JP2010084751A - 車両用油温調整システム実施 - Google Patents

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Abstract

【課題】一つのオイル熱交換手段において、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両用オイルを十分に冷却することができる車両用油温調整システムを提供すること。
【解決手段】給水路2の途中に設けられたサーモスタット弁4に接続するバイパス路3の途中にオイル熱交換器5を設け、冷間始動時にバイパス路3と下流給水路7とを接続し、エンジン高負荷運転時に上流給水路6と下流給水路7とを接続する油温調整システムにおいて、上流給水路6は、オイル熱交換器5を接続すると共に、冷間始動時において上流給水路6の冷却水への伝熱を抑制する熱伝達抑制機構を有する。そして冷間始動時に、オイル熱交換器5によりバイパス路3の冷却水の熱を車両用オイルに伝達すると共に、上流給水路6の冷却水への伝熱を抑制する。また、高負荷運転時に、オイル熱交換器5により車両用オイルの熱を上流給水路6の冷却水に伝達する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン冷却水により車両用オイル温度を調整する車両用油温調整システムに関するものである。
従来、エンジン冷却水によって車両用オイル温度を調整する車両用油温調整システムとしては、ラジエータを迂回してエンジンへ冷却水を循環させるバイパス経路に、冷却水と車両用オイルとの間で熱交換を行うオイル熱交換器を設け、このオイル熱交換器の下流側流路を分岐して、一方の流路はサーモスタット弁を介してエンジンへ接続し、他方の流路はヒータを介してエンジンへ接続したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記従来の車両用油温調整システムでは、エンジンの冷間始動時には、バイパス経路からサーモスタット弁を介してエンジンに流れる冷却水によって車両用オイルを加熱する。また、エンジンの高負荷運転時には、サーモスタット弁を閉鎖してバイパス経路からヒータを介して流れる冷却水によって車両用オイルを冷却する。これにより、エンジン冷間始動時のオイル加熱と、エンジン高負荷運転時のオイル冷却とを行う。
特開2005−220828号公報
しかしながら、従来の車両用油温調整システムにあっては、車両用オイルの加熱及び冷却に使用される冷却水は、常にエンジンから排出された冷却水であるため、エンジンの高負荷運転時には車両用オイルが十分に冷却できない、という問題があった。
すなわち、オイル熱交換器に流入する冷却水はラジエータを迂回して流れる冷却水であり、エンジン高負荷運転時にはこの冷却水が高温になってしまうので、車両用オイルを十分に冷却することは難しかった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、一つのオイル熱交換手段において、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両用オイルを十分に冷却することができる車両用油温調整システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンからラジエータへ冷却水を流す排水路の途中から分岐して、ラジエータからエンジンへ冷却水を流す給水路の途中に設けられたサーモスタット弁に接続するバイパス路の途中に、冷却水と車両用オイルとの間で熱交換を行うオイル熱交換手段を設け、サーモスタット弁により、エンジンの冷間始動時にバイパス路とサーモスタット弁の下流側に位置する下流給水路とを接続し、エンジンの高負荷運転時にサーモスタット弁の上流側に位置する上流給水路と上記下流給水路とを接続する車両用油温調整システムにおいて、上流給水路は、途中にオイル熱交換手段を接続すると共に、エンジンの冷間始動時において上流給水路の冷却水への伝熱を抑制する熱伝達抑制機構を有している。そして、エンジンの冷間始動時に、オイル熱交換手段によりバイパス路の冷却水の熱を車両用オイルに伝達すると共に、熱伝達抑制機構により上流給水路の冷却水への伝熱を抑制する。また、エンジンの高負荷運転時に、オイル熱交換手段により車両用オイルの熱を上流給水路の冷却水に伝達する。
よって、本発明の車両用油温調整システムにあっては、エンジンの冷間始動時、サーモスタット弁によりバイパス路と下流給水路とが接続され、オイル熱交換手段において、流動するバイパス路の冷却水の熱が車両用オイルに伝達される。また、このとき熱伝達抑制機構により上流給水路の冷却水への伝熱が抑制される。一方、エンジンの高負荷運転時、サーモスタット弁により上流給水路と下流給水路とが接続され、オイル熱交換手段において、車両用オイルの熱が流動する上流給水路の冷却水に伝達される。
したがって、エンジン冷間始動時、車両用オイルより温度上昇が早い流動するバイパス路の冷却水により、車両用オイルを加熱することができる。また、このとき、熱伝達抑制機構により上流給水路の冷却水への伝熱が抑制されて伝熱範囲を限定し、オイル加熱性能を確保することができる。一方、エンジン高負荷運転時、ラジエータから排出されて低温になった上流給水路の冷却水により、高温になった車両用オイルを冷却することができる。
この結果、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両オイルを十分に冷却することができる。
実施例1の車両用油温調整システムの構成を示す構成図である。 実施例1の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の構成を示す模式図である。 実施例1の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の外観を示す斜視図である。 実施例1の車両用油温調整システムの逆止弁を示す斜視図である。 (a)はエンジン冷間始動時の実施例1の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン冷間始動時のオイル熱交換手段における熱伝達を示す説明図である。 (a)はエンジン高負荷運転時の実施例1の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン高負荷運転時のオイル熱交換手段における熱伝達を示す説明図である。 実施例2の車両用油温調整システムにおけるオイル熱交換手段の外観を示す斜視図である。 実施例2の車両用油温調整システムにおける逆止弁を示す一部を破断した斜視図である。 実施例3の車両用油温調整システムの構成を示す構成図である。 実施例3の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の構成を示す模式図である。 実施例3の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の外観を示す斜視図である。 (a)は実施例3の車両用油温調整システムの断熱壁を示す斜視図であり、(b)は断熱壁に設けられた開閉手段が閉鎖した状態を示す断面図であり、(c)は断熱壁に設けられた開閉手段が開放した状態を示す断面図である。 (a)はエンジン冷間始動時の実施例3の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン冷間始動時のオイル熱交換手段における熱伝達を示す説明図である。 (a)はエンジン高負荷運転時の実施例3の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン高負荷運転時のオイル熱交換手段における伝都伝達を示す説明図である。 (a)はオイル熱交換手段の他の例を示す斜視図であり、(b)は図15(a)のオイル熱交換手段の分解斜視図であり、(c)は図15(a)における縦断面図である。 (a)は開閉手段の他の例を示す分解斜視図であり、(b)は図16(a)の開閉手段により開口部が閉塞された状態の要部断面図であり、(c)は図16(a)の開閉手段により開口部が開放された状態の要部断面図であるである。 (a)は開閉手段の他の例を示す分解斜視図であり、(b)は図17(a)の開閉手段により開口部が閉塞された状態の平面図であり、(c)は図17(a)の開閉手段により開口部が開放された状態の平面図である。 (a)は開閉手段の他の例を示す斜視図であり、(b)は図18(a)の開閉手段により開口部が開放された状態の斜視図であり、(c)は図18(a)の開閉手段により開口部が開放された状態の断面図である。 オイル熱交換器の他の例を示す分解斜視図である。
