JP2010085615A - 液晶表示装置用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造の工程数を減らすことが可能である、光学異方性層を有する液晶表示装置用基板の提供。
【解決手段】遅相軸を回転軸として40度サンプルを傾斜させたときの面内レターデーションとして5〜150nmのレターデーションを有するカラーフィルタ層を含む液晶表示装置用基板、好ましくは前記カラーフィルタ層を配向処理した表面上に直接第2の光学異方性層が設けられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置用基板に関する。本発明は、特に、カラーフィルタ層を含み、該カラーフィルタ層が、光学異方性層の機能、さらには光学異方性層及び配向層の機能を有する液晶表示装置用基板に関する。
ワードプロセッサやノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、携帯端末、テレビなどに用いられる表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)がこれまで主に使用されてきた。近年、液晶表示装置が、薄型、軽量、且つ消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されてきている。液晶表示装置(LCD)は、液晶セル及び偏光板を有する。偏光板は保護フィルムと偏光膜とからなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。例えば、透過型液晶表示装置では、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償シートを配置することもある。一方、反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償シート、及び偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶分子、それを封入するための二枚の基板及び液晶分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過型、反射型及び半透過型のいずれにも適用でき、TN(Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In−Plane Switching)、FFS(Fringe Field Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Super Twisted Nematic)のような表示モードが提案されている。しかしながら、従来の液晶表示装置で表示し得る色やコントラストは、LCDを見る時の角度によって変化する。そのため、液晶表示装置の視野角特性は、CRTの性能を越えるまでには至っていない。
この視野角特性を改良するために、視野角補償用の光学補償フィルムが適用されてきた。これまでに上述の様々の表示モードに対して種々の光学特性を有する光学補償フィルムを用いることにより、優れたコントラスト視野角特性を有するLCDが提案されている。特にOCB、VA、IPSの3つのモードは広視野角モードとして全方位に渡り広いコントラスト視野角特性を有するようになり、近年では、30インチを超える大サイズディスプレイもテレビ用途として既に家庭に普及し始めている。
VAモードは、正面から見た場合の表示特性がTNモードと同様に優れているのみならず、視野角補償用光学補償フィルムを適用することで広い視野角特性を発現することもあり、現在最も普及しているLCDモードとなっている。VAモードでは、フィルム面の方向に正の屈折率異方性を有する一軸配向性位相差板(正のa−プレート)とフィルム面に垂直な方向に光学軸を有する負の一軸性位相差板(負のc−プレート)を用いることでより広い視野角特性を実現できる(特許文献1参照)。
しかしながら、位相差板は粘着剤を介して偏光板とある特定の角度をなすように貼り合わせて用いられるため、偏光板、位相差フィルムと比較して屈折率の小さい粘着剤界面において界面反射に起因するコントラスト低下が生じてしまう。また、位相差フィルムは温湿度による寸度変化を起こしてしまうため、LCDのコーナームラも問題視されている。このため、近年、液晶セル内にカラーフィルタなどと一緒に位相差板として光学異方性層を設ける方法が報告されている(例えば、特許文献2)。
このような方法により液晶セル内に光学異方性層を設ける場合、液晶表示装置用基板にカラーフィルタ層を形成した後、重合性液晶化合物を利用した光学異方性層を形成するだけでなく、光学異方性層を配向させるための配向層も設ける必要があるため、製造工程数が増加してしまう。
これに対し、特許文献3にはポリイミドが含まれるカラーフィルタを作製することによりカラーフィルタ層に負C−プレート性を付与した液晶表示装置用基板についての開示がある。1つの層に複数の機能を付与することにより、液晶表示装置用基板製造の工程数を減らすことが可能である。さらに、特許文献4には光学異方性層と配向層を兼用させた複屈折性フィルムについて記載がある。
特開平10−153802号公報(第12−13頁、図54) 特願2007−233376号公報 特開2008−107766号公報 特開2004−226945号公報
本発明は、製造の工程数を減らすことが可能である、光学異方性層を有する液晶表示装置用基板の提供を課題とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、カラーフィルタ層に、光学異方性層としての機能を同時に付与することに成功し、この知見をもとに本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記[1]〜[17]を提供するものである。
[1]遅相軸を回転軸として40度サンプルを傾斜させたときの面内レターデーションとして5〜150nmのレターデーションを有するカラーフィルタ層を含む液晶表示装置用基板。
[2]前記カラーフィルタ層を配向処理した表面上に直接第2の光学異方性層が設けられている[1]に記載の液晶表示装置用基板。
[3]前記配向処理が、ラビング、光配向、延伸、及び収縮からなる群のいずれかから選択される[2]に記載の液晶表示装置用基板。
[4]第2の光学異方性層が、基板の面内方向に光学軸を有する正の一軸性もしくは二軸性の光学異方性層である[2]又は[3]に記載の液晶表示装置用基板。
[5]第2の光学異方性層の正面レターデーションが、40〜550nmである[2]〜[4]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
[6]第2の光学異方性層が、少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含む溶液を、塗布乾燥して液晶相を形成した後、加熱または光照射した層である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
[7]前記液晶性化合物が、棒状液晶性化合物である[6]に記載の液晶表示装置用基板。
[8]前記カラーフィルタ層が、少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含んでなる溶液を、塗布乾燥した後、加熱又は光照射して形成された層である[1]〜[7]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
[9]前記反応性基を有する化合物が、アセチレン基、マレイミド基、ナジイミド基、ベンゾオキサジン基、ビニル基、エポキシ基、シアネート基、及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1つの重合性基を有する[8]に記載の液晶表示装置用基板。
[10]前記カラーフィルタ層がポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリチオアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、及びポリアゾメチンからなる群から選択される少なくとも1つを含む層からなる[1]〜[9]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
[11]前記カラーフィルタ層がRGB3色の画素を含む層であり、前記複屈折ΔnがRGB3色の画素で互いに異なっているカラーフィルタに含まれる前記群の化合物の添加濃度もしくは化合物種がRGBの画素ごとに異なっている[1]〜[10]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
[12]前記カラーフィルタ層が、インクジェット法、フォトリソグラフィー法、転写法、及び印刷法からなる群から選択される少なくとも1つの方法で形成された層である[1]〜[11]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
[13]前記カラーフィルタ層が、実質的に面の法線方向に光学軸を有する負の一軸性の光学異方性を有する[1]〜[12]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
[14][1]〜[13]のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板を有する液晶表示装置。
[15]前記液晶表示装置の配向モードがVAモードである[14]に記載の液晶表示装置。
[16]顔料又は染料と、下記一般式(1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合ポリマーを含む、液晶表示装置用基板のカラーフィルタを作製するための組成物:
Figure 2010085615
一般式(1)中、Y1は、メチレン基、エチレン基またはエテニレン基を表し、X1は下記一般式(3)で表される2価の連結基を表し;
Figure 2010085615
一般式(2)中、Y2は、メチレン基、エチレン基またはエテニレン基を表し、X2は下記一般式(4)で表される2価の連結基を表し;
Figure 2010085615
一般式(3)中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、及び置換または無置換のアリール基からなる群から選ばれる一つの基を表し、l及びmはそれぞれ独立に0〜4のいずれかの整数を表し;
