JP4781722B2 - レーザピアシング方法及び加工装置 - Google Patents

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この発明は、レーザ切断機による被加工材へのピアシング方法及び該ピアシング方法を用いた加工装置に関する。
従来、例えば鋼鈑等の被加工材をレーザ切断機で切断加工する場合、切断加工の起点となる位置にレーザピアシングによりφ数ミリの小さな貫通孔を設け、そこを起点として切断が行なわれる。
この貫通孔は、材料歩留を低下させずに、被加工材の仕上り精度を高くするうえで重要であり、後工程の切断加工に支障がない範囲で可能な限り小さく、かつ所望の寸法に形成されることが望ましい。
図7に示すのは、レーザ切断機のノズル部の概略構成を示したものであり、ノズル部100は、ノズル本体102と、集光レンズ104とを備えており、ノズル本体102は筒状体に形成され、その基端部102aから先端側の開口部102bに向けて光が通過可能とされ、基端部102a側には集光レンズ104が配置されている。
また、ノズル本体102には、照射したレーザ光により被加工材Wを溶融、蒸発させる際に、酸化反応により被加工材Wを燃焼させるためのアシストガスGをノズル本体102に導入するための導入孔103が設けられている。
上記ノズル部100を用いて、被加工材Wにピアシングする場合、被加工材Wにノズル本体102の開口部102bを対向させ、導入孔103からはノズル本体102内部にアシストガスGを導入し、導入されたアシストガスGは、ノズル本体102の開口部102bから噴射され、被加工材Wの加工部を被覆する。
次いで、レーザ光L1が照射されると、集光レンズ104によって、被加工材Wの表面近傍に焦点をもつレーザ光L2に集光される。このようにして、被加工材Wの表面近傍の焦点に集光したレーザ光L2は被加工材Wを溶融、蒸発させるとともに開口部102bから噴出されたアシストガスGにより酸化、燃焼されるとともに、アシストガスGの噴流によって溶融物が除去される。このような、レーザ光によるピアシングを行なう技術として、例えば、特許文献1に示すようなものが開示されている。
特開2001−47268号公報
しかしながら、ピアシングに際しては、被加工材Wにおいて過剰な酸化、燃焼反応が起こるとピアシング孔径が大きくなり、材料歩留が低下する。一方、例えばレーザ光をパルスの形態で発振してピアシングした場合、ピアシング孔径の精度は向上するものの加工効率が著しく低下するため、高い加工効率を維持しつつ、所望の寸法のピアシング孔を高精度に加工できるレーザピアシング方法及び加工装置が望まれていた。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、鋼鈑等の被加工材にピアシングを行なう場合に、ピアシング孔径が大きくなるのを防止しつつ、高い加工効率で所望の径のピアシング孔を形成し、製造コストを削減することができるレーザピアシング方法及び加工装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1記載の発明は、ノズルから噴射したアシストガスによって金属板加工部を覆い、該加工部にレーザ光を照射することにより金属板にピアシングを行なうレーザピアシング方法であって、前記金属板加工部の板厚に対応して、前記アシストガスの酸素濃度Yを前記加工部の酸化・燃焼が抑制される以下の範囲に調整するとともに、前記アシストガスの噴射圧を以下の範囲に調整してレーザ光を照射することを特徴とする。
前記酸素濃度Yを、
0<t<8mmの範囲において、 0<Y<99.9
8≦t<13.5mmの範囲において、 0<Y≦−1.65t+111.2
13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
5.28t−71.28≦Y≦−1.65t+111.2
かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
この発明に係るレーザピアシング方法によれば、ノズルから噴射されるアシストガスの酸素濃度が被加工材である金属板加工部の板厚に応じて決定され、その酸素濃度にてピアシングが行なわれるので、各被加工材の板厚において、材料歩留や品質面で良好な径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、レーザ光を連続的に照射した場合においても、過剰な酸化、燃焼が生じないようにアシストガスの酸素濃度を調整することで、連続照射による高い生産性を確保しつつ、孔径精度が高いピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、アシストガスの酸素濃度に加えてアシストガスの噴射圧が被加工材の板厚に応じて決定され、その酸素濃度及び噴射圧にてピアシングが行なわれるので、ピアシングが被加工材の厚さ方向の加工終端部近傍まで進行した場合においても、加工部位までアシストガスの噴射エネルギーが充分に到達して、溶融物がピアシング孔から充分に排除され、ピアシング加工がスムースに行なわれ、セルフバーニングが抑制されるので、材料歩留や品質面で良好な径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、レーザ光を被加工材に連続照射する際に、被加工材である板厚に応じて上記数式で与えられる酸素濃度Yのアシストガスを上記噴射圧Pにて噴射させつつピアシングを行なうため、過剰な酸化、燃焼反応の発生が抑制される。