以下、本発明の車両用油温調整システムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用油温調整システムの構成を示す構成図である。図2は実施例1の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の構成を示す模式図である。図3は実施例1の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の外観を示す斜視図である。図4は実施例1の車両用油温調整システムの逆止弁を示す斜視図である。
実施例1の車両用油温調整システムは、図1に示すように、排水路1と、給水路2と、バイパス路3と、サーモスタット弁4と、オイル熱交換器(オイル熱交換手段)5とを備えている。なお、実施例1の車両量油温調整システムは、自動変速機ATの作動油温を調整する油温調整システムとして適用したものである。
排水路1は、エンジンEから排出されラジエータRへ流れ込む冷却水が流れる流路である。給水路2は、ラジエータRから排出されエンジンEへ流れ込む冷却水が流れる流路であり、途中にサーモスタット弁4が設けられている。このサーモスタット弁4の上流側を上流給水路6とし、サーモスタット弁4の下流側を下流給水路7とする。
上流給水路6は、途中から分岐し、再びこの上流給水路6に接続する分岐給水路8を有している。この分岐給水路8は、途中にオイル熱交換器5が接続され、その上流側に逆止弁9が設けられている。なお、この分岐給水路8及び逆止弁9は、エンジンEの冷間始動時において、上流給水路6の冷却水への伝熱を抑制する熱伝達抑制機構となる。
また、分岐給水路8を流れる冷却水の流量は、この分岐給水路8が分岐してから再び接続する間に位置する上流給水路(以下、本流路という)6aを流れる冷却水の流量よりも少なく設定されている。すなわち、分岐給水路8の経路断面積よりも本流路6aの経路断面積の方が大きい。なお、本流路6aと分岐給水路8との流量の割合は、ここでは7対3である。
逆止弁9は、図4に示すように、水平方向に延びる分岐給水路8内で起倒可能な弁体9aを有している。この弁体9aは、起立したときに分岐給水路8を閉鎖する大きさを有しており、分岐給水路8の内壁8aにヒンジ機構9bを介して下端部が回動可能に保持されている。また、弁体9aは、密度が1.0g/cm未満であって、熱伝導率の低い樹脂材料等から形成されている。さらに、この逆止弁9は、バイパス路3の冷却水との熱交換可能領域の直近の上流側、つまり、オイル熱交換器5の直近の上流側に配置されている。
バイパス路3は、排水路1の途中から分岐してサーモスタット弁4に接続し、排水路1からラジエータRを迂回して給水路2へ流れ込む冷却水が流れる流路である。このバイパス路3は、途中にオイル熱交換器5が接続されている。
サーモスタット弁4は、冷却水の温度を感知して自動的に作動する自動弁であり、エンジンEの冷間始動時に、上流給水路6を閉鎖すると共にバイパス路3と下流給水路7とを接続し、エンジンEの高負荷運転時に、バイパス路3を閉鎖すると共に上流給水路6と下流給水路7とを接続する。
なお、エンジンEの冷間始動時とは、エンジンEが外気温と同じあるいはそれ以下の温度でのエンジン始動時であり、エンジンEから排出される冷却水は低温となる。また、エンジンEの高負荷運転時とは、エンジンEの最高負荷状態を含むエンジン運転時であり、エンジンEから排出される冷却水は高温となる。
オイル熱交換器5は、車両用オイルと冷却水との間で熱交換を行う熱交換器である。このオイル熱交換器5は、図2に示すように、車両用オイルが流れるオイル流路11と、バイパス路3の冷却水が流れるバイパス水流路12と、分岐給水路8の冷却水が流れる分岐水流路13とを有している。
ここで、車両用オイルは、エンジンEに接続した自動変速機ATの作動油である。この自動変速機ATから排出された車両用オイル(作動油)は、オイル排出路14aを介してオイル流路11に流れ込み、このオイル流路11を通過した後、オイルリターン路14bを介して自動変速機ATへと循環する。
そして、オイル流路11とバイパス水流路12との間には、第一ヒートパイプ15,15が設けられ、オイル流路11を流れる車両用オイルとバイパス水流路12を流れるバイパス路3の冷却水との間で熱交換可能になっている。また、バイパス水流路12と分岐水流路13との間には、第二ヒートパイプ16,16が設けられ、バイパス水流路12を流れるバイパス路3の冷却水と分岐水流路13を流れる分岐給水路8の冷却水との間で熱交換可能になっている。なお、図2においてFは、各第一,第二ヒートパイプ15,16の熱伝導性を向上させるフィンである。
ここで、オイル熱交換器5は、図3に示すように、金属性の角管の側面を密着、すなわち角管を積層させて構成されている。このとき、バイパス水流路12は、オイル流路11と分岐水流路13との間に挟まれる。また、第一ヒートパイプ15は、オイル流路11とバイパス水流路12とを区画する壁面を貫通し、第二ヒートパイプ16は、バイパス水流路12と分岐水流路13とを区画する壁面を貫通する。
次に、作用を説明する。
まず、「車両用油温調整技術について」の説明を行い、続いて、実施例1の車両用油温調整システムにおける作用を、「冷間始動時オイル加熱作用」、「高負荷運転時オイル冷却作用」に分けて説明する。
[車両用油温調整技術について]
従来、エンジン冷却水を利用して車両用オイルの油温を調整する車両用油温調整システムにおいては、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両用オイルを冷却するために、サーモスタット弁の駆動に関わらず、ラジエータを迂回して流れるエンジン冷却水がオイル用の熱交換器に流れるようにしていた。
しかし、このような構造の車両用油温調整システムでは、オイル用の熱交換器に流れる冷却水は、常にエンジン内で高温になった冷却水であるので、エンジン高負荷運転時には冷却水温度が非常に高くなっており、オイル冷却を十分に行えない問題があった。
また、ラジエータ迂回冷却水でオイル加熱を行う熱交換器と、ラジエータ通過冷却水でオイル冷却を行う熱交換器との二つの熱交換器によってそれぞれオイル加熱とオイル冷却とを行う場合では、オイル温度等に応じてオイルが流れる熱交換器を切り換える必要があり、流路制御や配管が複雑になるという問題があった。また、二つの熱交換器を設けなければならず、スペース的な問題もあった。