Figure 2010085615
一般式(4)中、Aは無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表し、ただし、Aは同一炭素原子から3つ以上の芳香環が直結している部分構造を含まず、B2は置換または無置換のアリール基又はヘテロアリール基を表し、Lは2価の連結基を表し、Q2は反応性基(例えば前記反応性基)を表し、R4は水素原子、無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表す。nは0以上の整数を表す。
[17]前記共重合ポリマーが下記一般式(5)の化合物を用いて末端封止されている[16]に記載の組成物:
Figure 2010085615
一般式(5)中、B1は置換または無置換のアリール基又はヘテロアリール基を表す。Q1は反応性基(例えば前記反応性基)を表し、R3は水素原子、無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表し、kは0以上の整数を表す。
本発明により、本発明は、製造の工程数を減らすことが可能である液晶表示装置用基板として、カラーフィルタ層と光学異方性層との機能、さらにはカラーフィルタ層と配向層と光学異方性層との機能を同時に有する層を含む液晶表示装置用基板が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
波長λnmにおける面内のレターデーションReは、KOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Re(θ)は遅相軸を回転軸としてθ度サンプルを傾斜させたときの面内のレターデーションを表す。Re(θ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において、平行ニコル法により、遅相軸を回転軸としてθ度サンプルを傾斜させ、波長λnmの光を入射させて測定される。本明細書におけるλは、R、G、Bに対してそれぞれ611±5nm、545±5nm、435±5nmを指し、特に色に関する記載がなければ550±5nmを指す。
本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度との誤差が±5°未満の範囲内であることを意味する。さらに、厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。レターデーションについて「実質的に」とは、レターデーションが±5%以内の差であることを意味する。さらに、Reが実質的に0でないとは、Reが5nm以上であることを意味する。また、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域の任意の波長を指す。なお、本明細書において、「可視光」とは、波長が400〜700nmの光のことをいう。
本発明の液晶表示装置用基板は、カラーフィルタ層及び光学異方性層としての機能を兼ねた層が設けられており、当該層は、配向層としての機能も有し得る。
なお、本明細書において特に言及しない場合は、「液晶表示装置用基板」と「基板」は区別して用いられる。
以下、本発明の液晶表示装置用基板について、材料、製造方法等を、詳細に説明する。ただし、本発明はこの態様に限定されるものではなく、他の態様についても、以下の記載及び従来公知の方法を参考にして実施可能であって、本発明は以下に説明する態様に限定されるものではない。
[基板]
本発明の液晶表示装置用基板における基板は、透明であれば特に限定はなく、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板でも、ポリマーからなる透明基板でもよい。液晶表示装置用の場合、液晶表示装置用基板作製工程においてカラーフィルタや配向膜のベークのために180℃以上の高温プロセスを要するため、耐熱性を有することが好ましい。そのような耐熱性基板としては、ガラス板もしくはポリイミド、ポリエーテルスルホン、耐熱性ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特に価格、透明性、耐熱性の観点からガラス板が好ましい。また、基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、転写接着層との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、100〜1200μmが一般的に好ましく、300〜1000μmが特に好ましい。
[第1の光学異方性層]
前記カラーフィルタ層は、光学異方性層(第1の光学異方性層)を兼ねる層である。光学異方性層としては、特に限定されないが、厚み方向に光学軸を有する負c−プレートであることが好ましい。また、遅相軸を回転軸として40度サンプルを傾斜させたときの面内レターデーションが液晶表示装置の視野角特性における最適値に設定することが好ましい。前記レターデーションの最適値はセル内のVAモード液晶の種類や厚みに応じて一意的に決まるものではあるが、その範囲としては5〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。
[配向層]
前記カラーフィルタ層は、配向層を兼ねる層である。配向層とは、光学異方性層を配向不良することなく形成させるための層をいう。配向処理の有無については状況により選択する必要があるが、一般に配向処理はしたほうが好ましい。配向処理はラビング、光配向、延伸、及び収縮等が考えられるが、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されているラビング処理であることが好ましい。ラビング処理としては、層の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る処理を行えばよい。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施することができる。
[カラーフィルタ層形成用組成物]
カラーフィルタ層形成用組成物として、ポリアミン、ポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド、ポリチオアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアゾメチンの群からなる少なくとも1つを含む組成物が挙げられ、好ましくはポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミドの群からなる少なくとも1つを含む組成物、更に好ましくは、ポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸の群からなる少なくとも1つを含む組成物である。また、平滑化層形成後に耐溶剤性を付与するため、該平滑化層は、少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含んでなる組成物を、塗布乾燥した後、加熱又は光照射して形成された層であることが好ましい。前記反応性基として特に限定はされないが、アセチレン基、マレイミド基、ナジイミド基、ベンゾオキサジン基、ビニル基、エポキシ基、シアネート基、及びイソシアネート基が好ましく、アセチレン基がより好ましい。
カラーフィルタ層形成用組成物として、下記一般式(1)と、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を共に有する共重合ポリマーが、特に好ましく用いられる。
Figure 2010085615
一般式(1)中、Y1は、メチレン基、エチレン基またはエテニレン基を表し、エチレン基またはエテニレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。また、X1は下記一般式(3)で表される2価の連結基を表す。
Figure 2010085615
一般式(2)中のY2は、メチレン基、エチレン基またはエテニレン基を表し、エチレン基またはエテニレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。また、X2は下記一般式(4)で表される2価の連結基を表す。
Figure 2010085615
一般式(3)中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、及び置換または無置換のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも一種を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子がより好ましい。置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基がより好ましい。置換または無置換のアルコキシ基としては、エトキシ基、メトキシ基などの炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、フェノキシ基、メトキシ基がより好ましい。置換または無置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、p−メトキシフェニル基などの炭素数6〜14の単環式または縮合多環式の芳香族基が好ましく、フェニル基がより好ましい。また、R1及びR2はベンゼン間同士をつなぐ連結基に対して、オルト位であることが好ましく、窒素原子との連結基はベンゼン間同士をつなぐ連結基に対して、3位もしくは4位にあることが好ましく、4位にあることがより好ましい。
l及びmはそれぞれ独立に0〜4のいずれかの整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜2の整数であり、特に好ましくは1である。
Figure 2010085615
