[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図10を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について図1を用いて説明する。
本実施形態による半導体装置は、メモリセルの構造がプレーナ型になっているものである。
図1に示すように、半導体基板10には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板が用いられている。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、例えばP型のウェル14が形成されている。
ウェル14が形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極(ワード線)18が形成されている。ゲート電極18の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン拡散層22が形成されている。
ゲート電極18の上部及びソース/ドレイン拡散層22上には、それぞれシリサイド層24a、24bが形成されている。ソース/ドレイン拡散層22上のシリサイド層24bは、ソース/ドレイン電極として機能する。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成されている。
トランジスタ26が形成された半導体基板10上には、絶縁膜(酸化防止絶縁膜)28が形成されている。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜(SiON膜)が用いられている。
絶縁膜28が形成された半導体基板10上には、層間絶縁膜30が形成されている。半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの厚さは、例えば785nmとする。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜30の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜30及び絶縁膜28には、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32が形成されている。
コンタクトホール32内には、密着膜34が形成されている。密着膜34としては、例えばTi膜とTiN膜とが順次積層された積層膜が用いられている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nmとする。
密着膜34が形成されたコンタクトホール32内には、導体プラグ36が埋め込まれている。導体プラグ36の材料としては、例えばタングステン(W)が用いられている。
導体プラグ36が埋め込まれた層間絶縁膜30上には、例えばシリコン窒化酸化膜38が形成されている。シリコン窒化酸化膜38の膜厚は、例えば100nmとする。
シリコン窒化酸化膜38上には、例えばシリコン酸化膜40が形成されている。シリコン酸化膜40の膜厚は、例えば130nmとする。
シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40とにより層間絶縁膜42が形成されている。層間絶縁膜42は、層間絶縁膜30に導体プラグ36を埋め込んだ後に、導体プラグ36の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、層間絶縁膜42として、シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜を形成する場合を例に説明したが、かかる層間絶縁膜42はシリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜に限定されるものではない。例えば、層間絶縁膜42として、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
層間絶縁膜42上には、密着膜43が形成されている。密着膜43は後述する下部電極48の下地に対する密着性を確保するためのものである。密着膜43としては、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)膜が用いられている。密着膜43の膜厚は、例えば20nmとする。
密着膜43上には、導電膜44が形成されている。導電膜44としては、貴金属膜が用いられている。より具体的には、導電膜44として、例えばプラチナ(Pt)膜が用いられている。導電膜44の膜厚は、例えば150nmとする。
なお、ここでは、導電膜44として、プラチナ膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜44はプラチナ膜に限定されるものではない。導電膜44として、例えば、ロジウム膜、オスミウム膜、パラジウム膜等を用いてもよい。また、これらの積層膜により導電膜44を形成してもよい。
導電膜44上には、導電膜46が形成されている。導電膜46は、貴金属膜である。導電膜46に含まれる貴金属と導電膜44に含まれる貴金属とは、同じ元素であることが好ましい。後述するように、導電膜44上に成膜する段階では、非晶質(アモルファス状態)の貴金属酸化物膜45を形成する(図3(c)参照)。非晶質の貴金属酸化物膜45は、後工程における熱処理等により還元され、貴金属膜46となる。貴金属酸化物膜45に含まれる貴金属と導電膜44に含まれる貴金属とが同じ元素である場合には、導電膜46と導電膜44とは区別し得ない場合もある。また、導電膜46は非晶質の貴金属酸化物膜45が還元されたものであるため、導電膜46の結晶粒径が導電膜44の結晶粒径より小さくなっている場合もある。非晶質の貴金属酸化物膜45を形成する際に例えば酸化プラチナ膜(PtOX膜)を形成した場合には、後工程における熱処理等において酸化プラチナ膜が還元されてプラチナ膜となり、プラチナ膜である導電膜46が形成される。
なお、ここでは、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成する段階で酸化プラチナ膜を形成し、プラチナ膜により導電膜46が形成される場合を例に説明したが、導電膜46はプラチナ膜に限定されるものではない。例えば、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質の酸化ロジウム膜を形成した場合には、後工程における熱処理等により酸化ロジウム膜が還元されてロジウム膜となり、ロジウム膜である導電膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質の酸化オスミウム膜を形成した場合には、後工程における熱処理等により酸化オスミウム膜が還元されてオスミウム膜となり、オスミウム膜である導電膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質の酸化パラジウム膜を形成した場合には、後工程における熱処理等により酸化パラジウム膜が還元されてパラジウム膜となり、パラジウム膜である導電膜46が形成される。このように、非晶質の貴金属酸化物膜45は、酸化ロジウム膜、酸化オスミウム膜、酸化パラジウム膜等でもよく、非晶質の貴金属酸化物膜45が還元されたものである導電膜46は、ロジウム膜、オスミウム膜、パラジウム膜等でもよい。
こうして、導電膜44と導電膜46とによりキャパシタ62の下部電極48が形成されている。
下部電極48上には、強誘電体膜50が形成されている。強誘電体膜50は、例えばスパッタリング法又はゾル・ゲル法により形成されたものである。強誘電体膜50としては、例えばPbZrXTi1−XO3膜(0≦X≦1)(PZT膜)が用いられている。PZT膜は、ペロブスカイト構造の強誘電体膜である。強誘電体膜50の膜厚は、例えば100nmとする。強誘電体膜50は、後述する熱処理等により結晶化されている。
なお、ここでは、強誘電体膜50としてPZT膜を用いる場合を例に説明したが、強誘電体膜50はPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜50の材料として用いてもよい。また、強誘電体膜50として、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜50としては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を用いることができる。
強誘電体膜50上には、強誘電体膜52が形成されている。強誘電体膜52は、例えば高周波スパッタ法等により形成されたものである。強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50の材料と同じであることが好ましい。強誘電体膜52としては、例えばPbZrXTi1−XO3膜(PZT膜)(0≦X≦1)が用いられている。強誘電体膜52の膜厚は、例えば10〜30nmとする。強誘電体膜52は、後述する熱処理等により結晶化されている。
なお、ここでは、強誘電体膜52としてPZT膜を用いる場合を例に説明したが、強誘電体膜52はPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜52の材料として用いてもよい。また、強誘電体膜52として、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜52としては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を用いることができる。なお、上述したように、強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50の材料と同じであることが好ましい。
こうして、強誘電体膜50と強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54が形成されている。
キャパシタ誘電体膜54上には、導電膜56が形成されている。導電膜56は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。導電膜56は、熱処理等により結晶化されている。導電膜56としては、例えば酸化イリジウム膜が用いられている。導電膜56の膜厚は、例えば10〜100nm程度とする。ここでは、導電膜56の膜厚を例えば50nmとする。
導電膜56上には、導電膜58が形成されている。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム膜58が用いられている。導電膜58は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。導電膜58の膜厚は、例えば200nm程度とする。導電膜58は、キャパシタ62を形成した後に行われるエッチング等によりキャパシタ誘電体膜54にダメージが加わるのを防止するためのものである。
導電膜56と導電膜58とによりキャパシタ62の上部電極60が形成されている。
こうして、下部電極48とキャパシタ誘電体膜54と上部電極60とを有するキャパシタ62が形成されている。
キャパシタ62上には、キャパシタ誘電体膜54と上部電極60を覆うように保護膜(水素拡散防止膜)64が形成されている。保護膜64は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54が還元されるのを防止するためのものである。保護膜64としては、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。保護膜64の膜厚は、例えば20〜50nm程度とする。
保護膜64が形成されたキャパシタ62上及び層間絶縁膜42上には、保護膜(水素拡散防止膜)66が形成されている。保護膜66は、保護膜64と相俟って、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54が還元されるのを防止するためのものである。保護膜66としては、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。保護膜66の膜厚は、例えば20nm程度とする。
保護膜66上には、層間絶縁膜68が形成されている。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1.4μm程度とする。層間絶縁膜68の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜68上には、保護膜(水素拡散防止膜)70が形成されている。保護膜70としては、例えば酸化アルミニウムが用いられている。保護膜70の膜厚は、例えば膜厚20〜50nm程度とする。保護膜70は、保護膜64,66と同様に、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54が還元されるのを防止するためのものである。平坦化された層間絶縁膜68上に保護膜70を形成するため、保護膜70は平坦に形成されている。
保護膜70上には、層間絶縁膜72が形成されている。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば300nm程度とする。
層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び保護膜64には、キャパシタ62の下部電極48に達するコンタクトホール74aが形成されている。
また、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び保護膜64には、キャパシタ62の上部電極60に達するコンタクトホール74bが形成されている。
また、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び層間絶縁膜42には、導体プラグ36に達するコンタクトホール76が形成されている。
コンタクトホール74a、74b、76内には、密着膜78が形成されている。密着膜78としては、例えばTiN膜が用いられている。密着膜78の膜厚は、例えば50〜150nm程度とする。
なお、ここでは、密着膜78としてTiN膜を用いる場合を例に説明したが、密着膜78はTiN膜に限定されるものではない。例えば、密着膜78として、TaN膜、CrN膜、HfN膜、ZrN膜、TiAlN膜、TaAlN膜、TiSiN膜、TaSiN膜、CrAlN膜、HfAlN膜、ZrAlN膜、TiON膜、TaON膜、CrON膜、HfON膜、ZrON膜、TiAlON膜、TaAlON膜、CrAlON膜、HfAlON膜、ZrAlON膜、TiSiON膜、TaSiON膜、Ir膜、Ru膜、IrOX膜、RuOX膜等を用いてもよい。また、Ti膜とTiN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78として用いてもよい。また、Ti膜とTaN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78として用いてもよい。また、Ta膜とTiN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78として用いてもよい。また、Ta膜とTaN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78として用いてもよい。
密着膜78が形成されたコンタクトホール74a、74b、76内には、導体プラグ80a〜80cが埋め込まれている。導体プラグ80a〜80cの材料としては、例えばタングステンが用いられている。
なお、ここでは、導体プラグ80a〜80cの材料としてタングステンを用いる場合を例に説明したが、導体プラグ80a〜80cの材料はタングステンに限定されるものではない。例えば、導体プラグ80a〜80cの材料として、銅(Cu)等を用いてもよい。また、タングステン膜と銅膜との積層膜により導体プラグ80a〜80cを形成してもよい。また、タングステン膜とポリシリコン膜との積層膜により導体プラグ80a〜80cを形成してもよい。
導体プラグ80a〜80cが埋め込まれた層間絶縁膜72上には、配線90が形成されている。配線90は、例えば、TiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより形成されている。TiN膜82の膜厚は、例えば50nmとする。AlCu合金膜84の膜厚は、例えば膜厚550nmとする。Ti膜86の膜厚は、例えば5nmとする。TiN膜88の膜厚は、例えば膜厚50nmとする。
配線90が形成された層間絶縁膜72上には、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等が複数層に亘って形成されている。
こうして、本実施形態による半導体装置が形成されている。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図2乃至図10を用いて説明する。図2乃至図10は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、半導体基板10に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板を用いる。なお、素子分離領域12の形成方法はSTI法に限定されるものではない。例えばLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法により素子分離領域12を形成してもよい。
次に、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14を形成する。ドーパント不純物としては、例えばP型のドーパント不純物を用いる。P型のドーパント不純物としては、例えばボロン(B)を用いる。ドーパント不純物としてP型のドーパント不純物を用いた場合には、P型のウェル14が形成される。
次に、例えば熱酸化法により、素子領域上にゲート絶縁膜16を形成する。ゲート絶縁膜16の膜厚は、例えば6〜7nm程度とする。
次に、例えばCVD法により、ポリシリコン膜18を形成する。ポリシリコン膜18の膜厚は、例えば200nm程度とする。ポリシリコン膜18は、ゲート電極(ワード線)となるものである。
