JP2010089102A - 伝熱板の製造方法 - Google Patents

伝熱板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010089102A
JP2010089102A JP2008259396A JP2008259396A JP2010089102A JP 2010089102 A JP2010089102 A JP 2010089102A JP 2008259396 A JP2008259396 A JP 2008259396A JP 2008259396 A JP2008259396 A JP 2008259396A JP 2010089102 A JP2010089102 A JP 2010089102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
heat medium
lid
plate
medium pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008259396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5141487B2 (ja
Inventor
Nobushiro Seo
伸城 瀬尾
Hisashi Hori
久司 堀
Shinya Makita
慎也 牧田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP2008259396A priority Critical patent/JP5141487B2/ja
Priority to KR1020117010225A priority patent/KR101249186B1/ko
Priority to CN200980138293.7A priority patent/CN102159357B/zh
Priority to PCT/JP2009/065474 priority patent/WO2010041529A1/ja
Priority to CN201310548745.7A priority patent/CN103624396B/zh
Priority to TW098130493A priority patent/TWI402477B/zh
Publication of JP2010089102A publication Critical patent/JP2010089102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5141487B2 publication Critical patent/JP5141487B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

【課題】少なくとも一部が湾曲した熱媒体用管を備える場合であっても、伝熱板の熱交換効率が高く、かつ、容易に製造することができる伝熱板の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ベース部材2の蓋溝6に形成された第一凹溝8に、熱媒体用管16の一方側を挿入する挿入工程と、蓋板10の裏面12に形成された第二凹溝15に熱媒体用管16の他方側を挿入しつつ、蓋板10を蓋溝6に配置する蓋溝閉塞工程と、蓋板10の表面11側から流入攪拌用回転ツール25を移動させて、熱媒体用管16の周囲に形成された第一空隙部P1及び第二空隙部P2に、摩擦熱によって流動化させた塑性流動材Qを流入させる表面側流入攪拌工程と、を含み、ベース部材2の第一凹溝8と蓋板10の第二凹溝15とで形成された空間部Kの幅及び高さの少なくともいずれか一方が、熱媒体用管16の外径よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば熱交換器や加熱機器あるいは冷却機器などに用いられる伝熱板の製造方法に関する。
熱交換、加熱あるいは冷却すべき対象物に接触し又は近接して配置される伝熱板は、その本体であるベース部材に例えば高温液や冷却水などの熱媒体を循環させる熱媒体用管を挿通させて形成されている。
かかる伝熱板の製造方法としては、例えば、特許文献1に記載された方法が知られている。図15は、特許文献1に係る伝熱板を示した図であって、(a)は、斜視図、(b)は断面図である。特許文献1に係る伝熱板100は、表面に開口する断面視矩形の蓋溝106と蓋溝106の底面に開口する凹溝108とを有するベース部材102と、凹溝108に挿入される熱媒体用管116と、蓋溝106に嵌合される蓋板110と、を備え、蓋溝106における両側壁105,105と蓋板110の両側面113,114とのそれぞれの突合せ面に沿って摩擦攪拌接合を施して形成されている。蓋溝106と蓋板110の突合せ面には、塑性化領域W,Wが形成されている。
特開2004−314115号公報
図15の(b)に示すように、伝熱板100には、凹溝108と熱媒体用管116の外側面と蓋板110の裏面とによって空隙部120が形成されているが、伝熱板100の内部に空隙部120が存在していると、熱媒体用管116から放熱された熱が蓋板110に伝わりにくくなるため、伝熱板100の熱交換効率が低下するという問題があった。したがって、凹溝108の深さや幅を熱媒体用管116の外径と同一に形成して、空隙部120が小さくなるように形成することが好ましい。
一方、熱媒体用管116の少なくとも一部を湾曲させてベース部材102に埋め込む場合には、凹溝108に熱媒体用管116を挿入し、蓋溝106に蓋板110を配置する作業が困難となるため、凹溝108の深さや幅を熱媒体用管116の外径よりも大きく確保しなければならない。即ち、熱媒体用管116の少なくとも一部を湾曲させてベース部材102に埋め込む場合は、熱媒体用管116の外径に比べて凹溝108の深さや幅を大きくせざるを得ず、それに伴って空隙部120が大きくなってしまう。これにより、伝熱板100の熱交換効率の低下を招来するという問題があった。
このような観点から本発明は、少なくとも一部が湾曲した熱媒体用管を備える場合であっても、伝熱板の熱交換効率が高く、かつ、容易に製造することができる伝熱板の製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、蓋溝の底面に凹溝が形成されたベース部材と裏面に凹溝が形成された蓋板とを、前記凹溝同士で中空の空間部が形成されるように重ね合わせるとともに、前記空間部に熱媒体用管を挿入する準備工程と、前記準備工程で形成された仮組構造体の表面及び裏面の少なくとも一方の面から挿入した流入攪拌用回転ツールを前記空間部に沿って移動させ、前記熱媒体用管の周囲に形成された空隙部に摩擦熱によって流動化させた塑性流動材を流入させる流入攪拌工程と、を含み、前記空間部の幅及び高さの少なくとも一方が、前記熱媒体用管の外径よりも大きいことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、前記ベース部材の凹溝と前記蓋板の凹溝とで形成された空間部の幅及び高さの少なくとも一方が、前記熱媒体用管の外径よりも大きいため、熱媒体用管の一部が湾曲していても、準備工程を容易に行うことができる。また、流入攪拌工程により、熱媒体用管の周囲に形成された空隙部に、塑性流動材を流入させることで、当該空隙部を埋めることができるため、熱媒体用管とその周囲のベース部材及び蓋板との間で熱を効率よく伝達することができる。これにより、熱交換効率の高い伝熱板を製造することができ、例えば、熱媒体用管に冷却水を通して伝熱板及び冷却対象物を効率的に冷却できる。
また本発明は、蓋溝が形成されたベース部材と裏面に凹溝が形成された蓋板とを、前記蓋溝の底面と前記凹溝とで中空の空間部が形成されるように重ね合わせるとともに、前記空間部に熱媒体用管を挿入する準備工程と、前記準備工程で形成された仮組構造体の表面及び裏面の少なくとも一方の面から挿入した流入攪拌用回転ツールを前記空間部に沿って移動させ、前記熱媒体用管の周囲に形成された空隙部に摩擦熱によって流動化させた塑性流動材を流入させる流入攪拌工程と、を含み、前記空間部の幅及び高さの少なくとも一方が、前記熱媒体用管の外径よりも大きいことを特徴とする。
