JP2010087191A - 露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度調整部と脱気処理部の両方の性能を容易に確保できる液体供給ユニットを備える液浸露光装置を提供すること。
【解決手段】 液体Lを介して基板130を露光する露光装置は、投影光学系110と、供給ユニット160を備える。供給ユニット160は、液体Lを蓄えるタンク180と、タンク180に蓄えられた液体Lが循環する循環流路220と、循環流路220の分岐部210から供給ノズル140へ液体Lが流れる供給流路230と、循環流路220に設けられ循環流路220を流れる液体Lの温度を調整する温度調整部190と、供給流路230に設けられ供給流路230を流れる液体Lを脱気する脱気処理部200を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 液体Lを介して基板130を露光する露光装置は、投影光学系110と、供給ユニット160を備える。供給ユニット160は、液体Lを蓄えるタンク180と、タンク180に蓄えられた液体Lが循環する循環流路220と、循環流路220の分岐部210から供給ノズル140へ液体Lが流れる供給流路230と、循環流路220に設けられ循環流路220を流れる液体Lの温度を調整する温度調整部190と、供給流路230に設けられ供給流路230を流れる液体Lを脱気する脱気処理部200を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液体を介して基板を露光する露光装置、およびそれを使用したデバイス製造方法に関する。
レチクル(マスク)のパターンをウエハに露光するために露光装置が使用されている。そして、近年、高解像度な露光装置が要求されている。
高解像度の要求に応えるための一手段として液浸露光が注目されている。液浸露光とは、露光装置の投影光学系のウエハ側の媒質を液体にすることで、投影光学系の開口数を増加させ、投影光学系の解像度を高くする技術のことである。液浸露光を実行する露光装置は、液浸露光装置と呼ばれる。
液体の屈折率が大きいほど投影光学系の解像度が高くなることから、純水を用いた液浸露光装置の後継として、1.5よりも屈折率が大きい液体(高屈折率液体)を用いた液浸露光装置が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、図9で示すように、温度調整部6および脱気処理部42を有する液体供給ユニット90を備えた液浸露光装置1000が提案されている(特許文献2参照)。温度調整部6は、液浸露光装置1000の性能を維持するために、投影光学系36の最終レンズとウエハ37との間に供給される液体の温度を調整する。脱気処理部42は、液浸露光装置1000の性能を維持するために、最終レンズとウエハ37との間に供給される液体中の気泡を取り除く。
特開2006−4964号公報
特開2006−222165号公報
温度調整部に関して、例えば、1L/min以上の大流量の液体の温度を高精度に調整することは容易である。しかし、1L/min未満の小流量の液体の温度を高精度に調整することは難しい。
一方、脱気処理部に関しては、処理対象の液体の流量が小さいほど、脱気しやすく、脱気処理部(脱気装置)を小さくできる。
つまり、温度調整部はできるだけ大流量の液体を対象に処理したいのに対し、脱気処理部はできるだけ小流量の液体を対象に処理したいという相反する関係がある。
図9の従来の液体供給ユニット90では、温度調整部6と脱気処理部42が同一流路に設けられているため、温度調整部6の性能にあわせて脱気処理部42を大きくしていた。
本発明は、温度調整部と脱気処理部の両方の性能を容易に確保できる液体供給ユニットを備える液浸露光装置を提供することを例示的な目的とする。
本発明の一側面としての露光装置は、液体を介して基板を露光する露光装置において、原版のパターンの像を基板に投影する投影光学系と、前記投影光学系と前記基板との間に供給ノズルを介して前記液体を供給する供給ユニットとを備え、前記供給ユニットは、前記液体を蓄えるタンクと、前記タンクに蓄えられた前記液体が循環する循環流路と、前記循環流路の分岐部から前記供給ノズルへ前記液体が流れる供給流路と、前記循環流路に設けられ前記循環流路を流れる前記液体の温度を調整する温度調整部と、前記供給流路に設けられ前記供給流路を流れる前記液体を脱気する脱気処理部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、温度調整部と脱気処理部の両方の性能を容易に確保できる液体供給ユニットを備える液浸露光装置を提供することができる。
なお、本発明の更なる側面については、以下で説明される実施の形態によって明らかにする。
(実施形態1)
