JP2010084902A - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチレリーズ軸受の内輪の内周面と、カバー部材の一部によって泥水等が侵入し難い構造とし、耐泥水性の向上を図るクラッチレリーズ軸受装置を提供する。
【解決手段】クラッチレリーズ軸受30と、その外輪31の外周面を覆って保持するカバー部材50とを備える。カバー部材50は、外径側フランジ部61と、中間筒部63と、屈曲部64と、内径側フランジ部65とを有する。内輪35の他端には、延出筒部36が形成され、この延出筒部36の延出端にダイヤフラムスプリング40を押圧する鍔部37が半径方向外方へ向けて突出される。内輪35の内周面には円筒周壁面90と、この円筒周壁面90の端縁から延出筒部36に向けてしだいに拡径された誘導面91とが連続状に形成され、内径側フランジ部65側から屈曲部64に沿って流れる泥水等を誘導面91によって延出筒部36先端側に向けて誘導する。
【選択図】図3

Description

この発明はクラッチレリーズ軸受装置に関する。
従来、クラッチレリーズ軸受と、このクラッチレリーズ軸受の外輪の外周面を覆って保持するカバー部材とを備えたクラッチレリーズ軸受装置においては、例えば、特許文献1に開示された構造のものがある。
これにおいては、図6に示すように、シリンダ内筒体110と、シリンダ外筒体115と、環状ピストン120と、クラッチレリーズ軸受130と、カバー部材150とを備えている。
また、クラッチレリーズ軸受130の外輪131の外周面を覆って保持するカバー部材150は、外輪131の一端面から内輪135の一端面にわたって半径方向中心側に向けて延びるフランジ部161と、このフランジ部161の内径端から内輪135の内周面に沿って延びかつ環状ピストン120の先端より部分に埋設された内筒部163とを備えている。
また、クラッチレリーズ軸受130の内輪135の一端に、ダイヤフラムスプリング140の内径側部分141に向けて軸方向へ延出された延出筒部136が形成され、この延出筒部136の延出端にダイヤフラムスプリング140の内径側部分141を押圧する押圧面138を有する鍔部137が半径方向外方へ向けて突出されている。
実開平6−28359号公報
ところで、前記した内輪回転形式のクラッチレリーズ軸受装置においては、車両走行時において、クラッチハウジング(図示しない)内に泥水、埃、塵等が侵入すると、ダイヤフラムスプリング140によって泥水等が飛び散り、その飛散した泥水等の一部がシリンダ内筒体110と、環状ピストン120の先端部と、カバー部材150のフランジ部161と、内輪135の内周面とで囲まれた空間内に流れることがある(図6の矢印参照)。
すると、前記空間内に流れた泥水等が、カバー部材150のフランジ部161と、内輪135の端面との間の隙間100に侵入することがある。特に、内輪135の回転時にはその遠心力の作用を受けて前記隙間100に泥水等が侵入しやすくなる。
そして、前記隙間100に侵入した泥水等の泥成分によってシール部材180の摺接部の摩耗が著しくなり、シール機能が低下する。
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、耐水性の向上を図ることができるクラッチレリーズ軸受装置を提供することである。
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係るクラッチレリーズ軸受装置は、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配設される転動体とを有するクラッチレリーズ軸受装置であって、
前記外輪は、この外輪の一端面から前記内輪の一端にわたって半径方向中心側に向けて延びる外径側フランジ部と、前記内輪の内周面との間に設定された環状空間をもって前記外径側フランジ部の内径端から前記内輪の内周面に沿って延びる中間筒部と、この中間筒部の端縁から所定の曲率半径で半径方向中心側に向けて曲げられた屈曲部と、この屈曲部の端縁から半径方向中心側に向けて延出された内径側フランジ部とを有し、