なお、ここでは、ゲート電極となる膜としてポリシリコン膜18を形成する場合を例に説明したが、ゲート電極となる膜は、ポリシリコン膜に限定されるものではない。例えば、ゲート電極となる膜として、アモルファスシリコン膜とタングステンシリサイド膜との積層膜等を形成してもよい。アモルファスシリコン膜とタングステンシリサイド膜との積層膜等を形成する場合には、アモルファスシリコン膜の膜厚は例えば50nm程度とし、タングステンシリサイド膜の膜厚は例えば150nm程度とする。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜18をパターニングする。こうして、ポリシリコン膜によりゲート電極(ワード線)18が形成される。
次に、ゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えばリン(P)を用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの浅い領域を構成するエクステンション領域(図示せず)が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、絶縁膜を形成する。絶縁膜としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。絶縁膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、絶縁膜を異方性エッチングする。こうして、ゲート電極18の側壁部分に、絶縁膜によりサイドウォール絶縁膜20が形成される。
次に、サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えば砒素(As)を用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの深い領域を構成する不純物拡散層(図示せず)が形成される。エクステンション領域と深い不純物拡散層とによりソース/ドレイン拡散層22が形成される。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、高融点金属膜(図示せず)を形成する。高融点金属膜としては、例えばコバルト膜を形成する。
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10の表層部と高融点金属膜とを反応させるとともに、ゲート電極18の上部と高融点金属膜とを反応させる。
次に、例えばウエットエッチングにより、未反応の高融点金属膜をエッチング除去する。
こうして、ソース/ドレイン拡散層22上に、例えばコバルトシリサイドのソース/ドレイン電極24bが形成される。また、ゲート電極18の上部に、例えばコバルトシリサイドのシリサイド層24aが形成される。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成される。
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、絶縁膜(酸化防止膜)28を形成する。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜を形成する。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。
次に、全面に、層間絶縁膜30を形成する。層間絶縁膜30は、例えば、TEOS(Tetra Ethoxy Silane)ガスを用いたプラズマCVD法、即ち、プラズマTEOSCVD法により形成する。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜30の膜厚は、例えば1μmとする。
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、層間絶縁膜30の表面を平坦化する。こうして、半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの高さは、例えば785nm程度となる(図2(b)参照)。
次に、図2(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32を形成する。コンタクトホール32の径は、例えば0.25μmとする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば30nm程度とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、TiN膜を形成する。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nm程度とする。
こうして、Ti膜とTiN膜とにより密着膜34が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜36を形成する。導電膜36としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜36の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面が露出するまで導電膜36及び密着膜34を研磨する。こうして、コンタクトホール32内に、例えばタングステンの導体プラグ36が埋め込まれる(図3(a)参照)。
次に、図3(b)に示すように、全面に、例えばプラズマCVD法により、シリコン窒化酸化膜38を形成する。シリコン窒化酸化膜38の膜厚は、例えば100nmとする。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、シリコン酸化膜40を形成する。シリコン酸化膜40の膜厚は、例えば130nmとする。
シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40とにより層間絶縁膜42が形成される。層間絶縁膜42は、層間絶縁膜30に導体プラグ36を埋め込んだ後に、導体プラグ36の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、層間絶縁膜42として、シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜を形成する場合を例に説明したが、かかる層間絶縁膜42はシリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜に限定されるものではない。例えば、酸化防止膜42として、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜を形成してもよい。
次に、例えば窒素雰囲気中にて、熱処理を行う。かかる熱処理は、層間絶縁膜42中に含まれているガスを層間絶縁膜42中から放出するためのものである(脱ガス)。熱処理を行う際の基板温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば30分とする。
次に、図3(b)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により密着膜43を形成する。密着膜43は、後述する下部電極48の下地に対する密着性を確保するためのものである。密着膜43としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。密着膜43の膜厚は、例えば20nmとする。
次に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。
次に、図3(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、貴金属膜(導電膜)44を形成する。導電膜44は、キャパシタ62の下部電極48の一部となるものである。導電膜44としては、例えばプラチナ膜を形成する。導電膜44の膜厚は、例えば150nm程度とする。導電膜44を形成する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば350℃とする。成膜室内に導入するガスとしては、例えばArガスを用いる。成膜室内の圧力は、例えば1Paとする。印加電力は、例えば0.3kWとする。
なお、ここでは、導電膜44として、プラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、導電膜44はプラチナ膜に限定されるものではない。導電膜44として、ロジウム膜、オスミウム膜、パラジウム膜等を形成してもよい。また、これらの積層膜により導電膜44を形成してもよい。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、非晶質(アモルファス状態)の貴金属酸化物膜45を形成する。貴金属酸化物膜45に含まれる貴金属と導電膜44に含まれる貴金属とは、同じ元素とすることが好ましい。貴金属酸化物膜45は、後工程において還元され、貴金属膜46となるものである。貴金属酸化物膜45が還元されることにより形成される貴金属膜46は、キャパシタ62の下部電極48の一部となる。非晶質の貴金属酸化物膜45としては、例えば酸化プラチナ膜(PtOX膜)を形成する。
本実施形態において、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成するのは、以下のような理由によるものである。
まず、結晶性が十分に均一でない貴金属膜44上に強誘電体膜50を直接形成した場合には、強誘電体膜50の結晶性が不均一になってしまう場合がある。これに対し、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45を形成し、かかる非晶質の貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を形成すれば、貴金属膜44の結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50を得ることが可能となる。
また、結晶質の貴金属酸化物膜は比較的還元されにくいのに対し、非晶質の貴金属酸化物膜45は比較的還元されやすい。このため、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成すれば、後工程における熱処理等において、貴金属酸化物膜45を貴金属膜46に変化させることが可能である。下部電極48の全体が貴金属により形成されているキャパシタ62は、下部電極48の一部に貴金属酸化物が存在しているキャパシタと比較して電気的特性が良好である。
また、強誘電体膜50を形成した段階では、強誘電体膜50中に酸素の欠損が生じている場合がある。強誘電体膜50の下に貴金属酸化物膜45が形成されていれば、強誘電体膜50を結晶化する熱処理等の際に、貴金属酸化物膜45中から酸素が放出され、貴金属酸化物膜45から放出された酸素が強誘電体膜50の下面側から供給される。貴金属酸化物膜45から放出される酸素は、強誘電体膜50における酸素欠損を補償する。このため、本実施形態によれば、結晶性の良好な強誘電体膜50を得ることが可能となる。
このような理由により、本実施形態では、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成する。
貴金属酸化物膜45の膜厚は、0.1nm以上、3nm以下とすることが好ましい。貴金属酸化物膜45の膜厚を0.1nm以上、3nm以下とするのは以下のような理由によるものである。
即ち、貴金属酸化物膜45の膜厚が0.1nmより薄い場合には、強誘電体膜50を結晶化する熱処理等の際に貴金属酸化物膜45中から放出される酸素の量が比較的少なく、強誘電体膜50における酸素欠損を十分に補償し得ない。このため、貴金属酸化物膜45の膜厚は、0.1nm以上とすることが好ましい。
一方、貴金属酸化物膜45の膜厚が3nmより厚い場合には、貴金属膜44の結晶性が強誘電体膜50に十分に影響せず、良好な結晶性を有する強誘電体膜50を得られない場合があり得る。また、後工程における熱処理等において、貴金属酸化物膜45の全部を貴金属膜46に変化させることができず、下部電極48の一部に貴金属酸化物膜45が残存してしまう場合があり得る。下部電極48の一部に貴金属酸化物膜45が残存した場合には、電気的特性の良好なキャパシタ62が得られない場合があり得る。このため、貴金属酸化物膜45の膜厚は3nm以下とすることが好ましい。
このような理由により、本実施形態では、貴金属酸化物膜45の膜厚を0.1nm以上、3nm以下としている。
貴金属酸化物膜45の成膜温度は、例えば100〜400℃とする。貴金属酸化物膜45の成膜温度を100〜400℃とするのは、以下のような理由によるものである。
即ち、100℃より低い温度で成膜された貴金属酸化物膜45は、導電性が極めて低く、電気的には絶縁体に近いものとなる。このため、貴金属酸化物膜45を100℃より低い温度で成膜した場合には、電気的に良好なキャパシタ62を得ることが困難な場合がある。従って、貴金属酸化物膜45を形成する際の成膜温度は、100℃以上とすることが好ましい。
一方、400℃より高い温度で貴金属酸化物膜45を形成しようとした場合には、貴金属酸化物膜45を成膜している際に酸素が解離してしまい、貴金属酸化物膜45ではなく貴金属膜が形成されてしまう。
このような理由により、貴金属酸化物膜45の成膜温度は、100〜400℃程度とすることが好ましい。ここでは、貴金属酸化物膜45の成膜温度を、例えば350℃とする。
貴金属酸化物膜45を形成する際の印加電力は、例えば0.1〜0.3W程度とする。印加電力を比較的低く設定した場合には、放電が生じにくくなるため、ウェハ面内において貴金属酸化物膜45の膜厚等が不均一となる。一方、印加電力を比較的高く設定した場合には、貴金属酸化物膜45の膜厚を制御することが困難となる。このような理由により、貴金属酸化物膜45を形成する際の印加電力は、例えば0.1〜0.3W程度とすることが好ましい。
貴金属酸化物膜45を形成する際に成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとO2ガスとの混合ガスとする。ArガスとO2ガスとの混合ガス中におけるO2ガスの割合は、80%程度とすることが好ましい。混合ガスにおけるO2ガスの濃度を比較的大きく設定した場合には、貴金属酸化物膜45の膜厚が不均一となる場合があるためである。
貴金属酸化物膜45を形成する際の成膜室内の圧力は、例えば1Pa程度とする。
なお、ここでは、非晶質の貴金属酸化物膜45として酸化プラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、非晶質の貴金属酸化物膜45は酸化プラチナ膜に限定されるものではない。例えば、非晶質の貴金属酸化物膜45として、非晶質の酸化ロジウム膜、非晶質の酸化オスミウム膜、非晶質の酸化パラジウム膜等を形成してもよい。
次に、図4(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、強誘電体膜50を形成する。より具体的には、高周波スパッタリング法により、強誘電体膜50を形成する。強誘電体膜50は、キャパシタ62のキャパシタ誘電体膜54の一部となるものである。強誘電体膜50としては、例えばPbZrXTi1−XO3膜(0≦X≦1)(PZT膜)を形成する。強誘電体膜50の膜厚は、例えば100nmとする。本実施形態において、強誘電体膜50をスパッタリング法により形成するのは、貴金属酸化物膜45の表面に異常酸化が生じるのを回避し、ひいては結晶性の良好なキャパシタ誘電体膜54を得るためである。
強誘電体膜50の成膜温度は、例えば30℃以上、100℃以下とすることが好ましい。強誘電体膜50の成膜温度を30℃〜100℃とするのは、以下のような理由によるものである。
即ち、強誘電体膜50の成膜温度を30℃より低く設定した場合には、ウェハ面内において膜厚が不均一となってしまう場合がある。また、強誘電体膜50の成膜温度を30℃より低く設定した場合には、(100)配向のばらつきが大きくなり、結晶性が不均一になってしまう場合がある。
一方、強誘電体膜50の成膜温度を100℃より高く設定した場合には、強誘電体膜50において、(101)配向及び(100)配向が多くなり、(111)配向が少なくなるため、良好な電気的特性のキャパシタ62を得ることが困難となる場合がある。
このような理由により、本実施形態では、強誘電体膜50の成膜温度を30℃以上、100℃以下としている。ここでは、強誘電体膜50の成膜温度を、例えば50℃とする。
なお、ここでは、強誘電体膜50としてPZT膜を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50はPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜50の材料として用いてもよい。また、強誘電体膜50として、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜50としては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を形成することができる。
また、ここでは、スパッタリング法により強誘電体膜50を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50の成膜方法はスパッタリング法に限定されるものではない。例えば、ゾル・ゲル法により強誘電体膜50を形成してもよい。強誘電体膜50をゾル・ゲル法に形成した場合にも、貴金属酸化物膜45の表面に異常酸化が生じるのを防止しつつ、貴金属酸化物膜45上に結晶性の良好な強誘電体膜50を形成することが可能である。
なお、本実施形態において、強誘電体膜50を形成する際にスパッタリング法又はゾル・ゲル法を用いるのは、下部電極48の一部となる貴金属膜44としてプラチナ膜、ロジウム膜、オスミウム膜又はパラジウム膜を用いる場合には、強誘電体膜50をスパッタリング法又はゾル・ゲル法により形成することが好ましいためである。