一般式(4)中、Aは無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表す。但し、同一炭素原子から3つ以上の芳香環が直結する場合を含まない。B2は置換または無置換のアリール基又はヘテロアリール基を表す。A、B2のどちらか一方、又は両方がベンゼン環であることが好ましい。Lは2価の連結基を表し、単結合、−OCO−、−COO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCOO−、−OCONR−、−NRCONR−のいずれかが好ましい。Q2は前記反応性基を表し、Q1と同じでも異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。R4は水素原子、無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表し、水素原子であることが好ましい。nは0以上の整数を表し、1であることが好ましい。
カラーフィルタ層形成用組成物として、下記一般式(5)の化合物を用いて末端封止した共重合ポリマーを用いることが好ましい。
Figure 2010085615
一般式(5)中、B1は置換または無置換のアリール基又はヘテロアリール基を表し、ベンゼン環であることが好ましい。Q1は前記反応性基を表す。R3は水素原子、無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表し、水素原子であることが好ましい。kは0以上の整数を表し、1であることが好ましい。
以下に一般式(1)の構造の特に好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2010085615
Figure 2010085615
Figure 2010085615
Figure 2010085615
Figure 2010085615
Figure 2010085615
以下に一般式(2)におけるX2を除く部分の構造の特に好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2010085615
以下に一般式(2)におけるX2の構造の特に好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、下記具体例における反応性基はすべて好ましい例として、アセチレン基であるが、当該反応性基は上記の他の反応基であってもよい。
Figure 2010085615
Figure 2010085615
以下に一般式(5)の構造の特に好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2010085615
[カラーフィルタ層形成用組成物の溶媒]
平滑化層の作製の際に用いられる溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ベンゼン、ヘキサン、1,2−ジメトキシエタン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、γ−ブチロラクトン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、酢酸メチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソアミル、及びカプロラクタム等が挙げられる。これらのうち、二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
カラーフィルタ作製用組成物はさらに染料又は顔料のような着色剤を含有する。着色剤は、公知の着色剤(染料、顔料)であればよい。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、特開2007-233376号公報の段落番号「0107」〜「0109」に記載のものが挙げられる。
本発明における着色剤としては、上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。更に上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
本発明において、併用することが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
このように併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダ)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなり好ましくない。また、顔料数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。なお、本明細書において「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を意味し、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求めたこの100個平均値を意味する。
着色画素のコントラストは、分散されている顔料の粒径を小さくすることで向上させることができる。粒径を小さくするには、顔料分散物の分散時間を調節することで達成できる。分散には、上記記載の公知の分散機を用いることができる。分散時間は好ましくは10〜30時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがある。一方、30時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、塗布が困難になることがある。また、2色以上の着色画素のコントラストの差を600以内にするには、顔料粒径を調節して、所望のコントラストとすればよい。
前記カラーフィルタ層より形成されるカラーフィルタの各着色画素のコントラストは、2000以上が好ましく、より好ましくは2800以上、更に好ましくは3000以上であり、最も好ましくは3400以上である。カラーフィルタを構成する各着色画素のコントラストが2000以下だと、これを有する液晶表示装置の画像を観察すると、全体に白っぽい印象となり、見難く好ましくない。また、各着色画素のコントラストの差が、好ましくは600以内であり、より好ましくは410以内であり、更に好ましくは350以内、最も好ましくは200以内である。各着色画素のコントラストの差が600以内であると、黒表示時における各着色画素部からの光漏れ量が大きく相違しないため、黒表示の色バランスが良く好ましい。
カラーフィルタ作製用組成物はさらにモノマー又はオリゴマーを含んでいてもよい。使用されるラジカル重合性モノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよく、着色樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
前記カラーフィルタ層に使用されるカチオン重合性モノマー又はオリゴマーとしては、環状エーテル、環状ホルマール、アセタール、ビニルアルキルエーテル、チイラン基を含む化合物、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ化不飽和脂肪酸、エポキシ化ポリブタジエンなどのエポキシ化合物を挙げることができる。そのようなモノマー又はオリゴマーの例としては、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類の他、3官能グリシジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなど)、4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど)、3官能以上の脂環式エポキシ類(エポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど)、3官能以上のオキセタン類(OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)など)などが挙げられる。
なお、上記で説明したモノマー又はオリゴマーは、光学異方性層に含まれていてもよい。
カラーフィルタ作製用組成物は光等で硬化させる場合はさらに光重合開始剤を含んでいてもよい。前記カラーフィルタ層に使用される光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
カチオン重合開始剤としては、エトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェノールなどルイス酸のアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム艶などの複塩、ベンジルシリルエーテル、o−ニトロベンジルシリルエーテル、トリフェニル(t−ブチル)ペルオキシシランなどのシラノール発生性シラン化合物とトリス(エチルアセト酢酸)アルミニウムなどのアルミニウム錯体との混合系などを挙げることができる。感光性樹脂組成物の全固形分に対するカチオン重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
本発明においては、これらの光重合開始剤は、2種類以上の異なる光反応機構を有するものを併用してもよい。
カラーフィルタ作製用組成物はさらに膜物性を制御するためにバインダを含んでもよい。バインダとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、等を挙げることができる。
また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げられる。さらに、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用できる。
特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダは、一種単独で用いてもよいし、通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用するようにしてもよい。
バインダの濃色組成物中における含有量としては、層又は組成物の全固形分(質量)に対して、20〜50質量%が好ましく、24〜45質量%がより好ましい。
本明細書において、「着色画素のコントラスト」とは、カラーフィルタを構成するR、G、Bについて、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。尚、コントラスト測定に用いる偏光板は、該カラーフィルタを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
