実施の形態1.
図1は、本発明に係るスケジュール管理装置を構成するハードウエア構成を示した図である。図1に示すように、本発明に係るスケジュール管理装置1は、パーソナルコンピュータ等の計算機本体10と、ディスプレイ等の表示装置11と、マウス、入力ペン、および、キーボード等の入力装置12とから構成されている。なお、表示装置11と入力装置12とを一体化させたタッチパネルを用いてスケジュール管理装置1を構成するようにしてもよい。
また、本発明に係るスケジュール管理装置1は、図2に示すように、管理サーバ2とともに、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信網3に複数個接続して、スケジュール管理システムを構築するようにしてもよい。この場合には、各スケジュール管理装置1は、通信網3を介して、管理サーバ2から各種データをダウンロードし、また、スケジュール管理装置1に入力されたスケジュールデータ等を管理サーバ2にアップロードして、管理サーバ2により一括管理するようにしてもよい。
本発明に係るスケジュール管理装置は、スケジュール管理機能において、スケジュールデータ入力時に、予め定義された内容に基づいて、前及び/または後に付随するスケジュールのデータを自動設定可能とするものである。そのため、本発明に係るスケジュール管理装置は、一般的なスケジュール管理装置が備えている基本機能の他に、さらに、関連する一連のデータを1回の操作で入力可能とする自動付加機能、付随スケジュールの内容定義機能、入力後の更新(伸縮・移動・流用・削除)操作時の連動、入力後の調整の付随スケジュール一括設定機能を備えている。本発明においては、これらの機能により、スケジュールデータを入力、変更、流用する際の操作回数が低減され、操作性が向上する。これらの機能について以下に説明する。
図3は、本発明に係るスケジュール管理装置1の計算機本体10の内部構成を示したブロック図である。図3に示すように、本発明に係るスケジュール管理装置1が備えるスケジュール機能20には、スケジュールデータが日時情報とともに入力され、付随データを含めたスケジュールデータの入力も一括で行うことが可能なスケジュール入力手段21と、入力済みのスケジュールデータの内容の更新(変更処理)を行うスケジュール更新手段22と、月ごとのカレンダおよび日付ごとの時間軸(時間帯表示バー)を表示したスケジュール表示画面に、入力中または入力済みのスケジュールデータの表示を行うスケジュール表示手段23と、付随スケジュールデータを含み得るスケジュールデータを入力する際に用いる定型パターンの定義が入力される定型パターン定義手段24とが含まれる。これらの各手段21〜24は、図3に示すように、基本機能と付随スケジュール一括設定機能とを有している。また、図3に示すように、スケジュール管理装置1は、ハードディスクまたはメモリ等の記憶装置から構成される記憶手段25を有しており、入力されたスケジュールデータや定型パターン等を記憶保持する。
スケジュール入力手段21には、基本機能として、スケジュールをユーザが登録するために、マウスやキーボード等の入力装置12の操作により、スケジュールデータが日時情報とともに入力される。なお、スケジュール入力手段21においては、スケジュールデータを直接入力してもよいが、そのほかに、予め定義済みの定型パターンの中から該当する定型パターンを読み出してスケジュールデータの入力を行う定型入力も可能である。また、本発明のスケジュール入力手段21においては、入力するスケジュールが付随スケジュールを含むものであっても、付随スケジュール一括設定機能として、一括した入力を可能としている。すなわち、スケジュールデータを入力する際に、付随スケジュールデータが定型パターンに予め登録されている場合には、当該定型パターンをユーザが選択指定することにより、当該定型パターンの定義に基づいた入力処理を行う。このように、スケジュール入力手段21は、本来の要件部分であるメインのメインスケジュールが入力される際に、それに付随する付随スケジュールが定型パターンに定義されている場合には、当該付随スケジュールデータも自動的に付加して、スケジュールデータ全体を一括して入力することができる。
スケジュール更新手段22は、基本機能として、マウスやキーボード等の入力装置12の操作により、入力済み(登録済み)のスケジュールデータを更新(伸縮・移動・流用・削除)するための手段である。なお、伸縮・移動・流用・削除の操作方法については後述する。また、スケジュール更新手段22は、付随スケジュール一括設定機能として、入力済みのスケジュールデータを更新する際に、当該スケジュールデータに付随スケジュールデータが包含されていて、定型パターンを用いた入力が行われたものであった場合には、当該定型パターンの定義に基づいて一括した更新処理を行う。このように、スケジュール更新手段22は、本来の要件部分であるメインのスケジュールが更新される際に、それに付随する付随スケジュールがあった場合には、当該付随スケジュールデータも同時に自動的に一括して更新する。
