JP2010083094A - 表面処理金属箔および金属箔ポリイミド系樹脂積層体 - Google Patents

表面処理金属箔および金属箔ポリイミド系樹脂積層体 Download PDF

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Tsuyoshi Yatsuka
剛志 八塚
Junichiro Onishi
潤一郎 大西
Naoteru Oka
直輝 岡
Osamu Kurita
修 栗田
Toshihito Hachiya
俊仁 蜂谷
Hitoshi Mantani
仁志 万谷
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Abstract

【課題】 絶縁層との接着性に優れた金属箔を提供し、はんだ耐熱性、耐熱耐久性に優れ、プリント配線板用に好適な金属箔積層体を提供することにある。
【解決手段】 金属箔上に有機ケイ素化合物の表面処理剤層(薄層)を設け、該表面処理剤層を過熱水蒸気処理することにより、絶縁層との接着性に優れた金属箔を提供する。さらに該金属箔の有機ケイ素化合物の薄層の過熱水蒸気処理面上にポリイミド系樹脂層を積層することにより、はんだ耐熱性、耐熱耐久性に優れた金属箔ポリイミド系樹脂積層体を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は表面処理された金属箔および該金属箔にポリイミド系樹脂層を積層したプリント配線板用に好適な積層体に関するものである。
電子機器の電気・電子回路には、絶縁材料と導電材料からなる積層板を回路加工したプリント配線板が使われている。プリント配線板は板状のリジットプリント配線板と柔軟性に富んだフレキシブルプリント配線板に大別できる。
フレキシブルプリント配線板の材料となるフレキシブル基板には、3層フレキシブル基板と2層フレキシブル基板がある。3層フレキシブル基板はポリイミドなどのベースフィルムと銅箔をエポキシ樹脂、アクリル樹脂あるいはポリエステル樹脂等の接着剤を使って貼り合せたものである。一方、2層フレキシブル基板は接着剤を介することなく直接、銅箔の上に耐熱性の絶縁層を設けたものである。エポキシ樹脂、アクリル樹脂あるいはポリエステル樹脂等の接着剤を使わずに、フレキシブル基板を得る方法には下記の3つの方法がある。
(1)キャスト法。銅箔等の金属箔にポリイミド系等の耐熱樹脂溶液を塗布し、乾燥、必要により熱処理を施す。
(2)ラミネート法。ポリイミドフィルム等の耐熱フィルムの少なくとも片側に、熱可塑性の耐熱樹脂層を設けて、該熱可塑性樹脂層と銅箔等の金属箔とを貼り合せる。
(3)めっき法。ポリイミドフィルム等の耐熱フィルムに銅めっき等のめっきを施す。
銅箔等の金属箔にポリイミド系等の耐熱樹脂溶液を塗布し、乾燥、必要により熱処理を施す方法はキャスト法といわれている。キャスト法により得られたフレキシブル基板は寸法安定性が優れるため、近年のプリント配線板の高密度化、ファインピッチ化に対応した材料である。
キャスト法フレキシブル基板の製造時、耐熱樹脂溶液の溶剤を乾燥するために用いられる乾燥方法には熱風乾燥、熱ロール接触乾燥、赤外線加熱乾燥等が用いられている。この際用いられる耐熱性樹脂としてはポリイミド前駆体樹脂、溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。これらの溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ―ブチロラクトン、フェノール、クレゾール等が使われるが、これらの溶剤は高沸点のため乾燥性が悪い。特にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤は分子間水素結合により蒸気圧が低いこと、また耐熱性樹脂のガラス転移温度が高いため溶剤の拡散が乏しいこともあり、塗膜中に残留しやすい。残留溶剤は耐熱性の低下や寸法安定性の低下の原因になる。溶剤を残留させないために、乾燥温度や熱処理温度を高くしすぎると、銅箔の金属箔の変色や特性変化、樹脂の劣化による接着力低下や機械的特性の悪化が起こる。乾燥や熱処理温度が高くなることによる弊害を避けて、溶剤を残留させないために、時間をかけて乾燥や熱処理が行われている。そのため、生産性に問題がある。
また、キャスト法では、ポリイミド系樹脂層の厚みが増すほど、溶剤乾燥に起因する体積収縮により発生する残留応力の影響が顕著になる。残留応力は接着力の低下の原因となる。接着力低下を補うためにも、接着性の良い金属箔が望まれている。