以下に、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1は、本実施形態の液浸露光装置100の図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1は、本実施形態の液浸露光装置100の図である。
液浸露光装置100は、図1に示すように、照明装置300と、レチクルステージ320と、投影光学系110と、ウエハステージ310と、供給ユニット160を備える。レチクルステージ320は、原版としてのレチクル120を保持し、移動する。ウエハステージ310は、ウエハ130を保持し、移動する。
露光装置100は、投影光学系110の光学素子のうち最もウエハ130に近い光学素子(最終レンズ)とウエハ130との間の液体Lを介して、ウエハ130を露光する液浸露光装置である。なお、本実施形態の液浸露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式であるが、本発明をステップ・アンド・リピート方式の露光装置に適用することもできる。
照明装置300は、光源部と照明光学系を有する。照明光学系は、光源部からの光(露光光)でレチクル120を照明する。光源部は、光源としてのレーザーを含む。レーザーとしては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、または波長約157nmのF2レーザーを使用できる。
投影光学系110は、レチクル120のパターンの像をウエハ130上に投影する。投影光学系110としては、屈折系または反射屈折系を使用できる。投影光学系110の最終レンズとしては、平凸レンズまたはメニスカスレンズを使用できる。
ウエハ130の表面にはフォトレジストが塗布されている。本実施形態では、基板としてウエハ130を用いているが、ウエハ130の代わりに、ガラスプレート、その他の基板を使用することもできる。
ウエハステージ310は、ウエハチャックを介してウエハ130を保持する。
液体Lとしては、露光光の波長に対する透過率がよく、最終レンズに汚れをなるべく付着させず、レジストとの相性がよい液体を使用する。液体Lは、例えば、純水または屈折率が1.5より大きい有機液体である。最終レンズには、液体Lからの影響を低減するためにコーティングをしてもよい。
供給ユニット160は、供給ノズル140を介して、投影光学系110の最終レンズとウエハ130との間に液体Lを供給する。回収ユニット170は、回収ノズル150および回収流路240を介して、最終レンズとウエハ130との間の液体Lを回収する。回収ユニット170は、負圧を発生する機能を有しており、液体Lを吸引回収している。
以下に、本実施形態の液浸露光装置100の特徴である供給ユニット160について具体的に説明する。
供給ユニット160は、タンク180と、ポンプ250と、温度調整部190(第1の温度調整部)と、脱気処理部200と、フィルタ260を有する。
また、供給ユニット160は、循環流路220と供給流路230を有する。循環流路220には、タンク180とポンプ250と温度調整部190が設けられ、供給流路230には脱気処理部200とフィルタ260が設けられている。循環流路220は、分岐部210によって供給流路230へ分岐されている。
タンク180に蓄えられた液体Lは、循環流路220を循環しており、ポンプ250、温度調整部190、および分岐部210を経由して、タンク180へ戻る。循環流路220を流れる液体Lの流量は、温度調整部190が高精度に液体Lの温度を調整できるように設定されており、例えば5.0L/min以上10L/min以下に設定されている。これにより、温度調整部190は、液体Lの温度を0.001K以上0.01K以下の精度で調整できる。
循環流路220を流れる液体Lの一部は、分岐部210で分岐され、供給流路230に流れ込む。供給流路230に流れ込んだ液体Lは、脱気処理部200およびフィルタ260を経由して、供給ノズル140へ流れる。供給流路230を流れる液体Lの流量は、最終レンズの下に液体Lを安定して保持できるように、供給ノズル140および回収ノズル150の構造および最終レンズとウエハとの間隔等に基づいて決定される。一般的には、供給ノズル140への液体Lの供給量は0.1L/min以上0.5L/min以下であり、多くても1L/min未満である。なお、フィルタ260は、露光不良を引き起こす液体L中のパーティクルを除去する。分岐部210は、所定の流量の液体Lが供給流路230に流れるように、流量を調整する。
本実施形態では、温度調整部190が設けられた循環流路220に流れる液体Lを大流量に維持し、脱気処理部200が設けられた供給流路230に流れる液体Lを小流量に維持している。そのため、温度調整部190および脱気処理部200のそれぞれが適切な流量の液体を処理することができ、性能を十分に発揮できる。
