ピン33を介して一体的に設けられており、取付リング35の外周縁部は、タービンハウジング5と軸受けハウジング3とにより挟持されて支持されている。すなわち、ノズルリング29は、取付リング35を介して軸受けハウジング3及びタービンハウジング5に支持されている。
また、図3に示すように、各ノズルベーン37は、略矩形を呈する板状部材であり所定の一辺からその対辺に向かうに従って漸次厚みが減少するように形成されているノズルベーン本体38と、ノズルベーン本体38の上記一辺に直交する一側面から前側に突出する第1ベーン軸(第1支持軸)41と、上記一側面に対向する側面から後側に突出する第2ベーン軸(第2支持軸)39とを有している。
第1ベーン軸41は、シュラウドリング31の第1孔部31aに回転自在に貫入しており、第2ベーン軸39は、ノズルリング29の第2孔部29aに回転自在に貫通しノズルリング29の後側に突出している。
なお、第1鍔部41aの外形は第2鍔部39aの外形よりも大きく形成されることが好ましく、第1鍔部41a及び第2鍔部39aは夫々第1孔部31a及び第2孔部29aを覆うように形成されることが好ましい。
図2に示すように、バネ部材61は、その小径部においてリング部材62を介してタービンハウジング5に支持され、その大径部はシュラウドリング31の前側垂直面に当接している。なお、リング部材62は、タービンハウジング5に固定され、バネ部材61の大径部は、シュラウドリング31の上記垂直面と平行する方向に移動自在である。
なお、バネ部材61の前後方向での自然長(何ら負荷をかけない場合の長さ)は、開口部S1の前後方向での長さよりも長く形成され、バネ部材61は前後方向で圧縮された状態で開口部S1に設けられている。
図1に示すように、可変ノズルユニット27の後側には、各ノズルベーン37を同期して回転させるための同期機構43が設けられている。
また、可動リング47の内周縁部には、同期用係合凹部49の他に駆動用係合凹部53が形成されている。駆動用伝達リンク59の一端部は駆動用係合凹部53に係合し、他端部は駆動軸55に一体的に連結している(図1参照)。
なお、図1に示すように、駆動軸55の駆動用伝達リンク59の逆側端部には駆動レバー57が一体的に連結され、駆動レバー57には不図示のシリンダ等のアクチュエータが連結されている。
まず、ターボチャージャ1の排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する動作について説明する。
この時、エンジンの回転数、すなわち、ノズル流路27Aに導入される排気ガスの流量に応じて同期機構43及び不図示のアクチュエータの作動により各ノズルベーン37を回転させ、ノズル流路27Aの開口面積を変化させる。この開口面積の変化によりノズル流路27Aを通る排気ガスの流量は調節され、結果として低回転域から高回転域までの広い範囲に亘りエンジンの性能向上を図ることができる。
ノズル流路27Aを通った排気ガスは、タービンインペラ13の設置箇所に導入され、タービンインペラ13を回転させる。その後、排気ガスはタービンハウジング出口19より排出される。
コンプレッサインペラ15の回転により、吸気口21から導入された空気がディフューザ流路23に供給される。空気は、ディフューザ流路23を通ることで圧縮され昇圧される。昇圧された空気は、コンプレッサスクロール流路25を通ってエンジンの吸気口に供給される。結果として、エンジンに空気を過給し、エンジンの出力を向上させることができる。
以上で、ターボチャージャ1の過給動作は終了する。
図6は、本実施形態におけるバネ部材61が開口部S1を遮蔽する動作を示す概略図である。
図6に示すように、排気ガスは高温のままタービンスクロール流路17へ導入されるため、タービンスクロール流路17及びタービンハウジング5の温度は次第に上昇する。したがって、タービンハウジング5は熱変形し、タービンハウジング5はシュラウドリング31に対して相対移動する。そのため、開口部S1を遮蔽するシール部材は、この相対移動に追従しなければ完全な遮蔽効果が得られないことになる。
本実施形態におけるバネ部材61は、長尺の板バネが巻回された形状を呈しているため、例えば皿状のバネ等に比べバネ定数を低くすることができる。したがって、熱劣化を生じる前においてもバネ部材61の弾性力は大きくなりすぎることがなく、後述するバネ部材61の滑らかな圧縮等の動作を妨げる虞が少ない。
また、本実施形態におけるバネ部材61は、径方向外側と内側の板バネが互いに重なり合う形状となっていることから、バネのすくみ代を大きく取ることができる。そのため、自然長に熱劣化による変化分を加えても、バネ部材61をターボチャージャ1内の限られた空間内に設置することができる。