その結果、ピアシング孔径が従来に比較して約20%小さく、板厚に対して約1/3の良好な径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。また、形成されるピアシング孔径が小さいのでピアシング孔から飛散するノロの量が抑制され、ノロ付着による切断ミスやノロに起因する火災発生の虞がなくなるので、従来、板厚12mmまでしか実現できなかった連続照射によるピアシングの自動運転を無監視にて、板厚約16mmまで行なうことができる。
また、噴射圧Pを上記の下限以上とすることで、ピアシング孔内から溶融物が充分に排除されピアシング孔内に溶融物が留まるのが低減されるので、被加工材への溶融金属からの熱伝導が増大が抑制され、加工効率を向上させつつセルフバーニングが抑制される。また、噴射圧Pを上記上限以下とすることで、ピアシング孔内における過剰な酸化反応と、それに伴うノロの飛散量の増大が抑制されるので、所望の孔径のピアシング孔を被加工材の歩留りと加工効率を向上させつつ形成することができる。
また、鋼板等の被加工材にピアシングを行ない、その周囲を切断除去して小穴を形成するいわゆる小穴切断では、連続照射によって小穴切断をする場合、切断可能な小穴の直径は、一般的に板厚×約1.5倍以上であるが、小穴切断の起点となるピアシング孔の孔径を板厚の1/3まで小さくすると、レーザ光連続照射にて切断可能な小穴直径を板厚×約1.3倍まで小さくすることができる。
その結果、直径が板厚の1.3倍から1.5倍までの小穴を明ける場合、従来、レーザ光をパルス照射し、連続照射に比べて約20〜30倍の加工時間を要していたが、ピアシング孔径を板厚の1/3にすることにより、直径が板厚の1.3倍から1.5倍までの小穴においても連続照射による加工が可能となり、加工時間と加工コストを大幅に削減することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載のレーザピアシング方法であって、
前記酸素濃度Yが、
0<t<12mmの範囲において、 0<Y<85
12≦t≦22.76mmの範囲において、
5.71t−68.52≦Y≦−2.19t+111.28
かつ、前記アシストガスの噴射圧Pが、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
であることを特徴とする。
この発明に係るレーザピアシング方法によれば、レーザ光を被加工材に連続照射する際に、被加工材である板厚に応じて上記数式で与えられる酸素濃度Yのアシストガスを上記噴射圧Pにて噴射させつつピアシングを行なうため、過剰な酸化、燃焼反応の発生が抑制され、ピアシング孔径が、従来に比較して約50%小さく、板厚に対して約1/5の良好な径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、形成されるピアシング孔径が小さいのでピアシング孔から飛散するノロの量が抑制されるため、連続照射によるピアシングの自動運転を無監視にて、板厚約22mmまで行なうことができる。
また、ピアシング孔径を板厚の1/5まで小さくすると、板厚×約1.0倍以上の直径の小穴がレーザ光の連続照射にて切断可能となり、加工時間と加工コストを大幅に削減することができる。
請求項記載の発明は、請求項に記載のレーザピアシング方法であって、
前記酸素濃度Yが、
0<t<12.0mmの範囲において、 0<Y<10
12.0≦t<13.3mmの範囲において、
0<Y≦−0.255t+14.5t−127.2
13.3≦t≦26.33mmの範囲において、
−0.255t+14.5t−147.2≦Y≦−0.255t+14.5t−127.2
かつ、前記アシストガスの噴射圧Pが、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
であることを特徴とする。
この発明に係るレーザピアシング方法によれば、酸素濃度Y及び噴射圧Pを請求項5に示した範囲に調整することにより、それぞれの板厚において孔径が略最小となるピアシング孔を、容易かつ確実に形成することができる。
それぞれの板厚において、ピアシング加工が安定し不良が発生しない範囲でピアシング孔径が略最小となる酸素濃度Yを数式にすると、
アシストガスGの酸素濃度Yは、
0<t<12.0mmの範囲において、 Y=0
12.0≦t≦26.33mmの範囲において、
Y=−0.255t+14.5t−137.2
との関係が得られ、酸素濃度Yをこの数式よりも増加させてゆくと、ピアシング加工は安定するがピアシング孔径は大きくなり、酸素濃度Yをこの数式よりも減少させると、ピアシング孔径は小さくなるがピアシング加工は不安定となる。
一方で、レーザ発振器の性能や材質をはじめとする被加工材の個体差、レーザ発振器への塵埃付着等経時変化等の影響を考慮した場合、アシストガスの酸素濃度を上記数式の、−10%〜+10%の範囲に調整することで、略最小孔径のピアシング孔を加工することができる。
請求項記載の発明は、ノズルから噴射したアシストガスによって金属板加工部を覆い、該加工部にレーザ光を照射することにより金属板にレーザピアシングを行う加工装置であって、板厚入力部と、前記アシストガスの酸素濃度前記加工部の酸化・燃焼が抑制される以下の範囲に、前記アシストガスの噴射圧を以下の範囲に調整する調整手段と、を備え、
前記板厚入力部から入力された板厚に対応して前記アシストガスの酸素濃度及び噴射圧を自動調整することを特徴とする加工装置。