カラーフィルタ作製用組成物においては、表示ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤としては、特開2007−121986号公報の[0095]〜[0105]の記載を参照することができる。
カラーフィルタ作製用組成物には溶剤を含有させることも可能であり、溶剤として、水、アルコール類、ケトン類、など、「新版溶剤ポケットブック(有機合成科学協会編、オーム社発行)」記載の溶剤があげられる。具体的な有機溶媒の例には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ベンゼン、ヘキサン、1,2−ジメトキシエタン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、γ−ブチロラクトン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、酢酸メチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソアミル、カプロラクタム等が挙げられる。これらは二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
溶剤の組成物中の質量は50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下がより好ましい。
また、インクジェット方式で層形成を行う場合は、含有する溶剤の50%以上が、常温常圧下(25℃、760mmHg)で160℃以上の沸点を有する化合物で構成されていることが好ましい。
溶液状態の本発明の組成物は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により、基板等に塗布するか、インクジェット方式により基板等に吐出され、その後、水あるいは極性有機溶媒を除去(乾燥)することによって層を形成することができる。インクジェット方式については、特開2008-76690号公報の「0035」〜「0071」の記載を参照することができる。
乾燥させた層は、加熱又は光照射、好ましくは加熱により硬化させることができる。加熱の温度としては、120℃〜260℃程度、好ましくは150℃〜250℃、より好ましくは180℃〜230℃での加熱により行えばよい。熱処理の時間は特に限定されないが、1分以上5時間以内が好ましく、3分以上3時間以内がより好ましく、5分以上2時間以内が特に好ましい。
また、光照射における照射光としてはX線、電子線、紫外線、可視光線または赤外線(熱線)が用いられ、紫外線を用いることが特に好ましい。紫外線の波長は400nm以下であることが好ましく、180〜360nmであることがさらに好ましい。光源としては低圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、あるいはショートアーク放電ランプが好ましく用いられる。光は可能な限り単一方向に揃えて層に照射することが好ましい。この「単一方向」とは、膜平面(光の方向を膜平面に投影した向き)において単一の方向であることを意味し、膜平面に対して水平または垂直の方向も含む。また、光照射後に加熱して硬化させることも好ましい。
熱処理は、120℃〜260℃程度、好ましくは150℃〜250℃、より好ましくは180℃〜230℃での加熱により行えばよい。熱処理の時間は特に限定されないが、1分以上5時間以内が好ましく、3分以上3時間以内がより好ましく、5分以上2時間以内が特に好ましい。
形成される層の厚さは、1〜8μmであることが好ましく、2〜6μmであることが特に好ましい。
カラーフィルタ層形成は、上記方法のほか、フォトリソグラフィー法、転写法、印刷法統で行ってもよい。
[配向処理]
カラーフィルタ層に配向処理を行う場合、配向処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されているラビング処理であることが好ましい。ラビング処理としては、層の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る処理を行うことができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施すればよい。
[第2の光学異方性層]
カラーフィルタ層上に設けられていてもよい光学異方性層である第2の光学異方性層は、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する組成物を、液晶相とした後、加熱又は光(紫外線等)を照射することで硬化させて形成された光学異方性層であることが望ましい。第2の光学異方性層は、カラーフィルタ層を配向処理した表面上に上記組成物を塗布することで形成することができる。
第2の光学異方性層は、カラーフィルタ層とともに、液晶セルの視野角を補償する光学異方性層として機能する。カラーフィルタ層と第2の光学異方性層で充分な視野角補償能を有する態様はもちろん、他の層との組み合わせで視野角補償に必要とされる光学特性を満足する態様であってもよい。なお、第2の光学異方性層の複屈折性は特に限定されないが、基板の面内方向に光学軸を有する正の一軸性もしくは二軸性の光学異方性層であることが好ましい。また、第2の光学異方性層は正のAプレートであることがより好ましい。面内に光軸を有し、遅相軸の屈折率が厚さ方向の屈折率より大きい1軸性の複屈折層を正のAプレートと呼ぶ。正のAプレートは例えば棒状液晶の水平配向によって実現できる。
[液晶性化合物]
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本態様では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物又は円盤状液晶性化合物を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、又は棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶性化合物又は円盤状液晶性化合物を用いて形成するのがより好ましく、混合物の場合少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。液晶性化合物は二種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜4μmであることがさらに好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。上記高分子液晶性化合物は、低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物が重合した高分子化合物である。特に好ましく用いられる上記低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記一般式(I)で表される棒状液晶性化合物である。
一般式(I):Q1−L1−A1−L3−M−L4−A2−L2−Q2
式中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、反応性基であり、L1、L2、L3及びL4はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表すが、L3及びL4の少なくとも一方は、−O−又はO−CO−O−が好ましい。A1及びA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサ基を表す。Mはメソゲン基を表す。
以下に、上記一般式(I)で表される反応性基を有する棒状液晶性化合物についてさらに詳細に説明する。式中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、反応性基である。反応性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。換言すれば、反応性基は付加重合反応又は縮合重合反応が可能な反応性基であることが好ましい。以下に反応性基の例を示す。
Figure 2010085615
1、L2、L3及びL4で表される二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR2−、−NR2−CO−、−O−CO−、−O−CO−NR2−、−NR2−CO−O−、及びNR2−CO−NR2−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基又は水素原子である。この場合、L3及びL4の少なくとも一方は、−O−又はO−CO−O−(カーボネート基)であることが好ましい。前記式(I)中、Q1−L1及びQ2−L2−は、CH2=CH−CO−O−、CH2=C(CH3)−CO−O−及びCH2=C(Cl)−CO−O−CO−O−が好ましく、CH2=CH−CO−O−が最も好ましい。
1及びA2は、炭素原子数2〜20を有するスペーサ基を表す。炭素原子数2〜12の脂肪族基が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。スペーサ基は鎖状であることが好ましく、隣接していない酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい。また、前記スペーサ基は、置換基を有していてもよく、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、シアノ基、メチル基、エチル基が置換していてもよい。
Mで表されるメソゲン基としては、すべての公知のメソゲン基が挙げられる。特に下記一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II):−(−W1−L5)n−W2
式中、W1及びW2は各々独立して、二価の環状脂肪族基、二価の芳香族基又は二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合又は連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(I)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、及びO−CH2−が挙げられる。nは1、2又は3を表す。