金属表面の接着性改善には各種の表面処理が知られている。たとえば、銅箔では特許文献1には銅箔にシランカップリング剤を塗布することが開示されている。しかし、特許文献1で開示された方法では、シランカップリング剤の効果を充分に発揮させることはできず、接着性改善効果は不充分である。特許文献2〜4では、銅箔上に亜鉛系合金属層を介するなどしてクロメート処理層を設けた後、シランカップリング剤層を設ける方法であり、工程が複雑であるとともに、接着性改善効果も充分ではない。
プリント配線板は高密度化が進んでいる。このため、高密度化を達成するためには回路配線の幅と間隔を小さくすることが要求される。このファインピッチ化のためには、銅箔のポリイミド系樹脂側の面の表面粗度が小さいことが必要である。表面粗度が大きいと、エッチング時に樹脂に銅箔が残る、エッチング直線性が低下し回路幅が不均一になる等の不具合がある。
しかし、表面粗度を小さくするとアンカー効果の低下により、接着性が悪化するという重大な欠点が起こる。シランカップリング剤処理は接着性の改善には有効であるが、銅箔の表面粗度が小さくなると、シランカップリング剤の効果が減少し、これまで高密度化されたプリント配線板に要求される接着性を十分に満足するものはなかった。さらに、表面粗度が小さくなることに起因する接着力の低下は回路配線の幅が小さくなった場合、エッチング液やめっき液の端部への浸透が重大な影響を及ぼすため、銅箔と絶縁層との接着性のさらなる向上が求められている。
特開昭56−148546号公報 特開昭57−87324号公報 特公平2−19994号公報 特開2001−214299号公報
本発明の課題は、プリント配線板に要求される特性が近年、ますます高度化していることに鑑み、金属箔と絶縁層との接着性を向上させ、回路基板のはんだ耐熱性や耐熱耐久性を向上させることができる金属箔を提供することであり、さらに接着性、耐熱性、耐熱耐久性に優れたプリント配線板とすることができる金属箔絶縁層積層体を提供することにある。
本発明者等は、回路基板用に好適な表面処理金属箔、金属箔とフレキシブル絶縁層との接着性に優れた積層体について鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は金属箔の少なくとも片面に、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物又は/及び式(1)で表される有機ケイ素化合物の加水分解物の少なくとも1種を50質量%以上含有する厚さ0.001〜1μmの表面処理剤層が設けられ、かつ該表面処理剤層が過熱水蒸気処理されてなることを特徴とする表面処理金属箔である。
SiX(4−m−n) (1)
(式中Yは有機官能基又は有機官能基を含有する炭素原子数1〜30の炭化水素基、Rは炭素原子数1〜30の炭化水素基、Xは加水分解性基を表す。mは1又は0、nは0、1又は2で、かつm+nは1又は2を示す。)
さらに、上記表面処理金属箔の表面処理剤層面上に、ポリイミド系樹脂層が積層されてなることを特徴とする金属箔ポリイミド系樹脂積層体である。
本発明で金属箔上に形成された有機シラン化合物の表面処理剤層は、過熱水蒸気処理されるため、アルコキシ基などの加水分解性基の加水分解反応が効率的に進行し、金属箔上での金属との反応やシラノール基の架橋、縮合反応が効率的に進行するため、金属箔と表面処理剤層とは従来になく強固に接着することができる。さらに、金属箔とは反対側の表面処理剤層の表面は、アミノ基などの有機官能基が多く存在するため、この面に積層したポリイミド系樹脂層は、表面処理剤層を介して金属箔と従来になく強固に接着することができる。
また、本発明で表面処理剤層を形成するために使用される有機シラン化合物を含有する表面処理剤中には、加水分解反応を促進させるための触媒を用いる必要がないため、表面処理剤の使用可能時間を長くすることができ、塗布作業性や工程管理性の点で優れている。
さらに、本発明で得られた金属箔ポリイミド系樹脂積層体は、金属箔とポリイミド系樹脂層との接着性が優れるだけでなく、はんだ耐熱性や耐熱耐久性に優れ、高密度化プリント配線板に要求される特性を満足することができる。
本発明では、式(1)で表される有機ケイ素化合物又は/及び式(1)で表される有機ケイ素化合物の有機ケイ素化合物の加水分解物の少なくとも1種を用いる。有機ケイ素化合物の加水分解物とは、式(1)で表される有機ケイ素化合物が保有する加水分解性基の少なくとも一部が加水分解したり縮合したものをいう。なお、本発明においては、これらを総称して、以下、単に(1)で表される有機ケイ素化合物及びその加水分解物と表記することがある。
