JP2010045300A - 露光装置 - Google Patents

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芳幸 岡田
Takafumi Ota
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Abstract

【課題】 温度調節手段を供給対象毎に設けなくても安定した温度の流体を複数の供給対象に供給可能な露光装置を提供する。
【解決手段】 本発明の露光装置は、流体によって供給対象の排熱および温度調節を行うものであって、流体を供給する供給手段と前記供給手段からの流体を複数の流路に分岐する分岐手段と前記分岐手段によって複数の流路に分岐された流体が供給される複数の供給対象と前記複数の供給対象に供給される流体の温度を調節する温度調節手段と前記供給対象に供給される流体の流量を調整する複数の流量調整手段と前記温度調節手段と前記複数の流量調整手段との間の流体の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記温度調節手段は前記供給手段と前記分岐手段との間に配置され前記温度検出手段の検出結果に基づき前記複数の供給対象に供給される流体の温度を調節し、前記供給対象は前記分岐手段と前記流量調整手段との間に配置されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、露光装置内の発熱を流体により冷却する際の流体の分配および調整方法に関するものである。
近年のICやLSI等の半導体集積回路は、極めて微細な回路パターンの加工が要求され、レチクルに描画された回路パターンを投影光学系によりウエハに投影して転写する半導体露光装置の解像度の向上が必要となっている。露光装置の解像度は露光に用いる光源の波長に依存し、波長が短くなるほど解像度は高くなる。これまで、超高圧水銀ランプによる紫外光(g線、i線)やKrFエキシマレーザ(波長=248nm)、ArFエキシマレーザ(波長=約193nm)等が用いられている。更に数十nm以下の回路パターンでは、波長が13nm前後の極端紫外線(以下、EUV)光を用いたEUV露光装置が必要となる。
EUV光は物質による光の吸収が非常に大きいため、光の屈折を利用した屈折型光学系を使用することはできず、EUV光をミラーにより反射してレチクルのパターンをウエハに投影する反射型光学系が用いられる。EUV光は空気等の気体にも吸収されてしまうため、EUV光が通過する光路は真空排気する必要があり、10―5Pa程度の高真空から、好ましくは10−6Pa以下の超高真空にて露光を行う必要がある。
さて、露光装置は、レチクルやウエハを搬送および位置決めするレチクル搬送系、ウエハ搬送系、およびレチクルステージ、ウエハステージを有し、光源からの光をレチクルに照射する照明系、レチクルからの露光光をウエハに投影する投影光学系により構成される。その他、フォーカスやアライメントを行うための計測系を有する。生産性向上のため各搬送系やステージは高速で駆動され大きな熱を発生する。また、投影光学系や計測系は発熱量は比較的小さいが、温度変動により光学的な誤差や計測誤差が発生するため0.001℃〜0.01℃のレベルで温度管理する必要がある。
そこで、これら露光装置内の発熱を回収して装置の温度を安定に保つため温度制御された流体、即ち空気等の気体や水等の液体を露光装置に供給する。
露光装置への流体を供給する流体供給装置としては特許文献1がある。
特許文献1では、供給対象としてレチクルステージ、投影光学系およびウエハステージが示され、それらに水等の液体を供給する構成が示されている。供給対象に供給される流量は、供給対象の上流で流量センサと流量調整器により調整される。流量調整器の下流には温度センサが配置され、この温度をフィードバックして上流にある温度調節手段(ヒータ)を制御し、供給対象に供給する液体の温度を調整する。
流量調整器は温度外乱となるが、特許文献1では流量調整手段の下流に温度センサが配置されているため流量調整器による温度外乱が温度センサにより検出フィードバックされ、温度調節手段によりキャンセルするよう制御される。
他の流体供給装置として特許文献2がある。特許文献2では、1つの発熱体に対し上流側に温度センサを設け、この温度をフィードバックして温度調節手段を制御する。また、発熱体の下流側に温度センサと流量調整弁を設け、この温度センサの値が所定範囲となるように流量調整弁を調節し、流量を変更する。更に流量センサを設け、流量の変動に伴い前記温度調節手段の制御を行うPID等の制御パラメータを変更する。
特開2005−136004号公報 特開2006−013212号公報
特許文献1の構成では、複数個の供給対象に対し、供給対象と同数の温度調節手段を必要とする。
