JP2010084375A - 作業機械の油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
アッパブームシリンダ7を伸長方向へ駆動するパイロット回路L1に第一電磁比例減圧弁3を介装させる。また、アッパブームシリンダ7を短縮方向へ駆動するパイロット回路L2に第二電磁比例減圧弁4を介装させる。さらに、ロアブームシリンダ8を伸長方向へ駆動するパイロット回路L3に第三電磁比例減圧弁5を介装させる。
上方の対象物を解体する解体モード時には、解体モード時制御手段により第一電磁比例減圧弁3の開度を絞る。また、下方の対象物を解体する掘削モード時には、アッパブームの先端高さに応じて第二電磁比例減圧弁4及び第三電磁比例減圧弁5の開度を絞る。
【選択図】図3
Description
また、請求項4記載の本発明の作業機械の油圧制御装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の構成に加え、該解体モード制御手段が、該作業モード切換スイッチで該解体モードが選択され、かつ、該高さ検出手段で検出された該先端高さ(H)が予め設定された第三高さ(h3)未満であるときには、該先端高さ(H)が第三高さ(h3)以上であるときよりも該第一電磁比例減圧弁の開度をさらに絞ることを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の作業機械の油圧制御装置は、請求項5記載の構成に加え、該負荷検出手段で検出された該負荷の大きさに応じて、該第一電磁比例減圧弁の絞り開度を変更することを特徴としている。
また、掘削モード時にはアッパブームの先端高さが高くなるとアッパブームシリンダの短縮及びロアブームシリンダの伸長を抑制して、フロント作業機の上昇を防止することができる。これにより、掘削モード時のフロント作業機の動作範囲をオペレータに知らしめることができる。また、アッパブームの上昇が抑制されるため、その落下を確実に防止することができる。
また、本発明の作業機械の油圧制御装置(請求項3)によれば、簡素な構成で正確にアッパブームの先端高さを把握することができる。
また、本発明の作業機械の油圧制御装置(請求項5)によれば、アッパブームシリンダの伸長の抑制量を増加させ始める高さを負荷の大きさに応じて変更することにより、より確実にアッパブームの落下を防止することができる。例えば、重量の大きいアタッチメントを着装したときには、重量の小さいアタッチメントを着装した場合よりも比較的高い位置から抑制量を増加させることができる。
図1〜図6は、本発明の一実施形態に係る作業機械の油圧制御装置を説明するためのものであり、図1は本油圧制御装置を搭載した解体作業機の全体構成を示す側面図であって解体モード時の姿勢を示す図、図2はその解体作業機の掘削モード時の姿勢を示す側面図、図3は本油圧制御装置の全体構成を示す油圧回路図及び制御ブロック図、図4は本油圧制御装置に係るコントローラの機能を示す制御ブロック図、図5は本油圧制御装置におけるロアブーム伸び側パイロット圧及びアッパブーム縮み側パイロット圧の上限値の設定を示すグラフ、図6は本油圧制御回路におけるコントロール弁の開口特性を示すグラフである。
なお、図7は本発明の変形例としての油圧制御装置におけるアッパブーム伸び側パイロット圧の上限値の設定を示すグラフである。
本発明に係る油圧制御装置は、図1に示す解体作業機30に適用されている。この解体作業機30は、クローラ式の走行装置を装備した下部走行体31と、下部走行体31の上に旋回自在に搭載された上部旋回体32とを備えて構成される。上部旋回体32における前方側には、2ピースブームを備えたフロント作業機33及びオペレータが搭乗するキャブ38が装着されている。
フレーム39とロアブーム34との間には、ロアブーム34を上下方向へ揺動する油圧駆動式のロアブームシリンダ8が介装され、また、ロアブーム34とアッパブーム35との間には、アッパブーム35を上下方向へ揺動するアッパブームシリンダ7が介装されている。なお、本油圧制御装置はこれらのロアブームシリンダ8及びアッパブームシリンダ7の伸縮動作を制御するものである。また、ロアブームシリンダ8は二本設けられており、これらに係る油圧制御は同一である。
図3に、アッパブームシリンダ7及びロアブームシリンダ8の駆動に係る油圧回路を模式的に示す。なお、他のアクチュエータに係る油圧回路に関しては記載を省略している。
エンジン13によって駆動される油圧ポンプ11は、レギュレータ12を併設された容量可変型のポンプであり、アッパブームシリンダ7及びロアブームシリンダ8の両方へ作動油を供給している。レギュレータ12は公知のポンプ容量可変手段であり、導入されるネガコン圧が高いほど油圧ポンプ11の吐出流量を減少させるように、また、ネガコン圧が低いほど吐出流量を増加させるように、油圧ポンプ11の斜板制御を実施する。
