JP2010082732A - 切削インサート - Google Patents

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Abstract

【課題】円周状をなす切刃が形成された切削インサートにおいて、切込み量や送り量が小さくて幅狭で肉厚の薄い切屑が生成されるような場合でも、確実な切屑処理を図る。
【解決手段】円形状のすくい面3の外周縁に切刃5が形成され、このすくい面3には、すくい面3がなす円の中央部から切刃5に向けて延びる複数の突条部9がこの円の周方向に間隔をあけて放射状に形成されており、突条部9の突稜線9B部分は、少なくとも切刃5に交差する部分がブレーカ面10とされている。
【選択図】図8

Description

本発明は、円形状のすくい面の外周縁に切刃が形成されて、円周状をなすことになるこの切刃により被削材の倣い旋削等を行う切削インサートに関するものである。
このような円形状のすくい面を備えた切削インサートとしては、例えば特許文献1に、上面と湾曲した二番取り面とを有しこれらの間の実質的に円形状の切り刃を定め更に切り屑成形具が上面に配置された金属切削用チップにおいて、切り屑成形具は上面に形成された複数の実質的に半径方向の凹所を備え、この凹所はそれぞれ切り刃に隣接したこれと同じ長さのランド面から延びかつランド面に滑らかに変わり、実質的に中央に置かれた反らせ壁に滑らかに変わり、隣接凹所が実質的に半径方向の真っすぐな隆起において交差し、各隆起は、その一方の端部において、ランド面から滑らかに延びている要素すくい面に滑らかに変わり、更にその反対側端部において、反らせ壁に滑らかに一緒に変わるようにされたものが提案されている。
また、特許文献2にも、円形状のすくい面と逃げ面との交差稜線部に円周状の切刃が形成された切削インサートにおいて、上記すくい面に切屑反らせ(chip deflector)を形成した切削インサートが提案されている。
特開平5−253709号公報 米国特許第6796752号明細書
しかしながら、このうち特許文献2に記載の切削インサートでは、上記切屑反らせが、円周状をなす切刃からすくい面の内周側に間隔をあけて形成されているため、例えば被削材への切込み量や送り量が小さくて厚みの薄い切屑が生成される場合などには、切屑反らせに達する前に切屑が伸び上がってしまい、確実な切屑処理を図ることが困難となるおそれがあった。
これは、特許文献1に記載の切削インサートでも同様であり、すなわちこの特許文献1に記載の切削インサートでは、上記隣接凹所が交差する半径方向に真っ直ぐな隆起を跨ぐように切屑を生成させることにより、その幅方向に変形させて剛性化するとともに反らせ壁に向けて案内し、こうして剛性化した切屑を反らせ壁に衝突させて分断するようにしているが、円周状の切刃を有する切削インサートにおいて切込み量が小さいと切屑の幅も小さくなってしまうため、場合によっては切屑が上記隆起を跨ぐことなく凹所内に流れ込むように生成されるおそれがあり、やはり反らせ壁に達する前に切屑が伸びきって処理が困難となってしまう。
また、この特許文献1に記載の切削インサートでは、このように隣接凹所が交差する稜線である隆起によって切屑を剛性化しているため、この隆起が摩耗しやすく、長期に亙って安定した切屑処理性を維持することも困難となる。さらに、すくい面の中央部は、上記反らせ壁を側壁とする円錐台状の突起が形成されることにより高くなっており、上述のように伸びきった切屑がこの突起に衝突すると、その流出方向を制御することができなくなって、被削材の加工面を傷付けたりするおそれも生じる。