また、特許文献2には供給対象が複数の場合は記載されていないが、複数設けたとすると、特許文献2の場合も供給対象と同数の温度調節手段を必要とする。
しかしながら、実際の露光装置では、かなりの数の供給対象があるため、供給対象の数だけ温度調節手段を設けると、その分コストがかかってしまう。また、供給対象毎にヒータを設けるとヒータを配置するスペースも問題となってしまう。
上記課題に鑑み、本発明は、露光装置内の複数の供給対象に流体を供給する流体供給において、温度調節手段を供給対象毎に設けなくても安定した温度の流体を複数の供給対象に供給可能な露光装置を提供することを目的とする。
本発明の露光装置は、流体によって供給対象の排熱および温度調節を行うものであって、流体を供給する供給手段と、前記供給手段からの流体を複数の流路に分岐する分岐手段と、前記分岐手段によって複数の流路に分岐された流体が供給される複数の供給対象と、前記複数の供給対象に供給される流体の温度を調節する温度調節手段と、前記供給対象に供給される流体の流量を調整する複数の流量調整手段と、前記温度調節手段と前記複数の流量調整手段との間の流体の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記温度調節手段は、前記供給手段と前記分岐手段との間に配置され、前記温度検出手段の検出結果に基づき前記複数の供給対象に供給される流体の温度を調節し、前記供給対象は、前記分岐手段と前記流量調整手段との間に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、露光装置内の複数の供給対象に流体を供給する流体供給において、温度調節手段を供給対象毎に設けなくても安定した温度の流体を複数の供給対象に供給可能とする露光装置を提供することができる。
以下に本発明の実施例について、詳細に説明する。
(実施例1)
図8は一般的な露光装置の構成図である。露光装置300は、不図示の露光光源より露光光が出射され、照明光学系316により、レチクルステージ312に設置されたレチクル311を照射する。レチクル311を透過した光は、投影光学系313を透過して、ウエハステージ314に設置されたウエハ315に到達し、レチクル上に描かれた微細なパターンをウエハ上の各チップに焼き付ける。露光光源は、超高圧水銀ランプによる紫外光(g線、i線)やKrFエキシマレーザ(波長=248nm)、ArFエキシマレーザ(波長=約193nm)等が用いられる。更に数十nm以下の回路パターンでは、波長が13nm前後の極端紫外線(Extreme Ultra Violet、以下EUV)光を用いたEUV露光装置が必要となる。
ステッパーと称される露光装置では、レチクルステージ312は静止し、ウエハステージ314は露光中は静止し、露光終了すると次のチップの露光のためにステップ駆動される。スキャニングステッパーと称される露光装置では、レチクルステージ312とウエハステージ314は同期して逆方向に走査し、同期走査中に露光が行われ、露光終了すると次のチップの露光のためにウエハステージ314がステップ駆動される。スキャニングステッパーでは、より生産性を向上させるため、レチクルステージ312およびウエハステージ314の各ステージは、極めて高速に駆動され、かつ微細化露光のため極めて精密に位置または速度が制御される。各ステージにおけるアクチュエータやセンサの発熱を回収し温度を安定に保つために水や純水、または不凍液、またはフッ素系不活性液体等の液体が供給される。ステージ位置を計測する不図示の干渉計に温度外乱が加わると正確な位置決めができなくなるため、液体を供給する場所によっては、目標温度に対して0.01℃前後に温度制御された液体が供給される。
また、投影光学系313は温度に対し非常に敏感で、温度変動により露光の倍率やフォーカス等の露光性能が変化してしまう。このため、投影光学系の温度を常に一定とし、ステージ等からの熱の影響を抑制するために目標温度に対して0.001℃〜0.01℃前後に温度制御された水や純水、または不凍液、またはフッ素系不活性液体等の液体が供給される。
露光装置内にはこの他にも、不図示のフォーカスやアライメント計測を行うための多数の精密計測系がある。これら精密計測系も温度に対し敏感で、温度変動によりフォーカス誤差やアライメント計測誤差が発生してしまう。このため精密計測系のセンサやアクチュエータの発熱を回収し温度を安定に保つために目標温度に対して0.01℃前後に温度制御された水や純水、または不凍液、またはフッ素系不活性液体等の液体が供給される。
このように、露光装置300では、各種ステージや投影光学系および精密計測系等の複数の機器に対し温度が0.001〜0.01℃のレベルで安定した水や純水または不凍液、またはフッ素系不活性液体等の液体を供給することで排熱および温度調節を行っている。
