JP2010082670A - プラズマキーホール溶接のバックシールド方法及びプラズマキーホール溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バックシールド治具9とワーク2の間に隙間を設けて、治具9内の余剰な不活性ガスと、トーチ54からのプラズマ流をスムーズに外部に排出することにより、開先部21での上下からのガスの衝突を防止でき、スムーズにプラズマが開先部21を通過できる。これにより良好なプラズマアーク形状を得ることができ、酸化を防止しながら安定した裏波ビードを形成できる。
【選択図】図1
Description
また、管材をプラズマキーホール溶接する場合は、特許文献2のように、溶接される管材の両端を塞いで内部に不活性ガスを充填して溶接する方法などが採用されている。
また、特許文献2のように管の内部に不活性性ガスを充填するためには大量の不活性ガスを必要として費用がかかる。また、溶接前に不活性ガスを管内全体に充填するのに長時間かかるという経済性及び生産性上の問題があった。
被溶接ワーク間の開先をトーチに正対させながら、被溶接ワークを所定のスピードで移動させるワーク搬送手段と、
被溶接ワークの反トーチ側の開先に沿って延在し、開先に正対する面に開先の幅より広い溝部を有するバックシールド治具と、
このバックシールド治具の溝部に不活性ガスを噴射する不活性ガス噴射手段と、
バックシールド治具を、溝部の縁が被溶接ワークから所定の隙間を保持しながら被溶接ワークの移動に追従するよう搬送するバックシールド治具搬送手段とを備えたものである。
また、溶接中に溶融金属が空気から十分遮断されるので、被溶接ワークの溶接部分に添加金属が酸化して析出することに起因するブローホールやスラグ巻き込み、溶接割れ等の発生を防止できる。
また、不活性ガスの充填時間を短縮し、使用量を削減できるのでプラズマキーホール溶接作業の経済性、生産性を向上できる。
被溶接ワーク間の開先をトーチに正対させながら、被溶接ワークを所定のスピードで移動させるワーク搬送手段と、
被溶接ワークの反トーチ側の開先に沿って延在し、開先に正対する面に開先の幅より広い溝部を有するバックシールド治具と、
このバックシールド治具の溝部に不活性ガスを噴射する不活性ガス噴射手段と、
バックシールド治具を、溝部の縁が被溶接ワークから所定の隙間を保持しながら被溶接ワークの移動に追従するよう搬送するバックシールド治具搬送手段とを備えたものなので、トーチからのプラズマの噴射が、スムーズに被溶接ワークの開先部を貫通し溶接後に良好な裏波ビード形状を得ることができる。
また、溶接中に溶融金属が空気から十分遮断されるので、被溶接ワークの溶接部分に添加金属が酸化して析出することに起因するブローホールやスラグ巻き込み、溶接割れ等の発生を防止できる。
また、不活性ガスの充填時間を短縮し、使用量を削減できるので経済性、生産性の高いプラズマキーホール溶接装置を提供できる。
この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
まず、この発明によるプラズマキーホール溶接機の機能の概略を説明する。
図1は、本発明を高張力鋼板の管材の溶接に適用したプラズマキーホール溶接装置1(以下、溶接装置1という)の側断面図である。図2はこの溶接装置1を用いて溶接するワーク2の横断面図である。図7は、高張力鋼板からパイプを製造するまでの手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、溶接の前工程で長方形の高張力鋼板の厚板(5mm以上の厚さがあれば良い)をプレス又はロール、あるいはその両方を用いて図2のようなオープンパイプ状に成形した溶接前のワーク2を製造しておき、図1に示す溶接装置1を用いて、ワーク2の外側から、突き合わせた開先部21をプラズマキーホール溶接し、1本のパイプを製造する。
溶接装置1は、溶接前のワーク2を載置する投入側ワーク載置台3と、溶接済みのワーク2を載置する排出側ワーク載置台4、実際の溶接工程を司るトンネル溶接機構5と、溶接時にワーク2(パイプ)の内側から溶接中のワーク2の開先部21をバックシールドするバックシールド機構6、そして、投入側ワーク載置台3上のワーク2をトンネル溶接機構5に挿入し、排出側ワーク載置台4に排出する押し込み機構7から成る。
図1に示すように、まず投入側ワーク載置台3上にパイプ状のワーク2を、溶接する開先部が真上になるように載置する。次に、押し込み機構7の押圧板71によりトンネル溶接機構5にワーク2を挿入するのであるが、押圧板71は図示しないサーボモータ等で駆動され、ワーク2を図1の右側から左側に押し進める。
スライドテーブル63の駆動は図示しないが、圧搾空気やサーボモータによっておこなわれる。
図6はレーザ溶接装置などの従来例における、図5と同じ部分の断面を示す図である。バックシールド治具109(以下治具109と言う)はワーク102に密着している。これをプラズマキーホール溶接に適用すると、トーチ154から噴射されるプラズマの流れ(以下、プラズマ流2aという)は、次の2点においてバックシールドガスの影響を受ける。
従って、プラズマ流aに沿ってトーチ54とワーク2の開先部21の間で発生するプラズマアークの形状を良好に保つことができる。
また、溶接中に溶融金属が空気から十分遮断されるので、ワークの溶接部分に添加金属が酸化して析出することに起因するブローホールやスラグ巻き込み、溶接割れ等の発生を防止できる。
また、ワーク2内部全体に不活性ガスを充填する必要がなく、ガスの充填時間を短縮し、使用量を削減できるのでプラズマキーホール溶接作業の経済性、生産性を向上できる。