本発明者は、上記問題点に対し、オイル熱交換器に対して、サーモスタット弁により温度制御された2系統の冷却水を供給することで、一つの熱交換器においてオイル温度に応じた温度の冷却水を供給する構成を採用した。
[冷間始動時オイル加熱作用]
図5(a)はエンジン冷間始動時の実施例1の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン冷間始動時のオイル熱交換手段における熱伝達を示す説明図である。
冬期のエンジン始動時等のエンジン冷間始動時においては、エンジンから排出される冷却水温度は比較的低く、自動変速機AT内の車両用オイル(作動油)の温度も低下している。このとき、実施例1の車両用油温調整システムにおいて、サーモスタット弁4は、上流給水路6を閉鎖すると共に、バイパス路3と下流給水路7とを接続する。
そのため、図5(a)に示すように、エンジンEから排出された冷却水は、排水路1からバイパス路3を通り、オイル熱交換器5のバイパス水流路12を通過して下流給水路7へ流れてエンジンEへと循環する。また、上流給水路6内の冷却水は滞留するため、分岐給水路8内の冷却水も滞留する。このため、分岐給水路8に設けられた逆止弁9は、起立状態のままとなって開かず、オイル熱交換器5の分岐水流路13に冷却水が流れない。一方、自動変速機ATから排出された車両用オイルはオイル排出路14aからオイル熱交換器5に流れ込み、オイルリターン路14bを介して循環する。
これにより、オイル熱交換器5では、オイル流路11を低温の車両用オイルが流動し、バイパス水流路12をバイパス路3を流れる冷却水が流動し、分岐水流路13では冷却水が滞留する。
ここで、実施例1の車両用油温調整システムでは、オイル熱交換器5は、車両用オイルとバイパス路3の冷却水との間で熱交換可能にし、バイパス路3の冷却水と分岐給水路8の冷却水との間で熱交換可能にする構成とした。また、バイパス路3の冷却水の温度上昇率は車両用オイルの温度上昇率よりも高いため、バイパス水流路12を流れる冷却水は、オイル流路11を流れる車両用オイルよりも早く温度が高くなる。
したがって、図5(b)に示すように、バイパス水流路12を流れる冷却水の熱がオイル流路11を流れる車両用オイルに伝達され(矢印αで示す)、バイパス水流路12を流動する冷却水で車両用オイルを加熱することができる。すなわち、ラジエータRを迂回してバイパス路3を流れる冷却水により、車両オイルを加熱することができる。
また、このとき、分岐給水路8に設けられた逆止弁9は、この分岐給水路8が滞留するため開かない。これにより、バイパス水流路12を流れる冷却水の熱が分岐水流路13に滞留した冷却水に伝達しても(矢印α´で示す)、この熱が逆止弁9より上流側に伝わることはない。すなわち、断熱性を有する逆止弁9の弁体9aにより遮熱され、伝熱範囲を限定できる。この結果、バイパス水流路12の冷却水から分岐水流路13の冷却水への放熱を抑制し、車両用オイルの加熱を効率的に行うことができる。
さらに、このオイル熱交換器5では、車両用オイルと分岐給水路8の冷却水とが直接熱交換することがない。そのため、車両用オイルの熱が滞留する分岐給水路8の冷却水に放熱することがなく、車両用オイルの加熱をより促進することができる。
そして、実施例1の車両用油温調整システムにおいては、分岐給水路8は、逆止弁9をバイパス路3の冷却水との熱交換可能領域の直近の上流側、つまり、オイル熱交換器5の直近の上流側に配置する構成とした。
上記構成を採用することで、バイパス水流路12を流れる冷却水からの伝熱範囲を最低限の範囲とすることができ、バイパス水流路12の冷却水から分岐水流路13の冷却水への放熱量を最低限に抑制することができる。
[高負荷運転時オイル冷却作用]
図6(a)はエンジン高負荷運転時の実施例1の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン高負荷運転時のオイル熱交換手段における熱伝達を示す説明図である。
夏期の登坂走行時等のエンジン高負荷運転時においては、エンジンから排出される冷却水温度は非常に高温になり、自動変速機AT内の車両用オイル(作動油)の温度も上昇している。このとき、実施例1の車両用油温調整システムにおいて、サーモスタット弁4は、バイパス路3を閉鎖すると共に、上流給水路6と下流給水路7とを接続する。
そのため、図6(a)に示すように、エンジンEから排出された冷却水は、排水路1からラジエータRを通って冷却され、上流給水路6から下流給水路7へ流れてエンジンEへと循環する。つまり、バイパス路3に冷却水は流れない。また、上流給水路6内の冷却水は流動するため、分岐給水路8内の冷却水も流動する。このため、分岐給水路8に設けられた逆止弁9は、流動する冷却水(図4において矢印で示す)によって、図4にて破線で示すように回動して開き、オイル熱交換器5の分岐水流路13に冷却水が流れる。一方、自動変速機ATから排出された車両用オイルはオイル排出路14aからオイル熱交換器5に流れ込み、オイルリターン路14bを介して循環する。
これにより、オイル熱交換器5では、オイル流路11を高温の車両用オイルが流動し、バイパス水流路12では冷却水が滞留し、分岐水流路13を分岐給水路8を流れる冷却水が流動する。
ここで、実施例1の車両用油温調整システムでは、オイル熱交換器5は、車両用オイルとバイパス路3の冷却水との間で熱交換可能にし、バイパス路3の冷却水と分岐給水路8の冷却水との間で熱交換可能にする構成とした。また、分岐給水路8の冷却水は、ラジエータRを通過することで90℃程度に冷却されるため、分岐水流路13を流れる冷却水は、100℃を超えるオイル流路11を流れる車両用オイルよりも低温となる。さらに、バイパス水流路12に滞留する冷却水は、排水路1を流れる冷却水よりも低温であるため、オイル流路11を流れる車両用オイルよりも低温になる。
したがって、図6(b)に示すように、オイル流路11を流れる車両用オイルの熱がバイパス水流路12に滞留する冷却水に伝達され(矢印βで示す)、これにより加熱されたバイパス水流路12内の冷却水の熱が分岐水流路13を流れる冷却水に伝達される(矢印β´で示す)。つまり、オイル流路11の車両用オイルからバイパス水流路12の冷却水、さらに分岐水流路13の冷却水へと放熱される。このため、高温になった車両用オイルは、滞留したバイパス路3の冷却水によって冷却され、このオイル冷却で温度上昇したバイパス路3の冷却水は、流動する分岐給水路8の冷却水によって冷却される。すなわち、滞留したバイパス路3の冷却水を介して流動する分岐給水路8の冷却水で、車両用オイルを冷却することができる。
また、このオイル熱交換器5では、車両用オイルと分岐給水路8の冷却水とが直接熱交換することがないので、車両用オイルからの放熱を緩やかにすることができ、オイル過冷却を防止して、適度な温度に調整することができる。
特に、実施例1の車両用油温調整システムにおいては、分岐給水路8を流れる冷却水の流量は、上流給水路6のうち、分岐給水路8が分岐してから再び接続する間に位置する本流路6aを流れる冷却水の流量よりも少なくなる構成とした。