次に、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中にて、強誘電体膜50を結晶化する。より具体的には、不活性ガスとO2ガスとを含む混合ガスの雰囲気中にて、強誘電体膜50を熱処理する。不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスを用いる。熱処理条件は以下の通りとする。熱処理温度は、例えば600℃とする。混合ガス中における酸素の濃度は、例えば1.25%とする。熱処理時間は、例えば90秒とする。非晶質の貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を形成し、かかる強誘電体膜50を熱処理により結晶化するため、貴金属膜44の結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50が得られる。また、この熱処理により非晶質の貴金属酸化物膜45が還元され、貴金属膜46となる(図4(b)参照)。また、この熱処理の際には、貴金属酸化物膜45中から酸素が放出される。貴金属酸化物膜45から放出される酸素は、強誘電体膜50における酸素欠損を補償する。このため、結晶性の良好な強誘電体膜50が得られる。貴金属酸化物膜45を形成する段階で酸化プラチナ膜を形成した場合には、プラチナ膜である貴金属膜(導電膜)46が形成される。貴金属酸化物膜45を形成する段階で酸化ロジウム膜を形成した場合には、ロジウム膜である貴金属膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する段階で酸化オスミウム膜を形成した場合には、オスミウム膜である貴金属膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する段階で酸化パラジウム膜を形成した場合には、パラジウム膜である貴金属膜46が形成される。
次に、図4(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、強誘電体膜52を形成する。より具体的には、高周波スパッタリング法により、強誘電体膜52を形成する。強誘電体膜52は、キャパシタ62のキャパシタ誘電体膜54の一部となるものである。強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50の材料と同じであることが好ましい。強誘電体膜52としては、例えばPbZrXTi1−XO3膜(0≦X≦1)(PZT膜)を形成する。強誘電体膜52の膜厚は、例えば10〜30nmとする。
なお、ここでは、強誘電体膜52としてPZT膜を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜52はPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜52の材料として用いてもよい。また、強誘電体膜52として、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜52としては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を用いることができる。なお、上述したように、強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50の材料と同じであることが好ましい。
こうして、強誘電体膜50と強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54が形成される。
次に、図5(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、導電膜56を形成する。導電膜56は、キャパシタ62の上部電極60の一部となるものである。導電膜56としては、酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成する。後工程における熱処理において、導電膜56を介して強誘電体膜52に十分に酸素が供給されるよう、導電膜56の膜厚は比較的薄く設定することが好ましい。具体的には、導電膜56の膜厚を、10〜100nmとすることが好ましい。ここでは、導電膜56の膜厚を例えば50nm程度とする。
導電膜56の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば100〜350℃とすることが好ましい。ここでは、基板温度を150℃とする。成膜時間は、例えば60秒とする。成膜室内の圧力は、例えば5.0×10−6Pa程度とする。
次に、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中で熱処理を行う。かかる熱処理は、非晶質の強誘電体膜50を結晶化するとともに、強誘電体膜52の結晶性を更に向上させるためのものである。導電膜56を介して強誘電体膜52に酸素が供給され、強誘電体膜52における酸素欠損が補償される。また、この熱処理は、導電膜56と強誘電体膜52との密着性を向上させるためのものである。この熱処理により、上部電極60aの剥がれ等が抑制され、ひいては歩留まりの向上を実現させることができる。
熱処理条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば710℃程度とする。熱処理時間は、例えば120秒とする。チャンバ内の雰囲気は、例えばArガスとO2ガスとの混合ガスの雰囲気とする。混合ガスにおける酸素濃度は、例えば1%とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、導電膜58を形成する。導電膜58は、キャパシタ62の上部電極60の一部となるものである。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム膜を形成する。導電膜58の膜厚は、例えば200nm程度とする。導電膜58は、導電膜56と相俟って、十分な厚さの上部電極60を形成するためのものである。これにより、十分な厚さの上部電極60が形成されるため、エッチング等の際にキャパシタ誘電体膜54に大きなダメージが加わるのを防止することが可能となる。
次に、半導体基板10の下面(裏面)を洗浄する(背面洗浄)。
次に、全面に、スパッタリング法により、保護膜92を形成する。保護膜92としては、例えばTiN膜を形成する。保護膜92の膜厚は、例えば34nm程度とする。保護膜92を形成する際には、例えばTiのターゲットを用いる。保護膜92を形成する際の基板温度は、例えば200℃とする。成膜室内における雰囲気は、例えばArガスとN2ガスとの混合ガスの雰囲気とする。Arガスの流量は、例えば50sccmとする。N2ガスの流量は、例えば90sccmとする。保護膜92は、上部電極60をパターニングする際のハードマスクとして機能する。
ここでは、保護膜92としてTiN膜を形成する場合を例に説明したが、保護膜92はTiN膜に限定されるものではない。保護膜92として、例えば、TaN膜、TiON膜、TiOX膜、TaOX膜、TaON膜、TiAlOX膜、TaAlOX膜、TiAlON膜、TaAlON膜、TiSiON膜、TaSiON膜、TiSiOX膜、TaSiOX膜、AlOX膜、ZrOX膜等を形成してもよい。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜94を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜94を上部電極60の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜94をマスクとして、保護膜92及び導電膜58、及び導電膜56をエッチングする。これにより、導電膜56と導電膜58とにより上部電極60が形成される。導電膜58及び導電膜56をエッチングする際、保護膜92はハードマスクとして機能する(図5(b)参照)。
この後、フォトレジスト膜94を剥離する。
次に、酸素を含む雰囲気中で熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54に加わったダメージを回復するためのものである(回復アニール)。熱処理温度は、例えば600〜700℃とする。ここでは、熱処理温度は、650℃とする。熱処理時間は、例えば40分とする。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜96を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜96をキャパシタ誘電体膜54の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜96をマスクとして、キャパシタ誘電体膜54をエッチングする(図6(a)参照)。
この後、フォトレジスト膜96を剥離する。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理条件は、例えば300〜400℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
次に、図6(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜64を形成する。保護膜64としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜64の膜厚は、例えば20〜50nm程度とする。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理条件は、例えば400〜600℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜98を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜98を下部電極48の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜98をマスクとして、保護膜64、導電膜46、導電膜44及び密着膜43をエッチングする(図7(a)参照)。導電膜44と導電膜46とにより下部電極48が形成される。
この後、フォトレジスト膜98を剥離する。
次に、図7(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜66を形成する。保護膜66としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜66の膜厚は、例えば20nm程度とする。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54に酸素を供給し、キャパシタ62の電気的特性を向上するためのものである。熱処理条件は、例えば500〜700℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
次に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜68を形成する。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1.4μm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜68の表面を平坦化する。
次に、N2Oガス又はN2ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜68中の水分を除去するとともに、層間絶縁膜68の膜質を変化させ、層間絶縁膜68中に水分を入りにくくさせるためのものである。熱処理温度は、例えば350℃とする。熱処理時間は、例えば2分間とする。この熱処理の際に層間絶縁膜68の表面が窒化され、層間絶縁膜68の表面にはシリコン窒化酸化膜(図示せず)が形成される。
次に、図8(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜70を形成する。保護膜70としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜70の膜厚は、例えば20〜50nm程度とする。
次に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜72を形成する。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、図9(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び保護膜64をエッチングする。これにより、下部電極48に達するコンタクトホール74aと、上部電極60に達するコンタクトホール76bとが形成される。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54に酸素を供給し、キャパシタ62の電気的特性を向上させるためのものである。熱処理条件は、例えば400〜600℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
なお、ここでは、酸素雰囲気中にて熱処理を行う場合を例に説明したが、オゾン雰囲気中にて熱処理を行ってもよい。オゾン雰囲気中にて熱処理を行った場合にも、キャパシタ誘電体膜54に酸素が供給され、キャパシタ62の電気的特性を向上させることができる。
次に、図9(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び層間絶縁膜42をエッチングする。これにより、導体プラグ36に達するコンタクトホール76が形成される。
次に、不活性ガス雰囲気中又は真空中にて熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜72,68,42中からガスを放出するためのものである(脱ガス)。
次に、高周波エッチングにより、コンタクトホール74a、74b、76の内壁面に対して表面処理を行う。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、密着膜78を形成する。密着膜78としては、例えばTiN膜を形成する。密着膜78の膜厚は、例えば50〜150nm程度とする。密着膜78としてTiN膜を形成する場合には、ターゲットの材料としてTiを用いる。成膜室内の雰囲気は、ArガスとN2ガスとの混合雰囲気とする。Arガスの流量は50sccmとする。N2ガスの流量は例えば90sccmとする。成膜温度は、例えば200℃とする。
なお、ここでは、密着膜78としてTiN膜を用いる場合を例に説明したが、密着膜78はTiN膜に限定されるものではない。例えば、密着膜78として、TaN膜、CrN膜、HfN膜、ZrN膜、TiAlN膜、TaAlN膜、TiSiN膜、TaSiN膜、CrAlN膜、HfAlN膜、ZrAlN膜、TiON膜、TaON膜、CrON膜、HfON膜、ZrON膜、TiAlON膜、TaAlON膜、CrAlON膜、HfAlON膜、ZrAlON膜、TiSiON膜、TaSiON膜、Ir膜、Ru膜、IrOX膜、RuOX膜等を形成してもよい。また、Ti膜とTiN膜とを順次積層することにより密着膜78を形成してもよい。また、Ti膜とTaN膜とを順次積層することにより密着膜78を形成してもよい。また、Ta膜とTiN膜とを順次積層することにより密着膜78を形成してもよい。また、Ta膜とTaN膜とを順次積層することにより密着膜78を形成してもよい。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜を形成する。導電膜としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜72の表面が露出するまで、導電膜及び密着膜78を研磨する。こうして、導電膜により導体プラグ80a〜80cが形成される(図10(a)参照)。
なお、ここでは、導体プラグ80a〜80cの材料としてタングステンを用いる場合を例に説明したが、導体プラグ80a〜80cの材料はタングステンに限定されるものではない。例えば、導体プラグ80a〜80cの材料として、Cu等を用いてもよい。また、タングステン膜と銅膜との積層膜により導体プラグ80a〜80cを形成してもよい。また、タングステン膜とポリシリコン膜との積層膜により導体プラグ80a〜80cを形成してもよい。
次に、プラズマ洗浄を行う。プラズマ洗浄を行う際に用いるガスは、例えばArガスとする。これにより、導体プラグ80a〜80cの表面に存在する自然酸化膜等が除去される。
次に、例えばスパッタリング法により、例えばTiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより、積層膜を形成する。TiN膜82の膜厚は、例えば50nmとする。AlCu合金膜84の膜厚は、例えば膜厚550nmとする。Ti膜86の膜厚は、例えば5nmとする。TiN膜88の膜厚は、例えば膜厚50nmとする。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜をエッチングする。こうして、積層膜により配線90が形成される(図10(b)参照)。
この後、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等を複数層に亘って形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
本実施形態では、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45を形成し、貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を形成し、この後、熱処理を行うことにより、結晶性の良好な強誘電体膜50を形成するとともに、貴金属酸化物膜45を貴金属膜46に変化させる。本実施形態では、非晶質の貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を直接形成するため、貴金属膜44の結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50を得ることが可能となる。また、本実施形態では、貴金属酸化物膜45から放出される酸素が強誘電体膜50に供給されるため、強誘電体膜50の結晶性を向上させることが可能となる。また、非晶質の貴金属酸化物膜45は熱処理等において貴金属膜46に変化しやすいため、下部電極48の全体が貴金属となり、良質な下部電極48が得られる。このため、本実施形態によれば、電気的特性の良好なキャパシタを有する半導体装置を提供することができる。本実施形態によれば、ウェハ面内におけるキャパシタ誘電体膜54の結晶性を均一化できるため、半導体装置の歩留まりの向上を実現することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置の製造方法を図11乃至図16を用いて説明する。図11乃至図13は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図10に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、薬液を用いて貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45aを形成することに主な特徴がある。