一般に、液体Lの温度を高精度に調整する場合、ヒータ(加熱器)を使用する。しかし、液体Lの流量が例えば1L/min未満になると、ヒータの出力変化に対する液体Lの温度変化が敏感になり過ぎる。同時に、温度調整部190のヒータ以外の部品から液体Lへの熱の出入りも無視できなくなってくる。そのため、1L/min以上の流量の液体の温度を調整する場合よりも、1L/min未満の流量の液体の温度を調整する場合のほうが、液体Lの温度を高精度に調整できない。このような課題が生じるのは、温度調整部190に含まれるヒータを小さくすることが困難で、所定流量以下の液体の温度を高精度に調整する温度調整部190を作成し難いということも一つの要因である。また、1.5よりも大きい屈折率を持つ高屈折液体は、熱伝導率や熱伝達率等の熱交換に関する物性値が水に比べて良くないので、温度を効率的に調整できない。そのため、高屈折率液体の温度を調整するときは、水の温度を調整するときに比べ、より大きな流量の液体を調整対象とすることが好ましい。
本実施形態では、ポンプ250および分岐部210で循環流路220に流れる液体Lの流量を温度調整部190に最適となるように調整している。そのため、液体Lの温度を高精度に制御できている。また、循環流路220に流れる液体Lの流量を供給流路230に流れる液体Lの流量よりも十分大きくしている。そのため、液浸露光装置の動作に変化が生じても、温度調整部190で処理される液体Lの流量があまり変化しないため、液体Lの温度を高精度に制御しやすい。例えば、液浸露光装置の稼動状況によっては、供給ノズル140からの液体Lの供給を緊急停止することが生じる。その際にも、温度調整部190で処理する液体Lの流量があまり変化しないため、安定して液体Lの温度調整を行うことができ、液体Lの温度をほぼ一定に維持できる。そのため、供給ノズル140からの液体Lの供給が再開した時に、速やかに高精度に温度調整された液体Lを供給することが可能となる。
本実施形態の液浸露光装置100では、脱気処理部200を供給流路230上に配置することで、脱気処理部200で脱気処理すべき流量を小さくしている。具体的には、脱気処理部200で処理すべき液体L流量を、温度調整部190で処理すべき液体L流量の1/50以上1/10以下にしている。したがって、脱気処理部200を小さくすることが可能であり、液浸露光装置100を小さくすることが可能である。
また、本発明者らの検討の結果、分子量が水に比べて非常に大きい高屈折液体(有機液体)は脱気処理の効率が良くないことが判明した。つまり、脱気処理部200で高屈折液体を脱気する場合、脱気処理部200の処理能力が水を脱気する場合と比較して非常に低くなってしまう。そのため、液体Lが高屈折液体の場合、脱気処理部200での処理流量をできるだけ小さくしたい。したがって、本実施形態の液浸露光装置100の構成は、高屈折液を用いた液浸露光装置に特に有効である。
(実施形態2)
本実施形態の液浸露光装置100aを図2に示す。本実施形態の液浸露光装置100aは、実施形態1の液浸露光装置100と以下の2つの点で構成が異なる。第1に、脱気処理部200の下流に分岐部(第2の分岐部)215を設けた点である。第2に、回収ユニット170によって回収された液体Lを再生するための再生装置270を設け、再生された液体Lをタンク180に戻す構成にした点である。
本実施形態の液浸露光装置100aを図2に示す。本実施形態の液浸露光装置100aは、実施形態1の液浸露光装置100と以下の2つの点で構成が異なる。第1に、脱気処理部200の下流に分岐部(第2の分岐部)215を設けた点である。第2に、回収ユニット170によって回収された液体Lを再生するための再生装置270を設け、再生された液体Lをタンク180に戻す構成にした点である。
本実施形態では、ポンプ250または分岐部210(第1の分岐部)で温度調整部190に流れる液体Lの流量を調整している。また、分岐部210は、脱気処理部200で処理する液体Lの流量を調整しており、分岐部215は、供給ノズルから供給されるの液体Lの流量を調整している。これにより、温度調整部190および脱気処理部200の処理流量を一定化させ、温度調整部190および脱気処理部200の処理精度を安定化できる。
本実施形態の液浸露光装置100aの構成は、各部の液体Lの流量が以下の関係にあるとき特に有効である。つまり、供給ノズル140の必要供給量よりも脱気処理部200での最適な処理流量が大きく、さらに脱気処理部200での最適な処理流量よりも温度調整部190での最適な処理流量が大きい場合において有効である。また、本実施形態の液浸露光装置100aの構成は、供給ノズル140からの液体Lの供給流量を大きく変化させた場合にも、脱気処理部200を流れる液体Lの流量を安定化させることができる点で有効である。