上記構成を採用することで、バイパス水流路12の冷却水と分岐水流路13の冷却水との間の熱交換を簡易な構成で抑制し、車両用オイルからの放熱を適度に調整して、車両用オイルの過冷却を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用油温調整システムにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジンEからラジエータRへ冷却水を流す排水路1と、ラジエータRからエンジンEへ冷却水を流すと共に途中にサーモスタット弁4が設けられた給水路2と、排水路1の途中から分岐してサーモスタット弁4に接続するバイパス路3と、バイパス路3の途中に設けられて冷却水と車両用オイルとの間で熱交換を行うオイル熱交換器(オイル熱交換手段)5と、を備え、給水路2は、サーモスタット弁4の上流側に位置する上流給水路6と、サーモスタット弁4の下流側に位置する下流給水路7とを有し、サーモスタット弁4は、エンジンEの冷間始動時にバイパス路3と下流給水路7とを接続し、エンジンEの高負荷運転時に上流給水路6と下流給水路7とを接続する車両用油温調整システムにおいて、上流給水路6は、途中にオイル熱交換器5を接続すると共に、エンジンEの冷間始動時において上流給水路6の冷却水への伝熱を抑制する熱伝達抑制機構を有し、エンジンEの冷間始動時に、オイル熱交換器5によりバイパス路3の冷却水の熱を車両用オイルに伝達すると共に、熱伝達抑制機構により上流給水路6の冷却水への伝熱を抑制し、エンジンEの高負荷運転時に、オイル熱交換器5により車両用オイルの熱を上流給水路6の冷却水に伝達する構成とした。このため、一つのオイル熱交換手段において、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両用オイルを十分に冷却することができる。
(2) 熱伝達抑制機構は、上流給水路6の途中から分岐し再びこの上流給水路6に接続すると共に途中にオイル熱交換器5を接続する分岐給水路8と、オイル熱交換器5の上流側に設けた逆止弁9とを有し、オイル熱交換器5は、車両用オイルとバイパス路3の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、バイパス路3の冷却水と分岐給水路8の冷却水との間で熱交換可能にした。このため、一つのオイル熱交換手段において、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両用オイルを十分に冷却することができる。また、エンジン冷間始動時における車両用オイルからの放熱を抑制して加熱効率を高めることができる。
(3) 分岐給水路8の流量は、上流給水路6のうち、この分岐給水路8が分岐してから再び接続する間に位置する本流路6aの流量よりも少ない構成とした。このため、バイパス水流路12の冷却水と分岐水流路13の冷却水との間の熱交換を抑制し、車両用オイルからの放熱を適度に抑制して、車両用オイルの過冷却を防止することができる。
(4) 分岐給水路8は、逆止弁9をバイパス路3の冷却水との熱交換可能領域の直近の上流側に配置する構成とした。このため、バイパス水流路12を流れる冷却水からの伝熱範囲を最低限の範囲とすることができ、バイパス水流路12の冷却水から分岐水流路13の冷却水への放熱量を最低限に抑制することができる。
実施例2は、実施例1においてオイル熱交換手段を簡易な構成にした例である。
まず、構成を説明する。
図7は実施例2の車両用油温調整システムにおけるオイル熱交換手段の外観を示す斜視図である。図8は実施例2の車両用油温調整システムにおける逆止弁を示す一部を破断した斜視図である。
実施例2の車両用油温調整システムのオイル熱交換器(オイル熱交換手段)5Aは、図7に示すように、外管20と、この外管20内に配置した中管21と、この中管21内にした内管22とを備えている。
外管20は、両端部のそれぞれに分岐給水路8Aに接続する分岐路接続口20a,20bが形成されている。中管21は、両端部のそれぞれにバイパス路3に接続すると共に外管20を貫通するバイパス路接続口21a,21bが形成されている。内管22は、両端部のそれぞれにオイル排出路14aとオイルリターン路14bとに接続すると共に外管20及び中管21を貫通するオイル接続口22a,22bが形成されている。
すなわち、この実施例2の車両用油温調整システムのオイル熱交換器5Aは、三重管から構成され、内管22の内側に車両用オイルを流し、内管22と中管21との間にバイパス路3の冷却水を流し、中管21と外管20との間に分岐給水路8Aの冷却水を流す。
また、実施例2の車両用油温調整システムの逆止弁9Aは、図8に示すように、ほぼ鉛直方向に延びる分岐給水路8A内を閉塞する閉塞壁23と、この閉塞壁23のほぼ中央に形成された通水孔24と、閉塞壁23の下方に配置された弁球25とを有している。ここで、分岐給水路8Aには、上方から下方に向かって冷却水が流れるようになっている(図8において矢印Yで示す)。そして、弁球25は、分岐給水路8A内を上下方向に移動可能であって、通水孔24を閉鎖する大きさを有している。また、弁球25は、密度が1.0g/cm未満であって、熱伝導率の低い樹脂材料等から形成されている。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2の車両用油温調整システムにおいては、オイル熱交換器5Aは三重管から構成し、内管22の内側に車両用オイルを流し、内管22と中管21との間にバイパス路3の冷却水を流し、中管21と外管20との間に分岐給水路8の冷却水を流す構成とした。
上記構成を採用することで、内管22を流れる車両用オイルの周囲をバイパス路3の冷却水で覆うことができて、簡易な構成で車両用オイルとバイパス路3の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、伝熱ロスの低下を図ることができる。また、内管22と中管21との間を流れるバイパス路3の冷却水の周囲を分岐給水路8Aの冷却水で覆うことができて、簡易な構成でバイパス路3の冷却水と分岐給水路8Aの冷却水との間で熱交換可能にすると共に、伝熱ロスの低下を図ることができる。
また、実施例2の車両用油温調整システムにおいては、給水路2に冷却水が流れると、この冷却水はほぼ鉛直方向に延びる分岐給水路8Aを流下し、分岐給水路8A内で浮遊することで閉塞壁23の通水孔24を閉鎖する弁球25を押し下げる。これにより、逆止弁9Aが開き、冷却水がオイル熱交換器5Aへと流れる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用油温調整システムにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) オイル熱交換器5Aは三重管から構成し、内管22の内側に車両用オイルを流し、内管22と中管21との間にバイパス路3の冷却水を流し、中管21と外管20との間に分岐給水路8の冷却水を流す構成とした。このため、オイル熱交換器5Aを簡易な構成にすることができると共に、伝熱ロスの低下を図ることができる。
まず、構成を説明する。
図9は、実施例3の車両用油温調整システムの構成を示す構成図である。図10は実施例3の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の構成を示す模式図である。図11は実施例3の車両用油温調整システムのオイル熱交換手段の外観を示す斜視図である。図12(a)は実施例3の車両用油温調整システムの断熱壁を示す斜視図であり、(b)は断熱壁に設けられた開閉手段が閉鎖した状態を示す断面図であり、(c)は断熱壁に設けられた開閉手段が開放した状態を示す断面図である。
実施例3の車両用油温調整システムは、図9に示すように、排水路41と、給水路42と、バイパス路43と、サーモスタット弁44と、オイル熱交換器(オイル熱交換手段)45とを備えている。なお、実施例3の車両用油温調整システムは、自動変速機ATの作動油温を調整する油温調整システムとして適用したものである。