まず、半導体基板10に素子分離領域12を形成する工程から密着膜43を形成する工程までは、図2(a)乃至図3(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する(図11(a)参照)。
次に、図3(c)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、例えばスパッタリング法により、貴金属膜(導電膜)44を形成する(図11(b)参照)。導電膜44としては、例えばプラチナ膜を形成する。
なお、ここでは、導電膜44としてプラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、導電膜44はプラチナ膜に限定されるものではない。導電膜44として、ロジウム膜、オスミウム膜、パラジウム膜等を形成してもよい。また、これらの積層膜により導電膜44を形成してもよい。
次に、図11(c)に示すように、薬液を用いて貴金属膜44の表面を酸化することにより、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45aを形成する。貴金属膜44として例えばプラチナ膜を形成した場合には、非晶質の貴金属酸化物膜45aとしては例えば酸化プラチナ膜が形成される。貴金属酸化物膜45aは、後工程において還元され、貴金属膜46a(図12(b)参照)となるものである。貴金属酸化物膜45aが還元されることにより形成される貴金属膜46aは、キャパシタ62の下部電極48の一部となる。薬液としては、例えば過酸化水素を含む薬液を用いる。より具体的には、例えば過酸化水素と純水との混合液、即ち、過酸化水素水溶液を用いる。薬液中における過酸化水素の割合は、例えば20%程度とする。薬液の温度は、例えば100℃以下とすることが好ましい。ここでは、薬液の温度を室温程度とする。貴金属膜44を薬液中に浸漬する時間は、例えば5〜20分程度とする。第1実施形態において上述したように、貴金属膜44上に形成する貴金属酸化物膜45の膜厚は、0.1nm以上、3nm以下とすることが好ましい。本実施形態においても、第1実施形態と同様の理由により、貴金属膜44上に形成する貴金属酸化物膜45aの膜厚は、0.1nm以上、3nm以下とすることが好ましい。ここでは、貴金属酸化物膜45aの膜厚を、例えば0.2nm〜0.5nm程度とする。こうして、貴金属膜44上に貴金属酸化物膜45aが形成される。
なお、ここでは、過酸化水素を含む薬液を用いて貴金属酸化物膜45aを形成する場合を例に説明したが、貴金属酸化物膜45aを形成する際に用いる薬液は過酸化水素を含む薬液に限定されるものではない。貴金属膜44の表面に貴金属酸化物膜45aを形成し得る薬液を適宜用いることができる。過酸化水素を含む薬液を用いれば、結晶性の均一なキャパシタ誘電体膜60を確実に形成することが可能であるため、過酸化水素を含む薬液を用いることが好ましい。
また、ここでは、非晶質の貴金属酸化物膜45aとして酸化プラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、非晶質の貴金属酸化物膜45aは酸化プラチナ膜に限定されるものではない。例えば、貴金属膜44としてロジウム膜を形成し、薬液を用いてロジウム膜の表面を酸化することにより、非晶質の酸化ロジウム膜である貴金属酸化物膜45aを形成してもよい。また、貴金属膜44としてオスミウム膜を形成し、薬液を用いてオスミウム膜の表面を酸化することにより、非晶質の酸化オスミウム膜である貴金属酸化物膜45aを形成してもよい。また、貴金属膜44としてパラジウム膜を形成し、薬液を用いてパラジウム膜の表面を酸化することにより、非晶質の酸化パラジウム膜である貴金属酸化物膜45aを形成してもよい。
次に、例えば純水を用いて貴金属酸化物膜45aの表面を洗浄する。洗浄時間は、例えば15分程度とする。洗浄に用いる純水の温度は、例えば室温程度とする。
次に、例えばIPA(イソプロピルアルコール)蒸気乾燥法により、貴金属酸化物膜45aの表面を乾燥させる。貴金属酸化物膜45aを乾燥させる際の温度は、例えば80℃とする。
次に、図4(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、例えばスパッタリング法又はゾル・ゲル法により強誘電体膜50を形成する(図12(a)参照)。
次に、図4(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中にて、強誘電体膜50を結晶化する。非晶質の貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を形成し、かかる強誘電体膜50を熱処理により結晶化するため、貴金属膜44の結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50が得られる。また、この熱処理により、貴金属酸化物膜45aが還元され、貴金属膜46aに変化する(図12(b)参照)。また、この熱処理の際には、貴金属酸化物膜45a中から酸素が放出される。貴金属酸化物膜45aから放出される酸素は、強誘電体膜50における酸素欠損を補償する。このため、本実施形態によっても、結晶性の良好な強誘電体膜50が得られる。
貴金属酸化物膜45aを形成する際に酸化プラチナ膜を形成した場合には、プラチナ膜である貴金属膜(導電膜)46aが形成される。貴金属酸化物膜45aを形成する際に酸化ロジウム膜を形成した場合には、ロジウム膜である貴金属膜46aが形成される。また、貴金属酸化物膜45aを形成する際に酸化オスミウム膜を形成した場合には、オスミウム膜である貴金属膜46aが形成される。また、貴金属酸化物膜45aを形成する際に酸化パラジウム膜を形成した場合には、パラジウム膜である貴金属膜46aが形成される。
この後、強誘電体膜52を形成する工程から配線90を形成する工程までは、図4(c)乃至図10(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される(図13参照)。
(評価結果)
次に、キャパシタ誘電体膜の結晶性の評価結果を図14及び図16を用いて説明する。
図14(a)は、本実施形態による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(111)配向の積分強度を示すグラフである。図14(b)は、本実施形態による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(222)方向の配向率を示すグラフである。図14(a)及び図14(b)のいずれにおいても、横軸はウェハ番号を示しており、縦軸は(111)配向の積分強度を示している。■印はウェハ内における最大値を示しており、◆印はウェハ内における平均値を示しており、▲はウェハ内における最小値を示している。キャパシタ誘電体膜54上に上部電極60の一部となる導電膜56を形成し、この後、熱処理を行った後に、キャパシタ誘電体膜54の結晶性を測定した。貴金属膜44としてはプラチナ膜を用い、貴金属酸化物膜46としては酸化プラチナ膜を用いた。キャパシタ誘電体膜54としてはPZT膜を用いた。上部電極60の一部となる導電膜56としては、酸化イリジウム膜を用いた。
なお、(222)方向の配向率は、(222)配向の積分強度を、(222)配向の積分強度と(100)配向の積分強度と(101)配向の積分強度との和により除したものである。
図15(a)は、比較例1による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(100)配向の積分強度を示すグラフである。図15(b)は、比較例1による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(101)配向の積分強度を示すグラフである。図16(a)は、比較例1による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(111)配向の積分強度を示すグラフである。図16(b)は、比較例1による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(222)方向の配向率を示すグラフである。■印はウェハ内における最大値を示しており、◆印はウェハ内における平均値を示しており、▲はウェハ内における最小値を示している。比較例1は、下部電極となる貴金属膜上にキャパシタ誘電体膜を直接形成した場合のものである。比較例1においても、キャパシタ誘電体膜上に上部電極の一部となる導電膜を形成し、この後、熱処理を行った後に、キャパシタ誘電体膜の結晶性を測定した。下部電極となる貴金属膜としてはプラチナ膜を用いた。キャパシタ誘電体膜としてはPZT膜を用いた。上部電極の一部となる導電膜としては、酸化イリジウム膜を用いた。
図15(a)から分かるように、比較例1による半導体装置の製造方法では、(100)配向の積分強度のばらつきは比較的大きい。また、図15(b)から分かるように、比較例1による半導体装置の製造方法では、(101)配向の積分強度のばらつきは比較的小さい。図16(a)から分かるように、比較例1による半導体装置の製造方法では、(111)配向の積分強度のばらつきは比較的大きい。また、図16(b)から分かるように、比較例1による半導体装置の製造方法では、(222)方向の配向率のばらつきも比較的大きい。
図14(a)から分かるように、本実施形態による半導体装置の製造方法では、(111)配向の積分強度のばらつきは極めて小さい。また、図14(b)から分かるように、本実施形態による半導体装置の製造方法では、(222)方向の配向率のばらつきも極めて小さい。
これらのことから、本実施形態によっても、キャパシタ誘電体膜54の結晶性を均一化し得ることがわかる。
このように、薬液を用いて貴金属膜44の表面を酸化することにより、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45aを形成してもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態による半導体装置の製造方法を図17乃至図21を用いて説明する。図17乃至図19は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図16に示す第1又は第2実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、酸素を含む雰囲気中で貴金属膜44の表面を酸化させることにより、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45bを形成することに主な特徴がある。
まず、半導体基板10に素子分離領域12を形成する工程から密着膜43を形成する工程までは、図2(a)乃至図3(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する(図17(a)参照)。
次に、図3(c)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、例えばスパッタリング法により、貴金属膜(導電膜)44を形成する(図17(b)参照)。導電膜44としては、例えばプラチナ膜を形成する。
なお、ここでは、導電膜44としてプラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、導電膜44はプラチナ膜に限定されるものではない。導電膜44として、ロジウム膜、オスミウム膜、パラジウム膜等を形成してもよい。また、これらの積層膜により導電膜44を形成してもよい。
次に、図17(c)に示すように、酸素を含む雰囲気中にて貴金属膜44の表面を酸化することにより、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45bを形成する。貴金属膜44としてプラチナ膜を形成した場合には、非晶質の貴金属酸化物膜45bとしては酸化プラチナ膜が形成される。貴金属酸化物膜45bは、後工程において還元され、貴金属膜46b(図16(b)参照)となるものである。貴金属酸化物膜45bが還元されることにより形成される貴金属膜46bは、キャパシタ62の下部電極48の一部となる。成膜室内に導入するガスとしては、例えばO2ガスを用いる。O2ガスの流量は、例えば2リットル/分とする。成膜室内の温度は、例えば0℃以上、100℃以下とする。より好ましくは、成膜室内の温度を0℃以上、50℃以下とする。成膜室内の温度を50℃以下とすれば、貴金属酸化物膜45bの膜質は確実に非晶質となる。ここでは、成膜室内の温度を室温程度とする。貴金属膜44の表面を酸化させる時間は、例えば3時間以上とする。ここでは、貴金属膜44の表面を酸化させる時間は、6時間程度とする。第1実施形態において上述したように、貴金属膜44上に形成する貴金属酸化物膜45の膜厚は、0.1nm以上、3nm以下とすることが好ましい。本実施形態においても、第1実施形態と同様の理由により、貴金属膜44上に形成する貴金属酸化物膜45bの膜厚は、0.1nm以上、3nm以下とすることが好ましい。ここでは、貴金属酸化物膜45aの膜厚を、例えば0.2nm〜0.3nm程度とする。こうして、貴金属膜44上に貴金属酸化物膜45bが形成される。
なお、ここでは、非晶質の貴金属酸化物膜45bとして酸化プラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、非晶質の貴金属酸化物膜45bは酸化プラチナ膜に限定されるものではない。例えば、貴金属膜44としてロジウム膜を形成し、薬液を用いてロジウム膜の表面を酸化することにより、非晶質の酸化ロジウム膜である貴金属酸化物膜45bを形成してもよい。また、貴金属膜44としてオスミウム膜を形成し、薬液を用いてオスミウム膜の表面を酸化することにより、非晶質の酸化オスミウム膜である貴金属酸化物膜45bを形成してもよい。また、貴金属膜44としてパラジウム膜を形成し、薬液を用いてパラジウム膜の表面を酸化することにより、非晶質の酸化パラジウム膜である貴金属酸化物膜45bを形成してもよい。
次に、図4(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、例えばスパッタリング法又はゾル・ゲル法により強誘電体膜50を形成する(図18(a)参照)。
次に、図4(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中にて、強誘電体膜50を結晶化する。非晶質の貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を形成し、かかる強誘電体膜50を熱処理により結晶化するため、貴金属膜44の結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50が得られる。また、この熱処理により、貴金属酸化物膜45bが還元され、貴金属膜46bに変化する(図18(b)参照)。また、この熱処理の際には、貴金属酸化物膜45b中から酸素が放出される。貴金属酸化物膜45bから放出される酸素は、強誘電体膜50における酸素欠損を補償する。このため、本実施形態によっても、結晶性の良好な強誘電体膜50が得られる。
貴金属酸化物膜45bを形成する際に酸化プラチナ膜を形成した場合には、プラチナ膜である貴金属膜(導電膜)46bが形成される。貴金属酸化物膜45bを形成する際に酸化ロジウム膜を形成した場合には、ロジウム膜である貴金属膜46bが形成される。また、貴金属酸化物膜45bを形成する際に酸化オスミウム膜を形成した場合には、オスミウム膜である貴金属膜46bが形成される。また、貴金属酸化物膜45bを形成する際に酸化パラジウム膜を形成した場合には、パラジウム膜である貴金属膜46bが形成される。
この後、強誘電体膜52を形成する工程から配線90を形成する工程までは、図4(c)乃至図10(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される(図19参照)。
(評価結果)
次に、キャパシタ誘電体膜の結晶性の評価結果を図20及び図21を用いて説明する。
図20(a)は、本実施形態による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(111)配向の積分強度を示すグラフである。図20(b)は、本実施形態による半導体装置の製造方法におけるキャパシタ誘電体膜の(222)方向の配向率を示すグラフである。図20(a)及び図20(b)のいずれにおいても、横軸はウェハ番号を示しており、縦軸は(111)配向の積分強度を示している。■印はウェハ内における最大値を示しており、◆印はウェハ内における平均値を示しており、▲はウェハ内における最小値を示している。キャパシタ誘電体膜54上に上部電極60の一部となる導電膜56を形成し、この後、熱処理を行った後に、キャパシタ誘電体膜54の結晶性を測定した。貴金属膜44としてはプラチナ膜を用い、貴金属酸化物膜46としては酸化プラチナ膜を用いた。キャパシタ誘電体膜54としてはPZT膜を用いた。上部電極60の一部となる導電膜56としては、酸化イリジウム膜を用いた。ウェハ番号1〜10は、大気中に6時間放置することにより貴金属膜44の表面を酸化させた場合を示している。ウェハ番号11〜20は、大気中に12時間放置することにより貴金属膜44の表面を酸化させた場合を示している。
図20(a)から分かるように、本実施形態による半導体装置の製造方法では、(111)配向の積分強度のばらつきは極めて小さい。また、図20(b)から分かるように、本実施形態による半導体装置の製造方法では、(222)方向の配向率のばらつきも極めて小さい。
これらのことから、本実施形態によっても、キャパシタ誘電体膜54の結晶性を均一化し得ることがわかる。