SiX(4−m−n) (1)
(式中Yは有機官能基又は有機官能基を含有する炭素原子数1〜30の炭化水素基、Rは炭素原子数1〜30の炭化水素基である。Xは加水分解性基を表す。有機官能基とは、アミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、メルカプト基、シアノ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基、エポキシ基、イソシアネート基などであり、加水分解性基とは、ORやCl等であるが、ORのRは式(1)のRと同一であっても異なってもよい。mは1又は0、nは0、1又は2で、かつm+nは1又は2を示す。)
式(1)において、mが1、nが0の場合、つまりYSiX(式中Yは上記と同様の有機官能基又は有機官能基を含有する炭化水素基を示し、Xは上記と同様の加水分解性基を示す。X同士は同一であっても異なってもよい。)で表される3官能有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤と一般的に呼ばれている。シランカップリング剤は金属やガラス等の無機物と反応する加水分解性基と有機物と反応する有機官能基を同一分子中に有するシラン化合物である。具体的にはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、mが1、nが1の場合であるYRSiX(式中Yは上記と同様の有機官能基又は有機官能基を含有する炭化水素基を示し、Rは上記と同様の炭化水素基、Xは上記と同様の加水分解性基を示す。X同士は同一であっても異なってもよい。)で表される2官能有機ケイ素化合物も挙げられる。2官能有機ケイ素化合物の具体例としては、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
さらに、mが0、nが1又は2の場合であるRSiX(4−n)(式中Rは上記と同様の炭化水素基、Xは上記と同様の加水分解性基を示す。R同士は同一であっても異なってもよい。X同士は同一であっても異なってもよい。)で表される加水分解性有機ケイ素化合物を併用してもかまわない。加水分解性有機ケイ素化合物の具体例としてはフェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロルシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物は単一物で用いても良いし、複数の混合物の状態で用いても良い。
式(1)で表される有機ケイ素化合物及びその加水分解物に必要により添加される化合物としては、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の硬化剤が挙げられる。エポキシ樹脂、硬化剤は表面処理剤の全固形分中0〜30質量%が好ましい。具体的には、エポキシ樹脂はビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラックに代表されるグリシジルエーテル類、テトラブロモビスフェノールAやテトラブロモビスフェノールFに代表されるハロゲン化グリシジルエーテル類、テトラグリシジルアミノジフェニルメタンやテトラグリシジルアミノジフェニルスルフォンに代表されるグリシジルアミン類、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、1,2:8,9−ジエポキシリモネンに代表される脂環族エポキシ類、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAに代表される脂肪族エポキシ類が挙げられる。
本発明で必要により用いられるエポキシ樹脂の硬化剤としては、酸無水物、ポリアミン化合物、フェノール系化合物等慣用されている化合物を用いることができる。また、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤も挙げることができる。
本発明における式(1)で表される有機ケイ素化合物及びその加水分解物は、必要によりエポキシ樹脂とエポキシ樹脂の硬化剤を含む表面処理剤として用いられる。表面処理剤の固形分の少なくとも50質量%、望ましくは70質量%以上は、式(1)で表される有機ケイ素化合物又は式(1)で表される有機ケイ素化合物の加水分解物である。50質量%未満では接着性の改良効果が不十分である。