排水路41は、エンジンEから排出されラジエータRへ流れ込む冷却水が流れる流路である。給水路42は、ラジエータRから排出されエンジンEへ流れ込む冷却水が流れる流路であり、途中にサーモスタット弁44が設けられている。このサーモスタット弁44の上流側を上流給水路46とし、サーモスタット弁44の下流側を下流給水路47とする。上流給水路46は、途中にオイル熱交換器45が接続されている。
バイパス路43は、排水路41の途中から分岐してサーモスタット弁44に接続し、排水路41からラジエータRを迂回して給水路42へ流れ込む冷却水が流れる流路である。このバイパス路43は、途中にオイル熱交換器45が接続されている。
サーモスタット弁44は、冷却水の温度を感知して自動的に作動する自動弁であり、エンジンEの冷間始動時に、上流給水路46を閉鎖すると共にバイパス路43と下流給水路47とを接続し、エンジンEの高負荷運転時に、バイパス路43を閉鎖すると共に上流給水路46と下流給水路47とを接続する。
なお、エンジンEの冷間始動時とは、エンジンEが外気温と同じあるいはそれ以下の温度でのエンジン始動時であり、エンジンEから排出される冷却水は低温となる。また、エンジンEの高負荷運転時とは、エンジンEの最高負荷状態を含むエンジン運転時であり、エンジンEから排出される冷却水は高温となる。
オイル熱交換器45は、車両用オイルと冷却水との間で熱交換を行う熱交換器である。このオイル熱交換器45は、図10に示すように、車両用オイルが流れるオイル流路51と、バイパス路43の冷却水が流れるバイパス水流路52と、上流給水路46の冷却水が流れる上流給水流路53とを有している。
ここで、車両用オイルは、エンジンEに接続した自動変速機ATの作動油である。この自動変速機ATから排出された車両用オイル(作動油)は、オイル排出路54aを介してオイル流路51に流れ込み、このオイル流路51を通過した後、オイルリターン路54bを介して自動変速機ATへと循環する。
そして、オイル流路51とバイパス水流路52とは隣接されると共に、その間に多数の第一伝熱フィンF1が設けられている。この第一伝熱フィンF1はオイル流路51とバイパス水流路52とを区画する壁面を貫通し、これにより、オイル流路51を流れる車両用オイルとバイパス水流路52を流れるバイパス路43の冷却水との間で熱交換可能になっている。
また、オイル流路51と上流給水流路53とは隣接されると共に、その間に多数の第二伝熱フィンF2が設けられている。ここで、オイル流路51には上流給水流路53内に区画された後述する滞留部58が面しており、第二伝熱フィンF2はオイル流路51と滞留部58との間に設けられることとなる。そして、この第二伝熱フィンF2はオイル流路51と滞留部58とを区画する壁面を貫通し、これにより、オイル流路51を流れる車両用オイルと滞留部58に流れ込んだ上流給水路46の冷却水との間で熱交換可能になっている。
なお、このオイル熱交換器45は、図11に示すように、金属製の角管の側面を密着、すなわち角管を積層させて構成されている。このとき、オイル流路51はバイパス水流路52と上流給水流路53の滞留部58との間に挟まれる。
上流給水流路53は、流路部(上流給水流路部)55と、滞留部58とを有し、この流路部55と滞留部58とは断熱壁56により区画されている。
流路部55は、上流給水路46の冷却水が流れ込む流入口55aと、この冷却水が流れ出る排出口55bとが設けられ、上流給水路46の冷却水が流れる部分である。
断熱壁56は、ポリプロピレンやポリアミド(ナイロン)により形成され、断熱性を有している。この断熱壁56により上流給水流路53内は分割され、流路部55から滞留部58が区画されている。また、この断熱壁56には開閉手段57により開閉される一対の開口部56aが設けられている。そして、この開口部56aが開放することにより流路部55と滞留部58とは連通する。
開閉手段57は、各開口部56aを滞留部58内の冷却水温度に応じてそれぞれ開閉するものであり、図12に示すように、開口部56aを開放可能に閉鎖するバルブ(弁体)57aと、このバルブ57aを駆動する弁駆動部57bと、を有している。
ここで、弁駆動部57bは、滞留部58側に突出すると共に開口部56aに嵌着された弁ケース57cに内蔵されており、開口部56aを貫通した状態で固定されたニードル59aと、このニードル59aの流路部側端部59aaを保持する保持部59bと、バルブ57aが固定されると共にニードル59aの滞留部側端部59abが摺動可能に挿入されたシリンダー59cと、弁ケース57cとシリンダー59cとの間に介装されたバネ59dとを有している。
そして、シリンダー59c内には滞留部58内の冷却水温度に応じて膨縮するワックスWが充填されており、この弁駆動部57bはワックスWの体積変化に応じてバルブ57aを駆動する。すなわち、この弁駆動部57bでは、滞留部58内の冷却水温度が低いときには、図12(b)に示すようにワックスWは収縮し、バルブ57aはバネ59dの付勢力により保持部59bの弁座59baに当接されて開口部56aを閉塞する。また、滞留部58内の冷却水温度が高いときには、図12(c)に示すように、ワックスWは膨張してバネ59dの付勢力に抗してシリンダー59cを摺動させ、バルブ57aを移動して開口部56aを開放する。
滞留部58は、オイル流路51に面した位置に流路部55から区画され、断熱壁56の開口部56aが閉まると冷却水が充満した状態で滞留し、開口部56aが開くと冷却水が開口部56aを介して流出入する部分である。
なお、断熱壁56、開閉手段57、滞留部58は、エンジンEの冷間始動時において、上流給水路46の冷却水への伝熱を抑制する熱伝達抑制機構となる。
次に、作用を説明する。
実施例3の車両用油温調整システムにおける作用を、「冷間始動時オイル加熱作用」、「高負荷運転時オイル冷却作用」に分けて説明する。
[冷間始動時オイル加熱作用]
図13(a)はエンジン冷間始動時の実施例3の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン冷間始動時のオイル熱交換手段における熱伝達を示す説明図である。
エンジンから排出される冷却水温度が比較的低く、自動変速機AT内の車両用オイル(作動油)の温度も低下しているときには、実施例3の車両用油温調整システムにおいて、サーモスタット弁44は、上流給水路46を閉鎖すると共に、バイパス路43と下流給水路47と接続する。
そのため、図13(a)に示すように、エンジンEから排出された冷却水は、排水路41からバイパス路43を通り、オイル熱交換器45のバイパス水流路52を通過して下流給水路47へ流れてエンジンEへと循環する。また、上流給水路46内の冷却水は滞留するため、オイル熱交換器45の上流給水流路53内の冷却水も滞留する。一方、自動変速機ATから排出された車両用オイルはオイル排出路54aからオイル熱交換器45に流れ込み、オイルリターン路54bを介して循環する。
これにより、オイル熱交換器45では、オイル流路51を低温の車両用オイルが流動し、バイパス水流路52をバイパス路43を流れる冷却水が流動し、上流給水流路53では冷却水が滞留する。
ここで、実施例3の車両用油温調整システムでは、オイル熱交換器45は、車両用オイルとバイパス路43の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、車両用オイルと滞留部58の冷却水との間で熱交換可能にする構成とした。また、バイパス路43の冷却水の温度上昇率は車両用オイルの温度上昇率よりも高いため、バイパス水流路52を流れる冷却水は、オイル流路51を流れる車両用オイルよりも早く温度が高くなる。