また、例えば突起を挟んで一方の側の切刃で生成された切屑が伸びて連続して流出する場合、この切屑を突起の一方の側を向く反らせ壁に衝突させてその流出方向を制御できていたとしても、倣い加工によって切屑が生成される位置が切刃上で変化して突起を挟んだ他方の側に移ったときには、切屑は連続したままこの他方の側の切刃から突起の一方の側の反らせ壁に伸びて排出されるという無理な流れをなすことになり、すなわち中央部の突起が邪魔になって切屑の自由な排出が阻害されるという問題も生じる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、円周状をなす切刃が形成された切削インサートにおいて、切込み量や送り量が小さくて幅狭で肉厚の薄い切屑が生成されるような場合でも、確実な切屑処理を図ることが可能な切削インサートを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、円形状のすくい面の外周縁に切刃が形成され、上記すくい面には、該すくい面がなす円の中央部から上記切刃に向けて延びる複数の突条部が該円の周方向に間隔をあけて放射状に形成されており、上記突条部の突稜線部分は、少なくとも上記切刃に交差する部分がブレーカ面とされていることを特徴とする。
このように構成された切削インサートでは、すくい面に形成された上記突条部の突稜線部分が、ある程度の幅をもったブレーカ面として切刃に交差させられているので、上述のように幅狭で肉厚の薄い切屑が生成されても、これを切刃で生成された直後にこのブレーカ面に摺接させて抵抗を与えることによりカールさせて分断処理することができる。しかも、このブレーカ面は面であるため、こうして切屑が摺接しても摩耗し難く、長期に亙って安定した切屑処理を図ることができる。
また、このように切屑を生成直後からブレーカ面に摺接させて処理することができるため、特許文献1に記載の切削インサートのようにすくい面の中央部に突起を設けて高くする必要がなくなり、このすくい面の中央部を、例えばすくい面におけるブレーカ面の突端を越えない高さに抑えることができる。従って、万一ブレーカ面による処理が不十分で切屑が伸びてしまっても、切屑はこの中央部を通って被削材に切り込まれた切刃部分とは反対側に流出することになるため、被削材の加工面を傷付けることはなく、また倣い切削によって切屑が生成される位置が切刃上で変化しても、切屑の自由な排出が阻害されることもない。
そして、さらにこうしてすくい面の中央部の高さを抑える場合などには、このすくい面の中央部に、該すくい面がなす上記円の周方向に隣接する上記突条部同士の間隔部分に連通するように凹む凹部を形成することにより、切削時に供給される切削油剤をこの凹部に保持し、該凹部から上記突条部同士の間隔部分を介して切刃やブレーカ面に導入することができる。このため、これら切刃や、特にブレーカ面の摩耗や発熱を抑えて、一層長期に亙って安定した切屑処理を図ることが可能となる。
なお、こうしてすくい面の中央部に凹部を形成して切削油剤を保持、導入する場合には、上記周方向に隣接する突条部同士の間隔部分の上記中央部側に、さらに上記凹部に連通する窪みを形成することにより、凹部に供給された切削油剤をこの窪みに導入してさらに一旦保持した上で、突条部同士の間隔部分に導くことができ、この間隔部分から切刃やブレーカ面への切削油剤の供給をより安定させて、これら切刃やブレーカ面の摩耗や発熱を一層抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、幅狭で肉厚の薄い切屑が生成されるような場合でも、これを確実に処理して円滑な切削加工を促すことができ、しかもこのような切屑処理性を長期に亙って安定して維持することが可能となる。
図1ないし図9は、本発明の切削インサートの一実施形態を示すものである。本実施形態の切削インサートにおいて、そのインサート本体1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて概略方形軸状(方形柱状)をなし、その長手方向(図2〜図4における左右方向)に直交してこの長手方向中央に位置する平面に関して略対称に形成されるとともに、この平面に直交してインサート本体1の幅方向(図2および図4における上下方向。図5においては左右方向)中央に位置し、インサート本体1の厚さ方向(図3および図5における上下方向)に延びる平面に関しても対称な形状とされている。