かかる製造方法によれは、前記蓋溝の底面と前記蓋板に形成された凹溝とで形成された空間部の幅及び高さの少なくともいずれか一方が、前記熱媒体用管の外径よりも大きいため、熱媒体用管の一部が湾曲していても、準備工程を容易に行うことができる。また、流入攪拌工程により、熱媒体用管の周囲に形成された空隙部に、塑性流動材を流入させることで、当該空隙部を埋めることができるため、熱媒体用管とその周囲のベース部材及び蓋板との間で熱を効率よく伝達することができる。これにより、熱交換効率の高い伝熱板を製造することができ、例えば、熱媒体用管に冷却水を通して伝熱板及び冷却対象物を効率的に冷却できる。
また、前記流入攪拌工程では、前記流入攪拌用回転ツールの先端と、前記熱媒体用管に接する仮想鉛直面との最近接距離を1〜3mmに設定することが好ましい。また、前記流入攪拌工程では、前記流入攪拌用回転ツールの先端を、前記蓋溝の底面よりも深く挿入することが好ましい。かかる製造方法によれば、空隙部に塑性流動材を確実に流入させることができる。
また、前記流入攪拌工程の前に、前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合部に沿って摩擦攪拌接合を行う接合工程を含むことが好ましい。また、前記接合工程では、前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合部に沿って間欠的に摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、蓋板をベース部材に固定した状態で流入攪拌工程を行うことができるため、流入攪拌工程の作業性を高めることができる。
また、前記流入攪拌用回転ツールよりも小型の回転ツールを用いて前記接合工程を行うことが好ましい。かかる製造方法によれば、流入攪拌工程では深い部分まで塑性流動化することができるとともに、接合工程での摩擦攪拌接合における塑性化領域は小さくて済むので、接合作業が容易になる。
また、前記流入攪拌工程では、前記接合工程で形成された塑性化領域を、前記流入攪拌用回転ツールによって再攪拌することが好ましい。かかる製造方法によれば、蓋板を固定した状態で流入攪拌工程を行うことができるとともに、伝熱板に露出する塑性化領域を小さくすることができる。
また、前記ベース部材に開口する上蓋溝の底面に前記蓋溝を開口させておき、前記流入攪拌工程後に、前記上蓋溝に上蓋板を配置する上蓋溝閉塞工程と、前記上蓋溝の側壁と前記上蓋板の側面との突合部に沿って摩擦攪拌接合を行う上蓋接合工程と、をさらに含むことが好ましい。
かかる製造方法によれば、蓋板よりも幅広の上蓋板を用いてさらに摩擦攪拌接合を行うため、熱媒体用管を伝熱板のより深い位置に配置させることができる。
本発明に係る伝熱板の製造方法によれば、熱媒体用管の一部が湾曲している場合であっても、伝熱板を容易に製造することができるとともに、熱交換効率の高い伝熱板を提供することができる。
[第一実施形態]
本発明の最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、第一実施形態に係る伝熱板を示した斜視図である。図2は、第一実施形態に係る伝熱板を示した分解斜視図である。図3の(a)は、第一実施形態に係る伝熱板を示した分解断面図であり、(b)は、第一実施形態に係るベース部材に熱媒体用管と蓋板を配置した断面図である。図4は、第一実施形態に係る伝熱板を示した断面図である。なお、説明における上下左右前後は、特に断りのない限り図1の矢印に従う。
第一実施形態に係る伝熱板1は、図1乃至図4に示すように、表面3及び裏面4を有する厚板形状のベース部材2と、ベース部材2の蓋溝6に配置される蓋板10と、ベース部材2と蓋板10の間に挿入される熱媒体用管16とを主に備えている。熱媒体用管16は、平面視U字状を呈するように湾曲して形成されている。
ベース部材2と蓋板10は、図1及び図4に示すように、摩擦攪拌接合により生成された塑性化領域W1,W2によって一体形成されている。ここで、「塑性化領域」とは、回転ツールの摩擦熱によって加熱されて現に塑性化している状態と、回転ツールが通り過ぎて常温に戻った状態の両方を含むこととする。蓋板10の表面11には、前記の塑性化領域W1,W2よりも深く形成された塑性化領域W3,W4が形成されている。さらに、ベース部材2の裏面4には塑性化領域W5,W6が形成されている。
ベース部材2は、例えば、アルミニウム合金(JIS:A6061)で形成されている。ベース部材2は、熱媒体用管16に流れる熱媒体の熱を外部に伝達させる役割、あるいは、外部の熱を熱媒体用管16に流れる熱媒体に伝達させる役割を果たす。図3に示すように、ベース部材2の表面3には、蓋溝6が凹設されており、蓋溝6の底面6cには熱媒体用管16の一方側(下半部)を収容する第一凹溝8が凹設されている。
蓋溝6は、熱媒体用管16を覆う蓋板10が配置される部分であって、ベース部材2の長手方向に亘って連続して形成されている。蓋溝6は、断面視矩形を呈しており、蓋溝6の底面6cから垂直に立ち上がる側壁6a,6bを備えている。
第一凹溝8は、熱媒体用管16の下半部を収容する部分であって、平面視U字状を呈し、上方が開口するように断面視矩形に形成されている。第一凹溝8は、底面8cと、底面8cから垂直に立ち上がる立面8a,8bを備えている。
蓋板10は、図2及び図3に示すように、ベース部材2と同様のアルミニウム合金からなり、ベース部材2の蓋溝6の断面と略同じ矩形断面に形成されている。蓋板10は、表面(上面)11、裏面(下面)12、側面13a及び側面13bを有するとともに、両端面は、ベース部材2の両端面と面一になるように形成されている。蓋板10の裏面12には、平面視U字状を呈し、第一凹溝8に重ね合わされる位置に対応して第二凹溝15が形成されている。
第二凹溝15は、図3の(a)及び(b)に示すように、熱媒体用管16の他方側(上半部)を収容する部分であって、下方が開口するように断面視矩形に形成されている。第二凹溝15は、天面15cと天面15cから垂直に立ち下がる立面15a,15bを備えている。
蓋板10は、図3の(a)及び(b)に示すように、蓋溝6に挿入される。蓋板10の側面13a,13bは、蓋溝6の側壁6a,6bと面接触するか又は微細な隙間をあけて対向する。ここで、図3の(b)に示すように、側面13aと側壁6aとの突合せ部を「突合部V1」とし、側面13bと側壁6bとの突合せ部を「突合部V2」とする。
熱媒体用管16は、図2等に示すように、平面視U字状を呈する円筒管である。熱媒体用管16の材質は特に制限されるものではないが、本実施形態では銅製としている。熱媒体用管16は、中空部18に、例えば高温液、高温ガスなどの熱媒体を循環させて、ベース部材2及び蓋板10に熱を伝達させる部材、あるいは中空部18に、例えば冷却水、冷却ガスなどの熱媒体を循環させて、ベース部材2及び蓋板10から熱を伝達される部材である。なお、熱媒体用管16の中空部18に、例えばヒーターを通して、ヒーターから発生する熱をベース部材2及び蓋板10に伝達させる部材として利用してもよい。
図3の(b)に示すように、ベース部材2に蓋板10を配置すると、ベース部材2の第一凹溝8と蓋板10の第二凹溝15とが合わさり、断面視矩形の空間部Kが形成される。空間部Kには、熱媒体用管16が収容される。
ここで、第一凹溝8の深さは、熱媒体用管16の外径の1/2に形成されている。また、第一凹溝8の幅は、熱媒体用管16の外径の1.1倍となるように形成されている。一方、第二凹溝15の深さは、熱媒体用管16の半径の1.1倍に形成されている。また、第二凹溝15の幅は、熱媒体用管16の外径の1.1倍に形成されている。したがって、ベース部材2に熱媒体用管16及び蓋板10を配置すると、第一凹溝8と熱媒体用管16の下端は接触し、熱媒体用管16の左右端及び上端は、第一凹溝8及び第二凹溝15と微細な隙間をあけて離間する。言い換えると、空間部Kの幅及び高さは、熱媒体用管16の外径よりも大きく形成されている。
矩形断面の空間部K内に、円形断面の熱媒体用管16を挿入しているため、熱媒体用管16の周囲には、空隙部が形成される。例えば、図2に示すように、熱媒体用管16内を流れる媒体の流動方向を「Y」とすると、熱媒体用管16の周囲に形成される空隙部のうち、流動方向Yに対して左上側に形成される部分を「第一空隙部P1」とし、右上側に形成される部分を「第二空隙部P2」とし、左下側に形成される部分を「第三空隙部P3」とし、右下側に形成される部分を「第四空隙部P4」とする。
