JP2009041509A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Hideo Hosoya
英生 細谷
Yusuke Koike
祐輔 小池
Tetsuya Tateishi
哲也 立石
Katsuaki Yasutomi
克晶 安富
Kazuo Ichikawa
和男 市川
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Abstract

【課題】エンジンのシリンダーヘッドに対し、その負荷状況に応じた適正な冷却を行う。
【解決手段】シリンダーヘッド3の内部には、各燃焼室の上方でかつ2つの排気ポート25,25の間に位置する部分を含んで気筒列方向に延びるメインジャケット部13と、このメインジャケット部13から離間した位置に区画形成されたサブジャケット部15とが設けられており、これら両ジャケット部13,15は、上記メインジャケット部13の内壁のうち上記2つの排気ポート25,25の間に位置しかつ燃焼室に近接する部分である熱影響部13aを指向するように延びる指向性通路17を介して互いに連通されている。サブ冷却回路29には、エンジンの高負荷域で、上記サブジャケット部15内の冷却液を加圧することにより、当該冷却液を上記指向性通路17から上記メインジャケット部13の熱影響部13aに向けて流入させる電動ポンプ47が設けられている。
【選択図】図8

Description

本発明は、1気筒あたり2つの排気ポートを有し、複数の気筒が列状に配置されたエンジンのシリンダーヘッドに冷却回路を介して冷却液を供給するエンジンの冷却装置に関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、エンジンを冷却するエンジンの冷却装置において、シリンダー回りに設けられた冷却ジャケットの下方部に、周囲に孔を有する筒状の液体分配管を設け、この液体分配管の内部を流通する冷却液を上記孔(液体出口孔)を通じて上方に流出させることにより、シリンダーヘッドのうち排気ポートの近傍にあたる部分に集中的に冷却液を導入することが行われている。
特開平7−217491号公報
上記特許文献1に開示されたエンジンの冷却装置によれば、シリンダーヘッドの中で最も高温になり易い部分(高温部)を集中的に冷却できるため、例えばエンジンの高負荷域でエンジン温度を適正に維持できる等の利点がある。しかしながら、上記特許文献1の技術では、エンジンの負荷状況にかかわらず上記のような集中冷却が行われるため、このような集中冷却が例えばエンジン負荷の低いときに行われた場合には、エンジンが必要以上に冷却されて冷却損失が増大し、燃費が悪化する等の問題が生じるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、シリンダーヘッドの高温部に対する集中冷却をエンジンの負荷状況に応じて選択的に実行することにより、エンジン負荷に応じた適正な冷却状態をつくり出すことが可能なエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、1気筒あたり2つの排気ポートを有し、複数の気筒が列状に配置されたエンジンのシリンダーヘッドに冷却回路を介して冷却液を供給するエンジンの冷却装置であって、上記シリンダーヘッドの内部には、各燃焼室の上方でかつ上記2つの排気ポートの間に位置する部分を含んで気筒列方向に延びるメインジャケット部と、このメインジャケット部から離間した排気ポート側の位置に区画形成されて気筒列方向に延びるサブジャケット部とが設けられ、上記メインジャケット部とサブジャケット部との間には、これら両ジャケット部どうしを各気筒ごとに連通するとともに、上記メインジャケット部の内壁のうち上記2つの排気ポートの間に位置しかつ燃焼室に近接する部分である熱影響部を指向するように延びる指向性通路が設けられ、上記冷却回路は、上記メインジャケット部に冷却液を供給するメイン冷却回路と、上記サブジャケット部に冷却液を供給するサブ冷却回路とを有し、このうちのサブ冷却回路には、少なくともスロットル全開時を含むエンジンの高負荷域で、上記サブジャケット部内の冷却液の圧力を高めることにより、当該冷却液を上記指向性通路から上記メインジャケット部の熱影響部に向けて流入させる加圧手段が設けられていることを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、エンジンのシリンダーヘッドに、各燃焼室の上方でかつ2つの排気ポートの間に位置する部分を含んで気筒列方向に延びるメインジャケット部と、このメインジャケット部から離間した位置に区画形成されたサブジャケット部とを設けるとともに、これら両ジャケット部どうしを指向性通路を介して連通し、さらにエンジンの高負荷域で上記サブジャケット部内の冷却液を上記指向性通路を介してメインジャケット部に流入させる加圧手段を設けたため、エンジンの高負荷域で特に高温になり易い上記シリンダーヘッドの各排気ポート間部位等からなる高温部を迅速かつ集中的に冷却してシリンダーヘッドの温度上昇を効果的に抑制することができ、このシリンダーヘッドの温度上昇に起因したノッキング(エンジンノック)の発生やトルクの低下等を効果的に防止することができる。一方、エンジンの部分負荷域では、上記加圧手段の出力を停止または低減させて上記のようなメインジャケット部への冷却液の流入を停止する等により、シリンダーヘッドが必要以上に冷却されるのを防止してエンジンの冷却損失を低減し、その燃費を効果的に改善できる等の利点がある。
しかも、上記構成では、指向性通路が、上記メインジャケット部の内壁のうち燃焼室に近接する部分である熱影響部を指向して延びるように設置されているため、上記サブジャケット部からメインジャケット部に指向性通路を介して流入する冷却液を、上記熱影響部に確実に到達させることができ、この熱影響部を介して上記シリンダーヘッドの高温部(排気ポート間部位)をより効果的に冷却することができる。
上記サブ冷却回路は、上記メイン冷却回路から供給される冷却液よりも低温の冷却液を上記サブジャケット部に供給するように構成されていることが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、エンジンが高負荷域に遷移したときに、サブジャケット部に供給される相対的に低温の冷却液を上記指向性通路からメインジャケット部に流入させることで、上記シリンダーヘッドの高温部をより効果的に冷却できるという利点がある。
また、この場合、上記冷却回路は、その内部を循環する冷却液を冷却するための手段として、上記メイン冷却回路およびサブ冷却回路に共通に設けられた第1の冷却手段と、上記サブ冷却回路に専用に設けられた第2の冷却手段とを有することが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、メイン冷却回路内を循環する冷却液の温度を第1の冷却手段により適正温度に維持しつつ、この第1の冷却手段と、サブ冷却回路に専用に設けられた第2の冷却手段とを用いた2重の冷却により、上記サブ冷却回路内を循環する冷却液の温度を、上記メイン冷却回路よりも低い温度に簡単かつ確実に維持できるという利点がある。
上記メイン冷却回路には、エンジンの部分負荷域での冷却液の温度を、高負荷域での冷却液の温度に比して高く維持する温度調節手段が設けられることが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、エンジンの負荷が高くない部分負荷域において、エンジンの冷却損失をできる限り小さくして燃費を効果的に改善できるとともに、エンジンの高負荷域では、冷却液の温度を低くしてエンジンを適正温度に維持することにより、ノッキングの発生やトルクの低下等を効果的に防止できるという利点がある。