本実施形態では、液体Lを、実施形態1のように回収ユニット170で回収した後に排棄するのではなく、再生装置270を用いて再度供給ノズル140に供給できるように精製してタンク180に戻している。精製で十分再生できない液体Lは再生装置270から露光装置外へ排出され、代わりに露光装置外から露光装置内へ新しい液体Lが供給される。この構成は、液体Lが高価な高屈折率液体である場合に有効である。
(実施形態3)
本実施形態の液浸露光装置100bを図3に示す。本実施形態の液浸露光装置100bは、実施形態1の液浸露光装置100と以下の2つの点で異なる。第1に、脱気処理部200の下流に温度調整部195(第2の温度調整部)を設けた点である。第2に、実施形態2の液浸露光装置100aと同様に、回収ユニット170によって回収された液体Lを再生するための再生装置270を設け、液体Lを再生装置270で再生した後にタンク180に戻す構成にした点である。後者については実施形態2で説明済みなので説明を省略し、ここでは前者の温度調整部195について説明する。
本実施形態の液浸露光装置100bを図3に示す。本実施形態の液浸露光装置100bは、実施形態1の液浸露光装置100と以下の2つの点で異なる。第1に、脱気処理部200の下流に温度調整部195(第2の温度調整部)を設けた点である。第2に、実施形態2の液浸露光装置100aと同様に、回収ユニット170によって回収された液体Lを再生するための再生装置270を設け、液体Lを再生装置270で再生した後にタンク180に戻す構成にした点である。後者については実施形態2で説明済みなので説明を省略し、ここでは前者の温度調整部195について説明する。
温度調整部195の効果についての理解を促すために、脱気処理部200について詳細に説明する。脱気処理部200としては、気体透過膜の一方に液体を流し他方を減圧することによって溶存気体を除去する脱気フィルタを用いている。気体透過膜としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)等のフッ素樹脂が例えば用いられる。気体透過膜と液体の接触面積を大きくするために、気体透過膜を径100μm程度の中空糸状に加工するのが望ましい。フッ素樹脂の中空糸を数十から数百本束にして内部に液体を流し、中空糸の外側を減圧することで、液体中の溶存気体を効率良く除去することが可能である。逆に、中空糸内を減圧し、中空糸外に液を流しても同様の効果を得ることができる。
つまり、脱気処理部200は、処理能力を向上させるために、液体Lと気体透過膜との接触面積ができるだけ大きくなるように構成されている。したがって、液体Lは気体透過膜を介して熱交換が生じやすく、例えば雰囲気温度の変化などによって気体透過膜の温度変動が生じると、結果的に液体Lの温度変動が生じやすい。そのため、実施形態1の液浸露光装置100のように脱気処理部200の上流で液体Lの温度を高精度に調整しても、供給ノズル140で液体Lの温度が変わってしまっている可能性がある。そのため、本実施形態の液浸露光装置100bには、脱気処理部200で変動した温度を補償する目的で、温度調整部195を脱気処理部200の下流に設けている。
しかし、温度調整部195として加熱器を使用したのでは、脱気処理部200を通過した後の液体Lの流量が小さい(1L/min未満)ため、前述の通り液体Lの温度を高精度に調整し難い。そのため、本実施形態の液浸露光装置100bでは、温度調整部195として後述の熱交換器195a、195bまたは195cを使用し、脱気処理部200による液体Lの温度の変動を低減させている。
次に、熱交換器の具体的な構成について説明する。図4は、熱交換媒体Eとして液体を利用した温度調整部195aの図である。温度調整部195aは、供給ノズル140から供給される液体Lが設定温度になるように、高精度に温度調整された熱交換媒体Eと液体Lとで供給流路230を介して熱交換させる。液体Lと供給流路230、および熱交換媒体Eと供給流路230の接触面積を増やした構成が望ましい。例えば、液体Lが通過する供給流路230を多数の細い配管に分岐させて、液体Lおよび熱交換媒体Eに対する供給流路230の接触面積がなるべく大きくなるように設定すると良い。
また、熱交換媒体Eの温度を、供給ノズル140での液体Lの設定温度に調整するのではなく、その設定温度より高い温度に調整したり、低い温度に調整したりすることで、液体Lが供給ノズルでその設定温度になるようにしても良い。その際、供給ノズルから供給される液体Lの温度をモニタするために温度センサを設け、その温度センサの出力に基づいて熱交換媒体Eの温度を調整してもよい。