図21は、XPS(X-Ray Photoelectron Spectroscopy、X線光電子分光法)による分析結果を示すグラフである。横軸は、結合エネルギー(eV)を示しており、縦軸は、光電子強度を示している。図21(a)は、100%の酸素雰囲気中に10分間放置することにより貴金属膜44の表面を酸化させた場合を示している。図21(a)の場合においては、成膜室内の温度は30℃とした。図21(b)は、大気中に6時間放置することにより貴金属膜44の表面を酸化させた場合を示している。図21(b)の場合においては、酸化させる際の温度は室温とした。
図21(a)と図21(b)のいずれにおいても、酸化プラチナに対応するピークが表れている。
図21(a)の場合には、貴金属膜44の表面に形成された貴金属酸化物膜45bの膜厚は0.1nm程度であった。図21(b)の場合には、貴金属膜44の表面に形成された貴金属酸化物膜45bの膜厚は0.2nm程度であった。
これらのことから、貴金属酸化物膜45bの膜厚は0.1nm以上とすることが好ましいことが分かる。
また、これらのことから、成膜温度が比較的低い場合であっても、貴金属膜44の表面に貴金属酸化物膜45bを形成し得ることがわかる。
このように、酸素を含む雰囲気中で貴金属膜44の表面を酸化することにより、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45bを形成してもよい。
[第4実施形態]
第4実施形態による半導体装置及びその製造方法を図22乃至図31を用いて説明する。図22は、本実施形態による半導体装置を示す工程断面図である。図1乃至図21に示す第1乃至第3実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置の製造方法について図22を用いて説明する。
本実施形態による半導体装置は、メモリセルの構造がスタック型になっているものである。
図22に示すように、半導体基板10には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板が用いられている。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、例えばP型のウェル14が形成されている。
ウェル14が形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極(ワード線)18が形成されている。ゲート電極18の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン拡散層22が形成されている。
ゲート電極18の上部及びソース/ドレイン拡散層22上には、それぞれシリサイド層24a、24bが形成されている。ソース/ドレイン拡散層22上のシリサイド層24bは、ソース/ドレイン電極として機能する。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成されている。
トランジスタ26が形成された半導体基板10上には、絶縁膜(酸化防止絶縁膜)28が形成されている。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜が用いられている。
絶縁膜28が形成された半導体基板10上には、層間絶縁膜30が形成されている。半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの厚さは、例えば700nmとする。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜30の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜30及び絶縁膜28には、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32が形成されている。
コンタクトホール32内には、密着膜34が形成されている。密着膜34としては、例えばTi膜とTiN膜とが順次積層された積層膜が用いられている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nmとする。
密着膜34が形成されたコンタクトホール32内には、導体プラグ36が埋め込まれている。導体プラグ36の材料としては、例えばタングステンが用いられている。
導体プラグ36が埋め込まれた層間絶縁膜30上には、例えば酸化防止膜100が形成されている。酸化防止膜100の膜厚は、例えば130nmとする。酸化防止膜100としては、例えばシリコン窒化酸化膜が用いられている。酸化防止膜100は、層間絶縁膜36に導体プラグ36を埋め込んだ後に、導体プラグ36の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは酸化防止膜100として、シリコン窒化酸化膜を用いる場合を例に説明したが、かかる酸化防止膜100はシリコン窒化酸化膜に限定されるものではない。例えば、酸化防止膜100として、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜を形成してもよい。
酸化防止膜100上には、例えばシリコン酸化膜102が形成されている。シリコン酸化膜102の膜厚は、例えば300nmとする。
酸化防止膜100とシリコン酸化膜102とにより層間絶縁膜104が形成されている。
層間絶縁膜104には、導体プラグ36に達するコンタクトホール106が形成されている。
コンタクトホール42内には、密着膜108が形成されている。密着膜108としては、例えばTi膜とTiN膜とが順次積層された積層膜が用いられている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば20nmとする。
密着膜108が形成されたコンタクトホール106内には、導体プラグ110が形成されている。導体プラグ110の材料としては、例えばタングステンが用いられている。導体プラグ110は、CMP法により層間絶縁膜40に埋め込まれたものである。このため、導体プラグ110をCMP法により埋め込む場合には、導体プラグ110の上部が過度に研磨され、導体プラグ110の上面の高さが層間絶縁膜104の上面の高さより低くなる場合がある。かかる場合には、導体プラグ110が埋め込まれた箇所に凹部112が形成されることとなる。かかる凹部112の深さは、例えば20〜50nm程度である。このような凹部112が形成された導体プラグ110上及び層間絶縁膜104上に後述する密着膜116を形成すると、かかる凹部112を反映して密着膜116の表面にも凹部が形成される。そして、このような密着膜116上に酸化防止膜118を形成すると、かかる凹部を反映して酸化防止膜118の表面にも凹部が形成される。このような凹部が形成された酸化防止膜118上には、配向性の良好な下部電極48、キャパシタ誘電体膜54及び上部電極60を形成することは困難である。本実施形態では、図22に示すように、導体プラグ110及び層間絶縁膜104上に凹部112を埋め込むように下地膜114が形成されている。かかる下地膜114の表面は、CMP法により平坦化されている。下地膜114の膜厚は、例えば50〜110nm程度とする。ここでは、下地膜114の膜厚を50nmとする。
下地膜114上には、密着膜116が形成されている。かかる密着膜116は、後述する酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と層間絶縁膜104との密着性を向上させるためのものである。平坦な下地膜(平坦化層)114上に密着膜116が形成されているため、密着膜116の表面は平坦となっている。密着膜116としては、例えばTiN膜が形成されている。密着膜116の膜厚は、例えば20nm程度とする。
なお、ここでは、密着膜116としてTiN膜を形成する場合を例に説明したが、密着膜116はTiN膜に限定されるものではない。酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と下地膜114との密着性を向上させ得る材料を、密着膜116の材料として適宜用いることができる。例えば、Ir、Pt等を密着膜116の材料として用いてもよい。
密着膜116上には、導電性の酸素バリア膜(酸素拡散防止膜)118が形成されている。酸素バリア膜118の膜厚は、例えば100nmとする。酸素バリア膜118としては、例えばTiAlN膜が用いられている。かかる酸素バリア膜118は、層間絶縁膜104に導体プラグ110を埋め込んだ後に、導体プラグ110の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、酸素バリア膜118の材料としてTiAlNを用いる場合を例に説明したが、酸素バリア膜118の材料はTiAlNに限定されるものではない。TiAlON、TaAlN又はTaAlON等を酸素バリア膜118の材料として適宜用いてもよい。
酸素バリア118膜上には、導電膜44aが形成されている。導電膜44aとしては、貴金属膜が用いられている。より具体的には、導電膜44aとして、例えばイリジウム(Ir)膜が用いられている。導電膜44aの膜厚は、例えば100nmとする。
なお、ここでは、導電膜44aとして、イリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜44aはイリジウム膜に限定されるものではない。導電膜44aとして、例えば、ルテニウム膜等を用いてもよい。また、導電膜44aは単層の膜に限定されるものではなく、積層膜により導電膜44aを形成してもよい。
導電膜44a上には、導電膜46cが形成されている。導電膜46cは、貴金属膜である。導電膜46cに含まれる貴金属と導電膜44aに含まれる貴金属とは、同じ元素であることが好ましい。後述するように、導電膜44a上に成膜する段階では、非晶質の貴金属酸化物膜45cを形成する(図27(a)参照)。非晶質の貴金属酸化物膜45cは、後工程における熱処理等により還元され、貴金属膜46cとなる。貴金属酸化物膜45cに含まれる貴金属と導電膜44aに含まれる貴金属とが同じ元素である場合には、導電膜46cと導電膜44aとは区別し得ない場合もある。また、導電膜46cは非晶質の貴金属酸化物膜45cが還元されたものであるため、導電膜46cの結晶粒径が導電膜44aの結晶粒径より小さくなっている場合もある。非晶質の貴金属酸化物膜45cを形成する際に例えば酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成した場合には、後工程における熱処理等において酸化イリジウム膜が還元されてイリジウム膜となり、イリジウム膜である導電膜46cが形成される。
なお、ここでは、非晶質の貴金属酸化物膜45cを形成する段階で酸化イリジウム膜を形成し、イリジウム膜により導電膜46cが形成される場合を例に説明したが、導電膜46cはイリジウム膜に限定されるものではない。例えば、貴金属酸化物膜45cを形成する際に非晶質の酸化ルテニウム膜を形成した場合には、後工程における熱処理等により酸化ルテニウム膜が還元されてルテニウム膜となり、ルテニウム膜である導電膜46cが形成される。このように、非晶質の貴金属酸化物膜45cは、酸化ルテニウム膜等でもよく、非晶質の貴金属酸化物膜45cが還元されたものである導電膜46cは、ルテニウム膜等でもよい。
こうして、導電膜44aと導電膜46cとによりキャパシタ62の下部電極48aが形成されている。
下部電極48a上には、強誘電体膜50aが形成されている。強誘電体膜50は、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、有機金属化学気相成長)法により形成されたものである。強誘電体膜50aとしては、例えばPbZrXTi1−XO3膜(0≦X≦1)(PZT膜)が用いられている。強誘電体膜50aの膜厚は、例えば100nmとする。MOCVD法により強誘電体膜50aを成膜する場合には、結晶化された状態で強誘電体膜50aが成膜される。
なお、ここでは、強誘電体膜50aとしてPZT膜を用いる場合を例に説明したが、強誘電体膜50aはPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜50aの材料として用いてもよい。また、強誘電体膜50aとして、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜50aとしては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を用いることができる。
強誘電体膜50a上には、強誘電体膜52が形成されている。強誘電体膜52は、例えばスパッタ法等により形成されたものである。強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50aの材料と同じであることが好ましい。強誘電体膜52としては、例えばPbZrXTi1−XO3膜(PZT膜)(0≦X≦1)が用いられている。強誘電体膜52の膜厚は、例えば1〜30nmとする。ここでは、強誘電体膜52の膜厚を20nm程度とする。強誘電体膜52は、後述する熱処理等により結晶化されている。
なお、ここでは、強誘電体膜52としてPZT膜を用いる場合を例に説明したが、強誘電体膜52はPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜52の材料として用いてもよい。また、強誘電体膜52として、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜52としては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を用いることができる。なお、上述したように、強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50aの材料と同じであることが好ましい。
こうして、強誘電体膜50aと強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54aが形成されている。
キャパシタ誘電体膜54a上には、導電膜56が形成されている。導電膜56は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。導電膜56としては、例えば酸化イリジウム膜が用いられている。導電膜56の膜厚は、例えば50nm程度とする。
導電膜56上には、導電膜58が形成されている。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム膜が用いられている。導電膜58は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。導電膜58の膜厚は、例えば100〜300nm程度とする。ここでは、導電膜58の膜厚を200nm程度とする。導電膜58として用いる酸化イリジウム膜の組成は、化学量論的組成であるIrO2とすることが好ましい。化学量論的組成の酸化イリジウム膜は、水素に対して触媒作用を奏することがなく、キャパシタ誘電体膜54aが水素により還元されるのを防止し得るためである。
なお、ここでは、導電膜58として酸化イリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜58は酸化イリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd又はこれらの酸化物を、導電膜58の材料として用いてもよい。また、SrRuO3等の導電性酸化物を導電膜58の材料として用いてもよい。また、これらの積層膜を導電膜58として用いてもよい。
導電膜58上には、水素バリア膜120が形成されている。水素バリア膜120としては、例えばイリジウム膜が用いられている。水素バリア膜120は、キャパシタ誘電体膜54aが水素により還元されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、水素バリア膜120としてイリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素バリア膜120はイリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Pt膜、SrRuO3膜等を水素バリア膜120として用いてもよい。
導電膜56と導電膜58と水素バリア膜120とにより上部電極60aが形成されている。
こうして、下部電極48aとキャパシタ誘電体膜54aと上部電極60aとを有するキャパシタ62aが形成されている。
キャパシタ62aが形成された層間絶縁膜104上には、キャパシタ62aを覆うように保護膜122が形成されている。保護膜122の膜厚は、例えば20nm程度とする。保護膜122としては、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。かかる保護膜122は、水素によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。
保護膜122上には、保護膜124が更に形成されている。保護膜124の膜厚は、例えば38nm程度とする。保護膜124としては、保護膜122と同様に、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。かかる保護膜124は、保護膜122と相俟って、水素によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。
保護膜124上には、層間絶縁膜68が形成されている。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1500nmとする。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜68の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜68上には、保護膜70が形成されている。保護膜70の膜厚は、例えば膜厚20〜100nmとする。保護膜70の材料としては、保護膜122,124と同様に、例えば酸化アルミニウムが用いられている。かかる保護膜70は、保護膜122,124と同様に、水素によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。平坦化された層間絶縁膜68上に保護膜70を形成するため、保護膜70は平坦に形成されている。