本発明においては、上記指向性通路の内部に軸方向に摺動可能な筒状のノズル部材が設けられ、エンジンが高負荷域に遷移したときに、上記ノズル部材の先端部が上記指向性通路からメインジャケット部の熱影響部に向かって突出するように構成されることが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、エンジンが高負荷域に遷移したときに、上記サブジャケット部から流入してくる冷却液を、先端部が上記指向性通路から突出するノズル部材を通じて確実にメインジャケット部の熱影響部に到達させることができ、シリンダーヘッドの冷却効率をより効果的に向上させることができる。
本発明においては、上記指向通路の内壁に、その軸方向に沿って螺旋状に延びる溝または突起が設けられることも、また好ましい(請求項6)。
この構成によれば、エンジンが高負荷域に遷移したときに、サブジャケット部から指向性通路を介してメインジャケット部へと流入する冷却液が、旋回流となってメインジャケット部に流入するため、この流入する冷却液の推進力を効果的に増大させることができ、上記メインジャケット部の熱影響部に上記冷却液を確実に到達させてシリンダーヘッドの冷却効率を効果的に向上させることができる等の利点がある。
本発明においては、エンジンが高負荷域に遷移したときに上記指向性通路の出口側流路を絞る絞り弁が、上記指向性通路の内部に設けられることも、また好ましい(請求項7)。
この構成によれば、エンジンが高負荷域に遷移したときに、上記サブジャケット部内の冷却液を、絞り弁により出口側流路が狭められた指向性通路を介して上記メインジャケット部に流入させることにより、このメインジャケット部の熱影響部に向かって上記冷却液を高流速で流入させることができるため、上記シリンダーヘッドの高温部をより効率よく冷却できるという利点がある。
本発明においては、エンジンの高負荷域で上記加圧手段から上記サブジャケット部内の冷却液に付与される圧力が、間欠的に変化するように構成されることも、また好ましい(請求項8)。
この構成によれば、上記サブジャケット部から指向性通路を介してメインジャケット部に流入する冷却液の流速がパルス化されることにより、上記メインジャケット部内の流れの淀みが低減されるため、上記メインジャケット部に流入する冷却液の流速が減衰するのを効果的に抑制することができ、上記メインジャケット部の熱影響部に上記冷却液を確実に到達させてシリンダーヘッドの冷却効率を効果的に向上させることができる等の利点がある。
以上説明したように、本発明によれば、シリンダーヘッドの高温部に対する集中冷却をエンジンの負荷状況に応じて選択的に実行することにより、エンジン負荷に応じた適正な冷却状態をつくり出すことが可能なエンジンの冷却装置を提供することができる。
(実施形態1)
以下、本発明のエンジンの冷却装置にかかる第1実施形態について説明する。図1は、上記エンジンの冷却装置が適用されたエンジン本体1の外観を示す斜視図である。本図に示されるエンジン本体1は、内部に複数のシリンダーを有するシリンダーブロック2と、このシリンダーブロック2の上部に取り付けられるとともに、内部に吸・排気ポート等を有するシリンダーヘッド3と、このシリンダーヘッド3の上面を覆うシリンダーヘッドカバー4とを備えている。なお、当実施形態におけるエンジン本体1は、4つの気筒(シリンダー)が一列に配置されたいわゆる直列4気筒型エンジンとして構成されている。
図2は上記シリンダーヘッド3単体の上面図、図3はシリンダーヘッド3単体の側面図、図4は図2のIV−IV線に沿った断面図、図5は図3のV−V線に沿った断面図である。これらの図に示すように、シリンダーヘッド3には、吸気弁5および排気弁7が1気筒あたり2つずつ設けられており、これら吸・排気弁5,7が、その上方に設けられた軸受部9に支持される2本のカムシャフト(図示省略)でそれぞれ駆動されることにより、吸気ポート23および排気ポート25がそれぞれ開閉されるようになっている。なお、図4および図5において符号19は点火プラグの取付孔である。
上記シリンダーブロック2およびシリンダーヘッド3の内部には、冷却水等の冷却液が流通する冷却ジャケットがそれぞれ設けられており、このうち、シリンダーヘッド3の内部の冷却ジャケットは、図4および図5に示すように、メインジャケット部13およびサブジャケット部15を有している。
具体的に、上記メインジャケット部13は、シリンダーブロック2側の冷却ジャケットと連通して気筒列方向(点火プラグの取付孔19の並び方向)に延びるように設置され、その一部が、各燃焼室の頂部を構成するシリンダートップ部11の上方で、かつ1気筒あたり2つ設けられた上記各排気ポート25,25の間に位置するように設けられている。なお、図5に示される断面には、メインジャケット部13のうち、上記各排気ポート25,25の間に位置する部分が表れており、これら各部は、上記メインジャケット部13の主要部として気筒列方向に延びる図外のメインジャケット主要部に連通している。一方、上記サブジャケット部15は、上記メインジャケット部13から離間した位置に区画形成されており、上記シリンダートップ部11の排気ポート25側の側方部において気筒列方向に延びるように設置されている。
また、上記メインジャケット部13とサブジャケット部15との間には、これら両ジャケット部13,15どうしを連通するとともに、上記メインジャケット部13の内壁のうち上記2つの排気ポート25,25の間に位置しかつ上記シリンダートップ部11に近接する部分である熱影響部13aを指向するように延びる指向性通路17が設置されている。
すなわち、上記熱影響部13a(図4では黒塗りで示す)は、シリンダートップ部11の上壁部のうち上記2つの排気ポート25,25の間に位置するためにエンジンの高負荷域で特に高温になり易いいわゆるバルブブリッジ部に最も近接する部分であるため、このバルブブリッジ部からなる高温部H(図4では網掛けで示す)を集中的に冷却すべく、上記指向性通路17が設けられている。より具体的には、エンジンの負荷が高まったときに、上記サブジャケット部15内の冷却液が上記指向性通路17を介してメインジャケット部13に流れ込むことにより、図4の矢印に示すように、上記メインジャケット部13の熱影響部13aに集中的に冷却液が導入され、これによって上記高温部Hが効率よく冷却されるようになっている。なお、このようにして冷却液を熱影響部13aに向けて流入させるための具体的構成については、後に詳述する。
また、図4に示すように、上記指向性通路17の内部には、軸方向に摺動可能な筒状のノズル部材70が設けられている。
図6および図7は、上記ノズル部材70の具体的構成を示す断面図である。これらの図に示すように、上記ノズル部材70の内部には、このノズル部材70を軸方向に貫通する貫通路72が設けられており、図7の白抜き矢印に示すように、上記サブジャケット部15内の冷却液が、上記貫通路72を通って反対側のメインジャケット部13に流入するようになっている。また、ノズル部材70の軸方向中間部には、その周壁を貫通する開口部70bが設けられている。なお、以下では、メインジャケット部13が位置する図中右側をノズル部材70の前側、その反対側をノズル部材70の後側として説明を進めることにする。
上記指向性通路17は、比較的小さい内径をもって前後方向に延びる小径部59と、この小径部59よりも大きい内径をもって前後方向に延びる大径部58とを前側および後側に有した段付きの通路によって構成されている。図6に示すように、上記大径部58の壁面と上記ノズル部材70の外周面との間には所定の隙間が形成されており、この隙間部と上記ノズル部材70の貫通路72とが上記開口部70bを介して連通されている。そして、後述するように、サブジャケット部15の圧力が高くなると、その圧力に応じて上記ノズル部材70が前進する一方、その前進量が所定量に達して図7に示すように、上記開口部70bが上記小径部59の壁面によって塞がれると、上記ノズル部材70の前進が停止するようになっている。