前記内輪の他端には、軸方向へ延出された延出筒部が形成され、
前記内輪の内周面には、前記外径側フランジ部に対応する一端側から前記中間筒部の端縁にわたる部分に軸方向に平行する円筒周壁面と、この円筒周壁面の端縁から延出筒部に向けてしだいに拡径されて傾斜状又は湾曲状をなす誘導面とが連続状に形成されていることを特徴とする。
請求項2に係るクラッチレリーズ軸受装置は、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配設される転動体とを有するクラッチレリーズ軸受装置であって、
前記外輪に直接又は間接的に連結され、前記外輪の一端面から前記内輪の他端面にわたって半径方向中心側に向けて延びる外径側フランジ部と、前記内輪の内周面との間に設定された環状空間をもって前記外径側フランジ部の内径端から前記内輪の内周面に沿って延びる中間筒部と、この中間筒部の端縁から所定の曲率半径で半径方向中心側に向けて曲げられた屈曲部と、この屈曲部の端縁から半径方向中心側に向けて延出された内径側フランジ部とを有し、
前記内径側フランジ部の中心部分に配設され、前記クラッチレリーズ軸受装置のピストンに組み付けられる中心取付部とを備え、
前記中間筒部と前記ピストンとの間で、前記クラッチレリーズ軸受装置のシリンダ外筒が配置可能な環状空間を形成しているカバー部材を有し、
前記内輪の他端には、軸方向へ延出された延出筒部が形成され、
前記内輪の内周面には、前記外径側フランジ部に対応する一端側から前記中間筒部の端縁にわたる部分に軸方向に平行する円筒周壁面と、この円筒周壁面の端縁から延出筒部に向けてしだいに拡径されて傾斜状又は湾曲状をなす誘導面とが連続状に形成されていることを特徴とする。
請求項1及び2の構成によると、泥水等が内径側フランジ部側から屈曲部に沿って流れた泥水は、内輪の内周面の誘導面に誘導されて内輪の延出筒部先端側に向けて流れる。特に、内輪の回転時にはその遠心力の作用を受けて誘導面に沿って迅速に流れる。
すなわち、内径側フランジ部の屈曲部と、内輪の内周面の誘導面との協働で、泥水等を内輪の延出筒部先端側に向けて誘導することができる。
この結果、内輪の内周面と、中間筒部との間に設定された環状空間内に泥水等が侵入することを抑制することができ、耐水性の向上を図ることができる。
請求項3に係るクラッチレリーズ軸受装置は、請求項1又は2に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
内輪の内周面の円筒周壁面側の誘導面の始点は、屈曲部の中間筒部側の屈曲始点と軸方向に同じ位置か又は奥側に位置して設定されていることを特徴とする。
前記構成によると、内径側フランジ部から屈曲部に沿って流れた泥水等を内輪の誘導面によって良好に誘導することができ、内輪の内周面と、中間筒部との間の環状空間内に対する泥水等の侵入防止に効果が大きい。
請求項4に係るクラッチレリーズ軸受装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
延出筒部の延出端の内周面には、内輪の円筒周壁面よりも大きい径の別の円筒周壁面が形成され、
誘導面は前記両円筒周壁面を連続的に繋いでおり、前記誘導面と前記別の誘導面との境界である前記誘導面の終点は、内径側フランジ部の側面と同じかそれよりも奥側に位置していることを特徴とする。
前記構成によると、内径側フランジ部の側面に沿って流れ、内輪の内周面に到達した泥水等は、誘導面が障害とならず、誘導面に良好に誘導されて内輪の延出筒部先端側に向けて流れる。この結果、内輪の内周面と、中間筒部との間に設定された環状空間内に泥水等が侵入することをより一層良好に抑制することができる。
請求項5に係るクラッチレリーズ軸受装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