保護膜70上には、層間絶縁膜72が形成されている。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば800〜1000nm程度とする。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜が形成されている。層間絶縁膜72の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124、保護膜122及び層間絶縁膜104には、導体プラグ36に達するコンタクトホール126aが形成されている。
層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124及び保護膜122には、上部電極60aに達するコンタクトホール126bが形成されている。
コンタクトホール126a、126b内には、密着膜128が形成されている。密着膜128は、例えばTi膜とTiN膜との積層膜により形成されている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nmとする。
密着膜128が形成されたコンタクトホール126a、126b内には、導体プラグ130a、130bが形成されている。導体プラグ130a、130bの材料としては、例えばタングステンが用いられている。
導体プラグ130a、130bが埋め込まれた層間絶縁膜72上には、配線90が形成されている。配線90は、例えば、TiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより形成されている。
配線90が形成された層間絶縁膜72上には、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等が複数層に亘って形成されている。
こうして、本実施形態による半導体装置が形成されている。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図23乃至図31を用いて説明する。図23乃至図31は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図23(a)に示すように、半導体基板10に、例えばSTI法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板を用いる。なお、素子分離領域12の形成方法はSTI法に限定されるものではない。例えばLOCOS法により素子分離領域12を形成してもよい。
次に、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14を形成する。ドーパント不純物としては、例えばP型のドーパント不純物を用いる。P型のドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。ドーパント不純物としてP型のドーパント不純物を用いた場合には、P型のウェル14が形成される。
次に、例えば熱酸化法により、素子領域上にゲート絶縁膜16を形成する。ゲート絶縁膜16の膜厚は、例えば6〜7nm程度とする。
次に、例えばCVD法により、ポリシリコン膜18を形成する。ポリシリコン膜18の膜厚は、例えば200nm程度とする。ポリシリコン膜18は、ゲート電極(ワード線)となるものである。
なお、ここでは、ゲート電極となる膜としてポリシリコン膜18を形成する場合を例に説明したが、ゲート電極となる膜は、ポリシリコン膜に限定されるものではない。例えば、アモルファスシリコン膜等を用いてもよい。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜18をパターニングする。こうして、ポリシリコン膜によりゲート電極(ワード線)18が形成される。
次に、ゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの浅い領域を構成するエクステンション領域(図示せず)が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、絶縁膜を形成する。絶縁膜としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。絶縁膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、絶縁膜を異方性エッチングする。こうして、ゲート電極18の側壁部分に、絶縁膜によりサイドウォール絶縁膜20が形成される。
次に、サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えば砒素を用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの深い領域を構成する不純物拡散層(図示せず)が形成される。エクステンション領域と深い不純物拡散層とによりソース/ドレイン拡散層22が形成される。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、高融点金属膜(図示せず)を形成する。高融点金属膜としては、例えばコバルト膜を形成する。
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10の表層部と高融点金属膜とを反応させるとともに、ゲート電極18の上部と高融点金属膜とを反応させる。
次に、例えばウエットエッチングにより、未反応の高融点金属膜をエッチング除去する。
こうして、ソース/ドレイン拡散層22上に、例えばコバルトシリサイドのソース/ドレイン電極24bが形成される。また、ゲート電極18の上部に、例えばコバルトシリサイドのシリサイド層24aが形成される。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成される。
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、絶縁膜(酸化防止膜)28を形成する。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜を形成する。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜30を形成する。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜30の膜厚は、例えば1μmとする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面を平坦化する。こうして、半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの高さは、例えば700nm程度となる(図23(b)参照)。
次に、図23(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32を形成する。コンタクトホール32の径は、例えば0.25μmとする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば30nm程度とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、TiN膜を形成する。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nm程度とする。
こうして、Ti膜とTiN膜とにより密着膜34が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜36を形成する。導電膜36としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜36の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面が露出するまで導電膜36及び密着膜34を研磨する。こうして、コンタクトホール32内に、例えばタングステンの導体プラグ36が埋め込まれる(図24(a)参照)。
次に、図24(b)に示すように、全面に、例えばプラズマCVD法により、シリコン窒化酸化膜100を形成する。シリコン窒化酸化膜100の膜厚は、例えば130nmとする。
なお、ここではシリコン窒化酸化膜100を形成したが、シリコン窒化酸化膜100の代わりに、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜等を形成してもよい。
次に、図24(c)に示すように、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、シリコン酸化膜102を形成する。シリコン酸化膜102の膜厚は、例えば300nmとする。
シリコン窒化酸化膜100とシリコン酸化膜102とにより層間絶縁膜104が形成される。
次に、図25(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜104に導体プラグ36に達するコンタクトホール106を形成する。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば30nm程度とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、TiN膜を形成する。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nm程度とする。
こうして、Ti膜とTiN膜とにより密着膜108が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜110を形成する。導電膜110としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜110の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜104の表面が露出するまで導電膜110及び密着膜108を研磨する。導電膜110及び密着膜108を研磨する際には、例えば、層間絶縁膜104に対する研磨レートより導電膜110及び密着膜108に対する研磨レートが速くなるような研磨剤が用いられる。このような研磨剤としては、例えばキャボット・マイクロエレクトロニクス社製の研磨剤(製品名:SSW2000)を用いる。このような研磨剤を用いて導電膜110及び密着膜108を研磨すると、導電膜110及び密着膜108が過度に研磨され、図25(b)に示すように、導体プラグ110の上面の高さが層間絶縁膜104の上面の高さより低くなる場合がある。かかる場合には、導体プラグ110が埋め込まれた箇所に凹部112が形成されることとなる。かかる凹部112の深さは、例えば20〜50nm程度である。こうして、コンタクトホール106内に、例えばタングステンの導体プラグ110が埋め込まれる。
次に、例えばNH3ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜104の表面を暴露することにより、層間絶縁膜104の表面を処理する(プラズマ処理)。本実施形態において、NH3ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜104の表面を曝露するのは、層間絶縁膜104の表面の酸素原子をNH基に結合させることにより、後工程で層間絶縁膜104上にTi膜113を形成する際に、Ti原子が層間絶縁膜104の表面の酸素原子により捕捉されるのを防止するためである。
プラズマ処理の条件は以下の通りとする。プラズマ処理装置としては、平行平板型のプラズマ処理装置を用いる。対向電極の位置は、例えば半導体基板10から約9mm(350mils)離間した位置とする。プラズマ処理を行う際におけるチャンバ内の圧力は、例えば266Pa(2Torr)程度とする。基板温度は、例えば400℃とする。チャンバ内に導入するNH3ガスの流量は、例えば350sccmとする。半導体基板10に印加する高周波電力は、例えば13.56MHz、100Wとする。対向電極に印加する高周波電力は、例えば350kHz、55Wとする。高周波電力の印加時間は、例えば60秒とする。
次に、図25(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜113を形成する。Ti膜113の膜厚は、例えば100〜300nm程度とする。ここでは、Ti膜113の膜厚を100nm程度とする。層間絶縁膜104の表面が上記のように処理されているため、層間絶縁膜104上に堆積されたTi原子は酸素原子により捕捉されることなく、層間絶縁膜104の表面を自在に移動することができる。このため、(002)の方向に自己配向された良質なTi膜113が層間絶縁膜104上に形成される。
Ti膜113を形成する際の条件は、例えば以下の通りとする。即ち、半導体基板10とターゲットとの間の距離は、例えば60mmとする。成膜室内の圧力は、0.15Paとする。成膜室以内の雰囲気は、例えばAr雰囲気とする。基板温度は、例えば20℃とする。供給するDCパワーは、例えば2.6kWとする。DCパワーを供給する時間は、例えば5秒間とする。
次に、例えばRTA法により、窒素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。この熱処理により、上述したTi膜113がTiN膜114となる(図26(a)参照)。こうして、(111)配向のTiN膜である下地膜114が得られる。
なお、ここでは、下地膜114としてTiN膜を用いる場合を例に説明したが、かかる下地膜114はTiN膜に限定されるものではない。例えば、タングステン膜、シリコン膜、銅膜等により下地膜114を形成してもよい。
次に、CMP法により、下地膜114の表面を研磨する。研磨剤としては、例えばキャボット・マイクロエレクトロニクス社製の研磨剤(製品名:SSW2000)を用いる。こうして、表面が平坦化された平坦化層114が形成される(図26(b)参照)。本実施形態において、下地膜114の表面を平坦化するのは、平坦化された下地膜114上には、配向性の良好な下部電極48a、キャパシタ誘電体膜54a及び上部電極60aを形成することが可能なためである。研磨後における下地膜114の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。ここでは、研磨後における下地膜114の膜厚を50nm程度とする。
次に、例えばNH3ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に下地膜(平坦化層)114の表面を暴露することにより、下地膜114の表面を処理する(プラズマ処理)。
本実施形態において、下地膜114に対してプラズマ処理を行うのは、以下のような理由によるものである。即ち、下地膜114をCMP法により平坦化した段階では、下地膜114の表層部の結晶が研磨によって歪んだ状態となっている。表層部の結晶が歪んでいる下地膜114の上方には、結晶性の良好な下部電極48aを形成することはできず、ひいては、結晶性の良好なキャパシタ誘電体膜54aを形成することはできない。これに対し、下地膜114に対してプラズマ処理を行えば、下地膜114の表層部の結晶の歪が、上層の膜に影響を与えなくなる。そうすると、下地膜114上に、結晶性の良好な下部電極48a及びキャパシタ誘電体膜54aを形成することが可能となる。このような理由により、本実施形態では、下地膜114に対してプラズマ処理を行う。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば20nm程度とする。プラズマ処理が行われた下地膜114上にTi膜を形成するため、良質なTi膜が形成される。
次に、例えばRTA法により、窒素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。この熱処理により、上述したTi膜がTiN膜となる。こうして、(111)配向のTiN膜により密着膜116が形成される(図26(c)参照)。かかる密着膜116は、後工程で形成される酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と下地膜114との密着性を向上させるためのものである。
なお、ここでは、TiN膜より成る密着膜116を形成する場合を例に説明したが、かかる密着膜116はTiN膜に限定されるものではない。酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と下地膜114との密着性を向上させ得る材料を、密着膜116の材料として適宜用いることができる。例えば、Ir膜、Pt膜等により密着膜116を形成してもよい。
次に、図26(c)に示すように、全面に、例えば反応性スパッタリング法により、酸素バリア膜(酸素拡散防止膜)118を形成する。酸素バリア膜118の膜厚は、例えば100nm程度とする。酸素バリア膜118としては、例えばTiAlN膜を形成する。かかる酸素バリア膜118は、層間絶縁膜104に導体プラグ110を埋め込んだ後に、導体プラグ110の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
酸素バリア膜118を形成する際の条件は、例えば以下の通りとする。即ち、ターゲットとしては、TiAl合金により形成されたターゲットを用いる。チャンバ内の雰囲気は、Arガスと窒素ガスとの混合ガスより成る雰囲気とする。Arガスの流量は、例えば40sccmとする。窒素ガスの流量は、例えば10sccmとする。チャンバ内の圧力は、例えば253.3Paとする。基板温度は、例えば400℃とする。スパッタパワーは、例えば1kWとする。
なお、ここでは、酸素バリア膜118の材料としてTiAlNを用いる場合を例に説明したが、酸素バリア膜118の材料はTiAlNに限定されるものではない。酸素の拡散を防止し得る導電体を酸素バリア膜118の材料として適宜用いることができる。例えば、TiAlON、TaAlN又はTaAlON等を酸素バリア膜118の材料として用いてもよい。
次に、図27(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、貴金属膜(導電膜)44aを形成する。導電膜44aは、キャパシタ62aの下部電極48aの一部となるものである。導電膜44aとしては、例えばイリジウム膜を形成する。導電膜44aの膜厚は、例えば100nm程度とする。導電膜44を形成する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば500℃とする。成膜室内に導入するガスとしては、例えばArガスを用いる。成膜室内の圧力は、例えば0.11Paとする。印加電力は、例えば0.5kWとする。