また、上記指向性通路17の大径部58および小径部59の間には段部55が形成されており、この段部55と、上記ノズル部材70の底部70aとの間には、上記ノズル部材70を指向性通路17の入口側(つまりサブジャケット部15側)に向かって付勢する付勢手段74が設けられている。
上記構成において、後述するサブ冷却回路29の電動ポンプ47(図8)が停止しているためにサブジャケット部15内の冷却液の圧力が低い状態では、上記付勢手段74の付勢力によりノズル部材70が図6に示される後退位置に保持される一方、上記電動ポンプ47が作動してサブジャケット部15内の冷却液が加圧されると、このサブジャケット部15側の水圧と上記メインジャケット部13側の水圧との圧力差に応じ、上記ノズル部材70を前方側(つまりメインジャケット部13側)に押し出す押出力F3(図7)が発生し、この押出力F3が、上記付勢手段74による付勢力等に抗して上記ノズル部材70を前方に移動させる。そして、その前進量が所定量に達して図7に示すように、上記ノズル部材70の開口部70bが上記小径部59の壁面により塞がれると、上記ノズル部材70と大径部58との隙間に冷却液が閉じ込められてその圧力が高まることにより、上記ノズル部材70の前進が停止することになる。
図8は、上記シリンダーブロック2やシリンダーヘッド3に冷却液を供給する冷却回路27の全体構成を示すブロック図である。本図に示すように、冷却回路27は、シリンダーブロック2内の冷却ジャケット31を介してシリンダーヘッド3内のメインジャケット部13に冷却液を供給するメイン冷却回路28と、上記シリンダーヘッド3内のサブジャケット部15に冷却液を供給するサブ冷却回路29とを有している。なお、図8では、サブ冷却回路29に専用に用いられる部材を破線で示し、それ以外の部材(つまりメイン冷却回路28に専用に用いられる部材または両回路28,29に共通の部材)を実線で示している。
上記メイン冷却回路28は、熱交換器や冷却ファン等からなるラジエータ32(本発明にかかる第1の冷却手段に相当)から導出された冷却液をシリンダーブロック2内の冷却ジャケット31に導入するための入口側配管33と、冷却液を循環させる駆動源としてこの入口側配管33の下流側に設けられた電動式のウォーターポンプ等からなる電動ポンプ34と、上記冷却ジャケット31やメインジャケット部13等を通ってシリンダーヘッド3の外部に導出された冷却液を上記ラジエータ32に戻すための出口側配管36と、上記シリンダーヘッド3の外部に導出された冷却液をラジエータ32を介することなく直接電動ポンプ34に戻すためのバイパス配管37とを有している。なお、図8において符号41は、冷却液を貯留するためのリザーバであり、符号42は冷却液の圧力を調節するための圧力調節弁である。
上記バイパス配管37は、排気ガスの再循環(EGR)を行うためのEGR通路上に設けられたEGRバルブ38、エンジン本体1の吸気量を調節するスロットルバルブ等からなるスロットルボディ39、および車室内の空調用に設けられた空調用ヒータ40の設置部をそれぞれ通過するように配設されている。
また、上記入口側配管33の下流側には、電気ヒータが組み込まれたいわゆるエレキサーモスタットからなるサーモスタット35(本発明にかかる温度調節手段に相当)が設けられている。このサーモスタット35は、冷却液の温度があらかじめ設定された所定温度未満であるときに、上記入口側配管33を閉じることにより、ラジエータ32で冷却された比較的低温の冷却液が上記シリンダーブロック2内に導入されるのを阻止するように構成されている。
以上のように構成されたメイン冷却回路28において、電動ポンプ34が作動すると、この電動ポンプ34から、シリンダーブロック2内の冷却ジャケット31や、シリンダーヘッド3内のメインジャケット部13に冷却液が導入され、その後、出口側配管36またはバイパス配管37のいずれかを通ってシリンダーヘッド3の外部に上記冷却液が導出される。このうち、出口側配管36側に分岐した冷却液は、ラジエータ32に導入されてそこで冷却された後、入口側配管33等を介して再び上記電動ポンプ34に戻される一方、バイパス配管37側に分岐した冷却液は、上記ラジエータ32を介することなく上記電動ポンプ34に直接戻される。なお、このとき、上記バイパス配管37を通る冷却液の熱は、上記EGRバルブ38、スロットルボディ39、および空調用ヒータ40を温めるために利用される。
このようにして冷却液が循環している間、上記サーモスタット35は、このサーモスタット35の設置部を通過する冷却液の温度があらかじめ設定された所定温度以上であるか否かに応じて、冷却液の循環経路を以下のように切り替えるように構成されている。
すなわち、冷却液の温度が設定温度未満であるエンジン冷間時には、サーモスタット35が閉じることにより、上記ラジエータ32から入口側配管33を介して供給される相対的に温度の低い冷却液が遮断され、上記シリンダーブロック2内には、上記シリンダーヘッド3からバイパス配管37を介して戻ってくる冷却液のみが導入される。これにより、冷却液の温度が設定温度に達するまで、シリンダーブロック2およびシリンダーヘッド3の内部を繰り返し冷却液が循環して温められる。一方、冷却液の温度が設定温度以上になった場合には、上記サーモスタット35が開くことにより、上記ラジエータ32から入口側配管33を介して供給される比較的低温の冷却液が上記シリンダーブロック2内に流れ込み、シリンダーブロック2およびシリンダーヘッド3内の冷却液の温度が上記設定温度以上に上昇することが防止されるようになっている。
上記サブ冷却回路29は、ラジエータ32から導出された冷却液をシリンダーヘッド3内のサブジャケット部15に導入するための入口側配管45と、この入口側配管45の途中部に設けられたサブラジエータ46(本発明にかかる第2の冷却手段に相当)と、このサブラジエータ46の下流側に設けられた電動式のウォーターポンプ等からなる電動ポンプ47(本発明にかかる加圧手段に相当)と、上記サブジャケット部15を通ってシリンダーヘッド3の外部に導出された冷却液を上記ラジエータ32に戻すための出口側配管48とを有している。
以上のように構成されたサブ冷却回路29において、電動ポンプ47が作動すると、この電動ポンプ47からシリンダーヘッド3内のサブジャケット部15に冷却液が導入される。その後、このサブジャケット部15を通ってシリンダーヘッド3の外部に導出された冷却液は、上記出口側配管48を通じてラジエータ32に導入され、そこである程度冷却された後に、入口側配管45を通じてさらにサブラジエータ46に導入される。そして、これら2つのラジエータ32,46により相次いで冷却された冷却液が、上記電動ポンプ47を介して上記サブジャケット部15に再度供給されるようになっている。このように、サブ冷却回路29では、2つのラジエータ32,46により冷却液が2重に冷却されることで、冷却液の温度が上記メイン冷却回路28よりも低温に維持されるようになっている。
ただし、このようなサブ冷却回路29において、スロットル開度がそれ程高くないエンジンの部分負荷域では、電動ポンプ47は停止しており、スロットル開度が所定値以上に増大操作されるエンジンの高負荷域でのみ、上記電動ポンプ47が作動するようになっている。これにより、エンジンの高負荷域では、所定の圧力が付与された比較的低温の冷却液が上記シリンダーヘッド3のサブジャケット部15に供給され、このサブジャケット部15に供給された低温の冷却液が、上記指向性通路17を介してメインジャケット部13に流入するように構成されている。
以上のように構成された冷却回路27には、上記電動ポンプ34,47やサーモスタット35等の動作を制御する図外の制御ユニットが設けられている。そして、この制御ユニットによる制御に基づき、上記冷却回路27は、エンジンの負荷状況に応じて例えば以下のような動作を実行するように構成されている。