したがって、図13(b)に示すように、バイパス水流路52を流れる冷却水の熱がオイル流路51を流れる車両用オイルに伝達され(矢印γで示す)、バイパス水流路52を流動する冷却水で車両用オイルを加熱することができる。すなわち、ラジエータRを迂回してバイパス路43を流れる冷却水により、車両用オイルを加熱することができる。
一方、バイパス水流路52を流れる冷却水によって加熱されたオイル流路51を流れる車両用オイルの熱は、第二伝熱フィンF2を介して上流給水流路53の滞留部58内に滞留している冷却水に伝達される(矢印γ´で示す)。このとき、バイパス水流路52を流れる冷却水で加熱されているとはいえ車両用オイルの温度は比較的低く、この車両用オイルから伝達される熱量も少ない。そのため、滞留部58内の冷却水温度が上昇するには時間がかかり、その間開閉手段57の弁駆動部57bは駆動せず、開口部56aは閉まったままとなる。これにより、第二伝熱フィンF2を介して滞留部58内の冷却水に伝達された熱は断熱壁56により遮断され、流路部55へと伝達されることがない。この結果、オイル流路51を流れる車両用オイルから上流給水流路53の流路部55への放熱を抑制し、車両用オイルの加熱を効率的に行うことができる。
[高負荷運転時オイル冷却作用]
図14(a)はエンジン高負荷運転時の実施例3の車両用油温調整システムにおける冷却水の流れを示す説明図であり、(b)はエンジン高負荷運転時のオイル熱交換手段における伝都伝達を示す説明図である。
夏期の登坂走行時等のエンジン高負荷運転時においては、エンジンから排出される冷却水温度は非常に高温になり、自動変速機AT内の車両用オイル(作動油)の温度も上昇している。このとき、実施例3の車両用油温調整システムにおいて、サーモスタット弁44は、バイパス路43を閉鎖すると共に、上流給水路46と下流給水路47とを接続する。
そのため、図14(a)に示すように、エンジンEから排出された冷却水は、排水路41からラジエータRを通って冷却され、上流給水路46からオイル熱交換器45を介して下流給水路47へ流れてエンジンEへと循環する。つまり、バイパス路43に冷却水は流れない。一方、自動変速機ATから排出された車両用オイルはオイル排出路54aからオイル熱交換器45に流れ込み、オイルリターン路54bを介して循環する。
これにより、オイル熱交換器45では、オイル流路51を高温の車両用オイルが流動し、バイパス水流路52では冷却水が滞留し、上流給水流路53の流路部55では上流給水路46を流れる冷却水が流動する。
ここで、実施例3の車両用油温調整システムでは、オイル熱交換器45は、車両用オイルとバイパス路43の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、車両用オイルと滞留部58の冷却水との間で熱交換可能にする構成とした。また、エンジンEの高負荷運転時では開閉手段57により断熱壁56の開口部56aを開放する構成とした。
すなわち、図14(b)に示すように、100℃を超えるオイル流路51を流れる車両用オイルの熱は滞留部58の冷却水へと伝達され(矢印δで示す)、この滞留部58内の冷却水温度は上昇する。そのため、開閉手段57の弁駆動部57b内のワックスWが膨張し、このワックスWの体積変化によりバルブ57aが駆動して開口部56aを開放し、滞留部58と流路部55とが連通する。このとき、流路部55を流れる冷却水はラジエータRを通過することで90℃程度に冷却されているので、滞留部58内の冷却水の熱は流路部55を流動する冷却水に伝達される(矢印δ´で示す)。つまり、オイル流路51の車両用オイルから滞留部58内の冷却水、さらに流路部55内の冷却水へと放熱される。
なお、滞留部58は断熱壁56により流路部55から区画されているので、この滞留部58内の冷却水は、開口部56aを介して流路部55と連通しているとはいえ、オイル流路51を流れる車両用オイルからの熱影響を強く受ける。そのため、開閉手段57により開口部56aを開放可能な程度に温度上昇することができると共に、流路部55を流れる冷却水に滞留部58内の冷却水から放熱することができる。
この結果、高温になった車両用オイルは、滞留部58内の冷却水によって冷却され、このオイル冷却で滞留部58内の冷却水が温度上昇することで開口部56aが開放されて、滞留部58内の冷却水から流路部55を流れる冷却水へと放熱される。すなわち、滞留部58内の冷却水を介して流動する流路部55内の冷却水で、車両用オイルを冷却することができる。
また、この実施例3のオイル熱交換器45では、車両用オイルと流路部55内の冷却水とが直接熱交換することがないので、車両用オイルからの放熱を緩やかにすることができ、オイル過冷却を防止して、適度な温度に調整することができる。
そして、実施例3の車両用油温調整システムにおいては、開閉手段57が、開口部56aを開放可能に閉塞するバルブ57aと、温度に応じて膨縮するワックスWの体積変化を用いてバルブ57aを駆動する弁駆動部57bと、を有している。
そのため、簡単な構造でオイル流路51を流れる車両用オイルの加熱、放熱を調整することができ、油温調整を容易に行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用油温調整システムにあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 熱伝達抑制機構は、上流給水路46の冷却水が流れる流路部(上流給水流路部)55から区画された滞留部58と、この滞留部58を区画する断熱壁56と、この断熱壁56に設けられた開口部56aを滞留部58内の冷却水温度に応じて開閉する開閉手段57と、を有し、オイル熱交換器(オイル熱交換手段)45は、車両用オイルとバイパス路43の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、車両用オイルと滞留部58の冷却水との間で熱交換可能にし、且つ、エンジンEの高負荷運転時では、開閉手段57により開口部56aを開放する構成とした。このため、一つのオイル熱交換手段において、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両用オイルを十分に冷却することができる。また、エンジン冷間始動時における車両用オイルからの放熱を抑制して加熱効率を高めることができる。
(7) 開閉手段57は、開口部56aを開放可能に閉塞するバルブ57aと、温度に応じて膨縮するワックスWの体積変化を用いてバルブ57aを駆動する弁駆動部57bと、を有する構成とした。このため、簡単な構造でオイル流路51を流れる車両用オイルの加熱、放熱を調整することができ、油温調整を容易に行うことができる。
以上、本発明の車両用油温調整システムを実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では角管を積層してオイル熱交換器5を構成し、実施例2ではオイル熱交換器5Aを三重管にて構成する例を示したが、図15に示すオイル熱交換器(オイル熱交換手段)5Bのような例であってもよい。ここで、図15(a)はオイル熱交換手段の他の例を示す斜視図であり、図15(b)は図15(a)のオイル熱交換手段の分解斜視図であり、図15(c)は図15(a)における縦断面図である。
このオイル熱交換器5Bは、互いに対向接続される第一、第二分岐流路形成体30A,30Bと、互いに対向接続される第一、第二バイパス流路形成体31A,31Bと、互いに対向接続される第一、第二オイル流路形成体32A,32Bと、第一,第二オイル流路形成体32A,32B間に狭持される仕切板33とを有している。