本発明で用いる表面処理剤はそのまま金属箔に塗布しても良いが、水、メタノールやエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、テトラハイドロフラン、ジオキソラン、メチルモノグライム、メチルジグライム、酢酸エチル、トルエン等の溶剤で0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%に希釈して用いることができる。10質量%を超えると表面処理剤が一部自己縮合することがあり好ましくない。また、0.001質量%未満では十分な量の表面処理剤を金属箔上に塗布することができないため好ましくない。また、酢酸、蟻酸、希塩酸等により表面処理剤のpHを調整することが望ましい。pH2〜5の範囲が好ましく、pH3〜4の範囲が特に好ましい。pHがこの範囲であれば表面処理剤の自己縮合を抑え、可使時間を長くすることができる。
本発明では金属箔上に、上記の表面処理剤を用いて、厚さ0.001〜1μmの表面処理剤層(薄層)を設ける。表面処理剤層の乾燥後の厚みは0.001〜0.5μmの範囲が望ましく、0.001〜0.1μmが特に望ましい。厚みが1μmを越えると、可とう性が悪くなり、屈曲に耐えられない。0.001μm未満では接着性の改善効果が乏しくなる。
該表面処理剤層を金属箔上に設ける方法としては、グラビアコート、ロールコート、浸漬、スプレー等の方法を用いることができる。
本発明では、式(1)で表される有機ケイ素化合物及びその加水分解物を主成分とする表面処理剤層は、過熱水蒸気により加熱処理することが必要である。用いる過熱水蒸気の温度は130〜350℃が好ましく、より好ましくは150〜300℃、特に好ましくは150〜200℃の範囲である。130℃未満では安定した加熱水蒸気が得られにくい傾向があり、350℃を超えると表面処理剤が分解したり、気化する傾向がある。
熱処理時間は用いる材料により異なるが、10秒以上10分以下が望ましく、30秒以上1分以下が特に望ましい。10秒未満であると熱処理として不十分になることがあり、10分を超えると表面処理剤の劣化が起こる可能性がある。加熱温度と時間は、有機ケイ素化合物等の表面処理剤の沸点も考慮し設定しなければならない。過熱水蒸気処理時に200℃以上の高温になる場合、金属箔の変色や、物性の変化が起こることがある。この場合、酸素濃度を下げることが必要となる。銅箔を用いる場合には酸素濃度を5%以下、好ましくは0.5%以下に下げることが望ましい。5%を超えると銅箔が変色したり、表面処理剤が劣化する場合がある。
本発明で用いる金属箔としては銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、スチール箔、ニッケル箔などが挙げられる。これらの金属箔を複合した複合金属箔や亜鉛やクロムなど他の金属で処理した金属箔を用いても良い。本発明で用いる金属箔としては銅箔が好ましい。用いる銅箔は電解銅箔、圧延銅箔どちらでもかまわない。また、銅箔は黄銅層の形成、クロメート処理、亜鉛クロメート処理等の合金処理や酸化等の表面処理を行った物でも良い。さらに、過熱水蒸気により有機ケイ素化合物の金属層との接着効果が大きいため、予めシランカップリング剤やチタンカップリング剤で銅箔の表面処理を行った物でもかまわない。金属箔の厚みは特に限定はないが2μmのキャリア付き極薄銅箔から1mmの金属シートを用いることができる。
本発明においては、特に表面が平滑な金属箔を用いても接着性を向上させることができるメリットがある。特に銅箔では十点平均高さ(Rz)が1μm以下の平滑なものに好適である。
式(1)で表される有機ケイ素化合物及びその加水分解物を主成分とする表面処理剤層(薄層)が、金属箔上に積層されて後、過熱水蒸気処理されることによって、金属箔との接着性が著しく向上する理由は、過熱水蒸気であるため、水蒸気が金属箔と表面処理剤層との界面にまで浸透して加水分解反応によるシラノール基の生成量が増加するため、シラノール基の金属箔と接触量が多くなり、かつ、過熱された状態の高温であるため、シラノール基の金属箔の酸化表面や水酸基との反応が進行しやすくなると考えられる。
また、過熱水蒸気処理した薄層は、加水分解性基の加水分解反応が効率的に進行し、かつシラノール基の架橋、縮合反応が進行するため、金属箔に強固に接着するものと考えられる。
一方、過熱水蒸気処理された表面処理剤層の金属箔側とは反対側の表面は、水分子の浸入と離脱、加水分解生成物の離脱、残存溶媒の離脱作用によって、ボイドが形成され、かつ有機官能基又は有機官能基を含有する炭化水素基が多く存在するようになっていると考えられる。