結果として、ノズルベーン37はシュラウドリング31側に変位し、ノズルベーン37とシュラウドリング31との間のクリアランスを極めて小さなものとすることができる。
本発明者らは、本実施形態におけるターボチャージャ1及び従来型ターボチャージャについて、図7に示すようにタービンインペラ13の上流側と下流側との圧力の比が略同一となるようにした条件において、タービンハウジング出口19における径方向位置での排気ガスの速度分布を数値解析により求め、その結果を図8に示した。
本実施形態では、ノズルベーン37をシュラウドリング31側に変位させることができることから、タービンハウジング出口19における排気ガスの乱れを減少させタービン効率を向上させることができるという効果がある。
本発明の第2の実施形態に係るターボチャージャを、図面を参照して説明する。
図12は、第2の実施形態に係るターボチャージャ1Aにおける可変ノズルユニット27周辺の拡大図である。なお、この図において、図2に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
バネ部材61は、その小径部においてリング部材62を介してシュラウドリング31に支持され、その大径部はタービンハウジング5のシュラウドリング31に対向する垂直面5Aに当接している。なお、リング部材62は、溶接等によりシュラウドリング31に一体的に接続され、バネ部材61の大径部は、垂直面5Aと平行する方向に移動自在である。
図13は、第2の実施形態におけるバネ部材61が開口部S1を遮蔽する動作を示す概略図である。
排気ガスはタービンスクロール流路17からノズル流路27Aへ導入されるため、ノズル流路27A内部の圧力は隙間S内部の圧力よりも高くなっている。ここで、第1の実施形態と同様の作用により、ノズルベーン37はシュラウドリング31側に変位し、ノズルベーン37とシュラウドリング31との間のクリアランスを極めて小さなものとすることができる。
本実施形態では、ノズルベーン37をシュラウドリング31側に変位させることができることから、タービンハウジング出口19における排気ガスの乱れを減少させタービン効率を向上させることができるという効果がある。
このような構成によれば、溝部31B又は5Bが形成されていることで、バネ部材61が所定の位置から外れることを防止するという効果がある。
このような構成によれば、溝部31B又は5Bが形成されていることで、バネ部材61が所定の位置から外れることを防止するという効果がある。
Claims (5)
- タービンインペラを回転自在に支持する軸受けハウジングと、前記タービンインペラに排気ガスを供給するタービンスクロール流路が形成されたタービンハウジングと、前記タービンスクロール流路から前記タービンインペラに供給される前記排気ガスの流量を可変とする排気ノズルとを備え、前記排気ノズルは、前記タービンハウジング側に設けられる第1排気導入壁と前記第1排気導入壁に対向して設けられる第2排気導入壁との間に各々回転自在に設けられる複数のノズルベーンを有する可変容量型のターボチャージャにおいて、
前記各ノズルベーンは、前記第1排気導入壁及び前記第2排気導入壁に形成された厚さ方向で貫通する孔部に夫々貫入して軸支される第1支持軸及び第2支持軸と、前記第1支持軸の前記第2支持軸側に前記第2排気導入壁に略対向する面部とを有し、
前記タービンハウジングと前記第1排気導入壁との間に形成される隙間の前記スクロール流路への開口部に、前記タービンハウジングの前記第1排気導入壁に対する相対移動に追従しつつ前記開口部を遮蔽するシール部材を設置することを特徴とするターボチャージャ。 - 前記シール部材は、長尺の板バネが所定の軸回りに縮径しつつ螺旋状に巻回された形状を呈し、隣り合う径方向外側及び内側の板バネは互いに重なり合う部分を有するバネ部材であることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
- 前記バネ部材は、略円筒状のリング部材を介して前記タービンハウジングに取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のターボチャージャ。
- 前記バネ部材における前記板バネの幅方向の長さが、前記リング部材における円筒部の軸方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項3に記載のターボチャージャ。
- 前記リング部材は、前記バネ部材の軸方向と直交する鍔部を備え、前記バネ部材の前記タービンハウジング側の端部が前記鍔部に当接していることを特徴とする請求項4に記載のターボチャージャ。
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