図5は、熱交換媒体として固体を利用した温度調整部195bの図である。液体Lを熱容量の大きな金属などの熱容量部材280になるべく大きな面積で接触させることで、温度調整部195bの出口における温度変動分を入口における温度変動分よりも小さくしている。熱容量部材280は、液体Lへの溶け出しや化学変化が少なく、かつ熱容量が大きな材料で構成されることが好ましい。例えば、チタン、金、ステンレス、またはガラスを熱容量部材280の材料として使用することができる。また、液体Lとの接触面積を大きくするために、図5のように熱容量部材280を球状等にして供給流路230内に多数配置させ、液体Lが熱容量部材280の隙間を通るようにすると良い。
図6は、熱交換媒体として液体L自体を利用した温度調整部195cの図である。温度調整部195cは加圧タンク185を有する。供給流路230を通ってきた液体Lは、加圧タンク185に流れ込む。加圧タンク185は、雰囲気の温度変動の影響を受けないように、その表面が断熱材187でおおわれている。加圧タンク185内は液体Lで満たされており、加圧タンク185内で液体L同士の熱交換が行われる。このように構成することにより、加圧タンク185に流入する液体Lの高周波な温度変動が平均化され、温度変動が相対的に低くなった液体Lが加圧タンク185から流出する。また、加圧タンク185を設けずに、供給流路230の一部に配管断面積が相対的に大きな部分を設けることでも同様の効果が得られる。
温度調整部195は、脱気処理部200で生じた液体Lの温度変動分をできるだけ低減するために設けたものであり、熱交換原理を用いて0.1Hz以上の高周波な温度変動を小さくするものである。温度調整部195では、温度ドリフトのような低周波な温度変動は低減しずらい。
そのため、本実施形態の液浸露光装置100bでは、温度調整部195の下流に温度センサ290を設けて液体Lの温度を検知している。そして、液浸露光装置100bでは、温度センサ290の出力に基づいて温度調整部190(第1の温度調整部)の目標値を変更して、低周波な温度変動を低減している。ここで、温度センサ290の出力を温度制御点としてフィードバックするのではなく、温度制御の目標値(設定値)の変更にフィードバックすることに注意する。なお、出力を温度制御点としてフィードバックするための温度センサ(不図示)は、温度調整部190内に含まれている。
(実施形態4)
実施形態4の液浸露光装置100cを図7に示す。本実施形態の液浸露光装置100cは、実施形態3の液浸露光装置100bと基本的な構成は同じであるが、以下の1点が異なる。つまり、供給流路230の配管の一部を、熱容量が液体Lより大きい液浸露光装置100cの部品(定盤、フレーム、または鏡筒など)と、接触面積が大きくなるように接触部(熱交換部)において接触させている点が異なる。したがって、本実施形態では、この熱交換部が温度調整部195に相当する。
実施形態4の液浸露光装置100cを図7に示す。本実施形態の液浸露光装置100cは、実施形態3の液浸露光装置100bと基本的な構成は同じであるが、以下の1点が異なる。つまり、供給流路230の配管の一部を、熱容量が液体Lより大きい液浸露光装置100cの部品(定盤、フレーム、または鏡筒など)と、接触面積が大きくなるように接触部(熱交換部)において接触させている点が異なる。したがって、本実施形態では、この熱交換部が温度調整部195に相当する。
本実施形態の液浸露光装置100cでは、具体的には、配管を介して液体Lと投影光学系110の鏡筒との熱交換がなされるように、配管を鏡筒に巻きつけている。これにより、脱気処理部200で温度変動が生じた液体Lが流れてきても、液体Lと鏡筒とで熱交換が行われ、液体Lの温度変動は低減される。なお、鏡筒の温度は、熱容量が液体Lより大きいためほとんど変化しない。
本実施形態では、実施形態3と同様に、温度センサ290の出力に基づいて温度調整部190への設定値(目標値)を変更する制御を行うことで、温度ドリフトのような低周波な温度変動に対処している。この制御のことを目標値フィードバックと呼ぶ。本実施形態の液浸露光装置100cでは、液体Lの温度のAC成分の低減を温度調整部195が主に受け持ち、液体Lの温度のDC成分の低減を温度調整部190が受け持っている。
液浸露光装置100cでは、供給流路230の配管の一部を投影光学系110の鏡筒に巻きつけることで、液浸露光装置の部品と配管とを接触させている。しかし、配管と接触させる液浸露光装置の部品は、液体Lよりも熱容量が大きな部材であれば何でも良い。例えば、定盤や露光装置本体のフレームでも良い。
(実施形態5)
実施形態5の液浸露光装置100dを図8に示す。実施形態5の液浸露光装置100dは、実施形態1の液浸露光装置100と基本的な構成は同じであるが、循環流路220の構成が異なる点と、タンク180に分岐部210の機能を持たせている点が異なる。
実施形態5の液浸露光装置100dを図8に示す。実施形態5の液浸露光装置100dは、実施形態1の液浸露光装置100と基本的な構成は同じであるが、循環流路220の構成が異なる点と、タンク180に分岐部210の機能を持たせている点が異なる。