塑性化領域W1,W2は、図1及び図4に示すように、突合部V1,V2に摩擦攪拌接合を施した際に、ベース部材2及び蓋板10の一部が塑性流動して一体化された領域である。即ち、突合部V1,V2に沿って、後記する接合用回転ツール20(図5参照)を用いて摩擦攪拌接合を行うと、突合部V1,V2にかかるベース部材2及び蓋板10の金属材料が、接合用回転ツール20の摩擦熱により流動化して一体化されることで、ベース部材2と蓋板10が接合される。
塑性化領域W3,W4は、図1及び図4に示すように、蓋板10の表面11側から挿入した流入攪拌用回転ツール25(図5参照)を第二凹溝15に沿って移動させた際に形成されたものである。塑性化領域W3の一部は、熱媒体用管16の周囲に形成された第一空隙部P1に流入している。また、塑性化領域W4の一部は、熱媒体用管16の周囲に形成された第二空隙部P2に流入している。即ち、塑性化領域W3,W4は、蓋板10の一部が塑性流動して、第一空隙部P1及び第二空隙部P2にそれぞれ流入し、熱媒体用管16と接触している。
塑性化領域W5,W6は、ベース部材2の裏面4側から挿入した流入攪拌用回転ツール25を第一凹溝8に沿って移動させた際に形成されたものである。塑性化領域W5の一部は、熱媒体用管16の周囲に形成された第三空隙部P3に流入している。塑性化領域W6の一部は、熱媒体用管16の周囲に形成された第四空隙部P4に流入している。即ち、塑性化領域W5,W6は、ベース部材2の一部が塑性流動し、熱媒体用管16と接触している。
次に、伝熱板1の製造方法について、図5乃至図7を用いて説明する。図5は、第一実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、挿入工程、(b)は、蓋溝閉塞工程、(c)は、接合工程、(d)は、第一表面側流入攪拌工程を示した図である。図6は、第一実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、第二表面側流入攪拌工程、(b)は、第一裏面側流入攪拌工程、(c)は、第二裏面側流入攪拌工程を示した図である。図7は、第一実施形態に係る第一表面側流入攪拌工程を示した模式断面図である。
第一実施形態に係る伝熱板の製造方法は、ベース部材2及び蓋板10を形成するとともに、ベース部材2に熱媒体用管16及び蓋板10を配置する準備工程と、突合部V1,V2に沿って接合用回転ツール20を移動させて摩擦攪拌接合を行う接合工程と、蓋板10の表面11側及びベース部材2の裏面4側から流入攪拌用回転ツール25を移動させて第一空隙部P1〜第四空隙部P4に塑性流動材Qを流入させる流入攪拌工程とを含む。
(準備工程)
準備工程は、ベース部材2及び蓋板10を形成する切削工程と、ベース部材2に形成された第一凹溝8に熱媒体用管16を挿入する挿入工程と、蓋溝6に蓋板10を配置する蓋溝閉塞工程を含む。
切削工程では、図5の(a)に示すように、公知の切削加工により、厚板部材に蓋溝6を形成する。そして、蓋溝6の底面6cに、切削加工により断面視矩形を呈する第一凹溝8を形成する。これにより、蓋溝6と、蓋溝6の底面6cに開口された第一凹溝8を備えたベース部材2が形成される。
また、切削工程では、公知の切削加工により、板厚部材の裏面に断面視矩形を呈する第二凹溝15形成する。これにより、下方に開口する第二凹溝15を備えた蓋板10が形成される。
なお、第一実施形態においては、ベース部材2及び蓋板10を切削加工により形成したが、アルミニウム合金製の押出形材や鋳造品を用いてもよい。
挿入工程では、図5の(a)に示すように、第一凹溝8に熱媒体用管16を挿入する。このとき、熱媒体用管16の下半部は、第一凹溝8の底面8cと接触し、第一凹溝8の立面8a,8bとは微細な隙間をあけて離間する。
蓋溝閉塞工程では、図5の(b)に示すように、熱媒体用管16の上半部を蓋板10に形成された第二凹溝15に挿入しつつ、ベース部材2の蓋溝6内に蓋板10を配置する。このとき、熱媒体用管16と、蓋板10の裏面12に形成された第二凹溝15の両立面15a,15b及び天面15cとは微細な隙間をあけて離間する。また、蓋板10の表面11が、ベース部材2の表面3と面一になる。また、蓋溝6の側壁6a,6bと、蓋板10の側面13a,13bによって突合部V1,V2が形成される。
(接合工程)
次に、図5の(c)に示すように、突合部V1,V2に沿って、摩擦攪拌接合を行う。摩擦攪拌接合は、接合用回転ツール20(公知の回転ツール)を用いて行う。接合用回転ツール20は、例えば、工具鋼からなり、円柱形のツール本体21と、ツール本体21の底面22の中心部から同心軸で垂下するピン23とを有する。ピン23は、先端に向けて幅狭となるテーパ状に形成されている。なお、ピン23の周面には、その軸方向に沿って図示しない複数の小溝や径方向に沿ったネジ溝が形成されていてもよい。
摩擦攪拌接合は、ベース部材2及び蓋板10を図示しない治具により拘束した状態で、各突合部V1,V2に高速回転する接合用回転ツール20を押し込み、突合部V1,V2に沿って移動させる。高速回転するピン23により、その周囲のベース部材2及び蓋板10のアルミニウム合金材料は、摩擦熱によって加熱され流動化した後に冷却されて一体化する。
(流入攪拌工程)
流入攪拌工程では、ベース部材2、熱媒体用管16及び蓋板10からなる仮組構造体の表面及び裏面から流入攪拌用回転ツール25を移動させて第一空隙部P1〜第四空隙部P4に塑性流動材を流入させる。即ち、流入攪拌工程は、蓋板10の表面11で流入攪拌用回転ツール25を移動させて第一空隙部P1及び第二空隙部P2に塑性流動材Qを流入させる表面側流入攪拌工程と、ベース部材2の裏面4で流入攪拌用回転ツール25を移動させて第三空隙部P3及び第四空隙部P4に塑性流動材Qを流入させる裏面側流入攪拌工程を含むものである。
なお、表面側流入攪拌工程のうち、第一空隙部P1に塑性流動材Qを流入させる工程を第一表面側流入攪拌工程とし、第二空隙部P2に塑性流動材Qを流入させる工程を第二表面側流入攪拌工程とする。また、第三空隙部P3に塑性流動材Qを流入させる工程を第一裏面側流入攪拌工程とし、第四空隙部P4に塑性流動材Qを流入させる工程を第二裏面側流入攪拌工程とする。
第一表面側流入攪拌工程では、熱媒体用管16の流動方向Y(図2参照)に対して左上側に形成された第一空隙部P1に、摩擦攪拌によって流動化させた塑性流動材Qを流入させる。流入攪拌用回転ツール25は、例えば、工具鋼からなり、接合用回転ツール20と同等の形状を有しており、円柱形のツール本体26と、ツール本体26の底面27の中心部から同心軸で垂下するピン28とを有する。流入攪拌用回転ツール25は、接合用回転ツール20よりも大型のものが使用されている。
第一表面側流入攪拌工程では、蓋板10の表面11で、高速回転する流入攪拌用回転ツール25を押し込み、下方の第二凹溝15に沿って平面視U字状の軌跡となるように流入攪拌用回転ツール25を移動させる。流入攪拌用回転ツール25は、ツール本体26の底面27(ショルダ)の投影部分の一部が第一空隙部P1と重なるように移動させる。このとき、高速回転するピン28により、その周囲の蓋板10のアルミニウム合金材料は、摩擦熱によって加熱され流動化される。流入攪拌用回転ツール25が、所定の深さで押し込まれているため、塑性流動化された塑性流動材Qは、第一空隙部P1に流入し、熱媒体用管16と接触する。
ここで、図3の(b)に示すように、熱媒体用管16の左右端及び上端は、第一凹溝8及び第二凹溝15と微細な隙間をあけて配置されているが、塑性流動材Qが第一空隙部P1に流れ込むと、塑性流動材Qの熱が熱媒体用管16に奪われるため流動性が低下する。したがって、第一空隙部P1に流入した塑性流動材Qは、第二空隙部P2及び第三空隙部P3には流入せずに、第一空隙部P1に留まって充填され、硬化する。
第二表面側流入攪拌工程では、図6の(a)に示すように、熱媒体用管16の流動方向Y(図2参照)に対して右上側に形成された第二空隙部P2に摩擦攪拌によって流動化された塑性流動材Qを流入させる。第二表面側流入攪拌工程は、第二空隙部P2に行うことを除いては、第一表面側流入攪拌工程と同等であるため説明を省略する。なお、表面側流入攪拌工程が終了したら、ベース部材2の表面3に形成されたバリを切削除去して表面3を平滑にするのが好ましい。
裏面側流入攪拌工程では、図6の(b)に示すように、ベース部材2の表裏を逆にした後、裏面側流入攪拌工程を行う。即ち、裏面側流入攪拌工程では、ベース部材2の裏面4で第一凹溝8に沿って流入攪拌用回転ツール25を移動させて第三空隙部P3及び第四空隙部P4に摩擦熱によって流動化させた塑性流動材を流入させる。裏面側流入攪拌工程は、本実施形態では、第三空隙部P3に塑性流動材を流入させる第一裏面側流入攪拌工程と、第四空隙部P4に塑性流動材を流入させる第二裏面側流入攪拌工程を含む。