本発明の実施の形態2を説明する。
図8はこの実施の形態におけるバックシールド治具209(以下治具209という)の側面図である。図9は、溶接開始時にあるプラズマキーホール溶接装置101の側断面図である。
実施の形態1では治具9とワーク2の間の隙間は自由に変更できた。しかしながら、ワークの長さが長くなればなるほど、治具も長いものが必要となり、隙間の高さを全体に渡って均等に保つことは難しくなる。
また隙間を突起8の高さ以上に広げることは実施の形態1と同様に可能なので、プラズマおよび不活性ガスの流量にフレキシブルに対応できる。
実施の形態1では、ワーク2、209と治具9、209が溶接中に移動するように構成していたが、実施の形態3ではトーチを移動するものとする。
具体的には、実施の形態1における、押し込み機構7に代えて、トンネル溶接機構5に移動手段(図示しない)を備えるものとする。ワークが固定され、トーチが移動するものである。
これにより、実施の形態1及び2と同様の効果を得られる。
21,121 開先部、3 投入側ワーク載置台、4 排出側ワーク載置台、
5 トンネル溶接機構、51 テーパ部、52 回転防止ガイド、53 トンネル金型、54,154 トーチ、6 バックシールド機構、61 高さ調整機構、
62 スライド機構、63 スライドテーブル、7 押し込み機構、71 押圧板、
8 突起、9,109,209 バックシールド治具、94,194 ガス管、
95,195 ガス噴射口、a,2a プラズマ流、b,2b バックシールドガス流、c 層流。
Claims (13)
- トーチからプラズマを噴射して、突き合わせた被溶接ワーク間の開先を互いに溶接するプラズマキーホール溶接において、前記被溶接ワークの反トーチ側の前記開先に沿って延在し、前記開先に正対する面に前記開先の幅より広い溝部を有するバックシールド治具を、前記溝部の縁が前記被溶接ワークに対して所定の隙間を保持するように設置し、前記バックシールド治具の前記溝部内に不活性ガスを噴射しながら前記被溶接ワークを溶接するプラズマキーホール溶接のバックシールド方法。
- 前記バックシールド治具の前記溝部の縁上に凸部を設け、この凸部を前記被溶接ワークに押圧することにより前記隙間の高さを規制する請求項1に記載のプラズマキーホール溶接のバックシールド方法。
- 前記不活性ガスは前記バックシールド治具の長手方向に、前記バックシールド治具に内蔵した配管と噴射口から前記溝部内に噴射する請求項1又は請求項2に記載のプラズマキーホール溶接のバックシールド方法。
- 前記不活性ガスは前記トーチからの前記プラズマの噴射流と正対しないように噴射する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプラズマキーホール溶接のバックシールド方法。
- 前記被溶接ワーク間とは、1枚の長方形の鋼板を円筒状に丸めた時に相対する前記鋼板の2辺間である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプラズマキーホール溶接のバックシールド方法。
- 前記溝部の両端の少なくとも一方は閉じている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプラズマキーホール溶接のバックシールド方法。
- トーチからプラズマを噴射して、突き合わせた被溶接ワーク間の開先を互いに溶接するプラズマキーホール溶接装置において、
前記被溶接ワーク間の前記開先を前記トーチに正対させながら、前記被溶接ワークを所定のスピードで移動させるワーク搬送手段と、
前記被溶接ワークの反トーチ側の開先に沿って延在し、前記開先に正対する面に前記開先の幅より広い溝部を有するバックシールド治具と、
このバックシールド治具の前記溝部に不活性ガスを噴射する不活性ガス噴射手段と、
前記バックシールド治具を、前記溝部の縁が前記被溶接ワークから所定の隙間を保持しながら前記被溶接ワークの移動に追従するよう搬送するバックシールド治具搬送手段とを備えたプラズマキーホール溶接装置。 - 前記バックシールド治具の前記溝部の縁上に凸部を設け、この凸部を前記バックシールド治具搬送手段によって前記被溶接ワークに押圧することにより前記隙間の高さを規制する請求項7に記載のプラズマキーホール溶接装置。
- 前記不活性ガスは前記バックシールド治具の長手方向に、前記バックシールド治具に内蔵した配管から前記溝部内に噴射する請求項7又は請求項8に記載のプラズマキーホール溶接装置。
- 前記不活性ガスは前記トーチからの前記プラズマの噴射流と正対しないように噴射する請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のプラズマキーホール溶接装置。
- 前記ワーク搬送手段に代えて、前記トーチを前記被溶接ワークの開先に沿って移動しながら前記開先を溶接するトーチ移動手段を備えた請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のプラズマキーホール溶接装置。
- 前記被溶接ワーク間とは、1枚の長方形の鋼板を円筒状に丸めた時に相対する前記鋼板の2辺間である請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載のプラズマキーホール溶接装置。
- 前記溝部の両端の少なくとも一方は閉じている請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載のプラズマキーホール溶接装置。
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