循環流路220は、タンク180、ポンプ250、温度調整部190、およびそれらを接続する配管を含む。このような構成にすることで、タンク180内の液体Lの温度を調整することができる。
タンク180には供給流路230も接続されており、タンク180は分岐部210の役割も果たしている。なお、液体Lを流すための専用ポンプを供給流路230に設けている。
(実施形態6)
デバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)は、前述のいずれかの実施形態の露光装置を使用して感光剤を塗布した基板を露光する工程と、その基板を現像する工程と、他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
デバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)は、前述のいずれかの実施形態の露光装置を使用して感光剤を塗布した基板を露光する工程と、その基板を現像する工程と、他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 液浸露光装置
110 投影光学系
120 原版
130 基板
140 供給ノズル
160 供給ユニット
180 タンク
190 温度調整部(第1の温度調整部)
195 温度調整部(第2の温度調整部)
200 脱気処理部
210 分岐部
220 循環流路
230 供給流路
L 液体
110 投影光学系
120 原版
130 基板
140 供給ノズル
160 供給ユニット
180 タンク
190 温度調整部(第1の温度調整部)
195 温度調整部(第2の温度調整部)
200 脱気処理部
210 分岐部
220 循環流路
230 供給流路
L 液体
Claims (8)
- 液体を介して基板を露光する露光装置において、
原版のパターンの像を基板に投影する投影光学系と、
前記投影光学系と前記基板との間に供給ノズルを介して前記液体を供給する供給ユニットと、を備え、
前記供給ユニットは、
前記液体を蓄えるタンクと、
前記タンクに蓄えられた前記液体が循環する循環流路と、
前記循環流路の分岐部(第1の分岐部)から前記供給ノズルへ前記液体が流れる供給流路と、
前記循環流路に設けられ、前記循環流路を流れる前記液体の温度を調整する温度調整部(第1の温度調整部)と、
前記供給流路に設けられ、前記供給流路を流れる前記液体を脱気する脱気処理部と、
を有することを特徴とする露光装置。 - 前記供給ユニットは、前記供給流路に設けられ、前記脱気処理部で脱気された前記供給流路を流れる前記液体の温度を調整する第2の温度調整部を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記供給ユニットは、前記供給流路の前記脱気処理部よりも下流に設けられた第2の分岐部から前記循環流路へ前記液体が流れる流路を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記第1の温度調整部は、前記液体を加熱する加熱器を含み、
前記第2の温度調整部は、前記液体と媒体との熱交換を行う熱交換器を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の露光装置。 - 前記供給流路は、前記投影光学系の鏡筒に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
- 前記液体は、1.5よりも大きい屈折率を持つ液体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記投影光学系と前記基板との間から回収ノズルを介して前記液体を回収する回収ユニットを更に備え、
前記回収ユニットは、前記回収ノズルから前記タンクへ前記液体が流れる回収流路を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の露光装置で基板を露光し、その露光された基板を現像することを特徴とするデバイスの製造方法。
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JP2008254000A JP2010087191A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 露光装置およびデバイス製造方法 |
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CN105793700A (zh) * | 2013-11-27 | 2016-07-20 | 松下健康医疗控股株式会社 | 血液成分量的测定方法 |
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