スケジュール表示手段23は、基本機能として、入力中のスケジュールデータおよび入力済みのスケジュールデータを画面表示するための手段である。また、スケジュール表示手段23は、付随スケジュール一括設定機能として、スケジュールデータを表示する際に、当該スケジュールデータに対して付随スケジュールデータが定型パターンに予め登録されている場合には、当該定型パターンの定義に基づいた画面表示処理を行う。このように、スケジュール表示手段23は、本来の要件部分であるメインのスケジュールが画面表示される際に、それに付随する付随スケジュールがあった場合には、当該付随スケジュールデータも、同時に自動的に一括して画面表示するための手段である。
定型パターン定義手段24は、基本機能として、スケジュールデータを入力する際に用いるための入力時の定型パターンを定義し記憶する。定型パターンには、定型パターン(付随スケジュールなし)と定型パターン(付随スケジュールあり)の2つのパターンがある。定型パターン定義手段24は、単体のスケジュールデータの入力のための定型パターン(付随スケジュールなし)の定義も行うが、それだけでなく、付随スケジュール一括設定機能として、付随スケジュールを含むスケジュールデータを入力する際に用いるための定型パターン(付随スケジュールあり)を定義し、記憶装置に記憶する処理も行う。
定型パターン(付随スケジュールなし)には、図4に示すように、定型パターンの件名(パターン名称)や、スケジュールデータの時間幅、表示する際の表示色、スケジュールデータの備考項目などの情報が定義可能である。
また、定型パターン(付随スケジュールあり)には、図5に示すように、定型パターンの名称(パターン名称)や、包含するメインスケジュールと付随スケジュールとの個数を合わせた合計スケジュール件数(n件)、包含するメインスケジュールと付随スケジュールとを合わせた全体時間幅(可変/固定の別)、包含する各スケジュール(メインまたは付随スケジュール)ごとの名称(n件分)、包含する各スケジュールごとの画面表示する際の表示色(n件分)、包含する各スケジュールごとの備考項目(n件分)などの情報が定義可能である。
このように、入力パターン定義手段24は、本来の要件部分であるメインのスケジュールの定型パターンが定義される際に、それに付随する付随スケジュールがあった場合には、当該付随スケジュールデータも、定型パターンとして、一括して定義するための手段である。
図6(a)は、定型パターン定義手段24による、定型パターン(付随スケジュールあり)の定義が入力される入力画面(定義画面)を示したものである。図6(a)に示すように、定型パターンは、画面上で入力、編集を可能とする。ユーザは、まず、入力装置12を用いて、パターン名称の入力欄30に、メインスケジュールと付随スケジュールとを合わせた組み合わせに対する、組み合わせパターン名称を入力し、次に、全体時間幅に関し、可変幅または固定幅の別を選んで、該当するボタン31を指定入力(クリック)する。次に、メインスケジュールまたは付随スケジュールの名称を名称入力欄32に入力し、時間幅(可変/固定の別)につき、該当するボタン33を指定入力(クリック)する。時間幅を固定と指定した場合には、固定時間幅の数値を時間幅入力欄34に入力する。また、表示色を表示色入力欄35に入力し、備考項目(電車賃の関連情報など)を備考入力欄36に入力する。これらのすべての入力が済んだら、追加ボタン37を指定入力(クリック)することにより、入力済みスケジュールデータ表示欄38に、入力したスケジュールデータが表示される。このようにして、メインスケジュールおよび付随スケジュールを、時間軸に沿った順番で、スケジュールの実行時刻が早いものから順に順次入力していって、定型パターン(付随スケジュールあり)の定義を入力する。この例の場合には、A社出張の中の移動(行き)を示す付随スケジュールが、最も実行時刻の早いスケジュールであるので、それを最初に定義し、次に、A社出張の中のA社での打ち合わせを示すメインスケジュールを定義し、最後に、A社出張の中の移動(帰り)を示す付随スケジュールを定義する。
また、このようにして入力したものの、削除したいメイン/付随スケジュールについては、各メイン/付随スケジュールごとに、入力済みスケジュールデータ表示欄38に設けられた削除ボタン39を指定入力(クリック)することにより、削除する。
図6(b)は、図6(a)の定義画面で入力された定型パターンの出力データである。この例では、“A社出張”という定型パターンに、3件のメイン/付随スケジュールデータが包含されており、メイン/付随スケジュール1が、A社出張の中の移動(行き)を示す付随スケジュールデータで、メイン/付随スケジュール2が、A社出張の中のA社での打ち合わせを示すメインスケジュールデータで、メイン/付随スケジュール3が、A社出張の中の移動(帰り)を示す付随スケジュールデータである。なお、図6(b)における出力データの中のメイン/付随スケジュール合計件数のデータは、ユーザが入力するものではなく、入力されたスケジュールの件数が自動的に計数(カウント)されて出力されるものである。それ以外の出力データは、図6(a)の定義画面によりユーザが入力したデータである。