コントローラ20は、マイクロコンピュータで構成された電子制御装置であり、周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスとして提供されている。図4に示すように、コントローラ20は、部材データ記憶器21,姿勢演算器22,最大信号発生器23,出力設定器24(掘削モード時制御手段の一つ),第一信号切換器25(掘削モード時制御手段の一つ),解体作業信号発生器26及び第二信号切換器27(解体モード時制御手段)を備えて構成されている。 なお、これらの構成を電子回路として、あるいはソフトウェアとして設けてもよい。
部材データ記憶器21には、ロアブーム34の基端(フレーム39との枢着中心)から先端(アッパブーム35との枢着中心)までの長さと、アッパブーム35の基端(ロアブーム34との枢着中心)から先端までの長さが記憶されている。
出力設定器24は、先端高さHに応じてアッパ縮みパイロット回路L2及びロア伸びパイロット回路L3のパイロット圧の上限値を設定するものである。ここでは図5のグラフに示すように、先端高さHが予め設定された第一高さh1未満である場合には十分に高い上限値が設定されており、パイロット圧は抑制されない。一方、先端高さHが第一高さh1以上である場合には、先端高さHが高いほど上限値が低く制限され、第二高さh2以上になるとゼロに設定されている。ここで設定されたパイロット圧の上限値は、第一信号切換器25の掘削側に入力されている。
第一信号切換器25及び第二信号切換器27は、選択されている作業モードに応じて各電磁比例減圧弁3,4,5の開度を選択的に制御するものである。まず、第一信号切換器25は、作業モード切換スイッチ1で選択されている作業モードが解体モードである場合には、入力されている二種類の上限値のうち、最大信号発生器23から入力されている上限値を選択して、第二電磁比例減圧弁4及び第三電磁比例減圧弁5の開度を制御する。一方、作業モードが掘削モードである場合には、出力設定器24から入力されている上限値を選択して、第二電磁比例減圧弁4及び第三電磁比例減圧弁5の開度を制御する。
本実施形態の油圧制御装置におけるコントローラ20での制御内容をまとめると以下の通りとなる。
[4−1.解体モード時]
図1に示すように、上方の対象物の解体作業時には、作業モード切換スイッチ1がオペレータに操作されて解体モードが選択される。解体モード時には、アッパ伸びパイロット回路L1のパイロット圧の上限値が解体作業信号発生器26で設定された値に制限され、第一電磁比例減圧弁3の開度が絞られる。これにより、オペレータがアッパブーム35の操作レバーを下げ方向へ操作したときに、アッパ伸びパイロット回路L1を介してコントロール弁6aに伝達されるパイロット圧が制限される。
また、第二電磁比例減圧弁4及び第三電磁比例減圧弁5の開度は最大に開放され、アッパ縮みパイロット回路L2及びロア伸びパイロット回路L3のパイロット圧は制限されない。これにより、リモコン弁16b,17aの二次圧は、レバー操作に応じた大きさのままそれぞれコントロール弁6a,6bへ導入されるため、アッパブーム35の上げ動作,ロアブーム34の下げ動作,そしてロアブーム34の上げ動作は速度制限されることなくスムーズになる。
図2に示すように、下方の対象物の解体,掘削作業時には、作業モード切換スイッチ1がオペレータに操作されて掘削モードが選択される。掘削モード時には、第一電磁比例減圧弁3の開度は最大に開放され、アッパ伸びパイロット回路L1のパイロット圧は制限されない。コントロール弁6aの流路開口は、スプール位置(バルブストローク)が図6中の位置Oと位置Aとの間で設定される。これにより、リモコン弁16aの二次圧はレバー操作に応じた大きさのままそれぞれコントロール弁6aへ導入されるため、アッパブーム35の下げ動作とロアブーム34の上げ動作は速度制限されることなくスムーズになる。
先端高さHが第一高さh1未満である場合には、コントローラ20の出力設定器24で十分に高いパイロット圧の上限値が設定されるため、アッパ縮みパイロット回路L2及びロア伸びパイロット回路L3のパイロット圧は抑制されない。したがって、解体モード時と同様に、アッパブーム35の上げ動作とロアブーム34の下げ動作についても速度制限されることなくスムーズになる。
このように、本油圧制御回路によれば、フロント作業機33が上方に位置している解体モード時にはアッパブームシリンダ7の伸長を抑制してアッパブーム35の落下を防止することができる。例えば、重量の大きい破砕機37のようなアタッチメントを装着していたとしても、自重によってフロント作業機33の姿勢が下がることはない。一方、フロント作業機33が下方に位置している掘削モード時にはアッパブームシリンダ7の伸長方向への動作が抑制されないため、良好な操作性及び作業性を獲得することができる。