図9は、上記冷却回路27の制御動作の一例を示すタイムチャートである。ここでは、図9(a)に示すように、ある時刻t1を境に、運転者がアクセルペダルを踏み込む等により、スロットル開度K(%)が低開度K1(例えば20%)から高開度K2(例えば100%)に増大操作された場合について説明する。すなわち、本図では、時刻t1より前がエンジンの部分負荷域、時刻t1以後がエンジンの高負荷域となる。
上記のように時刻t1でスロットル開度がK2まで増大操作されてエンジンが高負荷域に遷移すると、これに応じて図9(b)に示すように、エンジンの燃焼熱量J(cal)が所定量増大する。このとき、当該燃焼熱によってシリンダーヘッド3の温度が過度に上昇するのを防止すべく、図9(d)に示すように、メイン冷却回路28による冷却液の供給温度Tm(℃)が、上記時刻t1より前の時点(部分負荷域)における比較的高めの温度T1(例えば130℃程度)から、これよりも低い温度T2(例えば80℃程度)に下げられる。
すなわち、時刻t1より前の部分負荷域では、上記メイン冷却回路28におけるサーモスタット35の設定温度がT1に設定されることにより、メイン冷却回路28の液温がこの温度T1に維持されるが、上記時刻t1で高負荷域に遷移すると、この時点でサーモスタット35の電熱線が強制的に通電され、サーモスタット35が常に開いた状態となる。これにより、ラジエータ32で冷却された比較的低温の冷却液がシリンダーブロック2を通って上記シリンダーヘッド3のメインジャケット部13に流れ込み、このメインジャケット部13内の冷却液の温度Tmが温度T2まで徐々に低下することになる。
ところで、上記構成によれば、エンジンの部分負荷域でのメイン冷却回路28の液温が、図9(d)に示したように比較的高めに設定されているが、これは、熱的にまだ余裕のあるエンジンの部分負荷域において、冷却液の温度を必要以上に下げないようにすることで、冷却損失を低減して燃費の改善等を図るためである。
ただし、このように部分負荷域での冷却液の温度を高くすると、部分負荷域から急激に高負荷域に移行した際に、図9(e)に示すように、シリンダーヘッド3における2つの排気ポート25,25の間の部分の温度Td(℃)、つまり、シリンダートップ部11の上壁部のうち各排気ポート25,25の間に位置する高温部H(図4)の温度Td(℃)が過度に上昇し、ノッキング(エンジンノック)の発生やトルクの低下等を招くおそれがある。
すなわち、上記メイン冷却回路28によりメインジャケット部13に供給される冷却液の温度は、図9(d)のように徐々に低下するものであり、これを瞬時に目標温度(T2)まで低下させることはできないため、このようなメイン冷却回路28による冷却だけでは、図9(e)の一点鎖線に示すように、上記高温部Hの温度Tdが信頼性基準値Ta(エンジンの燃焼状態を良好に維持することが可能な上限温度)を超えてしまい、ノッキングの発生やトルクの低下等の問題が生じ易くなる。
そこで、当実施形態では、図9(c)に示すように、エンジンが部分負荷域から高負荷域に遷移した上記時刻t1の時点で、サブ冷却回路29の電動ポンプ47を起動し、このサブ冷却回路29の流量Qsを0m3/hからQ3に増大させるとともに、これに応じてシリンダーヘッド3のサブジャケット部15内の冷却液を加圧することにより、図4の矢印に示すように、上記サブジャケット部15内の冷却液を、上記指向性通路17を介してメインジャケット部13に流入させる。なお、メイン冷却回路28については、上記時刻t1で電動ポンプ34の出力が抑制されることにより、その流量QmがQ1からQ2に低減されるようになっている。これは、メイン冷却回路28およびサブ冷却回路29の総流量を略一定に維持するための措置である。また、上記高負荷域への遷移の際には、上記ラジエータ32の冷却ファン(電動ファン)が強制的に高回転に制御されることにより、冷却性能がより高められるようになっている。
そして、当実施形態では、上記のように時刻t1でサブジャケット部15からメインジャケット部13に冷却液を流入させることにより、エンジンの高負荷域でシリンダーヘッド3を効率よく冷却してその温度上昇を抑制するようにしている。すなわち、図9(d)に示すように、上記サブ冷却回路29から供給される冷却液の温度Tsは、上記メイン冷却回路28の液温のうち低い方の温度T2よりもさらに低い温度T3(例えば60℃程度)に維持されているため、上記電動ポンプ47の作動によりこのような低温の冷却液を上記メインジャケット部13に流入させることにより、上記シリンダーヘッド3の高温部Hを効率よく冷却することができる。この結果、図9(e)の実線に示すように、上記高温部Hの温度(排気ポート間温度)Tdが、時刻t1以後の高負荷域においても上記信頼性基準値Ta以下に抑制されることになる。
しかもこのとき、図4に示したように、指向性通路17が上記メインジャケット部13の熱影響部13aを指向して延びるように設置されていることから、上記サブジャケット部15からこの指向性通路17を介してメインジャケット部13に流入する冷却液は、上記熱影響部13a、つまり、メインジャケット部13の内壁のうち特に高温になり易い部分に正確に到達する。これにより、シリンダーヘッド3における2つの排気ポート25,25の間に位置する高温部Hが効率よく冷却され、その温度が上記信頼性基準値Taを超えることが効果的に抑制される。さらには、上記のようにしてサブジャケット部15から流入してくる冷却液の圧力に応じ、ノズル部材70が図7に示すように前方に移動してその先端部が上記メインジャケット部13の熱影響部13aに接近することにより、上記サブジャケット部15から流入してくる冷却液が、上記ノズル部材70を通じて確実に上記熱影響部13aに到達するため、熱的に厳しい上記高温部Hの冷却効率がさらに向上するという利点がある。
なお、図9では、スロットル開度Kが高開度K2(例えば100%)に増大操作されたときに、エンジンが高負荷域に遷移したものと判断し、これに応じてサブ冷却回路29の電動ポンプ47を起動する等により、サブジャケット部15からメインジャケット部13に対し低温の冷却液を流入させる制御(低温冷却制御)を実行するようにしたが、エンジンが高負荷域に遷移したと判断するスロットル開度の閾値は、エンジンの特性等に応じて適宜設定されるべきものである。例えば、この閾値を80%に設定した場合には、スロットル開度が低中開度から80%以上の開度に増大操作されたときに、上記のような低温冷却制御が行われることになる。このとき、上記サブ冷却回路29の電動ポンプ47の出力は、開度80%から100%(全開)までの間で、スロットル開度が大きくなるほど比例的に増大させることが好ましい。これにより、エンジンの高負荷域の中でも、より負荷が大きいときには、それに見合ったより速い流速で低温冷却液をメインジャケット部13に流入させることができる。一方、上記閾値を100%もしくはその近傍に設定することで、スロットル開度Kが略全開まで操作されたときにのみ、上記低温冷却制御が実行されるように構成することも可能である。
上記のように1気筒あたり2つの排気ポート25,25を有し、複数の気筒が列状に配置されたエンジンのシリンダーヘッド3等に冷却回路27を介して冷却液を供給するエンジンの冷却装置において、上記シリンダーヘッド3の内部に、シリンダートップ部11(各燃焼室の頂部)の上方でかつ上記2つの排気ポート25,25の間に位置する部分を含んで気筒列方向に延びるメインジャケット部13と、このメインジャケット部13から離間した排気ポート25側の位置に区画形成されて気筒列方向に延びるサブジャケット部15とを設け、かつ上記メインジャケット部13とサブジャケット部15との間に、これら両ジャケット部13,15どうしを各気筒ごとに連通するとともに、上記メインジャケット部13の内壁のうち上記2つの排気ポート25,25の間に位置しかつ燃焼室に近接する部分である熱影響部13aを指向するように延びる指向性通路17を設け、さらに上記冷却回路27を、上記メインジャケット部13に冷却液を供給するメイン冷却回路28と、上記サブジャケット部15に供給するサブ冷却回路29とによって構成し、このうちのサブ冷却回路29に、少なくともスロットル全開時を含むエンジンの高負荷域で、上記サブジャケット部15内の冷却液の圧力を高めることにより、当該冷却液を上記指向性通路17から上記メインジャケット部13の熱影響部13aに向けて流入させる加圧手段としての電動ポンプ47を設けた上記第1実施形態の構成によれば、シリンダーヘッド3の高温部Hに対する集中冷却をエンジンの負荷状況に応じて選択的に実行できるため、エンジン負荷に応じた適正な冷却状態をつくり出してエンジン性能を効果的に向上させることができるという利点がある。