なお、上記の説明においては、定型パターン(付随スケジュールあり)の定義の入力方法について説明したが、定型パターン(付随スケジュールなし)の定義を入力する場合には、それ専用の入力画面(図示省略)で入力してもよいし、あるいは、図6(a)の画面で、1つのスケジュールのみを入力することにより(複数入力しない)、定義可能である。この場合には、図6(b)の出力データにおいて、メイン/付随スケジュール1のみに関するデータが出力されることになる。
また、定義した定型パターンは、各ユーザのスケジュール管理装置1の計算機本体10内の記憶装置(メモリ)に格納するようにしてもよいが、ユーザ間で共通に利用できるように、通信網3を介して管理サーバ2にアップロードして、管理サーバ2内の記憶装置(メモリ)に格納するようにしてもよい。管理サーバ2に格納するようにすれば、各ユーザ間で、入力の定型パターンが共通となり、図23に示したような従来の入力形式のばらつきの問題が発生しなくなるという効果が得られる。また、ユーザのうちの1人が定型パターンを作成すれば、他のユーザはいちいち作成しないで、それを利用することができるので、利便性が向上するとともに、効率的である。
次に、上述のようにして定義した定型パターンを用いたスケジュールの入力方法(登録方法)について図7を用いて説明する。図7(a)に示すように、まず、スケジュール表示手段23により、カレンダ表示画面40(第1のスケジュール表示画面)が表示装置11の画面に表示されるので、カレンダ表示画面40(第1のスケジュール表示画面)に対して、ユーザは、入力装置12を操作して、スケジュールを登録したい日付をマウスポインタ41により選択して、スケジュール入力手段21に対して、指定入力(クリック)する。これにより、スケジュール表示手段23により、当該指定された日付とともに、その日付に対する所定時間分の時間帯表示バー42(第2のスケジュール表示画面)が画面に表示される。なお、カレンダ表示画面40と時間帯表示バー42とは、同一画面に同時に表示してもよく、あるいは、異なる画面またはウインドウに別個に表示するようにしてもよい。こうして表示された時間帯表示バー42上で、ユーザが、登録したいスケジュールの開始時刻をマウスポインタ41により選択して、スケジュール入力手段21に対して、指定入力(クリック)する。このとき、開始時刻が明確にわかるように、マウスポイント41の右下の位置にプルダウンメニュー43により「10:00」のように具体的な時刻を数字で示すようにしてもよい。また、時間帯表示バー42は所定時間分だけ表示されているので、表示されていない時間については、ボタン44により、画面スクロールさせて、表示させるようにする。このようにして開始時刻を時間指定すると、図7(c)に示すように、スケジュール入力手段21により、パターン選択画面45が表示され、定義済みの定型パターンの名称が一覧表示される。その中から、ユーザが、該当する定型パターンをマウスポインタ41により、1つ選択して指定(クリック)する。図7(c)の例では、A社出張の定型パターンが選択されている。このとき、指定入力した定型パターンの全体時間幅が固定幅の場合には、上述の操作で指定した時間帯表示バー42上の開始時刻の位置から、入力されたスケジュールが表示されるので、これで入力操作が終了する。一方、指定入力した定型パターンの全体時間幅が可変(内側付加または外側付加)だった場合には、時間帯表示バー42上で登録したいスケジュールの終了時刻の指定入力を促すメッセージがスケジュール入力手段21により画面に表示されるので、上述の図7(b)と同様の操作により、ユーザが、時間帯表示バー42上で登録したいスケジュールの終了時刻をマウスポインタ41により選択して指定入力(クリック)する。これにより、スケジュール表示手段23により、ユーザが指定した開始時刻から終了時刻の範囲のスケジュールが時間帯表示バー42上に表示される。このように、定型パターンを用いることにより、1回の入力操作によって、図7(d)に示すように、メインスケジュールおよびそれに付随する複数の付随スケジュールがすべて一括設定される(図の例では、移動(行き)、A社、移動(帰り)の3件のスケジュールを一括設定)。なお、当該処理フローについては、図11に基づいて後述する。
なお、上記においては、定型パターンを用いた入力方法について説明したが、その場合に限らず、直接入力するようにしてもよい。その場合には、例えば、図7(c)のパターン選択のときに、定型パターンの名称一覧とともに、「直接入力」のメニューも同時に表示されるようにしておく。ユーザが「直接入力」を選択すると、終了時刻の入力が上記と同様に促され、終了時刻の入力が終了すると、スケジュールの名称を入力するためのテキストボックスが画面に表示され、それにユーザがスケジュールの名称を入力して、登録する。この際に、当該スクジュールの関連情報も登録できるようにしてもよい。