上記表面処理金属箔は、過熱水蒸気処理された表面処理剤層面にポリイミド系樹脂が積層されて金属箔ポリイミド系樹脂積層体とすることができる。
金属箔積層体の製造の際、本発明で用いるポリイミド系樹脂としては、ポリイミド前駆体樹脂、溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられる。
ポリイミド系樹脂は通常の方法で重合することができる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを低温で溶液中で反応させポリイミド前躯体溶液を得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを高温の溶液中で反応させ溶剤可溶性のポリイミド溶液を得る方法、原料としてイソシアネートを用いる方法、原料として酸クロリドを用いる方法などがある。
ポリイミド前躯体樹脂や溶剤可溶ポリイミド樹脂に用いる原料としては、以下に示すような物がある。酸成分としてはピロメリット酸、ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ジフェニルスルフォン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸,水素添加ピロメリット酸、水素添加ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸等の一無水物、二無水物、エステル化物などを単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、アミン成分としてはp-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’-ジアミノビフェニル、3,3-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノベンズアニリド、4,4’-ジアミノベンズアニリド、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、2,6-トリレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルヘキサフルオロイソプロピリデン、p-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、1,4-ナフタレンジアミン、1,5-ナフタレンジアミン、2,6-ナフタレンジアミン、2,7-ナフタレンジアミン、o-トリジン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、シクロヘキシル-1,4-ジアミン、イソフォロンジアミン、水素添加4,4’-ジアミノジフェニルメタン、あるいはこれらに対応するジイソシアネート化合物等の単独あるいは2種以上の混合物を用いることができる。また、これら酸成分、アミン成分の組み合わせで別途重合した樹脂を混合して使用することもできる。
ポリアミドイミド樹脂に用いる原料としては、酸成分としてトリメリット酸無水物、ジフェニルエーテル-3,3’,4’-トリカルボン酸無水物、ジフェニルスルフォン-3,3’,4’-トリカルボン酸無水物、ベンゾフェノン-3,3’,4’-トリカルボン酸無水物、ナフタレン-1,2,4-トリカルボン酸無水物、水素添加トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物類が単独あるいは混合物として挙げられる。また、トリカルボン酸無水物の他に、ポリイミド樹脂であげたテトラカルボン酸、それらの無水物やジカルボン酸等を併用して用いることもできる。アミン成分としてはポリイミド樹脂であげたジアミン、あるいはジイソシアネートの単独あるいは混合物が挙げられる。また、これら酸成分、アミン成分の組み合わせで別途重合した樹脂を混合して使用することもできる。
本発明で用いるポリイミド系樹脂溶液の溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルフォラン、ジメチルスルフォキシド、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンを挙げることができる。これらのなかでN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドが好ましい。また、トルエン、キシレン、ジグライム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の溶剤を、溶解性を阻害しない範囲で加えてもかまわない。