すなわち、上記構成によれば、エンジンのシリンダーヘッド3に、シリンダートップ部11の上方でかつ2つの排気ポート25,25の間に位置する部分を含んで気筒列方向に延びるメインジャケット部13と、このメインジャケット部13から離間した位置に区画形成されたサブジャケット部15とを設けるとともに、これら両ジャケット部13,15どうしを指向性通路17を介して連通し、さらにエンジン負荷が高まるスロットル全開時等に、サブ冷却回路29の電動ポンプ47を作動させて上記サブジャケット部15内の冷却液を上記指向性通路17からメインジャケット部13に流入させるようにしたため、エンジンの高負荷域で特に高温になり易い上記シリンダーヘッド3の高温部H(つまりシリンダートップ部11の上壁部のうち各排気ポート25,25の間に位置する部分)を迅速かつ集中的に冷却してシリンダーヘッド3の温度上昇を効果的に抑制することができ、このシリンダーヘッド3の温度上昇に起因したノッキングの発生やトルクの低下等を効果的に防止することができる。一方、エンジンの部分負荷域では、上記電動ポンプ47の作動を停止して上記のようなメインジャケット部13への冷却液の流入を停止する等により、シリンダーヘッド3が必要以上に冷却されるのを防止してエンジンの冷却損失を低減し、その燃費を効果的に改善できる等の利点がある。なお、この部分負荷域で、メインジャケット部13からサブジャケット部15に冷却液の一部が流れても、そのことによる特段の支障がなければ、この形態を否定するものではない。
しかも、上記構成では、指向性通路17が、上記メインジャケット部13の内壁のうち燃焼室に近接する部分である熱影響部13aを指向して延びるように設置されているため、上記サブジャケット部15からメインジャケット部13に指向性通路17を介して流入する冷却液を、図4の矢印に示すように上記熱影響部13aに確実に到達させることができ、この熱影響部13aを介して上記各排気ポート25,25の間の高温部Hをより効果的に冷却することができる。
特に、上記第1実施形態では、指向性通路17の内部に軸方向に摺動可能な筒状のノズル部材70が設けられ、エンジンが高負荷域に遷移したときに、上記ノズル部材70の先端部が上記指向性通路17からメインジャケット部13の熱影響部13aに向かって突出するように構成されているため、上記サブジャケット部15から流入してくる冷却液を上記ノズル部材70を通じて確実にメインジャケット部13の熱影響部13aに到達させることができ、シリンダーヘッド3の冷却効率をより効果的に向上させることができるという利点がある。
すなわち、エンジンが高負荷域に遷移したときに、ノズル部材70の先端部がメインジャケット部13側に突出して熱影響部13aに接近し、この熱影響部13aに接近したノズル部材70の先端部を通じて、上記サブジャケット部15内の冷却液がメインジャケット部13に流入するように構成されているため、この流入した冷却液(つまりサブジャケット部13から導入される低温の冷却液)が、メインジャケット部13内の冷却液と混じり合うことなく直接的に上記熱影響部13aに到達し、この熱影響部13aを介してシリンダーヘッド3がより効果的に冷却されるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、冷却回路27内を循環する冷却液を冷却するための手段として、上記メイン冷却回路28およびサブ冷却回路29に共通に存在するラジエータ32と、上記サブ冷却回路29専用のサブラジエータ46とを設けたため、上記メイン冷却回路28内を循環する冷却液の温度を上記ラジエータ32で適正温度に維持しつつ、このラジエータ32と上記サブラジエータ46とを用いた2重の冷却により、上記サブ冷却回路29内を循環する冷却液を迅速に冷却して、その温度を上記メイン冷却回路28よりも低い温度に簡単かつ確実に維持することができる。そして、エンジンが高負荷域に遷移したときに、このような低温の冷却液を上記サブジャケット部15からメインジャケット部13に流入させることで、上記シリンダーヘッド3の高温部Hをより効果的に冷却できるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、メイン冷却回路28に、電気ヒータが組み込まれたサーモスタット35(温度調節手段)を設け、このサーモスタット35の作動により、エンジンの部分負荷域での冷却液の温度(図9(d)における温度T1)を、高負荷域での温度(図9(d)における温度T2)に比して高く維持するようにしたため、エンジンの負荷が高くない部分負荷域において、エンジンの冷却損失をできる限り小さくして燃費を効果的に改善できるとともに、エンジンの高負荷域では、冷却液の温度を低くしてエンジンを適正温度に維持することにより、ノッキングの発生やトルクの低下等を効果的に防止できるという利点がある。
なお、上記第1実施形態では、エンジンの部分負荷域でサブ冷却回路29の電動ポンプ47を停止させておき、スロットル開度Kが増大操作されてエンジンが高負荷域に遷移したときに、上記電動ポンプ47を起動することにより、上記サブジャケット部15内の冷却液の圧力を高めてこれをメインジャケット部13に流入させるようにしたが、上記電動ポンプ47を常に起動状態に維持した上で、そのポンプ出力の増減により、上記のような冷却液の流入の有無を操作するようにしてもよい。すなわち、エンジンの部分負荷域では、上記サブジャケット部15からメインジャケット部13への冷却液の流入が起きない程度の低い出力で上記電動ポンプ47を作動させておき、エンジンが高負荷域に遷移したときには、上記電動ポンプ47の出力を増大させることにより、上記冷却液の流入を行わせるようにしてもよい。このようにすれば、エンジンの部分負荷域においても、上記サブジャケット部15内の冷却液の圧力をある程度高めておくことができるため、上記メインジャケット部13からサブジャケット部15に対し冷却液が逆流するのを確実に防止することができ、サブ冷却回路29内を循環する冷却液をより安定的に低温状態に維持できる等の利点がある。
また、上記第1実施形態では、図9(c)に示したように、エンジンが部分負荷域から高負荷域に遷移したときに、サブ冷却回路29の流量Qsを増大させる一方、メイン冷却回路28の流量Qmは低下させることにより、これら両冷却回路28,29のトータルの流量を略一定に維持するようにしたが、このような冷却回路の流量制御を、例えば図10または図11に示されるタイムチャートに基づき行うことも可能である。すなわち、エンジンが高負荷域に遷移したとき(時刻t1)に、サブ冷却回路29の流量Qsを上記第1実施形態と同様に増大させた上で、さらにメイン冷却回路28の流量Qmも増大させるか(図10)、またはメイン冷却回路28の流量Qmを一定に維持するようにしてもよい(図11)。このようにした場合には、エンジンの高負荷域で、メイン冷却回路28およびサブ冷却回路29のトータルの流量を増大させることができるため、エンジンの高負荷域における冷却性能をより効果的に高められるという利点がある。一方、上記第1実施形態のように、上記メイン冷却回路28およびサブ冷却回路29のトータルの流量を略一定に維持するようにした場合には、これら各冷却回路28,29における電動ポンプ34,47の全体負荷がエンジンの高負荷域において増大するのを効果的に防止できるという利点がある。