前記酸素濃度Yを、
0<t<8mmの範囲において、 0<Y<99.9
8≦t<13.5mmの範囲において、 0<Y≦−1.65t+111.2
13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
5.28t−71.28≦Y≦−1.65t+111.2
かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
この発明に係る加工装置によれば、ノズルから噴射されるアシストガスの酸素濃度が被加工材である金属板加工部の板厚に応じて調整され、ピアシングが行なわれるので、各被加工材の板厚において、材料歩留や品質面で良好な径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、レーザ光を連続的に照射した場合においても、過剰な酸化、燃焼が生じないようにアシストガスの酸素濃度を調整することで、連続照射による高い生産性を確保しつつ、孔径精度が高いピアシング孔を、熟練技術者に依存せずに容易かつ確実に行なうことができる。
また、板厚入力部から入力された板厚に対応してアシストガスの酸素濃度に加えてアシストガスの噴射圧が被加工材の板厚に応じて自動調整され、その酸素濃度及び噴射圧にてピアシングが行なわれるので、ピアシングが被加工材の厚さ方向の加工終端部近傍まで進行した場合においても、加工部位までアシストガスの噴射エネルギーが充分に到達して、溶融物がピアシング孔から充分に排除され、ピアシング加工がスムースに行なわれ、セルフバーニングが抑制されるので、被加工材の板厚に応じて、材料歩留や品質面で良好な径のピアシング孔が容易かつ確実に形成され、また、連続照射による高い加工効率のピアシングを、熟練技術者によらなくても、容易かつ確実に行なうことができる。
また、レーザ光を被加工材に連続照射する際に、被加工材である板厚に応じて上記数式で与えられる酸素濃度Yのアシストガスを噴射圧Pにて噴射させつつピアシングを行なうため、過剰な酸化、燃焼反応の発生が抑制され、ピアシング孔径が、従来に比較して約20%小さく、板厚に対して約1/3の良好な径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、形成されるピアシング孔径が小さいのでピアシング孔から飛散するノロの量が抑制され、その結果、ノロ付着による切断ミスやノロに起因する火災発生の虞がなくなり、従来、板厚12mmまでしか実現できなかった連続照射によるピアシングの自動運転を、無監視にて、板厚約16mmまで行なうことができる。
また、噴射圧Pを上記の下限以上とすることで、ピアシング孔内から溶融物が充分に排除されピアシング孔内に溶融物が留まるのが低減されるので、被加工材への溶融金属からの熱伝導が増大が抑制され、加工効率を向上させつつセルフバーニングが抑制される。また、噴射圧Pを上記上限以下とすることで、ピアシング孔内における過剰な酸化反応と、それに伴うノロの飛散量の増大が抑制されるので、所望の孔径のピアシング孔を被加工材の歩留りと加工効率を向上させつつ形成することができる。
また、ピアシング孔径を板厚の1/3まで小さくすると、直径が板厚×約1.3倍までの小穴がレーザ光の連続照射にて切断可能となり、その結果、加工時間と加工コストを大幅に削減することができる。
請求項記載の発明は、請求項に記載の加工装置であって、前記酸素濃度Yを、
0<t<12mmの範囲において、 0<Y<85
12≦t≦22.76mmの範囲において、
5.71t−68.52≦Y≦−2.19t+111.28
かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
に調整することを特徴とする。
この発明に係る加工装置によれば、レーザ光を被加工材に連続照射する際に、被加工材である板厚に応じて上記数式で与えられる酸素濃度Yのアシストガスを噴射圧Pにて噴射させつつピアシングを行なうため、過剰な酸化、燃焼反応の発生が抑制され、ピアシング孔径が、従来に比較して約50%小さく、板厚に対して約1/5の良好な径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、形成されるピアシング孔径が小さいのでピアシング孔から飛散するノロの量が抑制されるため、連続照射によるピアシングの自動運転を、無監視にて板厚約22mmまで行なうことができる。
また、ピアシング孔径を板厚の1/5まで小さくすると、板厚×約1.0倍以上の直径の小穴がレーザ光の連続照射にて切断可能となり、加工時間と加工コストを大幅に削減することができる。
請求項記載の発明は、請求項に記載の加工装置であって、
前記酸素濃度Yを、
0<t<12.0mmの範囲において、 0<Y<10
12.0≦t<13.3mmの範囲において、
0<Y≦−0.255t+14.5t−127.2
13.3≦t≦26.33mmの範囲において、
−0.255t+14.5t−147.2≦Y≦−0.255t+14.5t−127.2
かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
に調整することを特徴とする。
この発明に係る加工装置によれば、酸素濃度Y及び噴射圧Pを請求項10に示した範囲に調整することにより、それぞれの板厚において孔径が略最小となるピアシング孔を、容易かつ確実に形成することができる。