図8は、定型パターン(付随スクジュールあり)のバリエーションの例を示した図である。図8(a)の例は、メイン/付随スケジュールの合計件数が7件の場合の定型パターンを示したものである。メイン/付随スケジュールの合計件数は可変であり、このように、多数の付随スケジュールを含んだ定型パターンも本発明は定義可能である。また、図8(b)の例は、空白区間(件名なし、表示色なし)や、時間幅を持たないマーク型スケジュールを含む定型パターンを示したものである。空白区間(件名なし、表示色なし)とは、例えば、昼休みの時間などが該当し、また、時間幅を持たないマーク型スケジュールとは、例えば、出社や退社などが該当する(通勤時間をスケジュールに包含させない場合)。なお、マーク型スケジュールは、図8(b)に示すように、時間幅ではなく、当該時刻のみを「点」で示す三角形状等のマーク表示45で画面表示される。なお、三角形状に限らず、矢印や太線などで表示するようにしてもよい。このように、本発明のスケジュール管理装置においては、種々の定型パターンが定義可能である。
次に、スケジュールデータ(付随スケジュールあり)の入力後のデータ管理方法について説明する。入力されたスケジュールデータ(付随スケジュールデータあり)は、以下の2方式のいずれかの管理方式により、スケジュール管理装置1の記憶装置または管理サーバ2の記憶装置内に記憶され、管理される。1つ目の管理方式は、図9(a)に示されるグループ件数による管理方式であり、2つ目の管理方式は、図9(b)に示されるグループIDによる管理方式である。
図9(a)のグループ件数による管理方式においては、データ内で、メインスケジュールに付随する後続の付随スケジュールの有無とその件数とをグループ件数として保持する。これは、ファイル等によるデータ保持に適した方式である。当該方式においては、1つのスケジュールデータとして入力されたメイン/付随スケジュールが、すべて1つのファイルとして保持されている。当該1つのファイルに含まれるスケジュールの件数がデータとして入力されており(単体スケジュールの場合は件数は1、付随スケジュールありの場合は2以上の総件数)、各メイン/付随スケジュールには固有のIDが付されている。
また、図9(b)のグループIDによる管理方式においては、個々の付随スケジュールは独立データとして保持され、メインスケジュール及び付随スケジュール間をグループIDで結びつけて管理する。これは、データベースシステム等によるデータ保持に適した方式である。当該方式においては、1つのスケジュールデータとして入力されたメイン/付随スケジュールが、それぞれ、個々のファイルとして別々に保持されている。それぞれのファイルには、共通のID(以下、グループIDとする。)が付されている。このグループIDは、各スケジュールデータに対して付与される固有のデータである。従って、同一のグループIDを有するメイン/付随スケジュールデータは、それらを組み合わせて1つのスケジュールデータを構成している。
なお、図9(a),(b)に示すいずれの方式においても、入力後のスケジュールデータには、パターン定義の全体時間幅とメイン/付随スケジュールデータの個々の時間幅情報が保持されている。
次に、スケジュールの登録方法および登録されたスケジュールデータの画面表示の際の配置方法について説明する。
上述したように、図6に示した定義画面で定型パターンを定義する際に、全体時間幅を、「可変幅(内側付加)」、「可変幅(外側付加)」、「固定幅」の3つの中から選択する。
なお、「可変幅(内側付加)」とは、図10(a)に示すように、入力範囲の全体幅の内側に付随スケジュールが配置される(すなわち、固定時間幅の付随スケジュールも、可変幅のメインスケジュールも、すべて、全体幅の内側に配置される。)。
「可変幅(外側付加)」とは、図10(b)に示すように、入力範囲の全体幅の外側に付随スケジュールが配置される(すなわち、固定時間幅の付随スケジュールは外側で、可変幅のメインスケジュールのみ全体幅の内側に配置される。)。
「「固定幅」とは、図10(c)に示すように、メインスケジュールと付随スケジュールのすべてが固定幅で指定されており、可変でない場合であるので、入力範囲の全体幅の内側に、メインスケジュールおよび付随スケジュールの全てが固定幅で配置される。
このように、スケジュールが登録されたら、定型パターンにおいてユーザから指定された全体の時間幅指定とメイン/付随スケジュールごとの時間幅指定とに基づいて、図10(a)〜(c)のいずれかの配置を行う。