(実施形態2)
図12は、本発明のエンジンの冷却装置の第2実施形態を示す図である。本図に示すように、この第2実施形態のエンジンの冷却装置では、メインジャケット部13とサブジャケット部15とを連通する指向性通路17の内壁に、その軸方向に沿って螺旋状に延びる突起60が設けられている。
この構成によれば、エンジンが高負荷域に遷移したときに、サブジャケット部15から指向性通路17を介してメインジャケット部13へと流入する冷却液の流れが、上記螺旋状の突起60に沿って案内されることにより、図中の矢印に示すように、上記冷却液が旋回流となってメインジャケット部13内に流入するため、この流入する冷却液の推進力を効果的に増大させることができる。したがって、サブ冷却回路29(図8)により上記サブジャケット部15内に供給される低温の冷却液を、上記指向性通路17を介してより確実にメインジャケット部13の熱影響部13aに到達させることができ、エンジンの高負荷域におけるシリンダーヘッド3の冷却効率をより効果的に向上させることができる。
また、上記のようにサブジャケット部15からメインジャケット部13に旋回流として流入する冷却液により、上記メインジャケット部13内の冷却液が十分に撹拌されるため、この冷却液中の温度の偏りが低減され、上記シリンダーヘッド3の冷却効率がさらに効向上するという利点がある。
なお、上記第2実施形態では、指向性通路17の内壁に螺旋状の突起60を設けたが、このような突起60に代えて、螺旋状の溝を設けることでも、上記と同様の旋回流を発生させることができる。
(実施形態3)
図13および図14は、本発明のエンジンの冷却装置の第3実施形態を示す図である。本図に示すように、この第3実施形態のエンジンの冷却装置では、メインジャケット部13とサブジャケット部15とを連通する指向性通路17の内部に、その出口側の流路を絞るための絞り弁18が設けられている。
上記絞り弁18は、指向性通路17の内壁に沿って軸方向に摺動自在に保持された筒状の本体部51と、この本体部51のメインジャケット部13側の端部に突設された支持棒52と、この支持棒52の先端に設けられた弁体53とを有している。なお、以下では、弁体53が設けられている側(メインジャケット部13側)を絞り弁18の前側、その反対側(サブジャケット部15側)を絞り弁18の後側として説明を進めることにする。
上記本体部51の内部には、前後方向に延びて本体部51を貫通する貫通路54が設けられており、この貫通路54を通って上記指向性通路17内の冷却液が流通するようになっている。具体的に、この貫通路54内にその入口側端部54aから流入した冷却液は、途中で二股に分岐して上記支持棒52の上下に位置する2つの出口側端部54bから流出した後に、上記弁体53と指向性通路17の内壁との隙間を通ってメインジャケット部13に導入される。また、上記本体部51の軸方向中間部には、その周壁を貫通する開口部51bが設けられている。
上記指向性通路17は、上記第1実施形態と同様に、大径部58と小径部59とを有した段付きの通路により構成されている。図13に示すように、上記大径部58の壁面と上記絞り弁18の本体部51の外周面との間には所定の隙間が形成されており、この隙間部と上記本体部51の貫通路54とが上記開口部51bを介して連通されている。そして、後述するように、サブジャケット部15の圧力が高くなると、その圧力に応じて上記絞り弁18が前進する一方、その前進量が所定量に達して図14に示すように、上記開口部51bが上記小径部59の壁面によって塞がれると、上記絞り弁18の前進が停止するようになっている。
上記指向性通路17の段部55と、上記本体部51の底部70aとの間には、前後方向に延びるコイルバネ等からなる付勢手段57が設けられており、この付勢手段57の付勢力により、上記絞り弁18が指向性通路17の入口側(つまりサブジャケット部15側)に向かって付勢されるように構成されている。
また、上記指向性通路17の出口側(メインジャケット部13側)の端部には、前窄まり状に形成されたノズル部56が設けられており、このノズル部56と上記弁体53との隙間が、弁体53が前方に移動するにつれて狭まるように構成されている。
上記構成において、サブ冷却回路29の電動ポンプ47(図8)が停止しているエンジンの部分負荷域では、サブジャケット部15内の冷却液の圧力が低いため、上記付勢手段57の付勢力により、絞り弁18が図13に示される後退位置に保持される一方、エンジンが高負荷域に遷移して上記電動ポンプ47が作動し、サブジャケット部15内の冷却液が加圧されると、このサブジャケット部15側の水圧と上記メインジャケット部13側の水圧との圧力差により、上記絞り弁18を前方側(つまりメインジャケット部13側)に押し出す押出力F1(図14)が発生し、この押出力F1が、上記付勢手段57による付勢力等に抗して上記絞り弁18を前方に移動させる。そして、その前進量が所定量に達して図14に示すように、上記本体部51の開口部51bが上記小径部59の壁面により塞がれると、上記本体部51と大径部58との隙間に冷却液が閉じ込められてその圧力が高まることにより、上記絞り弁18の前進が停止することになる。
上記のようにして絞り弁18が図14に示される前進位置に移動すると、弁体53がノズル部56の壁面に接近することにより、両者の隙間が狭められる。そして、このように指向性通路17の出口側流路が絞られた状態で、図中の白抜き矢印に示すように、サブジャケット部15内の冷却液が上記本体部51の貫通路54を通ってその前方側に流れ出すと、当該冷却液は、上記弁体53とノズル部56との間の狭小な隙間を通過することにより、その流速が相対的に高められた状態で上記メインジャケット部13に流入することになる。
以上のように、上記第3実施形態では、指向性通路17に絞り弁18が設けられ、エンジンが高負荷域に遷移してサブ冷却回路29の電動ポンプ47が作動し、サブジャケット部15内の圧力が高められたときに、上記絞り弁18が前方に移動して上記指向性通路17の出口側流路が絞られるように構成されているため、これによって出口側流路が狭められた上記指向性通路17を介して、上記サブジャケット部15からメインジャケット部13に冷却液を流入させることにより、このメインジャケット部13内に流入する冷却液の流速を効果的に速めることができる。したがって、上記サブジャケット部15内の冷却液を、メインジャケット部13の熱影響部13aに向けて勢いよく流入させることができ、上記シリンダーヘッド3の高温部Hをより効率よく冷却できるという利点がある。
(実施形態4)
図15および図16は、本発明のエンジンの冷却装置の第4実施形態を示す図である。本図に示すように、この第4実施形態のエンジンの冷却装置では、エンジンの高負荷域でサブ冷却回路29の電動ポンプ47(図8)を作動させる際に、この電動ポンプ47への供給電流を周期的にON/OFFするいわゆるduty制御が実行され、これに応じて上記サブジャケット部15内の冷却液に対し間欠的な吐出圧が付与されることにより、このサブジャケット部15から指向性通路17を介してメインジャケット部13に流入する冷却液の流速がパルス化されるように構成されている。
この構成によれば、上記指向性通路17からメインジャケット部13に対しパルス状の流速をもった冷却液が流入することにより、上記メインジャケット部13内の流れの淀みが低減されるため、上記メインジャケット部13に流入する冷却液の流速が減衰するのを効果的に抑制することができ、上記メインジャケット部13の熱影響部13aに上記冷却液を確実に到達させてシリンダーヘッド3の冷却効率を効果的に向上させることができる。