第一裏面側流入攪拌工程では、摩擦攪拌によって流動化させた塑性流動材Qを第三空隙部P3に流入させる。第一裏面側流入攪拌工程では、ベース部材2の裏面4で高速回転する流入攪拌用回転ツール25を押し込み、第一凹溝8に沿って平面視U字状の軌跡となるように流入攪拌用回転ツール25を移動させる。流入攪拌用回転ツール25は、ツール本体26の底面27(ショルダ)の投影部分の一部が熱媒体用管16の第三空隙部P3と重なるように移動させる。このとき、高速回転するピン28により、その周囲のベース部材2のアルミニウム合金材料は、摩擦熱によって加熱され流動化される。流入攪拌用回転ツール25が、所定の深さで押し込まれているため、塑性流動化された塑性流動材Qは、第三空隙部P3に流入し、熱媒体用管16と接触する。
第二裏面側流入攪拌工程では、図6の(c)に示すように、摩擦攪拌によって流動化された塑性流動材Qを第四空隙部P4に流入させる。第二裏面側流入攪拌工程は、第四空隙部P4に行うことを除いては、第一裏面側流入攪拌工程と同等であるため、説明を省略する。裏面側流入攪拌工程が終了したら、ベース部材2の裏面4に形成されたバリを切削除去して裏面4を平滑にするのが好ましい。
なお、表面側流入攪拌工程及び裏面側流入攪拌工程では、第一空隙部P1〜第四空隙部P4の形状や大きさ等に基づいて、流入攪拌用回転ツール25の押込み量及び挿入位置等を設定する。熱媒体用管16がつぶれない程度に、流入攪拌用回転ツール25を近づけて、第一空隙部P1〜第四空隙部P4に塑性流動材Qを隙間なく流入させることが好ましい。
例えば、図7に示すように、流入攪拌用回転ツール25のピン28の先端を、第二凹溝15の天面15cよりも深く挿入するとともに、流入攪拌用回転ツール25のピン28の先端と、熱媒体用管16に接する仮想鉛直面との最近接距離Lが1〜3mmであることが好ましい。これにより、熱媒体用管16を潰さない程度に第一空隙部P1に塑性流動材を確実に流入させることができる。最近接距離Lが1mmより小さいと、流入攪拌用回転ツール25が熱媒体用管16に近すぎて、熱媒体用管16が潰れる可能性がある。また、最近接距離Lが3mmより大きいと、第一空隙部P1に塑性流動材が流入しない可能性がある。
また、流入攪拌用回転ツール25の押込み量(押込み長さ)は、例えば第一表面側流入攪拌工程において、ツール本体26が押し退ける蓋板10(又はベース部材2)の金属の体積が、第一空隙部P1に充填される塑性流動化されたアルミニウム合金材料の体積、及び塑性化領域W3の幅方向両側に発生するバリの体積との和と同等になるような長さとなっている。
以上説明した伝熱板の製造方法によれば、ベース部材2に形成された第一凹溝8と、蓋板10の裏面12に形成された第二凹溝15からなる空間部Kにおいて、空間部Kの幅及び高さを熱媒体用管16の外径よりも大きく形成したため、熱媒体用管16の一部が湾曲している場合であっても、前記した挿入工程及び蓋溝閉塞工程を容易に行うことができる。
また、表面側流入攪拌工程及び裏面側流入攪拌工程により、熱媒体用管16の周囲に形成された第一空隙部P1〜第四空隙部P4に塑性流動材Qを流入させることで、当該空隙部を埋めることができるため、伝熱板1の熱交換効率を高めることができる。
また、本実施形態によれば、表面側流入攪拌工程の前に、比較的小さい接合用回転ツール20を用いて、蓋板10をベース部材2に接合しているので、表面側流入攪拌工程では、蓋板10が確実に固定された状態で摩擦攪拌を行うことができる。したがって、比較的大きい流入攪拌用回転ツール25を用いて大きい押込み力が作用する摩擦攪拌接合を、安定した状態で行うことができる。
なお、本実施形態では、接合工程の後に表面側流入攪拌工程を行っているが、表面側流入攪拌工程の後に接合工程を行うようにしてもよい。このとき、蓋板10を長手方向から図示しない治具を用いて固定しておけば、蓋板10の幅方向は、ベース部材2によって固定されているので、表面側流入攪拌工程における摩擦攪拌を、蓋板10が確実に固定された状態で行うことができる。
また、本実施形態では、接合工程において、突合部V1,V2の全長に亘って、摩擦攪拌接合を施しているが、これに限定されるものではなく、突合部V1,V2に沿って所定の間隔を隔てて摩擦攪拌接合を間欠的に行って、ベース部材2に蓋板10の仮付けを施すようにしてもよい。このような伝熱板の製造方法によれば、接合工程に要する手間と時間を低減しつつ、蓋板10を確実に固定した状態で表面側流入攪拌工程を行うことができるとともに、前記した作用効果と同様に、加工環境が良好で精度の高い伝熱板1を製造することができる。
また、本実施形態では、空間部Kの幅及び高さの両方を熱媒体用管16の外径よりも大きく形成しているが、少なくともいずれか一方を大きく形成すればよい。また、熱媒体用管16の断面形状は本実施形態では円形としているが、他の形状であってもよい。また、熱媒体用管16の平面視形状を本実施形態ではU字状としているが、例えば蛇行状や、円形状としてもよい。また、前記した第一凹溝8及び第二凹溝15の幅や深さ寸法はあくまで例示であって、本発明を限定するものではない。例えば、熱媒体用管16の平面視の形状が複雑になる場合は、それに伴って第一凹溝8及び第二凹溝15の幅や深さを適宜大きくしてもよい。また、本実施形態では、ベース部材2に熱媒体用管16及び蓋板10を配置するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、蓋板10の第二凹溝15に熱媒体用管16を挿入した後、蓋板10の上方からベース部材2を覆うように配置してもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係る伝熱板の製造方法は、裏面側流入攪拌工程を行っていない点、接合工程で形成された塑性化領域と表面側流入攪拌工程で形成された塑性化領域とが重複する点などで第一実施形態と相違する。
図8は、第二実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、切削工程、(b)は、蓋溝閉塞工程を示した図である。図9は、第二実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、接合工程、(b)は、第一表面側流入攪拌工程、(c)は、第二表面側流入攪拌工程を示す。また、具体的な図示はしないが、熱媒体用管16は、第一実施形態と同様に平面視U字状を呈するものとする。
第二実施形態に係る伝熱板の製造方法は、図8及び図9に示すように、ベース部材2及び蓋板10を形成するとともに、ベース部材2に熱媒体用管16及び蓋板10を配置する準備工程と、突合部V1,V2に沿って接合用回転ツール20を移動させて摩擦攪拌接合を行う接合工程と、蓋板10の表面11で、流入攪拌用回転ツール25を移動させて第一空隙部P1及び第二空隙部P2に塑性流動材Qを流入させる表面側流入攪拌工程を含むものである。
(準備工程)
準備工程は、ベース部材2及び蓋板10を形成する切削工程と、ベース部材2に形成された第一凹溝8に熱媒体用管16を挿入する挿入工程と、蓋溝6に蓋板10を配置する蓋溝閉塞工程を含む。
切削工程では、図8の(a)に示すように、公知の切削加工により、板厚部材に蓋溝6を形成する。そして、蓋溝6の底面6cに切削加工により上方が開口し断面時U字状を呈する第一凹溝38を形成する。第一凹溝38の底部37は円弧状に切り欠かれており、熱媒体用管16と同等の曲率で形成されている。第一凹溝38の深さは、熱媒体用管16の外径よりも小さく形成されており、第一凹溝38の幅は熱媒体用管16の外径と略同等に形成されている。
次に、公知の切削加工により、板厚部材の裏面に断面視矩形を呈する第二凹溝45を切り欠いて蓋板10を形成する。第二凹溝45の幅は、熱媒体用管16の外径と略同等に形成されている。また、第二凹溝45の深さは、図8の(b)に示すように、ベース部材2に熱媒体用管16及び蓋板10を挿入したときに、第二凹溝45の天面45cと熱媒体用管16とが微細な隙間をあけて離間するように形成されている。
挿入工程では、図8の(b)に示すように、第一凹溝38に熱媒体用管16を挿入する。このとき、熱媒体用管16の下半部は、第一凹溝38の底部37と面接触する。なお、熱媒体用管16の上端は、蓋溝6の底面6cよりも上方に位置する。