本発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、例えば鋼鈑等の被加工材にピアシングを行なう場合に、過剰な酸化反応を抑制する範囲で酸素濃度が決定されるとともに被加工材の厚さ方向の加工終端部近傍でも噴射エネルギーが到達して溶融物が充分に排除されるように噴射圧が決定されるので、高効率かつ高い精度で所望の孔径のピアシング孔を形成し、製造コストを削減することができる。
以下、図面を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明に係る加工装置の概略図であり、符号1は加工装置を、符号10は酸素濃度調整部(調整手段)を示している。
加工装置1は、酸素濃度調整部10と、加工データ入力部30と、酸素供給源41と、窒素供給源43と、レーザ発振器45と、ノズル47とを備えており、酸素濃度調整部10は、加工データ入力部30から入力された加工データに基づいて、酸素供給源41及び窒素供給源43から供給される酸素及び窒素の量を調整及び混合することで、所望のピアシング孔径を形成するのに適した酸素濃度のアシストガスGを生成し、ノズル47に供給するようになっている。
酸素濃度調整部10は、処理部12と、データテーブル13と、酸素流量調整回路14と、窒素流量調整回路15と、混合器16と、圧力調整弁20とを備えており、処理部12は、データテーブル13、酸素流量調整回路14、窒素流量調整回路15、圧力調整弁20と、それぞれ信号ケーブル25、26、27、28を介して接続されている。
また、データテーブル13には、酸素流量調整回路14、窒素流量調整回路15、及び圧力調整弁20において所定の酸素濃度及び噴射圧のアシストガスGを得るための制御データが格納されている。
また、酸素流量調整回路14及び窒素流量調整回路15は、それぞれ酸素供給源41及び窒素供給源43に接続され、酸素供給源41及び窒素供給源43は、それぞれ液化酸素及び液化窒素を貯留するとともに、これら液化酸素及び液化窒素を気化して酸素流量調整回路14及び窒素流量調整回路15に供給するようになっている。
酸素流量調整回路14は、マスフローコントローラ18と、配管とを備えるとともに、酸素供給源41と混合器16との間を接続し、酸素供給源41から配管を通じて供給された酸素の流量をマスフローコントローラ18で調整するようになっている。
窒素流量調整回路15は、マスフローコントローラ19と、配管とを備えるとともに、窒素供給源43と混合器16との間を接続し、窒素供給源43から配管を通じて供給された窒素の流量をマスフローコントローラ19で調整するようになっている。
また、マスフローコントローラ18、19で流量調整された酸素及び窒素は、混合器16に供給、混合され、所定の酸素濃度のアシストガスGに生成され、供給配管17を介してノズル47に供給されるようになっている。ノズル47において所定の噴射圧PのアシストガスGを得るために、処理部12からの制御データによって圧力調整弁20で噴射圧Pに対応した所定の圧力に調整されるようになっている。この実施の形態において、ノズル47は、噴射ノズル孔に対して充分大きな容積のアシストガスGの貯留部を備えており、ノズル噴射孔におけるアシストガスGの噴射圧Pは、圧力調整弁20から供給されたアシストガスGの圧力と略同等に保持されるようになっている。
この実施の形態において、酸素流量調整回路14及び窒素流量調整回路15を制御する制御データは、マスフローコントローラ18、19の開度データにより構成されている。
加工データ入力部30は、板厚入力部31と、ピアシング孔サイズ入力部32と、圧力モード入力部33とを備えており、これらはそれぞれデータケーブル35、36、37を介して処理部12に接続されている。
板厚入力部31は、被加工材Wである、例えば鋼板(金属板加工部、以下同じ)の板厚tに関するデータを入力するようになっている。
ピアシング孔サイズ入力部32は、ピアシングするための加工データのうち、鋼板Wの板厚tに対するピアシング孔サイズ(例えば、板厚tに対するピアシング孔径の大きさに関するデータ、例えば、板厚の1/3、1/5、その板厚における最小孔径)等のデータが入力されるようになっている。
圧力モード入力部33は、ピアシングに際して、ピアシング孔内の溶融物をピアシング孔の外部に排出させて溶融物が残らないようにするために、アシストガスGのノズル47への供給圧力を高く(低く)して、アシストガスGをノズル47から高い(低い)噴射圧Pで噴射させる場合に、指示を入力し、処理部12に対して指示データを送信するようになっている。
また、処理部12は、加工データ入力部30で入力され送信された、板厚tに関するデータ、ピアシング孔サイズに関するデータ、アシストガスGの噴射圧に関する指示データをもとに、ピアシングする板厚tの鋼板Wにおいて所望のピアシング孔径を得るために適したアシストガスGの酸素濃度を演算し、信号ケーブル25を介してデータテーブル13から、所定の酸素濃度のアシストガスGを得るために必要な酸素流量調整回路14及び窒素流量調整回路15の制御データを取得するようになっている。
また、処理部12は、圧力モード入力部34にアシストガスGの圧力調整に関する指示が入力された場合、圧力モード入力部34からの信号によって、板厚入力部31から入力された被加工材Wの板厚tに対応した噴射圧PのアシストガスGをノズル47から噴射させるために、該噴射圧Pに対応した圧力のアシストガスGを圧力調整弁20経由でノズル47に供給するための制御データをデータテーブル13から取得するとともに、信号ケーブル28を介して圧力調整弁20に指示するようになっている。