図1に基づき実施例1の説明を行う。流体供給装置10は、前記の水や純水、または不凍液、またはフッ素系不活性液体等の液体を供給する装置である。タンク6、液体を循環させるポンプ4、回収した熱量を冷却する熱交換器2により構成される。熱交換器2における冷却は、代替フロン等の冷媒を用いた冷凍機により構成されてもよいし、10〜18℃程度の工場冷却水との熱交換により行われてもよい。流体供給装置10により冷却された液体は、温度センサ16(温度検出手段)と制御部14によりヒータ12(温度調節手段)の加熱量を調整して所定の温度に制御する。制御部14では、温度センサ16の検出結果と所定の温度、即ち目標温度との偏差より、例えば、PID等の比例/積分/微分演算を行い、その操作量をヒータ12に印加する。目標温度は例えば露光装置300が設置されるクリーンルーム温度の23.000℃に設定されてもよい。温度センサ16はヒータ12から分岐マニホールド20(分岐手段)の間の流体の温度を計測するよう配置されてもよいし、後述する分岐マニホールド20で分岐する前または分岐後の流体の温度を計測してもよい。また、後述する複数の供給対象22のうちの1つの温度を計測してもよいし、幾つかの温度を計測して平均温度を算出するよう構成されてもよい。あるいは、1つの供給対象、例えば、投影光学系に供給する入口の温度と出口の温度を計測して平均温度を算出するよう構成してもよい。または、供給対象22と後述する集合マニホールド28(集合手段)との間の流体の温度を計測してもよい。一般的には、前記投影光学系に対する温度安定性の要求が厳しいため、投影光学系に供給する流体の温度を計測するよう配置されてもよい。
続いて温度制御された液体は分岐マニホールド20により複数の供給対象22に供給するため分岐される。複数の供給対象22は、例えば前記の各種ステージや投影光学系、および精密計測系等である。供給対象22へ供給される液体の流量は、それぞれの発熱量や抑制する外乱の大きさにより異なる。また、液体を流した際の各供給対象における圧力損失は流量の2乗に比例し、流量や流路の形状等により大きく異なる。本発明では流量を計測する流量計24(流量検出手段)と流量計24の検出結果に基づいて圧力損失を調整する圧損調整器26(流量調整手段)を供給対象22の後段に配置する。これによって、流量や圧力損失が異なる複数の供給対象22に対して供給する流量を所定値に調整している。例として圧損調整器26は、手動バルブや電動弁、固定の場合は固定絞り等が挙げられる。しかし、これに限らず、流路を流れる流体の流れ方向と直交する断面の大きさを変化させることによって、流路を流れる流体に圧力を加え流量を変化させるものが該当する。
ここで、圧損調整器26による発熱と温度上昇に関する説明を行う。
圧力損失=P[Pa=N/m2]
流量=Q[m3/s]
とする。また、
圧力損失による発熱=X[W=J/s=N・m/s]
とおくと、
X=P*Q (1)
で表される。即ち、圧力損失により失われたエネルギーは、圧力損失と流量の積で表され、そのエネルギーは熱と振動に変換される。圧損調整器26やその前後の配管には断熱材が巻かれ外気との熱交換量は最小限に抑制される。また、不慮の振動が発生しないよう適切な固定と必要に応じて防振ゴム等が施される。従って、圧力調整により発生した(1)式で表される圧力損失エネルギーは、ほぼ熱に変換されて液体の温度を上昇させる。
一方、液体の比熱、密度より、
比熱=Cp[kJ/kg・K]
密度=ρ[kg/m3]
液体を1℃変化させるために必要なエネルギー=Y[W/℃]
とすると、
Y=Q*Cp*ρ*103 (2)
で表される。
例えば、液体が水および純水の場合、
Cp=4.18[kJ/kg・K]
ρ=996.6 [kg/m3]
Q=1[L/min]=1.667*10−5[m3/s]
∴Y=4.18*996.6*1.667*10−5*103
=69.44[W/℃]
となる。即ち、水=1L/minに対して1℃変化させるためには69.44Wのエネルギーが必要となる。
これより、圧力損失による発熱=Xが水=1L/minに与える温度上昇ΔT[℃]は、
ΔT=X/Y (3)
で表される。
Yの値は液体により異なり、例えば、プロピレングリコール溶液等による不凍液の場合は、Cp=3.89[kJ/kg・K]、ρ=1040.0[kg/m3]、Q=1[L/min]=1.667*10−5[m3/s]より
∴Y=67.44[W/℃]
また、フロリナート等のフッ素系不活性液体の場合は、Cp=1.125[kJ/kg・K]、ρ=1620.0 [kg/m3]、Q=1[L/min]=1.667*10−5[m3/s]より
∴Y=30.38[W/℃]
となる。液体を1℃変化させるために必要なエネルギーは水と不凍液の場合はほぼ同様の値となるが、フッ素系不活性液体の場合は水に比べて小さなエネルギーで液体の温度が変化する。
ここで、圧力損失=100kPa、流量=10L/minの水における圧力損失による温度上昇を計算してみると、(3)式より、