内輪の円筒周壁面の一部と、中間筒部の対向部分の一部には、相互に接近して非接触シール部を構成する凹凸部が形成されていることを特徴とする。
前記構成によると、仮に、内径側フランジ部側から屈曲部に沿って流れる泥水等の一部が内輪の内周面とカバー部材の中間筒部の外周面との間の環状空間に侵入したとしても、凹凸部がなす非接触シール部で泥水等を止め、これ以上内部に侵入することを防止することができる。
請求項6に係るクラッチレリーズ軸受装置は、請求項5に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
内輪の円筒周壁面の一部に、中間筒部の外径よりも僅かに大きい内径の凸部が形成され、前記凸部が対面する前記中間筒部の外周面に前記凸部の内径に対し設定された隙間をもって凹部が形成されていることを特徴とする。
前記構成によると、凹凸部がなす非接触シール部を容易に構成することができる。
この発明を実施するための最良の形態について実施例にしたがって説明する。
〔実施例1〕
この発明の実施例1を図1〜図3にしたがって説明する。
図1はこの発明の実施例1に係るクラッチレリーズ軸受装置を示す縦断面図である。図2はクラッチレリーズ軸受を拡大して示す縦断面図である。図3はクラッチレリーズ軸受の内輪とカバー部材の中間筒部先端の第2の屈曲部の関係を拡大して示す縦断面図である。
この実施例1に係るクラッチレリーズ軸受装置は、油圧によって作動される環状ピストンとダイヤフラムスプリングとの間に配設される油圧式のクラッチレリーズ軸受装置である場合を例示する。
図1に示すように、クラッチ主軸1の外周面に組み付けられるシリンダ内筒体10と、シリンダ外筒体15との間には環状のシリンダ空間16が形成され、このシリンダ空間16には、シリンダ空間16内に供給される油圧によって作動される環状ピストン20が嵌挿されている。
シリンダ空間16から突出される環状ピストン20の突出部の先端側外周面には環状溝21が凹設されている。
図1と図2に示すように、環状ピストン20とダイヤフラムスプリング40との間に配設されるクラッチレリーズ軸受装置は、クラッチレリーズ軸受30と、カバー部材50とを備えている。
クラッチレリーズ軸受30は、外輪31と、この外輪31の内周に同心状に配置される内輪35と、外輪31と内輪35との間の環状空間に保持器33によって保持された状態で転動可能に配設される複数個の転動体としての玉32とを備えている。
また、内輪35の一端(ダイヤフラムスプリング40に対向する側)には、ダイヤフラムスプリング40の内径側部分41に向けて軸方向へ延出された延出筒部36が形成され、この延出筒部36の延出端にダイヤフラムスプリング40の内径側部分41を押圧する押圧面38を有する鍔部37が半径方向外方へ向けて突出されている。
図2に示すように、クラッチレリーズ軸受30の外輪31の外周面を覆って保持するカバー部材50は、環状ピストン20に内径側が接続されるフランジ体60と、外径側にクラッチレリーズ軸受30の外輪31の外周面を覆う筒状体51とを有している。
この実施例1においては、カバー部材50を構成するフランジ体60と筒状体51とは別部品(二部品)で構成されて相互に組み付けられる。
筒状体51は、フランジ体60よりも薄肉の金属板(鋼鉄板)のプレス加工(絞り加工)に形成され、外輪31の外径寸法よりも僅かに小さい内径寸法の円筒状をなす筒胴部52と、この筒胴部52の一端部にフランジ体60の厚さ寸法と略同じ筒長さをもって小径に絞られフランジ体60の外径寸法(次に述べる外径側フランジ部61の外径寸法)よりも僅かに小さい内径寸法をもつ小径の筒端部53と、この小径の筒端部53の端縁から半径方向内方へ曲げ加工された環状の端壁部54とを一体に有して段差筒状をなしている。
そして、筒状体51の小径の筒端部53には、フランジ体60が所定の締め代をもって圧入固定され、そのフランジ体60の一側面が環状の端壁部54の内面に当接する。
また、筒状体51の筒胴部52には、外輪31が所定の締め代をもって圧入固定され、その外輪31の一端面がフランジ体60の他側面に当接した状態で、筒状体51と、フランジ体60と、外輪31とが一体化されている。