図11は、スケジュールの登録方法および画面表示の際の配置方法を、図1に示したハードウエア構成と協働させてソフトウエアにより実現させるための処理フローを示した図である。図11に示すように、まずはじめに、スケジュール入力手段21が、ユーザが登録したいスケジュールの開始時刻(開始位置)をユーザに入力するように促し、上記の図7(b)の操作により、ユーザによって時間帯表示バー42上に開始時刻(開始位置)が入力されたら、それを取得する(ステップS1)。次に、スケジュール入力手段21は、定型パターンのリストを一覧表示させ、その中から、該当する定型パターンを選択するようにユーザに促す。これにより、図7(c)の操作により、ユーザによって定型パターンを選択させ、選択指定された定型パターンの全体時間幅が固定幅として定義されているか、可変幅(内側付加または外側付加)として定義されているかを、判定する(ステップS2)。判定の結果、固定幅だった場合には、スケジュール表示手段23が、図10(c)に示すように、ユーザが入力した開始位置から、定型パターンに包含されているメイン/付随スケジュールのすべてを、固定幅で順に配置させる(ステップS3)。また、ステップS2の判定の結果、可変幅(内側付加または外側付加)だった場合には、スケジュール入力手段21は、ユーザに対して、登録したいスケジュールの終了時刻(終了位置)を入力するように促し、上記の図7(b)と同様の操作により、ユーザによって時間帯表示バー42上に終了時刻(終了位置)が入力されたら、それを取得する(ステップS4)。次に、図7(c)の操作によりユーザによって選択指定された定型パターンの全体時間幅が可変(内側付加)か可変(外側付加)かを判定する(ステップS5)。内側付加だった場合には、スケジュール表示手段23は、ユーザによって指定された時間帯表示バー42上の開始位置から終了位置までの範囲内に、図10(a)に示すように、固定幅として定義されているメイン/付随スケジュールを順に配置させ(ステップS6)、次に、当該範囲内の残りのスペースに、可変幅として定義されているメイン/付随スケジュールを順に配置させる(ステップS7)。また、ステップS5の判定で、外側付加だった場合には、スケジュール表示手段23は、図10(b)に示すように、ユーザによって指定された時間帯表示バー42上の開始位置から終了位置までの範囲内に、可変幅として定義されているメイン/付随スケジュールを配置させ(ステップS8)、次に、当該範囲の外側に、固定幅として定義されているメイン/付随スケジュールを順に配置させる(ステップS9)。
なお、このようにして登録されたスケジュールデータは、各ユーザのスケジュール管理装置1の計算機本体10内の記憶装置(メモリ)に格納するようにしてもよいが、ユーザ間で共通に閲覧できるように、通信網3を介して管理サーバ2にアップロードして、管理サーバ2内の記憶装置(メモリ)に格納するようにしてもよい。管理サーバ2内の記憶装置(メモリ)に格納した場合には、ユーザ間で共通に閲覧して、他のユーザのスケジュールを把握できる他に、各ユーザのスケジュールを統計的に処理して分析等に用いることも可能となる。なお、統計的に処理する場合には、過ぎてしまった日程の部分については、登録されたスケジュールと実際の行動との間に差異が生じてしまった場合には、各ユーザが、それを修正して更新するようにすれば、実際の行動についての統計的処理および分析となるので、より精度の高い実質に即した分析を行うことができる。
次に、スケジュール更新手段22により、入力済みのスケジュールデータの更新(伸縮・移動・流用・削除)を行う際の処理について図12〜図16を用いて説明する。本発明においては、入力後のスケジュールデータに対し、可変幅の伸縮・移動・流用・削除等の変更操作を行う際、付随スケジュールも合わせて1回の操作で変更可能とする。定型パターンを用いて入力された(付随スケジュールを含む)スケジュールデータは、図9(a)または図9(b)のようなファイル形式で記憶装置(メモリ)に記憶されて管理されているので、当該ファイルの内容(データ)を確認(チェック)することにより、更新対象のスケジュールデータが、単体のスケジュールデータなのか、付随スケジュールを包含するスケジュールデータなのかを判定することができる。当該判定により、付随スケジュールを包含するスケジュールデータであると判定された場合には、更新対象のスケジュールデータに含まれるすべてのメイン/付随スケジュールデータの更新を一括して同時に行う。以下、具体的に更新操作について説明する。
まず、伸縮操作の処理について説明する。伸縮時は、固定幅として定義されているメイン/付随スケジュールの時間幅を維持し、可変幅として定義されているメイン/付随スケジュールの時間幅のみを伸縮する。図12(a)に示すように、全体時間幅が可変幅(内側付加)として定義されている場合には、スケジュール全体の左端または右端にマウスポインタを当てると、伸縮可能点マーク50が表示されるので、当該伸縮可能点マーク50にマウスポインタを当てて、そのままドラッグすることにより、所望の時刻まで、全体の時間幅を伸縮させることができる。このとき、固定幅として定義されているメイン/付随スケジュールについては、固定の時間幅が維持されるので、結果として、可変幅として定義されているスケジュールの部分のみが伸縮される。