ΔT[℃]=105*10*10−3/60/(67.44*10)
=0.0247℃
となる。
同様に、フッ素系不活性液体の場合は、
ΔT[℃]=105*10*10−3/60/(30.38*10)
=0.0549℃
となる。
(1)式、(3)式より水=10L/minの圧力損失による発熱量と温度上昇の計算結果を図2、図3に示す。これらの特性より、圧力損失が大きい程、発熱量が増加し、水の温度上昇も高くなることが分かる。
この圧力調整による温度上昇の影響は、目標温度に対して0.001℃〜0.01℃前後の温度安定性を要求される投影光学系や精密計測系、およびステージ位置の計測系等の複数の供給対象22に供給する場合に大きな問題となる。圧損調整器26を供給対象22の前段に配置した場合、圧損調整の発熱による温度上昇により供給対象への温度が所定の目標温度とならない。この場合、供給対象毎に温度センサとヒータを設けて圧損調整による温度外乱を抑制しなければならない。
本発明では、温度外乱となる圧損調整器26を複数の供給対象22の後段に配置している。そのため、供給対象に供給される液体の温度に外乱を与えることなく複数の供給対象に流す流量を調整することが可能となる。また、分岐マニホールド20から供給対象22への流路による圧力損失を、例えば50kPa以下となるよう構成すれば、圧力損失による温度上昇は0.01℃以下となる。この場合、温度センサ16は、例えば、投影光学系に供給する液体の温度を計測し、制御部14とヒータ12により複数の供給対象22に供給する液体の温度を正確に所定の目標値に制御することが可能となる。
尚、圧損調整器26の後段に集合マニホールド28が配置され、複数の流路が1流路にまとめられて流体供給装置10に帰還するよう構成される。
従って、本発明によれば、露光装置内の複数の供給対象に流体を供給する流体供給において、圧損調整器26が供給対象の後段に配置されるため、圧損調整器26による温度外乱は供給対象を通過した後に加えられる。これにより、複数の供給対象に供給する流体への温度外乱を低減して各温度を等しくすることができる。従って、流量調整による温度外乱の影響を低減して安定した温度の流体を複数の供給対象に供給することが可能となる。
また、温度センサ16をヒータ12と分岐マニホールド20との間に配置することで、温度センサも供給対象毎に設ける必要がなくなるというメリットがある。さらに、温度センサ16を分岐マニホールド20と複数の供給対象22のうちいずれかの間の流体の温度を代表して測定することで、温度センサを供給対象毎に設ける必要がなくなるというメリットがある。
(実施例2)
次に図4により実施例2の説明を行う。実施例1と同様の機能を有するものは同じ番号を付し、その説明を割愛する。実施例1と異なる点は、分岐マニホールド20と複数の供給対象22が真空チャンバ30の中に配置され、液体の供給と回収は、供給フィードスルー32と回収フィードスルー34により行われる点である。
前述したように、数十nm以下の微細な回路パターンの露光には、波長が13nm前後の極端紫外線光を用いたEUV露光装置が必要となる。EUV光は、物質や空気による光の吸収が非常に大きい。そのため、露光空間は10−1Pa〜10−5Pa程度の高真空もしくはそれ以下の超高真空とする必要がある。照明光学系や投影光学系は反射ミラーにより構成され、レチクルも反射型が用いられる。
真空内には様々なセンサやアクチュエータ、ケーブル、およびアクチュエータ等を冷却するための配管等が実装される。大気から真空内にケーブルや配管を通す場合、フィードスルーと呼ばれる接続部品が必要となる。ケーブル用として電気フィードスルー、流体用として流体フィードスルーがある。電気フィードスルーはガラスやセラミック封着によるハーメチックシールによって機密と電気的絶縁が保たれる。流体フィードスルーは溶接やO−リングによるシールによって機密が保たれ、配管を接続する。これらのフィードスルーは、その形状や取り付けフランジ等により大きな取り付けスペースを要し、加えて、組み立て時間の長大化、および煩雑なケーブルや配管の実装を招く。従って、省スペース、組み立て時間の短縮化のため、フィードスルーの削減が望ましい。
また、高真空または超高真空の圧力を維持するには、真空内の機器から発生するアウトガスを低減する必要がある。そのために、真空内に配置する部品数、およびケーブルや配管の量の削減が必要となる。
本実施例では、分岐マニホールド20が真空チャンバ30の中に配置されているため、供給フィードスルー32は1個である。供給流体は真空チャンバ30内で分岐され、複数の供給対象22に供給される。回収フィードスルー34は供給対象22と同数の個数を要し、供給対象22を通過した流体を大気に戻す。流量計24、圧損調整器26、集合マニホールド28は大気中に配置され、流量計24の値に基づき圧損調整器26を調整して各流量を所定の一定値に調整するよう構成される。