図2に示すように、フランジ体60は、厚肉の金属板(鋼鉄板)のプレス加工に形成されると共に、外径側フランジ部61と、第1の屈曲部62と、中間筒部63と、第2の屈曲部(この発明の屈曲部に相当する)64と、内径側フランジ部65とを一体連続状に備えている。
外径側フランジ部61は、その外径面が筒状体51の小径の筒端部53に所定の締め代で圧入固定されると共に、クラッチレリーズ軸受30の外輪31の一端面から内輪35の一端面にわたって半径方向中心側に向けて延びている。
第1の屈曲部62は、外径側フランジ部61の内径端から所定の曲率半径でクラッチレリーズ軸受30の内輪35の内周面に向けて曲げられている。
中間筒部63は、第1屈曲部62の端縁からクラッチレリーズ軸受30の内輪35の内周面との間に設定され隙間寸法Aを有する環状空間Sをもって内輪35の内周面に沿って延びている。
また、環状空間Sの隙間寸法Aは、0.3mm〜0.5mmの範囲内で設定されることが好ましい。
図2に示すように、第2の曲部64は、中間筒部63の端縁から所定の曲率半径で中心側に向けて曲げられている。
内径側フランジ部65は、第2の屈曲部64の端縁から半径方向中心側に向けて延出され、その延端である内径端が環状ピストン20の環状溝21の底面(外径面)と調心用の環状隙間を隔てて配置される。そして、環状溝21の端壁面23と内径側フランジ部65との間には、皿ばね状の調心用ばね25が配設され、この調心用ばね25の弾発力によって内径側フランジ部65の一側面が環状溝21の押圧面22に当接している。
すなわち、内径側フランジ部65の中心部分には環状ピストン20に組み付けられる中心取付部が構成される。
すなわち、ダイヤフラムスプリング40とクラッチレリーズ軸受30との間に半径方向の偏心が生じたときには、ダイヤフラムスプリング40に対し調心用ばね25を介してクラッチレリーズ軸受30が半径方向へ相対的に移動されることでダイヤフラムスプリング40に対しクラッチレリーズ軸受30が調心されるようになっている。
なお、図1に示すように、フランジ体60に沿って配設されたばね受け部材70とシリンダ外筒体15との間には、カバー部材50と共にクラッチレリーズ軸受30をダイヤフラムスプリング40に向けて押圧する加圧ばね75が配設されている。
図3に示すように、クラッチレリーズ軸受30の内輪35の内周面には、カバー部材50の外径側フランジ部61に対応する一端側から中間筒部63の端縁にわたる部分に軸方向に平行する円筒周壁面90が形成されている。さらに、内輪35の内周面には、円筒周壁面90の端縁から延出筒部36の内周面に向けてしだいに拡径されたテーパ状、湾曲状(円弧状も含む)をなす誘導面91が形成されいる。そして、カバー部材50の内径側フランジ部65側から第2の屈曲部64に沿って流れる泥水等を誘導面91によって内輪35の延出筒部36先端側に向けて誘導するようになっている。
また、図3に示すように、内輪35の内周面の円筒周壁面90側の誘導面91の始点Pは、カバー部材(フランジ体60)50の第2の屈曲部64の中間筒部63側の屈曲始点Qと同じか又は奥側に位置して設定されることが好ましい。
例えば、始点Pと屈曲始点Qとの距離寸法Bが0.0mm〜2.0mmの範囲で設定されることが好ましい。
また、図3に示すように、延出筒部36の内周面には、内輪35の円筒周壁面90よりも大きい径の別の円筒周壁面94が形成されいる。そして、誘導面91は両円筒周壁面90、94を連続的に繋いでいる。さらに、誘導面91は延出筒部36の誘導面94との境界である終点Rは、内径側フランジ部65の側面65aと同じかそれよりも奥側に位置して設定されることが好ましい。
例えば、終点Rと内径側フランジ部65の側面65aとの距離寸法Dが0.0mm〜1.2mmの範囲で設定されることが好ましい。
また、内輪35の円筒周壁面90と、延出筒部36の内周面との間の間隔寸法Cは、0.9mm〜1.3mmの範囲内で設定されることが好ましい。