また、上記のようにサブジャケット部15からメインジャケット部13に流入する冷却液の流速がパルス化されることにより、上記メインジャケット部13内の冷却液が十分に撹拌されるため、この冷却液中の温度の偏りが低減され、上記シリンダーヘッド3の冷却効率をさらに向上するという利点がある。
(実施形態5)
図17は、本発明のエンジンの冷却装置の第5実施形態を示す図である。本図に示すように、この第5実施形態のエンジンの冷却装置では、メインジャケット部13の内壁のうち上記各排気ポート25,25の間に位置する熱影響部13aに、その壁面から起立する複数の冷却フィン80が一体的に設けられている。
上記熱影響部13aの上方側には、上記複数の冷却フィン80を上から覆う板状の閉止部材82が設けられており、この閉止部材82は、上記熱影響部13aの壁面から突設された取付片84に一端部が枢支されるとともに、他端部が付勢手段86により下方側(熱影響部13a側)に付勢されている。すなわち、上記付勢部材82は、上記取付片84の枢支軸83を支点に回動可能に取り付けられているとともに、上記付勢手段86の下向きの付勢力により、通常時において上記各冷却フィン80の上面を覆う図17の状態に保持されるように構成されている。
上記構成において、エンジンの高負荷域でサブ冷却回路29の電動ポンプ47(図8)が起動し、これに応じて上記サブジャケット部15内の冷却液が指向性通路17を介してメインジャケット部13に流入すると、この流入した冷却液の作用により、上記閉止部材82の他端部(付勢手段86側の端部)に上向きの力が働くため、図18に示すように、上記閉止部材82が付勢手段86の付勢力に抗して上方に回動変位し、この閉止部材82の他端部と上記冷却フィン80との間に隙間が生じる。すると、図中の矢印に示すように、上記指向性通路17から流入してきた冷却液が、上記隙間を通じて上記冷却フィン80の設置部に導入され、この冷却フィン80を介して上記熱影響部13aが効率よく冷却されるようになっている。
すなわち、上記構成では、メインジャケット部13の熱影響部13aに、全体として大きな表面積を有する複数の冷却フィン80が設けられることにより、より広い冷却面積(放熱面積)が確保されるようになっているため、この冷却フィン80の設置部に上記サブジャケット部15内の冷却液を導入することにより、上記冷却フィン80およびこれと一体の上記熱影響部13aを効率よく冷却することができ、シリンダーヘッド3の冷却効率を効果的に向上させることができる。
一方、上記サブジャケット部15からメインジャケット部13への冷却液の流入がない(またはその流入量が少ない)エンジンの部分負荷域では、付勢手段86の付勢力により上記閉止部材82が冷却フィン80の上面を覆う図17の状態に引き戻されるため、この冷却フィン80からの放熱量を抑制することができ、エンジンの部分負荷域でシリンダーヘッド3が過度に冷却されて燃費が悪化すること等を効果的に防止できるという利点がある。
(実施形態6)
図19は、本発明のエンジンの冷却装置の第6実施形態を示す図である。本図に示すように、この第6実施形態のエンジンの冷却装置では、メインジャケット部13の熱影響部13aの上側、すなわち2つの排気ポート25,25の間に、一時的に熱を溜めることにより上記熱影響部13aの昇温を抑制することが可能な蓄熱手段90が設けられている。なお、以下では、図中右側を蓄熱手段90の前側、図中左側を蓄熱手段90の後側として説明を行う。
上記蓄熱手段90は、多数の蓄熱カプセル91が内部に封入された筒型のメッシュ状部材からなる保持部材92と、この保持部材92の内部において回動可能に支持された仕切部材94とを有している。上記蓄熱カプセル91は、図20に示すように、例えばLiNO3等からなる球状の蓄熱材91aが樹脂製の表皮材91bにより包まれることで構成されており、このような蓄熱カプセル91が存在する状態で、周囲の温度が特定温度まで上昇すると、上記蓄熱材91aが融解して周囲の熱を吸収する一方、上記特定温度より低い温度まで周囲温度が低下すると、上記蓄熱材91aが上記吸収した熱を放出しつつ凝固するように構成されている。
上記仕切部材94は、上記保持部材92の内部に設けられた回動軸95を中心に回動可能に取り付けられている。そして、この仕切部材94が上記保持部材92の幅方向に延びるように設置された図19の状態で、上記保持部材92の後方部と仕切部材94とに囲まれた領域に上記多数の蓄熱カプセル91が閉じ込められている。なお、上記回動軸95は、上記保持部材92の幅方向中心よりも上方側にオフセットした位置に設けられているため、上記指向性通路17を通じてメインジャケット部13の内部に冷却液が流入し、この冷却液により上記仕切部材94の後面部が前向きに押動された場合には、上記仕切部材94に対し、これを図中左回りに回動させるモーメントが作用するようになっている。
また、上記仕切部材94には、この仕切部材94が上記回動軸95を中心に回動する際の速度を制御するダンパー機構96が取り付けられている。
図21に示すように、上記ダンパー機構96は、仕切部材94の上端部を前方側(図中右側)に向けて付勢する付勢手段97と、上記仕切部材94が閉止状態にあるときにこの仕切部材94の回動軸95の近傍に保持された錘100とを有している。上記付勢手段97は、引張状態で設置された前後方向に延びるコイルバネ等からなり、その前後端部が、上記仕切部材94の上端部に設置された取付片99と、上記保持部材92の上部内壁に設置された取付片98とにそれぞれ固定されることにより、上記取付片99を介して仕切部材94の上端部を前方側に引き寄せる方向に付勢するように構成されている。一方、上記錘100は、所定の重量を有する中実部材等からなり、上記仕切部材94が閉止状態にあるときに、この仕切部材94の上下方向中央部付近(回動軸95の近傍部)から前方側に突設された突片101の上面に載置された状態で保持されるようになっている。
また、上記保持部材92の下部内壁には、上記仕切部材94の下端部が係止される係止片102が設けられており、この係止片102により、上記付勢手段97の付勢力に応じ上記仕切部材94が図中右回りに回動して開放状態に変位することが規制されるように構成されている。
上記構成において、仕切部材94が図21に示される閉止状態にあるときには、上記錘100が仕切部材94の回動軸95の近傍に位置することから、この錘100は、上記仕切部材94の慣性モーメントの増大にほとんど寄与しない。このため、上記付勢手段97による付勢力に対向し得る回転力が上記仕切部材94に作用すれば、上記仕切部材94は比較的速い速度で開方向に回動変位することになる(図22参照)。
一方、上記仕切部材94が図22に示される開放状態にあるときには、上記錘100が仕切部材94の表面に沿って自重により下方にスライド変位し、上記回動軸95から離間した位置(取付片99の一面側)に上記錘100が保持されるため、この錘100の存在により、上記仕切部材94の慣性モーメントが大きく増大する。これにより、上記仕切部材94を図22の開放状態から図21の閉止状態に復帰させる際には、この慣性モーメントの増大分が大きな回転抵抗となるため、上記仕切部材94は、上述した開方向への回動時よりも遅い速度で、図21の閉止状態に回動変位することになる。このように、仕切部材94は、閉方向に回動する際の速度の方が、開方向に回動する際の速度よりも遅くなる、いわゆるヒステリシス特性を有するように構成されている。
上記構成において、エンジンの高負荷域でサブ冷却回路29の電動ポンプ47(図8)が起動し、これに応じて上記サブジャケット部15内の冷却液が指向性通路17を介してメインジャケット部13に流入すると、この流入する冷却液の作用により、上記仕切部材94が回動軸95を中心として開方向に回転駆動される(図23参照)。このとき、上記のようなヒステリシス特性を有する仕切部材94が、比較的速い速度で開方向に回動することから、上記保持部材92の後方部に閉じ込められていた多数の蓄熱カプセル91は、速やかに保持部材92内を拡散する。この結果、図23に示すように、上記メインジャケット部13の熱影響部13aの上方に上記蓄熱カプセル91がまんべんなく存在する状態となり、この蓄熱カプセル91により、上記熱影響部13aに加わる熱が効率よく吸収されることになる。