従って、本実施例によれば、真空中で露光が行われる露光装置において、真空内に分岐マニホールド20を配置することにより流体を供給する供給フィードスルー32を1個とすることができる。これにより、フィードスルーの数を削減して省スペース化し、組み立て時間を短縮することが可能となる。また、流量計24、圧損調整器26を大気中に配置することにより真空内の部品数を削減することができ、アウトガスを低減して必要な高真空または超高真空の圧力を得ることが可能となる。
尚、本実施例においても実施例1と同様に、温度外乱となる圧損調整器26を供給対象22の後段に配置しているため、供給対象に供給される液体の温度に外乱を与えることなく複数の供給対象に流す流量を調整することが可能となる。同様に、温度センサ16は、例えば、投影光学系に供給する液体の温度を計測し、制御部14とヒータ12により複数の供給対象22に供給する液体の温度を正確に所定の目標値に制御することが可能となる。
(実施例3)
次に図5により実施例3の説明を行う。実施例2と同様の機能を有するものは同じ番号を付し、その説明を割愛する。実施例2と異なる点は、流量計24’、圧損調整器26’、集合マニホールド28’が真空チャンバ30の中に配置され、液体の回収が回収フィードスルー34’の1個により行われる点である。
回収フィードスルー34’の数が削減され1個となっているため省スペース化し、組み立て時間を短縮することが可能となる。また、圧損調整器26’を手動や電気的に圧力損失が可変できるタイプのものではなく、固定絞り等の固定式とすることにより配管の実装やアウトガスを低減することが可能となる。即ち、複数の供給対象22と各流路の圧力損失を計算もしくは実測により求め、各流量が所定の一定値となるよう固定式の圧損調整器26’を設ける。この場合、調整の必要がないため流量計24’も削除することができる。
従って、本実施例によれば、真空中で露光が行われる露光装置において、真空内に分岐マニホールド20と集合マニホールド28’を配置して流体の供給フィードスルー32と回収フィードスルー34’を1個づつとすることができる。これにより、フィードスルーの数を削減して省スペース化し、組み立て時間を短縮することが可能となる。また、圧損調整器26’を固定式とすることにより部品から発生するアウトガスを低減して必要な高真空または超高真空の圧力を得ることが可能となる。
尚、本実施例においても実施例1と同様に、温度外乱となる圧損調整器26’を供給対象22の後段に配置しているため、供給対象に供給される液体の温度に外乱を与えることなく複数の供給対象に流す流量を調整することが可能となる。同様に、温度センサ16は、例えば、投影光学系に供給する液体の温度を計測し、制御部14とヒータ12により複数の供給対象22に供給する液体の温度を正確に所定の目標値に制御することが可能となる。
(実施例4)
次に図6により実施例4の説明を行う。実施例1と同様の機能を有するものは同じ番号を付し、その説明を割愛する。実施例1と異なる点は、差圧制御部40である。複数の供給対象22に対し圧損調整器26により各流量を所定の一定値に調整する際、1つの圧損調整を行うと他の流路の流量が変化してしまう。例えば、1つの流路の圧力損失を低下させて流量を上昇させようとすると、他の流路の流量が低下してしまう。複数の供給対象22へ供給する流量の調整は、複数の圧損調整器26を交互に調整し、且つ、必要に応じてポンプ4の駆動能力を変更して、全ての供給対象への流量が所定の一定値になるまで繰り返し調整を行わなければならない。
この供給対象間の干渉を無くすため、本実施例では差圧制御部40を設ける。供給対象22に供給される液体の圧力を測定する圧力計46(第1の圧力検出手段)と圧損調整器26から排出される液体の圧力を測定する圧力計48(第2の圧力検出手段)を設置する。各圧力計は分岐マニホールド20、集合マニホールド28での圧力を測定するよう構成されてもよいし、特定の供給対象への配管ラインの圧力を測定するよう構成されてもよい。制御部44は圧力計46と48との検出結果の差、即ち差圧を算出する差圧演算部を有している。そして、制御部44はその差圧が所定の差圧値となるよう、つまり、差圧演算部による算出結果が所定値となるように、例えば、比例/積分/微分等のPID演算を行い操作量を出力する。バイパス路41は分岐マニホールド20と集合マニホールド28との間に設けられ、供給対象22、流量計24、圧損調整器26に流れる流体の一部をバイパスする。詳しくは、分岐マニホールド20の後段と集合マニホールド28の前段とを接続し、複数の、供給対象22、流量計24、圧損調整器26からなる経路(図中では4つ)のうち少なくとも一つの経路をバイパスする。制御弁42(バイパス流量調整手段)は制御部44からの操作量により弁の開度が調整され、バイパス路41の流量を調整する。ここで、差圧は下式で表される。
差圧=(供給される圧力)−(回収される圧力) (4)