また、図2に示すように、クラッチレリーズ軸受30の外輪31と内輪35との間の両端部には、軸受内を密封する両シール部材80、85が組み付けられている。
また、シール部材80は内輪35の一端部外周面と、外輪31の一端部内周面との間に組み付けられるシール部材80の外径端部には、外輪31の一端部内周面の溝内に弾性圧縮されて固定される外径側固定部81が形成され、内径端部には、内輪35の一端部の端面及び外周面に接触又は接近する弾性体よりなるシールリップ83が二股状に形成されている。
この実施例1に係るクラッチレリーズ軸受装置は上述したように構成される。
したがって、クラッチペダル(図示しない)の踏み込み動作に基づいてシリンダ空間16内に油圧が供給されると、環状ピストン20が押し出される。
すると、環状ピストン20の環状溝21一側内壁面の押圧面22にカバー部材50のフランジ体60の内径側フランジ部65が押圧されてカバー部材50と共にクラッチレリーズ軸受30が軸方向左側へ移動される。そして、クラッチレリーズ軸受30の内輪35端部の環状の押圧部36によってダイヤフラムスプリング40の内径側部分41が押圧され、図示しないクラッチが作動(遮断)される。
さて、車両走行時において、クラッチハウジング内に侵入した泥水等がダイヤフラムスプリング40によって飛び散り、その泥水等がカバー部材50の内径側フランジ部65側から第2の屈曲部64に沿って流れる場合ある(図3の矢印参照)。
カバー部材50の第2の屈曲部64に沿って流れた泥水等は、内輪35の内周面の誘導面91に誘導されて内輪35の延出筒部36先端側に向けて流れる。特に、内輪35の回転時にはその遠心力の作用を受けて誘導面91に沿って誘導されて迅速に流れる。
すなわち、カバー部材50の第2の屈曲部64と、内輪35の誘導面91との協働で、泥水等を内輪35の延出筒部36の先端側に向けて誘導することができる。
この結果、内輪35の内周面と、カバー部材50の中間筒部63との間に設定された環状空間S内に泥水等が侵入することを抑制することができ、耐水性の向上を図ることができる。
また、この実施例1において、内輪35の内周面の円筒周壁面90側の誘導面91の始点Pは、カバー部材50の第2の屈曲部64の中間筒部63側の屈曲始点Qと同じか又は奥側に位置して設定されている。このため、カバー部材50の第2の屈曲部64に沿って流れた泥水等を内輪35の誘導面91によって良好に誘導することができ、内輪35の内周面と、カバー部材50の中間筒部63との間の環状空間S内に対する泥水等の侵入防止に効果が大きい。
また、この実施例1において、延出筒部36の内周面には、内輪35の円筒周壁面90よりも大きい径の別の円筒周壁面94が形成されいる。そして、誘導面91は両円筒周壁面90、94を連続的に繋いでいる。さらに、誘導面91は延出筒部36の誘導面94との境界である終点Rは、内径側フランジ部65の側面65aと同じかそれよりも奥側に位置し設定されている。このため、内径側フランジ部65の側面65aに沿って流れ、内輪35の内周面に到達した泥水等は、誘導面91が障害とならず、誘導面91に良好に誘導されて内輪35の延出筒部36の先端側に向けて流れる。この結果、内輪35の内周面と、中間筒部63との間に設定された環状空間S内に泥水等が侵入することをより一層良好に抑制することができる。
〔実施例2〕
次に、この発明の実施例2を図4にしたがって説明する。
図4はこの発明の実施例2に係るクラッチレリーズ軸受の内輪とカバー部材の中間筒部先端の第2の屈曲部の関係を拡大して示す縦断面図である。
図に示すように、この実施例2においては、内輪35の内周面の円筒周壁面90の先端に連続して形成されるテーパ状を呈する誘導面91aが、円筒周壁面90端縁から延出筒部36の先端にわたってしだいに拡径された傾斜状に形成されている。
そして、カバー部材50の内径側フランジ部65側から第2の屈曲部64に沿って流れる泥水等を誘導面91aによって内輪35の延出筒部36先端側に向けて誘導するようになっている。