本発明において金属箔ポリイミド系樹脂積層体の諸特性、たとえば、機械的特性、電気的特性、滑り性、難燃性などを改良する目的で他の樹脂や各種添加剤をポリイミド系樹脂に配合あるいは反応させてもかまわない。例としては、滑剤としてはシリカ、タルク、シリコーン化合物等が挙げられる。難燃剤としては含リン化合物、トリアジン系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、めっき活性剤、有機や無機の充填剤も挙げられる。また、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の硬化剤やポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の他樹脂を配合してもかまわない。
本発明の金属箔ポリイミド系樹脂積層体の製造方法について述べる。
金属箔上に設けた表面処理剤層を過熱水蒸気により熱処理した後に、表面処理剤層の過熱水蒸気処理面上に、ポリイミド系樹脂層を積層することにより金属箔ポリイミド系樹脂積層体が得られる。ポリイミド系樹脂層の積層は、ポリイミド系樹脂フィルムを金属箔処理面上に貼りあわせることによっても可能であるが、ポリイミド系樹脂溶液を金属箔に塗布し一次乾燥したのち、さらにより高温での二次乾燥・熱処理を行うことが望ましい。一次乾燥後の塗布層中の残存溶剤率を5〜35質量%、好ましくは15〜30質量%の範囲に調整することで溶剤の蒸発に伴う体積収縮の影響を小さくすることができ、剥離強度やカールの改善に効果がある。一次乾燥条件は60〜150℃で1〜20分が望ましい。
一次乾燥後、二次加熱処理を行う。ポリイミド系樹脂がポリイミド前躯体樹脂の場合には、残留溶剤の除去とイミド化反応を目的として二次加熱処理を行う。ポリイミド系樹脂が溶剤可溶ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂の場合には残留溶剤の除去を目的とする。一次乾燥と二次乾燥を一括して行ってもかまわないが、一次乾燥と二次乾燥の熱処理時間が異なることや、巨大な装置を必要とすること等の不都合がある。
二次加熱処理時に、過熱水蒸気による熱処理が望ましい。過熱水蒸気処理は熱風乾燥や赤外線や遠赤外線乾燥と併用してもかまわない。用いる過熱水蒸気の温度は200〜400℃が好ましく、250〜350℃の範囲が特に好ましい。200℃未満では乾燥効率が低く乾燥に長時間要する。400℃を超えるとポリイミド系樹脂が劣化するため好ましくない。熱処理時間は用いる樹脂により異なるが、10秒以上10分以下が望ましい。二次加熱処理時には200℃以上の高温になるため、銅箔の変色や、物性の変化が起こることがある。必要により酸素濃度を下げることが必要となる。銅箔を用いる場合には酸素濃度を5%以下、好ましくは0.5%以下に下げることが望ましい。5%を超えると銅箔が変色したり、ポリイミド系樹脂が酸化劣化する場合がある。
また、二次乾燥はスペーサーを挟み込んだ巻物状で、真空乾燥や不活性雰囲気下での乾燥・熱処理を用いたバッチ処理も望ましい。
なお、乾燥、加熱処理後のポリイミド系樹脂層(基板)の厚さは、5〜40μm程度がフレキシブル性の点で好ましい。
金属箔上に設けられて過熱水蒸気処理された表面処理剤層の表面は、有機官能基又は有機官能基を含有する炭化水素基が多く存在するようになっているため、ポリイミド系樹脂の濡れ性が良好であり、その結果として金属箔とポリイミド系樹脂層との接着性が向上することになる。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下の方法によって測定したものである。
はんだ耐熱性:
幅1mmおよび0.1mmの回路パターンを作成した銅箔積層板について、40℃、65%RHで24時間調湿し、フラックス洗浄した後、300℃の噴流はんだ浴に20秒間浸漬し、剥がれや膨れの有無を目視観察した。
剥がれや膨れ等の異常が見られなかった物を○、剥がれや膨れが見られた物を×とした。
接着力(引き剥がし強力):
上記、幅1mmの回路パターンを作成した銅箔積層板について、銅箔と基材(絶縁樹脂層)との接着力を、サンプルを引っ張り速度50mm/分、測定温度20℃、引き剥がし角度90度で測定し、幅1cm当りに換算した。
接着力の回路幅依存性:
上記、幅0.1mmの回路パターンを作成した銅箔積層板について、銅箔と基材(絶縁樹脂層)との接着力を、サンプルを引っ張り速度50mm/分、測定温度20℃、引き剥がし角度90度で測定した。得られた測定値を幅1cm当りに換算後、上記の幅1mmでの接着力を100とした時の相対値を求めた。