このように、本発明の作業機械の油圧制御装置によれば、作業姿勢に関わらず良好な操作性及び作業性を獲得することができる。
続いて、上述の実施形態に対する変形例を説明する。上述の実施形態では、解体モード時にはアッパブーム35の先端高さHが制御に用いられていないものが示されているが、先端高さHに応じて第一電磁比例減圧弁3の開度を制御することも考えられる。
本変形例の油圧制御装置におけるコントローラ20での制御内容をまとめると以下の通りとなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、アッパブーム角度センサ2a及びロアブーム角度センサ2bがアッパブーム35及びロアブーム34のそれぞれの仰角を検出しているが、アッパブーム35及びロアブーム34の相対的な角度や、ロアブーム34と上部旋回体32(あるいはフレーム39)との相対角度を検出する構成としてもよい。なおこの場合、解体作業機30の車体の傾きを考慮して先端高さHを算出してもよい。
2a アッパブーム角度センサ(高さ検出手段の一つ)
2b ロアブーム角度センサ(高さ検出手段の一つ)
3 第一電磁比例減圧弁
4 第二電磁比例減圧弁
5 第三電磁比例減圧弁
6a,6b コントロール弁
7 アッパブームシリンダ
8 ロアブームシリンダ
11 油圧ポンプ
12 レギュレータ
13 エンジン
14 パイロットポンプ
15 タンク
16,17 リモコン弁
20 コントローラ
21 部材データ記憶器
22 姿勢演算器
23 最大信号発生器
24 出力設定器(掘削モード時制御手段の一つ)
25 第一信号切換器(掘削モード時制御手段の一つ)
26 解体作業信号発生器
27 第二信号切換器(解体モード時制御手段)
30 解体作業機
33 フロント作業機
34 ロアブーム
35 アッパブーム
L1 アッパ伸びパイロット回路
L2 アッパ縮みパイロット回路
L3 ロア伸びパイロット回路
L4 ロア縮みパイロット回路
Claims (6)
- 上方の対象物を解体するための解体モードと下方の対象物を解体するための掘削モードとを有し、アッパブームシリンダ及びロアブームシリンダの伸縮によりアッパブーム及びロアブームからなる2ピースブームを駆動する作業機械の油圧制御装置であって、
該解体モードと該掘削モードとを切り換える作業モード切換スイッチと、
該アッパブームシリンダを伸長方向へ駆動するパイロット回路に介装された第一電磁比例減圧弁と、
該アッパブームシリンダを短縮方向へ駆動するパイロット回路に介装された第二電磁比例減圧弁と、
該ロアブームシリンダを伸長方向へ駆動するパイロット回路に介装された第三電磁比例減圧弁と、
該アッパブームの先端高さを検出する高さ検出手段と、
該作業モード切換スイッチで該解体モードが選択されているときに、該第一電磁比例減圧弁の開度を絞る解体モード時制御手段と、
該作業モード切換スイッチで該掘削モードが選択され、かつ、該高さ検出手段で検出された該先端高さが予め設定された第一高さ以上であるときに、該先端高さに応じて該第二電磁比例減圧弁及び該第三電磁比例減圧弁の開度を絞る掘削モード時制御手段とを備えた
ことを特徴とする、作業機械の油圧制御装置。 - 該掘削モード時制御手段が、
該作業モード切換スイッチで該掘削モードが選択され、かつ、該高さ検出手段で検出された該先端高さが該第一高さよりも高い第二高さ以上であるときに、該第二電磁比例減圧弁及び該第三電磁比例減圧弁を閉鎖する
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械の油圧制御装置。 - 該高さ検出手段が、
該アッパブームの仰角を検出する第一角度センサと、
該ロアブームの仰角を検出する第二角度センサとを有する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の作業機械の油圧制御装置。 - 該解体モード制御手段が、
該作業モード切換スイッチで該解体モードが選択され、かつ、該高さ検出手段で検出された該先端高さが予め設定された第三高さ未満であるときには、該先端高さが第三高さ以上であるときよりも該第一電磁比例減圧弁の開度をさらに絞る
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の作業機械の油圧制御装置。 - 該アッパブームシリンダ及び該ロアブームシリンダに作用する負荷を検出する負荷検出手段をさらに備え、
該負荷検出手段で検出された該負荷の大きさに応じて、該第三高さを変更する
ことを特徴とする、請求項4記載の作業機械の油圧制御装置。 - 該負荷検出手段で検出された該負荷の大きさに応じて、該第一電磁比例減圧弁の絞り開度を変更する
ことを特徴とする、請求項5記載の作業機械の油圧制御装置。
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