1及びW2としては、1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイルが挙げられる。1,4−シクロヘキサンジイルの場合、トランス体及びシス体の構造異性体があるが、どちらの異性体であってもよく、任意の割合の混合物でもよい。トランス体であることがより好ましい。W1及びW2は、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、炭素原子数1〜10のアシル基(ホルミル基、アセチル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、炭素原子数1〜10のアシルオキシ基(アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基など)、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基などが挙げられる。
前記一般式(II)で表されるメソゲン基の基本骨格で好ましいものを、以下に例示する。これらに上記置換基が置換していてもよい。
Figure 2010085615
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般式(I)で表される化合物は、特表平11−513019号公報に記載の方法で合成することができる。
Figure 2010085615
Figure 2010085615
Figure 2010085615
Figure 2010085615
液晶性化合物として、反応性基を有する棒状液晶性化合物を用いる場合、水平配向、傾斜配向、ハイブリッド配向、及びねじれ配向のいずれの配向状態で固定されていてもよい。水平配向とは、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。
他の態様として、第2の光学異方性層にディスコティック液晶を使用した態様がある。前記光学異方性層は、モノマー等の低分子量の液晶性ディスコティック化合物の層または重合性の液晶性ディスコティック化合物の重合(硬化)により得られるポリマーの層であるのが好ましい。前記ディスコティック(円盤状)化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physicslett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック(円盤状)化合物は、一般的にこれらを分子中心の円盤状の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等の基(L)が放射線状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコティック液晶とよばれるものが含まれる。ただし、このような分子の集合体が一様に配向した場合は負の一軸性を示すが、この記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。
本発明では、下記一般式(III)で表わされるディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましい。
一般式(III): D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
前記式(III)中、円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)が挙げられ、同公報に記載される円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)に関する内容をここに好ましく適用することができる。
上記ディスコティック化合物の好ましい例としては特開2007−121986号公報の[0045]〜[0055]に記載の化合物を挙げることができる。
液晶性化合物からなる光学異方性層を2層以上積層する場合、液晶性化合物の組み合わせについては特に限定されず、全て円盤状液晶性化合物からなる層の積層体、全て棒状性液晶性化合物からなる層の積層体、円盤状液晶性化合物からなる層と棒状性液晶性化合物からなる層の積層体であってもよい。また、各層の配向状態の組み合わせも特に限定されず、同じ配向状態の光学異方性層を積層してもよいし、異なる配向状態の光学異方性層を積層してもよい。
[液晶性化合物を含む組成物の塗布]
前記第2の光学異方性層は、液晶性化合物及び下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、カラーフィルタ層を配向処理した表面上に塗布することで形成することが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ベンゼン、ヘキサン、1,2−ジメトキシエタン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、1,3−ブタンジオールジアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸メチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等が含まれる。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[液晶性化合物の配向状態の固定化]
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した反応性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。光重合反応としては、ラジカル重合、カチオン重合のいずれでも構わない。ラジカル光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。カチオン光重合開始剤の例には、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示する事ができる。これら化合物の対イオンとしては、アンチモネート、フォスフェートなどが好ましく用いられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ/cm〜10J/cmであることが好ましく、25〜800mJ/cmであることがさらに好ましい。照度は10〜1000mW/cmであることが好ましく、20〜500mW/cmであることがより好ましく、40〜350mW/cmであることがさらに好ましい。照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。
[水平配向制御剤]
液晶性化合物を含む組成物中に、特開2007−121986号公報の[0068]〜[0072]に記載の一般式(1)〜(3)で表される化合物及び下記一般式(4)のモノマーを用いた含フッ素ホモポリマーまたはコポリマーの少なくとも一種を含有させることで、液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。
Figure 2010085615
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子を表し、Zは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは1以上12以下の整数を表す。一般式(4)を含む含フッ素ポリマー以外にも、塗布におけるムラ改良ポリマーとして特開2005−206638及び特開2006−91205に記載の化合物を水平配向剤として用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
水平配向剤の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、前記一般式(1)〜(4)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記第2の光学異方性層は、偏光照射による光配向によって面内のレターデーションが発生した、二軸性の光学異方性層であってもよい。液晶性化合物として、反応性基を有する棒状液晶性化合物を用いる場合、二軸性を発現させるためにはコレステリック配向もしくは傾斜角が厚み方向に徐々に変化しながらねじれたハイブリッドコレステリック配向を、偏光照射によって歪ませることが必要である。偏光照射によって配向を歪ませる方法としては、二色性液晶性重合開始剤を用いる方法(EP1389199 A1)や分子内にシンナモイル基等の光配向性官能基を有する棒状液晶性化合物を用いる方法(特開2002−6138)が挙げられる。
前記偏光照射は、上記配向固定化における光重合プロセスと同時に行ってもよいし、先に偏光照射を行ってから非偏光照射でさらに固定化を行ってもよいし、非偏光照射で先に固定化してから偏光照射によって光配向を行ってもよい。また、大きな面内レターデーションを得るために、偏光照射は液晶化合物層塗布、配向後に最初に行う必要がある。偏光照射は、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。さらに、最初の偏光照射(光配向のための照射)の後に、偏光もしくは非偏光紫外線をさらに照射することで反応性基の反応率を高め(後硬化)、密着性等を改良すると共に、大きな搬送速度で生産できるようになる。本発明の後硬化は偏光でも非偏光でも構わないが、偏光であることが好ましい。また、2回以上の後硬化をすることが好ましく、偏光のみでも、非偏光のみでも、偏光と非偏光を組み合わせてもよいが、組み合わせる場合は非偏光より先に偏光を照射することが好ましい。紫外線照射は、不活性ガス置換してもしなくてもよいが、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置用基板は、液晶表示装置において、液晶セルを形成する2枚の液晶表示装置用基板のどちらに用いられていてもよいが、TFTアレイ工程はシリコン形成に通常300℃以上の高温プロセスを要することから、TFT層を有する側の液晶表示装置用基板に対向する側の液晶表示装置用基板として用いるほうが好ましい。TFT層を有する側の液晶表示装置用基板として用いる場合は、形成後のTFTのシリコン層を有する基板上に配向層及び光学異方性層を兼ねるカラーフィルタ層、及び必要に応じてその他の光学異方性層を設けることが好ましい。