耐熱耐久性:
上記、幅1mmの回路パターンを作成した銅箔積層板について、銅箔と基材(絶縁樹脂層)との接着力(引き剥がし強力)を、サンプルを150℃に調温した乾燥器に10日間放置後に測定した。
なお、実施例、比較例で用いた金属箔は下記のものである。
・銅箔A:電解銅箔(厚み18μm)の粗化面に黄銅層を形成後、亜鉛−クロメート処理による防錆層が設けられている。表面粗さ(Rz)0.6μm。
・銅箔B:表面処理を施していない未処理電解銅箔(厚み18μm)の粗化面を5%塩酸水溶液に1分間浸漬し、表面酸化皮膜を除いた後、水洗乾燥した。表面粗さ(Rz)0.8μm。
・ステンレス:SUS304、圧延箔、厚み50μm、表面粗さ2μm。
表面処理剤1:
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシシラン5gをイソプロピルアルコール800ccに溶解したもの。
表面処理剤2:
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン4g、フェニルトリエトキシシラン1g、イソプロピルアルコール800cc、水200ccからなる溶液を1規定塩酸によりpH3に調整したもの。
表面処理剤3:
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン4g、ジャパンエポキシレジン社製フェノールノボラックタイプエポキシ「152」1g、アセトン500cc、イソプロピルアルコール300cc、水200ccからなる溶液を1規定塩酸によりpH3に調整したもの。
・合成例1
反応容器に無水トリメリット酸154g、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32g、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29g、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート264g、トリエチルジアミン0.5gおよびN-メチル-2-ピロリドン2.7Kgを加え、150℃まで1時間かけて昇温し、さらに150℃で5時間反応させた。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.6でガラス転移温度は285℃であった。
・合成例2
N,N-ジメチルアセトアミド850g、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル42.4gおよび1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン87.6gを反応容器に投入し、攪拌し溶解させた。ついで、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.4g2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物117.6g加え、室温にて5時間攪拌を続けポリイミド前躯体を得た。
<実施例1>
銅箔Aを表面処理剤1中に30秒間室温で浸漬した。取り出して風乾して銅箔A表面に表面処理剤層を形成させた(厚み0.1μm)。その後、過熱水蒸気により熱処理をした。過熱水蒸気の発生装置として蒸気過熱装置(第一高周波工業株式会社製「DHF Super-Hi 10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を供給する乾燥・熱処理炉で行った。酸素濃度は0.5%未満であった。
次いで、銅箔Aの表面処理剤層の過熱水蒸気処理面に、合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターにより、乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で10分間、熱風により一次乾燥した。さらに、実施例1の実験番号1、2ではそれぞれ過熱水蒸気により二次乾燥と熱処理を行い、実施例1の実験番号3では熱風乾燥で二次乾燥と熱処理を行い、それぞれ銅箔積層板を得た。
得られた銅箔積層板の銅箔をサブトラクティブ法によりエッチング加工し、幅1mmおよび0.1mmの回路パターンを作成した。回路パターンを形成したそれぞれの銅張積層板について、はんだ耐熱性、接着力、耐熱耐久性を測定した。得られた評価結果を表−1に示す。
<実施例2>