第一、第二分岐流路形成体30A,30Bは、それぞれ対向する面が開放した中空直方体形状を呈しており、互いに反対方向を向いた面の上部には、それぞれ分岐給水路8に接続する分岐路接続口30a,30bが形成されている。また、下部には第一、第二バイパス流路形成体31A,31Bが載置される支持部30c,30dが開放端から水平方向に延在されている。
第一、第二バイパス流路形成体31A,31Bは、それぞれ対向する面が開放した中空直方体形状を呈しており、互いに反対方向を向いた面の上部には、それぞれバイパス路3に接続するバイパス路接続口31a,31bが形成されている。また、下部には第一、第二オイル流路形成体32A,32Bが載置される支持部31c,31dが開放端から水平方向に延在されている。
第一、第二オイル流路形成体32A,32Bは、それぞれ対向する面が開放した中空直方体形状を呈しており、互いに反対方向を向いた面の上部には、それぞれオイル排出路14a又はオイルリターン路14bに接続するオイル接続口32a,32bが形成されている。
仕切板33は、第一、第二オイル流路形成体32A,32Bの開放端を閉塞する大きさを有しており、下部に通水孔33aが貫通形成されている。
そして、第一、第二オイル流路形成体32A,32Bは、仕切板33を互いの開放端で狭持することでオイル流路を形成する(図15(b)参照)。このオイル流路32は仕切板33の通水孔33aにより連通し、第一オイル流路形成体32Aの上部に形成された一方のオイル接続口32aから流入した車両用オイルは、仕切板33に沿って下方に流れ、仕切板33の下部に形成された通水孔33aを通り、再び仕切板33に沿って上方に流れ、第二オイル流路形成体32Bの上部に形成された他方のオイル接続口32aから排出される(図15(c)参照)。
また、第一、第二バイパス流路形成体31A,31Bは、第一、第二オイル流路形成体32A,32Bを互いの開放端で狭持することでバイパス水流路を形成する(図15(b)参照)。このとき、第一、第二オイル流路形成体32A,32Bは、支持部31c,31d上に載置され、第一、第二バイパス流路形成体31A,31Bの下部は互いに連通する。そのため、第一バイパス流路形成体31Aの上部に形成された一方のバイパス路接続口31aから流入した冷却水は、第一オイル流路形成体32Aに沿って下方に流れ、下部を通って第二オイル流路形成体32Bに沿って上方に流れ、第二バイパス流路形成体31Bの上部に形成された他方のバイパス路接続口31bから排出される(図15(c)参照)。
さらに、第一、第二分岐流路形成体30A,30Bは、第一、第二バイパス流路形成体31A,31Bを互いの開放端で狭持することで分岐水流路を形成する(図15(b)参照)。このとき、第一、第二バイパス流路形成体31A,31Bは、支持部30c,30d上に載置され、第一、第二分岐流路形成体30A,30Bの下部は互いに連通する。そのため、第一分岐流路形成体30Aの上部に形成された一方の分岐路接続口30aから流入した冷却水は、第一バイパス流路形成体31A沿って下方に流れ、下部を通って第二バイパス流路形成体31Bに沿って上方に流れ、第二分岐流路形成体30Bの上部に形成された他方の分岐路接続口30bから排出される(図15(c)参照)。
このように、各流路を流れる流体の経路を長く確保することができるので、熱交換効率の向上を図ることができる。
また、実施例3では開口部56aごとに開閉手段57を設ける構成としたが、図16(a)に示す開閉手段60Aであってもよい。
この開閉手段60Aは、断熱壁61に対して摺動移動する仕切板(弁体)62と、この仕切板62を摺動させるサーモエレメント(弁駆動部)63とを有している。ここで、断熱壁61にはスリット状の多数の開口部61aが形成され、仕切板62には開口部61aと同形状のスリット状の多数の開口部62aが形成されている。そして、仕切板62にサーモエレメント63の本体部63aが固定されると共に、断熱壁61にサーモエレメント63のピストン部63bが固定される。なお、仕切板62は、断熱壁61に設けられた複数の保持爪61bによって摺動可能に保持されると共に、サーモエレメント63と共に滞留部(ここでは図示せず)側に配置されている。
この開閉手段60Aでは、滞留部内の冷却水温度が低くサーモエレメント63の本体部63aに充填されたワックス(図示せず)が膨張していない状態では、図16(b)に示すように、断熱壁61の開口部61aと仕切板62の開口部62aとが対向せず、開口部61aは閉塞される。そして、滞留部内の冷却水温度が上昇すると、図16(c)に示すように、サーモエレメント63のワックスが膨張してピストン部63bが突出し、仕切板62を摺動させる。これにより、断熱壁61の開口部61aと仕切板62の開口部62aとが対向し、開口部61aが開放される。
この場合、一つのサーモエレメント63によって多数の開口部61aを開閉することができ、効率的である。
また、図17(a)に示す開閉手段60Bであってもよい。
この開閉手段60Bは、断熱壁64に対して回転する円板状の回転弁(弁体)65と、この回転弁65を回転させるバイメタル板(弁駆動部)66とを有している。ここで、断熱壁64には円周に沿って並んだスリット状の多数の開口部64aが形成され、回転弁65には開口部64aと同形状の円周に沿って並んだスリット状の多数の開口部65aが形成されている。そして、断熱壁64に突出形成された回転軸64bが回転弁65の中心を貫通すると共に、バイメタル板66が回転弁65に設けられた保持部65bと回転軸64bとに固定される。なお、回転弁65及びバイメタル板66は、滞留部(ここでは図示せず)側に配置されている。
この開閉手段60Bでは、滞留部内の冷却水温度が低くバイメタル板66が屈曲していない状態では、図17(b)に示すように、断熱壁64の開口部64aと回転弁65の開口部65aとが対向せず、開口部64aは閉塞される。そして、滞留部内の冷却水温度が上昇すると、図17(c)に示すように、バイメタル板66が屈曲し、回転弁65を回転させる。これにより、断熱壁64の開口部64aと回転弁65の開口部65aとが対向し、開口部64aが開放される。
この場合、開閉手段60Bは、開口部64aを開放可能に閉塞する回転弁65と、温度に応じて屈伸するバイメタルの形状変化を用いて回転弁65駆動するバイメタル板66と、を有する構成になっている。このため、簡単な構造で車両用オイルの加熱、放熱を調整することができ、油温調整を容易に行うことができる。
さらに、図18(a)に示す開閉手段60Cであってもよい。
この開閉手段60Cは、断熱壁67に形成された複数の開口部67aのそれぞれに嵌合すると共に、各開口部67aに対して回転する複数の蓋体(弁体)68と、各蓋体68を回転させるサーモエレメント(弁駆動部)69とを有している。ここで、各蓋体68はそれぞれ軸部68a(図18(c)参照)を中心に回転可能になっており、回転した際に開口部67aからずれて開放するようになっている。また、サーモエレメント69のピストン部69aは、リンク部69bを介して各蓋体68に連結されている。なお、サーモエレメント69は、滞留部(ここでは図示せず)側に配置されている。
この開閉手段60Cでは、滞留部内の冷却水温度が低くサーモエレメント69のワックス(図示せず)が膨張していない状態では、図18(b)に示すように、断熱壁67の開口部67aに蓋体68は嵌合しており、開口部67aは閉塞される。そして、滞留部内の冷却水温度が上昇すると、図18(c)に示すように、サーモエレメント69のワックスが膨張してピストン部69aが突出し、リンク部69bを介して蓋体68を引っ張る。これにより、蓋体68は軸部68aを中心に回転して開口部67aに対してずれ、開口部67aが開放される。