本発明の液晶表示装置用基板によって液晶セル内に光学異方性層を設けることができるため、温湿度で寸度変化しやすい光学異方性フィルムを貼り合わせるのに比べ、ガラス基板に強固に保持されることよってコーナームラが発生しにくい。
光学異方性を有するカラーフィルタ層及び第2の光学異方性層を利用することにより、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特開平6−214116号公報、米国特許第5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモード又はFLCモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモード又はHANモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、米国特許第5805253号明細書及び国際公開WO96/37804号パンフレットに記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特許第2866372号公報に記載がある。
本発明は、TN、IPS、FLC、OCB、STN、VA及びHANモードのような様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。中でも、VAモードの液晶表示装置に適する。
本発明の液晶表示装置用基板は、負c−プレートとして機能する層とともに正a−プレートとして機能する層を含んでいることが好ましい。液晶層の配向モードがVAモードである液晶表示装置に適用された場合に、さらに好ましくコントラスト視野角特性の改善に寄与することができるからである。カラーフィルタ層が負c−プレートとして機能する層であって、第2の光学異方性層が正a−プレートとして機能する層であることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(隔壁形成用組成物K−1の調製)
K顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌しながら、上記2種を除く下記の組成物を温度25℃(±2℃)で上から順に添加する。添加後、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌して、隔壁形成用塗布液K−1を調製した。
──────────────────────────────────――――――
隔壁形成用塗布液K−1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
K顔料分散物1 7.58
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 16.17
メチルエチルケトン 34.16
シクロヘキサノン 8.55
バインダー溶液1 25.67
モノマー溶液1 7.52
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.28
フェノチアジン 0.008
界面活性剤溶液1 0.058
──────────────────────────────────――――――
──────────────────────────────────――――――
K顔料分散物1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
カーボンブラック(Nipex35、デグッサ社製) 13.10
分散剤1(DI−1) 0.65
ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53
──────────────────────────────────――――――
Figure 2010085615
──────────────────────────────────――――――
バインダー溶液1(%)
──────────────────────────────────――――――
ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 27.00
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.00
──────────────────────────────────――――――
──────────────────────────────────――――――
モノマー溶液1(%)
──────────────────────────────────――――――
KAYARAD DPHA(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬株式会社製) 76.00
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24.00──────────────────────────────────――――――
──────────────────────────────────――――――
界面活性剤溶液1(%)
──────────────────────────────────――――――
界面活性剤1(SU−1) 30.00
メチルエチルケトン 70.00──────────────────────────────────――――――
Figure 2010085615
(現像液KOH−1の調製)
ノニオン界面活性剤を含有するKOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製)を100倍希釈し、現像液KOH−1を調整した。
(レッド画素部用塗布液R−1の調製)
下記組成物を調製後、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを充填率80%で用い、周速9m/sで25時間分散し、R用顔料分散液1を調製した。尚、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて数平均粒径を測定した結果、49nmであった。
──────────────────────────────────――――――
R顔料分散液1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
レッド顔料C.I.P.R.177(Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製) 17.5
分散剤1(DI−1) 2.5
1,3−ブタンジオールジアセテート 80.0
──────────────────────────────────――――――
下記組成物を調整後、R用顔料分散液1と同様の方法で、R用顔料分散液2を調製した。尚、数平均粒径を測定した結果、49nmであった。
──────────────────────────────────――――――
R顔料分散液2組成(%)
──────────────────────────────────――――――
レッド顔料C.I.P.R.254(Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製) 17.5
分散剤1(DI−1) 2.5
1,3−ブタンジオールジアセテート 80.0
──────────────────────────────────――――――
R用顔料分散液1、R用顔料分散液2をはかり取り、25℃で撹拌しながら、上記2種を除く下記の組成物を上から順に添加する。添加後、25℃で30分間撹拌して、レッド画素部用塗布液R−1を調製した。
──────────────────────────────────――――――
レッド画素部用塗布液R−1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
R顔料分散液1 3.78
R顔料分散液2 0.29
1,3−ブタンジオールジアセテート 76.74
ポリイミド(SM−1−1) 19.18
界面活性剤1(SU−1) 0.01
──────────────────────────────────――――――
Figure 2010085615

(レッド画素部用塗布液R−2の調製)
R用顔料分散液1、R用顔料分散液2をはかり取り、25℃で撹拌しながら、上記2種を除く下記の組成物を上から順に添加する。添加後、25℃で30分間撹拌して、レッド画素部用塗布液R−2を調製した。
──────────────────────────────────――――――
レッド画素部用塗布液R−2組成(%)
──────────────────────────────────――――――
R顔料分散液1 3.78
R顔料分散液2 0.29
1,3−ブタンジオールジアセテート 76.74
KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 19.18
界面活性剤1(SU−1) 0.01
──────────────────────────────────――――――
(グリーン画素部用塗布液G−1の調製)
下記組成物を調製後、R用顔料分散液1と同様の方法で、G用顔料分散液1を調製した。尚、数平均粒径を測定した結果、50nmであった。
──────────────────────────────────――――――
G顔料分散液1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
グリーン顔料C.I.Pigment Green36(Rionol Green 6YK、東洋インキ製造株式会社製) 17.5
分散剤1(DI−1) 2.5
1,3−ブタンジオールジアセテート 80.0
──────────────────────────────────――――――
下記組成物を調整後、G用顔料分散液1と同様の方法で、G用顔料分散液2を調製した。尚、数平均粒径を測定した結果、50nmであった。
──────────────────────────────────――――――
G顔料分散液2組成(%)
──────────────────────────────────――――――
イエロー顔料C.I.P.Y.150(Bayplast Yellow 5GN 01、バイエル株式会社製) 17.5
分散剤1(DI−1) 2.5
1,3−ブタンジオールジアセテート 80.0
──────────────────────────────────――――――