差圧∝(圧力損失係数)*(流速)2 (5)
(4)式による差圧が差圧制御部40により常に一定に制御された状態で各圧損調整器26の圧力損失係数が調整され、流量計24の流量が所定の一定値に調整される。例えば、1つの流路の圧損調整で圧力損失係数を低下させて流量を上昇させようとすると、バイパス路41の流量および流速が低下して(5)式の差圧が低下しようとする。この時、差圧制御部40により制御弁42の弁の開度を調整して圧力損失係数を上げ、(5)式の差圧が一定となるように制御する。差圧が一定であることにより、他の供給対象の流量は変化せず、圧損調整器26により容易に各流量を所定の一定値に調整することが可能となる。
従って、本実施例によれば、供給対象から流量調整手段の間に発生する流体による差圧が所定値となるようバイパス路41の制御弁42が制御された状態で各供給対象に供給する流体の流量を圧損調整器26により調整する。このため、流量調整の際に発生する供給対象間の干渉が無くなり、容易に供給対象に供給する流体の流量を所定の一定値に調整することが可能となる。
尚、差圧制御部40は、実施例2、実施例3の真空内で露光が行われる装置においても適用が可能である。
(実施例5)
次に図7により実施例5の説明を行う。実施例1および実施例4と同様の機能を有するものは同じ番号を付し、その説明を割愛する。実施例4と異なる点は、差圧制御部40’からの操作量により流体供給装置10’の供給能力(供給量)、即ちポンプ4’の駆動能力を調整して差圧が所定値となるように制御する点である。
例えば、1つの流路の圧損調整で圧力損失係数を低下させて流量を上昇させようとすると、流体供給装置10’のポンプ4’の駆動能力が不十分であるため流量と流速が足りず、(5)式の差圧が低下しようとする。この時、差圧制御部40’によりポンプ4’の駆動能力を上げ、(5)式の差圧が一定となるように制御する。差圧が一定であることにより、他の供給対象の流量は変化せず、圧損調整器26により容易に各流量を所定の一定値に調整することが可能となる。
従って、本実施例によれば、供給対象から流量調整手段の間に発生する流体による差圧が所定値となるよう流体供給装置10’のポンプ4’の駆動能力が制御された状態で各供給対象に供給する流体の流量を圧損調整器26により調整する。このため、流量調整の際に発生する供給対象間の干渉が無くなり、容易に供給対象に供給する流体の流量を所定の一定値に調整することが可能となる。
尚、差圧制御部40’は、実施例2、実施例3の真空内で露光が行われる装置においても適用が可能である。
(実施例6)
本実施例では、デバイス製造方法について説明する。デバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)は、前述のいずれかの実施例の露光装置を使用して感光剤を塗布した基板(ウエハ、ガラス基板等)を露光する工程と、その基板を現像する工程と、他の周知の工程とを経ることにより製造される。
本発明の実施例1における流体供給の構成図である。 本発明における圧力損失による発熱の計算例である。 本発明における圧力損失による温度上昇の計算例である。 本発明の実施例2における流体供給の構成図である。 本発明の実施例3における流体供給の構成図である。 本発明の実施例4における流体供給の構成図である。 本発明の実施例5における流体供給の構成図である。 露光装置の概要を示す構成図である。
符号の説明
2 熱交換器
4 ポンプ
6 タンク
10 流体供給装置
12 ヒータ
14 制御部
16 温度センサ
20 分岐マニホールド
22 供給対象
24 流量計
26 圧損調整器
28 集合マニホールド

Claims (12)

  1. 流体によって供給対象の排熱および温度調節を行う露光装置において、
    流体を供給する供給手段と、
    前記供給手段からの流体を複数の流路に分岐する分岐手段と、
    前記分岐手段によって複数の流路に分岐された流体が供給される複数の供給対象と、
    前記複数の供給対象に供給される流体の温度を調節する温度調節手段と、
    前記供給対象に供給される流体の流量を調整する複数の流量調整手段と、
    前記温度調節手段と前記複数の流量調整手段との間の流体の温度を検出する温度検出手段とを備え、
    前記温度調節手段は、前記供給手段と前記分岐手段との間に配置され、前記温度検出手段の検出結果に基づき前記複数の供給対象に供給される流体の温度を調節し、
    前記供給対象は、前記分岐手段と前記流量調整手段との間に配置されることを特徴とする露光装置。
  2. 前記分岐手段によって分岐された複数の流路を流れる流体の流量を検出する複数の流量検出手段とを備え、