次に、この実施の形態の加工装置1の作用について説明する。
まず、加工データ入力部30の板厚入力部31、ピアシング孔サイズ入力部32、圧力モード入力部33に、被加工材Wに加工したいピアシング孔サイズに関するデータ、例えば、板厚t、板厚tの1/3、1/5等の板厚tに対するピアシング孔サイズに関する数値データ、また必要に応じて噴射圧Pに関する指示を入力する。これらは、それぞれデータケーブル35、36、37を介して処理部12に送信される。
処理部12は、送信されたこれらピアシングデータと、予め与えられた数式に基づいて、該ピアシングに適したアシストガスGの酸素濃度Y及び噴射圧Pを算出する。
入力された板厚tの値、及びピアシング孔サイズ情報に関して適用する数式は、例えば以下のとおりである。
例えば、ピアシング孔径を板厚の1/3以下とする場合については、
酸素濃度Yを、
0<t<8mmの範囲において、
0<Y<99.9 ・・・(1−1)
8≦t<13.5mmの範囲において、
0<Y≦−1.65t+111.2 ・・・(1−2)
13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
5.28t−71.28≦Y≦−1.65t+111.2 ・・・(1−3)
ここで、Y;酸素濃度(vol%)、t;金属板加工部の板厚(mm)(以下、同じ)
また、ピアシング孔径を板厚の1/5以下とする場合については、
酸素濃度Yを、
0<t<12mmの範囲において、 0<Y<85 ・・・(2−1)
12≦t≦22.76mmの範囲において、
5.71t−68.52≦Y≦−2.19t+111.28・・・(2−2)
また、それぞれの板厚tにおいて、ピアシング孔径を略最小とするために適したアシストガスGの酸素濃度Yは、
0<t<12.0mmの範囲において、 Y=0 ・・・(3−1)
12.0≦t≦26.33mmの範囲において、
Y=−0.255t+14.5t−137.2・・・(3−2)
また、レーザ発振器の性能や材質をはじめとする被加工材の個体差、レーザ発振器への塵埃付着等の経時変化の影響を考慮した場合に、アシストガスGの酸素濃度を上記数式の、−10%〜+10%の範囲に調整することで、略最小孔径のピアシング孔を加工することができ、その場合の前記酸素濃度Yは、
0<t<12.1mmの範囲において、 0<Y<10 ・・・(3−3)
12.1≦t<9.18mmの範囲において、 0<Y≦4.9t−30・・・(3−4)
9.18≦t≦26.33mmの範囲において、
4.9t−45≦Y≦4.9t−30・・・(3−5)
である。
また、上記(1−1)から(1−3)、(2−1)、(2−2)、(3−1)、(3−2)の酸素濃度Yにおいて、それぞれ板厚tの1/3、1/5、略最小径のピアシング孔を加工するためのアシストガスの噴射圧Pは、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05・・・(4−1)
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024・・・(4−2)
また、最適なアシストガスの噴射圧Pは、
0<t<13mmの範囲において、 P=0.03 ・・・(4−3)
13≦t≦26.33mmの範囲において、
P=0.002t+0.004・・・(4−4)
P;アシストガスの噴射圧(MPa)、t;金属板加工部の板厚(mm)
とされ、この条件の噴射圧Pにてピアシング孔内の溶融物が略完全に排出され、所望の孔径のピアシング孔を確保することができる。
次いで、処理部12は、上記数式により算出(演算)したアシストガスGの酸素濃度に対応したマスフローコントローラ18、19の開度データ、及び算出したアシストガスGの噴射圧Pを得るための該圧力調整弁20の制御データを、信号ケーブル25を介してデータテーブル13からそれぞれ取得して、信号ケーブル26、27、28を介してマスフローコントローラ18、19、及び圧力調整弁20に送信する。
マスフローコントローラ18、19は、処理部12から送信された開度データにより流路の開度が開閉制御され、所望の酸素濃度のアシストガスGを生成するのに必要な量の酸素及び窒素を、酸素供給源41及び窒素供給源43から混合器16に供給する。
混合器16に供給された所定量の酸素及び窒素は、混合器16で混合され、所定の酸素濃度のアシストガスGとされてノズル47に供給され、ノズル47の先端の開口部から被加工材Wに噴射されるとともに、レーザ発振器45が作動しノズル47内を経由したレーザ光Lが鋼板Wに照射されてピアシングが行なわれる。
この場合、レーザ光Lをパルス照射ではなく、連続照射においても過剰な酸化、燃焼が生じないようにアシストガスGの酸素濃度を調整することで、高効率にピアシング孔を形成することができる。
この場合、圧力調整弁20は、処理部12から送信された制御データにより制御され、ノズル47に供給されるアシストガスGが所望の噴射圧Pとされる。
この加工装置1によれば、鋼板Wの板厚tに応じて、過剰な酸化、燃焼が生じないようにノズル47から噴射されるアシストガスGの酸素濃度が調整されるので、レーザ光Lを連続的に照射した場合においても、例えば、ピアシング孔径が板厚tに対して約1/3(従来比、マイナス約20%)、あるいはピアシング孔径が板厚tに対して約1/5(従来比、マイナス約50%)の孔径が小さいピアシング孔を、容易かつ確実に形成することができる。