なお、ここでは、導電膜44aとして、イリジウム膜を形成する場合を例に説明したが、導電膜44aはイリジウム膜に限定されるものではない。導電膜44aとして、例えば、ルテニウム膜等を用いてもよい。また、導電膜44aは単層の膜に限定されるものではなく、積層膜により導電膜44aを形成してもよい。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、非晶質(アモルファス状態)の貴金属酸化物膜45cを形成する。貴金属酸化物膜45cに含まれる貴金属と導電膜44aに含まれる貴金属とは、同じ元素とすることが好ましい。貴金属酸化物膜45cは、後工程において還元され、貴金属膜46cとなるものである。貴金属酸化物膜45cが還元されることにより形成される貴金属膜46cは、キャパシタ62aの下部電極48aの一部となる。非晶質の貴金属酸化物膜45cとしては、例えば酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成する。
貴金属酸化物膜45cの膜厚は、15nm以上、30nm以下とすることが好ましい。貴金属酸化物膜45cの膜厚を15nm以上、30nm以下とするのは以下のような理由によるものである。
即ち、後工程において強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際には、貴金属酸化物膜45cが還元性の比較的強い雰囲気に曝されることとなる。このため、貴金属酸化物膜45cの膜厚を比較的薄く設定した場合には、強誘電体膜50aの成膜が完了する前に貴金属酸化物膜45cが還元されてしまうこととなる。この場合には、均一な結晶性を有する良質な強誘電体膜50aを得ることができない場合がある。貴金属酸化物膜45cの膜厚を15nm以上に設定すれば、貴金属酸化物膜45cが貴金属膜44a上にある程度存在している状態で強誘電体膜50aが形成される。このため、貴金属酸化物膜45cの膜厚を15nm以上に設定すれば、均一な結晶性を有する良質な強誘電体膜50aを形成することが可能となる。
一方、貴金属酸化物膜45cの膜厚が30nmより厚い場合には、貴金属膜44aの結晶性が強誘電体膜50aに十分に影響せず、良好な結晶性を有する強誘電体膜50aを得られない場合があり得る。また、後工程における熱処理等において、貴金属酸化物膜45cの全部を貴金属膜46cに変化させることができず、下部電極48aの一部に貴金属酸化物膜45cが残存してしまう場合があり得る。下部電極48aの一部に貴金属酸化物膜45cが残存した場合には、電気的特性の良好なキャパシタ62aが得られない場合があり得る。このため、貴金属酸化物膜45cの膜厚は30nm以下とすることが好ましい。
このような理由により、本実施形態では、貴金属酸化物膜45cの膜厚を15nm以上、30nm以下とする。ここでは、貴金属酸化物膜45cの膜厚を、例えば25nm程度とする。こうして、貴金属膜44a上に貴金属酸化物膜45cが形成される。
貴金属酸化物膜45cの成膜温度は、例えば60℃とする。貴金属酸化物膜45を形成する際に成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとO2ガスとの混合ガスとする。Arガスの流量は、例えば186sccmとする。O2ガスの流量は、例えば14sccmとする。
なお、ここでは、非晶質の貴金属酸化物膜45cとして酸化イリジウム膜を形成する場合を例に説明したが、非晶質の貴金属酸化物膜45cは酸化イリジウム膜に限定されるものではない。例えば、非晶質の貴金属酸化物膜45cとして、非晶質の酸化ルテニウム膜等を形成してもよい。
次に、図27(b)に示すように、全面に、例えばMOCVD法により、強誘電体膜50aを形成する。下部電極48の一部となる貴金属膜44aとしてイリジウム膜やルテニウム膜を用いる場合には、強誘電体膜50aをMOCVD法により形成することが好ましい。強誘電体膜50aとしては、例えばPZT膜を形成する。PZT膜の膜厚は、例えば100nm程度とする。
PZT膜をMOCVD法により形成する際には、Pb、Zr、Tiの各液体原料を気化することにより原料ガスを生成し、かかる原料ガスを用いてPZT膜を形成する。
Pb、Zr、Tiの各液体原料は以下のようにして形成される。Pbの液体原料は、例えばPb(DPM)2を溶媒中に溶解することにより形成される。溶媒としては、例えばTHF(テトラヒドロフラン)が用いられる。Pbの液体原料におけるPb(DPM)2の濃度は、例えば0.3mol/l程度とする。Zrの液体原料は、例えばZr(dmhd)4を溶媒中に溶解することにより形成される。溶媒としては、例えばTHFが用いられる。Zrの液体原料におけるZr(dmhd)4の濃度は、例えば0.3mol/l程度とする。Tiの液体原料は、例えば[Ti(O−iOr)2(DPM)2]を溶媒中に溶解することにより形成される。溶媒としては、例えばTHFが用いられる。Tiの液体原料における[Ti(O−iOr)2(DPM)2]の濃度は、例えば0.3mol/l程度とする。
PZTの原料ガスは、Pbの液体原料、Zrの液体原料及びTiの液体原料を、溶媒とともに気化器に導入し、かかる液体原料を気化器により気化させることにより生成される。溶媒としては、例えばTHFが用いられる。溶媒の供給量は、例えば0.474ml/分とする。Pbの液体原料の供給量は、例えば0.326ml/分とする。Zrの液体原料の供給量は、例えば0.200ml/分とする。Tiの液体原料の供給量は、例えば0.200ml/分とする。
強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際の条件は、以下の通りとする。即ち、成膜室内の圧力は、例えば665Pa(5Torr)とする。基板温度は、例えば620℃とする。成膜時間は、例えば620秒とする。
このような条件で形成すると、こうして、PZT膜である強誘電体膜50aが形成される。
なお、ここでは、強誘電体膜50aとしてPZT膜を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50aはPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜50aの材料として用いてもよい。また、強誘電体膜50aとして、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜50aとしては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を形成することができる。
強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する場合には、結晶化された強誘電体膜50aが成膜時に形成される。非晶質の貴金属酸化物膜45c上に強誘電体膜50aを形成するため、貴金属膜44aの結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50aが得られる。また、強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際には、還元性の比較的強い雰囲気に非晶質の貴金属酸化物膜45cが曝されるため、非晶質の貴金属酸化物膜45cが還元され、貴金属膜46cとなる。また、強誘電体膜50cをMOCVD法により形成する際には、貴金属酸化物膜45c中から酸素が放出される。貴金属酸化物膜45cから放出される酸素は、強誘電体膜50aにおける酸素欠損を補償する。このため、結晶性の良好な強誘電体膜50aが得られる。貴金属酸化物膜45cを形成する段階で酸化イリジウム膜を形成した場合には、イリジウム膜である貴金属膜(導電膜)46cが形成される。貴金属酸化物膜45cを形成する段階で酸化ルテニウム膜を形成した場合には、ルテニウム膜である貴金属膜46cが形成される。
なお、本実施形態において、強誘電体膜50aを形成する際にMOCVD法を用いるのは、下部電極48aの一部となる貴金属膜44aとしてイリジウム膜又はルテニウム膜を用いる場合には、強誘電体膜50aをMOCVD法により形成することが好ましいためである。
次に、図27(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、強誘電体膜52を形成する。強誘電体膜52は、キャパシタ62aのキャパシタ誘電体膜54aの一部となるものである。強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50aの材料と同じであることが好ましい。強誘電体膜52としては、例えばPbZrXTi1−XO3膜(0≦X≦1)(PZT膜)を形成する。強誘電体膜52の膜厚は、例えば1〜30nm程度とする。ここでは、強誘電体膜52の膜厚を例えば20nm程度とする。
なお、ここでは、強誘電体膜52としてPZT膜を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜52はPZT膜に限定されるものではない。例えば、PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWのうちのいずれかを添加した材料を、強誘電体膜52の材料として用いてもよい。また、強誘電体膜52として、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。ビスマス層状構造の強誘電体膜52としては、例えば、(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、SrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、SrBi4Ti4O15膜等を用いることができる。なお、上述したように、強誘電体膜52の材料は、強誘電体膜50aの材料と同じであることが好ましい。
こうして、強誘電体膜50aと強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54aが形成される。
次に、図28(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、導電膜56を形成する。導電膜56は、キャパシタ62aの上部電極60aの一部となるものである。導電膜56としては、酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成する。後工程における熱処理において、導電膜56を介して強誘電体膜52に十分に酸素が供給されるよう、導電膜56の膜厚は比較的薄く設定することが好ましい。導電膜56の膜厚は、例えば50nm程度とする。
導電膜56の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば300℃程度とする。成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとO2ガスとする。Arガスの流量は例えば100sccm程度とする。O2ガスの流量は、例えば100sccm程度とする。印加電力は、例えば1kW〜2kW程度とする。導電膜56を成膜する際には、強誘電体膜52の表面に付着している不純物が除去される。
次に、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中で熱処理を行う。かかる熱処理は、強誘電体膜50aの結晶性を更に向上させるとともに、強誘電体膜52を結晶化するためのものである。導電膜56を介してキャパシタ誘電体膜54aに酸素が供給され、キャパシタ誘電体膜54aにおける酸素欠損が補償される。また、この熱処理は、導電膜56に生じたプラズマダメージを回復するためのものである。また、この熱処理は、導電膜56と強誘電体膜52との密着性を向上させるためのものである。この熱処理により、上部電極60aの剥がれ等が抑制され、ひいては歩留まりの向上を実現させることができる。
熱処理条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば725℃程度とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。チャンバ内の雰囲気は、例えばArガスとO2ガスとの混合ガスの雰囲気とする。Arガスの流量は、例えば2000sccmとする。O2ガスの流量は、例えば20sccmとする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、導電膜58を形成する。導電膜58は、キャパシタ62aの上部電極60aの一部となるものである。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム膜を形成する。導電膜58の膜厚は、例えば100nm〜300nm程度とする。ここでは、導電膜58の膜厚を200nm程度とする。導電膜58は、導電膜56と相俟って、十分な厚さの上部電極60aを形成するためのものである。これにより、十分な厚さの上部電極60aが形成されるため、エッチング等の際にキャパシタ誘電体膜54aに大きなダメージが加わるのを防止することが可能となる。導電膜58として用いる酸化イリジウム膜の組成は、化学量論的組成であるIrO2とすることが好ましい。化学量論的組成の酸化イリジウム膜は、水素に対して触媒作用を奏することがなく、キャパシタ誘電体膜54aが水素により還元されるのを防止し得るためである。
なお、ここでは、導電膜58として酸化イリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜58は酸化イリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd又はこれらの酸化物を、導電膜58の材料として用いてもよい。また、SrRuO3等の導電性酸化物を導電膜58の材料として用いてもよい。また、これらの積層膜を導電膜58として用いてもよい。
次に、例えばスパッタリング法により、水素バリア膜120を形成する。水素バリア膜120は、上部電極60aの一部となるものである。水素バリア膜120の膜厚は、例えば100nm程度とする。水素バリア膜120としては、例えばイリジウム膜を形成する。水素バリア膜120は、キャパシタ誘電体膜54aが水素により還元されるのを防止するためのものである。水素バリア膜120の成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとする。成膜室内の圧力は、例えば1Pa程度とする。印加電力は、例えば1.0W程度とする。
なお、ここでは、水素バリア膜120としてイリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素バリア膜120はイリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Pt膜、SrRuO3膜等を水素バリア膜120として用いてもよい。
次に、半導体基板10の下面(裏面)を洗浄する(背面洗浄)。
次に、図28(b)に示すように、全面に、スパッタリング法により、保護膜138を形成する。保護膜138は、ハードマスクの一部として機能するものである。保護膜138としては、例えばTiN膜を形成する。
ここでは、保護膜138としてTiN膜を形成する場合を例に説明したが、保護膜138はTiN膜に限定されるものではない。保護膜138として、例えば、TiAlN膜、TaAlN膜、TaN膜等を用いてもよい。また、これらの積層膜により保護膜138を形成してもよい。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、保護膜140を形成する。保護膜140は、保護膜138と相俟ってハードマスクとして機能するものである。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜をキャパシタ62aの平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、保護膜140をエッチングする。
次に、エッチングされた保護膜140をマスクとして、保護膜138をエッチングする。
こうして、エッチングされた保護膜138,140によりハードマスクが形成される(図示せず)。
次に、ハードマスクをマスクとして、例えばプラズマエッチングにより、水素バリア膜120、導電膜58、導電膜56、強誘電体膜52、強誘電体膜50a、導電膜46c、導電膜44aをエッチングする。エッチングガスとしては、例えばHBrガスとO2ガスとArガスとC4F8ガスとの混合ガスを用いる。
こうして、導電膜44aと導電膜46cとにより下部電極48aが形成される。また、強誘電体膜50aと強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54aが形成される。また、導電膜56と導電膜58と水素バリア膜120とにより上部電極60aが形成される。下部電極48aと強誘電体膜54aと上部電極60aとによりキャパシタ62aが形成される。
次に、例えばドライエッチング又はウエットエッチングにより、保護膜140を除去する(図29(a)参照)。
次に、例えばドライエッチングにより、酸化防止膜118、密着膜116及び下地膜114をエッチングする。この際、保護膜138もエッチング除去される(図29(b)参照)。エッチングを行う際には、例えばダウンフロー型のプラズマエッチング装置を用いる。チャンバ内に導入するガスは、例えばCF4ガスとO2ガスとの混合ガスとする。CF4ガスの流量比は例えば5%程度とする。O2ガスの流量比は、例えば95%とする。チャンバ内の上部電極に印加する高周波電力は、例えば2.45GHz、1400Wとする。基板温度は、例えば200℃とする。
次に、図30(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、保護膜122を形成する。保護膜122は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。保護膜122としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜122の膜厚は、例えば20nm程度とする。