蓋溝閉塞工程では、図8の(b)に示すように、熱媒体用管16の上部を蓋板10に形成された第二凹溝45に挿入しつつ、ベース部材2の蓋溝6内に蓋板10を配置する。このとき、熱媒体用管16と、蓋板10の裏面12に形成された第二凹溝45の両立面45a,45b及び天面45cとは微細な隙間をあけて離間する。即ち、第一凹溝38と第二凹溝45とで形成された空間部K1の幅は、熱媒体用管16の外径と略同等に形成されており、空間部K1の高さHは、熱媒体用管16の外径よりも大きく形成されている。また、蓋板10の表面11は、ベース部材2の表面3と面一になる。
ここで、空間部K1において、熱媒体用管16の周囲に形成される空隙部のうち、流動方向Y(図2参照)に対して左上側に形成される部分を第一空隙部P1とし、右上に形成される部分を第二空隙部P2とする。
(接合工程)
次に、図9の(a)に示すように、突合部V1,V2に沿って接合用回転ツール20を用いて摩擦攪拌接合を行う。これにより、ベース部材2と蓋板10とを接合することができる。
(表面側流入攪拌工程)
次に、図9の(b)及び(c)に示すように、蓋板10の表面11側から第二凹溝45に沿って摩擦攪拌を行う。表面側流入攪拌工程は、本実施形態では、第一空隙部P1に塑性流動材Qを流入させる第一表面側流入攪拌工程と、第二空隙部P2に塑性流動材Qを流入させる第二表面側流入攪拌工程とを含む。
第一表面側流入攪拌工程では、蓋板10の表面11側から高速回転する流入攪拌用回転ツール25を押し込み、第二凹溝45に沿って平面視U字状を呈するように、流入攪拌用回転ツール25を移動させる。流入攪拌用回転ツール25は、ツール本体26の底面27(ショルダ)の投影部分の一部を第一空隙部P1と重ねるとともに、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域W3が塑性化領域W1,W2を含むように移動する。即ち、接合工程で形成された塑性化領域W1,W2上を、表面側流入攪拌工程において流入攪拌用回転ツール25が移動し、塑性化領域W1,W2が再攪拌されるようになっている。
このとき、高速回転するピン28により、その周囲の蓋板10及びベース部材2のアルミニウム合金材料は、摩擦熱によって加熱され流動化される。第二実施形態では、流入攪拌用回転ツール25の先端が、蓋溝6の底面6cよりも下方に位置するように押し込まれているため、塑性流動化された塑性流動材Qは、第一空隙部P1に確実に流入し熱媒体用管16と接触する。
ここで、図9の(b)に示すように、熱媒体用管16の上端は、第二凹溝45と微細な隙間をあけて配置されているが、塑性流動材Qが第一空隙部P1に流れ込むと、塑性流動材Qの熱が熱媒体用管16に奪われるため流動性が低下する。したがって、塑性流動材Qは、第二空隙部P2には流入せずに、第一空隙部P1に留まって充填され、硬化する。
第二表面側流入攪拌工程では、図9の(c)に示すように、熱媒体用管16の流動方向Y(図2参照)に対して右上側に形成された第二空隙部P2に摩擦攪拌によって流動化された塑性流動材Qを流入させる。第二表面側流入攪拌工程は、第二空隙部P2に行うことを除いては、第一表面側流入攪拌工程と同等であるため説明を省略する。
以上説明した伝熱板の製造方法によれば、ベース部材2に形成された第一凹溝38と、蓋板10の裏面12に形成された第二凹溝45からなる空間部K1において、空間部K1の高さを熱媒体用管16の外径よりも大きく形成したため、熱媒体用管16の一部が湾曲している場合であっても、蓋溝閉塞工程を容易に行うことができる。
また、表面側流入攪拌工程により、熱媒体用管16の周囲に形成された第一空隙部P1及び第二空隙部P2に塑性流動材Qを流入させることで、当該空隙部を埋めることができるため、伝熱板31の熱交換効率を高めることができる。
また、表面側流入攪拌工程で形成される塑性化領域W3の中に、接合工程で形成される塑性化領域W1,W2を含ませることで、伝熱板31の表面に露出する塑性化領域を小さくすることができる。
なお、本実施形態では、第一凹溝38の幅を熱媒体用管16の外径と略同等に形成したが、これに限定されるものではなく、第一凹溝38の幅を熱媒体用管16の外径よりも大きく形成してもよい。また、底部37の曲率を熱媒体用管16の曲率よりも小さくなるように形成してもよい。これにより、熱媒体用管16を挿入する挿入工程や、蓋板10を配置する蓋溝閉塞工程を容易に行うことができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態に係る伝熱板の製造方法は、第一凹溝58及び第二凹溝65が共に曲面で形成されている点で第一実施形態と相違する。図10は、第三実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、切削工程、(b)は、接合工程、(c)は、表面側流入攪拌工程を示す。具体的な図示はしないが、熱媒体用管16は、第一実施形態と同様に平面視U字状を呈するものとする。
第三実施形態に係る伝熱板の製造方法は、図10に示すように、ベース部材2及び蓋板60を形成するとともに、ベース部材2に熱媒体用管16及び蓋板10を配置する準備工程と、突合部V1,V2に沿って接合用回転ツール20を移動させて摩擦攪拌接合を行う接合工程と、蓋板60の表面61で、第二凹溝65に沿って流入攪拌用回転ツール25を移動させて熱媒体用管16の周囲に形成された第一空隙部P1及び第二空隙部P2に摩擦熱によって流動化させた塑性流動材を流入させる表面側流入攪拌工程を含むものである。
(準備工程)
準備工程は、ベース部材2及び蓋板60を形成する切削工程と、ベース部材2に形成された第一凹溝58に熱媒体用管16を挿入する挿入工程と、蓋溝6に蓋板60を配置する蓋溝閉塞工程を含む。
切削工程では、図10の(a)に示すように、ベース部材2に形成された蓋溝6の底面6cに第一凹溝58を形成する。第一凹溝58は、平面視U字状であって断面視半円形を呈する。第一凹溝58の半径は、熱媒体用管16の半径と同等に形成されている。
また、蓋板60の裏面62に第二凹溝65を形成する。第二凹溝65は、下方に向けて開口しており、開口部の幅は、熱媒体用管16の外径と略同等に形成されている。また、第二凹溝65の天面65cの曲率は、熱媒体用管16の曲率よりも大きくなるように形成されている。
挿入工程では、図10の(b)に示すように、第一凹溝58に熱媒体用管16の下半部を挿入する。熱媒体用管16の下半部は、第一凹溝58に面接触する。
蓋溝閉塞工程では、図10の(b)に示すように、熱媒体用管16の上半部を蓋板60に形成された第二凹溝65に挿入しつつ、蓋溝6に蓋板60を挿入する。第一凹溝58と第二凹溝65とを重ね合わせて形成された空間部K2の高さHは、熱媒体用管16の外径よりも大きくなるように形成されている。
ここで、熱媒体用管16の周囲に形成される空隙部のうち、流動方向Y(図2参照)に対して左上側に形成される部分を第一空隙部P1とし、右上側に形成される部分を第二空隙部P2とする。また、蓋板60の表面61が、ベース部材2の表面3と面一になる。
(接合工程)
次に、図10の(b)に示すように、接合用回転ツール20を用いて突合部V1,V2に沿って摩擦攪拌接合を行う。これにより、ベース部材2と蓋板60とを接合することができる。
(表面側流入攪拌工程)
次に、図10の(c)に示すように、蓋板60の表面61側から第二凹溝65に沿って摩擦攪拌を行う。表面側流入攪拌工程は、本実施形態では、第一空隙部P1に塑性流動材Qを流入させる第一表面側流入攪拌工程と、第二空隙部P2に塑性流動材Qを流入させる第二表面側流入攪拌工程とを含む。
第一表面側流入攪拌工程における摩擦攪拌では、蓋板60の表面61側から高速回転する流入攪拌用回転ツール25を押し込み、第二凹溝65に沿って平面視U字状を呈するように、流入攪拌用回転ツール25を移動させる。流入攪拌用回転ツール25は、ツール本体26の底面27(ショルダ)の投影部分の一部が第一空隙部P1と重なるように移動する。このとき、高速回転するピン28により、その周囲の蓋板60のアルミニウム合金材料は、摩擦熱によって加熱され流動化される。流入攪拌用回転ツール25は、所定の深さで押し込まれているため、塑性流動化された塑性流動材Qが第一空隙部P1に流入し熱媒体用管16と接触する。
第二表面側流入攪拌工程では、熱媒体用管16の流動方向Y(図2参照)に対して右上側に形成された第二空隙部P2に摩擦攪拌によって流動化された塑性流動材Qを流入させる。第二表面側流入攪拌工程は、第二空隙部P2に行うことを除いては、第一表面側流入攪拌工程と同等であるため、説明を省略する。表面側流入攪拌工程が終了したら、蓋板60の表面61に形成されたバリを切削除去して平滑にするのが好ましい。