また、ピアシング孔径が小さく形成されているので、ピアシング孔径が大きさにつれてピアシング孔形状が円錐状になるのが抑制され、その結果、ノロの発生が少なくなり、ピアシング孔周辺のノロが付着する鋼板W表面の範囲が小さくなるので、静電容量によるノズル47高さ調整を用いた場合、ノズル47高さの不安定な作動やアシストガスGの流れが鋼板Wの表面に凹凸に付着したノロで乱されて生じる切断ミスの発生が抑制される。
また、ノロの発生が少なくなり、鋼板Wのピアシング孔周辺の過熱及び溶融範囲が縮小されるので、ピアシング時に発生した熱によるセルフバーニングや切断不良が防止される。
その結果、ノロ付着による切断ミスやノロに起因する火災発生の虞がなくなり、従来、板厚12mmまでしか実現できなかった連続照射によるピアシングの自動運転を無監視にて、ピアシング孔径が板厚の1/3の場合に板厚約16mm、板厚の1/5の場合に板厚約22mmまで行なうことができる。
また、一般的に連続照射による小穴切断では、切断可能な小穴の直径は、経験的に板厚×約1.5倍以上であるが、ピアシング孔径を板厚の1/3まで小さくすると、板厚×約1.3倍の直径まで、ピアシング孔径を板厚の1/5まで小さくすると、板厚×約1.0倍の直径までの小穴をレーザ光の連続照射にて切断することが可能となり、直径が板厚の1.0倍から1.5倍までの小穴切断に関して、加工時間と加工コストを大幅に削減することができる。
また、アシストガスGの酸素濃度が自動で調整されるので、熟練技術者に依存することなく、しかも、短時間に正確に酸素濃度を調整することができる。
また、レーザ光Lを鋼板Wに連続照射する際に、鋼板Wの板厚tにおいて、例えば、1/3、1/5、板厚tにおける最小孔径、等の加工したい孔径仕様に対応して、上記数式数式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(2−1)、(2−2)、(3−1)、(3−1)、(3−3)、(3−4)、(3−5)に基づいた条件に調整された酸素濃度のアシストガスGを供給してピアシングを行なうため、過剰な酸化、燃焼反応の発生が抑制され、所望の孔径のピアシング孔を容易かつ確実に、かつ高効率にて行なうことができる。
また、式(4−1)から(4−4)の条件に基づいてアシストガスGの噴射圧が調整されているので、被加工材Wの板厚tに応じてピアシングが被加工材の厚さ方向の加工終端部近傍まで進行した場合においても、加工部位の底部までアシストガスの噴射エネルギーが充分に到達する。その結果、噴射圧Pを上記の下限以上とすることで、ピアシング孔内から溶融物が充分に排除され、ピアシング孔内に溶融物が留まるのが低減されるので、製品への熱歪の発生が抑制され、加工効率が向上する。また、噴射圧Pを上記の上限以下とすることで、ピアシング孔内における過剰な酸化反応と、それに伴うノロの飛散量の増大が抑制されるので、所望の孔径のピアシング孔を、歩留りを向上させつつ加工効率を向上させることができる。
上記のように、所定の孔径のピアシング孔を高精度、かつ高効率にて形成できるので、生産リードタイムの削減、製造コストの削減を実現することができる。
次に、図2、図3、図4、図5、図6に基づいて、上記の数式について説明する。
図2は、上記実施の形態におけるアシストガスGの酸素濃度とピアシング孔径の関係を、図3、図4、図5は、被加工材の板厚とアシストガス酸素濃度の関係を、図6は、被加工材の板厚とアシストガスGの噴射圧の関係を示す図である。
図2は、被加工材が鋼板の場合に、アシストガスGの酸素濃度と、ピアシング孔径の関係を示したものであり、A6、A9、A12、A16、A19は、それぞれ6mm、9mm、12mm、16mm、19mmの板厚の鋼板に、横軸に示した酸素濃度のアシストガスGを噴射しながら6kWのレーザの連続ビームを照射したときに形成されるピアシング孔径を示したものである。
また、図3は、ピアシング孔として、板厚の1/3以下の孔径のピアシング孔が得られる範囲のアシストガスGの酸素濃度を、図2に基づいて表したものである。図3におけるB1以下でB2以上の範囲は、板厚の1/3以下の孔径のピアシング孔が得られる範囲である。
また、図4は、板厚の1/5以下の孔径のピアシング孔が得られる範囲のアシストガスGの酸素濃度を、図2に基づいて表したものである。図4において、C1以下でC2以上の範囲は、板厚の1/5以下の孔径のピアシング孔が得られる範囲である。
また、図5は、D1はピアシング孔径が最小の場合、D2以下でとD3以上の範囲は、その板厚tにおける最小孔径のピアシング孔を加工するためのアシストガスGの酸素濃度の範囲を示している。
また、図6は、図3、図4、図5で示される酸素濃度の場合の所望の板厚tにおいてピアシング孔内に溶融物を付着させないために必要なアシストガスGの噴射圧Pの、最適値P1、好適な範囲の上限P2、下限P3を特定したものである。
なお、このアシストガスGの噴射圧Pは、酸素濃度Yではなく板厚に依存する関数であるため、アシストガスGの噴射圧Pをレーザピアシングにおける酸素濃度調整の必須の構成要素とする必要はない。
このようにして、図2、図3、図4、図5に基づいて得られたアシストガスGの酸素濃度は、前述の数式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(2−1)、(2−2)、(3−1)、(3−1)、(3−3)、(3−4)、(3−5)に特定される。