また、内輪35の内周面の円筒周壁面90側の誘導面91aの始点P’は、実施例1でも述べたように、カバー部材(フランジ体60)50の第2の屈曲部64の中間筒部63側の屈曲始点Qと同じか又は奥側に位置して設定されることが好ましい。
すなわち、始点P’と屈曲始点Qとの距離寸法B’が0.0mm〜2.0mmの範囲で設定されることが好ましい。
この実施例2のその他の構成は、実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
したがって、この実施例2においても実施例1と同様の作用効果を奏する。
〔実施例3〕
次に、この発明の実施例3を図5にしたがって説明する。
図5はこの発明の実施例3に係るクラッチレリーズ軸受の内輪とカバー部材の中間筒部先端の第2の屈曲部の関係を拡大して示す縦断面図である。
図5に示すように、環状空間Sをなす内輪35の内周面とカバー部材50の中間筒部63の外周面との間には、相互に接近して非接触シール部を構成する凹部95と凸部96とがそれぞれ形成されている。
また、凸部96は、中間筒部63の外径よりも僅かに大きい内径とされ、凹部95は凸部96の内径に対し所定の隙間(非接触シール部として機能する隙間)をもつ寸法に設定されている。
この実施例3において、図5に示すように、内輪35の一端部内周面に環状をなす凸部96が形成され、カバー部材50の中間筒部63の一端部外周面に環状をなす凹部95が形成されている。
また、内輪35とカバー部材50の中間筒部36との組み付け性を考慮して、中間筒部63の外径寸法Eよりも凸部96の内径寸法Fが僅かではあるが大きく設定されている。
さらに、凸部96の内径面と凹部95の外径面との間の隙間寸法は0.05mm〜0.25mmの範囲内(好ましくは0.15mm程度)で設定されることが好ましい。
この実施例3のその他の構成は、実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
したがって、この実施例3においても実施例1と同様の作用効果を奏する。
特に、この実施例3においては、内輪35の内周面とカバー部材50の中間筒部63の外周面との間に、非接触シール部を構成する凹部95と凸部96とがそれぞれ形成されている。このため、仮に、カバー部材50の内径側フランジ部65側から第2の屈曲部64に沿って流れる泥水等の一部が内輪35の内周面とカバー部材50の中間筒部63の外周面との間の環状空間Sに侵入したとしても、凹部95と凸部96がなす非接触シール部で泥水等を止め、これ以上内部に侵入することを防止することができる。
なお、この発明は前記実施例1〜3に限定するものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。
例えば、前記実施例1においては、カバー部材50がフランジ体60と筒状体51との二部品で構成される場合を例示したが、一部品で構成されてもこの発明を実施することができる。
この発明の実施例1に係るクラッチレリーズ軸受装置を示す縦断面図である。 同じくクラッチレリーズ軸受を拡大して示す縦断面図である。 同じくクラッチレリーズ軸受の内輪とカバー部材の中間筒部先端の第2の屈曲部の関係を拡大して示す縦断面図である。 この発明の実施例2に係るクラッチレリーズ軸受の内輪とカバー部材の中間筒部先端の第2の屈曲部の関係を拡大して示す縦断面図である。 この発明の実施例3に係るクラッチレリーズ軸受の内輪とカバー部材の中間筒部先端の第2の屈曲部の関係を拡大して示す縦断面図である。 従来のクラッチレリーズ軸受装置を示す説明図である。
符号の説明
30 クラッチレリーズ軸受
31 外輪
32 玉(転動体)
35 内輪
36 延出筒部
40 ダイヤフラムスプリング
50 カバー部材
60 フランジ体
61 外径側フランジ部
63 中間筒部
64 第2の屈曲部(屈曲部)
90 円筒周壁面
91 誘導面

Claims (6)