このインサート本体1の長手方向の端部(両端部)には切刃部2が形成されており、この切刃部2には、上記厚さ方向を図1、図3、図5において上側に向く円形状のすくい面3と、このすくい面3に交差して同図1、図3、図5において下側に延びる逃げ面4とが形成されていて、これらすくい面3と逃げ面4とがなす交差稜線、すなわちすくい面3の外周縁に、円周状をなす切刃5が形成されている。
なお、逃げ面4は、切刃5から離間して上記下側に向かうに従い該切刃5がなす円周から漸次縮径するように概略円錐面状に形成されており、これにより本実施形態の切削インサートは切刃5に逃げ角が付されたポジティブタイプのインサートとされている。ただし、切刃部2の長手方向を向く端面において逃げ面4の下側は、長手方向に垂直な平坦面6とされている。
また、長手方向両端の切刃部2の間において、上記厚さ方向にすくい面3と同じ側を向くインサート本体1の上面部7は、図3に示すようにこれら切刃部2よりも厚さ方向に一段突出するようにされている。さらに、この上面部7と、該上面部7とは反対のインサート本体1の下面部8とには、その長手方向全長に亙って断面凹V字状をなす取付溝部7A,8Aが形成されている。なお、上面部7の上記長手方向を向く端面7Bは、それぞれ切刃部2側に向かうに従い下面部8側に向かって傾斜する傾斜平面とされている。
本実施形態の切削インサートは、これらの取付溝部7A、8Aが、インサート着脱式旋削工具のホルダに形成されたインサート取付座の互いに対向して断面凸V字状をなす一対の顎部に当接して挟み込まれるとともに、一方の端部の上記平坦面6がこれら一対の顎部の奥に形成された当接部に当接させられて、このホルダに保持される。そして、この一方の端部とは反対の、インサート取付座から突出させられる他方の端部の切刃部2により、被削材の倣い加工等に使用される。
さらに、上記すくい面3がなす円の直径は、図2に示すように両端の切刃部2の間におけるインサート本体1の幅よりも僅かに大きくされており、切刃5は、この切刃部2の間におけるインサート本体1の幅方向を向く側面が逃げ面4と交差する部分までの、各切刃部2における上記長手方向外側の先端側部分に形成されていて、中心角が180°を僅かに超える円弧状とされている。また、この切刃5は、図3および図5に示すように、上記厚さ方向に垂直な1つの仮想平面P上に位置させられている。
そして、このすくい面3には、該すくい面3から上記厚さ方向に突出する複数(本実施形態では4条)の突条部9が、それぞれこのすくい面3がなす円の中央部から切刃5に向かうように、かつ互いにはこの円の周方向に間隔をあけて放射状に延びるように形成されている。さらに、これらの突条部9の上記厚さ方向に突出した突稜線部分は面取りされており、この面取りされた部分が切刃5に交差するように形成されて、ブレーカ面10とされている。
ここで、個々の突条部9は、それぞれすくい面3がなす円の半径方向に延びるように形成されていて、上記仮想平面Pに垂直でこの半径方向に延びる平面に関して対称形状に形成されている。また、上記ブレーカ面10は、こうして延びる突条部9のうち切刃5に連なるすくい面3の外周側部分だけに形成されており、このブレーカ面10が形成されていない内周側部分で突条部9は、上記仮想平面Pに垂直かつ上記半径方向に直交する断面において概略二等辺三角形状をなすように突出している。従って、突条部9には、上記円の周方向を向いてこの二等辺三角形の二等辺をなす一対の傾斜側面9Aが形成されて、これらの傾斜側面9Aの交差稜線が突条部9の突稜線9Bとされ、この突稜線9Bを切刃5側に延長した突稜線部分が面取りされて上記ブレーカ面10が形成される。
このブレーカ面10は、上記仮想平面Pに垂直かつ上記半径方向に直交する断面においては、この仮想平面Pに平行に延びるようにされるとともに、同仮想平面Pに垂直で上記半径方向に沿った断面においては、図7に示すように切刃5側からすくい面3の内周側に向かうに従い本実施形態では滑らかな凹曲線を描きつつ、該仮想平面Pに対して上記厚さ方向に漸次突出して隆起するように形成されている。