図12(b)に示すように、全体時間幅が可変幅(外側付加)として定義されている場合には、可変幅として定義されているメイン/付随スケジュール部分の左端または右端(すなわち、メイン/付随スケジュール間の境界位置)にマウスポインタを当てると、伸縮可能点マーク50が表示されるので、当該伸縮可能点マーク50にマウスポインタを当てて、そのままドラッグすることにより、所望の時刻まで、可変幅として定義されているスケジュール部分の時間幅を伸縮させることができる。このとき、固定幅として定義されているメイン/付随スケジュールについては、固定の時間幅が維持される。
なお、図12(c)に示すように、全体時間幅が固定幅として定義されている場合には、伸縮操作は不可であり、伸縮可能点マーク50は表示されない。
図13は、上記伸縮処理を図1に示したハードウエア構成と協働させてソフトウエアにより実現させるための処理フローを示した図である。図11に示すように、まずはじめに、伸縮したいスケジュールの伸縮開始位置にユーザがマウスポインタを当てることにより、伸縮可能点マーク50を表示させるとともに、マウスポインタの位置を取得する(ステップS11)。マウスポインタの位置が伸縮可能点マーク50の位置か否かを判定することにより、ステップS11で取得した位置が、時間帯表示バー42上の伸縮可能点か否かを判定する(ステップS12)。伸縮可能点でない場合は何もせずにそのまま処理を終了させる。一方、伸縮可能点であった場合には、ユーザのドラッグ操作により指定される時間帯表示バー42上のドラッグ終了時のマウスポインタの位置を、伸縮先の終了位置として取得する(ステップS13)。次に、伸縮対象のスケジュールの定型パターンの全体時間幅が可変幅(内側付加)か可変幅(外側付加)かを判定する(ステップS14)。内側付加だった場合には、ユーザによって指定された時間帯表示バー42上の伸縮開始位置にあった伸縮可能点を伸縮終了位置まで移動させ、内側の固定幅のメイン/付随スケジュールを再配置し(ステップS15)、残りの幅を可変幅のメイン/付随スケジュールの幅として再設定する(ステップS16)。また、ステップS14の判定で、外側付加だった場合には、ユーザによって指定された時間帯表示バー42上の伸縮開始位置にあった伸縮可能点を伸縮終了位置まで移動させ、その位置に可変幅のメイン/付随スケジュールを再配置する(ステップS18)。また、当該可変幅のメイン/付随スケジュールの外側に、固定幅のメイン/付随スケジュールを再配置する(ステップS16)。
次に、移動・流用・削除操作について説明する。移動・流用・削除操作においては、1つのスケジュール包含されるメインスケジュールおよび付随スケジュールが一塊となって処理される。すなわち、移動の場合には、図14に示されるように、1つのスケジュールの全体時間幅の範囲の任意の位置(但し、各メイン/付随スケジュール間の境界位置は除く。)にマウスポインタ41を当てて、そのままドラッグすることにより、1つのスケジュールに包含されるメインスケジュールおよび付随スケジュールが一塊となって移動する。当該移動処理は、全体時間幅が固定幅の場合も可変幅(内側付加および外側付加)の場合も、上述のように1つのスケジュールが一塊となって移動する。
また、流用の場合には、図15に示されるように、1つのスケジュールの全体時間幅の範囲の任意の位置(但し、各メイン/付随スケジュール間の境界位置は除く。)にマウスポインタ41を当てて、右クリックによりプルダウンメニューを開き、その中から「コピー」を選んでクリックし、ペーストしたい場所にマウスポインタ41を移動させて、クリックすることにより、1つのスケジュールに包含されるメインスケジュールおよび付随スケジュールが一塊となって流用(コピー)される。当該流用(コピー)処理は、全体時間幅が固定幅の場合も可変幅(内側付加および外側付加)の場合も、上述のように1つのスケジュールが一塊となって流用(コピー)される。
また、削除の場合には、図16に示されるように、1つのスケジュールの全体時間幅の範囲の任意の位置(但し、各メイン/付随スケジュール間の境界位置は除く。)にマウスポインタ41を当てて、右クリックによりプルダウンメニューを開き、その中から「削除」を選んでクリックし、ペーストしたい場所にマウスポインタ41を移動させて、クリックすることにより、1つのスケジュールに包含されるメインスケジュールおよび付随スケジュールが一塊となって削除される。当該削除処理は、全体時間幅が固定幅の場合も可変幅(内側付加および外側付加)の場合も、上述のように1つのスケジュールが一塊となって削除される。なお、誤操作による削除を防止するため、実際に削除する前に、「削除してよろしいですか。」等のメッセージを表示して、ユーザに「はい」または「いいえ」を選ばせてから、処理するようにしてもよい。
次に、スケジュール更新手段22による、入力済みのスケジュールの調整操作について説明する。「調整モード」を選択することで、入力済みの1つのスケジュール内において、図17(a)に示すように、メイン/付随スケジュール間の境界の変更や、図17(b)に示すように、個々のメイン/付随スケジュールの移動を可能にする。なお、「調整モード」への切り替えは、例えば、「メニューバー」の中の「ツール」の中に「調整モードへの切替」というメニューを用意しておいて、それを選択することにより切り替えるか、あるいは、「Alt」キー等の所定の機能キーを押下しながらのマウス操作によっても調整操作可能としてもよい。操作方法については適宜設計してよいものとする。