G用顔料分散液1、G用顔料分散液2をはかり取り、25℃で撹拌しながら、上記2種を除く下記の組成物を上から順に添加する。添加後、25℃で30分間撹拌して、グリーン画素部用塗布液G−1を調製した。
──────────────────────────────────――――――
グリーン画素部用塗布液G−1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
G顔料分散液1 3.78
G顔料分散液2 0.29
1,3−ブタンジオールジアセテート 76.74
ポリイミド(SM−1−1) 19.18
界面活性剤1(SU−1) 0.01
──────────────────────────────────――――――
(グリーン画素部用塗布液G−2の調製)
G用顔料分散液1、G用顔料分散液2をはかり取り、25℃で撹拌しながら、上記2種を除く下記の組成物を上から順に添加する。添加後、25℃で30分間撹拌して、グリーン画素部用塗布液G−2を調製した。
──────────────────────────────────――――――
グリーン画素部用塗布液G−2組成(%)
──────────────────────────────────――――――
G顔料分散液1 3.78
G顔料分散液2 0.29
1,3−ブタンジオールジアセテート 76.74
KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 19.18
界面活性剤1(SU−1) 0.01
──────────────────────────────────――――――
(ブルー画素部用塗布液B−1の調製)
下記組成物を調製後、R用顔料分散液1と同様の方法で、B用顔料分散液2を調製した。尚、数平均粒径を測定した結果、44nmであった。
──────────────────────────────────――――――
B顔料分散液1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
ブルー顔料C.I.P.B.15:6(Rionol Blue ES、東洋インキ製造株式会社製) 17.5
分散剤2(EFKA6745、EFKA社製) 2.5
1,3−ブタンジオールジアセテート 80.0
──────────────────────────────────――――――
下記組成物を調整後、R用顔料分散液1と同様の方法で、B用顔料分散液2を調製した。尚、数平均粒径を測定した結果、44nmであった。
──────────────────────────────────――――――
B顔料分散液2組成(%)
──────────────────────────────────――――――
ブルー顔料C.I.P.B.15:6(Rionol Blue ES、東洋インキ製造株式会社製) 16.5
バイオレット顔料C.I.P.V.23(Hostaperm Violet RL−NF、クラリアントジャパン株式会社製) 1.0
分散剤3(ディスパロンDA−725、楠本化成株式会社製) 2.5
1,3−ブタンジオールジアセテート 80.0
──────────────────────────────────――――――
B用顔料分散液1、B用顔料分散液2をはかり取り、25℃で撹拌しながら、上記2種を除く下記の組成物を上から順に添加する。添加後、25℃で30分間撹拌して、ブルー画素部用塗布液B−1を調製した。
──────────────────────────────────――――――
ブルー画素部用塗布液B−1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
B顔料分散液1 3.78
B顔料分散液2 0.29
1,3−ブタンジオールジアセテート 76.74
ポリイミド(SM−1−1) 19.18
界面活性剤1(SU−1) 0.01
──────────────────────────────────――――――
(ブルー画素部用塗布液B−2の調製)
──────────────────────────────────――――――
ブルー画素部用塗布液B−2組成(%)
──────────────────────────────────――――――
B顔料分散液1 3.78
B顔料分散液2 0.29
1,3−ブタンジオールジアセテート 76.74
KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製) 19.18
界面活性剤1(SU−1) 0.01
──────────────────────────────────――――――
(光学異方性層用塗布液LC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。
──────────────────────────────────――――――
光学異方性層用塗布液LC−1組成(%)
──────────────────────────────────――――――
棒状液晶(Paliocolor LC242,BASFジャパン製) 19.12
ラジカル光重合開始剤(IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製) 0.60
増感剤(カヤキュアDETX、日本化薬株式会社製) 0.20
水平配向剤(メガファックF−780F、DIC株式会社製) 0.08
メチルエチルケトン 80.00
──────────────────────────────────――――――
<実施例1>
(隔壁の形成)
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、隔壁形成用塗布液K−1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して、120℃3分間プリベークして膜厚9.2μmの薄膜を形成した。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色感光層K1の間の距離を200μmに設定し、露光量1000mJ/cm 2 で隔壁幅20μm、スペース幅100μmにパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、表面を均一に湿らせた後、現像液KOH−1を23℃、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量5000mJ/cm 2 にて上面からポスト露光を行って、オーブンにて240℃50分加熱し、膜厚8.0μm、光学濃度4.0、100μm幅の開口部を有するストライプ状の隔壁を得た。
(隔壁の撥インク化処理)
隔壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、CF4ガスを80sccmで流しながら、圧力40Pa、RFパワー50Wで30秒間プラズマ処理をして、隔壁の撥インク化を行った。
(画素部の形成)
図1に示すインクジェット装置を用いて、上記隔壁内にレッド画素部用塗布液R−1、グリーン画素部用塗布液G−1、ブルー画素部用塗布液B−1をそれぞれ打滴し、ホットプレートで100℃2分間加熱乾燥させた後、230℃オーブン中で30分ベークし、膜厚8.0μmのカラーフィルタ基板を作製した。
ここで、インクジェット装置のヘッド部100は3色のインクジェットヘッドとしてDimatix社製SX−3を3個具備し、吐出制御装置200は専用のピエゾ駆動回路及びステージ制御専用回路を用いた。SX−3はオンデマンド型ピエゾ駆動のヘッドであって、一つのヘッドに128のノズルが508μmの間隔で配置されている。ピエゾを駆動するにあたり、電圧の中心値を50V、パルス幅を8マイクロ秒として、前述の飛翔形状観察及び吐出量計測により、各々のノズルからの吐出量の差が2%以内となるようにノズルごとの電圧を調整した。ピエゾは連続打滴する場合の駆動周波数を10KHzに設定されており、吐出量の中心値は8ng/滴であり、211滴1688ngを打滴した。
また、上記工程で製作した基板を載置する基板台400は専用自動2次元移動ステージ上に置かれたアルミ製の板であって、移動ステージに固定されている。ヘッドと基板の間隔は500μmに調整されており、ヘッドのピエゾが駆動されてからインク滴が形成され、基板に着弾するまでの時間は約63μ秒であった。基板上の画素のサイズは、X方向が300μm、Y方向が100μmであって、X方向に対してヘッドを53.8度傾けることにより、Y方向の見かけ上のノズル間隔が300μmとなるように調整した。基板を8.2cm/秒の等速度で移動させて画素のX方向270μmの区間内に打滴した。
(第2の光学異方性層の形成)
実施例1の液晶表示装置用基板の表面をラビング処理し、その上に光学異方性層用塗布液LC−1を塗布した。さらに、膜面温度105℃で2分間乾燥し、液晶相状態とした後、空気下にて160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス株式会社製)を用いて、照度240mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して、膜厚1.2μmの光学異方性層を形成し、実施例1の液晶表示装置用基板を得た。
<比較例1>
画素部の形成の際に、レッド画素部用塗布液R−1、グリーン画素部用塗布液G−1、ブルー画素部用塗布液B−1の代わりにレッド画素部用塗布液R−2、グリーン画素部用塗布液G−2、ブルー画素部用塗布液B−2を用いた以外は実施例1と同様の方法で、カラーフィルタ基板を作製した。
次いで、上記カラーフィルタ基板上に、ポリイミド材料塗布液(日産化学工業(株)製、RN−1199A)を塗布、乾燥させて230℃1時間で焼成し、焼成後の膜厚が50nmの配向層を形成した。
最後に、実施例1と同様の方法で、膜厚1.2μmの光学異方性層を形成し、比較例1の液晶表示装置用基板を得た。
(光学異方性層の光漏れ評価)
実施例1、比較例1の液晶表示装置用基板を、偏光顕微鏡を用いて観察評価した。ここで、偏光顕微鏡の偏光板はクロスニコル状態に、液晶表示用基板は消光軸に合わせた状態で観察を行った。表1に評価結果を示す。
Figure 2010085615
(位相差測定用基板の作製)
<実施例2>
本発明の液晶表示用基板の位相差測定は、液晶表示用基板そのものではなく、ガラス基板上に各々の光学異方性層を同じ膜厚で形成したもの作製し、測定することにより代用することとした。