以上説明した伝熱板の製造方法によれば、第一凹溝58及び第二凹溝65をともに曲面となるように形成したとしても、第一凹溝58と第二凹溝65とで形成される空間部K2の高さHを熱媒体用管16の外径よりも大きく形成しているため、熱媒体用管16の一部が湾曲している場合であっても、蓋溝閉塞工程を容易に行うことができる。
また、表面側流入攪拌工程により、熱媒体用管16の周囲に形成された第一空隙部P1及び第二空隙部P2に塑性流動材Qを流入させることで、当該空隙部を埋めることができるため、伝熱板51の熱交換効率を高めることができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態に係る伝熱板の製造方法は、前記した伝熱板1と略同等の構造を内包し、蓋板10の表面側にさらに上蓋板70を配置して、摩擦攪拌接合を施して接合した点で第一実施形態と相違する。図11は、第四実施形態に係る伝熱板を示した断面図であって、(a)は、分解図、(b)は、完成図である。なお、前記した伝熱板1と同等の構造を以下、下蓋部Mともいう。また、第一実施形態に係る伝熱板1と重複する部材については、同等の符号を付し、重複する説明は省略する。
第四実施形態に係る伝熱板81は、図11の(a)及び(b)に示すように、ベース部材82と、第一凹溝8及び第二凹溝15に挿入された熱媒体用管16と、蓋板10と、蓋板10の上側に配置された上蓋板70とを有し、塑性化領域W1〜W8で摩擦攪拌接合により一体化されている。
ベース部材82は、例えばアルミニウム合金からなり、ベース部材82の表面83に、長手方向に亘って形成された上蓋溝76と、上蓋溝76の底面76cに長手方向に亘って連続して形成された蓋溝6と、蓋溝6の底面に平面視U字状で断面視矩形に形成された第一凹溝8とを有する。上蓋溝76は、断面視矩形を呈し、底面76cから垂直に立ち上がる側壁76a,76bを備えている。上蓋溝76の幅は、蓋溝6の幅よりも大きく形成されている。上蓋溝76の底面76cは、塑性化領域W3,W4の生成後に、面削加工されて、塑性化領域W3,W4の表面(上面)と面一となっている。
熱媒体用管16は、第一凹溝8及び第二凹溝15で形成された空間部Kに挿入されている。また、蓋板10の表面11及びベース部材2の裏面84から摩擦攪拌が施されて、熱媒体用管16の周囲に形成された第一空隙部P1〜第四空隙部P4に塑性流動材が流入されている。即ち、ベース部材82の内部に形成された下蓋部Mは、第一実施形態に係る伝熱板1と略同等の構成を備えている。
上蓋板70は、図11の(a)及び(b)に示すように、例えば、アルミニウム合金からなり、上蓋溝76の断面と略同じ矩形断面に形成されている。上蓋板70は、上蓋溝76に配置される部材であって、表面71と、裏面72と、この裏面72から垂直に形成された側面73a及び側面73bとを有する。即ち、上蓋板70の側面73a,73bは、上蓋溝76の側壁76a,76bと面接触されるか又は微細な隙間をあけて配置されている。ここで、側面73aと側壁76aとの突合せ部を「突合部V7」とし、側面73bと側壁76bとの突合せ部を「突合部V8」とする。突合部V7,V8は、摩擦攪拌接合により、塑性化領域W7,W8で一体化されている。
伝熱板81の製造方法は、伝熱板1と同等の製造方法により、ベース部材82の下部に下蓋部Mを形成した後、上蓋板70を挿入する上蓋溝閉塞工程と、突合部V7,V8に沿って摩擦攪拌接合を行う上蓋接合工程を含むものである。
上蓋溝閉塞工程では、下蓋部Mを形成した後、上蓋溝76に上蓋板70を配置する。この際、上蓋溝76の底面76c、蓋板10及び塑性化領域W1〜W4の表面は、前記した接合工程及び表面側流入攪拌工程により平面状でない(凹凸がある)ので、上蓋溝76の底面76c、蓋板10及び塑性化領域W1〜W4の表面を削って平坦にする面削加工を施す。
上蓋接合工程は、突合部V7,V8に沿って接合用回転ツール(図示せず)を移動させて摩擦攪拌接合を行う。上蓋接合工程における接合用回転ツールの埋設深さは、ピンの長さ及び上蓋板70の厚み等の各種条件によって、適宜設定すればよい。
実施形態に係る伝熱板81によれば、下蓋部Mの上方にさらに上蓋板70を配置して、摩擦攪拌接合を行うことにより、より深い位置に熱媒体用管16を配置させることができる。
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態について説明する。第五実施形態に係る伝熱板の製造方法は、ベース部材に凹溝が形成されていない点で第一実施形態と相違する。
図12は、第五実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、切削工程及び挿入工程を示し、(b)は、蓋溝閉塞工程後に表裏を逆にした状態を示し、(c)は、表面側流入攪拌工程を示した図である。図13は、第五実施形態に係る伝熱板を示した断面図である。また、具体的な図示はしないが、熱媒体用管16は、第一実施形態と同様に平面視U字状を呈するものとする。
第五実施形態に係る伝熱板の製造方法は、図12及び図13に示すように、ベース部材132及び蓋板133を形成するとともに、蓋板133にベース部材132を配置する準備工程と、突合部V1,V2に沿って接合用回転ツール20(図5参照)を移動させて摩擦攪拌接合を行う接合工程と、蓋板133の表面137側及びベース部材132の裏面140側から流入攪拌用回転ツール25を移動させて第一空隙部P1〜第四空隙部P4に塑性流動材Qを流入させる流入攪拌工程とを含む。
(準備工程)
切削工程では、図12の(a)に示すように、公知の切削加工により、板厚部材に蓋溝134を切り欠いてベース部材132を形成する。蓋溝134は、蓋板133が挿入されるように蓋板133の断面形状と略同等に形成する。
また、切削工程では、板厚部材に断面視矩形であってベース部材132に向けて開口する第二凹溝135を切り欠いて蓋板133を形成する。第二凹溝135の深さ及び幅は、熱媒体用管16よりも大きく形成されている。
挿入工程では、図12の(a)に示すように、蓋板133の第二凹溝135に熱媒体用管16を挿入する。
蓋溝閉塞工程では、図12の(a)及び(b)に示すように、蓋板133の上方からベース部材132を挿入するとともに、ベース部材132、蓋板133及び熱媒体用管16からなる仮組構造体の表裏を逆にする。第二凹溝135と蓋溝134の底面134cとで形成された空間部Kには熱媒体用管16が挿入されている。この際、図12の(b)に示すように、熱媒体用管16の下端は、蓋溝134の底面134cと接触し、上端は、第二凹溝135の天面135cと離間する。また、熱媒体用管16の左右端は、第二凹溝135の立面135a,135bと離間する。
なお、ベース部材132の蓋溝134の側壁134a,134bと、蓋板133の側面133a,133bによって突合部V1,V2が形成される。
(接合工程)
接合工程では、図12の(b)及び(c)に示すように、突合部V1,V2に沿って接合用回転ツール20(図5参照)を用いて摩擦攪拌接合を行う。接合工程については、前記した第一実施形態の接合工程と同様であるため詳細な説明を省略する。
(流入攪拌工程)
流入攪拌工程では、ベース部材132、熱媒体用管16及び蓋板133からなる仮組構造体の表面及び裏面から流入攪拌用回転ツール25を移動させて第一空隙部P1〜第四空隙部P4に塑性流動材Qを流入させる。
流入攪拌工程については第一実施形態に係る流入攪拌工程と略同等であるため詳細な説明を省略する。図13に示すように、流入攪拌工程を行うことにより、伝熱板145が形成される。
以上説明した第五実施形態に係る製造方法によれば、蓋溝134に凹溝を設けず、蓋板133のみに第二凹溝135を設ける場合であっても、第二凹溝135の幅及び深さを熱媒体用管16の外径より大きく形成することで、第一実施形態と略同等の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、前記したように伝熱板145を形成したが、これに限定されるものではない。例えば、ベース部材132の蓋溝134を上方に向けた状態で、蓋溝134の底面134cに熱媒体用管16を配置した後に、蓋板133に形成された第二凹溝135に熱媒体用管16を挿入しつつ、蓋板133を配置してもよい。