一方、エンジンが部分負荷域に遷移して、上記電動ポンプ47が停止する等により上記メインジャケット部13内への冷却液の流入が中止されると、上記仕切部材94を開方向に回動させる力が作用しなくなるため、上記仕切部材94は、付勢手段97の付勢力により閉方向に引き戻され、再び図19の閉止状態に復帰する。このとき、上記のようなヒステリシス特性を有する仕切部材94が、比較的遅い速度で閉方向に回動するため、この仕切部材94の回動変位が完了するまでの間、保持部材92内を拡散していた上記蓄熱カプセル91は、自重により上記仕切部材94の下方側に確実に移動し、この仕切部材94と上記保持部材92の後方部とに囲まれた領域に再び閉じ込められる。そしてその後は、上記メインジャケット部13内の冷却液の温度が低下するにつれて、上記蓄熱カプセル91に吸収されていた熱が外部に放出されることになる。
以上のように、この第6実施形態によれば、メインジャケット部13の熱影響部13aの近傍に、熱を一時的に溜めることが可能な蓄熱カプセル91を有する蓄熱手段90を設けたため、エンジンが高負荷域に遷移したときに、上記熱影響部13aから効果的に熱を吸収してシリンダーヘッド3を効率よく冷却できるという利点がある。
本発明の第1の実施形態にかかるエンジンの冷却装置が適用されたエンジン本体の外観を示す斜視図である。 シリンダーヘッド3単体の上面図である。 シリンダーヘッド3単体の側面図である。 図2のIV−IV線に沿った断面図である。 図3のV−V線に沿った断面図である。 指向性通路内に設けられたノズル部材の具体的構成を示す断面図である。 上記ノズル部材がメインジャケット部側に突出した状態示す断面図である。 冷却回路の全体構成を示すブロック図である。 上記冷却回路の制御動作の具体例を説明するためのタイムチャートであり、(a)はスロットル開度の時間変化、(b)はエンジンの燃焼熱量の時間変化、(c)は冷却液の流量の時間変化、(d)は冷却液の温度の時間変化、(e)は排気ポート間温度の時間変化をそれぞれ示している。 上記エンジンの冷却装置の変形例を説明するための図9(c)相当図である。 上記エンジンの冷却装置の他の変形例を説明するための図9(c)相当図である。 本発明の第2の実施形態にかかるエンジンの冷却装置を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態にかかるエンジンの冷却装置を説明するための図であり、絞り弁の具体的構成を示す断面図である。 上記絞り弁により指向性通路の出口側流路が絞られた状態を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態にかかるエンジンの冷却装置を説明するための図である。 サブ冷却回路の電動ポンプの出力制御を示すタイムチャートである。 本発明の第5の実施形態にかかるエンジンの冷却装置を説明するための図であり、冷却フィンの具体的構成を示す断面図である。 上記冷却フィンを覆う閉止部材が回動した状態を示す断面図である。 本発明の第6の実施形態にかかるエンジンの冷却装置を説明するための図であり、蓄熱手段の具体的構成を示す断面図である。 上記蓄熱手段の内部に存在する蓄熱カプセルの具体的構成を示す一部切欠き斜視図である。 上記蓄熱手段のダンパー機構の具体的構成を示す図である。 上記蓄熱手段の仕切部材が開放状態に変位したときの状態を示す図20相当図である。 上記蓄熱手段の仕切部材が開放状態に変位したときの状態を示す図19相当図である。
符号の説明
3 シリンダーヘッド
13 メインジャケット部
13a 熱影響部
15 サブジャケット部
17 指向性通路
18 絞り弁
25 排気ポート
27 冷却回路
28 メイン冷却回路
29 サブ冷却回路
32 ラジエータ(第1の冷却手段)
35 サーモスタット(温度調節手段)
46 サブラジエータ(第2の冷却手段)
47 電動ポンプ(加圧手段)
60 (螺旋状の)突起
70 ノズル部材

Claims (8)

  1. 1気筒あたり2つの排気ポートを有し、複数の気筒が列状に配置されたエンジンのシリンダーヘッドに冷却回路を介して冷却液を供給するエンジンの冷却装置であって、
    上記シリンダーヘッドの内部には、各燃焼室の上方でかつ上記2つの排気ポートの間に位置する部分を含んで気筒列方向に延びるメインジャケット部と、このメインジャケット部から離間した排気ポート側の位置に区画形成されて気筒列方向に延びるサブジャケット部とが設けられ、
    上記メインジャケット部とサブジャケット部との間には、これら両ジャケット部どうしを各気筒ごとに連通するとともに、上記メインジャケット部の内壁のうち上記2つの排気ポートの間に位置しかつ燃焼室に近接する部分である熱影響部を指向するように延びる指向性通路が設けられ、
    上記冷却回路は、上記メインジャケット部に冷却液を供給するメイン冷却回路と、上記サブジャケット部に冷却液を供給するサブ冷却回路とを有し、
    このうちのサブ冷却回路には、少なくともスロットル全開時を含むエンジンの高負荷域で、上記サブジャケット部内の冷却液の圧力を高めることにより、当該冷却液を上記指向性通路から上記メインジャケット部の熱影響部に向けて流入させる加圧手段が設けられていることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    上記サブ冷却回路は、上記メイン冷却回路から供給される冷却液よりも低温の冷却液を上記サブジャケット部に供給するように構成されていることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの冷却装置において、
    上記冷却回路は、その内部を循環する冷却液を冷却するための手段として、上記メイン冷却回路およびサブ冷却回路に共通に設けられた第1の冷却手段と、上記サブ冷却回路に専用に設けられた第2の冷却手段とを有することを特徴とするエンジンの冷却装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの冷却装置において、
    上記メイン冷却回路に、エンジンの部分負荷域での冷却液の温度を、高負荷域での冷却液の温度に比して高く維持する温度調節手段が設けられたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの冷却装置において、
    上記指向性通路の内部に軸方向に摺動可能な筒状のノズル部材が設けられ、エンジンが高負荷域に遷移したときに、上記ノズル部材の先端部が上記指向性通路からメインジャケット部の熱影響部に向かって突出するように構成されたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの冷却装置において、
    上記指向通路の内壁に、その軸方向に沿って螺旋状に延びる溝または突起が設けられたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの冷却装置において、
    エンジンが高負荷域に遷移したときに上記指向性通路の出口側流路を絞る絞り弁が、上記指向性通路の内部に設けられたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの冷却装置において、
    エンジンの高負荷域で上記加圧手段から上記サブジャケット部内の冷却液に付与される圧力が、間欠的に変化するように構成されたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
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