また、図6に基づいて得られたピアシング孔内に溶融物を付着させないために必要なアシストガスGの噴射圧Pの範囲及び最適な数式は、(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−4)に特定される。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
上記実施の形態においては、被加工材Wが鋼板の場合について説明したが、本発明に係る方法及び加工装置に適用する被加工材Wは、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、チタン等の、他の金属又はそれらの合金から構成されたものであってよい。
また、上記実施の形態においては、酸素濃度の範囲を上記数式から算出する場合について説明したが、数式を使用せずに酸素濃度Yを調整してもよい。
また、上記以外で特定される数式を設けてピアシングに適用してもよい。すなわち、ピアシング孔径に関して、板厚tの1/5以下の場合について演算する場合について説明したが、ピアシング孔サイズについて入力する情報は、板厚の1/5よりも大きい孔径とすることも可能である。また、制御部を備えない加工装置に適用して、マスフローコントローラ18、19等に設けられた目盛や、歯車、リンク機構等を用いた開度調整装置により、酸素濃度、噴射圧を制御してもよい。
また、酸素及び窒素を供給する酸素供給源41及び窒素供給源43が、それぞれ液化酸素及び液化窒素を貯留し、これら液化酸素及び液化窒素を気化する場合について説明したが、液体酸素、液体窒素に代えて、いずれかに液体空気を用いることも可能であり、また、タンク等に圧縮、保存された酸素、窒素又は空気、あるいは、コンプレッサにより空気等を圧縮する方法等を任意に組合せて、混合器16にアシストガスの原料を供給してアシストガスGを生成することができる。
また、アシストガスGを構成する気体の一部として、不活性ガス、例えばアルゴン、ヘリウム等を使用することも可能である。
また、上記実施の形態においては、鋼板Wに照射するレーザ光Lを連続的に照射する場合について説明したが、アシストガスGの酸素濃度調整をパルス照射に適用してもよい。
また、上記実施の形態においては、加工データ入力部30に入力された板厚t等のデータに基づいて、板厚tに対応したアシストガスGの酸素濃度、噴射圧Pを処理部12で演算してデータテーブル13から制御データを取得して、マスフローコントローラ18、19、及び圧力調整弁20を制御する場合について説明したが、上記数式に基づく演算結果をデータテーブルに記録し、その情報に基づいて制御データを取得してもよいし、入力された板厚t等の情報に基づいて、制御データを直接に算出し、又はデータテーブルから直接取得したデータにより、又は酸素濃度Y及び噴射圧Pを直接求めることなく対応するデータのみを取得して調整してもよい。
また、アシストガスGの混合において用いたマスフローコントローラ18、19の開度等の制御情報をデータテーブル13から取得する場合について説明したが、これら制御に必要な制御データを処理部12において演算によって算出してもよい。
本発明の一実施形態に係る加工装置の酸素濃度調整部の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアシストガス酸素濃度とピアシング孔径の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る板厚とアシストガス酸素濃度の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る板厚とアシストガス酸素濃度の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る板厚とアシストガス酸素濃度の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る被加工材の板厚とアシストガス噴射圧の関係を示す図である。 従来のレーザ切断機のノズル部の概略を示す図である。
符号の説明
10 酸素濃度調整部(調整手段)
28 板厚入力部
44 ノズル
G アシストガス
W 被加工材、鋼板(金属板加工部)

Claims (6)

  1. ノズルから噴射したアシストガスによって金属板加工部を覆い、該加工部にレーザ光を照射することにより金属板にピアシングを行なうレーザピアシング方法であって、
    前記金属板加工部の板厚に対応して、前記アシストガスの酸素濃度Yを前記加工部の酸化・燃焼が抑制される以下の範囲に調整するとともに、前記アシストガスの噴射圧を以下の範囲に調整してレーザ光を照射することを特徴とするレーザピアシング方法。
    前記酸素濃度Yを、
    0<t<8mmの範囲において、 0<Y<99.9
    8≦t<13.5mmの範囲において、 0<Y≦−1.65t+111.2
    13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
    5.28t−71.28≦Y≦−1.65t+111.2
    かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
    0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
    13≦t≦26.33mmの範囲において、
    0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
    t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