また、第二凹溝135は、本実施形態では断面視矩形に形成したが、これに限定されるものではなく曲面を含むように形成してもよい。また、流入攪拌工程は、ベース部材132、熱媒体用管16及び蓋板133からなる仮組構造体の表面及び裏面から行ったが、空間部Kと熱媒体用管16の形状によってはいずれか一方から行うだけでもよい。
[第六実施形態]
次に、本発明の第六実施形態について説明する。第六実施形態に係る伝熱板の製造方法は、第五実施形態に係る伝熱板145(図13参照)と略同等の構造を内包し、蓋板133の表面137側にさらに上蓋板70を配置して、摩擦攪拌接合を施して接合した点で第五実施形態と相違する。図14は、第六実施形態に係る伝熱板を示した断面図である。
第六実施形態に係る伝熱板150は、ベース部材132と、蓋板133と、蓋板133の第二凹溝135に挿入された熱媒体用管16と、蓋板133の上側に配置された上蓋板70とを有し、塑性化領域W1〜W8で摩擦攪拌接合により一体化されている。
ベース部材132は、蓋板133を収容する蓋溝134の上方にさらに、上蓋溝76を備えている。上蓋溝76には、上蓋溝76と略同等の断面形状からなる上蓋板70が配置されている。上蓋溝76の側壁と上蓋板70との側面との突合部V7,V8は摩擦攪拌接合により一体化されている。
第六実施形態に係る伝熱板150は、第五実施形態に係る伝熱板145の構成を内包する点を除いては、第四実施形態と略同等であるため詳細な説明を省略する。第六実施形態によれば、熱媒体用管16をより深い位置に配置することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これに限定されるものではなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更が可能である。例えば、前記した実施形態では、熱媒体用管16の一部を湾曲させたものを用いたが、直線状のものを用いてもよい。また例えば、前記した実施形態では、流入攪拌工程で使用する流入攪拌用回転ツール25を接合工程で使用する接合用回転ツール20よりも大型のものとしているが、接合工程で流入攪拌用回転ツール25を使用するようにしてもよい。このようにすれば、各工程で使用する回転ツールを統一することができ、回転ツールの交換時間を省略することができ、施工時間を短縮できる。
第一実施形態に係る伝熱板を示した斜視図である。 第一実施形態に係る伝熱板を示した分解斜視図である。 (a)は、第一実施形態に係る伝熱板を示した分解断面図であり、(b)は、第一実施形態に係るベース部材に熱媒体用管と蓋板を配置した断面図である。 第一実施形態に係る伝熱板を示した断面図である。 第一実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、挿入工程、(b)は、蓋溝閉塞工程、(c)は、接合工程、(d)は、第一表面側流入攪拌工程を示した図である。 第一実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、第二表面側流入攪拌工程、(b)は、第一裏面側流入攪拌工程、(c)は、第二裏面側流入攪拌工程を示した図である。 第一実施形態に係る第一表面側流入攪拌工程を示した模式断面図である。 第二実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、切削工程、(b)は、蓋溝閉塞工程を示した図である。 第二実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、接合工程、(b)は、第一表面側流入攪拌工程、(c)は、第二表面側流入攪拌工程を示す。 第三実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、切削工程、(b)は、接合工程、(c)は、表面側流入攪拌工程を示す。 第四実施形態に係る伝熱板を示した断面図であって、(a)は、分解図、(b)は、完成図である。 第五実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した断面図であって、(a)は、切削工程及び挿入工程を示し、(b)は、蓋溝閉塞工程後に表裏を逆にした状態を示し、(c)は、表面側流入攪拌工程を示した図である。 第五実施形態に係る伝熱板を示した断面図である。 第六実施形態に係る伝熱板を示した断面図である。 特許文献1に係る伝熱板を示した図であって、(a)は、斜視図、(b)は断面図である。
1 伝熱板
2 ベース部材
6 蓋溝
6a (蓋溝の)側壁
6b (蓋溝の)側壁
6c (蓋溝の)底面
8 第一凹溝
10 蓋板
11 (蓋板の)表面
12 (蓋板の)裏面
13a (蓋板の)側面
13b (蓋板の)側面
15 第二凹溝
16 熱媒体用管
20 接合用回転ツール
25 流入攪拌用回転ツール
70 上蓋板
73a (上蓋板の)側面
73b (上蓋板の)側面
76 上蓋溝
76a (上蓋溝の)側壁
76b (上蓋溝の)側壁
81 伝熱板
82 ベース部材
K 空間部
P 空隙部
Q 塑性流動材
V 突合部
W 塑性化領域

Claims (9)

  1. 蓋溝の底面に凹溝が形成されたベース部材と裏面に凹溝が形成された蓋板とを、前記凹溝同士で中空の空間部が形成されるように重ね合わせるとともに、前記空間部に熱媒体用管を挿入する準備工程と、
    前記準備工程で形成された仮組構造体の表面及び裏面の少なくとも一方の面から挿入した流入攪拌用回転ツールを前記空間部に沿って移動させ、前記熱媒体用管の周囲に形成された空隙部に摩擦熱によって流動化させた塑性流動材を流入させる流入攪拌工程と、を含み、
    前記空間部の幅及び高さの少なくとも一方が、前記熱媒体用管の外径よりも大きいことを特徴とする伝熱板の製造方法。
  2. 蓋溝が形成されたベース部材と裏面に凹溝が形成された蓋板とを、前記蓋溝の底面と前記凹溝とで中空の空間部が形成されるように重ね合わせるとともに、前記空間部に熱媒体用管を挿入する準備工程と、
    前記準備工程で形成された仮組構造体の表面及び裏面の少なくとも一方の面から挿入した流入攪拌用回転ツールを前記空間部に沿って移動させ、前記熱媒体用管の周囲に形成された空隙部に摩擦熱によって流動化させた塑性流動材を流入させる流入攪拌工程と、を含み、
    前記空間部の幅及び高さの少なくとも一方が、前記熱媒体用管の外径よりも大きいことを特徴とする伝熱板の製造方法。
  3. 前記流入攪拌工程では、前記流入攪拌用回転ツールの先端と、前記熱媒体用管に接する仮想鉛直面との最近接距離を1〜3mmに設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伝熱板の製造方法。
  4. 前記流入攪拌工程では、前記流入攪拌用回転ツールの先端を、前記蓋溝の底面よりも深く挿入することを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  5. 前記流入攪拌工程の前に、前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合部に沿って摩擦攪拌接合を行う接合工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  6. 前記接合工程では、前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合部に沿って間欠的に摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項5に記載の伝熱板の製造方法。
  7. 前記流入攪拌用回転ツールよりも小型の回転ツールを用いて前記接合工程を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の伝熱板の製造方法。
  8. 前記流入攪拌工程では、前記接合工程にて形成された塑性化領域を、前記流入攪拌用回転ツールによって再攪拌することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  9. 前記ベース部材に開口する上蓋溝の底面に前記蓋溝を開口させておき、
    前記流入攪拌工程後に、前記上蓋溝に上蓋板を配置する上蓋溝閉塞工程と、
    前記上蓋溝の側壁と前記上蓋板の側面との突合部に沿って摩擦攪拌接合を行う上蓋接合工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