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄、及び純水シャワー洗浄し、基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。その後、上記ガラス基板上にレッド画素部用塗布液R−1、グリーン画素部用塗布液G−1、ブルー画素部用塗布液B−1をそれぞれ、後のベーク完了後の膜厚が8.0μmとなるように調整しながら塗布した。さらに、ホットプレートで100℃2分間加熱乾燥させた後、230℃オーブン中で30分ベークすることで、実施例2の位相差測定用基板を得た。
<比較例2>
次いで、レッド画素部用塗布液R−1、グリーン画素部用塗布液G−1、ブルー画素部用塗布液B−1の代わりにレッド画素部用塗布液R−2、グリーン画素部用塗布液G−2、ブルー画素部用塗布液B−2を用いた以外は実施例2と同様の方法で、比較例2の位相差測定用基板を得た。
<実施例3>
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄、及び純水シャワー洗浄し、基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。その後、ポリイミド材料塗布液(日産化学工業(株)製、RN−1199A)を塗布、乾燥させて230℃1時間で焼成した。焼成後の膜厚は50nmであった。
さらに、上記基板の表面をラビング処理し、その上に光学異方性層用塗布液LC−1を塗布した。次いで、膜面温度105℃で2分間乾燥し、液晶相状態とした後、空気下にて160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス株式会社製)を用いて、照度240mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して、膜厚1.2μmの光学異方性層を形成し、実施例3の液晶表示装置用基板を得た。
(位相差測定)
ファイバ型分光計を用いた平行ニコル法により、任意の波長λにおける正面レターデーションRe(0)及び遅相軸を回転軸として±40度サンプルを傾斜させたときのレターデーションRe(40)、Re(−40)を測定した。ここで、R、G、Bに対してλはそれぞれ611nm、545nm、435nmとした。本発明の光学異方性層の位相差は、あらかじめ測定した光学異方性層のない基板の透過率データで較正を行うことにより、光学異方性層の位相差のみを求めた。実施例2、比較例2及び実施例3の位相差測定用基板の位相差測定結果を表2に示す。
Figure 2010085615
(VAモード液晶表示装置の作製)
<実施例4>
実施例1の液晶表示用基板と、その対向基板となるTFT層を設けたガラス基板に対し、ITOのスパッタリングにより透明電極膜を形成し、その上にポリイミドの配向膜を設けた。カラーフィルタの画素群の周囲に設けられたブラックマトリックスの外枠に相当する位置に、スペーサ粒子を含有するエポキシ樹脂のシール剤を印刷し、実施例2の液晶表示用基板と対向基板とを10kg/cmの圧力で貼り合わせた。次いで、150℃、90分で熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚のガラス基板の積層体を得た。このガラス基板積層体を真空下で脱気、その後大気圧に戻して2枚のガラス基板の間隙に液晶を注入し、VAモード液晶セルを得た。このVAモード液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。カラー液晶表示装置用冷陰極管バックライトとしては、BaMg2Al1627:Eu,Mnと、LaPO4:Ce,Tbとを質量比50:50で混合した蛍光体を緑色(G)、Y23:Euを赤色(R)、BaMgAl1017:Euを青色(B)として、任意の色調を持つ白色の三波長蛍光ランプを作製した。このバックライト上に該偏光板を付与したVAモード液晶セルを設置し、これを実施例4のVAモード液晶表示装置とした。
<比較例4>
比較例1の液晶表示装置用基板を用いる以外は実施例4と同様の方法で、比較例3のVAモード液晶表示装置を得た。
(VAモード液晶表示装置の目視評価)
実施例4及び比較例3のVAモード液晶表示装置の目視評価結果を表3に示す。
Figure 2010085615
実施例で用いたインクジェット装置を示す図である。
符号の説明
100 インクジェットヘッド部
200 吐出制御装置
300 基板
400 基板台
500 ヘッドメンテナンスステーション

Claims (17)

  1. 遅相軸を回転軸として40度サンプルを傾斜させたときの面内レターデーションとして5〜150nmのレターデーションを有するカラーフィルタ層を含む液晶表示装置用基板。
  2. 前記カラーフィルタ層を配向処理した表面上に直接第2の光学異方性層が設けられている請求項1に記載の液晶表示装置用基板。
  3. 前記配向処理が、ラビング、光配向、延伸、及び収縮からなる群のいずれかから選択される請求項2に記載の液晶表示装置用基板。
  4. 第2の光学異方性層が、基板の面内方向に光学軸を有する正の一軸性もしくは二軸性の光学異方性層である請求項2又は3に記載の液晶表示装置用基板。
  5. 第2の光学異方性層の正面レターデーションが、40〜550nmである請求項2〜4のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  6. 第2の光学異方性層が、少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含む溶液を、塗布乾燥して液晶相を形成した後、加熱または光照射した層である請求項2〜5のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  7. 前記液晶性化合物が、棒状液晶性化合物である請求項6に記載の液晶表示装置用基板。
  8. 前記カラーフィルタ層が、少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含んでなる溶液を、塗布乾燥した後、加熱又は光照射して形成された層である請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  9. 前記反応性基を有する化合物が、アセチレン基、マレイミド基、ナジイミド基、ベンゾオキサジン基、ビニル基、エポキシ基、シアネート基、及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1つの重合性基を有する請求項8に記載の液晶表示装置用基板。
  10. 前記カラーフィルタ層がポリイミド、ポリイソイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリチオアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、及びポリアゾメチンからなる群から選択される少なくとも1つを含む層からなる請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  11. 前記カラーフィルタ層がRGB3色の画素を含む層であり、前記複屈折ΔnがRGB3色の画素で互いに異なっているカラーフィルタに含まれる前記群の化合物の添加濃度もしくは化合物種がRGBの画素ごとに異なっている請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  12. 前記カラーフィルタ層が、インクジェット法、フォトリソグラフィー法、転写法、及び印刷法からなる群から選択される少なくとも1つの方法で形成された層である請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  13. 前記カラーフィルタ層が、実質的に面の法線方向に光学軸を有する負の一軸性の光学異方性を有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板を有する液晶表示装置。
  15. 前記液晶表示装置の配向モードがVAモードである請求項14に記載の液晶表示装置。
  16. 顔料又は染料と、下記一般式(1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する共重合ポリマーを含む、液晶表示装置用基板のカラーフィルタを作製するための組成物:
    Figure 2010085615
    一般式(1)中、Y1は、メチレン基、エチレン基またはエテニレン基を表し、X1は下記一般式(3)で表される2価の連結基を表し;
    Figure 2010085615
    一般式(2)中、Y2は、メチレン基、エチレン基またはエテニレン基を表し、X2は下記一般式(4)で表される2価の連結基を表し;
    Figure 2010085615
    一般式(3)中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、及び置換または無置換のアリール基からなる群から選ばれる一つの基を表し、l及びmはそれぞれ独立に0〜4のいずれかの整数を表し;
    Figure 2010085615
    一般式(4)中、Aは無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表し、ただし、Aは同一炭素原子から3つ以上の芳香環が直結している部分構造を含まず、B2は置換または無置換のアリール基又はヘテロアリール基を表し、Lは2価の連結基を表し、Q2は反応性基を表し、R4は水素原子、無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表し、nは0以上の整数を表す。
  17. 前記共重合ポリマーが下記一般式(5)の化合物を用いて末端封止されている請求項16に記載の組成物:
    Figure 2010085615
    一般式(5)中、B1は置換または無置換のアリール基又はヘテロアリール基を表す。Q1は反応性基を表し、R3は水素原子、無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表し、kは0以上の整数を表す。
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