また、図9に詳しく示すように、突条部9自体は切刃5側に向かうに従い上記円の周方向の幅が幅狭となるように、すなわち上記半径方向に直交する断面において上記一対の傾斜側面9Aが二等辺をなす二等辺三角形が、この半径方向に沿って切刃5側に向かうに従い漸次小さくなるように形成される一方、ブレーカ面10は逆に切刃5側に向かうに従い幅広となるように形成されている。なお、このブレーカ面10と一対の傾斜側面9Aとは鈍角をなして交差することになり、それぞれの交差稜線10Aは、同図9に示すように上記仮想平面Pに対向する平面視において傾斜側面9A側に膨らむ凸曲線をなし、切刃5とその交点における接線に略直交するように交差させられている。
さらに、この突条部9は、上述のように切刃5側からすくい面3の内周側に向かうに従い漸次突出するように形成されたブレーカ面10の突端Q、すなわち上記突稜線9Bと一対の上記交差稜線10Aとの交点が、すくい面3上で上記厚さ方向に最も突出した高さとなるようにされている。従って、突稜線9Bは、この突端Qと等しい高さで仮想平面Pに平行に延びるか、あるいは内周側に向かうに従い上記厚さ方向に後退するように緩やかに傾斜して延びることになる。
本実施形態では、このような突条部9が、隣接する突条部9同士の間隔が略等間隔となるように、すくい面3がなす円の中心を通り上記仮想平面Pに直交するすくい面中心線Cを中心として所定角度ずつ回転対称に形成されている。なお、こうして隣接する突条部9は、互いに対向する上記傾斜側面9Aの上記厚さ方向の基端縁(傾斜側面9Aとすくい面3との交差稜線)同士がすくい面3の内周側(中央部側)で交差するように延びている。また、これら隣接する突条部9の互いに対向する上記傾斜側面9A同士の切刃5側における間隔(すくい面3がなす円の周方向の間隔)は、突条部9のブレーカ面10の切刃5側の幅(ブレーカ面10が交差した部分における切刃5の幅)よりも大きくされている。
さらに、上述のように円弧状に形成された切刃5の両端部においては、この両端部側の突条部9の各端部側を向く傾斜側面9Aに対向するように、該傾斜側面9Aと上記仮想平面Pに垂直な平面に関して面対称形状の傾斜側面9Cがそれぞれ形成されている。ここで、本実施形態では、この面対称の基準となる平面は、上記すくい面中心線Cを含んで上記長手方向に垂直な平面とされている。
また、すくい面3がなす円の周方向においてこれらの傾斜側面9Cの間の、切刃5が形成された長手方向外側とは反対を向くすくい面3の後端側部分は、上記すくい面中心線Cを含む平面による断面形状が、いずれの位置の断面においても、突条部9の上記突稜線9Bに沿った断面と同形状となるようにされている。すなわち、当該部分において、すくい面3がなす円の外周側は、内周側(中央部側)に向かうに従い凹曲線を描きつつ厚さ方向に突出するように隆起し、突条部9の上記突端Qと同じ高さで最も高い位置となるように、また周方向にはこのような凹曲線が連続して周回するように形成されるとともに、これよりも内周側は仮想平面Pに平行な平坦面か、あるいは内周側に向かうに従い厚さ方向に後退するように緩やかに傾斜する凹円錐面とされる。
このように突条部9と傾斜側面9Cとが形成されることにより、すくい面3には、隣接する突条部9の互いに対向する傾斜側面9A同士の間と、切刃5の両端部の突条部9の傾斜側面9Aと傾斜側面9Cとの間とに、すくい面3がなす円の外周側に向かうに従い同円の周方向の幅が漸次拡がって切刃5に交差する概略扇状の部分が残されることになる。そして、この扇状の部分は、図6に示すように切刃5から上記円の内周側に向かうに従い上記仮想平面Pに対して厚さ方向に後退するポジすくい面3Aとされており、特に本実施形態では上記すくい面中心線Cを中心とした凹円錐面状とされている。
一方、突条部9と上述のような後端側部分とにより上記厚さ方向に凸となるすくい面3の中央部には、本実施形態では凹部11が形成されている。この凹部11は、図6および図7に示すように凹曲面状の底面を有するものであって、この底面は例えば上記すくい面中心線C上に中心を有する凹球面状とされている。ただし、その深さは、凹部11の底面が最も上記厚さ方向に凹むすくい面中心線C上の位置においても、上記仮想平面Pと同等か、これよりも高い位置に底面が位置するようにされている。