図17(a)に示すように、「調整モード」において、メイン/付随スケジュール間の境界部分、あるいは、固定幅として定義されているメイン/付随スケジュールの左右端のいずれかにマウスポインタ41を当てて、そのままドラッグすることにより、当該境界または左右端を自由に移動させることができ、固定幅として定義されているメイン/付随スケジュールの時間幅を変更(調整)することが可能である。なお、この場合には、変更(調整)した分だけ、全体の時間幅も変更(調整)される。
図17(b)に示すように、「調整モード」において、1つのスケジュール内の任意のメイン/付随スケジュールの部分にマウスポインタ41を当てて、そのまま左右いずれかにドラッグすることにより、当該メイン/付随スケジュールを自由に移動させることができ、それの前後のメイン/付随スケジュールの時間幅を変更(調整)することが可能である。なお、この場合には、前後のメイン/付随スケジュールの時間幅を変更(調整)され、全体の時間幅は変更(調整)されない。
このようにして変更(調整)した後のパターンを、新規の定型パターンとして登録することも可能である。その場合には、例えば、「メニューバー」の中の「ツール」の中に「定型パターンの追加」というメニューを用意しておいて、それを選択することにより登録するか、あるいは、「Alt」キー等の所定の機能キーを押下しながらのマウス操作によっても登録可能としてもよい。操作方法については適宜設計してよいものとする。
次に、スケジュール更新手段22による、メイン/付随スケジュールの属性変更操作について図18を用いて説明する。本発明においては、入力済みのスケジュールに包含されるメイン/付随スケジュールの属性である可変幅(内側付加)/可変幅(外側付加)/固定幅の設定は切り替えることが可能である。図18に示すように、所定の操作(「調整モード」に切り替えるか、あるいは、機能キーを押下ながらのマウス操作や、右クリックによるプルダウンメニューの選択など)により、属性変更可能な状態に切り替えて、属性を変更したいメイン/付随スケジュールを選択指定することにより、属性を可変幅(内側付加)/可変幅(外側付加)/固定幅のいずれかに変更することができる。
次に、スケジュール更新手段22による、入力済みの1つのスケジュールに包含されるメイン/付随スケジュールの分離操作について図19を用いて説明する。本発明においては、入力済みのスケジュールに包含されるメイン/付随スケジュールを、それぞれ個々のスケジュールとして、分離させることが可能である。図19に示すように、所定の操作(「調整モード」に切り替えるか、あるいは、機能キーを押下ながらのマウス操作や、右クリックによるプルダウンメニューの選択など)により、分離操作可能な状態に切り替えて、個々のスケジュールとしてメイン/付随スケジュールを分離させたいスケジュールを選択指定することにより、それに包含されているメイン/付随スケジュールがそれぞれ別個のスケジュールに分解される。
次に、スケジュール更新手段22による、入力済みの複数のスケジュールの統合操作について図20を用いて説明する。本発明においては、入力済みの2以上のスケジュールを1つのスケジュールとして統合させることが可能である。図20に示すように、所定の操作(「調整モード」に切り替えるか、あるいは、機能キーを押下ながらのマウス操作や、右クリックによるプルダウンメニューの選択など)により、統合操作可能な状態に切り替えて、統合させたい2以上のスケジュールを順に選択指定していき、所定の「選択終了」操作を行うとともに、統合により形成されるスケジュールをペーストしたい位置にマウスポインタ41を当ててクリックすることにより、選択された2以上のスケジュールが統合された新しいスケジュールが形成されて当該指定位置に画面表示される。なお、所定の操作により、統合時に時間幅指定などの属性の入力設定も可能である。
なお、図18〜図20に示したいずれかの操作により変更(調整)した後のパターンを、新規の定型パターンとして、定型パターン定義手段24により、登録することも可能である。その場合には、例えば、「メニューバー」の中の「ツール」の中に「定型パターンの追加」というメニューを用意しておいて、それを選択することにより登録するか、あるいは、「Alt」キー等の所定の機能キーを押下しながらのマウス操作によっても登録可能としてもよい。操作方法については適宜設計してよいものとする。
上記の実施の形態1の説明においては、時間帯表示バー42上にスケジュールを登録する例について説明したが、その場合に限らず、本発明は、2日以上の日付をまたぐスケジュールの登録に対しても適用可能であることは言うまでもない。そのような場合には、図7の(b)の画面において、スケジュールの終了時刻を指定入力する際に、ボタン44により、時間帯表示バー42の時刻を次の日まで進めて、終了時刻の指定入力を行う。他の動作については、同じであるため、ここでは説明を省略する。