  1. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配設される転動体とを有するクラッチレリーズ軸受装置であって、
    前記外輪は、この外輪の一端面から前記内輪の一端にわたって半径方向中心側に向けて延びる外径側フランジ部と、前記内輪の内周面との間に設定された環状空間をもって前記外径側フランジ部の内径端から前記内輪の内周面に沿って延びる中間筒部と、この中間筒部の端縁から所定の曲率半径で半径方向中心側に向けて曲げられた屈曲部と、この屈曲部の端縁から半径方向中心側に向けて延出された内径側フランジ部とを有し、
    前記内輪の他端には、軸方向へ延出された延出筒部が形成され、
    前記内輪の内周面には、前記外径側フランジ部に対応する一端側から前記中間筒部の端縁にわたる部分に軸方向に平行する円筒周壁面と、この円筒周壁面の端縁から延出筒部に向けてしだいに拡径されて傾斜状又は湾曲状をなす誘導面とが連続状に形成されていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
  2. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配設される転動体とを有するクラッチレリーズ軸受装置であって、
    前記外輪に直接又は間接的に連結され、前記外輪の一端面から前記内輪の他端面にわたって半径方向中心側に向けて延びる外径側フランジ部と、前記内輪の内周面との間に設定された環状空間をもって前記外径側フランジ部の内径端から前記内輪の内周面に沿って延びる中間筒部と、この中間筒部の端縁から所定の曲率半径で半径方向中心側に向けて曲げられた屈曲部と、この屈曲部の端縁から半径方向中心側に向けて延出された内径側フランジ部とを有し、
    前記内径側フランジ部の中心部分に配設され、前記クラッチレリーズ軸受装置のピストンに組み付けられる中心取付部とを備え、
    前記中間筒部と前記ピストンとの間で、前記クラッチレリーズ軸受装置のシリンダ外筒が配置可能な環状空間を形成しているカバー部材を有し、
    前記内輪の他端には、軸方向へ延出された延出筒部が形成され、
    前記内輪の内周面には、前記外径側フランジ部に対応する一端側から前記中間筒部の端縁にわたる部分に軸方向に平行する円筒周壁面と、この円筒周壁面の端縁から延出筒部に向けてしだいに拡径されて傾斜状又は湾曲状をなす誘導面とが連続状に形成されていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
    内輪の内周面の円筒周壁面側の誘導面の始点は、屈曲部の中間筒部側の屈曲始点と軸方向に同じ位置か又は奥側に位置して設定されていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
    延出筒部の延出端の内周面には、内輪の円筒周壁面よりも大きい径の別の円筒周壁面が形成され、
    誘導面は前記両円筒周壁面を連続的に繋いでおり、前記誘導面と前記別の誘導面との境界である前記誘導面の終点は、内径側フランジ部の側面と同じかそれよりも奥側に位置していることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
    内輪の円筒周壁面の一部と、中間筒部の対向部分の一部には、相互に接近して非接触シール部を構成する凹凸部が形成されていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
  6. 請求項5に記載のクラッチレリーズ軸受装置であって、
    内輪の円筒周壁面の一部に、中間筒部の外径よりも僅かに大きい内径の凸部が形成され、前記凸部が対面する前記中間筒部の外周面に前記凸部の内径に対し設定された隙間をもって凹部が形成されていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
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