銅箔Bを使用すること以外は実施例1と同様にして銅張積層板を得た。実施例1と同様にして得た回路パターン形成銅張積層板についての評価結果を表−1に示す。
<実施例3>
銅箔Aあるいは銅箔B、表面処理剤2あるいは3を用いて実施例1と同様に表面処理剤層の形成、過熱水蒸気処理を行った。銅箔の表面処理剤層の過熱水蒸気処理面に、合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターにより、乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で10分間、熱風により一次乾燥した。さらに表−1に記載した条件で二次乾燥と熱処理を行い、銅箔積層板を得た。実施例1と同様にして得た回路パターン形成銅張積層板についての評価結果を表−1に示す。
<比較例1>
銅箔AあるいはBに銅箔の表面処理を行うことなく直接、合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターにより、乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で10分間一次乾燥した。二次乾燥として実施例1と同様に、過熱水蒸気により乾燥・熱処理を行い、銅箔積層板を得た。実施例1と同様にして得た回路パターン形成銅張積層板について、はんだ耐熱性、接着力、耐熱耐久性を測定した。得られた評価結果を表−1に示す。
<比較例2>
銅箔Aあるいは銅箔B、表面処理剤1、2あるいは3を用いて、実施例1と同様に表面処理剤に浸漬して取り出した後に、過熱水蒸気処理はしないで、100℃の熱風による熱処理を行った。銅箔の表面処理面に、合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターにより、乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、100℃で10分間、熱風により一次乾燥した。さらに表−1に記載した条件で二次乾燥と熱処理を行い、銅箔積層板を得た。実施例1と同様にして得た回路パターン形成銅張積層板についての評価結果を表−1に示す。
<実施例4>
厚み50μmのステンレス箔を表面処理剤2に30秒間浸漬し、風乾後、実施例1と同様に過熱水蒸気処理を実施した。過熱水蒸気処理した表面処理剤層面に合成例2のポリイミド前躯体溶液を乾燥後の厚みで30μmになるように、アプリケーターにより塗布した。100℃で10分間一次乾燥後、さらに100℃から昇温速度10℃/分で350℃まで25分の熱処理を行った。さらに続けて350℃で20分間、熱風乾燥を行い、ステンレス積層板を得た。実施例1と同様にして得た回路パターン形成ステンレス積層板についての評価結果を表−1に示す。
<比較例3>
厚み50μmのステンレス箔を表面処理剤2に30秒間浸漬し、風乾後、過熱水蒸気処理をしないで、100℃の熱風により熱処理を行った。表面処理剤層面に合成例2のポリイミド前躯体溶液を乾燥後の厚みで30μmになるように、アプリケーターにより塗布した。100℃で10分間一次乾燥後、さらに100℃から昇温速度10℃/分で350℃まで25分の熱処理を行った。さらに続けて350℃で20分間、熱風乾燥を行い、ステンレス積層板を得た。実施例1と同様にして得た回路パターン形成ステンレス積層板についての評価結果を表−1に示す。
Figure 2010083094
本発明は、簡便な製造方法で絶縁層材料との接着性に優れた金属箔を提供することができ、さらに、金属箔の表面処理剤層上にポリイミド系樹脂層を設けた金属箔ポリイミド系樹脂積層体は、はんだ耐熱性や耐熱耐久性に優れ、高密度化プリント配線板の用途に好適なものである。

Claims (2)

  1. 金属箔の少なくとも片面に下記式(1)で表される有機ケイ素化合物又は/及び式(1)で表される有機ケイ素化合物の加水分解物の少なくとも1種を50質量%以上含有する厚さ0.001〜1μmの表面処理剤層が設けられ、かつ該表面処理剤層が過熱水蒸気処理されてなることを特徴とする表面処理金属箔。
    SiX(4−m−n) (1)
    (式中Yは有機官能基又は有機官能基を含有する炭素原子数1〜30の炭化水素基、Rは炭素原子数1〜30の炭化水素基、Xは加水分解性基を表す。mは1又は0、nは0、1又は2で、かつm+nは1又は2を示す。)
  2. 請求項1記載の表面処理金属箔の表面処理剤層面上に、ポリイミド系樹脂層が積層されてなることを特徴とする金属箔ポリイミド系樹脂積層体。
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