  2. 請求項記載のレーザピアシング方法であって、
    前記酸素濃度Yが、
    0<t<12mmの範囲において、 0<Y<85
    12≦t≦22.76mmの範囲において、
    5.71t−68.52≦Y≦−2.19t+111.28
    かつ、前記アシストガスの噴射圧Pが、
    0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
    13≦t≦26.33mmの範囲において、
    0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
    t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
    であることを特徴とするレーザピアシング方法。
  3. 請求項に記載のレーザピアシング方法であって、
    前記酸素濃度Yが、
    0<t<12.0mmの範囲において、 0<Y<10
    12.0≦t<13.3mmの範囲において、
    0<Y≦−0.255t+14.5t−127.2
    13.3≦t≦26.33mmの範囲において、
    −0.255t+14.5t−147.2≦Y≦−0.255t+14.5t−127.2
    かつ、前記アシストガスの噴射圧Pが、
    0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
    13≦t≦26.33mmの範囲において、
    0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
    t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
    であることを特徴とするレーザピアシング方法。
  4. ノズルから噴射したアシストガスによって金属板加工部を覆い、該加工部にレーザ光を照射することにより金属板にレーザピアシングを行う加工装置であって、
    板厚入力部と、
    前記アシストガスの酸素濃度前記加工部の酸化・燃焼が抑制される以下の範囲に、前記アシストガスの噴射圧を以下の範囲に調整する調整手段と、を備え、
    前記板厚入力部から入力された板厚に対応して前記アシストガスの酸素濃度及び噴射圧を自動調整することを特徴とする加工装置。
    前記酸素濃度Yを、
    0<t<8mmの範囲において、 0<Y<99.9
    8≦t<13.5mmの範囲において、 0<Y≦−1.65t+111.2
    13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
    5.28t−71.28≦Y≦−1.65t+111.2
    かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
    0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
    13≦t≦26.33mmの範囲において、
    0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
    t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
  5. 請求項に記載の加工装置であって、
    前記酸素濃度Yを、
    0<t<12mmの範囲において、 0<Y<85
    12≦t≦22.76mmの範囲において、
    5.71t−68.52≦Y≦−2.19t+111.28
    かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
    0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
    13≦t≦26.33mmの範囲において、
    0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
    t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
    に調整することを特徴とする加工装置。
  6. 請求項に記載の加工装置であって、
    前記酸素濃度Yを、
    0<t<12.0mmの範囲において、 0<Y<10
    12.0≦t<13.3mmの範囲において、
    0<Y≦−0.255t+14.5t−127.2
    13.3≦t≦26.33mmの範囲において、
    −0.255t+14.5t−147.2≦Y≦−0.255t+14.5t−127.2
    かつ、前記アシストガスの噴射圧Pを、
    0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05
    13≦t≦26.33mmの範囲において、
    0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024
    t;金属板加工部の板厚(mm)、Y;酸素濃度(vol%)、P;アシストガスの噴射圧(MPa)
    に調整することを特徴とする加工装置。
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