また、この凹部11のすくい面3中央部における開口半径は、すくい面中心線Cから各突条部9の突端Qまでの距離よりは小さく、かつ、隣接する突条部9の互いに対向する傾斜側面9A同士の交差稜線を突端Qと同じ高さまで延長したと想定したときのすくい面中心線Cからの距離よりは大きくされている。従って、凹部11の底面は、この互いに対向する傾斜側面9A同士の交差稜線の延長線に交差することになって、すなわち凹部11により、すくい面3中央部側の、この交差稜線の上縁部周辺の傾斜側面9Aが切り欠かれることになり、これにより該凹部11は、すくい面3がなす円の周方向に隣接する突条部9同士の間の間隔部分に連通するように凹むことになる。
ただし、本実施形態では、こうして凹部11により切り欠かれるはずの突条部9同士の間隔部分におけるすくい面3中央部側の上記交差稜線の上縁部周辺に、さらに該凹部11に連通するように窪み12が形成されており、凹部11は実際にはこの窪み12を介して突条部9同士の間隔部分に連通することになる。この窪み12もまた、その底面が凹曲面状に形成されたものであって、ただしその曲率半径は、図6に示すように凹部11の底面がなす凹曲面の半径よりも小さくされている。なお、窪み12は、隣接するすべての突条部9同士の間隔部分と、切刃5の両端部の突条部9と傾斜壁面9Cとの間隔部分とに形成されている。
このように構成された切削インサートにおいては、すくい面3に形成された突条部9の傾斜側面9A同士の突稜線9Bが切刃5側で面取りされてブレーカ面10が形成され、このブレーカ面10がそのまま切刃5に交差させられているので、肉厚の大きい切屑は勿論、切込み量や送り量が小さくて肉厚の薄い切屑が生成されるような場合でも、生成直後からブレーカ面10に摺接させることによってこの切屑に抵抗を与えてカールさせ、分断して円滑に処理することができる。また、このブレーカ面10は上述のようにすくい面3がなす円の周方向にある程度の幅をもって形成されているので、こうして切屑が摺接しても容易に摩耗することがなく、従って長期に亙ってこのような円滑な切屑処理性を安定して維持することができる。
特に、本実施形態では、このブレーカ面10と突条部9の両傾斜側面9Aとの交差稜線10Aが、切刃5との交点における該切刃5の接線と直交するようにこの切刃5と交差し、すくい面3がなす円の内周側に向かうに従い上記幅が狭くなるような、両傾斜面9A側に膨らむ凸曲線状とされているので、切屑の生成直後の切刃5側では、より広い幅を維持して切屑に大きな抵抗を与えることができる。その一方で、このブレーカ面10は、切刃から離れた上記円の内周側では幅狭となり、突条部9の突端Qにおいて幅が0となって潰えてしまうので、必要以上に大きな抵抗が与えられて、その反作用により切削抵抗の増大を招くようなことがない。なお、ブレーカ面10は突条部9の全長に亙って形成されていてもよい。
また、本実施形態では、このブレーカ面10の突端Qが突条部9において最も上記厚さ方向に突出して、すくい面3上で上記仮想平面Pに対する高さが最高位置とされており、すなわち切刃5から突条部9に沿って上記円の内周側に向けた延長線上には、この突端Qよりも突出して切屑の流れを遮るような障害物がない。このため、万が一このブレーカ面10による切屑処理が不十分で、切屑が被削材からこの延長線上に向けて伸びてしまったような場合でも、伸びた切屑はこの延長線に沿って遮られることなく被削材の切削部位から反対側に流出するだけであるので、かかる切屑が被削材の加工面を傷付けてしまうような事態は避けることができる。また、倣い加工によって切屑の生成される位置が切刃5上で変化しても、切屑の自由な排出が阻害されることもない。