    前記複数の流量調整手段は、前記複数の流量検出手段の検出結果に基づき前記供給対象に供給される流体の流量を調整することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記複数の流量調整手段は、前記複数の流量検出手段の検出結果に基づき前記供給対象に供給される流体の流量を所定の一定値に調整することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記温度検出手段は、前記温度調節手段と前記分岐手段との間の流体の温度を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の露光装置。
  5. 前記温度検出手段は、前記分岐手段によって分岐された複数の流路のうちのいずれか1つを流れる流体の温度を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の露光装置。
  6. 前記温度検出手段の数が前記複数の供給対象の数よりも少ないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の露光装置。
  7. 前記分岐手段によって複数の流路に分岐された流体を1つの流路に集合する集合手段を備え、
    前記集合手段は、前記流量調整手段と前記供給手段との間に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の露光装置。
  8. 真空チャンバと、
    前記供給手段からの流体を前記真空チャンバの内に供給する供給フィードスルーと、
    前記流体を前記真空チャンバの内から回収する回収フィードスルーとを有し、
    前記流量調整手段は前記真空チャンバの外に配置され、前記分岐手段と前記複数の供給対象とは前記真空チャンバの内に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の露光装置。
  9. 真空チャンバと、
    前記供給手段からの流体を前記真空チャンバの内に供給する供給フィードスルーと、
    前記流体を前記真空チャンバの内から回収する回収フィードスルーとを有し、
    前記分岐手段と前記複数の供給対象と前記流量調整手段と前記集合手段とは前記真空チャンバの内に配置されることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  10. 前記供給対象に供給される流体の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、
    前記流量調整手段から排出される流体の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、
    前記第1の圧力検出手段と前記第2の圧力検出手段との検出結果の差を算出する差圧演算部と、
    前記供給手段が供給する流体の供給量を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記差圧演算部の算出結果が所定値となるように前記供給手段が供給する流体の供給量を制御し、
    前記流量調整手段は、前記複数の供給対象に供給される流体の各流量を所定の一定値に調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の露光装置。
  11. 前記供給対象に供給される流体の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、
    前記流量調整手段から排出される流体の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、
    前記第1の圧力検出手段と前記第2の圧力検出手段との検出結果の差を算出する差圧演算部と、
    前記分岐手段によって分岐された複数の流路のうちいずれかの流路に配置された前記供給対象と前記流量検出手段と前記流量調整手段とをバイパスするバイパス路と、
    前記バイパス路を流れる流体の流量を調整するバイパス流量調整手段と、
    制御部とを有し、
    前記制御部は、前記差圧演算部の算出結果が所定値となるように前記バイパス流量調整手段を制御し、
    前記流量調整手段は、前記供給対象に供給される流体の流量を所定の一定値に調整することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の露光装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の露光装置を用いてウエハを露光する工程と、
    前記ウエハを現像する工程とを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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