JP2008259396A 2008-10-06 2008-10-06 伝熱板の製造方法 Active JP5141487B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008259396A JP5141487B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 伝熱板の製造方法
KR1020117010225A KR101249186B1 (ko) 2008-10-06 2009-09-04 전열판 제조 방법
CN200980138293.7A CN102159357B (zh) 2008-10-06 2009-09-04 传热板的制造方法
PCT/JP2009/065474 WO2010041529A1 (ja) 2008-10-06 2009-09-04 伝熱板の製造方法
CN201310548745.7A CN103624396B (zh) 2008-10-06 2009-09-04 传热板的制造方法
TW098130493A TWI402477B (zh) 2008-10-06 2009-09-10 Manufacture of heat transfer plates

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008259396A JP5141487B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 伝熱板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010089102A true JP2010089102A (ja) 2010-04-22
JP5141487B2 JP5141487B2 (ja) 2013-02-13

Family

ID=42252328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008259396A Active JP5141487B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 伝熱板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5141487B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013158831A (ja) * 2012-02-09 2013-08-19 Furukawa-Sky Aluminum Corp 被加工部材の加工方法
JP2015080787A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 日本軽金属株式会社 伝熱板の製造方法
WO2015060007A1 (ja) * 2013-10-21 2015-04-30 日本軽金属株式会社 伝熱板の製造方法及び接合方法
JP2015104750A (ja) * 2013-12-02 2015-06-08 日本軽金属株式会社 伝熱板の製造方法
US10335894B2 (en) 2014-01-27 2019-07-02 Nippon Light Metal Company, Ltd. Joining method
CN110440474A (zh) * 2019-07-23 2019-11-12 中船重工鹏力(南京)超低温技术有限公司 高比热推移活塞及其制备方法及蓄冷式制冷机

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013158831A (ja) * 2012-02-09 2013-08-19 Furukawa-Sky Aluminum Corp 被加工部材の加工方法
JP2015080787A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 日本軽金属株式会社 伝熱板の製造方法
WO2015060007A1 (ja) * 2013-10-21 2015-04-30 日本軽金属株式会社 伝熱板の製造方法及び接合方法
KR20160050082A (ko) * 2013-10-21 2016-05-10 니폰게이긴조쿠가부시키가이샤 전열판의 제조 방법 및 접합 방법
TWI579085B (zh) * 2013-10-21 2017-04-21 Nippon Light Metal Co The method of manufacturing heat transfer plate and the joining method thereof
KR101881679B1 (ko) * 2013-10-21 2018-07-24 니폰게이긴조쿠가부시키가이샤 전열판의 제조 방법
JP2015104750A (ja) * 2013-12-02 2015-06-08 日本軽金属株式会社 伝熱板の製造方法
US10335894B2 (en) 2014-01-27 2019-07-02 Nippon Light Metal Company, Ltd. Joining method
CN110440474A (zh) * 2019-07-23 2019-11-12 中船重工鹏力(南京)超低温技术有限公司 高比热推移活塞及其制备方法及蓄冷式制冷机

Also Published As

Publication number Publication date
JP5141487B2 (ja) 2013-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4962423B2 (ja) 伝熱板の製造方法
JP5163419B2 (ja) 伝熱板の製造方法
JP5141487B2 (ja) 伝熱板の製造方法
WO2010041529A1 (ja) 伝熱板の製造方法
JP6489219B2 (ja) 接合方法、液冷ジャケットの製造方法及び液冷ジャケット
KR20100016504A (ko) 전열판의 제조 방법 및 전열판
JP5440676B2 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
WO2009142070A1 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
JP5195098B2 (ja) 伝熱板の製造方法
TWI402476B (zh) The method of manufacturing the heat transfer plate and the heat conducting plate
JP5071132B2 (ja) 伝熱板の製造方法
JP2019141886A (ja) 液冷ジャケットの製造方法
JP2010140951A (ja) 液冷ジャケットの製造方法および摩擦攪拌接合方法
JP4888422B2 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
JP6885285B2 (ja) 液冷ジャケットの製造方法
JP5071144B2 (ja) 伝熱板の製造方法
JP6617834B2 (ja) 伝熱板の製造方法
JP6365752B2 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
JP5071274B2 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
KR20130068260A (ko) 마찰교반접합에 의한 모터케이스의 용접 방법 및 그에 의해 형성된 모터케이스
JP6201882B2 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
JP5071249B2 (ja) 伝熱板の製造方法および伝熱板
JP5125760B2 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
JP2017042782A (ja) 熱交換器の製造方法
WO2021171637A1 (ja) 熱交換器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5141487

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350