また、本発明は、何日あるいは何ヶ月もの日付をまたぐスケジュールの登録に対しても適用可能である。種々の機器やハードウエアの設計、あるいは、ソフトウエアの設計等においては、何日あるいは何ヶ月もの日付をまたぐ、複数の作業フェーズから1つのスケジュールが構成されることが多い。そのような場合には、予め、当該複数の作業フェーズ(作業フェーズ1,作業フェーズ2,・・・作業フェーズn)を、図6の定義画面により、メイン/付随スケジュールとして定義しておく。この場合、定義する作業フェーズが固定幅の場合には、時間数ではなく、日数を入力してもよい。こうして、先に、スケジュールの定型パターンを設定しておき、図21に示すような、カレンダ表示画面40で、登録したいスケジュールの開始日(開始位置)を入力するように促し、ユーザによってカレンダ表示画面40上の開始日(開始位置)が指定入力されたら、それを取得する。このようにして開始日を指定入力すると、パターン選択画面45(図7(c)参照)が表示され、定義済みの定型パターンの名称が一覧表示される。その中から、該当する定型パターンをマウスポインタ41により、1つ選択して指定(クリック)する。このとき、指定入力した定型パターンの全体時間幅が固定幅の場合には、これで入力操作が終了する。一方、指定入力した定型パターンの全体時間幅が可変(内側付加または外側付加)だった場合には、登録したいスケジュールの終了日(終了位置)を入力するようにユーザを促し、ユーザによってカレンダ表示画面40上の終了日(終了位置)が指定入力されたら、それを取得して、スケジュールを登録する。また、何ヶ月にも日付をまたぐ場合には、終了日を入力する際に、カレンダ表示画面40に表示されている、前の月52、あるいは、次の月53の表示部分を、クリックする度に、カレンダ表示画面に表示される月が変更されるので、そのようにして変更して、終了日を指定入力する。
上記の説明においては、入力装置12として、主に、マウスを用いた操作例を挙げて説明したが、その場合に限らず、キーボードや、入力ペン、タッチパネル等を用いた入力としてもよいということは言うまでもない。操作の方法については、ユーザの熟練度や、使用環境、使用目的等を考慮して、適宜自由に設計してよいものとする。
以上のように、本発明に係るスケジュール管理装置においては、予め定型パターンを設定しておくことにより、スケジュールデータ入力時に、予め定義された内容に基づいて、メインスケジュールの前後に付随する付随スケジュールを自動設定可能とする。このような動作を実現するために、本発明に係るスケジュール管理装置は、関連する一連のデータを1回の操作で入力可能とするための自動付加機能、メイン/付随スケジュールの内容定義機能、スケジュール入力後の更新(伸縮・移動・流用・削除)操作時の連動機能、入力後の調整機能の要素からなる。これらにより、スケジュールデータを入力、変更、削除、流用する際の操作回数が低減され、操作性が向上する。
上述のように、本発明においては、メイン/付随スケジュールの入力操作において、スケジュール管理機能における1回の入力操作により、予め定義された内容に従って、複数件のスケジュールの組合せを一括で入力することができる。これにより、メインスケジュールの前後に付随スケジュールが存在するような定型的なスケジュールデータ入力時の操作を1回の操作とすることができる。また、関連スケジュールを個別に入力する方式と比較し、入力ミスの削減も図れる。
また、本発明においては、メイン/付随スケジュールの定義操作において、メインスケジュールおよび付随スケジュールの組合せによってパターン定義することを可能とする。これにより、種々の様々な組合せをパターンとして登録することを可能とする。これにより、メイン/付随スケジュールの内容ごとに、あらかじめ複数パターンの定義を行うことが可能となり、データ内容の定型化(同じデータは同じように入力)、均質化(誰が入れても同じように入力)も図れる。
また、本発明においては、入力後のスケジュールデータに対し、伸縮・移動・流用・削除等の変更操作を行う際、メイン/付随スケジュールの組合せを一塊のまま1回の操作で変更可能とする。これにより、操作回数の低減のほか、更新ミス、更新漏れの防止が図れる。
また、本発明においては、入力後のスケジュールデータ上の、メイン/付随スケジュールの境界部分を前後に移動する操作により、メイン/付随スケジュール間の時間幅を調整可能とする。これにより、非定型のスケジュール(例えば、通常は1時間の付随スケジュールだが、今回のみ1.5時間である場合等)を入力する際も、とりあえず定型パターンでスケジュールを登録した後に、それを調整して非定型のスケジュールに変更することにより、円滑に入力可能となる。
1 スケジュール管理装置、2 管理サーバ、3 通信網、10 計算機本体、11 表示装置、12 入力装置、20 スケジュール機能、21 スケジュール入力手段、22 スケジュール更新手段、23 スケジュール表示手段、24 定型パターン定義手段、25 記憶手段。