なお、ここでは、スパッタリング法により保護膜122を形成する場合を例に説明したが、保護膜122の成膜方法はスパッタリング法に限定されるものではない。例えば、MOCVD法により保護膜122を形成してもよい。この場合、保護膜122の膜厚は例えば2〜5nm程度とする。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54aに酸素を供給し、キャパシタ62aの電気的特性を向上するためのものである。熱処理条件は、例えば500〜700℃とする。キャパシタ誘電体膜54aがPZT膜の場合には、基板温度を例えば600℃とし、熱処理時間を例えば60分とする。
次に、全面に、例えばCVD法により、保護膜124を形成する。保護膜124は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。保護膜124の膜厚は、例えば38nm程度とする。保護膜124としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。
なお、保護膜124の剥離を防止すべく、保護膜124を形成する前に熱処理を行ってもよい。熱処理条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば350℃程度とする。熱処理時間は、例えば1時間程度とする。
また、ここでは、保護膜124として酸化アルミニウム膜を形成する場合を例に説明したが、保護膜124は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。保護膜124として、例えば、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミニウム窒化膜、タンタル窒化膜又はアルミニウム酸窒化膜等を形成してもよい。
次に、図30(b)に示すように、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜68を形成する。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1.5μm程度とする。原料ガスとしては、例えばTEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いる。
なお、ここでは、層間絶縁膜68としてシリコン酸化膜を形成する場合を例に説明したが、層間絶縁膜68はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、絶縁性を有する無機膜等を適宜用いることが可能である。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜68の表面を平坦化する。
次に、例えばN2Oガス又はN2ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜68中の水分を除去するとともに、層間絶縁膜68の膜質を変化させ、層間絶縁膜68中に水分を入りにくくさせるためのものである。熱処理温度は、例えば350℃とする。熱処理時間は、例えば2分間とする。この熱処理の際に層間絶縁膜68の表面が窒化され、層間絶縁膜68の表面にはシリコン窒化酸化膜(図示せず)が形成される。
次に、図30(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜70を形成する。保護膜70としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜70の膜厚は、例えば20〜100nm程度とする。保護膜70は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。表面が平坦な層間絶縁膜68上に保護膜70が形成されるため、保護膜70は平坦となる。
次に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜72を形成する。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば800nm〜1μm程度とする。
なお、ここでは、層間絶縁膜72としてシリコン酸化膜を形成する場合を例に説明したが、層間絶縁膜72はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、シリコン窒化酸化膜又はシリコン窒化膜を層間絶縁膜72として用いてもよい。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜72の表面を平坦化する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124、保護膜122及び層間絶縁膜104をエッチングすることにより、導体プラグ36に達するコンタクトホール126aを形成する。また、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124及び保護膜122をエッチングすることにより、上部電極60aに達するコンタクトホール126aを形成する。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54aに酸素を供給し、キャパシタ誘電体膜54aにおける酸素欠損を補償し、キャパシタ62aの電気的特性を回復するためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば450℃とする。
次に、不活性ガス雰囲気中又は真空中にて熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜72,68,104中からガスを放出するためのものである(脱ガス)。
次に、高周波エッチングにより、コンタクトホール126a、126bの内壁面に対して表面処理を行う。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、密着膜128を形成する。密着膜128としては、例えばTiN膜を形成する。密着膜128の膜厚は、例えば125nm程度とする。密着膜128としてTiN膜を形成する場合には、ターゲットの材料としてTiを用いる。成膜室内の雰囲気は、ArガスとN2ガスとの混合雰囲気とする。Arガスの流量は50sccmとする。N2ガスの流量は例えば90sccmとする。成膜温度は、例えば200℃とする。
なお、ここでは、密着膜128としてTiN膜を用いる場合を例に説明したが、密着膜128はTiN膜に限定されるものではない。例えば、密着膜128として、TaN膜、CrN膜、HfN膜、ZrN膜、TiAlN膜、TaAlN膜、TiSiN膜、TaSiN膜、CrAlN膜、HfAlN膜、ZrAlN膜、TiON膜、TaON膜、CrON膜、HfON膜、ZrON膜、TiAlON膜、TaAlON膜、CrAlON膜、HfAlON膜、ZrAlON膜、TiSiON膜、TaSiON膜、Ir膜、Ru膜、IrOX膜、RuOX膜等を形成してもよい。また、Ti膜とTiN膜とを順次積層することにより密着膜128を形成してもよい。また、Ti膜とTaN膜とを順次積層することにより密着膜128を形成してもよい。また、Ta膜とTiN膜とを順次積層することにより密着膜128を形成してもよい。また、Ta膜とTaN膜とを順次積層することにより密着膜128を形成してもよい。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜を形成する。導電膜としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜72の表面が露出するまで、導電膜及び密着膜78を研磨する。こうして、導電膜により導体プラグ130a、130bが形成される(図31(b)参照)。
なお、ここでは、導体プラグ130a、130bの材料としてタングステンを用いる場合を例に説明したが、導体プラグ130a、130bの材料はタングステンに限定されるものではない。例えば、導体プラグ130a、130bの材料として、Cu等を用いてもよい。また、タングステン膜と銅膜との積層膜により導体プラグ130a、130bを形成してもよい。また、タングステン膜とポリシリコン膜との積層膜により導体プラグ130a、130bを形成してもよい。
次に、プラズマ洗浄を行う。プラズマ洗浄を行う際に用いるガスは、例えばArガスとする。これにより、導体プラグ130a、130bの表面に存在する自然酸化膜等が除去される。
次に、例えばスパッタリング法により、例えばTiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより、積層膜を形成する。TiN膜82の膜厚は、例えば50nmとする。AlCu合金膜84の膜厚は、例えば膜厚550nmとする。Ti膜86の膜厚は、例えば5nmとする。TiN膜88の膜厚は、例えば膜厚50nmとする。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜をエッチングする。こうして、積層膜により配線90が形成される(図10(b)参照)。
この後、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等を複数層に亘って形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
本実施形態によれば、貴金属膜44a上に非晶質の貴金属酸化物膜45cを形成し、貴金属酸化物膜45c上にMOCVD法により強誘電体膜50aを形成する。本実施形態においても、非晶質の貴金属酸化物膜45c上に強誘電体膜50aを直接形成するため、貴金属膜44aの結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50aを得ることができる。また、本実施形態においても、貴金属酸化物膜45cから放出される酸素が強誘電体膜50aに供給されるため、強誘電体膜50aの結晶性を向上させることが可能となる。また、非晶質の貴金属酸化物膜45cは熱処理等において貴金属膜46cに変化しやすいため、下部電極48aの全体が貴金属となり、良質な下部電極48aが得られる。このため、本実施形態によれば、電気的特性の良好なキャパシタを有する半導体装置を提供することができる。本実施形態によれば、ウェハ面内におけるキャパシタ誘電体膜54の結晶性を均一化できるため、半導体装置の歩留まりの向上を実現することができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、第1乃至第3実施形態では、強誘電体膜50をスパッタリング法又はゾル・ゲル法により形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50をMOCVD法により形成してもよい。下部電極48の一部となる貴金属膜44としてイリジウム膜やルテニウム膜を用いる場合には、強誘電体膜50をMOCVD法により形成することが好ましい。強誘電体膜50をMOCVD法により形成する場合には、例えば、貴金属膜44として例えばイリジウム膜を形成し、貴金属酸化物膜45、45a、45bとして酸化イリジウム膜を形成する。また、貴金属膜44として例えばルテニウム膜を形成し、貴金属酸化物膜45、45a、45bとして酸化ルテニウム膜を形成してもよい。強誘電体膜50をMOCVD法により形成する場合には、第4実施形態において上述したように、貴金属酸化物膜45、45a、45bの膜厚を15nm以上、30nm以下とすることが好ましい。
また、第4実施形態では、強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50aをスパッタリング法又はゾル・ゲル法により形成してもよい。下部電極48aの一部となる貴金属膜44aとしてプラチナ膜、ロジウム膜、オスミウム膜又はパラジウム膜を用いる場合には、強誘電体膜50aをスパッタリング法又はゾル・ゲル法により形成することが好ましい。強誘電体膜50aをスパッタリング法又はゾル・ゲル法により形成する場合には、例えば、貴金属膜44aとしてプラチナ膜を形成し、貴金属酸化物膜45cとして酸化プラチナ膜を形成する。また、貴金属膜44aとしてロジウム膜を形成し、貴金属酸化物膜46cとして酸化ロジウム膜を形成してもよい。また、貴金属膜44aとしてオスミウム膜を形成し、貴金属酸化物膜45cとして酸化オスミウム膜を形成してもよい。また、貴金属膜44aとしてパラジウム膜を形成し、貴金属酸化物膜45cとして例えば酸化パラジウム膜を形成してもよい。強誘電体膜50aをスパッタリング法又はゾル・ゲル法により形成する場合には、第1乃至第3実施形態において上述したように、貴金属酸化物膜45cの膜厚を0.1nm以上、3nm以下とすることが好ましい。
また、第4実施形態では、非晶質の貴金属酸化物膜45cをスパッタリング法により形成する場合を例に説明したが、非晶質の貴金属酸化物膜45cの成膜方法はスパッタリング法に限定されるものではない。例えば、第2実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、薬液を用いて貴金属膜44aの表面を酸化させることにより、貴金属膜44a上に非晶質の貴金属酸化物膜45cを形成してもよい。また、第3実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、酸素を含む雰囲気中で貴金属膜44aの表面を酸化させることにより、貴金属膜44a上に非晶質の貴金属酸化物膜45cを形成してもよい。
また、上記実施形態では、強誘電体膜50、50aを成膜する際に、スパッタリング法、ゾル・ゲル法又はMOCVD法を用いる場合を例に説明したが、強誘電体膜50、50aの成膜方法はこれらに限定されるものではない。例えば、有機金属分解(MOD、Metal Organic Decomposition)法により強誘電体膜50、50aを形成してもよい。また、化学溶液堆積(CSD、Chemical Solution Deposition)法により強誘電体膜50、50aを形成してもよい。また、化学気相堆積(CVD、Chemical Vapor Deposition)法により強誘電体膜50、50aを形成してもよい。また、エピタキシャル成長法により強誘電体膜50、50aを形成してもよい。
また、上記実施形態では、貴金属膜44、44aとしてプラチナ膜、ロジウム膜、オスミウム膜、パラジウム膜、イリジウム膜又はルテニウム膜を用いる場合を例に説明したが、貴金属膜44、44aはこれらに限定されるものではない。例えば、貴金属膜44、44aとしてレニウム膜等を用いてもよい。また、貴金属膜44、44aとして貴金属の積層膜を用いてもよい。
また、上記実施形態では、貴金属酸化物膜45、45aとして酸化プラチナ膜、酸化ロジウム膜、酸化オスミウム膜、酸化パラジウム膜、酸化イリジウム膜又は酸化ルテニウム膜を用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、非晶質の貴金属酸化物膜45、45aとして非晶質の酸化レニウム膜等を用いてもよい。また、非晶質の貴金属酸化物膜45、45aとして、非晶質の貴金属酸化物の積層膜を用いてもよい。
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板上に、プラチナ、パラジウム、ロジウム又はオスミウムである貴金属を含む貴金属膜である第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜上に、膜厚が0.1nm以上、3nm以下であり、前記貴金属の酸化物を含む非晶質の第2の導電膜を形成する工程と、
スパッタリング法又はゾル・ゲル法により、前記第2の導電膜上に強誘電体膜を直接形成する工程と、
熱処理を行うことにより、前記強誘電体膜を結晶化する工程と、
前記強誘電体膜上に、第3の導電膜を形成する工程と、
前記第3の導電膜、前記強誘電体膜、前記第2の導電膜及び前記第1の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とを含む下部電極と、前記強誘電体膜を含むキャパシタ誘電体膜と、前記第3の導電膜を含む上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
半導体基板上に、イリジウム又はルテニウムである貴金属を含む貴金属膜である第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜上に、膜厚が15nm以上、30nm以下であり、前記貴金属の酸化物を含む非晶質の第2の導電膜を形成する工程と、
有機金属化学気相成長法により、前記第2の導電膜上に強誘電体膜を直接形成する工程と、
前記強誘電体膜上に、第3の導電膜を形成する工程と、
前記第3の導電膜、前記強誘電体膜、前記第2の導電膜及び前記第1の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とを含む下部電極と、前記強誘電体膜を含むキャパシタ誘電体膜と、前記第3の導電膜を含む上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の導電膜を形成する工程では、スパッタリング法により前記第2の導電膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記4)
付記1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の導電膜を形成する工程では、薬液を用いて前記第1の導電膜の表面を酸化させることにより、前記第2の導電膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記5)
付記4記載の半導体装置の製造方法において、
前記薬液は、過酸化水素を含む薬液である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記6)
付記1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の導電膜を形成する工程では、酸素を含む雰囲気中で前記第1の導電膜の表面を酸化させることにより、前記第2の導電膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
付記6記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の導電膜を形成する工程では、酸素を含む50℃以下の雰囲気中で前記第1の導電膜の表面を酸化させることにより、前記第2の導電膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。