この場合であっても、一つのサーモエレメント69によって複数の開口部67aを開閉することができ、効率的である。
さらに、実施例3では、オイル熱交換器45において、車両用オイルとバイパス路43の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、車両用オイルと滞留部58の冷却水との間で熱交換可能にしているが、車両用オイルとバイパス路43の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、バイパス路43の冷却水と滞留部58の冷却水との間で熱交換可能にしてもよい。すなわち、図19に示すオイル熱交換器45Aであってもよい。
このオイル熱交換器45Aは、バイパス路からの冷却水が流入する流入口70aとこの冷却水が流出する流出口70bとを有する筐体70と、この筐体70の上部を貫通すると共に車両用オイルが流れるオイル管71と、筐体70の底面部70cに取付けられる上流給水用筐体73と、を有している。なお、筐体70の開放した上端部70dは蓋体74により覆われている。
そして、上流給水用筐体73は、上流給水路の冷却水が流入する流入口73aとこの冷却水が流出する流出口73bとを有しており、上流給水流路部となっている。また、この上流給水用筐体73の筐体側端部73cは開放し、断熱壁75を介して筐体70の底面部70cに取付けられる。
ここで、筐体70の底面部70cは凹んでおり、いわゆる上げ底構造になっている。そのため、断熱壁75と筐体70の底面部70cとの間には空間Sが生じ、この空間Sが滞留部となる。なお図中76は断熱壁75に設けられた開閉手段である。
このオイル熱交換器45Aでは、筐体70内にバイパス路の冷却水が充満するので、この筐体70を貫通するオイル管71を流れる車両用オイルと、筐体70内に充満したバイパス路の冷却水との間で熱交換可能になっている。また、筐体70の底面部70cが上げ底構造になっており、断熱壁75により区画された空間Sが滞留部になっているので、筐体70内に充満したバイパス路の冷却水と空間S内の冷却水との間で熱交換可能になっている。
この場合であっても、一つのオイル熱交換手段において、エンジン冷間始動時には車両用オイルを加熱し、エンジン高負荷運転時には車両用オイルを十分に冷却することができる。
実施例1〜実施例3では、車両用油温調整システムを自動変速機ATの作動油温調整システムに適用する例を示したが、パワーステアリング用のオイル温度を調整するものや、建設機械の作業用アクチュエータの作動オイル温度を調整するものに対しても適用することができる。要するに、エンジン冷却水を利用して、車両に搭載された油圧作動式装置の作動油温を調整する車両用油温調整システムであれば適用できる。
1 排水路
2 給水路
3 バイパス路
4 サーモスタット弁
5 オイル熱交換器(オイル熱交換手段)
6 上流給水路
7 下流給水路
8 分岐給水路
9 逆止弁
E エンジン
R ラジエータ

Claims (8)

  1. エンジンからラジエータへ冷却水を流す排水路と、ラジエータからエンジンへ冷却水を流すと共に途中にサーモスタット弁が設けられた給水路と、前記排水路の途中から分岐して前記サーモスタット弁に接続するバイパス路と、前記バイパス路の途中に設けられて冷却水と車両用オイルとの間で熱交換を行うオイル熱交換手段と、を備え、
    前記給水路は、前記サーモスタット弁の上流側に位置する上流給水路と、前記サーモスタット弁の下流側に位置する下流給水路とを有し、
    前記サーモスタット弁は、前記エンジンの冷間始動時に前記バイパス路と前記下流給水路とを接続し、前記エンジンの高負荷運転時に前記上流給水路と前記下流給水路とを接続する車両用油温調整システムにおいて、
    前記上流給水路は、途中に前記オイル熱交換手段を接続すると共に、前記エンジンの冷間始動時において前記上流給水路の冷却水への伝熱を抑制する熱伝達抑制機構を有し、
    前記エンジンの冷間始動時に、前記オイル熱交換手段により前記バイパス路の冷却水の熱を前記車両用オイルに伝達すると共に、前記熱伝達抑制機構により前記上流給水路の冷却水への伝熱を抑制し、
    前記エンジンの高負荷運転時に、前記オイル熱交換手段により前記車両用オイルの熱を前記上流給水路の冷却水に伝達することを特徴とする車両用油温調整システム。
  2. 請求項1に記載された車両用油温調整システムにおいて、
    前記熱伝達抑制機構は、前記上流給水路の途中から分岐し再びこの上流給水路に接続すると共に途中に前記オイル熱交換手段を接続する分岐給水路と、前記オイル熱交換手段の上流側に設けた逆止弁とを有し、
    前記オイル熱交換手段は、前記車両用オイルと前記バイパス路の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、前記バイパス路の冷却水と前記分岐給水路の冷却水との間で熱交換可能にしたことを特徴とする車両用油温調整システム。
  3. 請求項2に記載された車両用油温調整システムにおいて、
    前記分岐給水路の流量は、前記上流給水路のうち、この分岐給水路が分岐してから再び接続する間に位置する本流路の流量よりも少ないことを特徴とする車両用油温調整システム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載された車両用油温調整システムにおいて、
    前記オイル熱交換手段は三重管から構成し、内管の内側に前記車両用オイルを流し、内管と中管との間に前記バイパス路の冷却水を流し、中管と外管との間に前記分岐給水路の冷却水を流すことを特徴とする車両用油温調整システム。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載された車両用油温調整システムにおいて、
    前記分岐給水路は、前記逆止弁を前記バイパス路の冷却水との熱交換可能領域の直近の上流側に配置したことを特徴とする車両用油温調整システム。
  6. 請求項1に記載された車両用油温調整システムにおいて、
    前記熱伝達抑制機構は、前記上流給水路の冷却水が流れる上流給水流路部から区画された滞留部と、該滞留部を区画する断熱壁と、該断熱壁に設けられた開口部を前記滞留部内の冷却水温度に応じて開閉する開閉手段と、を有し、
    前記オイル熱交換手段は、前記車両用オイルと前記バイパス路の冷却水との間で熱交換可能にすると共に、前記車両用オイル又は前記バイパス路の冷却水のいずれか一方と前記滞留部の冷却水との間で熱交換可能にし、且つ、前記エンジンの高負荷運転時では、前記開閉手段により前記開口部を開放することを特徴とする車両用油温調整システム。
  7. 請求項6に記載された車両用油温調整システムにおいて、
    前記開閉手段は、前記開口部を開放可能に閉塞する弁体と、温度に応じて膨縮するワックスの体積変化を用いて前記弁体を駆動する弁駆動部と、を有することを特徴とする車両用油温調整システム。
  8. 請求項6に記載された車両用油温調整システムにおいて、
    前記開閉手段は、前記開口部を開放可能に閉塞する弁体と、温度に応じて屈伸するバイメタルの形状変化を用いて前記弁体を駆動する弁駆動部と、を有することを特徴とする車両用油温調整システム。
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