さらに、こうして突条部9の突端Qがすくい面3上での最高位置とされて、その延長線上すなわちすくい面3内周側の中央部にこれよりも高い凸部が形成されないようにするのに、本実施形態では逆にこの中央部に凹部11を形成するようにしており、従って上述のような場合の切屑の上記延長線に沿った流出を一層円滑なものとすることができて、加工面が傷付けられる事態をより確実に防止することができる。また、このように凹部11が形成されることで、インサート本体1を形成するのに要する材料も削減することができてコストダウンを図ることもできる。
そして、さらにこの凹部11は、すくい面3がなす円の周方向に隣接する突条部9同士の間隔部分に連通するように凹んでいるので、切削時に切刃部2に向けて供給される切削油剤を、この凹部11内に一旦保持して上記間隔部分に流入させ、さらにこの間隔部分から切刃5や突条部9のブレーカ面10に連続的に導入して供給することが可能となる。このため、切刃5や、特にブレーカ面10の摩耗や発熱を一層確実に抑制することができるので、本実施形態によれば、さらに長期に亙って上述のような円滑な切屑処理性を維持することができる。
しかも、本実施形態では、この凹部11と上記間隔部分の間の、すくい面3の中央部側に、さらにこの凹部11に連通する窪み12が形成されており、従って凹部11に保持した切削油剤を次にこの窪み12に導入して保持し、この窪み12から突条部9の上記間隔部分を介して切刃5やブレーカ面10に供給することができる。従って、例えば切刃部2への切削油剤の供給が切屑に妨げられたりして不安定となっても、これら切刃5やブレーカ面10には途切れることなく常に安定して切削油剤を供給することが可能となる。
ただし、本実施形態ではこのように窪み12を、隣接するすべての突条部9同士の間隔部分と、切刃5の両端部の突条部9と傾斜壁面9Cとの間隔部分とに形成しているが、例えば周方向に1つおきに形成したりしてもよく、また上述のように凹部11が突条部9同士の間隔部分に十分大きな連通部を介して連通していれば、窪み12を形成しなくてもよい。さらに、切刃5やブレーカ面10に安定して確実に切削油剤が供給可能であったりすれば、凹部11についても場合によっては必ずしも形成されていなくてもよく、すなわちすくい面3の中央部が上記突端Qと同じ高さで突出した仮想平面Pに平行な平坦面とされていてもよい。
本発明の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の平面図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の底面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 図2におけるaa断面図である。 図2におけるbb断面図である。 図1に示す実施形態の切刃部2の拡大斜視図である。 図1に示す実施形態の切刃部2の拡大平面図である。
符号の説明
1 インサート本体
2 切刃部
3 すくい面
5 切刃
9 突条部
9A、9C 傾斜側面
9B 突条部9の突稜線
10 ブレーカ面
11 凹部
12 窪み
C すくい面中心線
P 切刃5が位置する仮想平面
Q 突条部9の突端

Claims (3)

  1. 円形状のすくい面の外周縁に切刃が形成され、上記すくい面には、該すくい面がなす円の中央部から上記切刃に向けて延びる複数の突条部が該円の周方向に間隔をあけて放射状に形成されており、上記突条部の突稜線部分は、少なくとも上記切刃に交差する部分がブレーカ面とされていることを特徴とする切削インサート。
  2. 上記すくい面の中央部には、上記円の周方向に隣接する上記突条部同士の間隔部分に連通するように凹む凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 上記周方向に隣接する上記突条部同士の間隔部分には、上記中央部側に、さらに上記凹部に連通する窪みが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の切削インサート。
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